JP2007184827A - 無線装置およびそれを用いた無線ネットワークシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制可能な無線装置を提供する。
【解決手段】無線装置36が無線装置32−無線装置39間、無線装置35−無線装置39間および無線装置38−無線装置37間で無線通信を中継しているとき、自己における単位時間当たりのパケット送信量Wを検出し、その検出したパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達すると、無線通信の中継を許可する無線装置32,38のIPアドレスをHelloパケットに含めてブロードキャストする。無線装置35は、Helloパケットに基づいて、自己が無線通信の中継を許可されていない無線装置であることを検知し、無線装置36以外の無線装置を隣接無線装置として送信先までの新たな経路を確立する。
【選択図】図1

Description

この発明は、無線装置およびそれを用いた無線ネットワークシステムに関し、特に、マルチホップ通信によって無線通信が送信元と送信先との間で行なわれる無線ネットワークを構成する無線装置およびそれを備えた無線ネットワークシステムに関するものである。
アドホックネットワークは、複数の無線装置が相互に通信を行なうことによって自律的、かつ、即時的に構築されるネットワークである。アドホックネットワークでは、通信する2つの無線装置が互いの通信エリアに存在しない場合、2つの無線装置の中間に位置する無線装置がルータとして機能し、データパケットを中継するので、広範囲のマルチホップネットワークを形成することができる。
マルチホップ通信をサポートする動的なルーティングプロトコルとしては、テーブル駆動型プロトコルとオンデマンド型プロトコルとがある。テーブル駆動型プロトコルは、定期的に経路に関する制御情報の交換を行ない、予め経路表を構築しておくものであり、FSR(Fish−eye State Routing)、OLSR(Optimized Link State Routing)およびTBRPF(Topology Dissemination Based on Reverse−Path Forwarding)等が知られている。
また、オンデマンド型プロトコルは、データ送信の要求が発生した時点で、初めて宛先までの経路を構築するものであり、DSR(Dynamic Source Routing)およびAODV(Ad Hoc On−Demand Distance Vector Routing)等が知られている。
そして、従来のアドホックネットワークにおいては、送信元から送信先へデータ通信を行なう場合、送信元から送信先までのホップ数ができる限り少なくなるように通信経路が決定される(非特許文献1)。
Guangyu Pei, at al, "Fisheye state routing: a routing scheme for ad hoc wireless networks", ICC2000. Commun., Volume 1, pp70-74, L.A., June 2000.
しかし、アドホックネットワークにおいては、送信元と送信先との間の複数個の無線通信が同じ中継器を介して行なわれることもあり、複数のトラフィックが1個の中継器へ集中することがある。
そこで、複数のトラフィックが1個の中継器へ集中した場合の問題について考えてみる。図20は、複数のトラフィックが1個の中継器へ集中したときの影響を調べるための実験における無線装置の配置図である。図20において、無線装置(1)〜(5)は、建物内の部屋に設置されており、中継器Rは、建物内の廊下に設置されている。
そして、図20において、左側の部屋に設置された無線装置(1)は、中継器Rを介して右側の部屋に設置された無線装置(1)と双方向の無線通信を行なう。無線装置(2)〜(5)についても同様である。このように、無線装置(1)〜(5)は、中継器Rを介して同じ番号を有する無線装置と双方向の無線通信を行なう。この場合、アプリケーションとしてVoIP(Voice over Internet Protocol)を用いた。
無線装置(1)〜(5),Rは、部屋または廊下に設置されているため、VoIPによる無線通信は、静的なルートを介して行なわれる。そして、同じ番号同士(例えば、無線装置(1)−無線装置(1))の無線通信を1セッションとし、セッション数を1〜5に増加させたときの通信特性の変化を調べた。
図21は、平均パケットエラー率および平均遅延時間とセッション数との関係を示す図である。図21において、縦軸は、中継器Rにおける平均パケットエラー率および平均遅延時間を表し、横軸は、中継器Rが中継するセッション数を表す。また、図21において、棒グラフは、平均パケットエラー率を表し、折れ線グラフは、平均遅延時間を表す。
図21に示す結果から、中継器Rが中継するセッション数が“3”を超えると、平均パケットエラー率および平均遅延時間が増加し始める。これは、802.11MACプロトコルのCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)により、3セッション分のトラフィックが中継器Rに集中すると、中継器Rにおいて送信データのバッファリングが開始されるためである。
より具体的には、送信元の無線装置(無線装置(1)〜(5)のいずれか)が片方向に毎秒M個のパケットを生成するような双方向セッションがNセッション存在すると仮定する。そして、これらの全てのトラフィックが1つの中継器Rに集中すると、中継器Rが1秒当りに転送しなければならないパケット数は、N(セッション)×2(双方向)×M(個/秒)となる。
図22は、最大待ち時間および転送時間間隔とセッション数との関係を示す図である。図22において、縦軸は、中継器Rにおける最大待ち時間および転送時間間隔を表し、横軸は、中継器Rが中継するセッション数を表す。また、図22において、実線は、最大待ち時間を表し、点線は、転送時間間隔を表す。
中継器Rが、1秒当り、2NM個のパケットを転送するとき、中継器Rがパケットを送信する時間間隔は、この値(=2NM)の逆数となる(図22の点線)。
しかし、CSMA/CAのメカニズムにより、同一電波範囲内の複数の無線装置は、同時に通信できないため、1パケット当りの典型的な通信時間をTとすると、中継器Rが中継パケットを送信するまでに待たなければならない最大待ち時間は、T×2Nとなる(図22の実線)。
従って、図22に示す2つの線が交差するところで、中継器Rにおいて転送データのバッファリングが生じる可能性があり、これが、中継器Rにおける遅延時間およびパケットロスを増加させる。すなわち、1つの中継器Rが複数のトラフィックを中継する場合、中継器Rにおいてパケットロスおよび遅延時間を増加させるという問題がある。
次に、異なるルーティングプロトコルを用いて同様な実験を行なった。図23は、異なるルーティングプロトコルを用いた実験における無線装置の配置図である。また、図24は、遅延時間とセッション数との関係を示す図である。更に、図25は、パケットエラー率とセッション数との関係を示す図である。
図23における配置図は、中継器として2個の中継器R1,R2を廊下に配置している点が図20に示す配置図と異なる点であり、その他は、図20に示す配置図と同じである。
また、図24において、縦軸は、中継器における遅延時間を表し、横軸は、セッション数を表す。更に、図25において、縦軸は、パケットエラー率を表し、横軸は、セッション数を表す。更に、図24および図25において、実線は、ルーティングプロトコルとしてOSLRを用いた場合を示し、点線は、ルーティングプロトコルとしてFSRを用いた場合を示す。
図24および図25に示す結果から、ルーティングプロトコルとしてOLSRおよびFSRのいずれを用いても、セッション数が増加すると、遅延時間およびパケットエラー率が増加する。また、リンクの信頼性を高めるため、双方向リンクのみを採用するOSLRの方が、FSRよりも少ないセッション数で遅延時間およびパケットエラー率が増加している。
これは、OLSRが使用されているとき、1つの通信に関して上りリンクおよび下りリンクの両方が同一の中継器(中継器R1,R2のいずれか)を使用することが最大の原因である。
このように、ルーティングプロトコルの違いによって遅延時間およびパケットエラー率が増加し始めるセッション数に若干の違いがあるものの、複数のセッションが存在する通信環境においては、中継器における遅延時間およびパケットエラー率が増加するという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制可能な無線装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制可能な無線装置を備えた無線ネットワークシステムを提供することである。
この発明によれば、無線装置は、送信元と送信先との間で無線通信を中継する無線装置であって、検出手段と、通信制御手段とを備える。検出手段は、無線通信の通信負荷を検出する。通信制御手段は、検出手段によって検出された通信負荷がしきい値以上に達すると、通信負荷がしきい値よりも小さくなるように無線通信の中継を他の無線装置へ分散させる分散処理を行なう。
好ましくは、通信負荷は、単位時間当たりの送信量またはパケットの送信時間間隔である。
好ましくは、送信量は、当該無線装置が単位時間当たりに送信する送信パケット数と、当該無線装置が単位時間当たりに転送する転送パケット数との和である。
好ましくは、通信制御手段は、検出手段によって検出された通信負荷がしきい値以上に達すると、当該無線装置による無線通信の中継を許可する無線装置を当該無線装置に隣接する隣接無線装置へ知らせる。
好ましくは、通信制御手段は、検出手段によって検出された通信負荷がしきい値以上に達すると、当該無線装置による無線通信の中継を許可する無線装置のアドレスを隣接無線装置へ送信する。
好ましくは、通信制御手段は、検出手段によって検出された通信負荷がしきい値以上に達すると、当該無線装置による無線通信の中継を許可する無線装置以外の無線装置からの経路要求を無視する。
また、この発明によれば、無線ネットワークシステムは、マルチホップ通信によって無線通信が送信元と送信先との間で行なわれる無線ネットワークシステムであって、第1および第2の無線装置を備える。第1の無線装置は、送信元と送信先との間で無線通信を中継する。第2の無線装置は、第1の無線装置に隣接する。そして、第1の無線装置における通信負荷がしきい値以上に達すると、通信負荷がしきい値よりも小さくなるように無線通信の中継を他の無線装置へ分散させる分散処理が行なわれる。
好ましくは、第1の無線装置は、通信負荷がしきい値以上に達すると、自己による無線通信の中継を許可する所定の無線装置を第2の無線装置へ通知する。第2の無線装置は、自己が所定の無線装置以外であるとき、第1の無線装置以外の無線装置との間で無線通信を行なう。
好ましくは、第2の無線装置は、自己が所定の無線装置以外であるとき、自己に隣接する隣接無線装置から第1の無線装置を除外して送信先までの経路を示すルーティングテーブルを更新し、その更新したルーティングテーブルに従って無線通信を行なう。
好ましくは、第2の無線装置は、自己が所定の無線装置以外であるとき、第1の無線装置が無線通信の中継を拒否していることを示す中継拒否フラグを隣接無線装置を示す隣接装置リストに書き込むとともに、隣接装置リストにおいて中継拒否フラグが書き込まれていない隣接無線装置を用いてルーティングテーブルを更新する。
好ましくは、第1の無線装置は、通信負荷がしきい値以上に達すると、自己による無線通信の中継を許可する所定の無線装置を第2の無線装置へ通知する。第2の無線装置は、自己が所定の無線装置であるとき、第1の無線装置を介して行なわれている無線通信の送信先と異なる送信先へ無線通信を中継する経路を第1の無線装置以外の無線装置を隣接無線装置とする経路に変更して送信先までの経路を示すルーティングテーブルを更新し、その更新したルーティングテーブルに従って無線通信を中継する。
好ましくは、第1の無線装置は、通信負荷がしきい値以上に達すると、第2の無線装置のうちの所定の無線装置以外の無線装置からの経路要求を無視する。
好ましくは、通信負荷は、単位時間当たりの送信量またはパケットの送信時間間隔である。
好ましくは、送信量は、第1の無線装置が単位時間当たりに送信する送信パケット数と、第1の無線装置が単位時間当たりに転送する転送パケット数との和である。
この発明においては、送信元と送信先との間で無線通信を中継する無線装置における通信負荷がしきい値以上に達すると、通信負荷がしきい値よりも小さくなるように無線通信の中継を他の無線装置へ分散させる。
したがって、この発明によれば、無線通信を中継する無線装置における遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線装置を用いた無線ネットワークシステム100の概略図である。無線ネットワークシステム100は、無線装置31〜43を備える。無線装置31〜43は、無線通信空間に配置される。アンテナ51〜63は、それぞれ、無線装置31〜43に装着される。
例えば、無線装置31から無線装置42へデータを送信する場合、無線装置32,35〜41は、無線装置31からのデータを中継して無線装置42へ届ける。
この場合、無線装置31は、各種の経路を介して無線装置42との間で無線通信を行なうことができる。即ち、無線装置31は、無線装置37,41を介して無線装置42との間で無線通信を行なうことができ、無線装置32,36,39を介して無線装置42との間で無線通信を行なうこともでき、無線装置32,35,38,40を介して無線装置42との間で無線通信を行なうこともできる。
即ち、無線装置31は、無線装置37,41または無線装置32,36,39または無線装置32,35,38,40を中継器として無線装置42との間で無線通信を行なう。
従って、無線ネットワークシステム100は、マルチホップ通信によって送信元と送信先との間で無線通信を行なうマルチホップネットワークシステムである。
このようなマルチホップネットワークシステムにおいては、複数のトラフィックが1つの中継器に集中することがある。例えば、無線装置31が無線装置32,36,39を介して無線装置42と双方向の無線通信を行ない、無線装置33が無線装置35,36,41を介して無線装置43と双方向の無線通信を行なっている場合、4個のトラフィックが中継器としての無線装置36に集中する。
そこで、以下においては、無線ネットワークシステム100において複数の無線通信が行なわれている場合に、中継器における遅延時間およびパケットエラー率を低減して送信元と送信先との間で無線通信を行なう方法について説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1においては、送信元と送信先との間で通信経路を確立するプロトコルとしてOLSRプロトコルを用いる。このOLSRプロトコルは、テーブル駆動型のルーティングプロトコルであり、HelloメッセージおよびTC(Topology Control)メッセージを用いて経路情報を交換し、ルーティングテーブルを作成するプロトコルである。
図2は、図1に示す無線装置31の構成を示す実施の形態1における概略ブロック図である。無線装置31は、アンテナ11と、入力部12と、出力部13と、ユーザアプリケーション14と、通信制御部15とを含む。
アンテナ11は、図1に示すアンテナ51〜63の各々を構成する。そして、アンテナ11は、無線通信空間を介して他の無線装置からデータを受信し、その受信したデータを通信制御部15へ出力するとともに、通信制御部15からのデータを無線通信空間を介して他の無線装置へ送信する。
入力部12は、無線装置1の操作者が入力したメッセージおよびデータの宛先を受付け、その受付けたメッセージおよび宛先をユーザアプリケーション14へ出力する。出力部13は、ユーザアプリケーション14からの制御に従ってメッセージを表示する。
ユーザアプリケーション14は、入力部12からのメッセージおよび宛先に基づいてデータを生成して通信制御部15へ出力する。
通信制御部15は、ARPA(Advanced Research Projects Agency)インターネット階層構造に従って、通信制御を行なう複数のモジュールからなる。即ち、通信制御部15は、無線インターフェースモジュール16と、MAC(Media Access Control)モジュール17と、バッファ18と、LLC(Logical Link Control)モジュール19と、IP(Internet Protocol)モジュール20と、ルーティングテーブル21と、TCPモジュール22と、UDPモジュール23と、ルーティングデーモン24とからなる。
無線インターフェースモジュール16は、物理層に属し、所定の規定に従って送信信号または受信信号の変復調を行なうとともに、アンテナ11を介して信号を送受信する。
MACモジュール17は、MAC層に属し、MACプロトコルを実行して、以下に述べる各種の機能を実行する。
即ち、MACモジュール17は、ルーティングデーモン24から受けたHelloパケットを無線インターフェースモジュール16を介してブロードキャストする。
また、MACモジュール17は、データ(パケット)の再送制御等を行なう。
バッファ18は、データリンク層に属し、パケットを一時的に格納する。
LLCモジュール19は、データリンク層に属し、LLCプロトコルを実行して隣接する無線装置との間でリンクの接続および解放を行なう。
IPモジュール20は、インターネット層に属し、IPパケットを生成する。IPパケットは、IPヘッダと、上位のプロトコルのパケットを格納するためのIPデータ部とからなる。そして、IPモジュール20は、TCPモジュール22またはUDPモジュール23からデータを受けると、その受けたデータをIPデータ部に格納してIPパケットを生成する。
そうすると、IPモジュール20は、ルーティングテーブル21を検索し、生成したIPパケットを送信するための経路を決定する。そして、IPモジュール20は、IPパケットをLLCモジュール19へ送信し、決定した経路に沿ってIPパケットを送信先へ送信する。
また、IPモジュール20は、ルーティングテーブル21に格納された経路のうちのある経路を用いて無線通信が行なわれた場合、その無線通信のコピーであるルーティングテーブル21のキャッシュを作成し、その作成したキャッシュをメモリ(図示せず)に保持する。
ルーティングテーブル21は、インターネット層に属し、後述するように、各送信先に対応付けて経路情報を格納する。
ルーティングデーモン24は、プロセス/アプリケーション層に属し、他の通信制御モジュールの実行状態を監視するとともに、他の通信制御モジュールからのリクエストを処理する。
また、ルーティングデーモン24は、ルーティングテーブル21に格納された経路のうちのある経路を用いて無線通信が行なわれた場合における無線通信のコピーであるルーティングテーブル21のキャッシュを参照して、自己が搭載された無線装置31における単位時間当たりのパケット送信量を演算する。なお、この演算したパケット送信量は、無線装置31が他の無線装置から受信して転送する単位時間当たりのパケット数と、無線装置31が送信を開始する単位時間当たりのパケット数との和からなる。
そして、ルーティングデーモン24は、演算したパケット送信量がしきい値以上に達すると、後述する方法によって、無線装置31による無線通信の中継を許可する無線装置を決定し、その決定した無線装置のIPアドレスを含むHelloパケットを生成してブロードキャストする。
更に、ルーティングデーモン24は、最適な経路を算出してルーティングテーブル21をインターネット層に動的に作成する。
更に、ルーティングデーモン24は、無線通信の中継を許可する無線装置のIPアドレスを含むHelloパケットを他の無線装置から受信し、その受信したHelloパケットに含まれるIPアドレスが無線装置31のIPアドレスと不一致である場合、後述する方法によって、そのHelloパケットを送信した無線装置を中継器から除外して無線通信を行なうように各モジュールを制御する。
更に、ルーティングデーモン24は、無線ネットワークシステム100における経路情報を他の無線装置へ送信するとき、隣接する無線装置に関する情報等の各種のメッセージを含むHelloパケットを作成し、その作成したHelloパケットをブロードキャストする。
なお、図1に示す無線装置32〜43の各々も、図2に示す無線装置31の構成と同じ構成からなる。
図3は、OLSRプロトコルにおけるパケットPKTの構成図である。パケットPKTは、パケットヘッダPHDと、メッセージヘッダMHD1,MHD2,・・・とからなる。なお、パケットPKTは、UDPモジュール23のポート番号698番を使用して送受信される。
パケットヘッダPHDは、パケット長と、パケットシーケンス番号とからなる。パケット長は、16ビットのデータからなり、パケットのバイト数を表す。また、パケットシーケンス番号は、16ビットのデータからなり、どのパケットが新しいかを区別するために用いられる。そして、パケットシーケンス番号は、新しいパケットが生成される度に“1”づつ増加される。従って、パケットシーケンス番号が大きい程、そのパケットPKTが新しいことを示す。
メッセージヘッダMHD1,MHD2,・・・の各々は、メッセージタイプと、有効時間と、メッセージサイズと、発信元アドレスと、TTLと、ホップ数と、メッセージシーケンス番号と、メッセージとからなる。
メッセータイプは、8ビットのデータからなり、メッセージ本体に書かれたメッセージの種類を表し、0〜127は、予約済みである。有効時間は、8ビットのデータからなり、受信後に、このメッセージを管理しなければならない時間を表す。そして、有効時間は、仮数部と、指数部とからなる。
メッセージサイズは、16ビットのデータからなり、メッセージの長さを表す。発信元アドレスは、32ビットのデータからなり、メッセージを生成した無線装置を表す。TTLは、8ビットのデータからなり、メッセージが転送される最大ホップ数を指定する。そして、TTLは、メッセージが転送される時に”1”づつ減少される。そして、TTLが“0”か“1”である場合、メッセージは、転送されない。ホップ数は、8ビットのデータからなり、メッセージの生成元からのホップ数を表す。そして、ホップ数は、最初、“0”に設定され、転送される毎に“1”づつ増加される。メッセージシーケンス番号は、16ビットのデータからなり、各メッセージに割当てられる識別番号を表す。そして、メッセージシーケンス番号は、メッセージが作成される毎に、“1”づつ増加される。メッセージは、送信対象のメッセージである。
OLSRプロトコルにおいては、各種のメッセージが図3に示す構成のパケットPKTを用いて送受信される。
図4は、図2に示すルーティングテーブル21の構成図である。ルーティングテーブル21は、送信先、次の無線装置およびホップ数からなる。送信先、次の無線装置およびホップ数は、相互に対応付けられている。“送信先”は、送信先の無線装置のIPアドレスを表す。“次の無線装置”は、送信先にパケットPKTを送信するときに、次に送信すべき無線装置のIPアドレスを表す。“ホップ数”は、送信先までのホップ数を表す。例えば、図1において、無線装置31−無線装置32−無線装置36−無線装置39−無線装置42の経路によって無線装置31と無線装置42との間で無線通信が行なわれる場合、無線装置32のルーティングテーブル21のホップ数には、“4”が格納される。
図5は、隣接装置リストの構成図である。隣接装置リストNBLは、インデックス(Index)と、隣の無線装置と、中継拒否フラグとからなる。インデックス、隣の無線装置および中継拒否フラグは、相互に対応付けられる。隣の無線装置は、無線通信を行なう場合、パケットを次に送信すべき無線装置のIPアドレスからなる。中継拒否フラグには、オン(ON)またはオフ(OFF)が格納される。そして、オン(ON)は、無線通信の中継を拒否していることを表し、オフ(OFF)は、無線通信の中継を拒否していないことを表す。
OLSRプロトコルに従ったルーティングテーブル21の作成について詳細に説明する。無線装置31〜43は、ルーティングテーブル21を作成する場合、HelloメッセージおよびTCメッセージを送受信する。
Helloメッセージは、各無線装置31〜43が有する情報の配信を目的として、定期的に送信される。このHelloメッセージを受信することによって、各無線装置31〜43は、周辺の無線装置に関する情報を収集でき、自己の周辺にどのような無線装置が存在するのかを認識する。
OLSRプロトコルにおいては、各無線装置31〜43は、ローカルリンク情報を管理する。そして、Helloメッセージは、このローカルリンク情報の構築および送信を行なうためのメッセージである。ローカルリンク情報は、「リンク集合」、「隣接無線装置集合」、「2ホップ隣接無線装置集合とそれらの無線装置へのリンク集合」、「MPR(Multipoint Relay)集合」、および「MPRセレクタ集合」を含む。
リンク集合は、直接的に電波が届く無線装置(隣接無線装置)の集合へのリンクのことであり、各リンクは2つの無線装置間のアドレスの組の有効時間によって表現される。なお、有効時間は、そのリンクが単方向なのか双方向なのかを表すためにも利用される。
隣接無線装置集合は、各隣接無線装置のアドレス、およびその無線装置の再送信の積極度(Willingness)等によって構成される。2ホップ隣接無線装置集合は、隣接無線装置に隣接する無線装置の集合を表す。
MPR集合は、MPRとして選択された無線装置の集合である。なお、MPRとは、各パケットPKTを無線ネットワークシステム100の全ての無線装置31〜43へ送信する場合、各無線装置31〜43が1つのパケットPKTを1回だけ送受信することによってパケットPKTを全ての無線装置31〜43へ送信できるように中継無線装置を選択することである。
MPRセレクタ集合は、自己をMPRとして選択した無線装置の集合を表す。
ローカルリンク情報が確立される過程は、概ね、次のようになる。Helloメッセージは、初期の段階では、各無線装置31〜43が自己の存在を知らせるために、自己のアドレスが入ったHelloメッセージを隣接する無線装置へ送信する。これを、無線装置31〜43の全てが行ない、各無線装置31〜43は、自己の周りにどのようなアドレスを持った無線装置が存在するのかを把握する。このようにして、リンク集合および隣接無線装置集合が構築される。
そして、構築されたローカルリンク情報は、再び、Helloメッセージによって定期的に送り続けられる。これを繰返すことによって、各リンクが双方向であるのか、隣接無線装置の先にどのような無線装置が存在するのかが徐々に明らかになって行く。各無線装置31〜43は、このように徐々に構築されたローカルリンク情報を蓄える。
更に、MPRに関する情報も、Helloメッセージによって定期的に送信され、各無線装置31〜43へ告知される。各無線装置31〜43は、自己が送信するパケットPKTの再送信を依頼する無線装置として、いくつかの無線装置をMPR集合として隣接無線装置の中から選択している。そして、このMPR集合に関する情報は、Helloメッセージによって隣接する無線装置へ送信されるので、このHelloメッセージを受信した無線装置は、自己がMPRとして選択してきた無線装置の集合を「MPRセレクタ集合」として管理する。このようにすることにより、各無線装置31〜43は、どの無線装置から受信したパケットPKTを再送信すればよいのかを即座に認識できる。
Helloメッセージの送受信により各無線装置31〜43において、ローカルリンク集合が構築されると、無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを知らせるためのTCメッセージが無線装置31〜43へ送信される。このTCメッセージは、MPRとして選択されている全ての無線装置によって定期的に送信される。そして、TCメッセージは、各無線装置とMPRセレクタ集合との間のリンクを含んでいるため、無線ネットワークシステム100の全ての無線装置31〜43は、全てのMPR集合および全てのMPRセレクタ集合を知ることができ、全てのMPR集合および全てのMPRセレクタ集合に基づいて、無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを知ることができる。各無線装置31〜43は、無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを用いて最短路を計算し、それに基づいて経路表を作成する。
なお、各無線装置31〜43は、Helloメッセージとは別に、TCメッセージを頻繁に交換する。そして、TCメッセージの交換にも、MPRが利用される。
各無線装置31〜43のUDPモジュール23は、上述したHelloメッセージおよびTCメッセージを送受信し、ルーティングデーモン24は、UDPモジュール23が受信したHelloメッセージおよびTCメッセージに基づいて無線ネットワークシステム100全体のトポロジーを認識し、その無線ネットワークシステム100全体のトポロジーに基づいて、最短路を計算し、それに基づいて、図4に示すルーティングテーブル21を動的に作成する。
無線ネットワークシステム100においては、送信元と送信先との間で無線通信を中継する無線装置におけるパケットの送信量(単位時間当たりの送信量)がしきい値以上に達した場合、中継器として機能する無線装置における遅延時間およびパケットエラー率を低減するために、トラフィックの分散処理を行なう。
そこで、トラフィックの分散処理について説明する。この場合、無線装置31が無線装置31−無線装置32−無線装置36−無線装置39−無線装置42からなる経路を用いて無線装置42と無線通信を行なっており、無線装置38が無線装置38−無線装置36−無線装置37からなる経路を用いて無線装置37と無線通信を行なっており、無線装置33が無線装置33−無線装置35−無線装置36−無線装置41−無線装置43からなる経路を用いて無線装置43と無線通信を行なっている場合に、3つの無線通信の中継器となる無線装置36の動作を中心にしてトラフィックの分散処理について説明する。
(分散処理の第1の方法)
図6は、ルーティングテーブル21のキャッシュの一例を示す図である。なお、図6に示すキャッシュCACHEは、ルーティングテーブル21の実際のキャッシュを構成する項目のうち、本発明に関連のある項目のみを構成要素としている。
ルーティングテーブル21のキャッシュCACHEは、Ifaceと、Destinationと、Useと、Sourceとを含む。Ifaceは、インターフェースを表し、Destinationは、送信先を表し、Useは、単位時間当たりのパケット送信量を表し、Sourceは、送信元を表す。
また、キャッシュCACHEは、無線装置36におけるルーティングテーブル21のキャッシュであり、eth1は、イーサネット(「イーサネット」は、登録商標である)を表し、アドレス“4009000A”は、無線装置39を表し、アドレス“3E090C0A”は、無線装置32を表し、アドレス“9F090C0A”は、無線装置37を表し、アドレス“99090D0A”は、無線装置38を表し、アドレス“99090C0B”は、無線装置41を表し、アドレス“99090C0A”は、無線装置35を表すものとする。
図7は、無線ネットワークシステム100におけるトラフィックの分散処理の概念図である。また、図8は、図7に示す無線装置35が保持する隣接装置リストを示す図であり、図9は、図7に示す無線装置35が保持するルーティングテーブルを示す図である。
無線ネットワークシステム100において第1の方法によってトラフィックの分散処理が行なわれる前、無線装置36は、無線装置32と無線装置39との間でパケットを中継し、無線装置38と無線装置37との間でパケットを中継し、更に、無線装置35と無線装置41との間でパケットを中継している(図7の(a)参照)。
また、無線装置35は、隣接装置リストNBL1(図8の(a)参照)およびルーティングテーブル21A(図9の(a)参照)を保持している。
このような状況において、無線装置36のルーティングデーモン24は、ルーティングテーブル21のキャッシュCACHE(図6参照)を参照して、無線装置31−無線装置42間の無線通信において無線装置36が中継するパケット送信量(=20823個/秒)と、無線装置38−無線装置37間の無線通信において無線装置36が中継するパケット送信量(=7122個/秒)と、無線装置33−無線装置43間の無線通信において無線装置36が中継するパケット送信量(=640個/秒)との和W(=28585個/秒)を演算する。この場合、無線装置31−無線装置42間の無線通信におけるパケット送信量(=20823個/秒)と、無線装置38−無線装置37間の無線通信におけるパケット送信量(=7122個/秒)との和(=27945個/秒)は、無線装置36における遅延時間およびパケットエラー率が増加しない最大限の単位時間当たりのパケット送信量(個/秒)であるしきい値Wthに達しないものとする。
そして、無線装置36のルーティングデーモン24は、その演算したパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したか否かを判定し、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したと判定したとき、キャッシュCACHEを参照して、中継を許可する無線装置を決定する。
より具体的には、無線装置36のルーティングデーモン24は、無線装置32,38を中継を許可する無線装置として決定する。上述したように、無線装置31−無線装置42間の無線通信におけるパケット送信量(=20823個/秒)と、無線装置38−無線装置37間の無線通信におけるパケット送信量(=7122個/秒)との和(=27945個/秒)は、しきい値Wthに達しないので、無線装置36のルーティングデーモン24は、無線装置31−無線装置42間の無線通信と、無線装置38−無線装置37間の無線通信とを維持すべく、無線装置32からのパケットと、無線装置38からのパケットとを中継することにしたものである。
そうすると、無線装置36のルーティングデーモン24は、中継を許可した無線装置32,38のIPアドレス(“4009000A”,“9F090C0A”)を含むHelloパケットPKT_H1を作成してブロードキャストする。即ち、無線装置36のルーティングデーモン24は、無線装置36におけるパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達すると、無線装置36による中継を許可する無線装置を無線ネットワークシステム100内において宣言する。
HelloパケットPKT_H1を受信した無線装置32,38のルーティングデーモン24は、無線装置32,38のIPアドレスがHelloパケットPKT_H1中に含まれているので、経路を変更することなく、パケットの無線装置36への送信を維持する。
一方、HelloパケットPKT_H1を受信した無線装置35のルーティングデーモン24は、無線装置35のIPアドレスがHelloパケットPKT_H1中に含まれていないので、無線装置36によるパケットの中継を拒否されたと判断し、隣接装置リストNBL1中の無線装置36(=IP Address36)に対応する中継拒否フラグをオン(ON)して隣接装置リストNBL1(図8の(a)参照)を隣接装置リストNBL2(図8の(b)参照)に更新する。
また、無線装置35のルーティングデーモン24は、隣接装置リストNBL2において、中継拒否フラグが“ON”になっている無線装置36を除外し、中継拒否フラグが“ON”になっていない無線装置32,33,34,38を次の無線装置として用いることにより、ルーティングテーブル21A(図9の(a)参照)をルーティングテーブル21B(図9の(b)参照)に更新する。
そして、無線装置35は、更新したルーティングテーブル21Bに基づいて、無線装置33からのパケットを無線装置38へ中継し、無線装置33−無線装置35−無線装置38−無線装置39−無線装置41−無線装置43からなる経路を確立する。
これによって、無線装置36におけるトラフィックの集中が無線装置38へ分散される。従って、無線装置36における遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制できる。
なお、無線装置36のルーティングデーモン24は、無線ネットワークシステム100内において中継を許可する無線装置を宣言するとき、その中継を許可する無線装置のIPアドレスをHelloパケット以外のパケットに含めてブロードキャストするようにしてもよい。
図10は、無線ネットワークシステム100においてトラフィックを分散させる動作を説明するためのフローチャートである。なお、図10においては、無線装置36を中継無線装置とし、無線装置35を中継を許可されていない無線装置として説明する。
一連の動作が開始されると、無線装置36(=中継無線装置)は、ルーティングテーブル21のキャッシュCACHEに基づいて、上述した方法によって、単位時間当たりのパケット送信量Wを検出する(ステップS1)。
そして、無線装置36(=中継無線装置)は、その検出したパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したか否かを判定し(ステップS2)、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達していないとき、一連の動作は、ステップS1へ移行する。
一方、ステップS2において、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したと判定されると、無線装置36(=中継無線装置)は、ルーティングテーブル21のキャッシュCACHEに基づいて、上述した方法によって、自己による無線通信の中継を許可する無線装置のIPアドレスを含むHelloパケットPKT_H1を生成してブロードキャストする(ステップS3)。
無線装置35は、無線装置36からブロードキャストされたHelloパケットPKT_H1を受信し、その受信したHelloパケットPKT_H1に含まれているIPアドレスが自己のIPアドレスと不一致であることを認識する。
そして、無線装置35は、隣接装置リストNBL1の無線装置36(=IP Address36)に対応する中継拒否フラグをオン(ON)にする(ステップS4)。これにより、隣接装置リストNBL1は、隣接装置リストNBL2に更新される(図8参照)。
その後、無線装置35は、隣接装置リストNBL2において、中継拒否フラグがオン“ON”になっていない無線装置32,33,34,38をパケットを次に送信すべき無線装置(ネクストホップ)として用いてルーティングテーブル21Aをルーティングテーブル21Bへ更新する(ステップS5)。
そして、無線装置35は、その更新したルーティングテーブル21Bに従って送信先(=無線装置43)までの経路を決定し、その決定した経路に沿って無線通信を行なう(ステップS6)。これによって、一連の動作は、終了する。
上述したように、中継器としての無線装置36は、自己が送信するパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達すると、自己による無線通信の中継を許可する無線装置のIPアドレスを無線ネットワークシステム100内においてブロードキャストし(ステップS1〜S3参照)、中継器(=無線装置36)による中継を許可されていない無線装置35は、隣接装置リストNBLにおいて、中継器(=無線装置36)を自己が送信するパケットの中継を拒否した無線装置として設定するとともに(ステップS4参照)、隣接装置リストNBLにおいて中継を拒否していない無線装置を自己がパケットを次に送信すべき無線装置としてルーティングテーブル21を更新する(ステップS5参照)。
このように、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達した無線装置36がしきい値Wth以上のパケットの中継を拒否し、無線装置36によるパケットの中継を拒否された無線装置35は、無線装置36以外の無線装置38を中継先として選択することによって、無線装置36におけるトラフィックの集中を無線装置38へ分散し、無線装置36における遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制できる。
(分散処理の第2の方法)
図11は、無線ネットワークシステム100におけるトラフィックの分散処理の他の概念図であり、図12は、ARP(Address Resolution Protocol)テーブルの概念図であり、図13は、IPアドレスリストであり、図14は、宛先リストであり、図15は、ルーティングテーブル21の他の例を示す図である。
無線ネットワークシステム100において第2の方法によってトラフィックの分散処理が行なわれる前、無線装置36は、無線装置32と無線装置39との間でパケットを中継し、無線装置38と無線装置37との間でパケットを中継している(図11の(a)参照)。
そして、無線装置36は、図12に示すARPテーブルARPTを作成している。このARPテーブルARPTは、インターネットアドレスと物理アドレスとからなり、無線通信が行なわれている場合にOS(Operation System)によって作成される。そして、OSがWindows(登録商標)である場合、インターネットアドレスは、IPアドレスからなり、物理アドレスは、MACアドレスからなる。
従って、無線装置36は、無線装置32,37,38,39のIPアドレスとMACアドレスとを対応付けたARPテーブルARPT(図12参照)を保持している。
このような状況において、無線装置36のルーティングデーモン24は、上述した方法によって、ルーティングテーブル21のキャッシュCACHEを参照してパケット送信量Wを演算し、その演算したパケット送信量Wがしきい値Wthに達したか否かを判定する。
そして、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したと判定されたとき、無線装置36のルーティングデーモン24は、ARPテーブルARPTに登録されているIPアドレスからなるIPリストIPL(図13参照)を作成する。この場合、ARPテーブルARPTは、無線装置32,37,38,39のIPアドレスIP Address32,IP Address37,IP Address38,IP Address39を含むので、無線装置36のルーティングデーモン24は、IP Address32,IP Address37,IP Address38,IP Address39からなるIPリストIPLを作成する(図13参照)。
無線装置36のルーティングデーモン24は、IPリストIPLを作成すると、その作成したIPリストIPLを含むHelloパケットPKT_H2を作成してブロードキャストする。このHelloパケットPKT_H2は、無線装置36を経由して無線通信を行なう無線装置32,37,38,39のIPアドレスを含むので、HelloパケットPKT_H2をブロードキャストすることは、無線装置36による無線通信の中継を許可する無線装置のIPアドレスをブロードキャストすることに相当する。
無線装置35のルーティングデーモン24は、HelloパケットPKT_H2を無線装置36から受信し、その受信したHelloパケットPKT_H2中に無線装置35のIPアドレスが含まれていないことを検知する。即ち、無線装置35のルーティングデーモン24は、無線装置35が無線装置36による無線通信の中継を拒否された無線装置であることを検知する。そうすると、無線装置35のルーティングデーモン24は、無線装置35に隣接する無線装置から無線装置36を削除する。即ち、無線装置35のルーティングデーモン24は、無線装置35−無線装置36間のリンクを解消する(図11の(b)参照)。
また、無線装置32のルーティングデーモン24は、HelloパケットPKT_H2を無線装置36から受信し、その受信したHelloパケットPKT_H2中に無線装置32のIPアドレスが含まれていることを検知する。即ち、無線装置32のルーティングデーモン24は、無線装置32が無線装置36による無線通信の中継を許可された無線装置であることを検知する。そうすると、無線装置32のルーティングデーモン24は、ルーティングテーブル21のキャッシュを参照して図14に示す宛先リストDSTLを作成する。
宛先リストDSTLは、宛先と、隣の無線装置とを含む。宛先は、送信先の無線装置のIPアドレスからなる。隣の無線装置は、無線通信を宛先へ送信する場合における当該無線装置に隣接する無線装置のIPアドレスからなる。
無線装置32は、無線装置31−無線装置42間の無線通信を中継しているので、宛先リストDSTLは、無線装置42のIPアドレスと、無線装置36のIPアドレスとからなる。
無線装置32のルーティングデーモン24は、宛先リストDSTLを作成すると、その作成した宛先リストDSTLにおいて使用されている隣の無線装置(=無線装置36)を他の宛先で使用しないようにルーティングテーブル21を書換える。
無線装置32は、HelloパケットPKT_H2を受信する前、ルーティングテーブル21Cを保持している。即ち、無線装置32は、無線装置42を送信先とし、無線装置36を次の無線装置とする経路と、無線装置40を送信先とし、無線装置36を次の無線装置とする経路と、無線装置37を送信先とし、無線装置31を次の無線装置とする経路とからなるルーティングテーブル21Cを保持している(図15の(a)参照)。
そして、無線装置32のルーティングデーモン24は、宛先リストDSTLを作成すると、宛先リストDSTLに含まれる隣の無線装置(=無線装置36)を宛先リストDSTLにおける宛先(=無線装置42)と異なる他の宛先(=無線装置40)へパケットを中継する際の次の無線装置として使用しないようにルーティングテーブル21Cをルーティングテーブル21Dに書換える。
ルーティングテーブル21Cは、無線装置40を送信先とし、無線装置36を次の無線装置とする経路と、無線装置42を送信先とし、無線装置36を次の無線装置とする経路とを格納し、宛先リストDSTLは、宛先(=無線装置42)および隣の無線装置(=無線装置36)を含むので、無線装置32のルーティングデーモン24は、ルーティングテーブル21Cにおける無線装置40を送信先とする経路において次の無線装置を無線装置36から無線装置35へ変更し、ルーティングテーブル21Cをルーティングテーブル21D(図15の(b)参照)に更新する。
そして、無線装置32のIPモジュール20は、無線装置40を送信先とするパケットの中継要求を無線装置31から受信すると、その更新されたルーティングテーブル21Dを検索して無線装置36を経由する経路以外の無線装置35を経由する経路を決定し、その決定した経路に沿って無線装置31からのパケットを中継する(図11の(b)参照)。
このように、無線装置36による無線通信の中継を拒否された無線装置35は、無線装置36とのリンクを解消し、無線装置36による無線通信の中継を許可された無線装置32が、その中継を許可された無線通信を行なうための中継器としてのみ無線装置36を使用することにより、無線装置36へのトラフィックの集中が抑制される。その結果、無線装置36における遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制できる。
図16は、無線ネットワークシステム100においてトラフィックを分散させる動作を説明するための他のフローチャートである。図16に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS4〜ステップS6をステップS11〜ステップS14に代えたものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
なお、図16においては、無線装置36を中継無線装置とし、無線装置32を中継を許可されている無線装置とし、無線装置35を中継を許可されていない無線装置として説明する。
上述したステップS1〜ステップS3が順次実行されると、無線装置35(=中継を許可されていない無線装置)は、中継無線装置(=無線装置36)を隣接装置リストから除外する(ステップS11)。即ち、無線装置35は、無線装置36とのリンクを解消する。
一方、無線装置32(=中継を許可されている無線装置)は、上述した方法によって、ルーティングテーブル21のキャッシュを参照して宛先リストDSTLを作成し(ステップS12)、その作成した宛先リストDSTLで使用している隣接無線装置を他の無線通信の宛先として使用しないようにルーティングテーブル21Cをルーティングテーブル21Dに更新する(ステップS13)。
そして、無線装置32は、その更新したルーティングテーブル21Dに従って無線通信を実行する(ステップS14)。これによって一連の動作が終了する。
このように、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達した無線装置36が中継を許可する無線装置のIPアドレスをブロードキャストし、中継を許可されていない無線装置35は、無線装置36とのリンクを解消し、中継を許可された無線装置32は、別の宛先へパケットを中継するときの次に送信すべき無線装置から無線装置36を削除してルーティングテーブル21Cをルーティングテーブル21Dに更新する。
これにより、トラフィックの無線装置36への集中が抑制される。その結果、無線装置36における遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制できる。
[実施の形態2]
実施の形態2においては、送信元と送信先との間で通信経路を確立するプロトコルとして、オンデマンド型のルーティングプロトコルであるAODVプロトコルを用いる。
図17は、図1に示す無線装置31〜43の構成を示す実施の形態2における概略ブロック図である。実施の形態2においては、無線ネットワークシステム100を構成する無線装置31〜43の各々は、図17に示す無線装置31Aからなる。
無線装置31Aは、図2に示す無線装置31の通信制御部15を通信制御部15Aに代えたものであり、その他は、無線装置31と同じである。通信制御部15Aは、通信制御部15のルーティングテーブル21を削除し、ルーティングデーモン24をルーティングデーモン24Aに代えたものであり、その他は、通信制御部15と同じである。
無線装置31Aは、オンデマンド型のルーティングプロトコルであるAODVプロトコルに従ってパケットのルーティングを行なうため、上述したルーティングテーブル21を保持していない。
ルーティングデーモン24Aは、ルーティングデーモン24の機能のうち、ルーティングテーブル21を作成する機能以外の機能を有する。オンデマンド型のルーティングプロトコルに従って無線通信が行なわれる場合も、その無線通信のコピーであるキャッシュは作成されるので、ルーティングデーモン24Aは、ルーティングデーモン24と同じように、無線装置31Aにおけるパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したか否かを判定できる。
実施の形態2においては、トラフィックの分散処理は、自己のパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したと判定した無線装置が新たな経路要求RREQを受けたとき、その受けた経路要求RREQに応答しないことにより実行される。
図18は、無線ネットワークシステム100におけるトラフィックの分散処理の更に他の概念図である。オンデマンド型のルーティングプロトコルにおいては、送信元の無線装置が送信先の無線装置へ経路要求RREQをブロードキャストし、送信先の無線装置が送信元の無線装置へ経路応答RREPをユニキャストすることにより、送信元と送信先との間で通信経路が確立される。
即ち、無線装置31が無線装置42を送信先とする経路要求RREQをブロードキャストし、無線装置42が無線装置31へ経路応答RREPをユニキャストすることによって、無線装置31−無線装置42間で通信経路が確立される。
また、無線装置38が無線装置37を送信先とする経路要求RREQをブロードキャストし、無線装置37が無線装置38へ経路応答RREPをユニキャストすることによって、無線装置38−無線装置37間で通信経路が確立される(図18の(a)参照)。なお、図18においては、理解し易くするために、経路要求RREQは、最終的に確立される経路に沿って送信元から送信先へ送信されるように記載されている。
このように、トラフィックの分散処理が開始される前、オンデマンド型のルーティングプロトコルに従って送信元と送信先との間で通信経路が確立され、複数の無線通信が行なわれている(図18の(a)参照)。そして、無線装置36は、上述した2つの無線通信を中継しており、無線装置36における単位時間当たりのパケット送信量Wがしきい値Wthに達している。
このような状況において、無線装置33が無線装置36または無線装置43を送信先とする経路要求RREQをブロードキャストし、無線装置35は、無線装置33から受信した経路要求RREQをブロードキャストし、無線装置36は、無線装置35から経路要求RREQを受信する。
そうすると、無線装置36は、経路要求RREQに応答しない。即ち、無線装置36は、無線装置35から受信した経路要求RREQを無視する。これにより、無線装置36を介して無線装置33と無線装置43との間で通信経路が確立されることはなく、トラフィックが無線装置36に集中するのを抑制できる。その結果、無線装置36における遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制できる。
図19は、無線ネットワークシステム100においてトラフィックを分散させる動作を説明するための更に他のフローチャートである。図19に示すフローチャートは、図10に示すフローチャートのステップS3〜ステップS6をステップS21,S22に代えたものであり、その他は、図10に示すフローチャートと同じである。
上述したステップS1,S2が実行され、ステップS2において、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したと判定されると、無線装置36のルーティングデーモン24は、経路要求RREQを受信したか否かを更に判定し(ステップS21)、経路要求RREQを受信したと判定したとき、経路要求RREQに応答しない。即ち、無線装置36のルーティングデーモン24は、経路要求RREQを無視する(ステップS22)。これにより、一連の動作が終了する。
無線装置36が経路要求RREQを無視することにより、経路要求RREQは、他の無線装置32,38等によって無線装置43へ送信され、無線装置43が無線装置43−無線装置41−無線装置39−無線装置38−無線装置35−無線装置33からなる経路に沿って経路応答RREPを無線装置33へユニキャストすることにより、無線装置36を中継器としない新たな経路(=無線装置43−無線装置41−無線装置39−無線装置38−無線装置35−無線装置33)が無線装置33と無線装置43との間で確立される。これにより、無線装置36へのトラフィックの集中を無線装置38へ分散させることができ、無線装置36における遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制できる。
なお、上記においては、中継器(=無線装置36)における単位時間当たりのパケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したときにトラフィックの分散処理を行なうと説明したが、この発明においては、これに限らず、中継器(=無線装置36)におけるパケットの送信時間間隔がしきい値以下になったときに、上述した各種の方法による分散処理を行なうようにしてもよく、一般的には、中継器(=無線装置36)における通信負荷がしきい値以上に達したときに、上述した各種の方法による分散処理を行なうようにしてもよい。従って、この発明においては、しきい値Wth以上の単位時間当たりのパケット送信量Wおよびしきい値以下のパケット送信時間間隔は、「通信負荷」を構成する。
そして、分散処理を行なうか否かの判定基準としてパケット送信時間間隔を用いる場合、ルーティングデーモン24は、上述した方法によって演算したパケット送信量Wの逆数を演算することにより、パケット送信時間間隔を求める。
また、パケット送信量Wがしきい値Wth以上に達したと判定するルーティングデーモン24、またはパケット送信時間間隔がしきい値以下に達したと判定するルーティングデーモン24は、「検出手段」を構成する。
更に、無線通信の中継を許可する無線装置のIPアドレスをHelloパケットに含めて送信するルーティングデーモン24、または経路要求RREQに対して応答しないルーティングデーモン24は、「通信制御手段」を構成する。
更に、無線装置36は、「第1の無線装置」を構成し、無線装置32,35,37,38,39,41は、「第2の無線装置」を構成する。
更に、オン(ON)された中継拒否フラグは、「中継拒否フラグ」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制可能な無線装置に適用される。また、この発明は、遅延時間およびパケットエラー率の増加を抑制可能な無線装置を備えた無線ネットワークシステムに適用される。
この発明の実施の形態による無線装置を用いた無線ネットワークシステムの概略図である。 図1に示す無線装置の構成を示す実施の形態1における概略ブロック図である。 OLSRプロトコルにおけるパケットPKTの構成図である。 図2に示すルーティングテーブルの構成図である。 隣接装置リストの構成図である。 ルーティングテーブルのキャッシュの一例を示す図である。 無線ネットワークシステムにおけるトラフィックの分散処理の概念図である。 図7に示す無線装置が保持する隣接装置リストを示す図である。 図7に示す無線装置が保持するルーティングテーブルを示す図である。 無線ネットワークシステムにおいてトラフィックを分散させる動作を説明するためのフローチャートである。 無線ネットワークシステムにおけるトラフィックの分散処理の他の概念図である。 ARPテーブルの概念図である。 IPアドレスリストである。 宛先リストである。 ルーティングテーブルの他の例を示す図である 無線ネットワークシステムにおいてトラフィックを分散させる動作を説明するための他のフローチャートである。 図1に示す無線装置の構成を示す実施の形態2における概略ブロック図である。 無線ネットワークシステムにおけるトラフィックの分散処理の更に他の概念図である。 無線ネットワークシステムにおいてトラフィックを分散させる動作を説明するための更に他のフローチャートである。 複数のトラフィックが1個の中継器へ集中したときの影響を調べるための実験における無線装置の配置図である。 平均パケットエラー率および平均遅延時間とセッション数との関係を示す図である。 最大待ち時間および転送時間間隔とセッション数との関係を示す図である。 異なるルーティングプロトコルを用いた実験における無線装置の配置図である。 遅延時間とセッション数との関係を示す図である。 パケットエラー率とセッション数との関係を示す図である。
符号の説明
11 アンテナ、12 入力部、13 出力部、14 ユーザアプリケーション、15,15A 通信制御部、16 無線インターフェースモジュール、17 MACモジュール、18 バッファ、19 LLCモジュール、20 IPモジュール、21,21A,21B,21C,21D ルーティングテーブル、22 TCPモジュール、23 UDPモジュール、24,24A ルーティングデーモン、31〜43,31A 無線装置、51〜63 アンテナ、100 無線ネットワークシステム。

Claims (7)

  1. 送信元と送信先との間で無線通信を中継する無線装置であって、
    前記無線通信の通信負荷を検出する検出手段と、
    前記検出された通信負荷がしきい値以上に達すると、前記通信負荷が前記しきい値よりも小さくなるように前記無線通信の中継を他の無線装置へ分散させる分散処理を行なう通信制御手段とを備える無線装置。
  2. 前記通信負荷は、単位時間当たりの送信量またはパケットの送信時間間隔である、請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記送信量は、当該無線装置が単位時間当たりに送信する送信パケット数と、当該無線装置が単位時間当たりに転送する転送パケット数との和である、請求項2に記載の無線装置。
  4. 前記通信制御手段は、前記検出された通信負荷が前記しきい値以上に達すると、当該無線装置による前記無線通信の中継を許可する無線装置を前記当該無線装置に隣接する隣接無線装置へ知らせる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線装置。
  5. 前記通信制御手段は、前記検出された通信負荷が前記しきい値以上に達すると、当該無線装置による前記無線通信の中継を許可する無線装置のアドレスを前記隣接無線装置へ送信する、請求項4に記載の無線装置。
  6. 前記通信制御手段は、前記検出された通信負荷が前記しきい値以上に達すると、当該無線装置による前記無線通信の中継を許可する無線装置以外の無線装置からの経路要求を無視する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線装置。
  7. マルチホップ通信によって無線通信が送信元と送信先との間で行なわれる無線ネットワークシステムであって、
    前記送信元と前記送信先との間で前記無線通信を中継する第1の無線装置と、
    前記第1の無線装置に隣接する第2の無線装置とを備え、
    前記第1の無線装置における通信負荷がしきい値以上に達すると、前記通信負荷が前記しきい値よりも小さくなるように前記無線通信の中継を他の無線装置へ分散させる分散処理が行なわれる、無線ネットワークシステム。
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