JP2007186142A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Chiharu Nakazawa
千春 中澤
Yohei Sato
庸平 佐藤
Masanori Segawa
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Abstract

【課題】 装置の複雑化や部品点数の増加を防止しつつ、各系統のブレーキ回路の脈圧を効果的に低減し、かつブレーキ回路間の差圧を吸収することが可能な各系統独立制御用のブレーキ制御装置を提供すること。
【解決手段】 第1吐出回路に第1オリフィスを設け、第2吐出回路に第2オリフィスを設け、ポンプと前記第1オリフィスとの間から分岐する第1分岐路と、前記ポンプと前記第2オリフィスとの間から分岐する第2分岐路と、を設け、シリンダとピストンとを有する容積可変部を設け、前記容積可変部は、前記ピストンと前記シリンダとにより互いに連通不能に区画形成される第1容積室と第2容積室とを有し、前記第1分岐路は前記第1容積室に接続し、前記第2分岐路は前記第2容積室に接続し、前記第1容積室と前記第2容積室は、前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによりそれぞれ容積が可変であるようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のブレーキ制御装置に関する。
2系統に分割された油圧ブレーキ回路の各系統にブレーキ液を吐出するポンプを備える従来のブレーキ制御装置にあっては、各系統のブレーキ回路間の液圧差を吸収するため、差圧吸収ピストンを備える容積可変部を各系統のブレーキ回路間に設けたものが開示されている(特許文献1)。この差圧吸収ピストンは一対の容積室を区画形成しており、各容積室はそれぞれ連通路を介して各系統のブレーキ回路のアウト側ゲート弁と増圧弁との間に接続されている。また、各系統のブレーキ回路の脈圧を低減して騒音や振動等を防止するため、ポンプからの吐出回路上にオリフィスが設けられており、さらにダンパ室を設けることも可能となっている。
特開2001−260842号公報
しかし、上記従来技術において効果的に脈圧を低減するためには、ダンパ室を余分に設ける必要がある。
さらに、上記従来技術においては、ブレーキ回路毎に独立したブレーキ液圧制御を行おうとする場合、容積可変部が制御に必要な液圧差も吸収してしまい、制御遅れが生じる。制御遅れを回避するためには、容積可変部とブレーキ回路とを結ぶ連通路に連通弁を設け、系統毎の独立制御時に容積可変部の容積を固定する必要がある。
したがって、上記従来技術においては、効果的に脈圧を低減したり制御遅れを回避したりしようとするとダンパ室や連通弁を設置する必要があり、装置の複雑化や部品点数の増加によるコスト高が生じる、といった問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、装置の複雑化や部品点数の増加を防止しつつ、各系統のブレーキ回路の脈圧を効果的に低減し、かつブレーキ回路間の差圧を吸収することが可能な各系統独立制御用のブレーキ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、作動液供給源と、第1ブレーキ回路と第2ブレーキ回路との2系統に分割され、車両の複数のホイルシリンダに接続されたブレーキ回路と、第1ブレーキ回路と第2ブレーキ回路とに液圧を供給するポンプと、前記第1ブレーキ回路に含まれ、かつ前記ポンプからの液圧供給路である第1吐出回路と、前記第2ブレーキ回路に含まれ、かつ前記ポンプからの液圧供給路である第2吐出回路と、前記複数のホイルシリンダの各々に供給する液圧をそれぞれ独立して調整する複数の液圧制御弁とを備え、前記ポンプの作動と前記複数の液圧制御弁の制御とにより各輪の制動力を制御するブレーキ制御装置において、前記第1吐出回路に第1オリフィスを設け、前記第2吐出回路に第2オリフィスを設け、前記ポンプと前記第1オリフィスとの間から分岐する第1分岐路と、前記ポンプと前記第2オリフィスとの間から分岐する第2分岐路と、を設け、シリンダとピストンとを有する容積可変部を設け、前記容積可変部は、前記ピストンと前記シリンダとにより互いに連通不能に区画形成される第1容積室と第2容積室とを有し、前記第1分岐路は前記第1容積室に接続し、前記第2分岐路は前記第2容積室に接続し、前記第1容積室と前記第2容積室は、前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによりそれぞれ容積が可変であるようにした。
よって、装置の複雑化や部品点数の増加を防止しつつ、各系統のブレーキ回路の脈圧を効果的に低減し、かつブレーキ回路間の差圧を吸収することが可能な各系統独立制御用のブレーキ制御装置を提供することができる。
以下、本発明のブレーキ制御装置を実現する最良の形態を、図面に基づき説明する。
[ブレーキ制御装置の油圧回路]
図1は本発明のブレーキ制御装置を適用したブレーキユニットの油圧回路図である。本実施例1では、ブレーキ回路は独立した2つの系統、すなわちP系統とS系統に分かれ、ブレーキ回路10,20を有している。ブレーキ回路10は左前輪のホイルシリンダW/C(FL)と右後輪のホイルシリンダW/C(RR)とを接続し、ブレーキ回路20は右前輪のホイルシリンダW/C(FR)と左後輪のホイルシリンダW/C(RL)とを接続しており、いわゆるX配管構造となっている。なお、ブレーキ回路はX配管でなくともよい。
マスタシリンダM/Cは、ブレーキペダルBPが踏み込まれると、ブレーキ液をブレーキ回路10,20を介して各ホイルシリンダW/C(FR,FL,RR,RL)に供給する。
ブレーキ回路10のマスタシリンダM/C側(以下、上流という)からホイルシリンダW/C側(以下、下流という)に向かう途中には、常開のアウト側ゲート弁11が設けられている。なお、アウト側ゲート弁11には、上流側から下流側へのブレーキ液の流通のみを許容するチェック弁11aが並列に設けられている。また、アウト側ゲート弁11の上流にはオリフィス11bが設けられている。
アウト側ゲート弁11の下流側のブレーキ回路10kはブレーキ回路10a,110bに分岐して、それぞれホイルシリンダW/C(FL,RR)に接続している。また、ブレーキ回路10a,10b上には、それぞれ常開の増圧弁12,13が設けられている。なお、増圧弁12,13には、それぞれ下流側から上流側へのブレーキ液の流通のみを許容するチェック弁12a,13aが並列に設けられている。また、増圧弁13の下流にはオリフィス13bが設けられている。
増圧弁12,13とホイルシリンダW/C(FL,RR)との間のブレーキ回路10a,10bからは、リターン通路10c,10dがそれぞれ分岐している。リターン通路10c,10d上にはそれぞれ常閉の減圧弁14,15が設けられている。リターン通路10c,10dは合流してリターン通路10eを形成し、リターン通路10eはリザーバ16に接続している。
ブレーキ回路10はアウト側ゲート弁11上流で分岐し、吸入回路10gを形成している。吸入回路10g上には、吸入回路10gの連通・遮断を切り換える常閉のイン側ゲート弁17が設けられている。
吸入回路10gは、リザーバ16からのリターン通路10fと合流して吸入回路10hを形成している。リターン通路10f上にはリザーバ16方向への逆流を防止するチェック弁18が設けられている。
ブレーキ回路10には、マスタシリンダM/C以外の液圧源としてポンプ3が接続されている。ポンプ3は、モータMにより作動するプランジャ式のポンプであって、カム30、第1ポンプ部31,第2ポンプ部32を備えている。第1ポンプ部31は、吸入回路10hおよび吐出回路10iと接続している。
第1ポンプ部31は第1ピストン31cおよびチェック弁31a,31bを有している。モータMによりカム30が偏心回転することで第1ピストン31cが往復運動し、これにより第1ポンプ部31がブレーキ液の吸入・吐出を行う。
チェック弁31aは、吸入回路10hから第1ポンプ部31へのブレーキ液の流通のみを許容し、吐出時に第1ポンプ部31から吸入回路10hへのブレーキ液の逆流を防止する。チェック弁31bは、第1ポンプ部31から吐出回路10iへのブレーキ液の流通のみを許容し、吸入時に吐出回路10iから第1ポンプ部31へのブレーキ液の逆流を防止する。
なお、後述するように、ブレーキ回路20側の第2ポンプ部32も第1ポンプ部31と同様に構成されている。カム30の偏心回転により第1ピストン31cと第2ピストン32cは互いに逆位相で往復運動し、第1ポンプ部31が吸入行程の時、第2ポンプ部32は吐出行程となる。同様に、第1ポンプ部31が吐出行程の時、第2ポンプ部32は吸入行程となる。すなわち、第1ポンプ部31の行程と第2ポンプ部32の行程は逆位相である。
第1ポンプ部31は吐出回路10iを介してブレーキ回路10kと接続している。
吐出回路10iには脈圧低減用のオリフィス19が設けられている。第1ポンプ部31とオリフィス19との間の吐出回路10iからは分岐路10jが分岐し、容積可変部4と接続している。
ブレーキ回路20側の油圧回路も、上記ブレーキ回路10側と同様に構成されている。
[容積可変部の構成]
容積可変部4は、ピストン40、シリンダ40a、一対のスプリング41a,42a、一対のシール材43,44、ドレン路46を有している。
ピストン40は、シリンダ40a内壁面に沿って摺動可能に設けられている。シリンダ40a両端部において、ピストン40はシリンダ40aとの間で第1容積室41と第2容積室42とを区画形成している。
第1容積室41の可変容積は、第1ポンプ部31が1回の行程で吐出する液量の容積の半分である。同様に、第2容積室42の可変容積は、第1ポンプ部31吐出量の半分の容積である。第1ポンプ部31と第2ポンプ部32は同様の構成であるため、第1、第2容積室41,42の可変容積は、第2ポンプ部32吐出量の半分である。
第1容積室41は、分岐路10jを介して吐出回路10iにおいてオリフィス19と第1ポンプ部31との間の位置に接続している。同様に、第2容積室42は、分岐路20jを介して吐出回路20iにおいてオリフィス29と第2ポンプ部32との間の位置に接続している。
一対のスプリング41,42は、それぞれ一端をピストン40に、他端をシリンダ40aに接続されており、ピストン40をシリンダ40a中央に付勢する。
シリンダ40a中央部において、ピストン40はシリンダ40aとの間でポート45を区画形成している。すなわち、ピストン40中央部は両端部より径が小さい円柱形状をなしているため、ピストン40中央部と円筒形状のシリンダ40aとの間でリング状の隙間、すなわちポート45が形成されている。
ポート45と第1、第2容積室41,42との連通を防止するため、径がピストン40中央部より大きいピストン40両端部の外周にはそれぞれシール材43,44が設けられている。
ポート45は、ドレン路46を介して大気あるいはリザーバに開放されている。ポート45は、ピストン40がシリンダ40a内でいずれの方向にストロークしても、ドレン路46と連通する範囲で設けられている。
なお、シール材43,44は、ピストン40がシリンダ40a内でいずれの方向にストロークしても、シール材43,44の位置がドレン路46開口部の位置を越えないように配置されている。これによりドレン路46と第1、第2容積室41,42との連通が防止される。
[本実施例1の作用]
次に、本実施例1のブレーキ制御装置の作用について述べる。
(ブレーキ制御装置の作用)
通常制御時には、マスタシリンダM/Cのブレーキ液がブレーキ回路10,20を介して各ホイルシリンダW/Cに供給され、制動力が発生する。
車両挙動が不安定等の場合には、ABS制御,自動制動制御およびアシスト制御を実行する。ここで、アシスト制御はホイルシリンダW/C液圧をマスタシリンダM/C圧以上に増圧する制御である。
ABS制御時には、車輪のホイルシリンダW/Cに接続されている減圧弁14,15,24,25を開弁させるとともに増圧弁12,13,22,23を閉弁させ、ホイルシリンダW/Cのブレーキ液をリザーバ16,26に戻すことにより減圧を行う。また、車輪がロック傾向から回復したら、増圧弁12,13,22,23を開弁させるとともに減圧弁14,15,24,25を閉弁させることにより増圧を行う。このときポンプ3は、リザーバ16,26に逃がしたブレーキ液を各ブレーキ回路10,20に戻す。
自動制動制御時およびアシスト制御時には、アウト側ゲート弁11,21を閉弁させる一方で、イン側ゲート弁17,27を開弁させる。同時にポンプ3を作動させ、吸入回路10g,10h、20g,20h、吐出回路10i,20iを介してマスタシリンダM/Cからブレーキ回路10,20に向けてブレーキ液を吐出させる。さらに、ホイルシリンダW/C液圧が必要な制動力に応じた目標圧となるようにアウト側ゲート弁11,21または増圧弁12,13,22,23を制御する。
(容積可変部の作用)
図1において、ポンプ3の第1、第2ピストン31c,32cの軸方向にx軸を定義し、第2ピストン32c側をx軸正方向とする。第1ピストン31cがx軸正方向の最大変位からx軸負方向の最大変位まで移動する間、すなわち第1ポンプ部31が1回の吐出を行う間を第1行程と定義する。また、第1ピストン31cがx軸負方向の最大変位からx軸正方向の最大変位まで移動する間、すなわち第1ポンプ部31が1回の吸入を行う間を第2行程と定義する。
上述のように、第1ポンプ部31と第2ポンプ部32の行程は逆位相であるため、第2ポンプ部32は第1行程において吸入行程となり、第2行程において吐出行程となる。
(第1行程)
第1行程において、第1ポンプ部31が吐出回路10iに吐出する液量の容積をQとする。上述のように、容積可変部4の第1容積室41の可変容積は、第1ポンプ部31が1回の行程で吐出する液量の容積Qの半分Q/2である。よって、第1行程において吐出回路10iに吐出されるQのうち、半分のQ/2は分岐路10jを介して第1容積室41に供給され、残りの半分Q/2はオリフィス19、吐出回路10iを介してブレーキ回路10kに供給される。
一方、第1行程において第2ポンプ部32は、リザーバ26またはマスタシリンダM/Cから吸入回路20hを介して容積Qの液量を吸入する一方、チェック弁32bの作用により吐出回路20iへブレーキ液を吐出しない。
また、容積可変部4の第1容積室41には容積Q/2の液量が供給され、ピストン40はx軸正方向に最大変位ストロークするため、第2容積室42の可変容積はQ/2からゼロになる。よって、第2容積室42から分岐路20jに容積Q/2の液量が供給される。このQ/2の液量がオリフィス29、吐出回路20iを介してブレーキ回路20kに供給される。
したがって、第1行程においては、ブレーキ回路10k,20kにそれぞれQ/2の液量が供給される。
(第2行程)
第2行程において、第2ポンプ部32が吐出回路20iに吐出するQのうち、半分のQ/2は分岐路20jを介して第2容積室42に供給され、残りの半分Q/2はオリフィス29、吐出回路20iを介してブレーキ回路20kに供給される。
第1ポンプ部31は、リザーバ16またはマスタシリンダM/Cから吸入回路10hを介して容積Qの液量を吸入する一方、チェック弁31bの作用により吐出回路10iへブレーキ液を吐出しない。
また、第1容積室41からは分岐路10jに容積Q/2の液量が供給され、このQ/2の液量がオリフィス19、吐出回路10iを介してブレーキ回路10kに供給される。
したがって、第2行程においては、ブレーキ回路10k,20kにそれぞれQ/2の液量が供給される。
(容積可変部による脈圧低減作用)
ポンプ3は第1、第2行程のそれぞれにおいて、ブレーキ回路10k,20kにそれぞれQ/2のブレーキ液を吐出してホイルシリンダW/C圧を増大している。
1つの系統、例えばブレーキ回路10について見ると、第1行程で、第1ポンプ部31から吐出された液量のうち一部は容積可変部4の第1容積室41に吸入・蓄積され、残りの一部はブレーキ回路10kに供給される。第2行程で、第1容積室41に蓄えられていた液量がブレーキ回路10kに供給される。
すなわち、系統ごとに見ると、ブレーキ回路へのブレーキ液の供給が第1、第2行程に振り分けられたことにより、ホイルシリンダW/C圧の増圧ステップは2つに分割されている。よって、増圧ステップ数が2倍となると同時に増圧ステップごとの吐出量が減少する。したがって、ブレーキ回路の脈圧を低減し、ブレーキ液の振動や騒音の発生を抑制する。
さらに、第1ポンプ部31の行程と第2ポンプ部32の行程は逆位相である。また、第1、第2容積室41,42の可変容積は、第1ポンプ部31または第2ポンプ部32が1回の行程で吐出する液量の容積の半分である。
これによりポンプ3は、第1行程において、第1ポンプ部31からの吐出量Qの半分Q/2を可変容積部4の第1容積室41に蓄積させ、残りの半分Q/2をブレーキ回路10kへ供給する。同時に、第2容積室42で蓄積していた半分Q/2をブレーキ回路20kへ供給する。
同様に、第2行程において、第2ポンプ部32からの吐出量Qの半分Q/2を可変容積部4の第2容積室42に蓄積させ、残りの半分Q/2をブレーキ回路20kへ供給する。また、第1容積室41で蓄積していた上記半分Q/2をブレーキ回路10kへ供給する。
よって、2つに分割された増圧ステップの各々における液圧の増分は同一となり、各増圧時において液圧が平均値から偏倚する量も同一となる。したがって、1行程当たりの吐出液量の累積値Qをそのまま維持しつつ、脈圧がより低減される。すなわち、脈圧をより低減すると同時に、各ブレーキ回路10k,20kへの吐出量をバランスさせつつポンプ4の1行程当たりの吐出量を従来と同量に維持し、ブレーキ系統ごとに安定した吐出圧を確保する。
図2は、ブレーキ回路の1系統における、プランジャポンプ作動後のホイルシリンダW/C液圧の経時変化を示す。図の破線部分は容積可変部を有しない従来のブレーキ制御装置における液圧変化を示し、実線部分は本実施例1のブレーキ制御装置における液圧変化を示す。
従来のブレーキ制御装置では、ホイルシリンダW/C液圧は時間t1,t2…において増大し、それぞれP1,P2…となる。各増圧時tn(nは自然数)における液圧の増分 [Pn−Pn-1]はΔPで一定である。時間t1≦t<t3の増圧ステップ数は2であり、1ステップにつきΔPだけ増圧する。それに対し、本実施例1のブレーキ制御装置では、液圧供給行程を第1行程と第2行程に分割したことで、時間t1≦t<t3の増圧ステップ数は4となり、1ステップにつきΔP/2だけ増圧する。
すなわち、本実施例1のブレーキ制御装置では、従来のブレーキ制御装置に比べ増圧ステップ数が2倍となり、1ステップにおける液圧の増分が1/2倍となる一方で、一定時間あたりのトータルの増圧量は同じである。よって、各増圧時t1,t1',t2…において液圧が平均値m1,m2,m3…から偏倚する量がΔP/2からΔP/4に半減し、液圧変動が半減するため、ブレーキ回路の各系統10,20で脈圧が低減される。
(オリフィスと容積可変部との配置による脈圧低減作用)
吐出回路10i,20iと分岐路10j,20jとの接続部をそれぞれA、Bとする(図1参照)。吐出回路10i,20i上のポンプ3側(以下、上流)に容積可変部4の接続部A、Bが設けられ、ブレーキ回路10k,20k側(以下、下流)にオリフィス19,29が設けられている。容積可変部4の作用により脈圧低減されたポンプ液圧は、オリフィス19,29によりさらに脈圧低減された後、各系統のブレーキ回路10,20及びホイルシリンダW/Cに供給される。
図3は、プランジャポンプを用いた従来のブレーキ制御装置において、1つのブレーキ系統のホイルシリンダW/C液圧の経時変化データを示す。図4は、本実施例1のブレーキ制御装置において、1つのブレーキ系統のホイルシリンダW/C液圧の経時変化データを示す。
ホイルシリンダW/C液圧は、ポンプ作動後、周期的な変動(脈圧)を伴いつつ増大する。この液圧変動は、プランジャポンプの吸入・吐出行程に由来する。図3、図4において、1つの液圧変動サイクルは吐出区間と減衰区間とを有している。吐出区間はポンプの吐出行程に対応し、減衰区間はポンプの吸入行程に略対応している。
従来例と本実施例1とを比較すると、液圧変動の幅は本実施例1の方が数倍小さい。これは吐出区間についても、減衰区間についてもいえる。
さらに図3に示すように、従来例においては、吐出直後の液圧減少幅が大きい。一方、図4に示すように、本実施例1においては、吐出直後の液圧減少幅が小さい。
以上より、本願のブレーキ制御装置は、従来例に比べ顕著な脈圧低減作用を有することが実験データにより示されている。
なお、本実施例1と同様の容積可変部を設け、各容積室がそれぞれ分岐路を介して各系統のブレーキ回路に接続されるようにしたブレーキ制御装置であっても、本実施例1と同様の脈圧低減作用を有するとは限らない(特許文献1参照)。
例えば、特許文献1記載のブレーキ制御装置はブレーキ回路上に容積可変部との接続部を有し、かつ吐出回路上にオリフィスを有しており、さらにダンパ室を設けることも可能としている。しかし単にオリフィスとダンパ室(または容積可変部)を設けるのみでは相乗効果による脈圧低減作用は見られず、ダンパ室(または容積可変部)のみを設けた装置と同様の低い脈圧低減作用しかないことを本出願人は見出した。
これに対し本実施例1においては、容積可変部4の各容積室41,42を分岐路10j,20jを介して吐出回路10i,20iと接続し、ダンパ室と同様の脈圧低減機能を持たせた。さらに、接続部A、B(図1参照)を境にブレーキ回路10k,20k側の吐出回路10i,20i上にオリフィス19,29を設け、油圧回路上におけるオリフィスと(ダンパ機能を有する)容積可変部との位置を規定した。
このように吐出回路10i,20iの上流に容積可変部4の接続部A、Bを設け、下流にオリフィス19,29を設けた場合には、上流にオリフィスを設け、下流(またはブレーキ回路上)に容積可変部の接続部を設けた場合に比べて顕著な脈圧低減作用があることを、本出願人は見出した(図4参照)。
(差圧吸収作用)
ブレーキ回路10,20間において何らかの原因で液圧差が発生したときは、この差圧に基づき容積可変部4のピストン40がストロークして容積室41,42の容積が変化する。これによりブレーキ回路10,20間の液圧差が低減される。すなわち、容積可変部4はブレーキ回路10,20間の差圧を吸収する作用を有する。よって、ホイルシリンダW/Cで発生する制動力のばらつきをなくし、制動時の車両姿勢を安定させる。
(独立制御性の保持)
ブレーキ回路10,20毎に液圧供給の配管系は完全に独立である。よって、各輪で独立したブレーキ制御を行う場合は、容積可変部4のピストン40の移動はシリンダ40aの低圧側端部で止まる。よって、ブレーキ回路10,20間にブレーキ制御に必要な液圧差を作ることができる。従って、各ブレーキ系統の独立制御性は保持される。
(制御遅れ防止作用)
なお、特許文献1記載のブレーキ制御装置において、容積可変部は連通路を介して各系統のブレーキ回路に接続され、ブレーキ回路間の液圧差を吸収する構造となっている。また、容積可変部の可変容積はポンプの1回の吐出量の容積より大きい。よって、系統毎に独立したブレーキ液圧制御を行おうとする場合、容積可変部のピストンがシリンダ低圧側端部まで移動して止まるまでの過程でポンプが複数回吐出を繰り返す必要がある。そのため容積可変部が制御に必要な液圧差も吸収してしまい、制御遅れが生じる。
これに対し本実施例1では、容積可変部4の容積室41,42の可変容積はそれぞれポンプ3の1回の吐出量Qの容積の半分Q/2であり、上記装置におけるよりも小さい。これにより、系統毎の独立制御を行おうとする場合でも容積可変部のピストンの上記移動はポンプ3の1回の吐出で完了するため、上記制御遅れは生じず、制御応答性が確保される。
[本実施例1の効果]
本実施例1では、マスタシリンダM/Cまたはリザーバ16,26と、ブレーキ回路10とブレーキ回路20との2系統に分割され、車両の複数のホイルシリンダW/Cに接続されたブレーキ回路と、ブレーキ回路10とブレーキ回路20とに液圧を供給するポンプ3と、ブレーキ回路10に含まれ、かつポンプ3からの液圧供給路である吐出回路10iと、ブレーキ回路20に含まれ、かつポンプ3からの液圧供給路である吐出回路20iと、複数のホイルシリンダW/Cの各々に供給する液圧をそれぞれ独立して調整する複数の液圧制御弁11〜15,17,21〜25,27とを備え、ポンプ3の作動と複数の液圧制御弁11〜15,17,21〜25,27の制御とにより各輪の制動力を制御するブレーキ制御装置において、吐出回路10iにオリフィス19を設け、吐出回路20iにオリフィス29を設け、ポンプ3とオリフィス19との間から分岐する分岐路10jと、ポンプ3とオリフィス29との間から分岐する分岐路20jと、を設け、シリンダ40aとピストン40とを有する容積可変部4を設け、容積可変部4は、ピストン40とシリンダ40aとにより互いに連通不能に区画形成される第1容積室41と第2容積室42とを有し、分岐路10jは第1容積室41に接続し、分岐路20jは第2容積室42に接続し、第1容積室41と第2容積室42は、ピストン40がシリンダ40a内を摺動することによりそれぞれ容積が可変であるようにした。
よって、ブレーキ回路10,20ごとの独立制御性を確保しつつ、各ブレーキ回路10,20の脈圧を効果的に低減し、かつブレーキ回路10,20間の差圧を吸収することができる。したがって、ダンパ室等の設置に伴う装置の複雑化や部品点数の増加を防止しつつ、省スペース化及び部品点数の削減によりコスト低減を図ることができる、という効果を有する。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
さらに、上記実施例1から把握しうる請求項1以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)前記ポンプはプランジャポンプであり、前記第1容積室の可変容積及び前記第2容積室の可変容積は、前記ポンプの1行程当たり吐出液量の容積の半分であることを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御装置。
各ブレーキ回路10,20への吐出量をバランスさせつつポンプ4の1行程当たりの吐出量を従来と同量に維持し、ブレーキ系統ごとに安定した吐出圧を確保できる、という効果を有する。また、制御遅れ防止用の連通弁の設置に伴う装置の複雑化や部品点数の増加を防止しつつ、省スペース化及び部品点数の削減によりコスト低減を図ることができる、という効果を有する。
実施例1のブレーキ制御装置を適用したブレーキユニットの油圧回路図である。 従来及び実施例1のブレーキ回路の1系統における、プランジャポンプ作動後のホイルシリンダW/C液圧の経時変化を示す図である。 従来のブレーキ制御装置において、1つのブレーキ系統のホイルシリンダW/C液圧の経時変化データを示す図である。 実施例1のブレーキ制御装置において、1つのブレーキ系統のホイルシリンダW/C液圧の経時変化データを示す図である。
符号の説明
3 ポンプ
4 容積可変部
10,20 ブレーキ回路
10h,20h 吸入回路
10i,20i 吐出回路
10j,20j 分岐路
11,21 アウト側ゲート弁
12,13,22,23 増圧弁
14,15,24,25 減圧弁
16,26 リザーバ
17,27 イン側ゲート弁
19,29 オリフィス
31 第1ポンプ部
32 第2ポンプ部
40 ピストン
40a シリンダ
41 第1容積室
42 第2容積室
M/C マスタシリンダ
W/C ホイルシリンダ

Claims (1)

  1. 作動液供給源と、
    第1ブレーキ回路と第2ブレーキ回路との2系統に分割され、車両の複数のホイルシリンダに接続されたブレーキ回路と、
    第1ブレーキ回路と第2ブレーキ回路とに液圧を供給するポンプと、
    前記第1ブレーキ回路に含まれ、かつ前記ポンプからの液圧供給路である第1吐出回路と、
    前記第2ブレーキ回路に含まれ、かつ前記ポンプからの液圧供給路である第2吐出回路と、
    前記複数のホイルシリンダの各々に供給する液圧をそれぞれ独立して調整する複数の液圧制御弁とを備え、
    前記ポンプの作動と前記複数の液圧制御弁の制御とにより各輪の制動力を制御するブレーキ制御装置において、
    前記第1吐出回路に第1オリフィスを設け、
    前記第2吐出回路に第2オリフィスを設け、
    前記ポンプと前記第1オリフィスとの間から分岐する第1分岐路と、前記ポンプと前記第2オリフィスとの間から分岐する第2分岐路と、を設け、
    シリンダとピストンとを有する容積可変部を設け、
    前記容積可変部は、前記ピストンと前記シリンダとにより互いに連通不能に区画形成される第1容積室と第2容積室とを有し、
    前記第1分岐路は前記第1容積室に接続し、
    前記第2分岐路は前記第2容積室に接続し、
    前記第1容積室と前記第2容積室は、前記ピストンが前記シリンダ内を摺動することによりそれぞれ容積が可変であること
    を特徴とするブレーキ制御装置。









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