JP2007185649A - 処理液フロー型電気分解装置 - Google Patents

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美智子 瀬尾
Yoshiaki Akutsu
好明 阿久津
Hiroshi Kagemoto
浩 影本
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Abstract

【課題】処理すべき液を連続的に電気分解処理するフロー型の電気分解による液浄化装置の提供。
【解決手段】槽及び第1の一対の電気分解用電極を有する処理液フロー型電気分解装置であって、該第1の一対の電気分解用電極が前記槽の内部に配置され、第1の一対の電気分解用電極の第1の一方の電極が、第1の他方の電極と対向するように該第1の他方の電極の内側に配置され、第1の一方の電極と他方の電極とで形成される第1の電気分解空間において処理すべき液の電気分解処理がなされて第1の処理済液となり、第1の他方の電極は、槽に注入される処理すべき液を第1の電気分解空間へと流入する第1の流入口を該第1の他方の電極自身又はその近傍に有し、第1の一方の電極は、第1の電気分解空間において電気分解処理される第1の処理済液を、槽外へと流出する第1の流出口を該第1の一方の電極自身又はその近傍に有し、処理すべき液を連続的に電気分解処理する、上記処理液フロー型電気分解装置により、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水浄化装置に関し、特に処理すべき液を連続的に電気分解処理するフロー型の電気分解による水浄化装置に関する。
水に含まれる有機化合物であって、除去が困難であるか又は難分解性である有機化合物を、電気化学的手法を用いて除去又は分解させる手法が採られている。この手法は、水中に、機能を有する陽極及び陰極を設け、この陽極と陰極との間に電気を流し、水の電気分解に伴って電極表面に生じるヒドロキシルラジカル、及び/又は間接的に発生する次亜塩素酸などを用いて、上記の難分解性有機化合物を処理する手法である。
ここで、この手法に用いられる装置は、いわゆるバッチ式の装置であり、閉鎖的電解容器中に棒状、板状及び/又は網目状の電極を配置し、該容器に多量の廃液を一旦溜めて電流を流し、時間を掛けて電解処理を行っている(例えば特許文献1を参照のこと)。
特開平2002−126740号公報。
しかしながら、バッチ式電解装置は、連続的に廃液を処理することができないため、漸次発生する廃液を、その都度処理することができない。したがって、バッチ式電解装置を用いる場合、新たに発生した廃液を保管するための保管容器が必要になる。
また、廃液に含まれる物質、例えば難分解性有機化合物などの分解は、主として電極表面及びその近傍で行われる。この分解を促進するには、処理すべき物質が電極表面により多くの機会で接触させて処理効率を挙げること、具体的には処理すべき廃液を攪拌することが考えられる。しかしながら、処理すべき廃液を人工的に攪拌させる機能を装置に付与するには、攪拌制御システムの整備のためのコスト負担が避けられず、且つ該システムを作動するための電力消費が避けられない。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決することにある。
本発明の目的は、処理すべき液を連続的に電気分解処理するフロー型の電気分解による液浄化装置を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的以外に、人工的な攪拌機能を付加しなくとも、電極表面及び/又はその近傍に効率よく、処理すべき液が接触する液浄化装置を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記目的に加えて、又は上記目的以外に、設計及び制御が簡便及び/又は単純である液浄化装置を提供することにある。
本発明者は、以下の発明により、上記課題を解決できることを見出した。
<1> 槽及び第1の一対の電気分解用電極を有する処理液フロー型電気分解装置であって、
該第1の一対の電気分解用電極が前記槽の内部に配置され、
第1の一対の電気分解用電極の第1の一方の電極が、第1の他方の電極と対向するように該第1の他方の電極の内側に配置され、第1の一方の電極と他方の電極とで形成される第1の電気分解空間において処理すべき液の電気分解処理がなされて第1の処理済液となり、
第1の他方の電極は、槽に注入される処理すべき液を第1の電気分解空間へと流入する第1の流入口を該第1の他方の電極自身又はその近傍に有し、
第1の一方の電極は、第1の電気分解空間において電気分解処理される第1の処理済液を、槽外へと流出する第1の流出口を該第1の一方の電極自身又はその近傍に有し、
処理すべき液を連続的に電気分解処理する、上記処理液フロー型電気分解装置。
<2> 上記<1>において、第1の一方の電極及び第1の他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
第1の流入口が中空状の第1の他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
第1の流出口が中空状の第1の一方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外であり且つ第1の流入口より上部に配置され、
第1の流入口より流入する処理すべき液が第1の電気分解空間において漸次上方への流れの中で電気分解処理がなされて第1の処理済液となり、該第1の処理済液が漸次上方へと流れて第1の流出口へと流れ、第1の一方の電極の中空空間を介して槽外へと流出するのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、第2の一対の電気分解用電極が、第1の一対の電気分解用電極の外側であって槽の内部に形成され、
処理すべき液が該第2の一対の電気分解用電極で処理された後、第1の一対の電気分解用電極で処理され、
第2の一対の電気分解用電極の第2の一方の電極が、第2の他方の電極と対向するように該第2の他方の電極の内側に配置され、第2の一方の電極と他方の電極とで形成される第2の電気分解空間において処理すべき液の電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、
第2の他方の電極は、槽に注入される処理すべき液を第2の電気分解空間に流入する第2の流入口を該第2の他方の電極自身又はその近傍に有し、
第2の一方の電極は、第2の電気分解空間において電気分解処理される第2の処理済液を、第1の一対の電気分解用電極側へと流出する第2の流出口を該第2の一方の電極自身又はその近傍に有し、
処理すべき液を第1及び第2の一対の電気分解用電極において連続的に電気分解処理するのがよい。
<4> 上記<3>において、第2の一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
第2の流入口が中空状の第2の他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
第2の流出口が中空状の第2の一方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外であり、第2の流入口より上部に配置され、且つ第1の流入口より上部に配置され、
第2の流入口より流入する処理すべき液が第2の電気分解空間において漸次上方への流れの中で電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、該第2の処理済液が漸次上方へと流れて第2の流出口から流出され、さらに第1の流入口へと導かれるのがよい。
<5> 上記<3>において、第2の一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
第2の流入口が中空状の第2の他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
第2の流出口が中空状の第2の一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
第2の流入口より流入する処理すべき液が第2の電気分解空間において電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、該第2の処理済液が第2の流出口から流出され、さらに第1の流入口へと導かれるのがよい。
<6> 上記<3>において、第2の一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
第2の流入口が中空状の第2の他方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外に配置され、
第2の流出口が中空状の第2の一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外であって第2の流入口よりも下部に配置され、
第2の流入口より流入する処理すべき液が第2の電気分解空間において漸次下方への流れの中で電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、該第2の処理済液が第2の流出口から流出され、さらに第1の流入口へと導かれるのがよい。
<7> 上記<3>〜<6>のいずれかにおいて、第1〜第n(nは3以上の整数)の一対の電気分解用電極を有し、第m(mは3以上n以下の整数)の一対の電気分解用電極が、第(m−1)の一対の電気分解用電極の外側であって槽の内部に形成され、
処理すべき液が該第nの一対の電気分解用電極で処理された後、第(m−1)の一対の電気分解用電極で処理され、
第mの一対の電気分解用電極の第mの一方の電極が、第mの他方の電極と対向するように該第mの他方の電極の内側に配置され、第mの一方の電極と他方の電極とで形成される第mの電気分解空間において処理すべき液の電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、
第mの他方の電極は、槽に注入される処理すべき液を第mの電気分解空間に流入する第mの流入口を該第mの他方の電極自身又はその近傍に有し、
第mの一方の電極は、第mの電気分解空間において電気分解処理される第mの処理済液を、第(m−1)の一対の電気分解用電極側へと流出する第mの流出口を該第mの一方の電極自身又はその近傍に有し、
処理すべき液を第1〜第nの一対の電気分解用電極において連続的に電気分解処理するのがよい。
<8> 上記<7>において、第mの一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
第mの流入口が中空状の第mの他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
第mの流出口が中空状の第mの一方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外であり、第mの流入口より上部に配置され、且つ第(m−1)の流入口より上部に配置され、
前記第mの流入口より流入する処理すべき液が前記第mの電気分解空間において漸次上方への流れの中で電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、該第mの処理済液が漸次上方へと流れて前記第mの流出口から流出され、さらに前記第(m−1)の流入口へと導かれる請求項7記載の装置。
<9> 上記<7>において、第mの一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
第mの流入口が中空状の第mの他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
第mの流出口が中空状の第mの一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
第mの流入口より流入する処理すべき液が第mの電気分解空間において電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、該第mの処理済液が第mの流出口から流出され、さらに第(m−1)の流入口へと導かれるのがよい。
<10> 上記<7>において、第mの一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
第mの流入口が中空状の第mの他方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外に配置され、
第mの流出口が中空状の第mの一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外であって第mの流入口よりも下部に配置され、
第mの流入口より流入する処理すべき液が第mの電気分解空間において漸次下方への流れの中で電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、該第mの処理済液が第mの流出口から流出され、さらに第(m−1)の流入口へと導かれるのがよい。
<11> 上記<1>〜<10>のいずれかにおいて、一方の電極をカソードとし他方の電極をアノードとした場合、該アノードがアンチモン含有酸化スズ膜を有する構造体であるのがよい。
<12> 上記<1>〜<11>のいずれかにおいて、一方の電極をカソードとし他方の電極をアノードとした場合、該カソードがステンレス、アルミニウム、及びチタンからなる群から選ばれるのがよい。
<13> 上記<11>又は<12>において、構造体は、アルミニウム基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜であるのがよい。
<14> 上記<11>〜<13>のいずれかにおいて、構造体は、アンチモンの量が、アンチモンとスズとの合計を100at%としたとき、1〜20at%、好ましくは3〜15at%、より好ましくは5〜10at%であるのがよい。
<15> 中空状基材及び該中空状基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜を有する中空状構造体の製造方法であって、該方法が
A)ステンレス、アルミニウム、及びチタンからなる群から選ばれる前記中空状基材、特にアルミニウムからなる前記中空状基材を準備する工程;
B)該基材を温度300〜450℃、好ましくは350〜450℃で0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間、加熱処理し、その後、徐冷する工程;
C)得られた基材にアンチモン含有酸化スズ膜コーティング用溶液を塗布する塗布工程;
D)溶液が塗布された基材を乾燥する乾燥工程;及び
E)得られた乾燥体を焼成し、前記中空状構造体を得る工程;
を有し、
前記C)工程におけるアンチモン含有酸化スズ膜コーティング用溶液を以下のa)工程〜i)工程により調製する、上記方法:
a)アンモニアガスを吹き込んだ第1のアルコールROH(Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)の溶液を調製する工程;
b)四塩化スズ又は二塩化スズの第1のアルコールROHの溶液を調製する工程;
c)b)工程の溶液にa)工程の溶液を作用させ、沈殿した塩化アンモニウムを除去し、スズアルコキシド(Sn(OR又はSn(OR)溶液を得る工程;
d)アンモニアガスを吹き込んだ第2のアルコールROH(Rは、Rと同じであっても異なってもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)の溶液を調製する工程;
e)三塩化アンチモンの第2のアルコールROHの溶液を調製する工程;
f)e)工程の溶液にd)工程の溶液を作用させ、沈殿した塩化アンモニウムを除去し、アンチモンアルコキシド(Sb(OR)溶液を得る工程;
g)スズとアンチモンとの合計を100at%としたとき、アンチモン量が1〜20at%となるように、スズアルコキシド(Sn(OR又はSn(OR)溶液とアンチモンアルコキシド(Sb(OR)溶液とを混合し第1の混合液を得る工程;
h)水を含有する第3のアルコールROH(Rは、R又はRと同じであっても異なってもよい炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)溶液を前記第1の混合液に添加し第2の混合液を得る工程;及び
i)第4のアルコールROH(Rは、R、R又はRと同じであっても異なってもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)を含有する有機溶媒を、第2の混合液に添加し、アンチモン含有酸化スズ膜コーティング用溶液を得る工程。
<16> 上記<15>において、A)工程後且つB)工程前に、中空状基材を揮発性有機溶媒で洗浄し乾燥する工程をさらに有するのがよい。
<17> 上記<15>又は<16>において、B)工程後且つC)工程前に、中空状基材を酸、アルカリ及び/又は水で洗浄し乾燥する工程をさらに有するのがよい。特に、アルカリ洗浄後に水で洗浄し、その後、酸洗浄後に水で洗浄し、乾燥する工程であるのがよい。
<18> 上記<15>〜<17>のいずれかにおいて、R及びRがエチル基であり、R及びRがn−プロピル基であり、且つROH及びROHが1-プロパノールであるのがよい。
<19> 上記<15>〜<18>のいずれかにおいて、i)工程の水を含有する第3のアルコール溶液は、該溶液100vol%中、水を1〜50vol%、好ましくは10〜20vol%含有するのがよい。
<20> 上記<15>〜<19>のいずれかにおいて、i)工程の有機溶媒が、エチレングリコール、アセチルアセトン及びプロピレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種であるのがよく、好ましくはエチレングリコールであるのがよい。
<21> 上記<15>〜<20>のいずれかにおいて、i)工程の有機溶媒は、コーティング用溶液100vol%中、5〜20vol%、好ましくは5〜10vol%、より好ましくは7〜8vol%含有するのがよい。
<22> 上記<15>〜<21>のいずれかにおいて、C)の塗布工程〜E)の焼成工程を複数回行うのがよい。
<23> 上記<15>〜<22>のいずれかにおいて、C)の塗布工程を、ディップコーティング、スプレイコーティング、スピンコーティング、ラミナーフローコーティング、又はプリンティングのいずれかの手法により行うのがよい。
<24> 上記<15>〜<23>のいずれかにおいて、D)の乾燥工程を、温度20〜180℃、好ましくは140〜160℃で行うのがよい。
<25> 上記<15>〜<24>のいずれかにおいて、E)の焼成工程を、温度300〜800℃、好ましくは400〜500℃で行うのがよい。なお、中空状基材としてアルミニウムを用いる場合、E)の焼成工程を、温度300〜600℃、好ましくは400〜500℃で行うのがよい。
<26> 上記<15>〜<25>のいずれか記載の方法により得られる、ステンレス、アルミニウム、及びチタンからなる群から選ばれる中空状基材、特にアルミニウムからなる中空状基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜を有する中空状構造体。
本発明により、処理すべき液を連続的に電気分解処理するフロー型の電気分解による液浄化装置を提供することができる。
また、本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果以外に、人工的な攪拌機能を付加しなくとも、電極表面及び/又はその近傍に効率よく、処理すべき液が接触する液浄化装置を提供することができる。
さらに、本発明により、上記効果に加えて、又は上記効果以外に、設計及び制御が簡便及び/又は単純である液浄化装置を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、槽及び第1の一対の電気分解用電極を有する処理液フロー型電気分解装置である。
後述するように、本発明の装置は、第1の一対の電気分解用電極に加えて、第2の一対の電気分解用電極、...第mの一対の電気分解用電極、....第nの一対の電気分解用電極を有してもよい。ここで、nは3以上の整数であり、mは3〜nまでの整数である。
槽は、処理すべき液をその内部に注入する注入口を有する。また、槽は、その内部に第1の一対の電気分解用電極が配置される。なお、注入口は、処理すべき液が第1の一対の電気分解用電極の外側に注入されるように、配置するのがよい。また、本発明の装置が、第2、...第mの、...第nの一対の電気分解用電極を有する場合、それら第1〜第nの一対の電気分解用電極の外側に処理すべき液が注入されるように、注入口を配置するのがよい。
第1の一対の電気分解用電極のうち、第1の一方の電極が、第1の他方の電極と対向するように、且つ第1の一方の電極が第1の他方の電極の内側になるように、配置する。
この対向する電極により形成される空間は、第1の電気分解空間である。後述する第1の流入口から流入される、処理すべき液が、第1の電気分解空間に満たされ、ここで電気分解処理がなされる。
第1の他方の電極はそれ自身又はその近傍に、第1の流入口を有する。処理すべき液は、該第1の流入口を通り、第1の電気分解空間に満たされる。なお、第1の流入口は、第1の他方の電極それ自身に設けられても、その近傍に設けられてもよい。後述する図1において、第1の流入口は、電極と一体成形された切欠け部である。この場合、切欠け部は、電極それ自身ではなく、電極近傍に設けられている。
第1の一方の電極はそれ自身又はその近傍に、第1の流出口を有する。第1の電気分解空間において電気分解処理される第1の処理済液は、該第1の流出口から槽外へと流出される。なお、第1の流出口は、第1の一方の電極それ自身に設けられても、その近傍に設けられてもよい。後述する図1において、第1の流出口は、円筒状電極の長手方向上端、及び/又は長手方向上部に形成される孔である。円筒状電極の長手方向上端は、電極近傍に設けられた第1の流出口であり、長手方向上部に形成される孔は、電極それ自身も設けられる第1の流出口である。
本発明の装置は、上述のように構成することにより、第1の一対の電気分解電極が、処理すべき液の流路を形成する。即ち、処理すべき液は、注入口から槽へと注入され、槽底部から順に満たされる。満たされた液は、第1の流入口から第1の電気分解空間へと導かれる。液は、第1の電気分解空間で電気分解処理が施され、さらに第1の流出口へと導かれ、槽外へと排出される。このように、本発明の装置は、処理すべき液を連続的に電気分解処理することができる。
本発明の一態様として、第1の一対の電気分解用電極は、次のように構成することができる。
即ち、第1の一方の電極及び第1の他方の電極は共に、中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置される。より具体的には、第1の一方及び他方の電極が、略円筒形状を有し、長手方向が略鉛直方向となるように配置されるのがよい。また、第1の一方及び他方の略円筒状電極が、同心円状に配置されるのがよい。
第1の流入口は、第1の他方の中空状電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、且つ第1の流出口が第1の一方の中空状電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外であり且つ前記第1の流入口より上部に配置されるのがよい。
このように、第1の流入口及び流出口を配置することにより、第1の流入口より流入する処理すべき液が第1の電気分解空間において漸次上方への流れの中で電気分解処理がなされて第1の処理済液となり、該第1の処理済液が漸次上方へと流れて第1の流出口へと流れ、第1の一方の電極の中空空間を介して槽外へと流出することができる。即ち、上述と同様に、処理すべき液が、第1の一対の電気分解用電極で形成される流路に沿って、連続的に電気分解処理される。また、これと共に、液が下方から上方へと流れることにより、人工的な攪拌機能を付加しなくとも、攪拌効果を奏することができる。この攪拌効果により、電極表面及び/又はその近傍に効率よく、処理すべき液が接触することができるため、電気分解処理を効率よく行うことができる。さらに、本発明の一態様は、中空状電極を同心円状に配置する構成であるため、設計及び制御が簡便及び/又は単純である液浄化装置を提供することができる。
以下、本発明の一態様を、図1を用いて具体的に説明する。なお、図1の説明において、「第1の一方の電極」及び「第1の他方の電極」に相当する「アノード」及び「カソード」の語をそれぞれ用いて、「アノード」及び「カソード」の配置を特定するが、その逆の配置であってもよい。
図1は、本発明の処理液フロー型電気分解装置1の一態様を示す図であり、図1(a)が装置1の斜視図であり、図1(b)がA−A’での断面図であり、図1(c)が上方からの図である。
装置1は、槽3、カソード5、アノード7及び排出用配管9を有する。また、図示しないが、装置1は、処理すべき液をカソード5の外側に注入する注入口を有する。
図1からわかるように、本態様では、カソード5及びアノード7は、円筒状の形状を有し、双方は、同心円状に配置される。
カソード5は、円筒形状の長手方向下部に切欠け部8であって処理液流入口8を複数有するように構成される。カソード5は、該長手方向下部が槽3の底面に接触するように配置される。
アノード7は、円筒形状の長手方向上部に孔11を有するか、及び/又は長手方向上方端が、槽3の壁よりも低く且つカソード5の上方端よりも低くなるように構成される。アノード7は、円筒形状の長手方向下部が槽3の底面に密着するように配置される。
装置1の図示しない注入口から処理すべき液が注入されると、槽3の底部から処理すべき液が徐々に満たされ、図1(b)の矢印Fで示すように、カソード5の切欠け部8且つ処理液流入口8を通って、カソード5とアノード7とで形成される空間10に、処理すべき液が満たされる。
空間10に満たされた液は、カソード5とアノード7との間で電気分解処理に付される。なお、カソード5及びアノード7は、それらで形成される空間10で電気分解処理ができるように、図示しない電気配線が設けられている。
電気分解処理と共に、液は、図1(b)の矢印F’で示すように、漸次上方へと流される。処理済液は、図1(b)の矢印F”で示すように、アノード7の長手方向上部に形成される孔11及び/又は長手方向上方端から空間12へと流出される。
このように、図1に示す本発明の一態様の装置を用いることにより、処理すべき液を連続的に処理することができる。また、カソード5及びアノード7により液の流路が形成され、簡便又は単純な構成により装置を設計することができる。さらに、矢印F〜F”で示されるように、攪拌装置を用いなくとも、液の流れにより攪拌効果が得られ、効率的な電気分解処理を行うことができる。
本発明の装置は、上述のように、第2の一対の電気分解用電極、...第mの一対の電気分解用電極、....第nの一対の電気分解用電極を有してもよい。
第2の一対の電気分解用電極は、上述の第1の一対の電気分解用電極の外側であって、槽の内部に設けるのがよい。例えば、第1の一対の電気分解用電極が略同心円状の円筒形状を有し、第2の一対の電気分解用電極が、該同心円状のさらに外側に同心円状に、円筒形状を有して配置されるのがよい。
本発明の装置が第m(mは3以上n以下の整数)の一対の電気分解電極を有する場合、第2の一対の電気分解用電極と同様に配置されるのがよい。即ち、第mの一対の電気分解電極は、第(m―1)の一対の電気分解用電極の外側であって、槽の内部に設けるのがよい。例えば、第(m−1)の一対の電気分解用電極が略同心円状の円筒形状を有し、第mの一対の電気分解用電極が、該同心円状のさらに外側に同心円状に、円筒形状を有して配置されるのがよい。
以下、第2の一対の電気分解用電極について説明する。なお、第mの一対の電気分解用電極については、第2の一対の電気分解用電極と同様に説明できるため、その説明を省略する。
第2の一対の電気分解用電極は、次のような態様を採ることができる。
即ち、第2の一対の電気分解用電極が、上述の第1の一対の電気分解用電極の外側に配置され、第2の一対の電気分解用電極を介した液が、第1の一対の電気分解用電極へと導かれるように、配置するのがよい。
第2の一対の電気分解用電極のうち、第2の一方及び他方の電極は、上述の第1の一方及び他方の電極と同様に配置することができる。即ち、第2の一方の電極が、第2の他方の電極と対向するように且つ該第2の他方の電極の内側に配置され、第2の一方及び他方の電極により第2の電気分解空間が形成されるのがよい。
第2の他方の電極は、槽に注入される処理すべき液を第2の電気分解空間に流入する第2の流入口を、該第2の他方の電極自身又はその近傍に有する。「近傍」については、第1の一方及び他方の電極で述べた通りである。
また、第2の一方の電極は、第2の電気分解空間において電気分解処理される第2の処理済液を、第1の一対の電気分解用電極側へと流出する第2の流出口を該第2の一方の電極自身又はその近傍に有する。ここでも、「近傍」については、第1の一方及び他方の電極で述べた通りである。
このように、第2の一方及び他方の電極を配置し、第2の流入口及び流出口を配置することにより、処理すべき液をまず、第2の一対の電気分解電極において処理され、その後に第1の一対の電気分解用電極において処理することができる。
特に、第2の一対の電解用電極を、次のような配置態様、即ち第1の配置態様を採ることができる。
即ち、第2の一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置するのがよい。具体的には、第2の一方及び他方の電極は、中空状電極、特に円筒状電極であるのがよく、第1の一対の円筒状且つ同心円状電解用電極の外側に、同心円状に配置されるのがよい。第2の一対の電解用電極により第2の電気分解空間が形成される。
第2の流入口は、第2の他方の中空状電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置されるのがよい。また、第2の流出口は、第2の一方の中空状電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外であって、第2の流入口より上部に配置され、且つ第1の流入口より上部に配置されるのがよい。
このように、第2の一対の電解用電極、並びに第2の流入口及び流出口を配置することにより、処理すべき液の流路を、第1及び第2の一対の電解用電極により形成することができる。
具体的には、流路は、次のようになる。即ち、処理すべき液は、まず、第2の流入口から第2の電気分解空間へと導かれる。この第2の電気分解空間において電気分解処理が施されて第2の処理済液となると共に、この液は、漸次上方へと流される。上方には、第2の流出口が形成されており、液は、該第2の流出口を通り、第1の一対の電気分解電極側へと流される。第1の一対の電気分解電極において、液は、上述のように、第1の流入口から導かれ、流入・処理される。
以上の態様について、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の一態様について説明する図であり、図1(b)及び(c)に相当する図のみを記載する。図2(a)は、上方から図であり、図2(b)は(図1におけるA−A’に相当する)断面図である。なお、図1と同じ部材について同じ図番を用いる。
装置101は、図1に加えて、第2のカソード21及び第2のアノード23を有する。
図2(a)からわかるように、本態様では、カソード5及びアノード7並びに第2のカソード21及び第2のアノード23は、円筒状の形状を有し、同心円状に配置される。
第2のカソード21は、円筒形状の長手方向下部に第2の切欠け部25であって第2の流入口25を複数有するように構成される。カソード21は、該長手方向下部の一部が槽3の底面に接触するように配置される。
第2のアノード23は、円筒形状の長手方向上部に孔27を有すると共に、長手方向上端が、槽3の壁よりも低く且つ第2のカソード21及びカソード5の上端よりも低くなるように構成される。第2のアノード23は、円筒形状の長手方向下部の全面が槽3の底面に密着するように配置される。
装置101の図示しない注入口から処理すべき液が注入されると、槽3の底部から処理すべき液が徐々に満たされ、図2(b)の矢印Gで示すように、第2のカソード21の切欠け部25且つ第2の流入口25を通って、第2のカソード21と第2のアノード23とで形成される空間24に、処理すべき液が満たされる。
空間24に満たされた液は、第2のカソード21と第2のアノード23との間で電気分解処理に付される。なお、第2のカソード21及び第2のアノード23は、それらで形成される空間24で電気分解処理ができるように、図示しない電気配線が設けられている。
電気分解処理と共に、液は、図2(b)の矢印G’で示すように、漸次上方へと流される。第2の電気分解空間24を経た第2の処理済液は、図2(b)の矢印G”で示すように、第2のアノード23の長手方向上部に形成される孔27及び/又は長手方向上端から、第2のアノード23とカソード5とで形成される空間28へと流される。
その後、第2の処理済液は、図1での説明と同様に、F→F’→F”と流れ、空間12へと流出され、排出管9を介して排出される。
このように、図2に示す本発明の一態様の装置を用いることにより、処理すべき液を連続的に処理することができる。また、カソード5及びアノード7並びに第2のカソード21と第2のアノード23により液の流路が形成され、簡便又は単純な構成により装置を設計することができる。さらに、矢印G〜G”及びF〜F”で示されるように、液は、上方方向から下降方向へと、さらに上方方向へと流れることにより、攪拌装置を用いなくとも、液の流れにより攪拌効果が得られ、効率的な電気分解処理を行うことができる。
また、第2の一対の電気分解電極は、次の第2の態様を採ることもできる。なお、第2の態様は、上述の第2の流入口及び流出口についての第1の配置態様と異なる以外、上述の態様とほぼ同様に配置することができる。したがって、第2の態様については、以降、第2の流入口及び流出口の、第2の配置態様について特記する。
即ち、第2の流入口は、第2の他方の中空状電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置されるのがよい。また、第2の流出口は、第2の一方の中空状電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置されるのがよい。
このように、第2の一対の電解用電極、並びに第2の流入口及び流出口を配置することにより、処理すべき液の流路を、第1及び第2の一対の電解用電極により形成することができる。
以上の第2の配置態様について、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の一態様について説明する図であり、図2(a)及び(b)に相当する図を記載する。図3(a)は、本発明の一態様の上方からの図であり、図3(b)は、本発明の一態様((a)のA−A’に相当する)の断面図である。なお、図1と同じ部材について同じ図番を用いる。
装置201は、図1に加えて、第2のカソード31及び第2のアノード33を有する。図3(a)及び(b)からわかるように、第2のカソード31及び第2のアノード33は、カソード5及びアノード7と共に、円筒状の形状を有し、同心円状に配置される。
第2のカソード31は、円筒形状の長手方向下部に第2の切欠け部35であって第2の流入口35を複数有するように構成される。カソード31は、該長手方向下部の一部が槽3の底面に接触するように配置される。
第2のアノード33は、第2のカソード31と同様に、円筒形状の長手方向下部に第2の切欠け部37であって第2の流出口37を複数有するように構成される。アノード33は、該長手方向下部の一部が槽3の底面に接触するように配置される。なお、図3(a)からわかるように、切欠け部又は第2の流出口37は、切欠け部又は第2の流入口35に対して、同心円状に配置された電極の軸を中心に45°回転した位置に設けられる。
装置201の図示しない注入口から処理すべき液が注入されると、槽3の底部から処理すべき液が徐々に満たされ、図3の矢印Hで示すように、第2のカソード31の切欠け部且つ第2の流入口35を通って、第2のカソード31と第2のアノード33とで形成される空間34に、処理すべき液が満たされる。
空間34に満たされた液は、第2のカソード31と第2のアノード33との間で電気分解処理に付される。なお、第2のカソード31及び第2のアノード33は、それらで形成される空間34で電気分解処理ができるように、図示しない電気配線が設けられている。
電気分解処理と共に、液は、図3(b)の矢印H’で示すように、漸次上方へと流されると共に、図3(a)の矢印H’で示すように、漸次時計回り又は反時計回り方向へと流される。第2の電気分解空間34を経た第2の処理済液は、図3(a)及び(b)の矢印H”で示すように、第2のアノード33の長手方向下部に形成される切欠け部又は第2の流入口35及び/又は長手方向上端から、第2のアノード33とカソード5とで形成される空間38へと流される。
その後、第2の処理済液は、図1での説明と同様に、F→F’→F”と流れ、空間12へと流出され、排出管9を介して排出される。
このように、図3に示す本発明の一態様の装置を用いることにより、処理すべき液を連続的に処理することができる。また、カソード5及びアノード7並びに第2のカソード31と第2のアノード33により液の流路が形成され、簡便又は単純な構成により装置を設計することができる。さらに、矢印H〜H”及びF〜F”で示されるように、液は、上方方向から下降方向へと、又は時計回り方向もしくは反時計回り方向へ、さらに上方方向へと流れることにより、攪拌装置を用いなくとも、液の流れにより攪拌効果が得られ、効率的な電気分解処理を行うことができる。
さらに、第2の一対の電気分解電極は、次の第3の態様を採ることもできる。なお、第3の態様は、上述の第2の流入口及び流出口についての第1及び第2の配置態様と異なる以外、上述の態様とほぼ同様に配置することができる。したがって、第3の態様については、以降、第2の流入口及び流出口の、第3の配置態様について特記する。
即ち、第2の流入口は、第2の他方の中空状電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外に配置されるのがよい。また、第2の流出口は、第2の一方の中空状電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置されるのがよい。
このように、第2の一対の電解用電極、並びに第2の流入口及び流出口を配置することにより、処理すべき液の流路を、第1及び第2の一対の電解用電極により形成することができる。
以上の第2の配置態様について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の一態様について説明する図であり、図2(a)及び(b)に相当する図を記載する。図4(a)は、本発明の一態様の上方からの図であり、図4(b)は、本発明の一態様((a)のA−A’に相当する)の断面図である。なお、図1と同じ部材について同じ図番を用いる。
装置301は、図1に加えて、第2のカソード41及び第2のアノード43を有する。図4(a)及び(b)からわかるように、第2のカソード41及び第2のアノード43は、カソード5及びアノード7と共に、円筒状の形状を有し、同心円状に配置される。
第2のカソード41は、円筒形状の長手方向上部に第2の切欠け部又は第2の流入口45を複数有するように構成される。カソード41は、該長手方向下部の全部が槽3の底面に密着するように配置される。
第2のアノード43は、円筒形状の長手方向下部に第2の切欠け部又は第2の流出口47を複数有するように構成される。アノード43は、該長手方向下部の一部が槽3の底面に接触するように配置される。
装置301の図示しない注入口から処理すべき液が注入されると、槽3の底部から処理すべき液が徐々に満たされ、図4の矢印Jで示すように、第2のカソード41の切欠け部且つ第2の流入口45を通って、第2のカソード41と第2のアノード43とで形成される空間44に、処理すべき液が満たされる。
空間44に満たされた液は、第2のカソード41と第2のアノード43との間で電気分解処理に付される。なお、第2のカソード41及び第2のアノード43は、それらで形成される空間44で電気分解処理ができるように、図示しない電気配線が設けられている。
電気分解処理と共に、液は、図4(b)の矢印J’で示すように、漸次下方へと流される。第2の電気分解空間44を経た第2の処理済液は、図4(b)の矢印J”で示すように、第2のアノード43の長手方向下部に形成される切欠け部又は第2の流入口47から、第2のアノード43とカソード5とで形成される空間48へと流される。
その後、第2の処理済液は、図1での説明と同様に、F→F’→F”と流れ、空間12へと流出され、排出管9を介して排出される。
このように、図4に示す本発明の一態様の装置を用いることにより、処理すべき液を連続的に処理することができる。また、カソード5及びアノード7並びに第2のカソード41と第2のアノード43により液の流路が形成され、簡便又は単純な構成により装置を設計することができる。さらに、矢印J〜J”及びF〜F”で示されるように、液は、上方方向から下降方向へと、さらに上方方向へと流れることにより、攪拌装置を用いなくとも、液の流れにより攪拌効果が得られ、効率的な電気分解処理を行うことができる。
上述のように、本発明の装置は、第mの一対の電気分解用電極を有してもよい。この場合、第mの一対の電気分解用電極は、上述の第2の一対の電気分解用電極の第1〜第3の配置態様にように、各々独立に、配置することができる。
本発明の装置において、各電極の形状は、特に限定されないが、電気分解が効率よく行うために、その表面積が大となるような形状を有するのが望ましい。表面積を大とするため、図1〜図4に示すように、円筒状の電極を同心円状に、対向するように配置するのが好ましい。
また、表面に凹凸を有するように電極を形成するのも好ましい。さらに、電極表面に伝導性物質、例えば伝導性ポリマー又はカーボンなどを付着させるように電極を形成するのも好ましい。このように、凹凸を形成させるか又は伝導性物質を付着させることにより、処理すべき液が、電気分解空間が長く滞留するという副次的効果を奏することができる。この副次的効果、即ち長い滞留により、処理すべき液をより効率的に処理することが可能となる。
本発明の装置における第1〜第nの一対の電気分解用電極の材料は、電気分解が効率よく行えるものであれば、特に限定されない。しかしながら、次の組合せであるのが好ましい。即ち、一方の電極をカソードとし他方の電極をアノードとした場合、該アノードは、電極作成の加工上の観点などから、アンチモン含有酸化スズ膜を有する構造体であるのが好ましい。また、カソードは、電気分解によりカソード表面上に発生する水素と反応して水素化合物とはならない材料を用いるのがよい。例えば、カソードの材料として、ステンレス、アルミニウム、及びチタンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。特に、カソードとして、電極作成の加工上の観点、コスト面などから、ステンレスなどを用いるのが好ましい。この組合せを用いることにより、上述のように、水の電気分解に伴って電極表面に生じるヒドロキシルラジカル、及び/又は間接的に発生する次亜塩素酸などを用いて、難分解性有機化合物を処理することができる。
ここで、アンチモン含有酸化スズ膜を有する構造体は、アルミニウム基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜であるのがよく、好ましくはアンチモンの量が、アンチモンとスズとの合計を100at%としたとき、1〜20at%、好ましくは3〜15at%、より好ましくは5〜10at%であるのがよい。なお、アンチモン含有酸化スズ膜を有する構造体、特に、アルミニウム基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜からなる構造体は、加工上のハンドリングが容易であり、所望形状の電極を製造することができる点で望ましい。
なお、アンチモン含有酸化スズ膜を有する構造体、特に、アルミニウム基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜からなる構造体は、本発明者らと同一の発明者らによる先の出願、特願2005−257768に詳しく記載されている。その一部を抜粋して、アンチモン含有酸化スズ膜を有する電極、特に、アルミニウム基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜からなる電極の製法について以下に説明する。
本発明に用いることができる電極、即ちアンチモン含有酸化スズ膜を有する電極、特に、アルミニウム基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜からなる電極は、コーティング溶液を用いて次のように製造することができる。なお、コーティング溶液については後述する。
即ち、本発明に用いることができる電極は、
j)コーティング溶液をアルミニウム基板上に塗布する工程;
k)得られた基板を乾燥する工程;及び
l)得られた基板を焼成し、アルミニウム基板の直上にアンチモン含有酸化スズ膜を形成する工程;を有する製法により得ることができる。
なお、基材として中空状基材、特に略円筒状の中空状基材を用いて中空状、特に略円筒状構造体を得る場合、塗布工程前に、熱処理を行うのがよい。
即ち、j)工程前に、A)中空状基材、特にステンレス、アルミニウム、及びチタンからなる群から選ばれる中空状基材、より特にアルミニウムからなる中空状基材を準備する工程;及び
B)該基材を温度300〜450℃、好ましくは350〜450℃で0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間、加熱処理し、その後、徐冷する工程;を有するのがよい。
この工程を設けることにより、略円筒状基材の直上に、良好に、アンチモン含有酸化スズ膜を形成することができる。
また、A)工程後且つB)工程前に、中空状基材を、アセトン、メタノール、エタノールなどの揮発性有機溶媒で洗浄し乾燥する工程をさらに有するのがよい。この揮発性有機溶媒での洗浄工程を設けることにより、基材表面の油分等が除去され、基材を清浄な状態で均一に加熱することができる。
さらに、B)工程後且つj)工程(溶液塗布工程)前に、中空状基材を酸、アルカリ及び/又は水で洗浄し乾燥する工程をさらに有するのがよい。この工程は、より具体的には、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ洗浄後に水で洗浄し、その後、硝酸などの酸洗浄後に水で洗浄し、乾燥する工程であるのがよい。このようなアルカリ、酸などでの洗浄工程を設けることにより、基材表面の不純物及び余分な酸化被膜を除去することができる。
塗布工程j)〜焼成工程l)の一連の作業を複数回行ってもよい。複数回行うことにより、基板上の膜厚さを所望のものにすることができる。
塗布工程j)において、塗布の手法は特に限定されず、例えば、ディップコーティング、スプレイコーティング、スピンコーティング、ラミナーフローコーティング、又はプリンティングなどの手法を用いることができる。なお、本発明の場合、アルミニウム基板を用いるため、特殊形状の基板を用いることができる。該特殊形状の基板上に塗布するには、ディップコーティング又はスプレイコーティングなどで行うのが好ましい。
乾燥工程k)は、温度20〜180℃、好ましくは140〜160℃で行うのがよい。なお、乾燥時間は、用いるコーティング溶液の濃度、粘度などに依存するが、例えば0.2〜0.5時間であるのがよい。
焼成工程l)は、温度300〜500℃、好ましくは400〜450℃で行うのがよい。なお、焼成時間は、例えば1〜2時間であるのがよい。
ここで、コーティング溶液は、次のように製造することができる。
即ち、コーティング溶液は、
a)アンモニアガスを吹き込んだ第1のアルコールROH(Rは炭素数1〜4、好ましくは1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)の溶液を調製する工程;
b)四塩化スズ又は二塩化スズの第1のアルコールROHの溶液を調製する工程;
c)b)工程の溶液にa)工程の溶液を作用させ、沈殿した塩化アンモニウムを除去し、スズアルコキシド(Sn(OR又はSn(OR)溶液を得る工程;
d)アンモニアガスを吹き込んだ第2のアルコールROH(Rは、Rと同じであっても異なってもよい炭素数1〜4、好ましくは1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)の溶液を調製する工程;
e)三塩化アンチモンの第2のアルコールROHの溶液を調製する工程;
f)e)工程の溶液にd)工程の溶液を作用させ、沈殿した塩化アンモニウムを除去し、アンチモンアルコキシド(Sb(OR)溶液を得る工程;
g)アンチモン量が、スズとアンチモンとの合計を100at%としたとき、1〜20at%、好ましくは3〜15at%、より好ましくは5〜10at%となるように、スズアルコキシド(Sn(OR又はSn(OR)溶液とアンチモンアルコキシド(Sb(OR)溶液とを混合し第1の混合液を得る工程;
h)水を含有する第3のアルコールROH(Rは、R又はRと同じであっても異なってもよい炭素数1〜3、好ましくは2〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)溶液を前記第1の混合液に添加し第2の混合液を得る工程;及び
i)第4のアルコールROH(Rは、R、R又はRと同じであっても異なってもよい炭素数1〜4、好ましくは1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)を含有する有機溶媒を、第2の混合液に添加し、アンチモン含有酸化スズ膜コーティング用溶液を得る工程;
を有する製法により得ることができる。
a)及びd)工程において、アンモニアガスを用いる。アンモニアガスは、c)工程及びf)工程において、塩化物と反応させアルコキシドを生成するのに用い、不所望の塩化アンモニウムを容易に除去できる点で好ましい。また、アンモニアは、本方法、即ち金属アルコキシドから酸化物を得るゾルゲル法において、加水分解のアルカリ触媒として作用する点でも好ましい。さらに、アンモニアは、後述する構造体の製法の焼成工程において、容易に分解する(NO又はHO)ことにより、系内から除去できる点でも好ましい。
a)及びb)工程に用いる第1のアルコールは、溶媒として、及びアルコキシド源として用いられる。したがって、第1のアルコールは、スズアルコキシドの良溶媒であるのがよい。第1のアルコールとして、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール(t-ブタノール)などを挙げることができるが、これらに限定されない。第1のアルコールとしてエタノールであるのが好ましい。
d)及びe)工程に用いる第2のアルコールも、第1のアルコールと同様である。即ち、第2のアルコールは、溶媒として、及びアルコキシド源として用いられる。したがって、第2のアルコールは、アンチモンアルコキシドの良溶媒であるのがよい。第2のアルコールとして、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール(t-ブタノール)などを挙げることができるが、これらに限定されない。第2のアルコールとして1-プロパノールであるのが好ましい。
g)工程において、アンチモンアルコキシドの量をコントロールすることにより、最終生成物中におけるアンチモン量をコントロールするのがよい。アンチモン量は、スズとアンチモンとの合計を100at%としたとき、1〜20at%、好ましくは3〜15at%、より好ましくは5〜10at%であるのがよい。
h)工程において、水を含有する第3のアルコールROH溶液を用いるのがよい。ここで、水は、いわゆるゾルゲル法における加水分解のための水である。この工程において、アルコール溶液とすることにより、アルコキシドとの過剰な反応、特に過剰に水に反応するアンチモンアルコキシドとの過剰な反応を抑えることができる。
第3のアルコールは、第1のアルコールと同じでも異なっても、第2のアルコールと同じでも異なってもよい。
水の量は、水を含有する第3のアルコール溶液100vol%中、1〜50vol%、好ましくは10〜20vol%、特に10vol%含有するのがよい。
i)工程において、有機溶媒を用いるのがよい。この有機溶媒は、コーティング溶液のハンドリングをよくするために用いられる。特に、水分に対する過剰反応を抑えて、ハンドリングをよくすることができる。また、後述の溶液の塗布における基板との塗布性を整えるために用いるのがよい。有機溶媒として、上記の特性を有するのがよく、例えば、エチレングリコール、アセチルアセトン及びプロピレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができるが、これらに限定されない。
有機溶媒は、第4のアルコールと該有機溶媒との合計を100vol%としたとき、50〜95vol%、好ましくは50〜90vol%含有するのがよい。また、有機溶媒は、コーティング用溶液100vol%中、5〜20vol%、好ましくは5〜10vol%、より好ましくは7〜8vol%含有するのがよい。
上述の方法により、コーティング溶液を得ることができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
<アルミニウム管の前処理>
後に詳述する形状を有するアノード用の円筒状アルミニウム管を準備した。
このアルミニウム管をアセトンで洗浄した。その後、大気下で、60分間、400℃で加熱し、その後、大気下で自然冷却した。
冷却後、アルミニウム管を水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム5g/水100ml)に1分間浸漬し、その後、過剰量の水で洗浄した。
その後、アルミニウム管を20%硝酸に3分間浸漬し、過剰量の水で洗浄し、乾燥した。
<コーティング溶液の調製>
1M 四塩化スズのエタノール溶液3mlに、アンモニアガスを吹き込んで調製したアンモニアのエタノール溶液をpH8.2〜8.4となるまで滴下し、さらに全体量が10mlとなるようにエタノールを加えた。その後、遠心分離により沈殿した塩化アンモニウムを除去し、スズエトキシド溶液を調製した。
スズエトキシド溶液とは別に、アンチモンプロポキシド溶液を調製した。即ち、0.5M 三塩化アンチモンのプロパノール溶液3.6mlに、アンモニアガスを吹き込んで調製したアンモニアのプロパノール溶液をpH8.1〜8.5となるまで滴下し、さらに全体量が12mlとなるようにエタノールを加えた。その後、遠心分離により沈殿した塩化アンモニウムを除去し、アンチモンプロポキシド溶液を調製した。
アンチモンが5mol%(アンチモンとスズの合計を100mol%とした場合のアンチモン量)になるように、スズエトキシド溶液とアンチモンプロポキシド溶液とを混合した。水を10vol%含有する1−プロパノールを、混合液に添加し、その後、エタノールを10vol%含有するエチレングリコールを添加し、コーティング溶液とした。
<アルミニウム管上へのアンチモン含有酸化スズ膜の成膜>
上記で得られたコーティング溶液に、上述のアルミニウム管を浸漬し、引き上げ速度3cm/分で引き上げて、アルミニウム管上にコーティング溶液をコーティングした。得られた管を電気炉中、150℃で20分間乾燥させた後、400℃で1時間焼成した。1)コーティング、2)乾燥、3)焼成の3工程からなる1つのシリーズを20回繰り返し、アンチモン含有酸化スズ膜がアルミニウム基板上に形成した試料A−1を得た。
<第1の一対の電気分解用電極を用いた装置>
<<電極の詳細>>
図1に模式的に示す電気分解用電極を用いた。
具体的には、アノードは円筒状の形状を有し、Sb−SbOがその表面にコーティングされたアルミ管であった。また、カソードは、肉厚0.1cm、直径2.6cm、高さ15cmの円筒状ステンレス管であった。
より詳細には、アノードは、肉厚0.1cm、直径2.2cm、長さが全体としては10cmの円筒形状を有し、円筒形状上方部に直径0.7cmの孔が4つ設けられて成った。孔は、上方から見ると十字方向に4つ設けられ、孔の底部からアルミ管の底辺までが7cmとなるように設けられた。また、Sb−SbOコーティングは、上述の製法により形成され、底辺から8.5cmの位置まで形成された。なお、アノードの底部から0.5cmまでの部分は、ホルダーに固定するためにテープが付着され、実質上6.5cmの高さの電極であった。
アノードとカソードとは、アノードが内側、カソードが外側となるように、円筒形状を同心円状に重ねて配置した。
<<電解実験>>
電極は、0.1Mリン酸バッファー中で0.5mA/cmの電流密度で2分間、前電解を行い、蒸留水で洗浄してから使用した。
ホルダー中心部に排出用の穴の設けたホルダー上に、上記配置のアノード及びカソードを設け、該組合せを、図1に模式的に示すように、槽中に設置した(ホルダーは図1に図示されない)。なお、アノードとカソードの間には0.2cmの隙間ができた。カソードの底部に配置されるホルダーには、図1の流入口8のように、水が流れ込むような隙間を設けてあるため、水を加えると槽に溜まっていくと同時に、アノードとカソードとの隙間にも水が溜まっていった。また、より水を流すと、アノードに設けた4つの孔から、水は排出された。
流す溶液は、1)OHラジカルのトラップ剤である0.02mM N,N-ジメチル-p-ニトロソアニリン(以降、単に「RNO」と略記する)/0.1Mリン酸バッファー水溶液、及び2)0.5mMフェノール/0.1Mリン酸バッファー水溶液であった。なお、RNOは、440nmに強い吸収(モル吸光係数ε=3.44×10−1cm−1)を持ち、OHラジカルをトラップするとその吸収が消失する特性を有する。吸光度の変化を利用し、OHラジカルのトラップ量を観察した。なお、この観察により、条件を変えた場合の水処理性能を間接的に比較することができる。
溶液を槽に注いで溜めてゆき、一定量を超えた溶液を中心のアノード管を通して流れ出させ、さらに十分な溶液を加えた後、溶液の流れが止まった時を初期状態とした。0.5mA/cm、1mA/cm、及び2mA/cmの各電流密度での一定電流で30秒の前電解を行なった後、電流はそのまま流し続けながら4ml/分の流速で50mlの溶液を加えてゆき、5mlごとの溶液を取り出した。
1)0.02mM RNO溶液は、分光光度計を用いて吸光度のピーク値の変化を測定し、モル吸光係数を用いて濃度を算出した。2)0.5mMフェノール溶液は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて濃度変化を測定した。
<結果>
1)電流密度を0.5mA/cm、1mA/cm、及び2mA/cmと変えた場合のRNOの濃度変化を図5に示す。
図5から、どの電流密度であっても、最初に大幅に減少、その後緩やかになり、ほぼ一定値を示すことがわかる。
また、電流密度を上げるにつれて濃度が低くなっていることがわかる。
このことから、図1に模式的に示す電極配置を有する、本実施例の処理液フロー型電気分解装置は、有効に機能することがわかる。
2)同一の装置を用いて、0.5mMフェノール溶液を、電流密度1mA/cmで、電解処理した結果を図6に示す。
図6から次のことがわかる。即ち、横軸の流量が増えても、フェノール濃度が0.5mM以下であることから、本実施例の処理液フロー型電気分解装置は、有効に機能することがわかる。なお、最初に大きく減少し、緩やかに上昇してゆき、40mlを越えたあたりから一定値を示している。これは、電極表面にフェノール分解生成物である二次生成物が存在するようになり、OHラジカルがフェノールと該生成物の両方で消費されるようになったため、相対的にフェノールの分解量が減少したと考えられる。
<第1及び第2の一対の電気分解用電極を用いた装置−その1−>
<<電極の詳細>>
図2に模式的に示すような配置を有する、第1及び第2の一対の電気分解用電極を用いた。
第1の一対の電気分解用電極は、実施例2と同じものを用いた。
第2の一対の電気分解用電極は、図2に模式的に示すように、第1の一対の電気分解用電極の内側であって、同心円状に配置した。
具体的には、第2の一対の電気分解用電極のうち、アノードは、円筒状の形状を有し、Sb−SbOがその表面にコーティングされたアルミ管であった。また、カソードは、肉厚0.1cm、直径1.6cm、高さ15cmの円筒状ステンレス管であった。
より詳細には、アノードは、肉厚0.1cm、直径1.0cm、長さが全体としては10cmの円筒形状を有し、円筒形状上方部に直径0.7cmの孔が2つ向かい合うように設けられて成った。孔は、孔の底部からアルミ管の底辺までが7cmとなるように設けられた。また、Sb−SbOコーティングは、上述の製法により形成され、底辺から8.5cmの位置まで形成された。なお、アノードの底部から0.5cmまでの部分は、ホルダーに固定するためにテープが付着され、実質上6.5cmの高さの電極であった。
第2の一対のアノードとカソードとは、アノードが内側、カソードが外側となるように、円筒形状を同心円状に重ねて配置した。なお、実施例3で用いる電極は、上述のように構成しているため、各電極の高さなど、図2と一部一致しない箇所がある。
<<電解実験>>
各電極は、0.1Mリン酸バッファー中で0.5mA/cmの電流密度で2分間、前電解を行い、蒸留水で洗浄してから使用した。
各電極は、図2に模式的に示すように、外側から順に、カソード、アノード、カソード、アノードとなるように、同心円状に配置した。
カソードの底部に配置されるホルダーには、図2の流入口8及び流入口25のように、水が流れ込むような隙間を設けてあるため、水を加えると槽に溜まっていくと、まず、外側のアノードとカソードとの隙間にも水が溜まっていった。さらに、水を流すと、外側のアノードに設けた4つの孔から、水は、外側のアノードから内側のカソードとにより形成された隙間に水が貯まり、内側のカソードの底部に設けた隙間から、内側のカソードと内側のアノードとにより形成される隙間に水が溜まっていった。さらに、水を流すと、内側のアノードに設けた2つの孔から、水は排出された。
電解実験は、実施例2と同様に行った。即ち、溶液として、1)0.02mM RNO/0.1Mリン酸バッファー水溶液、及び2)0.5mMフェノール/0.1Mリン酸バッファー水溶液を用い、1)については吸光度を、2)についてはHPLCでフェノール濃度を観測した。
<<結果>>
1)RNOの濃度変化と2)フェノール濃度の変化を、図7に示す。
図7から、1)RNO濃度、2)フェノール濃度ともに大きく減少していることがわかる。このことから、図2に模式的に示す電極配置を有する、本実施例の処理液フロー型電気分解装置は、有効に機能することがわかる。
なお、1)RNO濃度が、流量(横軸)が増えても、減少しているのに対して、2)フェノール濃度は、流量が40ml以降、ほぼ一定値を示す。このことからも、実施例2で述べたように、2)フェノールの場合、OHラジカルがフェノールとフェノール分解生成物の両方で消費される、という考えが支持されることがわかる。
<第1及び第2の一対の電気分解用電極を用いた装置−その2−>
実施例4は、実施例3と同様に、第1及び第2の一対の電気分解用電極を用いた装置に関する。但し、実施例4の装置は、図3に模式的に示すような配置を有する、第1及び第2の一対の電気分解用電極を用いた。
即ち、実施例4の装置は、流入口及び流出口の配置を図3に模式的に示すような配置とし、内側のカソードの長さを7cmとした以外、実施例3の装置と同じものを用いた。
より具体的には、各電極の配置及び水の流れは次のようにあった。即ち、各電極は、図3に模式的に示すように、外側から順に、カソード、アノード、カソード、アノードとなるように、同心円状に配置された。なお、各電極は、上述のように構成しているため、各電極の高さなど、図3と一部一致しない箇所がある。
水は、外側のカソード底部から、外側のカソードと外側のアノードとにより形成される空間に溜まっていった。また、外側のアノードの底部に設けられた隙間から、外側のアノードと内側のカソードとにより形成される空間に、水は流れた。なお、図3(b)において、アノード33を越える矢印H”で表される水の流れも観察された。さらに、内側のカソードの底部に設けられた隙間から、内側のカソードと内側のアノードとにより形成される空間に、水は溜まっていった。なお、図3には図示されていないが、内側のカソードの上端部から水があふれ、内側のカソードと内側のアノードとにより形成される空間へと流れる状況も観察された。最終的には、カソードとアノードとにより形成される空間は満たされ、内側のアノードに設けた2つの孔から、水は排出された。
電解実験は、実施例2と同様に行った。即ち、溶液として、1)0.02mM RNO/0.1Mリン酸バッファー水溶液、及び2)0.5mMフェノール/0.1Mリン酸バッファー水溶液を用い、1)については吸光度(及びそれに基づく濃度)を、2)についてはHPLCでフェノール濃度を観測した。
<<結果>>
1)RNOの濃度変化と2)フェノール濃度の変化を、図8に示す。
図8から、1)RNOの濃度、2)フェノール濃度ともに大きく減少していることがわかる。このことから、図3に模式的に示す電極配置を有する、本実施例の処理液フロー型電気分解装置は、有効に機能することがわかる。
なお、実施例3と実施例4の結果を比較すると、実施例3の装置が、より効率的に液を処理することがわかる。これは、実施例3は、水の流れに関して折り返し部が存在するため、攪拌が起こりやすく、RNO又はフェノール分子が電極表面と効率よく接触し、電極表面に生成したOHラジカルと効率よく反応しているためと考えられる。
本発明の装置の一態様を示す図である。 本発明の装置の一態様であって第2の一対の電気分解用電極を用いる装置の第1の配置態様を示す図ある。 本発明の装置の一態様であって第2の一対の電気分解用電極を用いる装置の第2の配置態様を示す図ある。 本発明の装置の一態様であって第2の一対の電気分解用電極を用いる装置の第3の配置態様を示す図ある。 実施例2の装置の結果を示すグラフである。 実施例2の装置の結果を示すグラフである。 実施例3の装置の結果を示すグラフである。 実施例4の装置の結果を示すグラフである。

Claims (26)

  1. 槽及び第1の一対の電気分解用電極を有する処理液フロー型電気分解装置であって、
    該第1の一対の電気分解用電極が前記槽の内部に配置され、
    前記第1の一対の電気分解用電極の第1の一方の電極が、第1の他方の電極と対向するように該第1の他方の電極の内側に配置され、第1の一方の電極と他方の電極とで形成される第1の電気分解空間において処理すべき液の電気分解処理がなされて第1の処理済液となり、
    前記第1の他方の電極は、前記槽に注入される処理すべき液を前記第1の電気分解空間へと流入する第1の流入口を、該第1の他方の電極自身又はその近傍に有し、
    前記第1の一方の電極は、前記第1の電気分解空間において電気分解処理される第1の処理済液を、前記槽外へと流出する第1の流出口を、該第1の一方の電極自身又はその近傍に有し、
    処理すべき液を連続的に電気分解処理する、上記処理液フロー型電気分解装置。
  2. 前記第1の一方の電極及び第1の他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
    前記第1の流入口が中空状の第1の他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
    前記第1の流出口が中空状の第1の一方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外であり且つ前記第1の流入口より上部に配置され、
    前記第1の流入口より流入する処理すべき液が前記第1の電気分解空間において漸次上方への流れの中で電気分解処理がなされて第1の処理済液となり、該第1の処理済液が漸次上方へと流れて前記第1の流出口へと流れ、前記第1の一方の電極の中空空間を介して前記槽外へと流出する請求項1記載の装置。
  3. 第2の一対の電気分解用電極が、前記第1の一対の電気分解用電極の外側であって前記槽の内部に形成され、
    処理すべき液が該第2の一対の電気分解用電極で処理された後、前記第1の一対の電気分解用電極で処理され、
    前記第2の一対の電気分解用電極の第2の一方の電極が、第2の他方の電極と対向するように該第2の他方の電極の内側に配置され、第2の一方の電極と他方の電極とで形成される第2の電気分解空間において処理すべき液の電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、
    前記第2の他方の電極は、前記槽に注入される処理すべき液を前記第2の電気分解空間に流入する第2の流入口を該第2の他方の電極自身又はその近傍に有し、
    前記第2の一方の電極は、前記第2の電気分解空間において電気分解処理される第2の処理済液を、前記第1の一対の電気分解用電極側へと流出する第2の流出口を該第2の一方の電極自身又はその近傍に有し、
    処理すべき液を第1及び第2の一対の電気分解用電極において連続的に電気分解処理する請求項1又は2記載の装置。
  4. 前記第2の一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
    前記第2の流入口が中空状の第2の他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
    前記第2の流出口が中空状の第2の一方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外に配置され、前記第2の流入口より上部に配置され、且つ前記第1の流入口より上部に配置され、
    前記第2の流入口より流入する処理すべき液が前記第2の電気分解空間において漸次上方への流れの中で電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、該第2の処理済液が漸次上方へと流れて前記第2の流出口から流出され、さらに前記第1の流入口へと導かれる請求項3記載の装置。
  5. 前記第2の一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
    前記第2の流入口が中空状の第2の他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
    前記第2の流出口が中空状の第2の一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
    前記第2の流入口より流入する処理すべき液が前記第2の電気分解空間において電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、該第2の処理済液が前記第2の流出口から流出され、さらに前記第1の流入口へと導かれる請求項3記載の装置。
  6. 前記第2の一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
    前記第2の流入口が中空状の第2の他方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外に配置され、
    前記第2の流出口が中空状の第2の一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外であって前記第2の流入口よりも下部に配置され、
    前記第2の流入口より流入する処理すべき液が前記第2の電気分解空間において漸次下方への流れの中で電気分解処理がなされて第2の処理済液となり、該第2の処理済液が前記第2の流出口から流出され、さらに前記第1の流入口へと導かれる請求項3記載の装置。
  7. 第1〜第n(nは3以上の整数)の一対の電気分解用電極を有し、第m(mは3以上n以下の整数)の一対の電気分解用電極が、第(m−1)の一対の電気分解用電極の外側であって前記槽の内部に形成され、
    処理すべき液が該第nの一対の電気分解用電極で処理された後、前記第(m−1)の一対の電気分解用電極で処理され、
    前記第mの一対の電気分解用電極の第mの一方の電極が、第mの他方の電極と対向するように該第mの他方の電極の内側に配置され、第mの一方の電極と他方の電極とで形成される第mの電気分解空間において処理すべき液の電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、
    前記第mの他方の電極は、前記槽に注入される処理すべき液を前記第mの電気分解空間に流入する第mの流入口を該第mの他方の電極自身又はその近傍に有し、
    前記第mの一方の電極は、前記第mの電気分解空間において電気分解処理される第mの処理済液を、前記第(m−1)の一対の電気分解用電極側へと流出する第mの流出口を該第mの一方の電極自身又はその近傍に有し、
    処理すべき液を第1〜第nの一対の電気分解用電極において連続的に電気分解処理する請求項3〜6のいずれか1項記載の装置。
  8. 前記第mの一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
    前記第mの流入口が中空状の第mの他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
    前記第mの流出口が中空状の第mの一方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外に配置され、前記第mの流入口より上部に配置され、且つ前記第(m−1)の流入口より上部に配置され、
    前記第mの流入口より流入する処理すべき液が前記第mの電気分解空間において漸次上方への流れの中で電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、該第mの処理済液が漸次上方へと流れて前記第mの流出口から流出され、さらに前記第(m−1)の流入口へと導かれる請求項7記載の装置。
  9. 前記第mの一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
    前記第mの流入口が中空状の第mの他方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
    前記第mの流出口が中空状の第mの一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外に配置され、
    前記第mの流入口より流入する処理すべき液が前記第mの電気分解空間において電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、該第mの処理済液が前記第mの流出口から流出され、さらに前記第(m−1)の流入口へと導かれる請求項7記載の装置。
  10. 前記第mの一方及び他方の電極が共に中空状に形成され且つ該中空の長手方向が略鉛直方向となるように配置され、
    前記第mの流入口が中空状の第mの他方の電極の長手方向上部又は長手方向上部先端外に配置され、
    前記第mの流出口が中空状の第mの一方の電極の長手方向下部又は長手方向下部先端外であって前記第mの流入口よりも下部に配置され、
    前記第mの流入口より流入する処理すべき液が前記第mの電気分解空間において漸次下方への流れの中で電気分解処理がなされて第mの処理済液となり、該第mの処理済液が前記第mの流出口から流出され、さらに前記第(m−1)の流入口へと導かれる請求項7記載の装置。
  11. 前記一方の電極をカソードとし他方の電極をアノードとした場合、該アノードがアンチモン含有酸化スズ膜を有する構造体である請求項1〜10のいずれか1項記載の装置。
  12. 前記一方の電極をカソードとし他方の電極をアノードとした場合、該カソードがステンレス、アルミニウム及びチタンからなる群から選ばれる請求項1〜11のいずれか1項記載の装置。
  13. 前記構造体は、アルミニウム基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜である請求項11又は12記載の装置。
  14. 前記構造体は、アンチモンの量が、アンチモンとスズとの合計を100at%としたとき、1〜20at%である請求項11〜13のいずれか1項記載の装置。
  15. 中空状基材及び該中空状基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜を有する中空状構造体の製造方法であって、該方法が
    A)ステンレス、アルミニウム、及びチタンからなる群から選ばれる前記中空状基材を準備する工程;
    B)該基材を温度300〜450℃で0.5〜3時間で加熱処理し、その後、徐冷する工程;
    C)得られた基材にアンチモン含有酸化スズ膜コーティング用溶液を塗布する塗布工程;
    D)溶液が塗布された基材を乾燥する乾燥工程;及び
    E)得られた乾燥体を焼成し、前記中空状構造体を得る工程;
    を有し、
    前記C)工程におけるアンチモン含有酸化スズ膜コーティング用溶液を以下のa)工程〜i)工程により調製する、上記方法:
    a)アンモニアガスを吹き込んだ第1のアルコールROH(Rは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)の溶液を調製する工程;
    b)四塩化スズ又は二塩化スズの第1のアルコールROHの溶液を調製する工程;
    c)b)工程の溶液にa)工程の溶液を作用させ、沈殿した塩化アンモニウムを除去し、スズアルコキシド(Sn(OR又はSn(OR)溶液を得る工程;
    d)アンモニアガスを吹き込んだ第2のアルコールROH(Rは、Rと同じであっても異なってもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)の溶液を調製する工程;
    e)三塩化アンチモンの第2のアルコールROHの溶液を調製する工程;
    f)e)工程の溶液にd)工程の溶液を作用させ、沈殿した塩化アンモニウムを除去し、アンチモンアルコキシド(Sb(OR)溶液を得る工程;
    g)スズとアンチモンとの合計を100at%としたとき、アンチモン量が1〜20at%となるように、スズアルコキシド(Sn(OR又はSn(OR)溶液とアンチモンアルコキシド(Sb(OR)溶液とを混合し第1の混合液を得る工程;
    h)水を含有する第3のアルコールROH(Rは、R又はRと同じであっても異なってもよい炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)溶液を前記第1の混合液に添加し第2の混合液を得る工程;及び
    i)第4のアルコールROH(Rは、R、R又はRと同じであっても異なってもよい炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示す)を含有する有機溶媒を、第2の混合液に添加し、アンチモン含有酸化スズ膜コーティング用溶液を得る工程。
  16. 前記A)工程後且つB)工程前に、前記中空状基材を揮発性有機溶媒で洗浄し乾燥する工程をさらに有する請求項15記載の方法。
  17. 前記B)工程後且つC)工程前に、前記中空状基材を酸、アルカリ及び/又は水で洗浄し乾燥する工程をさらに有する請求項15又は16記載の方法。
  18. 及びRがエチル基であり、R及びRがn−プロピル基であり、且つROH及びROHが1-プロパノールである請求項15〜17のいずれか1項記載の方法。
  19. 前記i)工程の水を含有する第3のアルコール溶液は、該溶液100vol%中、前記水を1〜50vol%含有する請求項15〜18のいずれか1項記載の方法。
  20. 前記i)工程の有機溶媒が、エチレングリコール、アセチルアセトン及びプロピレングリコールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項15〜19のいずれか1項記載の方法。
  21. 前記i)工程の有機溶媒は、前記コーティング用溶液100vol%中、5〜20vol%含有する請求項15〜20のいずれか1項記載の方法。
  22. 前記C)の塗布工程〜前記E)の焼成工程を複数回行う請求項15〜21のいずれか1項記載の方法。
  23. 前記C)の塗布工程を、ディップコーティング、スプレイコーティング、スピンコーティング、ラミナーフローコーティング、又はプリンティングのいずれかの手法により行う請求項15〜22のいずれか1項記載の方法。
  24. 前記D)の乾燥工程を、温度20〜180℃で行う請求項15〜23のいずれか1項記載の方法。
  25. 前記E)の焼成工程を、温度300〜800℃で行う請求項15〜24のいずれか1項記載の方法。
  26. 請求項15〜25のいずれか1項記載の方法により得られる、ステンレス、アルミニウム、及びチタンからなる群から選ばれる中空状基材及び該基材の直上に形成されるアンチモン含有酸化スズ膜を有する中空状構造体。
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