JP2007185639A - ゼオライト分離膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アルコールに対する水の含有量が少ない場合にも、アルコールと水とを十分に分離することができるゼオライト分離膜を製造する方法を提供すること。
【解決手段】 アルミナを主成分として含有する多孔質支持体と、多孔質支持体の表面及び細孔内に形成されたゼオライト層とを有するゼオライト分離膜の製造方法であって、多孔質支持体の表面及び細孔内にシリカが付着したシリカ付着支持体と、ケイ素及びアルミニウムを含有する反応液とを接触させ、更に反応液を加熱して、ゼオライト分離膜素体を得る素体形成ステップと、ゼオライト分離膜素体と反応液とを分離して、ゼオライト分離膜を得る素体分離ステップと、を備えるゼオライト分離膜の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ゼオライト分離膜の製造方法に関する。
多孔質支持体と、その表面及び細孔内に形成されたゼオライト層(ゼオライト膜)とを有するゼオライト分離膜は、有機溶剤、特にアルコールと、水とを分離する手段として広く利用されている。ゼオライト分離膜の製造では、多孔質支持体上にゼオライト層を形成させるために、一般に、ゼオライトの原料を含有する反応液に多孔質支持体を浸漬させ、反応液を加熱してゼオライト層を形成させる水熱合成が用いられる。
比較的高い分離能を有するゼオライト分離膜の製造方法としては、従来、例えば、粒径の頻度分布におけるモードが1nm〜1μmであり、99体積%が粒径5μm以下であるゼオライト種結晶を含有する種結晶スラリーを多孔質支持体に接触させることにより、種結晶を多孔質支持体に付着させ、次いで、種結晶が付着した多孔質支持体を、ゼオライトの原料を含有する反応液に浸漬させ、水熱合成を行うという方法が知られていた(下記特許文献1参照)。また、ゼオライトの原料を含有する反応液を所定時間室温でエージングした後、その反応液に、ゼオライト種結晶が付着した多孔質支持体を浸漬し、80℃以上の温度で水熱合成を行うという方法が知られていた(下記特許文献2及び3参照)。
特開2004−82008号公報 特開平8−257301号公報 特開2000−42387号公報
しかしながら、従来の方法(例えば、上記特許文献1〜3に記載の方法)により得られるゼオライト分離膜では、アルコールに対する水の含有量が少ない場合(例えば、アルコール/水(質量比)=99/1の場合)に、分離係数が2000未満であることが多く、必ずしもアルコールと水とを十分に分離することができなかった。そのため、半導体製造等の分野で要求される高純度アルコールを製造することは容易でなかった。
そこで、本発明は、アルコールに対する水の含有量が少ない場合にも、アルコールと水とを十分に分離することができるゼオライト分離膜を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究したところ、意外なことに、水熱合成の際に、アルミナを主成分として含有する多孔質支持体の表面及び細孔内にシリカを付着させることにより、十分に高い分離能を有するゼオライト分離膜が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
アルミナを主成分として含有する多孔質支持体と、前記多孔質支持体の表面及び細孔内に形成されたゼオライト層とを有するゼオライト分離膜の製造方法であって、
前記多孔質支持体の表面及び細孔内にシリカが付着したシリカ付着支持体と、ケイ素及びアルミニウムを含有する反応液とを接触させ、更に前記反応液を加熱して、ゼオライト分離膜素体を得る素体形成ステップと、
前記ゼオライト分離膜素体と前記反応液とを分離して、前記ゼオライト分離膜を得る素体分離ステップと、
を備えるゼオライト分離膜の製造方法である。
上記製造方法によれば、ゼオライト層の欠陥が十分に少なく、分離能が十分に高いゼオライト分離膜を得ることが可能になる。これは、次の理由によるものと推察される。
すなわち、アルミナを主成分として含有する多孔質支持体を用いてゼオライト分離膜を製造する場合、従来の製造方法では、水熱合成の際に、多孔質支持体からアルミナが反応液中に溶出し、多孔質支持体の表面近傍及び細孔内において、反応液中のケイ素及びアルミニウムの比率が変化する。その結果、所望の組成比(シリカ及びアルミナのモル比)を有するゼオライト層が形成されなくなる。これに対して、本発明の製造方法では、水熱合成の際に、シリカ付着支持体から、アルミナに加えて更に、付着したシリカが反応液中に溶出し、多孔質支持体の表面近傍及び細孔内において、反応液中のケイ素及びアルミニウムの比率がある程度一定に維持される。そのため、所望の組成比(シリカ及びアルミナのモル比)を有するゼオライト層が形成されやすくなり、結晶性が十分に高いゼオライト層を形成させることが可能になる。
上記製造方法によって得られるゼオライト分離膜は、ゼオライト層の欠陥が十分に少なく、分離能が十分に高いので、アルコールに対する水の含有量が少ない場合(例えば、アルコール/水(質量比)=99/1の場合)にも、アルコールと水とを十分に分離することができる。
上記素体形成ステップの前には、ゼオライト種結晶を多孔質支持体の表面及び細孔内に付着させる種結晶付着ステップを実施するのが好ましい。種結晶付着ステップを実施すれば、素体形成ステップにおいて、ゼオライト結晶が主として多孔質支持体上の種結晶を中心にして成長することになる。その結果、種結晶付着ステップを実施しない場合と比較して、均質性が高く、かつ剥離しにくいゼオライト層が形成され、それだけ、得られるゼオライト分離膜の分離能が高くなる。
ここで、ゼオライト種結晶を付着させる多孔質支持体としては、シリカ付着支持体が好ましい。シリカが付着していない多孔質支持体にゼオライト種結晶を付着させると、シリカの付着をゼオライト種結晶の付着と同時か、又はその後に行うことになる。その結果、多孔質支持体に付着したゼオライト種結晶にシリカが付着することになり、ゼオライト種結晶をシリカ付着支持体に付着させる場合と比較して、形成されるゼオライト層の欠陥が多くなる傾向がある。
上記製造方法で用いるシリカ付着支持体としては、多孔質支持体と、コロイダルシリカ(コロイド状のシリカ)を含有する液体とを接触させた後、多孔質支持体を乾燥させることによって得られるものが好ましい。このようなシリカ付着支持体を用いれば、それ以外のシリカ付着支持体を用いる場合と比較して、ゼオライト層の結晶性が高く、分離能が高いゼオライト分離膜を得ることが可能になる。これは、次の理由によるものと推察される。すなわち、液体中におけるコロイダルシリカの分散性が高いことから、上述のようにして得られるシリカ付着支持体では、シリカが多孔質支持体の表面及び細孔内の全領域に均一に付着している。そのため、水熱合成の際に、多孔質支持体の表面近傍及び細孔内の全領域において、反応液中のケイ素及びアルミニウムの比率がある程度一定に維持され、所望の組成比(シリカ及びアルミナのモル比)を有するゼオライト層が形成されやすくなる。なお、多孔質支持体に付着したシリカは、付着前のコロイダルシリカの形状の全部又は一部を保持していなくてもよい。
本発明によれば、アルコールに対する水の含有量が少ない場合にも、アルコールと水とを十分に分離することができるゼオライト分離膜を製造する方法が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。
〔ゼオライト分離膜の製造方法〕
本発明のゼオライト分離膜の製造方法は、アルミナを主成分として含有する多孔質支持体と、多孔質支持体の表面及び細孔内に形成されたゼオライト層とを有するゼオライト分離膜の製造方法であって、少なくとも、以下に説明する素体形成ステップ及び素体分離ステップを備えるものである。
ここで、「アルミナを主成分として含有する」とは、多孔質支持体中のアルミナの含有量が、多孔質支持体の全質量に対して90%以上であることを意味する。また、アルミナとしては、α−アルミナ、β−アルミナ及びγ−アルミナが挙げられるが、物理的、化学的に安定であることから、α−アルミナが好ましい。多孔質支持体に含有されてもよいアルミナ以外の成分としては、ムライト、シリカ、チタニア、ジルコニア、ステンレススチール、ニッケル等が挙げられる。
(素体形成ステップ)
素体形成ステップは、多孔質支持体の表面及び細孔内にシリカが付着したシリカ付着支持体と、ケイ素及びアルミニウムを含有する反応液とを接触させ、更に反応液を加熱して、ゼオライト分離膜素体を得るステップである。
素体形成ステップで用いる反応液は、ゼオライトの原料を含有する液体(ゲルを含む。)であり、少なくともケイ素及びアルミニウムを含有する。反応液中のケイ素及びアルミニウムのモル比は、合成するゼオライトの組成に応じて適宜決定される。
反応液は、シリカ源とアルミナ源との混合物を溶媒(例えば、水)に加え、撹拌することによって調製することができる。シリカ源としては、ケイ酸ナトリウム、水ガラス、ケイ酸カリウム等のアルカリ金属ケイ酸塩の他、シリカ粉末、ケイ酸、コロイダルシリカ、酸性白土、カオリン、ケイ素アルコキシド(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)等が挙げられる。また、アルミナ源としては、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム等のアルミニウム塩の他、アルミナ粉末、コロイダルアルミナ等が挙げられる。
反応液の調製に用いるシリカ源及びアルミナ源の合計量は、調製される反応液の全質量に対して、好ましくは50〜99.5質量%であり、より好ましくは60〜90質量%である。合計含有量が50質量%未満であると、合計量が50〜99.5質量%である場合と比較して、ゼオライト結晶の成長が遅くなる傾向がある。他方、合計量が99.5質量%を超えると、合計含有量が50〜99.5質量%である場合と比較して、均質なゼオライト層が形成されにくくなる。合計量が60〜90質量%であると、特に、ゼオライト層の形成が速くなり、また、形成されるゼオライト層の均質性が高くなる。
また、反応液は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を更に含有してもよい。アルカリ金属又はアルカリ土類金属を更に含有する反応液は、ケイ素及びアルミニウムを含有する液体にアルカリ金属源又はアルカリ土類金属源を加え、これを撹拌することによって調製することができる。アルカリ金属源としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属源としては、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。なお、シリカ源であるアルカリ金属ケイ酸塩は、アルカリ金属源でもある。
また、反応液は、結晶化促進剤等の添加剤を更に含有してもよい。結晶化促進剤としては、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルヒドロキシド、テトラメチルヒドロキシド、テトラエチルヒドロキシド等が挙げられる。
素体形成ステップで用いるシリカ付着支持体は、多孔質支持体にシリカを付着させることによって作製することができる。多孔質支持体へのシリカの付着は、多孔質支持体とシリカスラリー(シリカを含有する液体)とを接触させた後、多孔質支持体を乾燥させることによって行うのが好ましい。多孔質支持体とシリカスラリーとを接触させる方法としては、含浸法(多孔質支持体をシリカスラリーに浸漬させる方法)、スピンコート法(シリカスラリーを多孔質支持体上に滴下し、スピンコートする方法)、スプレーコート法(シリカスラリーを多孔質支持体にスプレー噴霧する方法)、塗布法等が挙げられる。
ここで、シリカスラリー中のシリカとしては、液体中における分散性が高いことから、コロイダルシリカ(コロイド状のシリカ)が好ましい。コロイダルシリカスラリー(コロイダルシリカを含有する液体)を用いれば、表面及び細孔内の全領域にシリカが均一に付着したシリカ付着支持体が得られる。また、シリカスラリーの溶媒としては、水、含水低級アルコール等が好ましい。また、多孔質支持体とシリカスラリーとを接触させる時間は、好ましくは1分以上である。接触時間が1分未満であると、接触時間が1分以上である場合と比較して、シリカが多孔質支持体に十分に付着しにくくなる。
なお、多孔質支持体へのシリカの付着は、シリカスラリーを用いずに行ってもよい。すなわち、化学気相堆積法、溶射法、焼結法、メッキ法等で行ってもよい。
多孔質支持体の平均細孔径は、好ましくは0.1〜20μmであり、より好ましくは0.1〜5μmである。平均細孔径が0.1μm未満であると、平均細孔径が0.1〜20μmである場合と比較して、シリカ及びゼオライト種結晶が多孔質支持体の細孔内に付着しにくくなる。他方、平均細孔径が20μmを超えると、平均細孔径が0.1〜20μmである場合と比較して、形成されるゼオライト層の欠陥(粒界、クラック、ピンホール等)が多くなる傾向がある。平均細孔径が0.1〜5μmであると、特に、シリカ及びゼオライト種結晶が多孔質支持体の細孔内に付着しやすくなり、また、形成されるゼオライト層の欠陥が少なくなる。
多孔質支持体の気孔率は、好ましくは5〜50%であり、より好ましくは30〜50%である。気孔率が5%未満であると、気孔率が5〜50%である場合と比較して、ガス透過速度が小さくなり、透過流束が低くなる傾向がある。他方、気孔率が50%を超えると、気孔率が5〜50%である場合と比較して、多孔質支持体の自己支持性(機械的強度)が低くなる傾向がある。気孔率が30〜50%であると、特に、得られるゼオライト分離膜の透過流束及び機械的強度が高くなる。
多孔質支持体の形状としては、管状、筒状、中空糸状、板状、ハニカム状(蜂の巣状)、ペレット状等が挙げられる。形状は、ゼオライト分離膜の用途に応じて適宜決めることができる。例えば、ゼオライト分離膜を有機溶剤と水との分離に用いる場合は、管状、筒状又は中空糸状が好ましい。
多孔質支持体の大きさは特に限定されないが、例えば管状の場合は、長さ2〜200cm、内径0.5〜2cm、厚さ0.5〜4mmが実用的である。
シリカ付着支持体と反応液との接触は、例えば、反応液にシリカ付着支持体を浸漬することによって行うことができる。
素体形成ステップでは、シリカ付着支持体と反応液とを接触させたまま、反応液を加熱し、反応液の温度を所定温度に上昇させる。ここで、所定温度は、40℃より高い温度であり、合成するゼオライトの種類、及び反応液の組成、性状等に応じて、適宜決定される。例えば、合成するゼオライトがA型ゼオライトであれば70〜110℃、FAU型ゼオライトであれば90〜130℃、MOR型ゼオライトであれば150〜190℃である。
反応液の温度を上記所定温度に上昇させた後は、その温度で反応液を2時間以上保持するのが好ましい。反応液を上記所定温度で2時間以上保持しないと、2時間以上保持する場合と比較して、形成されるゼオライト層の欠陥が多くなる傾向がある。
反応液の加熱は、例えば、反応液が収容された容器の外周に設けられたジャケット、又は反応液が収容された容器の内部に設けられたスパイラル管に水、水蒸気等の熱媒体を供給することによって行うことができる。
合成するゼオライトには、シリカ及びアルミナに加えて、ケイ素及びアルミニウム以外の元素(チタン、リン、ベリリウム、ホウ素、ガリウム、クロム、鉄、ゲルマニウム等)の酸化物が更に含有されてもよい。以下では、そのような酸化物がチタニア(チタンの酸化物)であるものとして本発明の実施形態を説明するが、チタニア以外の酸化物(シリカ及びアルミナを除く。)の場合も、同様に本発明を実施することができる。
チタニアを含有するゼオライトを合成する場合、反応液としては、ケイ素及びアルミニウムに加えて、チタンを更に含有するものを用いる。ここで、チタンを更に含有する反応液は、ケイ素及びアルミニウムを含有する液体にチタン源を加え、これを撹拌することによって調製することができる。チタン源としては、三塩化チタン、三酸化二チタン、四臭化チタン、二ケイ化チタン、炭化チタン等が挙げられる。
また、チタニアを含有するゼオライトを合成する場合、用いるシリカ付着支持体としては、シリカに加えて更に、チタニアが多孔質支持体の表面及び細孔内に付着したシリカ/チタニア付着支持体が好ましい。このようなシリカ付着支持体を用いれば、チタニアが更に付着していないシリカ付着支持体を用いる場合と比較して、ゼオライト層の欠陥が少なく、分離能が高いゼオライト分離膜を得ることが可能になる。これは、次の理由によるものと推察される。すなわち、水熱合成の際に、シリカ/チタニア付着支持体から、アルミナに加えて更に、付着したシリカ及びチタニアが反応液中に溶出し、多孔質支持体の表面近傍及び細孔内において、反応液中のケイ素、アルミニウム及びチタンの比率がある程度一定に維持される。そのため、所望の組成比(シリカ、アルミナ及びチタニアのモル比)を有するゼオライト層が形成されやすくなり、結晶性が十分に高いゼオライト層を形成させることが可能になる。
ここで、シリカ/チタニア付着支持体は、シリカ及びチタニアを多孔質支持体に付着させることによって作製することができる。多孔質支持体にチタニアを付着させる方法、及びその好ましい態様は、シリカを付着させる場合と同様である。すなわち、例えば、多孔質支持体へのチタニアの付着は、多孔質支持体と、チタニアスラリー(チタニアを含有する液体)とを接触させた後、多孔質支持体を乾燥させることによって行うのが好ましい。また、チタニアスラリー中のチタニアとしては、液体中における分散性が高いことから、コロイド状のチタニアが好ましい。シリカの付着、及びチタニアの付着は、同時に行っても、また、任意の順序で異なる時に行ってもよい。
素体形成ステップの前には、多孔質支持体にシリカを付着させるシリカ付着ステップを実施してもよい。また、シリカ/チタニア付着支持体を用いる場合は、素体形成ステップの前に、多孔質支持体にチタニアを付着させるチタニア付着ステップを実施してもよい。シリカ付着ステップ及びチタニア付着ステップを実施する場合は、前述のとおり、両ステップを同時に、又は任意の順序で異なる時に実施することができる。
なお、シリカ付着支持体は、既存のもの(例えば、市販のもの)でも、上記シリカ付着ステップを実施して得られたものでもよい。また、シリカ/チタニア付着支持体は、既存のもの(例えば、市販のもの)でも、上記シリカ付着ステップ及び上記チタニア付着ステップの少なくとも一方を実施して得られたものでもよい。
(素体分離ステップ)
素体形成ステップの後には、ゼオライト分離膜素体と反応液とを分離して、ゼオライト分離膜を得る素体分離ステップを実施する。
ゼオライト分離膜素体と反応液とを分離する方法としては、ゼオライト分離膜素体を反応液中から引き上げる方法、容器の底部に設けられた排出口等から反応液のみを除去する方法、ゼオライト分離膜素体は移動させず、反応液が収容された容器を下方に移動させる方法等が挙げられる。
素体分離ステップの後には、得られたゼオライト分離膜を洗浄する分離膜洗浄ステップを実施するのが好ましい。このステップでは、ゼオライト層の表面に付着している未反応物質、ゼオライト粒子、アモルファス成分等を除去する。分離膜洗浄ステップを実施すると、これを実施しない場合と比較して、得られたゼオライト分離膜の分離能が高くなる。
ゼオライト分離膜を洗浄する方法としては、ゼオライト分離膜を水に接触させた状態でゼオライト層の表面をブラシで擦る方法、ゼオライト分離膜を水に浸漬した状態でゼオライト層の表面に超音波を印加する方法等が挙げられる。
素体分離ステップの後には更に、分離膜洗浄ステップと同時に、又は分離膜洗浄ステップの前に、ゼオライト分離膜を冷却する分離膜冷却ステップを実施するのが好ましい。分離膜冷却ステップを実施すると、これを実施しない場合と比較して、ゼオライト分離膜が乾燥しにくくなり、それだけ、ゼオライト層の表面の付着物が乾燥して固化するのが抑制される。
ゼオライト分離膜を冷却する方法としては、ゼオライト分離膜を低温(例えば、10〜40℃)の水に浸漬する方法、低温(例えば、10〜40℃)の水をゼオライト分離膜に噴霧する方法等が挙げられる。
(種結晶付着ステップ)
素体形成ステップの前には、ゼオライト種結晶(以下、場合により、単に「種結晶」という。)を多孔質支持体の表面及び細孔内に付着させる種結晶付着ステップを実施するのが好ましい。種結晶付着ステップを実施すれば、素体形成ステップにおいて、ゼオライト結晶が主として多孔質支持体上で成長する。その結果、種結晶付着ステップを実施しない場合と比較して、均質性が高く、かつ剥離しにくいゼオライト層が形成され、それだけ、得られるゼオライト分離膜の分離能が高くなる。このことは、特に、合成するゼオライトが、例えばA型ゼオライト、FAU型ゼオライト又はMOR型ゼオライトである場合に顕著である。
ここで、ゼオライト種結晶を付着させる多孔質支持体としては、シリカ付着支持体が好ましい。シリカが付着していない多孔質支持体に種結晶を付着させると、シリカの付着を種結晶の付着と同時か、又はその後に行うことになる。その結果、多孔質支持体に付着した種結晶にシリカが付着することになり、種結晶をシリカ付着支持体に付着させる場合と比較して、形成されるゼオライト層の欠陥が多くなる傾向がある。
ゼオライト種結晶の平均粒径は、好ましくは1nm〜1μmであり、より好ましくは1nm〜0.4μmである。種結晶の平均粒径が1nm未満であると、平均粒径が1nm〜1μmである場合と比較して、多数の微結晶及び粒界が存在する不均質なゼオライト層が形成されやすくなる。他方、種結晶の平均粒径が1μmを超えると、平均粒径が1nm〜1μmである場合と比較して、多孔質支持体に付着する種結晶の層が厚くなり、層の表面近傍以外の部分でゼオライト結晶の成長が起きにくくなる。また、種結晶が多孔質支持体の細孔内に付着しにくくなる。そのため、形成されるゼオライト層が剥離しやすくなる。種結晶の平均粒径が1nm〜0.4μmであると、特に、形成されるゼオライト層の均質性が高くなり、また、ゼオライト層が剥離しにくくなる。
ゼオライト種結晶は、合成するゼオライトと同種のものでなくてもよく、結晶構造が類似したものであれば、異なる種類のものでもよい。
多孔質支持体へのゼオライト種結晶の付着は、例えば、種結晶スラリー(種結晶を含有する液体)を多孔質支持体に接触させることによって、又は、種結晶を直接多孔質支持体に擦り付けることによって行うことができる。
ここで、種結晶スラリーを多孔質支持体に接触させる方法としては、含浸法(多孔質支持体を種結晶スラリーに浸漬させる方法)、スピンコート法(種結晶スラリーを多孔質支持体上に滴下し、スピンコートする方法)、スプレーコート法(種結晶スラリーを多孔質支持体にスプレー噴霧する方法)、塗布法、濾過法等が挙げられる。種結晶スラリーを多孔質支持体に接触させる時間は、好ましくは0.5〜60分であり、より好ましくは1〜10分である。接触時間が0.5分未満であると、接触時間が0.5〜60分である場合と比較して、種結晶が多孔質支持体に付着しにくくなる。他方、接触時間が60分を超えると、接触時間が0.5〜60分である場合と比較して、多孔質支持体に付着する種結晶の層が厚くなり、層の表面近傍以外の部分でゼオライト結晶の成長が起きにくくなる。そのため、形成されるゼオライト層が剥離しやすくなる。接触時間が1〜10分であると、特に、種結晶が多孔質支持体に付着しやすくなり、また、形成されるゼオライト層が剥離しにくくなる。
種結晶スラリーは、ゼオライト種結晶を水、含水低級アルコール等に加え、これを撹拌することによって調製することができる。種結晶スラリーの調製に用いる種結晶としては、1nm〜1μmの平均粒径を有するゼオライト微結晶が好ましい。このような微結晶を用いれば、それ以外の結晶を用いる場合と比較して、種結晶スラリー中で種結晶が沈殿しにくくなり、種結晶スラリー中の種結晶の分散状態が安定になる。種結晶スラリー中の種結晶の濃度は、好ましくは0.01〜20質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。種結晶の濃度が0.01質量%未満であると、種結晶の濃度が0.01〜20質量%である場合と比較して、種結晶が多孔質支持体に付着しにくくなる。他方、種結晶の濃度が20質量%を超えると、種結晶の濃度が0.01〜20質量%である場合と比較して、多孔質支持体に付着する種結晶の層が厚くなり、層の表面近傍以外の部分でゼオライト結晶の成長が起きにくくなる。そのため、形成されるゼオライト層が剥離しやすくなる。種結晶の濃度が0.1〜10質量%であると、特に、種結晶が多孔質支持体に付着しやすくなり、また、形成されるゼオライト層が剥離しにくくなる。なお、種結晶スラリーは、界面活性剤等の添加剤を更に含有してもよい。
種結晶付着ステップでは、ゼオライト種結晶を多孔質支持体に付着させた後、多孔質支持体、及びこれに付着した種結晶を乾燥させるのが好ましい。多孔質支持体及び種結晶を乾燥させることにより、種結晶の付着状態をより強固にすることができる。ここで、乾燥は、70℃以下の温度で行うのが好ましい。70℃を超える温度で乾燥を行うと、70℃以下の温度で行う場合と比較して、溶媒が速く蒸発して、種結晶の凝集が起こりやすくなる。そのため、種結晶の付着状態の均一性が低くなる傾向がある。また、乾燥は、乾燥時の加熱時間を短くするために、室温乾燥と加熱乾燥とを組み合わせて行うのが好ましい。
前述したとおり、ゼオライト種結晶を付着させる多孔質支持体としてシリカ付着支持体が好ましいことから、素体形成ステップの前にシリカ付着ステップを実施する場合は、種結晶付着ステップをシリカ付着ステップの後に実施するのが好ましい。また、チタニア付着ステップを実施する場合も、同様に、種結晶付着ステップをチタニア付着ステップの後に実施するのが好ましい。
〔ゼオライト分離膜〕
本発明はまた、上記製造方法によって得られるゼオライト分離膜を提供する。このゼオライト分離膜は、ゼオライト層の欠陥(粒界、クラック、ピンホール等)が十分に少なく、分離能が十分に高いので、アルコールに対する水の含有量が少ない場合(例えば、アルコール/水(質量比)=99/1の場合)にも、アルコールと水とを十分に分離することができる。本発明の製造方法で得られるゼオライト分離膜のゼオライトの種類(組成)は特に限定されず、例えば、A型ゼオライト、T型ゼオライト、MFI型ゼオライト、FAU型ゼオライト、MOR型ゼオライト等が挙げられる。
ゼオライト分離膜の分離能は、分離係数により評価することができる。例えば、エタノールと水とを分離する場合、分離前の混合液中の水の濃度をA1質量%、エタノールの濃度をA2質量%とし、ゼオライト分離膜を透過した液体又は気体中の水の濃度をB1質量%、エタノールの濃度をB2質量%とすると、分離係数は、(B1/B2)/(A1/A2)の値である。分離係数が大きいほど、分離能が高いと判断することができる。
なお、得られたゼオライト分離膜の実用性は、透過流束により評価することができる。透過流束とは、単位時間に液体がゼオライト分離膜を透過する量のことであり、透過流束が大きいほど、分離が速く、実用性に優れていると判断することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(ゼオライト分離膜の製造)
平均粒子径12nmのコロイダルシリカ(HS-40、Grace社製)を水に入れて撹拌し、0.5質量%の濃度のコロイダルシリカスラリーを調製した。このコロイダルシリカスラリーに、α−アルミナからなる管状の多孔質支持体(平均細孔径0.8μm、外径10mm、内径6mm、長さ10cm)を3分間浸漬した後、一定の速度で引き上げた。この多孔質支持体を36℃の恒温槽中で2時間乾燥した後、70℃の恒温槽中で16時間乾燥して、シリカ付着支持体を得た。得られたシリカ付着支持体の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、シリカが多孔質支持体の表面及び細孔内に均質に付着していることを確認した。図1は、得られたシリカ付着支持体の断面の走査型電子顕微鏡写真に対応する図である。
次いで、平均粒子径100nmのA型ゼオライトの微結晶を水に入れて撹拌し、0.1質量%の濃度の種結晶スラリーを調製した。この種結晶スラリーに上記シリカ付着支持体を3分間浸漬した後、一定の速度で引き上げた。このシリカ付着支持体を25℃の恒温槽中で2時間乾燥した後、70℃の恒温槽中で16時間乾燥した。
次いで、ケイ酸ナトリウム、水酸化アルミニウム及び蒸留水を、アルミナ(Al)が1モル部、二酸化ケイ素(SiO)が3.5モル部、酸化ナトリウム(NaO)が8モル部、水が300モル部となるように混合して、反応液を調製した。調製後直ちに、反応液を、外周にジャケットが設けられた容器に入れ、この反応液に上記シリカ付着支持体を浸漬した。浸漬開始(反応開始)時の反応液の温度は0℃に調整した。浸漬開始後直ちに、反応液の温度を15分で77℃まで上昇させ、更に、77℃に3時間保持して、ゼオライト分離膜素体を得た。そして、得られたゼオライト分離膜素体を反応液中から引き上げて、ゼオライト分離膜を得た。得られたゼオライト分離膜は、水で洗浄した後、36℃で16時間乾燥させた。
(分離係数及び透過流束の測定)
次いで、得られたゼオライト分離膜を用いて、図2に示すパーベーパレーション(PV)試験装置を組み立てた。PV試験装置10は、分離対象の混合液が供給される容器11を有する。容器11には、混合液を容器11に供給する管12が接続され、容器11内には、混合液を撹拌する撹拌装置13、及びゼオライト分離膜14が取り付けられている。ゼオライト分離膜14の開放端には管15が接続され、管15の末端には液体窒素トラップ16を介して真空ポンプ17が接続されている。管15の途中には、真空ゲージ18が取り付けられている。
最後に、75℃のイソプロピルアルコール/水混合液(イソプロピルアルコール/水(質量比)=99/1)(以下、「液体A」という。)を、PV試験装置10の容器11に、管12を通じて供給し、真空ポンプ17を用いて、真空ゲージ18に表示される真空度が0.3kPaとなるようにゼオライト分離膜14内を吸引した。そして、ゼオライト分離膜14を透過した液体(以下、「液体B」という。)は液体窒素トラップ16で捕集した。液体A及び液体Bの組成をガスクロマトグラフ(GC-14B、株式会社島津製作所製)を用いて測定し、分離係数を求めた。また、捕集された液体Bの重量を測定し、透過流束(Kg/mh)を求めた。
〔比較例1〕
シリカ付着支持体を作製しなかったこと、及び、種結晶スラリー及び反応液に浸漬する多孔質支持体として、シリカが付着していない多孔質支持体を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてゼオライト分離膜の製造を行った。そして、得られたゼオライト分離膜について、実施例1と同様にして分離係数及び透過流束の測定を行った。
実施例1及び比較例1の結果を表1に示す。
Figure 2007185639
表1に示されるように、実施例1で得られたゼオライト分離膜の分離係数は、比較例1で得られたゼオライト分離膜と比較して、十分に高い値である。また、透過流束も、比較例1で得られたゼオライト分離膜に若干劣るものの、実用上問題のない十分に高い値である。
〔実施例2〕
平均粒子径300nmのA型ゼオライトの微結晶を用いて種結晶スラリーを調製したこと、浸漬開始時の反応液の温度を30℃に調整したこと、及び、浸漬開始後、反応液の温度を77℃に上昇させる前に、30℃で50分間保持したこと以外は、実施例1と同様にしてゼオライト分離膜の製造を行った。そして、得られたゼオライト分離膜について、実施例1と同様にして分離係数及び透過流束の測定を行った。
〔比較例2〕
シリカ付着支持体を作製しなかったこと、及び、種結晶スラリー及び反応液に浸漬する多孔質支持体として、シリカが付着していない多孔質支持体を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてゼオライト分離膜の製造を行った。そして、得られたゼオライト分離膜について、実施例1と同様にして分離係数及び透過流束の測定を行った。
実施例2及び比較例2の結果を表2に示す。
Figure 2007185639
表2に示されるように、実施例2で得られたゼオライト分離膜の分離係数は、比較例2で得られたゼオライト分離膜と比較して、顕著に高い値である。また、透過流束も、比較例2で得られたゼオライト分離膜とほぼ同程度であるものの、実用上問題のない十分に高い値である。
実施例1、比較例1、実施例2及び比較例2により、本発明のゼオライト分離膜を用いれば、アルコールに対する水の含有量が少ない場合にも、アルコールと水とを十分に分離することができることが示された。
本発明のゼオライト分離膜の製造方法は、有機溶剤、特にアルコールと、水との分離に用いる分離膜の製造に利用することができる。本発明の製造方法によって得られるゼオライト分離膜は、特に、半導体製造等の分野で要求される高純度アルコールの製造に有用である。
シリカ付着支持体の断面の走査型電子顕微鏡写真に対応する図である。 パーベーパレーション(PV)試験装置を示す概略図である。
符号の説明
10…パーベーパレーション試験装置、11…容器、12…管、13…撹拌装置、14…ゼオライト分離膜、15…管、16…液体窒素トラップ、17…真空ポンプ、18…真空ゲージ。

Claims (3)

  1. アルミナを主成分として含有する多孔質支持体と、前記多孔質支持体の表面及び細孔内に形成されたゼオライト層とを有するゼオライト分離膜の製造方法であって、
    前記多孔質支持体の表面及び細孔内にシリカが付着したシリカ付着支持体と、ケイ素及びアルミニウムを含有する反応液とを接触させ、更に前記反応液を加熱して、ゼオライト分離膜素体を得る素体形成ステップと、
    前記ゼオライト分離膜素体と前記反応液とを分離して、前記ゼオライト分離膜を得る素体分離ステップと、
    を備えるゼオライト分離膜の製造方法。
  2. 前記素体形成ステップを実施する前に、ゼオライト種結晶を前記シリカ付着支持体の表面及び細孔内に付着させる、請求項1に記載のゼオライト分離膜の製造方法。
  3. 前記シリカ付着支持体が、前記多孔質支持体と、コロイダルシリカを含有する液体とを接触させた後、前記多孔質支持体を乾燥させることによって得られるものである、請求項1又は2に記載のゼオライト分離膜の製造方法。
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