JP2007001813A - 水中構造物用コンクリート硬化体及びその製造方法 - Google Patents

水中構造物用コンクリート硬化体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 海水又は淡水の作用を受ける水中構造物として使用した場合に、水中構造物周囲の水のpHに及ぼす影響の小さいコンクリート硬化体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 材齢3月以内のコンクリート硬化体であって、硬化体の中性化深さが0.5mm以上である水中構造物用コンクリート硬化体、及びセメント、無機系混和材、骨材、混和剤及び水を含むコンクリートを、混練し、打設し、脱型してコンクリート硬化体を作製し、次いで、コンクリート硬化体の表面を散水及び/又は強制炭酸化し、それにより、コンクリート硬化体の中性化深さを0.5mm以上とする製造方法である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水の作用を受ける水中構造物用コンクリート硬化体及びその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、消波ブロック、護岸壁、人工漁礁等の水の作用を受ける水中構造物として使用した場合に、水中構造物が設置される周囲の水のpH上昇を抑制する水中構造物用コンクリート硬化体及びその製造方法に関する。
コンクリート硬化体は、製造コスト、成形の自由度、耐候性などの点で、総じて他の材料よりも優れており、消波ブロック、護岸壁、人工漁礁等の水中構造物材料として多用されている。
ところで、水質環境は、従来から重要視されているところであるが、pHについては、例えば、環境庁告示第59号別表2で、海域の利用目的に応じてpHの基準値が7.8以上8.3以下に定められている。また、生物の生育環境に関していえば、海水のpHが9を超えると、ノリ等の海産物の養殖に悪影響を及ぼすことも知られている(非特許文献1)。
一方、コンクリート硬化体を水中に浸せきした場合、コンクリート硬化体に含まれる水酸化カルシウムが水中に溶出することが知られている。水酸化カルシウムは、水中に溶出するとアルカリ性を示すことから、周囲の水のpHを上昇させ、水質環境を悪化させる。
そのため、環境保護の観点から、コンクリート硬化体を消波ブロック、護岸壁、人工漁礁等の水中構造物に使用する場合、水との接触により、コンクリート硬化体表面から溶出する水酸化カルシウムの量を低減することが好ましい。
このため、一般のコンクリート硬化体製品では、コンクリートを混練、打設、脱型後、約14日間程度大気中で養生すれば、製品として出荷できるのに対し、水中構造物用コンクリート硬化体では、一般的には半年間以上大気中で養生させて、硬化体表面の「アク抜き」を行ったのち、出荷されてきた。しかしながら、半年間以上の養生は、水中構造物用に供される膨大なコンクリート硬化体を長期間ストックしておくことを意味し、置き場の確保や製造コストの点で問題となっている。しかも、大気中の長期間養生における「アク抜き」は、養生させる地域の天候条件で大きく変動するので、半年間以上の養生でも、「アク抜き」が十分とはいえない場合もある。
一方、コンクリート硬化体からの水酸化カルシウムの溶出を抑制する方法としては、コンクリート硬化体表面を水溶性金属硫酸塩及びノニオン系界面活性剤を含有する水溶液で処理する方法(特許文献1)、あるいはコンクリート硬化体表面又は内部にリン系化合物を付着又は含有させる方法(特許文献2)等が提案されている。しかし、工程(製造コスト)の増加、材料の入手困難等の理由から、これらの水酸化カルシウム溶出抑制方法は十分に活用されているとはいいがたい。
コンクリート"アク"がノリに及ぼす影響、佐賀有明水産試験場報告、第10号、1986 特許3282393号公報 特開平7−268831号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、水と接触した際の水酸化カルシウムの溶出が少なく、pH上昇抑制効果のある水中構造物用コンクリート硬化体及びその製造方法を提供することを目的とする。
なお、本明細書において、「水中構造物」は、水の作用を受ける構造物を意味し、水中に浸せきして常時水と接触しながら使用する構造物、定期的に水と接触しながら使用する構造物及び水を収容する構造物のいずれをも含む。「水中使用」とは、水の作用を受け、表面からイオンが溶出するような使用をいい、水中構造物については、本来の使用目的地で、本来の使用目的に沿って構造物を使用することをいう。なお、「水中構造物」又は「水中使用」との関連で使用される用語「水」には、海水及び淡水のいずれも含む。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討する過程で、コンクリート硬化体の中性化に着目し、コンクリート硬化体を、水中使用前に、予め所定の深さまで中性化すれば、水中使用の際の初期の水酸化カルシウムの溶出量を低減することができ、これによりpH上昇を抑制することができるとの知見を得て、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、材齢3月以内のコンクリート硬化体であって、硬化体の中性化深さが0.5mm以上である水中構造物用コンクリート硬化体が提供される。
また本発明によれば、セメント、無機系混和材、骨材、混和剤及び水を含むコンクリートを、混練し、打設し、脱型してコンクリート硬化体を作製した後、コンクリート硬化体の表面を散水及び/又は強制炭酸化し、それにより、コンクリート硬化体の中性化深さを0.5mm以上とする水中構造物用コンクリート硬化体の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、セメント、無機系混和材、骨材、混和剤及び水を含むコンクリートを硬化させたコンクリート硬化体の表面を、散水及び/又は強制炭酸化し、コンクリート硬化体の中性化深さを0.5mm以上とする水中構造物用コンクリート硬化体の中性化処理方法が提供される。
本発明の水中構造物用コンクリート硬化体によれば、コンクリート硬化体は、中性化深さが0.5mm以上あるので、水中使用の際の初期の水酸化カルシウムの溶出量が低減でき、それによりpHの上昇を抑制することができる。したがって、例えば、海水又は淡水中の生物等への影響を最小限にすることができる。
本発明における水中構造物は、水の作用を受ける構造物であれば特に限定されず、その形状、寸法、使用目的を問わない。テトラポッド等の消波ブロック、護岸壁、人工漁礁、防波堤、防潮堤等の海水又は淡水に浸せきして使用される構造物、及びプール、生簀、養殖用水槽、観賞用庭池等の海水又は淡水を収容する構造物が挙げられる。
本発明の水中構造物用コンクリート硬化体は、その水中使用の際に、中性化深さが0.5mm以上であるコンクリート硬化体である。具体的には、材齢3月以内のコンクリート硬化体であって、硬化体の中性化深さが0.5mm以上である。
本発明は、材齢3月以内のコンクリート硬化体を対象とする。後述するように、本発明は、コンクリート硬化体の表面に、散水及び/又は強制炭酸化の中性化処理を用いて所定の中性化深さを形成させている。従来は、半年間以上の大気中養生を行っても、コンクリート硬化体表面に、pH上昇抑制効果を確実に発揮できる中性化深さを形成することは難しかった。したがって、中性化処理を行わない材齢3月以内のコンクリート硬化体では、その表面に中性化深さ0.5mm以上を形成することは難しかった。本発明では、材齢1日後のコンクリート硬化体に、短期間の中性化処理を行い、表面に所定の中性化深さを形成することが可能であり、このような中性化処理を終えた水中構造物用コンクリート硬化体は、直ちに供用現場に搬入して水中構造物用として供用することができる。一方、コンクリート硬化体の製造あるいは供用時の諸事情により、材齢後所定期間経過した後中性化処理を行う場合や、中性化処理を終えた後に製造工場や供用現場で一定期間保管されることもあり得る。このため、本発明は、材齢3月以内のコンクリート硬化体とした。
本発明における中性化深さ0.5mm以上は、少なくとも水中構造物用コンクリート硬化体の水と接触する表面部分に形成されていることが好ましく、全表面にわたって形成されていることがより好ましい。また、中性化深さが0.5mm以上であると、pH上昇抑制効果が十分に発揮される。一方、中性化深さが増大するとそのpH上昇抑制効果がほぼ飽和に達する。したがって、中性化深さは、より好ましくは0.5〜3.5mm、さらに好ましくは0.5〜3.0mmである。
本発明のコンクリート硬化体に使用するコンクリートは、セメント、無機系混和材、骨材、混和剤及び水を含む。セメントとしては、例えば、JIS R 5210「ポルトランドセメント」、混合セメントとしてのJIS R 5211「高炉セメント」及びJIS R 5213「フライアッシュセメント」が好ましく挙げられる。これらに加えて、ポルトランドセメントにシリカヒュームを添加したシリカヒュームセメント、高炉セメントB種、C種、フライアッシュセメントB種、C種を混合した混合セメントも使用できる。
無機系混和材としては、特に限定されるものではないが、例えば、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカフュームの1種又は2種以上を使用することができる。
コンクリート中のセメントと無機系混和材の配合比率は、セメントと無機系混和材の合計質量に対するセメント量の質量比が、0.35以上0.90未満であることが好ましい。質量比がこの範囲にあると、短期間の屋外暴露による中性化処理により、中性化深さを0.5mm以上にすることができ、pH上昇抑制効果と良好な圧縮強度を有するコンクリート硬化体を得ることができる。より好ましくは、質量比は、0.45以上0.90未満である。
コンクリートは、コンクリート1m当りのセメント量が105〜240kgであることが好ましく、120〜210kgであることがより好ましい。また、セメントと無機系混和材の合計質量に対する水の質量比は、0.4〜0.7であることが好ましく、0.5〜0.6であることがより好ましい。
セメント量及びセメントと無機系混和材の合計質量に対する水の質量比をこの範囲に調整することにより、海水又は淡水のpH上昇抑制効果を十分に発揮することができる。
骨材は、特に限定されず、細骨材及び粗骨材のいずれも使用することができる。細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、高炉スラグ細骨材等を挙げることができる。また、粗骨材としては、砂利、砕石、高炉スラグ粗骨材等を挙げることができる。
混和剤は、特に限定されず、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、凝結・硬化調節剤、防錆剤、収縮低減剤、水和熱低減剤、空気量調整剤等を挙げることができる。AE減水剤としては、リグニンスルホン酸塩およびその誘導体、オキシカルボン酸塩等を、高性能AE減水剤としては、ナフタレン系、ポリカルボン酸系及びアミノスルホン酸系のものを挙げることができる。
本発明のコンクリート硬化体は次のようにして製造することができる。上記の各材料成分と水とを所定量配合し、例えば、パン型ミキサー、強制二軸練りミキサー等のミキサーを用いて混練することにより、フレッシュコンクリートを調合する。このとき、セメントと無機系混和材の合計質量に対するセメント量の質量比を、0.35以上0.90未満とするのが好ましく、0.45以上0.90未満とすることがより好ましい。また、セメント量を105〜240kgの範囲に、セメントと無機系混和材の合計質量に対する水の質量比を0.4〜0.7にすることが好ましい。得られたフレッシュコンクリートを所定の形状の型枠に打設(成形)し、通常打設後1日で型枠から脱型し、コンクリート硬化体を作製し、次いでコンクリート硬化体を、屋外又は屋内で、養生を兼ねた中性化処理に付すことにより、水中構造物用コンクリート硬化体を得ることができる。
本発明のコンクリート硬化体の中性化処理は、養生期間中に、コンクリート硬化体の表面に連続的若しくは断続的に散水するか又はコンクリート硬化体の表面を強制炭酸化することにより行うことができる。この中性化処理の期間中に、コンクリートの硬化が進行する。中性化処理のための散水条件としての散水量及び散水期間は所定の中性化深さが得られる条件であれば特に限定されないが、実用的には、5〜200mL/cm・日の散水量で1〜20日程度行うのが好ましい。なお、コンクリート硬化体を水中に浸せきしたままでは、空気と接触することができないため、中性化は殆んど進行しない。連続的又は断続的な散水に伴う中程度の相対湿度条件又は乾湿繰り返し条件が、中性化を最も進行させる。
一方、強制炭酸化により中性化処理する場合は、例えば、促進中性化装置等の強制炭酸化装置を用いて行うことができる。このときの炭酸化条件は、所定の中性化深さが得られる条件であれば特に限定されないが、実用的には、温度15〜30℃、湿度40〜70%、CO濃度5〜10%の環境下で、1〜5日間行うことが好ましい。また、散水と強制炭酸化を併用して、中性化処理期間を短縮することもできる。
本発明のコンクリート硬化体は、上記の中性化処理に加えて、通常の養生に付してもよい。
本発明の水中構造物用コンクリート硬化体は、テトラポッド等の消波ブロック、護岸壁、人工漁礁、防波堤、防潮堤等の海水又は川や湖等の淡水中に浸せきして使用される水中構造物用、及びプール、生簀、養殖用水槽、観賞用庭池等の海水又は淡水を収容する水中構造物として使用が可能である。なお、水中構造物としての使用にあたっては、例えば、供用現場でフレッシュコンクリートを打設し、脱型しコンクリート硬化体を作製した後、コンクリート硬化体の表面に中性化処理を施して供用を開始することもできるし、二次製品工場現場で中性化処理までを行い、その後、供用現場に移動して供用を開始することもできる。
なお、本発明の水中構造物用コンクリート硬化体は、中性化深さが0.5mm未満であるコンクリート硬化体を、さらに中性化処理に付して、所定の中性化深さにしたものも含む。このように、後から処理し、表面を中性化処理する方法として、上記の強制炭酸化装置は有用であり、それにより既存構造物の有効利用が可能となる。
本発明について、実施例を用いてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<フレッシュコンクリート>
以下の材料を使用してフレッシュコンクリートを調製した。
(1)普通ポルトランドセメント(N):宇部三菱セメント株式会社製
(2)無機系混和材
(i)高炉スラグ微粉末(BS)
(ii)フライアッシュ(FA)
(iii)シリカヒューム(SF)
(3)混和剤
(i)AE減水剤:株式会社フローリック製フローリックSV(固形分濃度23重量%)
(ii)空気量調整剤:株式会社フローリック製フローリックAE-4
(4)骨材
(i)細骨材:
海砂(密度2.61g/cm、粗粒率1.82、福岡市博多産)
(ii)細骨材:
砕砂(密度2.64g/cm、粗粒率3.76、山口市宮野産)
(5)練混ぜ水
水道水(W)
上記の各材料を、表1に示す割合で配合し、JIS A 1138「試験室におけるコンクリートの作り方」に準拠して調製した。フレッシュコンクリートの練混ぜには、容量50リットルの強制二軸練りミキサーを使用し、コンクリート標準示方書〔施工編〕に準拠し、表1に示す配合割合で、普通ポルトランドセメント、無機系混和材及び骨材をミキサーに投入し、30秒間空練りした後、予め混和剤としてのAE減水剤を溶解した水を加え90秒間練混ぜた。コンクリートの目標スランプを8cmとした。スランプの測定はJIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」に準拠して行った。
Figure 2007001813
<コンクリート硬化体の中性化>
上記により得られたフレッシュコンクリートから、図1に示す直径10cm、長さ20cmの供試体1を成形(打設)し、材齢1日で脱型した。脱型した供試体1は、表2に示す条件で中性化処理を行った。表2中の実施例1〜10及び比較例1〜4は、14日間屋外暴露し、コンクリート硬化体を寝かせてその表面が雨水に晒されるようにして散水して中性化した。この屋外暴露期間の降雨量平均値は、20mL/cm・日であった。また、比較例5は、屋外暴露を行わず、20℃、湿度70%の恒温恒湿室にて室内気中7日間養生を行った例であり、実施例11は屋外暴露を行わず、炭酸ガスによって強制的に中性化を促進させた例である。強制炭酸化は、供試体1を材齢1日で脱型後、JIS A 1153「コンクリートの促進中性化試験方法」に準拠し、促進中性化装置(CO環境試験層)にて、温度20℃、湿度60%、CO濃度5%の環境下で3日間行った。これらの中性化処理又は養生を行った供試体1から、図1に示すように試験片2を切り出し、この試験片2について、JIS A 1152「コンクリートの中性化深さの測定方法」に準拠して中性化深さを測定した。結果を表2に併せて示す。
<浸せき試験>
浸せき試験は、図2に示すように、ポリ容器3中に人工海水を入れ、その中に供試体1を浸せきした。人工海水は、JIS A 6205「鉄筋コンクリート用防せい剤」附属書1に記載されているものを使用した。供試体1の表面積に対する海水容積の割合は、26mL/cmとした。これは、直径10cm、長さ20cmの供試体1に対し、海水20.3Lに相当し、実海域に消波ブロック(テトラポッド)を設置した場合の消波ブロックの表面積に対する隙間の海水容積の割合を想定したものである。すなわち、実海域に消波ブロックを設置した際、最も海水のpHが高くなる条件に設定している。なお、実際には海水の入れ替わりがあるため、これ以上pHが高くなることはないと考えられる。供試体1を浸せきした海水のpHは、イオン電極式pH計を用いて、浸せき後7日に測定した。試験結果を表2に示す。なお、浸せき後のpHが7.8〜8.3は、環境庁告示59別表2のpH基準値を満足するものであり、浸せき後のpHが8.4〜9.0は、ノリ等の海産物の養殖に影響を及ぼさないpHである。
Figure 2007001813
<圧縮強度試験>
浸せきした供試体1と同一組成のコンクリートを、同一の寸法形状の硬化体に硬化させたコンクリート硬化体を用いて、コンクリートの圧縮強度を測定した。圧縮強度試験はJIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して行った。養生は標準水中養生とし、材齢は28日とした。結果を表3に示す。なお、圧縮強度が21N/mm2以上のものは消波ブロックの所要強度を満足するものである。
Figure 2007001813
表2に示す結果から明らかなように、コンクリート硬化体の中性化深さが0.5mm以上の実施例1〜11は、コンクリート硬化体を人工海水に浸せきしたときのpHの上昇が抑制され、例えば、ノリの養殖に影響を与えない値、あるいは環境庁告示第59号別表2のpH規定値を満足する。
また、コンクリート硬化体の中性化深さを0.5mm以上とするためには、屋外暴露における雨水による散水及び炭酸ガスによる強制炭酸化のいずれの方法も有効であることが確認された。
さらに、コンクリート中のセメントと無機系混和材の合計質量に対するセメント量の質量比が、0.35以上0.90未満であると、短期間の屋外暴露による中性化処理で、コンクリート硬化体の中性化深さを0.5mm以上にすることができる。また質量比が、0.45以上0.90未満である実施例1、2、3、5、7、9、11は、pH上昇抑制効果に加えて、材齢28日において良好な圧縮強度を有するコンクリート硬化体を得ることができる。また、普通ポルトランドセメントのコンクリート1m当りの配合量が105〜240kg/mの範囲で、かつ、コンクリート中のセメントと無機系混和材の合計質量に対する水の質量比が0.4〜0.7の範囲にある実施例1〜11はpH上昇抑制効果に優れる。さらに、コンクリート1m当りのセメント配合量が120kg/mを超える実施例1、2、3、5、7、9、11では、材齢28日において圧縮強度が21N/mm2以上を有し、消波ブロックとしての所要の強度が得られることが確認された。
本発明の水中構造物用コンクリート硬化体及びその製造方法は、水中使用の際の初期の水酸化カルシウムの溶出量が低減できるので、pHの上昇を抑制することができる。したがって、海水又は淡水環境に好ましいものであり、かつ海水又は淡水中の生物等への影響を最小限にすることができるので、産業上の利点が大きい。
本発明のコンクリート硬化体(供試体)及び中性化深さ測定用試験片の寸法形状を示す図である。 本発明のコンクリート硬化体(供試体)の浸せき試験方法を示す図である。
符号の説明
1 供試体
2 中性化試験片
3 ポリバケツ

Claims (7)

  1. 材齢3月以内のコンクリート硬化体であって、硬化体の中性化深さが0.5mm以上であることを特徴とする水中構造物用コンクリート硬化体。
  2. コンクリート硬化体が、セメント、無機系混和材、骨材、混和剤及び水を含むコンクリートを硬化したものであり、コンクリート中のセメントと無機系混和材の合計質量に対するセメント量の質量比が、0.35以上0.90未満である、請求項1記載の水中構造物用コンクリート硬化体。
  3. コンクリート1m当たりのセメント含有量が105〜240kgであり、かつ、セメントと無機系混和材の合計質量に対する水の質量比が0.4〜0.7である、請求項1又は2記載の水中構造物用コンクリート硬化体。
  4. 無機系混和材が、高炉スラグ、フライアッシュ及びシリカフュームよりなる群から選択される1種以上を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の水中構造物用コンクリート硬化体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の水中構造物用コンクリート硬化体からなる水中構造物。
  6. セメント、無機系混和材、骨材、混和剤及び水を含むコンクリートを、混練し、打設し、脱型してコンクリート硬化体を作製した後、コンクリート硬化体の表面を散水及び/又は強制炭酸化し、それにより、コンクリート硬化体の中性化深さを0.5mm以上とすることを特徴とする水中構造物用コンクリート硬化体の製造方法。
  7. セメント、無機系混和材、骨材、混和剤及び水を含むコンクリートを硬化させたコンクリート硬化体の表面を、散水及び/又は強制炭酸化し、コンクリート硬化体の中性化深さを0.5mm以上とすることを特徴とする水中構造物用コンクリート硬化体の中性化処理方法。
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