JPH1186183A - 交通流計測装置、及びこれを利用する装置 - Google Patents

交通流計測装置、及びこれを利用する装置

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JPH1186183A
JPH1186183A JP9246731A JP24673197A JPH1186183A JP H1186183 A JPH1186183 A JP H1186183A JP 9246731 A JP9246731 A JP 9246731A JP 24673197 A JP24673197 A JP 24673197A JP H1186183 A JPH1186183 A JP H1186183A
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JP
Japan
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vehicle
road
speed
traffic flow
danger
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Application number
JP9246731A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Takenaga
寛 武長
Koji Kuroda
浩司 黒田
Satoshi Kuragaki
倉垣  智
Mitsuo Kayano
光男 萱野
Kazuro Takano
和朗 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天候等に左右されず、リアルタイムに、広が
りを持った道路上の領域内での各車両の絶対的位置を計
測する。 【解決手段】 道路上のA区間に向かって電波を発信す
る電波レーダ発信機12と、発信機12から発信された
電波の反射波を受信する電波レーダ受信機15と、受信
機15で受信した反射波に基づいて、道路上のA区間内
の各車両に関して、A区間内の道路面を含む地面を基準
とした座標系上における位置をそれぞれ求める演算器2
1と、演算器21による演算結果の情報をA区間を走行
中の車両に対して無線送信する通信機22と、演算器2
1による演算結果を表示する路上表示装置23及び監視
用表示装置24と、を備えている

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路上の交通流を
計測する交通流計測装置、これを利用するナビゲーショ
ン装置等の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、道路を走行する車両の台数や速度
を計測する装置として、超音波センサやTVカメラを用
いたものがある。
【0003】超音波センサを用いた装置は、この超音波
センサを鉛直下方に向けて、道路面から数メートル上方
に設置し、この超音波センサから路面に向かって超音波
を周期的に発射し、その反射波が戻ってくるまでの反射
時間を計測している。そして、この装置では、反射時間
が短い場合には、この超音波センサの真下に車両が存在
すると判断して、車両が存在しなくなるまでの時間か
ら、その車両の速度を求めている。また、この装置で
は、一定時間内に、超音波センサの真下に存在していた
車両の台数をカウントして、これを車両台数としてい
る。
【0004】一方、TVカメラを用いた装置は、道路を
俯瞰できる方向(斜め下方)に向けた二台のTVカメラ
を、道路面から数メートル上方に設置し、これらのTV
カメラから得られた画像を処理し、この画像から車両を
抽出して、特定領域内の車両の台数を求めている。この
装置において、二台のTVカメラを用いているのは、道
路の奥行き情報を得るためである。また、この装置で
は、撮影時刻の異なる二つの画像から、車両の移動量を
求め、撮影時刻間隔と車両の移動量とから、車両の速度
を求めている。
【0005】以上のように、道路を走行する車両の台数
や絶対速度を計測する交通流計測装置の他、同種のもの
として、車両の前方障害物警報装置(JerryD.Woll:Monp
ulseDoppler Radar for Vehicle Applications,p42-47,
Intelligent Vehicle‘95に記載)がある。この前方障害
物警報装置は、車両の前部に、一つの送信アンテナと二
つの受信アンテナとを設けたもので、障害物迄の距離と
方向、つまり、この車両を基準とした障害物の相対位置
と、この車両を基準として障害物の相対速度とを計測
し、障害物がある相対速度以上である相対位置まで車両
に接近してくると、車両内に警報を発するというもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近年、車両事故が発生
しそうな状況を把握し、ドライバーに警告を発し危険回
避操作を促して、事故を未然に防止させる、予防安全技
術に非常に関心が高まってきている。さらに、近年で
は、ドライバーに警告を発するのみならず、積極的に車
両を自動運転する技術に関しても、関心が高まってい
る。このような予防安全や自動運転の技術を達成するた
めには、道路上の各車両の正確な位置をリアルタイムに
認識することが非常に重要である。
【0007】しかしながら、従来の超音波センサを用い
た装置では、超音波センサの真下に位置する車両の存在
のみしか把握できないため、ある時刻において、すなわ
ち、リアルタイムに、広がりを持った道路上の領域内で
の各車両の位置を計測することができないという問題点
がある。
【0008】また、従来のTVカメラを用いた装置で
は、二台のTVカメラからの画像をそれぞれ画像処理し
なければならず、この処理に膨大な計算量を要するため
に、処理時間がかかる上に、夜間や、霧、雨、雪等の悪
天候下にでは、計測が困難であるという問題点がある。
【0009】また、交通流計測装置では、道路上に存在
する各車の絶対的位置を認識する必要があるが、前方障
害物警報装置では、これを搭載している車両の前方に存
在している障害物のみしか認識し得ず、しかも、この障
害物の絶対的位置を認識し得ない。
【0010】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、天候等に左右されず、リア
ルタイムに、広がりを持った道路上の領域内での各車両
の絶対的位置を計測することができる交通流計測装置、
及びこれを利用する装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の交通流計測装置に係る第1の発明は、道路上の特定領
域に向かって電波を発信する電波レーダ発信機と、前記
発信機から発信された電波の反射波を受信する電波レー
ダ受信機と、前記電波レーダ受信機で受信した反射波に
基づいて、前記道路上の前記特定領域内の一以上の前記
車両に関して、該特定領域内の道路面を含む地面を基準
とした座標系上における位置をそれぞれ求める演算手段
と、前記演算手段による演算結果の情報を出力する出力
手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0012】なお、「特定領域内の道路面を含む地面を
基準とした座標系上における位置」は、例えば、特定領
域内の道路面に対して設定したXYZ座標系で表した位
置や、地球上の位置を示すため用いられる緯度及び経度
で表した位置等を含む。
【0013】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第2の発明は、交通流計測装置に係る第1の発明
において、前記演算手段は、前記電波レーダ受信機で受
信した反射波に基づいて、前記道路上の前記特定領域内
の前記車両の台数を求めることを特徴とするものであ
る。
【0014】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第3の発明は、交通流計測装置に係る第1又は第
2の発明において、前記演算手段は、前記電波レーダ受
信機で受信した反射波に基づいて、前記道路上の前記特
定領域内の一以上の前記車両に関して、該特定領域内の
道路面を含む地面を基準とした座標系上における速度を
それぞれ求めることを特徴とするものである。
【0015】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第4の発明は、交通流計測装置に係る第1、第2
又は第3の発明において、前記演算手段は、前記道路上
の前記特定領域が複数車線である場合に、各車線を判別
し、各車線ごとに演算結果を出力することを特徴とする
ものである。
【0016】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第5の発明は、交通流計測装置に係る第1又は第
2の発明において、前記演算手段は、前記道路上の前記
特定領域内の一以上の前記車両に関して、該特定領域内
の道路面を含む地面を基準とした座標系上における速度
をそれぞれ求めると共に、該特定領域が複数車線である
場合に、各車線を判別し、各車線ごとの平均車速を求め
ることを特徴とするものである。
【0017】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第6の発明は、交通流量計測装置に係る第1、第
2、第3、第4又は第5の発明において、前記演算手段
による過去の演算結果に基づいて、将来の演算結果を予
測する交通流予測手段を備え、前記出力手段は、前記交
通流予測手段で予測された前記将来の演算結果を出力す
ることを特徴とするものである。
【0018】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第7の発明は、交通流計測装置に係る第1、第
2、第3、第4、第5又は第6の発明において、前記電
波レーダ受信機は、2以上の電波レーダ受信アンテナを
有していることを特徴とするものである。
【0019】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第8の発明は、交通流計測装置に係る第1、第
2、第3、第4、第5、第6又は第7の発明において、
前記出力手段は、前記演算手段による演算結果の情報を
表示する表示手段を有することを特徴とするものであ
る。
【0020】前記目的を達成するための交通流計測装置
に係る第9の発明は、交通流計測装置に係る第1、第
2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の発明にお
いて、時刻を計測するタイマを備え、前記出力手段は、
前記演算手段による演算結果の情報と、前記タイマで計
測され、該演算結果を得るための情報を前記電波レーダ
受信機で受信した時刻とを、前記道路上の車両に送信す
る通信手段を有することを特徴するものである。
【0021】前記目的を達成するための交通管理システ
ムに係る第1の発明は、第9の発明の交通流計測装置
と、車両用ナビゲーション装置とを備え、前記交通流計
測装置の前記演算手段は、前記道路上の前記特定領域を
走行する自車両、及び該自車両の近傍を走行する他車両
の、それぞれの位置及び速度を求め、前記交通流計測装
置の前記通信手段は、前記交通流計測装置の前記演算手
段で求めた各車両の位置及び速度と共に、該位置及び速
度を計測した計測時刻とを含む情報を発信し、前記車両
用ナビゲーション装置は、前記交通流計測装置の前記通
信手段が発信した前記情報を受信する受信機と、前記情
報に含まれる各車両の計測時刻と該計測時刻における各
車両の位置及び速度とから、現時点の各車両の位置を求
め、各車両の現在位置から前記自車両の現時点の位置を
選び出す演算手段と、各種道路地図を記憶している地図
記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶されている前記道
路地図のうち、前記演算手段で求められた前記自車両の
現在地が含まれる道路地図を表示すると共に、少なくと
も前記自車両を該道路地図上の該自車両の現在地に表示
する表示手段と、を備えていることを特徴とするもので
ある。
【0022】前記目的を達成するための交通管理システ
ムに係る第2の発明は、第9の発明の交通流計測装置
と、車両の走行制御装置とを備え、前記交通流計測装置
の前記演算手段は、前記道路上の前記特定領域を走行す
る自車両、及び該自車両の近傍を走行する他車両の、そ
れぞれの位置及び速度を求め、前記交通流計測装置の前
記通信手段は、前記交通流計測装置の前記演算手段で求
めた各車両の位置及び速度と共に、該位置及び速度を計
測した計測時刻とを含む情報を発信し、前記走行制御装
置は、前記交通流計測装置の前記通信手段が発信した前
記情報を受信する受信機と、前記情報に含まれる各車両
の計測時刻と該計測時刻における各車両の位置及び速度
とから、現時点の各車両の位置を求め、各車両の現在位
置から前記自車両の現時点の位置を選び出す演算手段
と、現時点における、前記自車両と前記他車両との相対
位置及び相対速度が予め定められた危険条件を満たすか
否かを判断する危険判断手段と、前記危険判断手段によ
り、前記自車両が危険条件を満たすと判断されると、現
時点における、前記自車両と前記他車両との相対位置及
び相対速度から、該自車両の駆動力及び/又は操舵角を
制御する制御手段と、を備えていることを特徴とするも
のである。
【0023】前記目的を達成するための交通管理システ
ムに係る第3の発明は、第9の発明の交通流計測装置
と、車両状況提供装置とを備え、前記交通流計測装置の
前記演算手段は、前記道路上の前記特定領域を走行する
自車両、及び該自車両の近傍を走行する他車両の、それ
ぞれの位置及び速度を求め、前記交通流計測装置の前記
通信手段は、前記交通流計測装置の前記演算手段で求め
た各車両の位置及び速度と共に、該位置及び速度を計測
した計測時刻とを含む情報を発信し、前記車両状況提供
装置は、前記交通流計測装置の前記通信手段が発信した
前記情報を受信する受信機と、前記情報に含まれる各車
両の計測時刻と該計測時刻における各車両の位置及び速
度とから、現時点の各車両の位置を求め、各車両の現在
位置から前記自車両の現時点の位置を選び出す演算手段
と、道路と共に前記自車両を表示すると共に、該自車両
の近傍を走行する前記他車両を、現時点における該自車
両に対する該道路上の相対位置に表示する表示手段と、
を備えていることを特徴とするものである。
【0024】前記目的を達成するための交通管理システ
ムに係る第4の発明は、第3の発明の交通管理システム
において、前記交通状況提供装置は、現時点における、
前記自車両と前記他車両との相対位置及び相対速度が予
め定められた危険条件を満たすか否かを判断する危険判
断手段と、前記危険判断手段により、前記自車両が危険
条件を満たすと判断されると、危険である旨の警報を発
する警報手段と、を備えていることを特徴とするもので
ある。
【0025】前記目的を達成するための交通管理システ
ムに係る第5の発明は、第1から第9のいずれか一発明
の交通量計測装置と、前記道路の近傍に設けられている
信号機と、前記交通流計測装置の前記出力手段からの出
力に応じて、前記信号機の動作を制御する信号制御手段
と、を備えていることを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態とし
ての交通管理システムについて、図面を用いて説明す
る。
【0027】この実施形態における交通管理システム
は、図1に示すように、道路上の特定領域(A区間)の
車両の位置及び速度等を計測する交通流計測装置10
と、この交通流計測装置10で計測された車両の位置等
に基づいて自車両の位置を地図と共に表示するナビゲー
ション装置30と、交通流計測装置10で計測された各
車両の位置に基づいて自車両の駆動力等を制御する走行
制御装置40と、信号機59と、交通流計測装置10の
計測結果に基づいて信号機59の動作を制御する信号制
御装置50と、を備えている。
【0028】交通流計測装置10は、道路上のA区間に
向かって電波を発信するレーダ発信機12と、この発信
機12から発信されて傷害物等に当たって反射した反射
波を受信するレーダ受信機15と、受信機15が受信し
た反射波に基づいて、道路上のA区間における車両の位
置等を求める演算器(演算手段)21と、この演算器2
1の演算結果を表示する表示装置(出力手段、表示手
段)23,24と、演算器21の演算結果を無線送信す
る通信機(出力手段、通信手段)22と、を備えてい
る。
【0029】レーダ発信機12及びレーダ受信機15
は、これらを合わせて電波レーダ11を構成している。
この電波レーダ11は、道路から数メートル上方に設置
されている。レーダ発信機12は、図2に示すように、
一つの電波レーダ発信アンテナ13と、この発信回路1
4とを有して構成され、レーダ受信機15は、電波レー
ダ発信アンテナ13の横に並んで設置されている二つの
電波レーダ受信アンテナ16,16と、この受信回路1
7とを有して構成されている。電波レーダ11は、これ
ら発信機12と受信機15の他に、時刻を計測するタイ
マ18も備えている。
【0030】二つの電波レーダ受信アンテナ16,16
は、図3(a),(b)に示すように、それぞれの指向
軸(電波の受信感度が最も高い方向)A1,A2がレー
ダ発信アンテナ13の指向軸(電波強度の最も高い方
向)A3に平行になるよう、設けられている。電波レー
ダ発信アンテナ13は、図5(a)に示すように、道路
上のA区間に対して、斜め上方から電波を照射できるよ
う、その指向軸A3が道路面に対してφ傾いている。従
って、二つの電波レーダ受信アンテナ16,16の指向
軸A1,A2も道路面に対してφ傾いている。
【0031】ここで、以下の説明の都合上、図5に示す
ように、電波レーダ11の真下の道路側縁の点を原点O
(0,0,0)とし、道路の幅方向に平行な軸をX軸、
道路面に対して垂直な軸をY軸、道路の長手方向に平行
な軸をZ軸とし、ある車両の位置をC(x,y,z)、
電波レーダ11の位置をR(x0,y0,0)とする。
なお、ここでは、図4に示すように、電波レーダ11の
位置R(x0,y0,0)を、二つの電波レーダ受信ア
ンテナ16,16の中間であって、それらの受信面の延
長面上にしている。
【0032】この電波レーダ11では、道路のA区間内
の対象物Cの存在(台数)と、対象物Cのそれぞれの位
置及び速度vを計測できる。ところで、この電波レーダ
11では、図5に示すように、対象物Cの位置を、電波
レーダ受信アンテナ16,16を原点R(x0,y0,
0)とした極座標系における、対象物までの距離rと対
象物への方向θで表される。しかも、この電波レーダ1
1では、二つの電波レーダ受信アンテナ16,16が水
平方向に並んでいるため、二つの電波レーダ受信アンテ
ナ16,16の各指向軸A1,A2を含む計測面Pが水
平方向に広がることになる。このため、この電波レーダ
11により計測される対象物Cの位置は、電波レーダ受
信アンテナ16,16を原点R(x0,y0,0)とし
た計測面P上の極座標系で表される。そこで、この電波
レーダ11で計測した対象物Cの位置を実際に使用する
ためには、道路面を基準とするXYZ座標系に変換する
必要がある。
【0033】仮に、極座標系における対象物C1の位置
を(r1,θ1)とすると、XYZ座標系における対象
物C1の位置(x,y,z)は、以下に示す(数1)の
関係で表される。
【0034】
【数1】
【0035】対象物C1である車両は、道路面上に位置
しているため、対象物C1の位置は、(x,0,z)
(y=0)となるため、x及びzの値が確定すれば、対
象物C1の位置が確定する。そこで、xの値は、(数
2)に示すように、(数1)に、y=0及びz=0を代
入して求め、zの値は、(数3)に示すように、(数
1)に、x=0及びy=0を代入して求める。
【0036】
【数2】
【0037】
【数3】
【0038】次に、(数4)に示すように、(数2)を
xについて解くと共に、(数5)に示すように、(数
3)をyについて解く。
【0039】
【数4】
【0040】
【数5】
【0041】そして、これらの(数4)及び(数5)
に、極座標系上で表された対象物C1の位置(r1,θ
1)を代入すれば、道路面を基準とするXYZ座標系上
の対象物C1の位置(x,y(=0),z)が求められ
る。
【0042】同様に、極座標系上で表された対象物C2
(r2,θ2)の位置、及び対象物C2(r2,θ2)
の位置に関しても、これらの値を(数4)及び(数5)
に代入すれば、これらの対象物の位置が道路面を基準と
するXYZ座標系に変換される。
【0043】対象物の位置に関する極座標系からXYZ
座標系への変換は、演算器21により実行される。この
演算器21では、さらに、道路面を基準とするXYZ座
標系で表されている対象物の位置を、この道路面を含む
地表面の経度及び緯度で表される位置データに変換され
る。この変換操作は、XYZ座標系の原点Oの経度及び
緯度を予め演算器21に記憶させておくことで、実行さ
せる。
【0044】一方、この電波レーダ11で計測される対
象物Cの速度vは、以上のような座標変換されることな
く、そのまま用いられる。なお、上り車線を走行する車
両が電波レーダ11に近づく方向に走行し、下り車線を
走行する車両が電波レーダ11から遠ざかる方向に走行
するとすると、上り車線を走行する車両の速度は(+)
で表され、下り車線を走行する車両の速度は(−)で表
される。
【0045】演算器21では、さらに、A区間を走行し
ている各車両の位置及び速度から、A区間内の上り車線
を走行している車両の台数及び平均速度と、A区間内の
下り車線を走行している車両の台数及び平均速度とが求
められる。
【0046】この実施形態において、表示装置23,2
4としては、図1に示すように、A区間の数キロ手前の
道路の上方に設置されている路上表示装置23と、交通
管制センター70内に設けられている監視用表示装置2
4とがある。
【0047】演算器21からこれらの表示装置23,2
4へは、A区間を走行している各車両の位置と、A区間
内の上り車線及び下り車線を走行している車両の台数及
び平均速度と、各車両の位置の計測時刻が送信され、各
表示装置23,24には、図6及び図7に示すように、
これらが表示される。路上表示装置23には、図6に示
すように、上り車線を走行している車両のドライバーが
見易いように、センターライン中心として、このセンタ
ーラインを斜め上方から見た際のA区間の道路面と、そ
こを走行している各車両が模式的に表示される。このよ
うに、A区間の道路面と、そこを走行している各車両が
模式的に表示されると、これを見たドライバーは、A区
間の混雑具合等を直感的に把握することができる。A区
間内の上り車線及び下り車線を走行している車両の台数
及び平均速度は、表上に数値で示される。また、計測時
刻は、現在の時刻として表示される。A区間の数キロ手
前を走行している車両のドライバーは、路上表示装置2
3に表示された以上の情報から、この道路をこのまま進
むべきか、それとも、この先のA区間を迂回すべきか等
を判断する。また、監視用表示装置24には、図7に示
すように、真上から見た際のA区間の道路面と、そこを
走行している各車両が模式的に表示される。その他の情
報に関しては、路上表示装置23と同様に表示される。
【0048】この実施形態では、道路近傍に設置した電
波レーダ11を用いて計測しているので、計測環境が暗
かろうが、雨や雪等の悪天候下であろうが、車両の位置
等を計測することができる。しかも、電波レーダ11を
用いていることで、一度に、広い領域を計測することが
できる。すなわち、この実施形態では、道路近傍に設置
した電波レーダ11を用いて計測しているので、天候等
に左右されず、リアルタイムに、広がりを持った道路上
の領域内での各車両の絶対的位置を正確に計測すること
ができる。
【0049】なお、ここでは、片側一車線を例にしてい
るが、例えば、図8に示すように、片側三車線の場合に
は、各車線及びそこを走行している車両を模式的に表示
するとよい。片側一車線の場合、演算器21は、車速が
正か負かで、車両が上り車線を走行しているか下り車線
を走行しているかを認識するが、図8に示すように、片
側複数車線の場合には、単に、車速が正か負かでは、車
両がどの車線を走行してるかを認識できない。そこで、
このような場合には、XYZ座標系内における各車線の
領域を予め演算器内に設定しておけば、XYZ座標系内
における各車両の位置が求まった段階で、各車両がどの
車両を走行しているかを認識できる。
【0050】また、この実施形態では、電波レーダ11
の近傍に、演算器21を設けているが、この換わりに、
各表示装置23,24の近傍に同様の機能を有する演算
器をそれぞれ設けてもよい。さらに、この実施形態で
は、演算器21の演算結果を有線で各表示装置23,2
4に送信しているが、無線で演算結果を送信するように
してもよい。
【0051】演算器21から通信機22へは、A区間を
走行している各車両の位置及び速度と、これらの計測時
刻とが送られ、これらが、この通信機22から車両に搭
載されているナビゲーション装置30及び走行制御装置
40に、無線で送信される。通信機22と、車両に搭載
されているナビゲーション装置30及び走行制御装置4
0との通信では、電波ビーコンの他、光ビーコン等を用
いてもよい。なお、演算器21から通信機22へ送られ
る各車両の位置情報は、経度及び緯度で表された情報で
ある。
【0052】ナビゲーション装置30は、図9に示すよ
うに、衛星からの位置情報を受信するGPSアンテナ3
1と、通信機22からの情報を受信する地上波アンテナ
(受信機)41と、地図と共にこの地図上に自車両の位
置を表示するナビゲーション表示装置32と、ナビゲー
ション制御装置33とを有している。ナビゲーション制
御装置33は、図10に示すように、GPSアンテナ3
1及び地上波アンテナ41で受信した情報に基づいて、
自車両の現在位置を求める現在位置演算部(演算手段)
34と、各種道路地図を記憶している地図記憶部(地図
記憶手段)35と、ナビゲーション表示装置32を制御
する表示制御部36と、を有している。なお、「特許請
求の範囲」におけるナビゲーション装置の表示手段は、
表示制御部36とナビゲーション表示装置32とを有し
て構成される。
【0053】ナビゲーション装置30の現在位置演算部
34は、通常、GPSアンテナ31で得られた情報に基
づいて、自車両の位置を求める。この車両がA区間に至
り、通信機22からの情報が地上波アンテナ41で得ら
れるようになると、この情報に含まれている各車両の位
置及び速度と、これを計測した時刻とから、各車両の現
時点の位置を求める。これは、通信機22から地上波ア
ンテナ41に送られてくる各車両の位置は、僅かに過去
のもので、現時点の各車両の位置に対して誤差があるか
らである。そして、求められた現時点の各車両の位置の
うちから、GPSアンテナ31で得られた現時点の自車
両の位置に最も近いものを選択して、これを現時点の正
確な自車両の位置とする。すなわち、自車両の位置に関
しては、GPSアンテナ31で得られた情報よりも、通
信機22から送信され地上波アンテナ41で得られた正
確な情報を優先する。現時点の正確な自車両の位置が求
められると、表示制御部36がこの車両の位置を表示す
るのに適当な道路地図を地図記憶部35から選び出し、
この地図をナビゲーション表示装置32に表示させると
共に、この地図上の自車両の位置に、自車両のマークを
ナビゲーション表示装置32に表示させる。
【0054】走行制御装置40は、図9に示すように、
通信機22からの情報を受信する地上波アンテナ(受信
機)41と、車両の駆動力を制御する駆動力制御装置4
3と、を有している。駆動力制御装置43は、図11に
示すように、地上波アンテナ41で受信した通信機22
からの情報に基づいて自車両及び自車両近傍の他車両の
現在位置を求める現在位置演算部(演算手段)44と、
自車両が危険な状態であるか否かを判断する危険判断部
(危険判断手段)45と、この危険判断部45による判
断結果に応じてエンジン出力や自動変速機の変速段数や
さらにはブレーキを制御する駆動力制御部(制御手段)
46と、を有している。
【0055】現在位置演算部44は、地上波アンテナ4
1で得られた情報に基づいて、各車両の位置及び速度
と、これを計測した時刻とから、各車両の現時点の正確
な位置を求める。危険判断部45は、現時点における自
車両と他車両との相対位置及び相対速度が予め定められ
た危険条件を満たすか否かを判断する。ここで、危険条
件とは、具体的に、例えば、自車両と同じ車線を走行し
ている前方の他車両に対して、自車両が30km/hの
相対速度で接近し、両車両間隔が20m未満になった
か、等である。この危険判断部45において、自車両が
危険条件を満たすと判断されると、現時点における、自
車両と他車両との相対位置及び相対速度から、自車両が
安全な状態になる自車両の駆動力を求めて、この駆動力
が得られるよう、エンジン出力や自動変速機の変速段数
やブレーキを制御する。駆動力制御部46は、具体的に
は、図9に示すように、エンジン81の電子スロットル
バルブ、自動変速機82の変速段数を変える油圧バル
ブ、ブレーキを動作させるアクチュエータ83等に動作
信号を出力して、自車両の駆動力を制御する。この結
果、例えば、自車両は減速し、他車両との間隔が広がっ
て、安全な状態になる。なお、ここでは、自車両の駆動
力を制御しているが、これに換えて、又はこれと共に、
自車両の操舵角を制御するようにしてもよい。この場
合、ステアリングロッド等にクラッチ等を介して、ステ
アリングロッド等を強制回転させるアクチュエータ等を
設けることになる。
【0056】また、危険判断部45は、自車両が危険条
件を満たすと判断すると、ナビゲーション装置30の表
示制御部36に対して、道路と共に自車両を含む各車両
を正確な位置に表示するよう指示すると共に、各車両の
絶対速度又は自車両との相対速度を表示するよう指示す
る。この結果、ナビゲーション表示装置32は、図12
に示すように、道路と共に自車両を含む各車両を正確な
位置に模式的に表示し、併せて、各車両の絶対速度又は
自車両との相対速度を表示する。この際、表示されてい
る複数の車両のうちから、自車両がどれであるか、自車
両のドライバーが直ちに理解できるよう、他車両の形状
や色等と異ならせて自車両を表示する。自車両のドライ
バーは、この表示を見て、ハンドルを切る、ブレーキペ
ダルを踏む等の危険回避動作を行う。
【0057】なお、このように、表示装置23,24に
各車両を表示して、自車両のドライバーに危険回避動作
を促す場合は、危険回避動作を自動的に行う場合より
も、早めに警告することが好ましいので、危険条件は、
危険回避動作を自動的に行わせる際の危険条件よりも僅
かに安全な状態に近い条件を設定しておくことが好まし
い。また、危険条件を満たした場合、ナビゲーション表
示装置(警報手段)32に各車両を表示することで、ド
ライバーに危険である旨を視覚的な警報を発するのみな
らず、音声等で聴覚的な警報を併せて発するようにする
ことが好ましい。また、ナビゲーション表示装置32に
よる各車両の表示は、危険条件を満たさなくても、常
時、表示するようにしてもよい。このように、自車両を
含む各車両の位置を常時表示すると、例えば、車線変更
する場合に、変更先の車線に後方から接近してくる車両
が存在するか否かを容易に確認することができ、安全に
車線変更できる。このよういに、各車両の位置を常時表
示する場合には、ナビゲーション表示装置32の表示画
面の一部を用いてもよいが、別途、表示装置を設けるこ
とが好ましい。また、各車両の位置を常時表示する場合
には、危険条件を満たしたか否か、つまり危険な状態に
なったか否かが、自車両のドライバーに把握し易くする
ために、例えば、危険な状態になると、背景の色を赤す
る等で、視覚的な警報を発することが好ましい。
【0058】以上のように、この実施形態において、走
行制御装置40は、通信機22からの情報を受信する地
上波アンテナ41と、車両の駆動力を制御する駆動力制
御装置43との他、ナビゲーション装置30の表示制御
部36及びナビゲーション表示装置32を有して構成さ
れている。
【0059】また、「特許請求の範囲」における交通状
況提供装置は、この実施形態において、地上波アンテナ
(受信機)41と、駆動力制御装置43の現在位置演算
部(演算手段)44と、同じく駆動力制御装置43の危
険判断部(危険判断手段)45と、ナビゲーション装置
30の表示制御部36と、ナビゲーション表示装置(表
示手段、警報手段)32と、を有して構成される。
【0060】次に、信号制御装置(信号制御手段)50
について、図13を用いて説明する。例えば、図13に
示すように、A区間を有する第1の道路R1と、A区間
の前方に第1の道路R1と交差する第2の道路R2とが
存在し、この交差点に4つの信号機59a,59b,5
9c,59dが設置されているとする。この場合、第2
の道路R2にも、特定のB区間を設定し、このB区間の
交通流を計測する交通流計測装置10bを設ける。信号
制御装置50は、第1の道路R1の交通流計測装置10
aによる計測結果と第2の道路R2の交通流計測装置1
0bによる計測結果とを受け取り、二つの計測結果を比
較して、第1の道路R1上で交差点に向かってくる車両
に対する第1の信号機59aと、第2の道路R2上で交
差点に向かってくる車両に対する第2の信号機59bと
の動作を制御する。具体的には、第1の道路R1のA区
間における走行車両の台数が、第2の道路R2のB区間
における走行車両の台数よりも、予め定められた割合又
は台数以上多い場合には、第1の信号機59aの青の時
間を長くし、第2の信号機59bの赤の時間を長くす
る。各信号機の制御は、信号機のスプリットやオフセッ
ト等の信号パラメータを調節することで行う。
【0061】なお、この実施形態では、交通管制センタ
ー70内の信号制御装置50により、交差点の各信号を
統括的に制御しているが、信号機毎に信号制御装置を設
け、これらに、各交通流計測装置10a,10bの計測
結果を出力するようにしてもよい。
【0062】ところで、以上のような信号機の動作制御
では、数時間後の交通流を予測した上で、信号機の動作
を制御することが交差点での混雑の回避等のために好ま
しい。そこで、図14に示すように、交通流計測装置1
0の演算器21の演算結果、つまり、各車両の位置や速
度、さらに車両台数等に基づいて、将来の交通流(ここ
では、車速)を予測する交通流予測装置(交通流予測手
段)60を設けことが好ましい。この交通流予測装置6
0は、将来のA区間の平均車速を予測するニューラルネ
ット61と、このニューラルネット61からの予測値と
交通流計測装置10の演算器21からの実績値との偏差
を求め、この偏差をニューラルネット61への教師信号
として出力する差分器65とを有している。
【0063】ニューラルネット61は、「月」「日付」
「曜日」「時刻」「天候」等がそれぞれ入力される複数
のニューロンから成る入力層62と、予測値を出力する
ニューロンから成る出力層64と、入力層62と出力層
64との中間に位置して複数のニューロンから成る中間
層63と、各層のニューロン相互を接続する複数のシナ
プスとを有して構成されている。
【0064】例えば、現時点の8時から一時間後の9時
のA区間における平均車速を予測する場合には、現時点
と同じ月、日、曜日等をニューラルネット61の入力層
62に入力すると共に、現時点から一時間後の時刻であ
る9:00及び予想天候等をニューラルネット61の入
力層62に入力する。この結果、ニューラルネット61
の出力層64からは、現時点から一時間後である9時の
A区間における平均車速が出力される。出力結果である
平均車速の予測値は、監視用表示装置24に送られ、図
15のように、過去の実績値と共に表示される。また、
この予測値は、信号制御装置50にも出力され、信号制
御に利用される。
【0065】現時点から一時間経過して、現時点から一
時間後の平均車速の実績値が演算器21から得られる
と、差分器65により、この実績値と同時刻に関する予
測値との偏差が求められ、この偏差が教師信号としてニ
ューラルネット61に送られる。ニューラルネット61
は、この教師信号に基づいて、各層のニューロン相互を
接続するシナプスのシナプス結合係数を変えて、今後の
予測の精度を高める。なお、以上のようなニューラルネ
ット61の学習は、交通流予測装置60を設置する前
に、予め何度も行っておくことが好ましい。また、十分
な学習が成された場合には、この実施形態にように、逐
次学習するこを省略してもよい。
【0066】交通流の予測に関しては、以上のようにニ
ューラルネット61を用いての予測する方法の他に、例
えば、現時点から一時間前までの間の実績値の変化量に
重み付けして、この値を現時点の実績値に加えて、これ
を一時間後の予測値とする方法等もある。
【0067】次に、本発明に係る交通流計測装置の第2
の実施形態について、図16及び図17を用いて説明す
る。この実施形態では、図16に示すように、上り車線
の交通流を計測する上り車線用電波レーダ11aと、下
り車線の交通流を計測する下り車線用電波レーダ11b
とを有している。各電波レーダ11a,11bは、第1
の実施形態と同様に、一つの電波レーダ発信アンテナ1
3と二つの電波レーダ受信アンテナ16,16とを有し
ているものの、電波レーダ発信アンテナ13に対して二
つの電波レーダ受信アンテナ16,16が上方に一直線
上に並んで設けられている点で、第一の実施形態と異な
る。
【0068】電波レーダ発信アンテナ13は、図17
(a)に示すように、第1の実施形態と同様に、道路上
のA区間に対して、斜め上方から電波を照射できるよ
う、その指向軸A3が道路面に対してφ傾いている。ま
た、二つの電波レーダ受信アンテナ16,16の指向軸
A1,A2も道路面に対してφ傾いている。
【0069】この実施形態においても、第1の実施形態
と同様に、道路のA区間内の対象物Cの存在(台数)
と、対象物Cのそれぞれの位置及び速度vを計測でき
る。但し、この実施形態では、図16に示すように、各
電波レーダ11a,11bの二つの電波レーダ受信アン
テナ16,16が鉛直方向に並んでいるため、二つの電
波レーダ受信アンテナ16,16の各指向軸A1,A2
を含む計測面Pが、第1の実施形態と異なり、鉛直方向
に広がったものになることから、道路面上の各車両の位
置の算出方法が異なっている。
【0070】ここで、図16に示すように、第1の実施
形態と同様、電波レーダ11の真下の道路縁の点を原点
O(0,0,0)とし、道路の幅方向に平行な軸をX
軸、道路面に対して垂直な軸をY軸、道路の長手方向に
平行な軸をZ軸とし、ある車両の位置をC(x,y,
z)、上り車線用電波レーダ11aの位置をR(x0,
y0,0)とする。
【0071】この上り車線用電波レーダ11aにより計
測される対象物Cの位置は、二つの電波レーダ受信アン
テナ16,16の間を原点R(x0,y0,0)とした
計測面P上の極座標系における、対象物Cまでの距離r
と対象物への方向θで表される。また、この実施形態で
は、各車線ごとに電波レーダ11a,11bが設けられ
ているので、道路の幅方向(X方向)の車両の位置は、
その車線用の電波レーダ11aのX方向の取り付け位置
(x=x0)であり、道路に対して鉛直方向(Y方向)
の車両の位置は、道路面の位置(y=0)であるから、
道路の長手方向(Z方向)の位置のみ確定するれば、道
路面を基準とするXYZ座標系における車両の位置が確
定する。
【0072】仮に、上り車線を走行している対象物C1
の極座標系における位置を(r1,θ1)とすると、Z
方向における対象物C1の位置zは、以下の(数6)の
ように表すことができる。
【0073】
【数6】
【0074】従って、道路面を基準とするXYZ座標系
における車両の位置C1は、(x0,0,r1×cos
(φ+θ1))となる。対象物の位置に関する極座標系
からXYZ座標系への変換は、第1の実施形態と同様
に、演算器により実行される。この演算器でも、さら
に、道路面を基準とするXYZ座標系で表されている対
象物の位置を、この道路面を含む地表面の経度及び緯度
で表される位置データに変換され、ナビゲーション装置
等における車両位置の補正の情報として用いられる。
【0075】また、X方向の取り付け位置がx1の下り
車線用電波レーダ11bで、対象物C2の位置を極座標
系において(r2,θ2)として得られた場合にも、道
路面を基準とするXYZ座標系における車両の位置C2
は、上り車線用電波レーダ11aの場合と同様、(x
1,0,r2×cos(φ+θ2))となる。但し、車
速に関しては、上り車線用の電波レーダ11aで正の車
速が得られた場合には、下り車線用の電波レーダ11で
は負の車速を示すことになる。
【0076】次に、本発明に係る交通流計測装置10の
第3の実施形態について、図18を用いて説明する。こ
の実施形態では、第1の実施形態の電波レーダ11を2
台用い、これらを道路の両側端部に車両の平均的な車高
程度の高さに設置したものである。
【0077】各電波レーダ11,11の発信アンテナ1
3及び受信アンテナ16,16の指向軸は、道路面に対
して平行で、道路の長手方向に対して傾斜している。
【0078】第1及び第2の実施形態では、いずれも、
道路面の真上に電波レーダを設けたため、電波レーダを
支える支持脚が大型化し、設置コストが嵩む上に、電波
レーダのメインテナンスが面倒である。そこで、この実
施形態では、設置高さを低くするために、電波レーダ1
1,11を路側端部に設けている。但し、このように、
電波レーダ11の設置高さを低くすると、この電波レー
ダ11に対して、ある車両の影になる車両に対しては、
電波が届かず、計測することができなくなってしまう。
このため、この実施形態では、2台の電波レーダ11,
11を道路の両側端部にそれぞれ設置している。
【0079】2台の電波レーダ11,11を用いた場
合、それぞれが同一車両を計測してしまう場合が存在す
るため、演算器における車両の位置演算過程において
は、二つの電波レーダ11,11が同一座標系に存在す
るとして、この座標系内において車両の位置を求めるこ
とが好ましい。なお、この実施形態においても、電波レ
ーダ11では、車両の位置が、計測面P上における電波
レーダ11を中心とした極座標系で得られるが、計測面
Pが道路面に対して平行であるため、車両の位置の表示
を極座標系からXYZ座標系への変換は、第1の実施形
態より簡単である。
【0080】なお、以上の実施形態では、複数の電波レ
ーダ受信アンテナ16,16を設けることで、道路を走
行中の車両の位置、つまり、車両までの距離及び方向を
検知しているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、電波レーダ受信アンテナが一つであって
も、これを回転させれば、道路上の車両までの距離及び
方向を検知することができる。
【0081】
【発明の効果】本発明の交通流計測装置によれば、道路
近傍に設置した電波レーダを用いて計測しているので、
天候等に左右されず、リアルタイムに、広がりを持った
道路上の領域内での各車両の絶対的位置を正確に計測す
ることができる。
【0082】このため、本発明の交通流計測装置による
計測結果を、車両用ナビゲーション装置、車両用走行制
御装置等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態としての交通管理シス
テムの全体構成図である。
【図2】本発明に係る第1の実施形態としての電波レー
ダの正面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施形態としての電波レー
ダの電波放射方向及び放射範囲を示す説明図である。
【図4】本発明に係る第1の実施形態としての電波レー
ダの平面図である。
【図5】本発明に係る第1の実施形態としての電波レー
ダと車両との関係を示す説明図である。
【図6】本発明に係る一実施形態としての路上表示装置
による表示例を示す説明図である。
【図7】本発明に係る一実施形態としての監視用表示装
置の表示例を示す説明図である。
【図8】本発明に係る他の実施形態としての路上表示装
置の表示例を示す説明図である。
【図9】本発明に係る一実施形態としてのナビゲーショ
ン装置及び走行制御装置の構成図である。
【図10】本発明に係る一実施形態としてのナビゲーシ
ョン装置の機能ブロック図である。
【図11】本発明に係る一実施形態としての走行制御装
置の機能ブロック図である。
【図12】本発明に係る一実施形態としてのナビゲーシ
ョン表示装置の表示例を示す説明図である。
【図13】本発明に係る一実施形態としての交通流計測
装置と信号制御装置と信号機との関係を示す説明図であ
る。
【図14】本発明に係る一実施形態としての交通流予測
装置の機能ブロック図である。
【図15】本発明に係る一実施形態としての交通流の予
測結果を示すグラフである。
【図16】本発明に係る第2の実施形態としての電波レ
ーダの正面図である。
【図17】本発明に係る第2の実施形態としての電波レ
ーダと車両との関係を示す説明図である。
【図18】本発明に係る第3の実施形態としての電波レ
ーダと車両との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
10,10a,10b…交通流計測装置、11,11
a,11b…電波レーダ、12…電波レーダ発信アンテ
ナ、16…電波レーダ受信アンテナ、18…クロック、
21…演算器、22…通信機、23…路上表示装置、2
4…監視用表示装置、30…ナビゲーション装置、31
…GPSアンテナ、32…ナビゲーション表示装置、3
3…ナビゲーション制御装置、34…現在位置演算部、
35…地図記憶部、36…表示制御部、40…走行制御
装置、41…地上波アンテナ、43…駆動力制御装置、
44…現在位置演算部、45…危険判断部、46…駆動
力制御部、50…信号制御装置、59,59a,59
b,59c,59d…信号機、60…交通流予測装置、
61…ニューラルネット、70…交通管制センター。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G08G 1/16 G01S 13/91 Z (72)発明者 萱野 光男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高野 和朗 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一以上の車両が走行している道路上の交通
    流を計測する交通流計測装置において、 前記道路上の特定領域に向かって電波を発信する電波レ
    ーダ発信機と、 前記発信機から発信された電波の反射波を受信する電波
    レーダ受信機と、 前記電波レーダ受信機で受信した反射波に基づいて、前
    記道路上の前記特定領域内の一以上の前記車両に関し
    て、該特定領域内の道路面を含む地面を基準とした座標
    系上における位置をそれぞれ求める演算手段と、 前記演算手段による演算結果の情報を出力する出力手段
    と、 を備えていることを特徴とする交通流計測装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の交通流計測装置において、 前記演算手段は、前記電波レーダ受信機で受信した反射
    波に基づいて、前記道路上の前記特定領域内の前記車両
    の台数を求めることを特徴とする交通流計測装置。
  3. 【請求項3】請求項1及び2のいずれか一項に記載の交
    通流計測装置において、 前記演算手段は、前記電波レーダ受信機で受信した反射
    波に基づいて、前記道路上の前記特定領域内の一以上の
    前記車両に関して、該特定領域内の道路面を含む地面を
    基準とした座標系上における速度をそれぞれ求めること
    を特徴とする交通流計測装置。
  4. 【請求項4】車両に設置され、該車両の現在地を地図と
    共に表示する車両用ナビゲーション装置において、 道路上を走行する自車両、及び該自車両の近傍を走行す
    る他車両の、それぞれの位置及び速度と、該位置及び速
    度を計測した計測時刻とを含む情報を受信する受信機
    と、 前記情報に含まれる各車両の計測時刻と該計測時刻にお
    ける各車両の位置及び速度とから、現時点の各車両の位
    置を求め、各車両の現在位置から前記自車両の現時点の
    位置を選び出す演算手段と、 各種道路地図を記憶している地図記憶手段と、 前記地図記憶手段に記憶されている前記道路地図のう
    ち、前記演算手段で求められた前記自車両の現在地が含
    まれる道路地図を表示すると共に、少なくとも前記自車
    両を該道路地図上の該自車両の現在地に表示する表示手
    段と、 を備えていることを特徴とする車両用ナビゲーション装
    置。
  5. 【請求項5】車両の駆動力及び/又は操舵角を自動制御
    する走行制御装置において、 道路上を走行する自車両、及び該自車両の近傍を走行す
    る他車両の、それぞれの位置及び速度と、該位置及び速
    度を計測した計測時刻とを含む情報を受信する受信機
    と、 前記情報に含まれる各車両の計測時刻と該計測時刻にお
    ける各車両の位置及び速度とから、現時点の各車両の位
    置を求め、各車両の現在位置から前記自車両の現時点の
    位置を選び出す演算手段と、 現時点における、前記自車両と前記他車両との相対位置
    及び相対速度が予め定められた危険条件を満たすか否か
    を判断する危険判断手段と、 前記危険判断手段により、前記自車両が危険条件を満た
    すと判断されると、現時点における、前記自車両と前記
    他車両との相対位置及び相対速度から、該自車両の駆動
    力及び/又は操舵角を制御する制御手段と、 を備えていることを特徴とする走行制御装置。
  6. 【請求項6】請求項5記載の走行制御装置において、 前記危険判断手段により、前記自車両が危険条件を満た
    すと判断されると、危険である旨の警報を発する警報手
    段を、 備えていることを特徴とする走行制御装置。
  7. 【請求項7】車両に設置され、該車両の回りの状況を提
    供する車両状況提供装置において、 道路上を走行する自車両、及び該自車両の近傍を走行す
    る他車両の、それぞれの位置及び速度と、該位置及び速
    度を計測した計測時刻とを含む情報を受信する受信機
    と、 前記情報に含まれる各車両の計測時刻と該計測時刻にお
    ける各車両の位置及び速度とから、現時点の各車両の位
    置を求め、各車両の現在位置から前記自車両の現時点の
    位置を選び出す演算手段と、 道路と共に前記自車両を表示すると共に、該自車両の近
    傍を走行する前記他車両を、現時点における該自車両に
    対する該道路上の相対位置に表示する表示手段と、 を備えていることを特徴とする車両状況提供装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の車両状況提供装置におい
    て、 現時点における、前記自車両と前記他車両との相対位置
    及び相対速度が予め定められた危険条件を満たすか否か
    を判断する危険判断手段と、 前記危険判断手段により、前記自車両が危険条件を満た
    すと判断されると、危険である旨の警報を発する警報手
    段と、 を備えていることを特徴とする車両状況提供装置。
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