JP2007183799A - 車両検出装置及び車両検出方法 - Google Patents

車両検出装置及び車両検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】道路上における車両の存在状態の検出について、周囲の環境や時間帯の影響を受けにくくすることができる車両検出装置を提供する。
【解決手段】記憶手段5は、送信アンテナと受信アンテナ2との間の所定区間における車両の存在状態についての車両存在情報、及び、この状態における伝搬路の対応伝達行列を、複数パターンについて相互関連付けて対応情報として記憶している。受信アンテナ2で受信した受信信号に基づいて伝搬路の伝達行列を算出する。記憶手段5に記憶させてある前記対応伝達行列のうち、この算出した伝達行列に略一致する対応伝達行列を選択する。記憶手段5の対応情報に基づいて、選択した対応伝達行列に対応している車両存在情報を抽出する。これにより車両存在情報に対応している車両の存在状態を知ることができる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、車両の存在状態を検出することができる車両検出装置及び車両検出方法に関する。
道路上における車両の存在を感知する装置として従来知られているものに、超音波式の車両感知器やカメラ式の車両感知器がある。超音波式は、道路の上部から下方へ向けて超音波を発射し、その反射波の到達時間を検出することにより車両の存在を感知することができる。カメラ式は、カメラにより道路を撮影して画像処理を行うことにより車両の存在状態を検出している。
しかし、超音波式のものは、例えば風が強い環境ではその感知精度が低下してしまうおそれがある。また、カメラ式のものは、薄暮、雨の日の夜、夜明け時、霧が発生しているなどの環境によって感知精度が低下するおそれがある。そこで従来では、車両感知器に対して、周囲の環境の変化などの影響を受けにくくするための制御を行い、車両の検出精度を高めている。例えば、特許文献1に記載されている制御装置は、カメラ式の車両感知器に対して所定の露出制御を行うことにより夜明けの判定を行い、夜明け時間帯における車両の検出精度を高めている。
特開2004−334042号公報
従来の超音波式やカメラ式の車両感知器においては、周囲の環境や時間帯によって車体の検出精度が低下するおそれがある。
そこで本発明は、道路上における車両の存在状態の検出について、周囲の環境や時間帯の影響を受けにくくするための新たな手段となる車両検出装置及び車両検出方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための車両検出装置は、第1アンテナと第2アンテナとの間の伝搬路の特性に影響を与え得る領域での車両の存在状態について、前記伝搬路の特性を処理して知るための車両検出装置であって、前記第1アンテナと第2アンテナの内の一方のアンテナから送信されて他方のアンテナで受信した受信信号に基づいて前記伝搬路の特性を求めるとともに、予め記憶されている前記領域における車両の存在状態についての情報と当該存在状態での前記伝搬路の特性との関係に基づいて、前記求めた伝搬路の特性に対応している前記領域での前記車両の存在状態を検出する車両検出器を備えている。
そして、この車両検出装置による車両検出方法は、第1アンテナと第2アンテナとの間の伝搬路の特性に影響を与え得る領域での車両の存在状態について、前記伝搬路の特性を処理して知るための車両検出方法であって、前記領域における車両の存在状態についての情報と当該存在状態での前記伝搬路の特性との関係について記憶手段に記憶させておき、前記第1アンテナと第2アンテナの内の一方のアンテナから送信されて他方のアンテナで受信した受信信号に基づいて前記伝搬路の特性を求め、前記記憶手段に記憶させた関係に基づいて、前記求めた伝搬路の特性に対応している前記領域での前記車両の存在状態を検出することによって行われる。
この車両検出装置及び方法によれば、第1アンテナと第2のアンテナの内の一方のアンテナから送信されて他方のアンテナが受信した受信信号に基づいて伝搬路の特性を求める。そして、予め記憶させた車両の存在状態についての情報と当該存在状態での伝搬路の特性との関係に基づいて、前記求めた伝搬路の特性に対応している車両の存在状態を検出することができる。
すなわち、第1アンテナと第2アンテナとによる伝搬路の特性は、前記領域において車両以外の周囲の環境に変化がなければ、車両の走行や車両の存在の有無による変化が伝搬路の特性の変化となって表れる。したがって、第1アンテナと第2アンテナとによる伝搬路の特性を処理することによって、前記領域の車両の存在状態を知ることができる。これにより、車両の検出について、周囲の環境や時間帯の影響を受けにくくすることができる。
また、前記前記車両検出器は、前記領域における車両の存在状態についての車両存在情報、及び、前記領域における前記車両の存在状態での前記伝搬路の対応特性を、それぞれ複数パターンについて記憶しているとともに、前記車両存在情報と前記対応特性とを関連付けて対応情報として記憶している記憶手段と、前記一方のアンテナから送信されて前記他方のアンテナで受信した受信信号に基づいて前記伝搬路の特性を求める算出手段と、前記記憶手段に記憶させてある前記対応特性のうち、前記算出手段によって求めた前記特性に略一致する対応特性を選択する選択手段と、前記記憶手段の前記対応情報に基づいて、前記選択手段によって選択した前記対応特性に対応している車両存在情報を抽出する車両状態検出手段とを有しているのが好ましい。
これによれば、算出手段が、一方のアンテナから送信されて他方のアンテナが受信した受信信号に基づいて伝搬路の特性を求める。この求めた伝搬路の特性に略一致する対応特性を、記憶手段に記憶させてある対応特性から選択する。そして、選択された対応特性に関連付けられている車両存在情報を抽出する。これにより、この車両存在情報に対応している道路上における車両の存在状態を検出することができる。
なお、算出手段が求めた伝搬路の特性に略一致する対応特性を、記憶手段に記憶させてある対応特性から選択しているが、ここでの「略一致する」には、両者が異なることなく一致する場合と、両者の特性が(他のものよりも)近似している場合とを含む。
また、前記車両検出装置は、前記第1アンテナと前記第2アンテナのうちの少なくとも一方が複数アンテナとされているのが好ましい。
これによれば、複数アンテナとされていることにより、車両検出器が求める伝搬路の特性のパターンを増やすことができる。すなわち、前記領域の車両の存在状態の小さな変化が伝搬路の特性の変化となって表れ、それを求めることができ、車両検出の分解能を高めることができる。
また、前記領域は複数の車線を有している道路とされており、前記複数アンテナは前記道路の車線数以上の数の指向性を有しており、前記複数アンテナは各車線に対応させた指向性を有しているのが好ましい。
これによれば、車線毎の車両の存在状態の変化が伝搬路の特性の変化となって表れ、各車線に対応させた指向性を有している複数アンテナにより、伝搬路に与える各車線の影響の変化を検出することができ、車線毎の車両の存在状態の変化を精度よく検出することができる。
また、前記記憶手段は、前記車両存在情報及びこれに対応する前記伝搬路の対応特性を追加的に記憶可能に構成されているのが好ましい。
これによれば、記憶手段に記憶される対応情報を増加させることができ、検出精度を高めることができる。
また、前記車両検出装置は、前記領域における車両の存在状態を感知して車両存在情報を得る車両感知器をさらに備え、前記算出手段は、前記車両感知器が前記車両存在情報を得た際の前記伝搬路の特性を求め、前記記憶手段は、前記車両感知器が得た前記車両存在情報と前記算出手段が求めた前記伝搬路の特性とを相互関連付けて対応情報として記憶するのが好ましい。
この構成によれば、車両感知器が車両の存在状態についての車両存在情報を得ると、算出手段はそれに対応した伝搬路の特性を求め、両者を新たな対応情報として蓄積させることができる。すなわち、記憶手段に記憶される対応情報を自動的に増加させることができる。
また、前記車両検出器は、前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて、前記領域における車両の交通量を算出する交通量検出手段をさらに備えているのが好ましい。これによれば、交通量検出手段は、車両状態検出手段が抽出した車両存在情報に基づいて、車両の交通量、すなわち前記領域における車両台数を算出できる。
また、前記車両検出器は、前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて車両の位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段によって複数検出された異なる時刻における車両のそれぞれの位置に基づいて、当該時刻間の当該車両の移動距離を算出する距離算出手段と、前記移動距離と前記時刻間の時間とから前記車両の速度を算出する速度算出手段とをさらに備えているのが好ましい。これによれば、前記領域に存在する車両の速度を算出することができる。
また、前記車両検出器は、前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて、前記領域における車両の交通量を算出する交通量検出手段と、この交通量検出手段が算出した交通量と前記速度算出手段が算出した車両の速度とに基づいて、前記領域における交通渋滞の発生を検出する渋滞検出手段とをさらに備えているのが好ましい。
これによれば、前記領域における交通渋滞の発生を検出することができる。すなわち、交通量検出手段が算出した交通量が多く、速度算出手段が算出した車両の速度が遅い場合には、前記領域において渋滞が発生していることを検出することができる。
また、前記車両検出器は、前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて車両の位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段によって複数検出された異なる時刻における車両のそれぞれの位置に基づいて、当該車両の位置変化を検出することによって当該車両が駐車車両であるか否かを判定する駐車車両検知手段と、をさらに備えているのが好ましい。
これによれば、位置検出手段が検出した車両の位置情報に基づいて、駐車車両検知手段が車両の位置変化が無いことを検出すると、前記領域において駐車車両が存在していることを検出できる。
また、前記車両検出器は、前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて車両の位置を検出する位置検出手段と、この位置検出手段によって複数検出された異なる時刻における車両のそれぞれの位置に基づいて、当該時刻間での当該車両の走行方向を検出し、この検出した走行方向と正規の走行方向とを比べて当該車両が逆走車両であるか否かを判定する逆走判定手段とをさらに備えているのが好ましい。
これによれば、逆走判定手段が、異なる時刻における車両の位置から当該車両の走行方向を検出し、この走行方向を正規の走行方向と比較して不一致であれば、この車両は逆走車両であると判定することができる。なお、この場合、逆走判定手段が、正規の走行方向についての情報を予め記憶しておけばよい。
本発明によれば、第1アンテナと第2アンテナとによる伝搬路における伝達行列を処理することによって車両の存在状態を知ることができる。これにより、車両の検出について、周囲の環境や時間帯の影響を受けにくくすることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の車両検出装置の実施の一形態を説明するための説明図である。この車両検出装置は、ある領域における車両(自動車)の存在状態を知るための装置である。図1は、道路R上における車両(自動車)Cの存在状態を知る態様を示しており、特に交差点手前の道路Rにおける車両Cの存在状態を検出する場合を示している。
この道路Rには第1アンテナ1及び第2アンテナ2が設置されている。第1アンテナ1は交差点から所定の距離だけ車両走行方向の上流側に離れた位置の上方部に設けられており、第2アンテナ2は交差点の近傍位置に設けられている。図1の実施の形態では、交差点から所定の距離だけ車両走行方向の上流側の位置に道路Rを跨ぐ門型の支柱が設けられており、車両感知器3と第1アンテナ1とがこの支柱に取り付けられている。
第2アンテナ2は車両感知器3との間で情報の送受信が可能とされており、第1アンテナ1は車両感知器3が得た情報を第2アンテナ2へ送信することができる。なお、第1アンテナ1と第2アンテナ2との間においては双方向の通信が可能とされている。また、車両感知器3は従来知られている超音波式やカメラ式のものを採用できるが、道路R上の車両Cの存在を画像として取得し処理することによって、空間的に感知できる空間式であるのが好ましく、カメラ式のものが好ましい。
第2アンテナ2は、交差点近傍に設けられて信号機10を制御するコントロールボックス(信号制御機)11との間で情報の送受信が可能として設けられている。コントロールボックス11は電話回線などのネットワークを介して交通管制局側(図示せず)と繋がっており、相互間において種々の交通情報が送受信される。すなわち、送受信アンテナとしてそれぞれ機能する第1アンテナ1及び第2アンテナ2を備えているシステムは、交通管制システムとしての交通端末用の無線伝送システムとされており、例えば、信号機10の信号情報や車両感知器3による感知情報の無線伝送が行われている。そして、第1アンテナ1から送信され第2アンテナ2が受信した情報は、交通管制局側に送信されたり、信号機10の灯火の制御に用いられたりする。
そして、本発明の車両検出装置は、これら第1アンテナ1及び第2アンテナ2間の伝搬路の特性、例えば伝搬路における伝達行列を処理して、道路R上の車両Cの存在状態を知るものである。具体的には、送受信用に複数アンテナを用いたMIMO(Multi Input Multi Output)システムが構成され、空間上で並列伝送が行われ、マルチパス伝搬路を経由してきた電波を本発明の車両検出装置は利用している。そして、本発明の車両検出装置が利用する第1アンテナ1と第2アンテナ2は、少なくとも一方が複数アンテナとされている。なお、図2は第1アンテナ1と第2アンテナ2がともに複数アンテナとされており、各々2式(2個)の場合を示した模式図である。
また、図3と図4は本発明の車両検出装置を含む車両検出システムの構成図であり、図3が送信側であり、図4が受信側を示す概略図である。なお、以下において、第1アンテナ1が送信アンテナとして機能し、第2アンテナが受信アンテナとして機能する場合について説明する。
まず、この送受信アンテナ1,2による情報通信方法についての概略を説明する。
マルチパス伝搬路は伝達行列を用いて表現される。そこで、図2の実施の形態の場合では、送受信アンテナ1,2間における送信信号(S1,S2)と受信信号(R1,R2)との関係は、伝搬路の伝達行列Hを用いると以下の式で表される。
Figure 2007183799
この伝搬路の伝達行列Hは、伝達行列推定用の信号であるトレーニングシンボルを用いて、従来知られている手段によって受信側において推定される。なお、トレーニングシンボルを含む情報は、図3において変調部、RF送信部を経て送信アンテナ1から送信される。そしてこの情報は、図4において、受信アンテナ2が受信し、RF受信部、復調部を経て、演算器4に入力される。伝達行列Hの推定(算出)はこの演算器4において行われる。さらに演算器4は推定したこの伝達行列Hからその逆行列H−1を算出し、これを用いて受信信号(R1,R2)から、以下の式に示しているように送信信号(S1,S2)を得ることができる。これにより、送受信アンテナ1,2間において各種情報通信が可能となる。
Figure 2007183799
このようなMIMOシステムを車両Cが走行している道路Rに設置することにより、前記伝達行列Hは、走行している車両C以外の周囲の環境に変化がなければ、車両Cの存在状態による変化が伝搬路の特性の変化、つまり伝達行列の変化となって表れる。すなわち、車両Cの走行や車両Cの存在の有無などの存在状態の変化によって伝達行列Hは変化する。そこで、本発明の車両検出装置は、この車両Cの存在状態によって変化する伝搬路における特性(伝達行列)を処理することによって、道路R上における車両Cの存在状態を知ることができる。なお、伝搬路の特性としては伝達行列以外のものであってもよい。
なお、第1アンテナ1と第2アンテナ2とは双方向に通信を行うことができるものであるため、前記の車両検出は、第1アンテナ1側及び第2アンテナ2側の双方において行うことができる。つまり、第1アンテナ1側及び第2アンテナ2側の双方が車両検出を行う機能を有している。そして、第1と第2アンテナ1,2の双方が車両検出を行う場合、時分割によって通信を行えば両者のアンテナ側において車両の検出が可能となる。さらに、この場合、双方で検出した結果を、第1アンテナ1側と第2アンテナ2側との内の一方又は双方において比較することで、検出精度をさらに高めることができる。
図4に示している受信機側において、演算器4が有している記憶手段5は、車両存在情報と、対応伝達行列とを記憶している。この車両存在情報は、ある領域における車両の存在状態についての情報である。具体的には、図5に示しているように、ある領域に存在している車両Cの台数及びその位置を含む情報であり、例えば、図5(a)の状態では「1台の車両Cが停止線Lの手前位置(停止線Lから距離h)に存在している」ことを意味している情報である。なお、前記「ある領域」とは、車両Cの存在状態の変化により、送信アンテナ1と受信アンテナ2とによる伝搬路の特性(例えば伝達行列)の変化に影響を与え得る領域である。そして、以下においては、この領域を、前記送信アンテナ1と前記受信アンテナ2との間の道路R上の所定区間として説明する。また、この所定区間は、送信アンテナ1と受信アンテナ2との間の車両の走行方向に沿った区間である。
また、前記対応伝達行列は、この所定区間における伝搬路の特性を示す伝達行列であり、前記記憶手段5に記憶させる前記車両存在情報に対応した車両Cの存在状態の際の伝達行列である。すなわち、道路Rの所定区間での車両Cの存在状態が、例えば図5(a)に示している1台の車両Cが停止線Lの手前位置(停止線Lから距離h)に存在している状態である場合において、送信アンテナ1から送信した送信信号と受信アンテナ2で受信した受信信号とに基づいて算出された、当該送信信号と当該受信信号とを関連付ける伝達行列が、前記車両存在情報に対応した対応伝達行列(図5(a)のH1)である。
そして、記憶手段5は、これら車両存在情報と対応伝達行列とをそれぞれ複数パターンについて記憶しているとともに、この車両存在情報とこの対応伝達行列とを関連付けて対応情報として記憶している。すなわち、図5の(a)(b)…(c)(d)…の状態について複数パターン記憶し、かつ、各状態において車両存在情報と対応伝達行列とを関連付けて対応情報として記憶している。
なお、車両検出装置の設置場所におけるアンテナ間距離によって車両Cの存在状態が異なり、また、送受信アンテナ1,2の指向性によって得られる対応伝達行列が異なるため、設置場所によって対応情報などは異なる。さらに、設置場所での道路R上の所定区間における車両Cの存在状態には多数のパターンが存在する。そこで、車両検出装置の設置の際に、各設置場所において所定区間で考えられる多数のパターンのすべてを、記憶手段5に記憶させている。
また、道路Rの1つの車線のみを検出対象(前記所定区間)として、車両Cの存在状態についての車両存在情報、これに対応する対応伝達行列、及び対応情報を、記憶手段5に記憶させる場合のほかに、設置場所(道路Rの車線数)に応じて、複数の車線を検出対象とし、前記情報を複数の車線について記憶させてもよい。つまり、所定区間における複数の車線のうちの一つの車線以外における車両Cの存在状態を固定し、この一つの車線における車両Cの存在状態について多数のパターンの前記情報をそれぞれ記憶させる。そして次に、この一つの車線以外の車線についても同様に、多数のパターンの前記情報を次々と記憶させればよい。
さらに、この記憶手段5は、車両存在情報及びこれに対応する伝搬路の対応伝達行列を追加的に記憶することができる。すなわち、この車両検出装置を所定の位置に設置した際に、これら情報を記憶手段5にまず記憶させ、この装置の運用を開始した後において、記憶手段5にこれら情報を追加して記憶させた情報のデータベースを更新させることができる。これによれば、記憶手段5に記憶される情報を増加させることができ、検出精度を高めることができる。さらに、道路R上の所定区間の周辺環境が変化した場合、すなわち、伝搬路(伝達行列)の変化に影響を与えうる建物や看板などが増築された場合などであっても、それに伴って、車両存在情報及びこれに対応する対応伝達行列、対応情報を追加的に記憶させることで、検出精度が低下してしまうのを防ぐことができる。なお、これら情報を追加、記憶させる手段は、設置場所において作業者が入力してもよく、または後述する車両感知器3による連動で自動的に行っても良い。
そして、図4において演算器4が有している算出手段6は、送信アンテナ1から送信されて受信アンテナ2で受信した受信信号に基づいて伝搬路の伝達行列を算出(推定)する。算出手段6におけるこの処理は、前記のとおりトレーニングシンボルを受信することによって行うことができる。
演算器4はさらに選択手段7を有しており、この選択手段7においては算出手段6で実際に算出した伝達行列が、記憶手段5に記憶させてある多数の前記対応伝達行列のうちのいずれと略一致しているかを判定し選択する。この選択の具体的な方法を説明しているものが図6である。図6において、記憶手段5は多数の対応伝達行列H1〜Hを記憶している。算出手段6はある時刻に受信した受信信号から、当該時刻における伝搬路の伝達行列Haを算出する。
そして、選択手段7は、算出手段6で算出した伝達行列Haが示す特性が、多数の対応伝達行列H1〜Hのうちのどの対応伝達行列の特性に一致しているかまたはもっとも近似しているかを判定する。なお、図6におけるこの判定はそれぞれの行列をベクトルとして表現し、その大きさと向きの両者についての特性が一致またはもっとも近似しているかにより行う手段としている。その結果、選択手段7は、算出した伝達行列Haが他と比べて対応伝達行列H1にもっとも近似していると判定し、算出した伝達行列Haに略一致する対応伝達行列をH1として選択する。
次に、図4において、演算器4が有している車両状態検出手段8において行われる処理は、記憶手段5に記憶させた対応情報を参照することにより、選択手段7によって選択された前記対応伝達行列H1が示している前記ある時刻での車両存在情報を抽出する。すなわち、車両状態検出手段8は、図5に示している記憶手段5の対応情報に基づいて、選択手段7によって選択した対応伝達行列H1に対応している車両存在情報、すなわち、図5(a)の1台の車両Cが停止線Lの手前位置に存在している状態についての情報を得ることができる。そして、この情報を基に、本発明の車両検出装置は、後述する所定区間における交通量検出、車両Cの速度算出、渋滞判定、駐車車両検知、及び、逆走車両検知などを行うことができる。
また、本発明では、送信アンテナ1と受信アンテナ2とについて複数アンテナを採用していることにより、算出手段6が算出して得られる伝搬路の伝達行列の要素を増やすことができる。つまり、前記式(1)では、送受信アンテナ1,2のそれぞれを2式とすることによって2行2列の伝達行列を得たが、この複数アンテナの数をさらに増加させることで、伝達行列の要素(行数、列数)を増やすことができる。この場合、実際の道路R上の所定区間における車両Cの存在状態の小さな変化は伝達行列の小さな変化となって表れるが、受信信号から得られる伝達行列の要素を増やすことによって、その小さな変化を検出し算出することができる。これに応じて、記憶手段5で記憶させている車両存在情報及びこれに対応している対応伝達行列のパターンを増やすことにより、車両Cの存在状態の小さな変化を検出することができ、車両検出の分解能を高めることができる。
さらに、送受信アンテナ1,2のそれぞれにおけるアンテナ数を道路Rにおける前記所定区間の車線数と同数またはそれ以上とすることができる。この場合、送受信アンテナ1,2のそれぞれにおいて、1つの車線方向に対して少なくとも1つのアンテナの指向性の主ビーム方向を対応させている。
具体的に説明すると、図5においては所定区間における車線数を片側(下側)の1とし、送受信アンテナ1,2のそれぞれのアンテナを2式とし、送受信アンテナ1,2の各アンテナの指向性の主ビーム方向を下側の1車線にのみ対応させている。この場合、合計4本の送受信アンテナ1,2によって下側の1車線における車両を検出することができる。
また、この変形例について図5を参考に説明すると、所定区間における車線数を上下の両側で2とし、送受信アンテナ1,2のそれぞれのアンテナを2式とし、送受信アンテナ1,2の各アンテナの指向性の主ビーム方向を下側と上側の両車線に広く対応させてもよい。この場合、合計4本の送受信アンテナ1,2によって図5の上下の2車線における車両を検出できる。
さらに別の変形例としては、図5を参考にして、所定区間における車線数を上下の両側で2とし、送受信アンテナ1,2のそれぞれのアンテナを2式とし、送信アンテナ1の一方のアンテナの指向性の主ビーム方向を上側の車線に対応させ、他方のアンテナの指向性の主ビーム方向を下側の車線に対応させ、また、受信アンテナ2の一方のアンテナの指向性の主ビーム方向を上側の車線に対応させ他方のアンテナの指向性を下側の車線に対応させてもよい。この場合、合計4本の送受信アンテナ1,2によって図5の上下の2車線における車両を検出できる。なお上記では、アンテナは、車両を検出したい領域以外の伝搬環境の影響をできるだけ少なくするため指向性アンテナを使用し、そのアンテナの指向性の主ビーム方向を、検出したい1または複数車線を含む領域方向に向け、領域内の車両による伝搬環境の変化(アンテナ間の伝搬路の伝達行列などの特性の変化)が表れやすいようにする例を述べているが、無指向性アンテナを用いて構成することも可能である。
また、送受信アンテナ1,2のそれぞれにおけるアンテナ数を車線数よりも少なくしてもよい。この場合、送受信アンテナ1,2の指向性が複数車線に対応するように広く設定されることによって複数車線における車両の検出が可能となる。
例えば、第1、第2及び第3の3車線からなる所定区間において、送受信アンテナ1,2はそれぞれ2本のアンテナを有し、第1車線上に送信アンテナ1の一のアンテナが設置され、第3車線上に送信アンテナ1の他のアンテナが設置され、受信アンテナ2の2本のアンテナについてもこれと同様に設置した場合、前記一のアンテナ及び他のアンテナの指向性が3車線の幅よりも十分に広く設定されていれば、前記一のアンテナにおいて第1車線以外に第2車線と第3車線上の車両の影響が表れ、同様に、前記他のアンテナにおいて第3車線以外に第1車線と第2車線の車両の影響が表れ、全体として3車線における車両の状態を検出できる。
また、アンテナ数を車線数よりも少なくした場合の変形例として、一つのアンテナが複数の指向性を有し、その指向性をそれぞれ別の車線に対応させ、車両Cの存在状態の検出対象としている道路Rの車線のすべてにアンテナの指向性を対応させてもよい。
すなわち、本発明の複数アンテナはその全体として、道路Rの車線数以上の数の指向性を有するように構成し、その複数アンテナは各車線に対応させた指向性を有しているものとすればよい。これによれば、道路R上の所定区間に複数車線がある場合では、各車線の車両の存在状態の変化が伝達行列の変化となって表れるが、各車線に対応させた指向性を有している複数アンテナにより、車線毎の伝達行列の変化を検出することができ、車線毎の車両Cの存在状態の変化を精度よく検出することができる。
図7は以上の実施の形態による車両検出装置によって行われる車両検出方法を示したフロー図である。図2と図4と図5と図6を参考にして、図7に沿って説明すると、まず、記憶手段5において、送信アンテナ1と受信アンテナ2との間の所定区間における車両Cの存在状態についての車両存在情報(図5の左側部分に示している情報)、及び、この所定区間における車両Cの存在状態での伝搬路の対応伝達行列(H1,H2…)を、それぞれ複数パターンについて記憶させるとともに、この車両存在情報とこの対応伝達行列(H1,H2…)とを関連付けて対応情報として記憶させておく(ステップS1)。
そして、送信アンテナ1と受信アンテナ2との間で無線通信が行われ、受信アンテナ2が受信した受信信号に基づいて、算出手段6がある時刻での伝搬路の伝達行列Haを算出する(ステップS2)。算出された伝達行列Haは一旦記憶手段5に記録される(ステップS3)。図6において、ステップS1において既に記憶手段5に記憶させてある対応伝達行列(H1,H2…)のうち、算出手段6によって算出した伝達行列Haに略一致する対応伝達行列H1を、選択手段7が選択する(ステップS4)。そして、記憶手段5の対応情報に基づいて、選択手段7が選択した前記対応伝達行列H1に対応している車両存在情報(図5(a)の車両Cの存在状態)を、車両状態検出手段8が抽出する(ステップS5)。これにより、この車両存在情報に対応している道路R上の所定区間における車両Cの存在状態を検出し、例えば交通管制局側へ出力することができる(ステップS6)。
以上の構成によれば、送受信アンテナ1,2による伝達行列は、車両C以外の周囲の環境に変化がなければ、車両Cの走行や存在の有無による存在状態の変化が伝達行列の変化となって表れる。したがって、道路R上の設置されている送信アンテナ1と受信アンテナ2とによる伝搬路における伝達行列を受信機側において処理することにより、道路R上の車両Cの存在状態を知ることができる。これにより、車両Cの検出について、周囲の環境や時間帯の影響を受けにくくすることができる。
さらに、この車両検出装置は、MIMOシステムを利用していることにより通信安定化が図れる。すなわち、受信器側は、送信アンテナ1から送信され走行する車両Cなどによって反射した反射波などによるマルチパスの影響を受けやすいが、MIMOシステムのアンテナ技術によってこれを軽減することができる。また、MIMOシステムによって本来行われる交通管制システムとしての無線通信の過程において、車両Cの存在状態の検出を同時に行うことができる。また、本発明の車両検出装置は、道路Rの所定区間における車両Cの存在状態を検出できる空間型とすることができる。
次に、車両感知器3(図4参照)をさらに備えている実施の形態について説明する。車両感知器3は従来知られているものとできるがカメラ式のように空間型のものとしている。この車両感知器3は前記所定区間における車両Cの存在状態を感知して、道路R上に存在している車両Cの台数及びそれぞれの位置を含む情報としての車両存在情報を得る。そして、車両感知器3がこの車両存在情報を得ると、算出手段6はそれに対応した伝達行列を算出し、両者を新たな対応情報として蓄積させることができる。すなわち、車両感知器3が車両存在情報を得た際に、算出手段6は、受信アンテナ2から受信した受信信号に基づいて、その時点での伝搬路における伝達行列を算出する。そして、記憶手段5は、この車両感知器3が得た車両存在情報と算出手段6が算出した伝達行列とを相互関連付けて対応情報として追加的に記憶する。これにより、本発明の車両検出装置は、記憶手段5に記憶される対応情報を自動的に増加させることができる。
このように、車両検出装置を設置する際に、記憶手段5に対応情報を入力して記憶させるのみならず、設置場所近傍に既に存在している車両感知器3または新規で設置する車両感知器3から新たな対応情報を追加的に入力させることによって、常に車両Cの存在状態についての情報を学習させることができる。
さらに、従来知られている前記車両感知器3による情報と、車両検出装置の演算器4によって得た情報とを併せて、受信器側(演算器4)で車両Cの存在状態を判断することにより、感知精度を高めることができる。または、本発明の車両検出装置を、従来知られている前記車両感知器3の補完用として採用してもよい。
次に、本発明の車両検出装置によって行われる、道路R上の所定区間における交通量検出について、図8により説明する。この図において、ステップS5である「車両の存在情報の抽出」は図7のステップS5に対応している。すなわち、記憶手段5の対応情報に基づいて、選択手段7によって選択した対応伝達行列に対応している車両存在情報を車両状態検出手段8が抽出する(ステップS5)。そして次に、この車両存在情報に基づいた所定区間における車両存在状態の出力(図7のステップS6)として、車両Cの台数の算出を行う(ステップS16)。
具体的には、この発明の車両検出装置の演算器4は交通量検出手段(図示せず)をさらに備えている。そして、前記車両状態検出手段8が抽出した前記車両存在情報、例えば図5(a)の1台の車両Cが停止線Lの手前位置に存在している状態についての情報に基づいて、交通量検出手段は前記所定区間における車両Cの交通量を算出する。すなわち、車両状態検出手段8が抽出した車両存在情報に、所定区間には車両Cが1台存在していることの情報が含まれているため、交通量検出手段は車両Cの交通量が1台であることを検出できる。
次に、車両検出装置によって行われる、所定区間における車両Cの速度算出について図9により説明する。この図において、ステップS15である「t=t1の車両の存在情報の抽出」とステップS25である「t=t2の車両の存在情報の抽出」は、それぞれ図7のステップS5に対応している。つまり、異なる時刻t1,t2のそれぞれにおいて、図7のステップS1〜ステップS5までの動作が行われる。
速度検出について具体的に説明すると、車両検出装置の演算器4は図示しないが位置検出手段と、距離算出手段と、速度算出手段とをさらに備えている。位置検出手段は、前記車両状態検出手段8がステップS15とステップS25のそれぞれで抽出した車両存在情報に基づいて、車両Cの位置を検出する(ステップS16とステップS26)。すなわち、車両状態検出手段8が抽出した車両存在情報、例えば時刻t1において図5(b)の1台の車両Cが停止線Lからある距離gだけ手前位置に存在している状態についての情報と、時刻t2において図5(a)の1台の前記車両Cが停止線Lからある距離hだけ手前位置に存在している状態についての情報に基づいて、位置検出手段は、それぞれの時刻t1,t2において車両Cが停止線Lから距離g、距離hの位置にそれぞれ存在していることを検出する(ステップS16とステップS26)。
そして、ステップS26が終了すると、距離算出手段は、前記位置検出手段によって複数検出された異なる時刻t1、t2における車両Cのそれぞれの位置(距離g、距離hの位置)に基づいて、前記時刻t1,t2間の車両Cの移動距離を算出する(ステップS27)。つまり、車両Cの移動距離が(g−h)として算出される。
移動距離(g−h)が算出されると、速度算出手段は、この移動距離(g−h)とその間の時間(t2−t1)とから、演算{(g−h)/(t2−t1)}を行い、車両Cの速度を算出する。これにより、所定区間に存在する車両Cの速度を算出することができる。
次に、車両検出装置によって行われる、所定区間における渋滞判定について図10により説明する。この図において、ステップS16である「所定区間における車両の台数の算出」とステップS28である「速度=移動距離/(t2−t1)」は、それぞれ図8と図9のステップS16、S28に対応している。つまり、この車両検出装置の演算器4は、前記交通量検出手段、前記位置検出手段、前記距離算出手段、前記速度算出手段、及び、渋滞検出手段をさらに備え、前記交通量検出手段、前記位置検出手段、前記距離算出手段、及び、前記速度算出手段についてはそれぞれ前記のとおり機能させる。
これらによる渋滞判定を具体的に説明すると、予め渋滞検出手段が有しているタイマー機能により所定時間T1を規定し、この所定時間T1の間に複数回にわたって、前記交通量検出手段が所定区間における車両Cの交通量(台数)を算出し(ステップS16)、かつ、前記速度算出手段が車両Cの速度を算出する(ステップS28)。そして、渋滞検出手段は、これら交通量と車両Cの速度とに基づいて、所定区間における交通渋滞の発生を検出する。すなわち、渋滞検出手段は、所定時間T1間における車両Cの交通量についての平均値を算出し、この平均台数値がしきい値(例えば、所定区間が100mの場合、しきい値が12台)以上である場合、この情報を渋滞のための第1条件として記憶する(ステップS31)。さらに、渋滞検出手段は、所定時間T1における車両Cの平均速度を算出し、この平均速度がしきい値(例えば、時速10km)以下である場合、この情報を渋滞のための第2条件として記憶する(ステップS32)。
そして、渋滞検出手段は、第1条件と第2条件の両者を満たしていると判定すると、所定区間において交通渋滞の発生を検出する(ステップS33)。すなわち、所定時間T1について、交通量検出手段が算出した交通量が多く、速度算出手段が算出した車両の速度が遅い場合には、所定区間において渋滞が発生していることを検出することができ、その情報を出力することができる。なお、前記所定時間T1は交差点における信号機10(図1)の赤の表示時間よりも長い時間に設定されており(例えば300秒)、これにより、信号機10による車両Cの停止を渋滞発生としてしまう誤認を防ぐことができる。
次に、車両検出装置によって行われる、所定区間における駐車車両検知について図11により説明する。この図において、ステップS15である「t=t1の車両の存在情報の抽出」とステップS16である「t=t1の車両の位置の検出」、さらにステップS25である「t=t2の車両の存在情報の抽出」とステップS26である「t=t2の車両の位置の検出」は、それぞれ図9のステップS15、S16、S25、S26に対応している。
駐車車用検知について具体的に説明すると、車両検出装置の演算器4は、図示しないが、車両の位置を検出する前記位置検出手段と、駐車車両検知手段とをさらに備えている。そして、予め駐車車用検知手段が有しているタイマー機能により所定時間T2を規定し、この所定時間T2の間に複数回にわたって、前記位置検出手段が所定区間における車両Cの位置を検出する(ステップS16、ステップS26)。
そして、この位置検出手段によって複数検出された異なる時刻t1,t2における車両Cのそれぞれの位置に基づいて、駐車車両検知手段は、当該車両Cが駐車車両であるか否かを判定する。この判定は車両Cの位置変化を検出することによって行われ、所定時間T2内に検出された複数の時刻t1,t2のそれぞれで検出された車両Cの位置変化が生じず、車両Cの位置がすべての時刻t1,t2において同じであると駐車車両検知手段が判定した場合に(ステップS41)、この車両Cは駐車車両であると検知することができる(ステップS42)。したがって、この駐車車両検知手段によって所定区間に駐車車両が存在していることを検出し、この情報を出力することができる。なお、前記所定時間T2は交差点における信号機10(図1)の赤の表示時間よりも長い時間に設定されており(例えば300秒)、これにより信号機10による車両Cの停止を駐車としてしまう誤認を防ぐことができる。
次に、車両検出装置によって行われる、所定区間における逆走車両検知について図12により説明する。この図において、ステップS15である「t=t1の車両の存在情報の抽出」とステップS16である「t=t1の車両の位置の検出」、さらにステップS25である「t=t2の車両の存在情報の抽出」とステップS26である「t=t2の車両の位置の検出」は、それぞれ図9のステップS15、S16、S25、S26に対応している。
逆走車両検知について具体的に説明すると、この車両検出装置の演算器4は、前記位置検出手段と、逆走判定手段とをさらに備え、前記位置検出手段については前記のとおり機能させ、複数の時刻t1,t2においてそれぞれの車両Cの位置を検出する(ステップS16、ステップS26)。そして、この位置検出手段によって検出された時刻t1,t2における車両Cのそれぞれの位置に基づいて、逆走判定手段は、当該時刻t1,t2間での当該車両Cの走行方向を検出する(ステップS51)。例えば、先の時刻t1について図5(a)の1台の前記車両Cが停止線Lからある距離hだけ手前位置に存在している状態についての情報が得られ、後の時刻t2について図5(b)の1台の前記車両Cが停止線Lからある距離gだけ手前位置に存在している状態についての情報が得られた場合、この車両Cの位置変化を判断することにより、停止線Lから離れる方向へ走行していることが検出できる(ステップS51)。
そして、逆走判定手段は、この検出した走行方向と、予め設定され記憶されている正規の走行方向とを比べ(ステップS52)、両者が一致しているか否かによって(ステップS53)当該車両Cが逆走車両であるか否かを判定する。すなわち停止線Lに接近する方向が車両Cの正規の走行方法であると逆走判定手段には設定され記憶されている場合、前記図5(a)と(b)においては、実際に検出した車両Cの走行方向と正規の走行方向とが不一致であるために、この車両Cは逆走車両であると検出される(ステップS54)。
本発明の車両検出装置は、以上のような交通量検出、車両Cの速度算出、渋滞判定、駐車車両検知、及び、逆走車両検知を行う機能のうちの一つまたは複数を備えさせることができ、装置を設置する道路Rに応じて種々選択できる。
さらに、本発明の車両検出装置は、以上の図示した形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、図2において送信アンテナ1の数Mを2個とし、受信アンテナ2の数Nを2個として説明したが、これ以外に、M=1としN=1としてもよい。この場合伝達行列の要素は1つとなる。または、数M、数Nを3以上の整数とすることができる。さらに、数Mと数Nとの関係は、M=Nとする以外にM≠Nとしてもよい。
本発明の車両検出装置の実施の一形態を説明するための説明図である。 本発明で使用される送受信アンテナの一例を示した模式図である。 本発明の車両検出装置を含む車両検出システムの構成図であり、送信側を示す概略図である。 本発明の車両検出装置を含む車両検出システムの構成図であり、受信側を示す概略構成図である。 記憶手段に記憶されている車両存在情報と対応伝達行列との対応状態を説明する説明図である。 選択手段による対応伝達行列の選択方法を説明している説明図である。 本発明の車両検出方法を示したフロー図である。 交通量検出を説明するフロー図である。 車両の速度算出を説明するフロー図である。 渋滞判定を説明するフロー図である。 駐車車両検知を説明するフロー図である。 逆走車両検知を説明するフロー図である。
符号の説明
1 送信アンテナ
2 受信アンテナ
3 車両感知器
4 演算器(車両検出器)
5 記憶手段
6 算出手段
7 選択手段
8 車両状態検出手段
C 車両
R 道路

Claims (12)

  1. 第1アンテナと第2アンテナとの間の伝搬路の特性に影響を与え得る領域での車両の存在状態について、前記伝搬路の特性を処理して知るための車両検出装置であって、
    前記第1アンテナと第2アンテナの内の一方のアンテナから送信されて他方のアンテナで受信した受信信号に基づいて前記伝搬路の特性を求めるとともに、予め記憶されている前記領域における車両の存在状態についての情報と当該存在状態での前記伝搬路の特性との関係に基づいて、前記求めた伝搬路の特性に対応している前記領域での前記車両の存在状態を検出する車両検出器を備えていることを特徴とする車両検出装置。
  2. 前記車両検出器は、
    前記領域における車両の存在状態についての車両存在情報、及び、前記領域における前記車両の存在状態での前記伝搬路の対応特性を、それぞれ複数パターンについて記憶しているとともに、前記車両存在情報と前記対応特性とを関連付けて対応情報として記憶している記憶手段と、
    前記一方のアンテナから送信されて前記他方のアンテナで受信した受信信号に基づいて前記伝搬路の特性を求める算出手段と、
    前記記憶手段に記憶させてある前記対応特性のうち、前記算出手段によって求めた前記特性に略一致する対応特性を選択する選択手段と、
    前記記憶手段の前記対応情報に基づいて、前記選択手段によって選択した前記対応特性に対応している車両存在情報を抽出する車両状態検出手段と、を有している請求項1に記載の車両検出装置。
  3. 前記第1アンテナと前記第2アンテナのうちの少なくとも一方が複数アンテナとされている請求項1または2に記載の車両検出装置。
  4. 前記領域は複数の車線を有している道路とされており、前記複数アンテナは前記道路の車線数以上の数の指向性を有しており、前記複数アンテナは各車線に対応させた指向性を有している請求項3に記載の車両検出装置。
  5. 前記記憶手段は、前記車両存在情報及びこれに対応する前記伝搬路の対応特性を追加的に記憶可能に構成されている請求項2に記載の車両検出装置。
  6. 前記領域における車両の存在状態を感知して車両存在情報を得る車両感知器をさらに備え、
    前記算出手段は、前記車両感知器が前記車両存在情報を得た際の前記伝搬路の特性を求め、
    前記記憶手段は、前記車両感知器が得た前記車両存在情報と前記算出手段が求めた前記伝搬路の特性とを相互関連付けて対応情報として記憶する請求項2に記載の車両検出装置。
  7. 前記車両検出器は、
    前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて、前記領域における車両の交通量を算出する交通量検出手段をさらに備えている請求項2に記載の車両検出装置。
  8. 前記車両検出器は、
    前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて車両の位置を検出する位置検出手段と、
    この位置検出手段によって複数検出された異なる時刻における車両のそれぞれの位置に基づいて、当該時刻間の当該車両の移動距離を算出する距離算出手段と、
    前記移動距離と前記時刻間の時間とから前記車両の速度を算出する速度算出手段と、をさらに備えている請求項2に記載の車両検出装置。
  9. 前記車両検出器は、
    前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて、前記領域における車両の交通量を算出する交通量検出手段と、
    この交通量検出手段が算出した交通量と前記速度算出手段が算出した車両の速度とに基づいて、前記領域における交通渋滞の発生を検出する渋滞検出手段と、をさらに備えている請求項8に記載の車両検出装置。
  10. 前記車両検出器は、
    前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて車両の位置を検出する位置検出手段と、
    この位置検出手段によって複数検出された異なる時刻における車両のそれぞれの位置に基づいて、当該車両の位置変化を検出することによって当該車両が駐車車両であるか否かを判定する駐車車両検知手段と、をさらに備えている請求項2に記載の車両検出装置。
  11. 前記車両検出器は、
    前記車両状態検出手段が抽出した前記車両存在情報に基づいて車両の位置を検出する位置検出手段と、
    この位置検出手段によって複数検出された異なる時刻における車両のそれぞれの位置に基づいて、当該時刻間での当該車両の走行方向を検出し、この検出した走行方向と正規の走行方向とを比べて当該車両が逆走車両であるか否かを判定する逆走判定手段と、をさらに備えている請求項2に記載の車両検出装置。
  12. 第1アンテナと第2アンテナとの間の伝搬路の特性に影響を与え得る領域での車両の存在状態について、前記伝搬路の特性を処理して知るための車両検出方法であって、
    前記領域における車両の存在状態についての情報と当該存在状態での前記伝搬路の特性との関係について記憶手段に記憶させておき、
    前記第1アンテナと第2アンテナの内の一方のアンテナから送信されて他方のアンテナで受信した受信信号に基づいて前記伝搬路の特性を求め、前記記憶手段に記憶させた関係に基づいて、前記求めた伝搬路の特性に対応している前記領域での前記車両の存在状態を検出することを特徴とする車両検出方法。
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