JP2007186373A - 耐爆裂性セメント硬化体及びその製造方法 - Google Patents
耐爆裂性セメント硬化体及びその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】セメント硬化体の一部あるいは全部を炭酸化処理したセメント硬化体において、セメントが高炉セメントであることを特徴とする耐爆裂性セメント硬化体でであり、また、そのセメント硬化体の製造方法である。この耐爆裂性セメント硬化体は、水/結合材比が40〜60%の範囲で調整されること、繊維長が3mm以下の有機繊維を含有することができる。
Description
なお、本発明におけるセメント硬化体とは、ペースト硬化体、モルタル硬化体及びコンクリート硬化体を総称するものである。
また、有機繊維を利用する方法は、セメント硬化体の含水量によって爆裂抑制効果が大きく変動するという課題があった。つまり、セメント硬化体の含水率が高い場合には十分な爆裂抑制効果が得られない場合があった。さらに、従来の有機繊維は繊維長が5mm以上であり、このような繊維を用いた場合にはパス形成能力が充分でないことも明らかとなってきている。すなわち、本発明者らが、様々な実験を通して知見した実験結果によると、同じ添加率であっても、繊維長が5mm以上の長い繊維を用いた場合の繊維の連続性(パス形成能力)は、繊維長が5mm未満の短いものを使用した際のパス形成能力と比較して劣ることが明らかとなってきた。
(1)セメント硬化体の一部あるいは全部を炭酸化処理したセメント硬化体において、セメントが高炉セメントであることを特徴とする耐爆裂性セメント硬化体である。
(2)水/結合材比が40〜60%の範囲で調整されることを特徴とする前記(1)の耐爆裂性セメント硬化体である。
(3)繊維長が3mm以下の有機繊維を含有することを特徴とする前記(1)又は(2)の耐爆裂性セメント硬化体である。
(4)圧縮強度が30N/mm2以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項の耐爆裂性セメント硬化体である。
(5)セメントに、少なくとも水を配合してセメント混練物を調製し、これを型枠に流し込んで養生し、硬化後に脱型して得た成型体を炭酸化養生するセメント硬化体の製造方法において、前記セメントが高炉セメントであることを特徴とする耐爆裂性セメント硬化体の製造方法である。
(6)水/結合材比を40〜60%の範囲で調整することを特徴とする前記(5)の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法である。
(7)前記セメント混練物が、繊維長が3mm以下の有機繊維を配合したものであることを特徴とする前記(5)又は(6)の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法である。
(8)前記セメント混練物が、細骨材、又は細骨材と粗骨材を配合したものであることを特徴とする前記(5)〜(7)のいずれか一項の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法である。
(9)前記セメント混練物が、セメント混和剤を配合したものであることを特徴とする前記(5)〜(8)のいずれか一項の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法である。
なお、本発明における部や%は特に規定しない限り質量基準で示す。
セメント(イ):市販の普通セメント、比重3.16、ブレーン比表面積3300cm2/g。
セメント(ロ):市販の早強セメント、比重3.14、ブレーン比表面積4500cm2/g。
セメント(ハ):市販の高炉セメントB種、比重3.06、ブレーン比表面積3500cm2/g。
セメント(ニ):市販の高炉セメントC種、比重2.98、ブレーン比表面積4000cm2/g。
セメント(ホ):市販の低熱セメント、比重3.23、ブレーン比表面積3500cm2/g。
水 :水道水
細骨材 :新潟県姫川産、砕砂、5mm下、FM2.82、比重2.64。
粗骨材 :新潟県姫川産、砕石、Gmax25mm、比重2.62。
ポリカルボン酸系高性能AE減水剤:花王社製商品名マイティ3000
圧縮強度 :JIS A 1108に準じて材齢91日に測定。
爆裂試験 :セメント硬化体を炉に入れて、1200℃まで1時間で昇温加熱し、爆裂の有無を観察した。12本の試験体のうち、9本以上に爆裂が認められた場合は×、6本以上で8本以下の場合は*、3本以上で5本以下の場合は△、1〜2本の場合は○、全く爆裂が認められない場合は◎とした。
また、水/結合材比を60%以下とすることにより、圧縮強度30N/mm2以上のセメント硬化体が得られた。
有機繊維a:ビニロンファイバー、繊維長3mm、繊維径100μm。
有機繊維b:アクリルファイバー、繊維長3mm、繊維径100μm。
有機繊維c:セルロースファイバー、繊維長3mm、繊維径50μm。
有機繊維d:ポリプロピレンファイバー、繊維長3mm、繊維径100μm。
有機繊維e:ビニロンファイバー、繊維長6mm、繊維径100μm。
Claims (9)
- セメント硬化体の一部あるいは全部を炭酸化処理したセメント硬化体において、セメントが高炉セメントであることを特徴とする耐爆裂性セメント硬化体。
- 水/結合材比が40〜60%の範囲で調整されることを特徴とする請求項1に記載の耐爆裂性セメント硬化体。
- 繊維長が3mm以下の有機繊維を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の耐爆裂性セメント硬化体。
- 圧縮強度が30N/mm2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐爆裂性セメント硬化体。
- セメントに、少なくとも水を配合してセメント混練物を調製し、これを型枠に流し込んで養生し、硬化後に脱型して得た成型体を炭酸化養生するセメント硬化体の製造方法において、前記セメントが高炉セメントであることを特徴とする耐爆裂性セメント硬化体の製造方法。
- 水/結合材比を40〜60%の範囲で調整することを特徴とする請求項5に記載の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法。
- 前記セメント混練物が、繊維長が3mm以下の有機繊維を配合したものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法。
- 前記セメント混練物が、細骨材、又は細骨材と粗骨材を配合したものであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法。
- 前記セメント混練物が、セメント混和剤を配合したものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の耐爆裂性セメント硬化体の製造方法。
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