JP2009067652A - 高炉セメント組成物およびフレッシュコンクリート - Google Patents

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Kazumi Yusa
一巳 遊佐
Takashi Yamaguchi
孝史 山口
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Abstract

【課題】高炉スラグ微粉末を高含有した実用的な高炉セメント組成物を提供する。
【解決手段】海水に暴露される箇所に用いる海洋コンクリート構造物用のセメントであって、ブレーン比表面積6000〜15000cm2/gの高炉スラグ微粉末を65〜85質量%含む高炉セメント組成物により解決される。
【選択図】なし

Description

本発明は、海洋コンクリート構造物用の高炉セメント組成物およびこれを用いたフレッシュコンクリートに関し、特に海水に暴露される箇所に用いる海洋コンクリート構造物用の高炉セメント組成物およびこれを用いたフレッシュコンクリートに関する。
消波ブロック、防波堤、人口漁礁、人口リーフ、桟橋用など海水に暴露される箇所に載置・建造される海洋コンクリート構造物はよく知られるところである。
この海洋コンクリート構造物は、設置等される箇所における海水浸漬の状況の相違によりその侵食具合などの挙動に差を示すことが知られており、一般に挙動の差は、潮の干満に関わらず常に海水に暴露された状態の海中部、干満によって海水への水没が生ずる感潮部、天候状況等によって海水との暴露状況が変化する海浜部とで相違するとされている。
海浜部は、波、風等による海水のしぶきの飛散によって、海水由来の塩分によるコンクリートの侵食が認められる範囲であり、海岸から数キロメートルの比較的広範囲におよぶ範囲である。
海中部・感潮部における海洋コンクリート構造物の挙動は、長年の調査の結果、詳細な調査報告がなされており、利用に適するコンクリート材料の報告も多数ある。特に高炉スラグ微粉末の有する水硬性により海水暴露状態において長期に渡って硬度向上が見られることから、原料中に高炉セメントを配合することが適するとされている。
高炉セメントは、高炉スラグ微粉末配合量によりJIS規格上A種〜C種類までが制定されているが、海洋性コンクリート構造物においては、B種の利用がほとんどである。
また、高炉セメントは、含有される高炉スラグ微粉末のブレーン比表面積によって品質を分けることできるが、海洋性コンクリート構造物の製造には、ローラーミルを用いて簡易に製造可能なブレーン比表面積が5000未満のものが利用されており、より高いブレーン比表面積のものは利用されていない。
海浜部においては、海中部・感潮部とはコンクリート構造物の挙動が相違することが知られている程度であり、より詳細な調査報告はされていない。しかし、海水(飛散海水)との接触が海中部や感潮部ほど長くはなく、また対候性などの要素がより重要となることから、これまでは高炉スラグ未配合のセメントあるいはスラグ配合率の低いJIS規格上のB種程度の高炉セメントがよく利用されてきた。
東京大学生産技術研究所報告第15巻、第4号 鉄鋼スラグの高炉セメントへの利用について 平成2年版[1990](鐵鋼スラグ協会) 高炉スラグ微粉末を用いたコンクリートの施工指針(コンクリートライブラリー86:土木学会)
しかしながら、本発明者らが海浜部における海洋コンクリート構造の挙動をより詳細に調査したところ、かかる海浜部においては高炉セメント由来のコンクリート構造物において飛散海水による侵食と推測される数種の問題が発生するおそれがあり、より耐久性等の向上が必要であることが知見された。
一方で、高炉スラグ微粉末は、製鉄課程で得られる副産物の一種であり、資源リサイクルの点から適正用途への積極的な利用促進が望ましい。
そこで、本発明の主たる課題は、海浜部においても十分な耐久性等を有するコンクリート構造物を形成し得る、高炉セメント組成物及びこれを用いたフレッシュコンクリートを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
海水に暴露される箇所に用いる海洋コンクリート構造物用のセメントであって、ブレーン比表面積6000〜15000cm2/gの高炉スラグ微粉末を65〜85質量%含むことを特徴とする高炉セメント組成物。
<請求項2記載の発明>
海水に暴露される箇所に用いる海洋コンクリート構造物用のフレッシュコンクリートであって、ブレーン比表面積6000〜15000cm2/gの高炉スラグ微粉末を65〜85質量%含む高炉セメントを含むことを特徴とするフレッシュコンクリート。
<請求項3記載の発明>
水粉体比(W/B)の質量比が40〜70%である、請求項2記載のフレッシュコンクリート。
<請求項4記載の発明>
JIS A 1101に基づいて測定されるスランプ値が、6.0〜10cmである請求項2または3記載のフレッシュコンクリート。
<請求項5記載の発明>
JIS A 1128に基づいて測定される空気量が、2.5〜5.5%である請求項2〜4の何れか1項に記載のフレッシュコンクリート。
本発明の高炉セメント組成物およびフレッシュコンクリートは、高炉スラグ微粉末配合量が高く、海中部・感潮部における耐海水性に優れ、さらに海浜部においても十分な耐久性等を有するコンクリート構造物を形成し得る。
次いで、本発明の実施の形態を以下に詳述する。
本発明の高炉セメント組成物は、海水に暴露される箇所に用いる海洋コンクリート構造物用のセメント組成物である。なお、本明細書中においては、JIS規格に拘泥されることなく、JIS規格上のA〜C種類の範囲に入らない範囲であっても便宜上、高炉スラグを含むセメントについて高炉セメントと呼ぶことがある。
本発明にいう海洋コンクリート構造物とは、消波ブロック、防波堤、人口漁礁、人口リーフ、桟橋用など海水中あるいは海岸に設立されて直接的に海水に暴露される箇所に載置・建造されるコンクリート構造物のほか、飛散した海水の影響を受ける範囲に建築されるコンクリート構造物をも含む意味である。したがって、海浜部における工場内建造物や住宅用基礎なども含まれる。要は、飛散海水による塩害の影響を受けるおそれがある範囲に建築されるコンクリート構造物を意味するのである。なお、風向き、風の強さにもよるが、業界において一般的に塩害対策の対象とされる海岸から2km程度までの範囲に建築されるコンクリート構造物は確実に含まれる。
ここで、高炉スラグ配合された高炉セメントは、土木・建築関連の種々の規定やコストメリット等の点から一般に基礎構造物用途にしか用いられず、特殊例を除きいわゆる上物用途に用いられることはほとんどない。しかし、本発明の高炉セメント組成物の作用効果は、このような用途に限られるものではなく、基礎構造物以外のいわゆる上物に利用したとしても本発明の特有の作用効果を奏する。
なお、本発明における高炉セメント組成物は、高炉スラグ微粉末の含有量以外の組成については、JIS規格に準ずることができ、例えば、JIS R 5210に規定される普通ポルトランドセメントが好適に含有される。
一方、本発明の高炉セメント組成物に用いられる高炉スラグ微粉末は、ブレーン比表面積6000〜15000cm2/gであり、好適には、6500〜12000cm2/gであり、より好適に、8000〜11000cm2/gである。6000未満であると、海浜部における中性化抑制が十分ではない。15000を超えるとコスト面で好ましくない。
なお、ブレーン比表面積は、ブレーン値とも呼ばれる。その測定方法は、JIS A 6206に基づく。
他方、本発明の高炉セメント組成物は、上記ブレーン比表面積を有する高炉スラグ微粉末を65〜85質量%含む。好適には67〜83質量%、より好適には75〜80質量%である。65質量%未満であると、高炉スラグ微粉末の使用量が少なく、リサイクルの点からの貢献向上がほとんどなく、85質量%を超えると圧縮強度が低下するので望ましくない。一般的にセメント中におけるスラグ含有量が置換率を意味するとおり、本発明における「含む」も置換率においてである。
次に、本発明における高炉セメント組成物を用いて、フレッシュコンクリートを製造するにあたっては、水/セメントの質量比が40〜70%とするのが望ましい。好適には45〜65%、特に好適には50〜60%である。水/セメント質量比を40未満とすると経済性が悪化し生産コストの点で望ましくない。反対に70%を超えると圧縮強度の低下とともに得られる構造物の耐久性が劣るようになる。
なお、本発明および本明細書中のフレッシュコンクリートとは、いわゆるレディミクスドコンクリートはもちろん、現場混練タイプをも含む。
本発明にかかるフレッシュコンクリートの製造に用いる混練水としては通常のフレッシュコンクリート製造に用いる水でよく、例えば、上水道水などを用いることができる。
また、本発明にかかるフレッシュコンクリートは、海洋コンクリート構造物の中でも基礎構造物に用いるのであれば、JIS A 1101に基づいて測定されるスランプ値を、5.0〜12cmとするのが望ましい。好適には、6.0〜10.0cmである、特に好適には、7.5〜8.5cmである。スランプ値の調整は、細骨材率、混和剤配合量の調整等により調整すればよい。なお、基礎構造物以外の用途、例えば建築壁用途等に用いるのであれば、さらにスランプ値を高くして流動性を高めて用いることもできる。スランプ値20cm程度までならば本発明のコンクリート組成物の実用性は十分にある。
さらに、本発明にかかるフレッシュコンクリートは、JIS A 1128に基づいて測定される空気量が、2.5〜5.5%であるのが望ましい。好適には、3.0〜5.0%、特に好適には、3.5〜4.5%である。空気量が5.5%を超えると、得られる構造物が強度不足となり、3.0%未満であると得られる構造物の凍結融解抵抗性に劣るようになる。
ここで、フレッシュコンクリートに混合する他の組成物としては、細骨材、粗骨材、混和剤などの一般的なフレッシュコンクリート製造に用いる添加物を用いることができる。
細骨材としては、例えば、JIS A 5308付属書1(レディーミクストコンクリート用骨材)に適合する中目砂(陸砂)などを用いることができる。
粗骨材としては、例えばJIS A 5005(コンクリート用砕石)に適合する硬質砂岩を使用することができる。
また、混和剤としては、JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)に規定するAE減水剤標準形(I種)に適合する混和剤を用いることができる。
他方、本発明にかかるフレッシュコンクリートを用いて海洋コンクリート構造物を建築するにあたっては、配筋材としてJIS G 3112(コンクリート用棒鋼)に適合する鉄筋を用いることができる。かかる鉄筋には、既知の技術に従って、防錆剤の塗布などがされていてもよい。
次いで、本発明にかかる高炉セメント組成物を用いたフレッシュコンクリートからなるコンクリート構造物の供試体(実施例)、その他の高炉セメントを用いたフレッシュコンクリートからなるコンクリート構造物の供試体(比較例:従来例に相当)、高炉セメント未配合とした普通ポルトランドセメントを用いたフレッシュコンクリートからなるコンクリート構造物の供試体(標準品)の各種のコンクリート構造物の供試体を作成し、これらを材齢10年に至るまで、標準養生、海中暴露、感潮暴露、海浜暴露したのち、一般的物理特性(圧縮強度、動弾性係数、静弾性係数)および化学特性(鉄筋の発錆、中性化深さ、塩素イオン量、SO3イオン量)を測定し、各例(実施例および比較例)の標準品に対する有意差を判断する試験を行った。
(1)フレッシュコンクリート材料について
各例に用いるフレッシュコンクリートを製造するにあたって以下の材料を用いた。高炉スラグ微粉末として、JIS A 6206(コンクリート用スラグ微粉末JIS)に適合するブレーン比表面積4300cm2/gの高炉スラグ微粉末(住金鉱化株式会社製:スミットメント)を使用した。本発明にかかる高炉スラグ微粉末については、石こう無添加状態でミクロンセパレーターにより分級してブレーン比表面積を6500、8000、15000cm2/gに調整した。その他のフレッシュコンクリートにもちいる高炉スラグに微粉末については、ブレーン比表面積を調整することなく市販状態のブレーン比表面積4300cm2/gのまま用いた。
また、各高炉スラグ微粉末には、SO3調整用に乾燥粉砕排脱石こう(住金化工(株)鹿島工場産)を混合した。本発明にかかるフレッシュコンクリートについては、高炉スラグ微粉末と同様に分級し、その後に高炉スラグ微粉末に添加混合した。
ポルトランドセメントとして、JIS R 5210(ポルトランドセメント)に適合する日立セメント株式会社製の普通ポルトランドセメントを使用した。
細骨材として、JIS A 5308付属書1(レディーミクストコンクリート用骨材)に適合する茨城県那珂郡常陸大宮町の中目砂(陸砂)を使用した。
粗骨材として、JIS A 5005(コンクリート用砕石)に適合する茨城県笠間市片庭(岡本興業(株)笠間工場)の硬質砂岩2505を使用した。
混和剤として、JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)に規定するAE減水剤標準形(I種)に適合する日曹マスタービルダーズ社製ポゾリスNo.70を使用した。
混練水として、上水道水を使用した。
(2)鉄筋など
コンクリート構造物内のおける鉄筋の錆発生具合試験するため、コンクリート構造物供試体を製造するにあたって内部に鉄筋を配筋したものを製造した。用いた鉄筋は、JIS G 3112(コンクリート用棒鋼)に適合する株式会社向山工場製のSR24−9mm黒皮付きを使用した。なお、鉄筋表面の黒皮はJIS R 6252(研磨紙)に規定する120、240番の研磨紙で除去し、その後400番の研磨紙で更に研磨を行ない、鉄筋表面の処理を行なった。表面処理をした鉄筋はデシケーターで保存し、使用直前にJIS K 8034(アセトン(試薬))に規定するアセトンにより脱脂を行ない、質量を測定(最小測定単位0.1g)して試験に使用した。
(3)フレッシュコンクリートの作成と測定
上記のフレッシュコンクリート材料を用いて、各例にかかるフレッシュコンクリートを調合した。各例にかかるフレッシュコンクリートの材料組成、調合態様および物性は、下記の表1のとおりである。
なお、フレッシュコンクリートの水粉体比(W/B)は実用性が高く、各例の差がはっきりする点で実施例1〜15、および比較例1〜4までについては55%に統一した。また、水粉体比(W/B)の相違を明らかすべく、比較例5については水粉体比(W/B)を80%とした。ただし、本発明者らは、水粉体比(W/B)のみを変更しても、各例間の結果差が、水粉体比(W/B)55%とほとんど同様となることを知見している。
Figure 2009067652
フレッシュコンクリートの混練は、強制練りミキサ(容量100L・太平洋金属製)を使用して行ない、材料の投入順序は、細骨材、セメント、スラグ微粉末、粗骨材、水(混和剤)とし、全材料投入後90秒間の混練を行なった。
そして、混練終了後に、直ちにミキサからホッパーに排出し、切り返し混練を行なって試料を均した後、フレッシュコンクリートのスランプ値(JIS A 1101コンクリートのスランプ試験方法)、空気量(JIS A 1128まだ固まらないコンクリートの空気量の圧力による試験方法)、コンクリート温度を測定した。
(4)コンクリート構造物供試体(以下、単に供試体ともいう)の成形
圧縮強度試験用供試体は、10φcm×20cmとし、JIS A 1132(コンクリートの強度用供試体の作り方)によりバイブレーター(内部振動型)を使用して成型した。
発錆試験用供試体は、15φ×30cmにSR24みがき鉄筋を2本入れ(供試体の表面部から30、50mmのかぶり厚さを確保)、圧縮強度試験用供試体の作り方によりコンクリートの打設を行ない、凝結時間を持って上端部を同一のコンクリートで打継ぎ成型した。
各試験用供試体は成形直後にステンレス製表示板(配合種類、養生方法、試験項目を刻印)を埋め込み供試体の標示を行なった。
(5)養生方法
コンクリート構造物供試体の養生方法は、標準養生および暴露養生とし、暴露養生は海水浸漬と海浜部での大気放置とした。標準養生供試体は日立セメント株式会社試験開発センターの恒温水槽(20℃)で行なった。
暴露用供試体は同水槽で21日間の標準養生後、7日間の室内大気養生(温度20℃、湿度60%RH)を行ない、養生終了後に海水浸漬は、住友金属工業株式会社鹿島製鉄所の港湾内にて感潮部(干満により浸漬差がある箇所)と海中部(常時海水に浸漬)に、海浜部大気放置は同製鉄所の構内の海水飛沫を受ける海浜部において長期暴露試験を開始した。
また、長さ変化試験用供試体の基長の測定は21日間の標準養生終了直後に測定した。その後、標準供試体は恒温乾燥室(温度20℃、湿度60%RH)の大気中に放置した。
(6)測定方法など
各例についての、一般的物理特性(圧縮強度、動弾性係数、静弾性係数)および化学特性(鉄筋の発錆、中性化深さ、塩素イオン量、SO3イオン量)について、標準品と比較した有意差評価を行った。各例の有意差評価は、標準品を基準として優れているか否かを4段階で判断することとした。◎は標準品よりも優れる。○は標準品と同等。△は標準品よりもやや劣るが実用上は問題ない。×は標準品よりも明らかに劣る。なお、硬化後のコンクリート構造物供試体の具体的な測定方法は下記に示すとおりとした。
なお、圧縮強度試験、動弾性係数試験、静弾性係数試験については、標準品の80%未満を×、80〜95%を△、95〜110%を○、110%以上を◎と評価した。また、塩素イオン量試験については標準品の150%以上を×、120〜150%を△、80〜120%を○、80%未満を◎と評価した。その他の試験については、目視観察により評価した。
a)圧縮強度試験
圧縮強度は、動弾性係数試験測定後にJIS A 1108(コンクリート圧縮強度試験方法)に基づき測定した。
b)動弾性係数試験
動弾性係数は、圧縮強度試験供試体(10φ×20cm)を用いてJIS A 1127(共鳴振動によるコンクリートの動弾性係数、動せん断係数及び動ポアソン比試験方法)に基づき測定した。
c)静弾性係数試験
静弾性係数は、圧縮強度試験時に(株)東京測器研究所製コンプレッソメーター(CM10S)を用いて、最大応力の1/3におけるに応力−ひずみ曲線から算出した。
d)鉄筋の発錆
内部の鉄筋を傷つけないように供試体を破壊して埋め込まれた鉄筋を取り出し、その鉄筋の発錆状況を目視観察するとともに質量変化率を測定した。
e)中性化試験
供試体割裂断面に1%フェノールフタレイン溶液を噴霧し、呈色反応(赤色する部分pH8.3〜10)により中性化深さの測定を行なった。
f)塩素イオン量試験
供試体中心部の塩素イオン量の浸透量を全塩素、可溶性塩素イオンについてJCI−SC4(硬化コンクリートに含まれる塩分の分析方法)、JCI−SC5(硬化コンクリートに含まれる全塩分の簡易分析方法)((社)日本コンクリート工学協会))により測定を行なった。供試体からの測定試料を採取するにあたっては、供試体を破壊して中心部分の粉砕供試体分を採取したのち、これをクラッシャー粉砕によって10mm以下に粉砕し、その粉砕物を0.15mmふるい、0.088mmふるいの順にふるいにかけ、測定に適した粉末試料を得ることとした。
g)SO3イオン量試験
供試体中心部のSO3イオン量をJIS A 5202(ポルトランドセメントの化学分析方法、三酸化硫黄の定量方法)により測定を行なった。供試体からの測定試料を採取するにあたっては、供試体を破壊して中心部分の粉砕供試体分を採取したのち、これをクラッシャー粉砕によって10mm以下に粉砕し、その粉砕物を0.15mmふるい、0.088mmふるいの順にふるいにかけ、さらに7日間乾燥させたのちに乳鉢にて微粉末粉砕して測定に適した粉末試料を得ることとした。
(7)試験結果
各試験の結果のまとめを下記表2に示す。
Figure 2009067652
a)圧縮強度試験結果
標準養生では、比較例1、2は標準品と同等、置換率の高い比較例3、4については劣るという結果となった。それに対して、実施例は、置換率にかかわらず、標準品と同等あるいは優れるという結果となった。
海中部、感潮部では、比較例、実施例ともに差はないものの、いずれも標準品よりも優れる結果が得られた。
海浜部では、比較例1、2は、標準品よりもやや劣り、置換率の高い比較例3、4については明らかに劣るという結果となった。それに対して、実施例3、4では、標準品よりもやや劣る結果となったが、その他の実施例では標準品とほぼ同等という結果となった。
以上より、圧縮強度については本発明は、標準品と同等か暴露場所によっては優れる結果となった。また、特に海浜部においては、置換率にかかわらず比較例より良好な結果となった。
b)動弾性係数結果
標準養生、海中部、感潮部では、比較例、実施例にかかわらず標準品とほぼ同等か優れるという結果となった。海浜部では、置換率の高い比較例3、4については、標準品より劣る結果となった。他の比較例、実施例については標準品と同等またはやや劣る結果となった。
以上より、動弾性係数結果について本発明は、海浜部において標準品よりもやや劣るものの、従来の高炉セメント使用品と比較して劣るものではない知見が得られた。また、感潮部では標準品と同等の結果が得られた。
c)静弾性係数結果
標準養生では、置換率の高い比較例3、4で標準品よりも劣る結果となった以外は、各例に有意差なく標準品と同等という結果となった。
感潮部、海中部では、各例の有意差なく標準品よりも優れる結果となった。
海浜部では、比較例1〜3では標準品よりもやや劣り、置換率の高い比較例4では標準品よりも明らかに劣る結果となった。それに対して、実施例は実施例4を除きすべて標準品と同等の結果が得られた。
以上より、静弾性係数結果について本発明は、従来品と比較して優れ、標準品とほぼ同等という結果が得られた。
d)鉄筋の発錆
海浜部では、置換率の高い比較例3、4のみ標準品よりも劣る結果となった。標準養生、他の暴露場所については、実施例と比較例との間の有意差は見られず、すべて標準品と同等の結果となった。
e)中性化試験
標準養生、感潮部では、各例間の有意差はなく、標準品とほぼ同等の結果となった。海中部においては置換率の低い比較例1について標準品よりもやや劣る結果となったが、それ以外の例については標準品と同等の結果となった。海浜部では、比較例1、2については、標準品よりもやや劣る結果となり、置換率の高い比較例3、4では標準品よりも明らかに劣る結果となった。それに対して、実施例3、4、8で標準品よりもやや劣るが、ブレーン値が高まるにつれて改善されるとともに、標準品とほぼ同等となる結果であり、実用性十分であることが示された。
f)塩素イオン量試験および可溶性塩素イオン量試験(中心部)
全塩素イオン量、可溶性塩素イオン量ともに、標準養生では各例に有意差なく標準品と同等、その他の暴露場所の供試体については、各例に有意差なく標準品よりも優れる結果となった。
g)SO3イオン量試験
標準養生、海浜部では、置換率の高い比較例3、4について標準品よりもやや劣る結果となったが、その他の比較例、実施例に有意差はなく、標準品と同等という結果が得られた。
h)まとめ
表からも明らかなように、本発明にかかる実施例は、ほとんどの試験で暴露状態にかかわらず標準品と同等かあるいは優れるという結果が得られた。また、比較例とは同等かそれ以上であり、実用上は問題のないレベルであった。
してみると、本発明にかかる高炉セメント組成物を含むフレッシュコンクリートからなるコンクリート構造物は、暴露状態の相違にかかわらず、海中部、感潮部および海浜部において優れた実用性を有する。しかも、この本発明にかかる高炉セメントは、高炉スラグがJIS規格以上に高含有されていてもよく、スラグリサイクルについては従来以上に寄与することができる。
本発明は、常に海水中に浸漬される海中部、干満により海面下へ水没したり、海上に露出したりする感潮部、波、風などの影響によって飛散した海水の影響を受ける海浜部、の各部に建築される海洋コンクリート構造物のほか、海水類似成分の影響をうけるコンクリート構造物にも利用可能である。

Claims (5)

  1. 海水に暴露される箇所に用いる海洋コンクリート構造物用のセメントであって、ブレーン比表面積6000〜15000cm2/gの高炉スラグ微粉末を65〜85質量%含むことを特徴とする高炉セメント組成物。
  2. 海水に暴露される箇所に用いる海洋コンクリート構造物用のフレッシュコンクリートであって、ブレーン比表面積6000〜15000cm2/gの高炉スラグ微粉末を65〜85質量%含む高炉セメントを含むことを特徴とするフレッシュコンクリート。
  3. 水粉体比(W/B)の質量比が40〜70%である、請求項2記載のフレッシュコンクリート。
  4. JIS A 1101に基づいて測定されるスランプ値が、6.0〜10cmである請求項2または3記載のフレッシュコンクリート。
  5. JIS A 1128に基づいて測定される空気量が、2.5〜5.5%である請求項2〜4の何れか1項に記載のフレッシュコンクリート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010285764A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Takenaka Komuten Co Ltd 構造部材、及び構造部材を有する構造物
JP2010285292A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Takenaka Komuten Co Ltd 高炉セメントを用いたコンクリート組成物
JP2015180603A (ja) * 2015-07-14 2015-10-15 株式会社大林組 セメント組成物
JP2016132587A (ja) * 2015-01-19 2016-07-25 株式会社大林組 セメント組成物
CN108929086A (zh) * 2018-08-13 2018-12-04 李月松 一种大体积混凝土基础的施工方法

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