JP2007183142A - 高耐熱・高速放射光モニター - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のブレード型検出素子を用いた放射光モニターは高速性に欠けるため、放射光のパルス性を利用する実験には対応することができなかった。
【解決手段】本発明の高耐熱・高速放射光モニターは、冷却用の無酸素銅製の台座上に誘電体プレートを接合させ、さらにその上に特性インピーダンスを信号ケーブルのそれに整合させた伝送線路を接合させることでマイクロストリップライン構造を構成し、その伝送線路を放射光ビームの受光面とすることで、光電子の放出による伝送線路上の電位の上昇をパルス信号として計測するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、高輝度放射光施設における超高輝度X線ビームに代表される放射光ビームを光電子放出の原理により電気信号に変換する検出素子を備えた、放射光ビームの計測、すなわち放射光ビームの位置、強度、及びそのタイミングを計測するためのマイクロストリップライン構造の高耐熱・高速放射光モニターである。
特に、本発明は、大強度の放射光位置モニターとして機能するのみでなく、パルス毎の放射光強度を計測するパルス強度モニター、放射光パルスが実験エリアに到達する時間の変動を計測するタイミングモニター、又はトリガー信号(電子回路の動作や状態を制御するために引き金として用いられるパルス信号)の発信機としても機能することができる。このように、本発明における、無酸素銅製台座上に誘電体プレートを接合させ、その上に伝送線路を接合し、その伝送線路を放射光ビームの受光面とし、放射光ビームからの光電子の放出による伝送線路上の電位の上昇をパルス信号として計測することからなるマイクロストリップライン構造の放射光モニターは、高輝度放射光を使用する施設において、光源の精巧な性能を活用する実験に対して不可欠な情報を与え、且つその利用実験技術の高度化の一躍を担うものである。
一般に、マイクロストリップライン構造の高周波回路素子は広く利用されているが、本発明におけるように、伝送線路を真空中に構成して光電子放出により光パルスを計測することはこれまで行われていない。従来、マイクロストリップライン構造をゲート素子や光変調素子として利用する装置、又は光伝導において信号検出原理とマイクロストリップライン構造を組み合わせた装置があるが、これらは本発明とは異なるものである。又、電子ビーム等の加速器に用いられるマイクロストリップライン構造のビームモニターもあるが、これは電磁誘電により誘起される信号を検知するものである点において、本発明とは相違する。
超高輝度放射光施設における放射光利用研究などの分野において、測定データの質を高めるために、挿入光源等から発生する放射光ビームの動態を実時間で計測し、その測定データに帰還させる必要性が益々高まってきている。特に、放射光のパルス性を利用する実験を遂行するためには、1〜数10GHzの帯域の処理能力が必要とされる。
従来、放射光ビームを光電子放出の原理により電気信号に変換する検出素子としては、タングステンの薄板をブレード形状に加工した素子(以下、ブレード型素子という)を放射光ビームに平行に配置することにより、放射光ビームによる検出素子の温度上昇を抑える方法が知られている。このブレード型素子は、例えば、図1Aのような厚さ0.3mm、長さ60mm、高さ20mmのタングステン1に、電気的絶縁と冷却のための熱的伝導を確保する目的で、厚さ0.1mmのセラミック溶射2が施されている。このセラミックが溶射された面の裏側の面に、図1Bのように信号読み取り用電極3を挿入し、固定用絶縁体4を用いて冷却用台座5に圧着させることで上記目的を達成させていた。
このような検出素子を用いたモニターとして、例えば、放射光位置モニターに用いられている。図1Cに示すように、4枚のタングステン・ブレード型素子を放射光ビーム7のプロファイルの上下左右に配置することにより、その4枚の素子からの信号比を位置情報とするものである。放射光ビームの水平位置X、及び鉛直位置Yは次式で表される。
Figure 2007183142
Figure 2007183142
ここで、IUL、IUR、ILL、ILRはそれぞれの左上、右上、左下、右下の検出素子の出力信号強度、Ax、Ayはそれぞれ水平方向、鉛直方向の位置感度係数である。
従って、例えば、信号強度(IUL、IUR、ILL、ILR)=(95μA、105μA、95μA、105μA)、水平方向の位置感度係数Ax=1.5mmの場合、水平方向の放射光ビーム位置は、0.075mmとなる。
即ち、信号強度の測定の分解能を10のマイナス4乗とした場合、計測位置の分解能として0.1μmが得られることになる。
このように従来のブレード型素子を用いた放射光モニターは、比較的簡素な構造で冷却のための熱伝達性を十分確保しており、かつ位置モニターとして構成した場合に高い位置分解能をもつものである。
しかしながら、上記のようなブレード型素子においては、耐熱性を高めるため、すなわち冷却効果を高めるためにブレード型素子のセラミック溶射部分の面積を広くすることが必要となり、逆に素子の浮遊電気容量を増やし、素子の時定数を引き伸ばす原因となっていた。例えば、図1Aに示したブレード型素子では、約数100pFの浮遊電気容量をもっているため、放射光ビーム検出信号のパルスの半値全幅は数10nsecに引き伸ばされていた。これは、信号処理能力の帯域として数10MHzに相当する。また、信号読み出し用ケーブルに裸線を用い、ケーブルのコネクタ部品等も、特性インピーダンスの不整合がみられるものである。結果として、従来のブレード型素子を用いた放射光モニターは高速性に欠けるため、放射光のパルス性を利用する実験には対応することができなかった。
一方、放射光ビームの直接的な計測は、検出素子の熱負荷が非常に高く、単位面積あたりの最大パワー密度が1kW/mm2を越える。従って、アバランシェ型フォトダイオード等の光計測の分野で通常採用される手法を使用することは不可能である。更に、放射光モニターは電子ビーム蓄積リングの近傍に設置されるため、耐放射線性能の観点からも検出素子として半導体等の電子素子を使うことは非常に困難である。
本発明の目的は、上述の従来の放射光モニターの欠点を解消し、検出素子の優れた耐熱性を失うことなく、信号計測の帯域を数G〜数10GHz広げることができるようにした放射光モニターで、位置の情報のみならず、パルス強度およびタイミングの情報も計測することができる技術を提供しようとするものである。
現在、高輝度放射光施設では、電子蓄積リングの電子ビームのバンチ間隔(放射光ビーム取り出し間隔に対応)及びバンチ電流値(放射光パルスの強度に対応)は、放射光ビームの使用者の要求に応じて任意に調整できるようになっている。しかし、マスク、フィルター、分光器等で加工される前の放射光ビームを直接観測することによりパルス毎の放射光ビームの強度、タイミング及び位置を測定することができていない。本発明は、蓄積リングの基幹チャネルにおいて光パルス毎の計測が可能な放射光ビームの強度、タイミング及び位置を計測するモニターを可能にするものである。本発明のモニターにおいては、ストップライン構造部の熱を除去するために、電気的に絶縁で、且つ熱伝導率が高いセラミック材料である窒化アルミニウム等をモニター材の一部として使用することにより基幹チャネルで使用できる放射光モニターを得ることができた。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターは、冷却用の無酸素銅製の台座上に誘電体プレートを接合させ、さらに該誘電体プレート上に、特性インピーダンスを信号ケーブルのインピーダンスに整合させた伝送線路を設けることでマイクロストリップライン構造を構成し、前記伝送線路を放射光パルスビームの受光面とすることを特徴とする。本発明では、伝送線路のパルス信号を伝わり易くするために、伝送線路の特性インピーダンスを信号ケーブルのインピーダンスと同じ値に整合されている。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、前記伝送線路が光電子の変換効率の高い金属又は半導体から成ることを特徴とする。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、前記マイクロストリップライン構造を、グランド付きコプレーナ線路構造等のその他の伝送線路の構造に置き換えることを特徴とする。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、前記誘電体プレートが酸化アルミニウムセラミックス、窒化アルミニウムセラミックス若しくはその他のセラミックス、又は熱伝導率の高い誘電体から成ることを特徴とする。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、前記誘電体プレートが炭化ケイ素又はその他の半導電体から成ることを特徴とする。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、前記無酸素銅製の台座を、銅タングステン、銅モリブデン又はその他の熱膨張率の低い金属に置き換えることを特徴とする。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、前記無酸素銅製台座と前記誘電体プレートの少なくとも一つに、溝又は無接合部を設けてロウ付け接合したことを特徴とする。
本発明の放射光モニターによる放射光ビームの強度等の計測は、次のとおりにして行われる。放射光ビームの強度(光子数)に比例して光電子の放出の数が増加する。この光電子は、物質に光を当てると光励起された物質内の自由電子が表面から真空中に放出される現象(光電効果)が起こり、その放出された電子である。この電子はマイナスの電荷を持つので、物質(受光面)の電位はプラス側に誘起され、受光面の電位は入射した光子の数に比例している。このようにして励起された電位は、パルス信号として本発明のモニターの伝送線路を伝播し、その高周波用同軸コネクタを介して計測される。したがって、放射光ビームのパルス強度は出力されたパルス波形の積分値、若しくは波高(パルスの最大電位)により知ることができる。
又、物質が光を受けて光電子を放出する現象は非常に短時間(フェトム秒のオーダー)で起こる。本発明のモニターは数十GHzの帯域を計測範囲としており、時間にすると数十ピコ秒であるので、放射光ビームのパルスのタイミング情報を十分保持したままパルス信号が出力されている。
更に又、放射光ビームの進行方向に垂直断面は一般的に楕円形状であり、光子の密度は中心部で高く、それを離れる程弱くなっている。そこで、モニターの受光面の位置を、放射光ビームの中心から少し離れたところに設定すると、放射光ビームが近づくとパルス信号の波高が高くなり、逆に離れるとパルス信号の波高が低くなる。したがって、例えば、放射光ビームの中心から少し離れた上下の位置に2つの受光面を設定すると、2つのパルス波高の比率から放射光ビームの鉛直方向の位置情報が得られる。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターは、冷却用の無酸素銅製の台座上に誘電体プレートを接合させ、さらに誘電体プレート上に、特性インピーダンスを信号ケーブルのインピーダンスに整合させた伝送線路を設けることでマイクロストリップライン構造を構成し、伝送線路を放射光パルスビームの受光面とすることから、放射光パルスビームからの光電子の放出による伝送線路上の電位の上昇をパルス信号として計測することができ、放電光パルスビームの位置、強度及び実験エリアに到達する時間を計測することができる。
また、無酸素銅製台座により、高耐熱・高速放射光モニターの冷却効果を高めることができる。
以上の結果、これまで不可能であった高いパワー密度をもつ放射光ビームをパルスの状態で計測が可能となり、ビームの位置、強度、タイミングの情報を提供することができる。構造が簡素であるため、様々は放射光施設の放射光ビームラインに適応させるための構造の変更を容易に行うことができる。また、放射光施設以外の光パルス計測にも適用することができる。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、伝送線路が光電子の変換効率の高い金属又は半導体から成ることによって、出力信号の強度を調整することができる。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいては、マイクロストリップライン構造を、グランド付きコプレーナ線路構造等のその他の伝送線路の構造に置き換えることもできる。短冊形の伝送線路が誘電体プレート上に単独で設けられたマイクロストリップライン構造では誘電プレート上の帯電による放電現象が起こりうるが、例えば、誘電体プレートがグランド電極で覆われたグランド付きコプレーナ線路構造とすることにより、誘電プレート上の帯電による放電現象を防止することが出来る。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいては、誘電体プレートが酸化アルミニウムセラミックス、窒化アルミニウムセラミックス若しくはその他のセラミックス、又は熱伝導率の高い誘電体から成ることから、熱伝導率に優れたセラミックス製等の誘電体プレートにより、高耐熱・高速放射光モニターの冷却効果をさらに高いものとすることができる。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、誘電体プレートが炭化ケイ素又はその他の半導電体から成る。例えば、その材料として抵抗率が約105Ωcmの半導電体である炭化ケイ素等を選ぶことにより、帯電による放電現象を防止することができる。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、無酸素銅製の台座を、銅タングステン、銅モリブデン又はその他の熱膨張率の低い金属に置き換えることにより、台座の熱膨張率が誘電体プレートの熱膨張率に近くなり、台座と誘電体プレートとをロウ付け接合させても、ロウ付け後に誘電体プレートに作用する台座との熱膨張差による応力が小さくなる。これにより、誘電体プレートの割れや台座との接合界面に剥がれを生じさせることなく強固にロウ付け接合させることができる。
本発明の高耐熱・高速放射光モニターにおいて、好ましくは、前記無酸素銅製台座と前記誘電体プレートの少なくとも一つに、溝又は無接合部を設けてロウ付け接合することにより、台座と誘電体プレートとの接合長さを短くすることができ、ロウ付け接合後に誘電体プレートに作用する台座との熱膨張差による応力を軽減でき、誘電体プレートの割れや台座との接合界面に剥がれを生じさせることなく強固にロウ付け接合させることができる。
図2Aは、本発明による高耐熱・高速放射光モニターの第一の例である。放射光モニターは、受光面としての伝送線路11、誘電体プレート12としての窒化アルミニウム、台座13、超高真空側から大気側への信号取り出しのための高周波用同軸コネクタ14、及び真空容器への接合の際の溶接しろである低熱膨張金属15から構成されている。
伝送線路11の幅、誘電体プレート12の厚さなどの形状を変更することにより、特性インピーダンスを整合させたまま受光面のサイズを自由に設計することができるため、出力信号の強度を調整することができる。伝送線路11の幅W、誘電体の厚さTなどの形状を求める計算式は良く知られており、例えば特性インピーダンスを50Ω、誘電体プレートの誘電率を8〜9に選んだ場合、伝送線路11の幅W=1.5mm、誘電体12の厚さT=約2mmとすることができる。ここでは、高周波用同軸コネクタ14につながる同軸構造の中心導体の直径と伝送線路11の幅が一致するように選ぶことにより、信号特性を向上させている。
また、台座13を超高真空対応の容器に接合することにより、放射光ビームラインに設置することができる。
図示しないが、伝送線路11の片側をインピーダンス整合の取れた抵抗器で終端することにより、反射によるパルスの二重計測を防ぐことができる。また、片側を開放端とすることにより、従来どおりの直流電流としての信号も計測することができる。
この高耐熱・高速放射光モニターに長さが決められたケーブルを接続することで、放射光タイミングモニターとして機能させることができる。
本発明による放射光モニターで用いられる信号の発生と伝送の手法は、光電子放出によって発生するパルス信号を、直接マイクロストリップライン構造の伝送線路上を伝送させて読み出すというものである。従来のゲート素子、高速スイッチング制御、高速変調素子等の装置のマイクロストリップライン構造は、伝送線路上に制御信号を伝送させ、高速の電子回路を構成することが主な目的であったため、本発明のマイクロストリップライン構造はこれとは根本的に異なるものである。
図2Bの第二の例に示すような横方向から高周波用同軸コネクタ14を接続する構造とすることで、特性インピーダンスの観点から、平面構造の伝送線路11と同軸構造の高周波用同軸コネクタ14の接合点がより滑らかになるため、信号特性を向上させることができる。
図3の第三の例に示すように、特に高いパワー密度をもつ放射光の計測においては、斜めに加工した受光面16を備えることで、放射光ビーム7と受光面16の角度を斜めにすることができ、熱負荷が軽減され耐熱性を向上させ、出力信号の強度調整をすることができる。また、同じ目的で受光面16を曲面に加工することもできる。
図4の第四の例に示すように、第三の例に示した放射光モニターを複数台用いて、一つの放射光ビーム7の中心軸からずれた位置に対称に配置することにより、高速放射光位置モニターとして機能させることができる。図4に示された放射光ビーム7は、紙面に対して垂直で表から裏の向きに進行している。また、複数の伝送線路を、一組の誘電体プレート及び冷却用台座の上に設けることもできる。
図6の第五の例に示すように、台座13に溝17を設けることにより、台座13と誘電体プレート11との接合長さを短くすることができ、ロウ付け接合後に誘電体プレート11に作用する台座13との熱膨張差による応力を軽減でき、誘電体プレート11の割れや台座13との接合界面に剥がれを生じさせることなく強固にロウ付け接合させることができる。また、ロウ付け接合により、誘電体プレート11と台座13との接合を信頼性の高いものとすることができる。
第5の例に係る装置により観測されたパルス波形を図7に示す。電子ビームの特定の孤立バンチに由来する放射光パルスを観測したもので、半値全幅として約0.3ナノ秒の値が得られた。なお、観測に用いたのは、帯域50GHzのサンプリングオシロスコープである。グラフには示していないが、観測されたパルス波形の波高は放射光のパルス強度に相関のある電子ビームのバンチ電流値に比例すること、観測されたパルス波形のタイミングは電子ビーム加速のシンクロナス位相の変化に相当すること、及び観測されたパルス波形の波高は放射光モニターと放射光ビーム軸の距離にともない変化することが実験データとして得られた。これらの実験データは、本発明による放射光モニターが、パルス強度モニター、タイミングモニター、及びパルス毎の位置モニターとして機能することを示すものである。
本発明による高耐熱・高速放射光モニターを強度モニター、もしくはタイミングモニターとして構成する際の全体装置の例を図5に示す。この装置は偏向電磁石からの放射光ビーム7の計測を目的としたもので、放射光ビーム7のプロファイルの水平方向分布は一様であるという性質から、伝送線路11は鉛直方向に配置させ、ビームの鉛直方向の変動に対して感度をなくすことにより、より正確に強度およびタイミングを計測できるようにした放射光モニター100である。
放射光モニター100の上流側には入射放射光の開口を制限するマスク101を備えることにより、不必要なビームプロファイルの縁を切り落としている。
マスク101には、それが一部の放射光ビームの照射に曝されて温度が上昇するので、それを冷却するための水冷管103が設けられている。本発明の放射光モニター100は、高真空に維持された長い放射光通路の必要箇所に挿入された真空容器104の中央部に設けられる。又、この真空容器には、その両端にベローズ107が設けられているので、真空容器に結合して設けられた位置調整用可動台105を上下左右に動かすことにより放射光モニター100の水平方向及び鉛直方向の位置を調整することができる。放射光モニター100には、それに隣接して光電子収集用電極102が配置されており、この電極に光電子を収集するための電圧が電圧導入端子106から印加される。
本発明は、放射光ビームを光電子放出の原理により電気信号に変換する検出素子を備えた放射光モニターであり、放射光ビームの位置、強度、及びそのタイミングを計測することができるものである。したがって、世界中の放射光施設で使用されると期待されるものであり、又広く一般にも利用されるものである。
Aは、セラミック溶射が施された従来のタングステン・ブレード型素子を示す模式図である。Bは、従来のブレード型素子を、信号読み取り用電極を挟み込んで固定した模式図である。Cは、従来の4枚のブレード型素子を用いて位置モニターを構成したときの模式図である。 Aは、本発明の第1の例に係る放射光モニターの模式図である。Bは、本発明の第2の例に係る放射光モニターの模式図である。 本発明の第3の例に係る放射光モニターの模式図である。 本発明の第4の例に係る複数台から構成される放射光モニターの模式図である。 本発明に係る放射光モニターを設けた計測装置の例の全体図である。 本発明の第5の例に係る放射光モニターの模式図である。 本発明の第5の例に係る放射光モニターを組み込んだ計測装置により観測されたパルス波形である。
符号の説明
1…タングステン、2…セラミック溶射、3…信号読み出し用電極、4…固定用絶縁体、5…冷却用台座、6…固定用ネジ、7…放射光ビーム、11…伝送線路、12…誘電体プレート、13…台座、14…高周波用同軸コネクタ、15…低熱膨張金属、16…斜めに加工した受光面、17…溝、100…放射光モニター、101…マスク、102…光電子収集用電極、103…水冷管、104…真空容器、105…位置調整用可動台、106…電圧導入端子、107…ベローズ

Claims (7)

  1. 冷却用の無酸素銅製の台座上に誘電体プレートを接合させ、さらに該誘電体プレート上に伝送線路を設け、その伝送線路の特性インピーダンスを信号ケーブルのインピーダンスに整合させることでマイクロストリップライン構造を構成し、前記伝送線路を放射光パルスビームの受光面とすることを特徴とする高耐熱・高速放射光モニター。
  2. 前記伝送線路が光電子の変換効率の高い金属又は半導体から成ることを特徴とする請求項1に記載の高耐熱・高速放射光モニター。
  3. 前記マイクロストリップライン構造を、グランド付きコプレーナ線路構造等のその他の伝送線路の構造に置き換えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高耐熱・高速放射光モニター。
  4. 前記誘電体プレートが酸化アルミニウムセラミックス、窒化アルミニウムセラミックス若しくはその他のセラミックス、又は熱伝導率の高い誘電体から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高耐熱・高速放射光モニター。
  5. 前記誘電体プレートが炭化ケイ素又はその他の半導電体から成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高耐熱・高速放射光モニター。
  6. 前記無酸素銅製の台座を、銅タングステン、銅モリブデン又はその他の熱膨張率の低い金属に置き換えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の高耐熱・高速放射光モニター。
  7. 前記無酸素銅製台座と前記誘電体プレートの少なくとも一つに、溝又は無接合部を設けてロウ付け接合したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の高耐熱・高速放射光モニター。
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