JPH08279624A - 放射光位置モニター - Google Patents

放射光位置モニター

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JPH08279624A
JPH08279624A JP8288095A JP8288095A JPH08279624A JP H08279624 A JPH08279624 A JP H08279624A JP 8288095 A JP8288095 A JP 8288095A JP 8288095 A JP8288095 A JP 8288095A JP H08279624 A JPH08279624 A JP H08279624A
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JP
Japan
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diamond
emitted light
monitor
radiation
position monitor
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JP8288095A
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Hideo Kitamura
英男 北村
Hisaharu Sakae
久晴 栄
Yoshiyuki Yamamoto
喜之 山本
Keiichiro Tanabe
敬一朗 田辺
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IHI Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
IHI Corp
Sumitomo Electric Industries Ltd
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【目的】新規な放射光位置モニターを提供する。 【構成】少なくともダイヤモンド板及び該ダイヤモンド
板に配置された複数の金属膜プローブからなり、放射光
に垂直に配置できることを特徴とする放射光位置モニタ
ー。特に好ましくは中央に穿孔または膜厚の薄い部分を
有する。 【効果】耐熱、耐放射線性に優れ、高速応答、高感度
で、しかもビームラインへの設置、調整、補修も非常に
簡便である。高強度、高熱伝導性、耐放射線性を利用し
て窓材併用の用途や放射光以外の放射線モニターにも利
用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SORビーム等の放射
光の位置を検出するための放射光位置モニターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】放射光とはSORビームなど、電子加速
器加速された電子から軌道の接線方向に放射される電磁
波であり、波長連続で軌道面内に偏光した電気ベクトル
を有し、非常に強度が大きい。また波長連続であるので
可視光から硬X線にわたる分光、回折実験に理想的な光
であり、この種の実験設備では放射光を精度よく導入測
定および調整するために、放射光位置モニターは必須の
装置である。現在までに発表されている放射光位置モニ
ターとしては次の5種類が挙げられる。蛍光板上の蛍
光像の画像解析によるモニター、チョッパー型モニタ
ー、2分割陰極型イオンチャンバー、蛍光X線を利
用したモニター、光電子放出を利用したモニター。上
記〜に関しては、特定の条件下、例えばビームを大
幅に遮るとか、ビームラインの真空に挿入できないなど
の問題があるため特定の条件下でのみビームラインに挿
入できる。
【0003】蛍光板上の蛍光像の画像解析によるモニ
ター ビームラインの放射光の一部を蛍光板で受けて、その蛍
光をTVカメラによって観察し、画像解析にかけて放射
光の位置をみようというものである。蛍光体の粒度、カ
メラレンズの拡大率、TVカメラのCCD画素数などで
制限され、位置分解能を50μmよりもよくすることは
難しい。
【0004】チョッパー型モニター 適当な蛍光体を塗ったリードを放射光の中で高速に振動
させて、光位置を観測するモニターである。
【0005】2分割陰極型イオンチャンバー イオンチャンバーの陰極をその対角線に沿って2つの直
角三角形に分割した構造をしている。このモニターでは
放射光が陰極と陽極の間を通過するときにできるイオン
を上下に分割された陰極に集光し、放射光が動くと、2
つの陰極に流れ込むイオン電流に差ができることによ
り、放射光の位置を測るものである。イオン電流を読み
出すために、陽極に数百Vの電圧をかける。このモニタ
ーの問題点は、その感度がチャンバーの中に流すガス
(通常はHe ガス)の流量に大変敏感であることが挙げ
られる。ところで、放射光のビームラインは、加速リン
グをはじめとして基本的に高真空を必要とするため、位
置モニターもその高真空を保持したまま使用することが
前提となる。このモニターは、ガスを使用する関係上、
ビームラインにそのまま挿入することはできず、ビーム
ラインに本来不要な真空隔壁を新たに設けねばならず、
リーク等の問題も発生しやすくなるため、高真空を要す
るビームラインのモニターとしてはあまり用いられてい
ない。
【0006】蛍光X線を利用したモニター Ta(タンタル)製のターゲットをビームラインの中に
設置して、このターゲットからの2次蛍光X線をシンチ
レーションカウンターで観測して放射光位置を測定する
というものである。このモニターは光ビームをかなり遮
るという問題がある。
【0007】光電子放出を利用したモニター 光電子放出を利用したモニターは低真空から高真空まで
の真空に引かれたビームラインに直接挿入でき、VUV
領域から、高エネルギーX線領域までの広い波長領域に
感度があり、安定度、位置分解能、ダイナミックレンジ
の点でも優れているので、何種類かのタイプのものが開
発され、広く使用されている。金属表面での光電子放出
の量子効率はあまり大きくなく、金属表面への直入射
で、数%オーダーの大きさである。金属には、W,Mo
などが用いられる。
【0008】挿入光源用の放射光位置モニターとして
は、の光電子放出を利用したものがほとんどであり、
放射光の端の裾野の部分に光電極を配置する。このた
め、どうしても偏向電磁石からの放射光によるバックグ
ラウンドの影響を受けやすい。また、上流のモニターの
ブレードの作る影が下流のモニターに影響を及ぼすとい
う欠点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】挿入光源用の放射光位
置モニターとしては、以下のような性能を持つことが要
求されている。 1)サブミクロンレベルの高い位置分解能が得られるこ
と。 2)高い真空中に設置することが可能であること。 3)熱伝導率がよく、高熱負荷に耐えられること。 4)放射光に対する応答速度の早いこと。 5)耐放射線性を有し、長期間安定に動作できること。
【0010】従来主に用いられている金属ブレードによ
る光電効果を利用した放射光位置モニターでは、使用時
にブレードも放射光にさらされ、非常な高温となる。そ
こで、高融点金属を使用し、側面を強制水冷するなどの
放熱手段を講じて、ブレードの損傷を防ぎ、放熱効率を
増大させる改良が行われている。しかし、近年、放射光
発生装置の出力の増大に従い、従来の金属ブレードを用
いた放射線位置モニターでは、熱的に耐えられなくなっ
てきている。本発明は、上述した従来装置の問題点を解
消し、しかも要求される特性を満足して、大出力の放射
光の位置を、高精度、高速に測定し、かつ安定に動作す
るとともに製造コストも低減された放射光位置モニター
を提供することを目的とするものである。
【0011】上記課題を解決する手段として、本発明は
少なくともダイヤモンド板及び該ダイヤモンド板に配置
された複数の金属膜プローブからなり、放射光に垂直に
設置できることを特徴とする放射光位置モニターを提供
する。本発明においては、前記ダイヤモンド板が気相合
成ダイヤモンドからなることが特に好ましい実施態様と
して挙げられる。また、本発明においては、前記気相合
成ダイヤモンド板が多結晶ダイヤモンドからなることも
特に好ましい実施態様として挙げられる。さらに、本発
明においては、前記ダイヤモンド板が中央に穿孔または
膜厚の薄い部分を有してなることが他の特に好ましい実
施態様として挙げられる。さらにまた、本発明におい
て、前記金属膜プローブが、Al,CuまたはBeのう
ちの1種からなることが特に好ましい。
【0012】
【作用】本発明者らは、物質中最大の熱伝導率をもち、
耐放射線能力も高いダイヤモンドに着目し、これを放射
光位置モニターに利用することを考えつき、様々な構造
のモニターを試作し、試験、検討を重ねた結果、非常に
簡便に安価に作成できるため製造コストを低減でき、そ
の使用も簡便でありながら安定に作動でき、高精度な装
置である放射光位置モニターを発明することができた。
本発明は放射光に対し垂直に設置されるダイヤモンド板
及び該ダイヤモンド板の少なくとも一方の面に配置され
た複数の金属膜プローブおよび集電極からなり、放射光
検出器として働き、放射光の位置を検出するものであ
る。集電極は複数であっても1個でもよい。
【0013】図1は本発明の一具体例を説明する概略説
明図、図2は本発明の放射光位置モニターの作用を説明
する模式図、図3は本発明の放射光位置モニターの実施
の態様を示す概略説明図である。図1において、1はダ
イヤモンド板、2は穿孔、3と3′はそれぞれ対をなす
金属膜プローブの組である。このような放射光位置モニ
ターを製造するには、まず平板状のダイヤモンド板(ダ
イヤモンド自立膜)1を用意し、その表裏に金属膜プロ
ーブ3,3′を配置する。このとき、表裏同一の位置に
金属膜プローブを形成することが好ましい。図2に示す
ようにこの金属膜プローブに放射光が照射されると、光
電効果により電子が表面より放出される。金属膜プロー
ブに対して正の電位を持った集電極を適当な位置に配置
しておくと、これが飛びだした電子を捕獲し、放射光検
出素子として機能する。放射光の位置をモニターするた
めにはダイヤモンドの片面に最低限2個の金属膜プロー
ブ及び集電極が必要であり、好ましくは片面に4個以上
である。各々の検出素子の出力の大小から放射光の重心
を算出することができる。また、金属膜プローブ及び集
電極は、ダイヤモンド板の片面にのみ配置してもよい。
ここで、集電極として特段のものを設けなくとも、金属
膜プローブをアースに対して負の電位を持つようにし、
真空系の金属配管等を設置して測定回路を組んでもよ
い。
【0014】このように、金属膜プローブを複数有する
ダイヤモンド板を図2に示すように放射光ビームに垂直
に配置し、集電極に対し正の電圧を印加しておく。加速
リングからの放射光が金属膜プローブを照射して発生し
た光電子による電流を検出する複数の放射光検出素子と
して機能し、各々の検出素子の出力の大小から、放射光
の重心を算出することができ放射光位置モニターとして
使用することができる。即ち、図3に示すように電極に
取り付けたリード線より演算装置に信号を送り、該演算
装置において放射光の重心を算出し、得られた結果を放
射光源の電子軌道補正装置にフィードバックして放射光
の位置を精密に制御できる。
【0015】従来の光電効果を利用する放射光位置モニ
ターでは、ブレード状に加工された複数枚の金属板を放
射光に平行に設置する。しかし、近年の放射光の高輝度
化にともない放射光が何らかの要因でずれた場合にブレ
ードが損傷を受けること、また金属板により放射光が遮
られてしまうということが問題となってきている。
【0016】一方、本発明では金属膜を複数配置したダ
イヤモンド板を放射光に垂直に配置するが、ダイヤモン
ド板に金属薄膜を形成した本発明の構造によれば、垂直
に配置してもダイヤモンドが非常に高熱伝導率を有しか
つ耐放射線能力が高いため、損傷は非常に起こりにくく
なる。また、ダイヤモンドは放射光の透過率が高く、放
射光の減衰が小さくなる。さらに、本発明では複数の放
射光検出素子を単一のダイヤモンド基板上に形成した一
体型構造を有しているので、素子を別々のダイヤモンド
板上に作成してこれを複数個用いる構造に比較し、製造
コストが低減され、かつビームラインへの設置、調整、
補修が非常に簡便である。
【0017】以下に更に詳細に本発明を説明する。本発
明に用いる金属膜プローブの金属は、耐放射線能力が高
く、また室温から1000℃の範囲で真空中で安定であ
ることが望ましく、また熱伝導率が大きい物質がよい。
例えば、Al,Cu,Be,W,Mo等が挙げられ、特
に好ましくはAl,Cu,Beの内から選ばれる。膜厚
は、厚すぎるとダイヤモンドに熱を伝えにくくなり、ま
た薄すぎても剥離等の問題が生じやすい。そこで0.1
μm〜10μm程度が適当である。金属膜プローブはで
きるだけ放射光の中心に近づけて配置することが好まし
いが、あまり近づけすぎることも損傷の恐れがあり好ま
しくない。各々のプローブの分割幅(間隔)は、狭すぎ
ると放射光検出素子同士が相互作用を及ぼし、正確に位
置を測定できないが、広すぎるとまた面積が稼げず検出
感度が落ちてしまう。モニターの大きさにもよるが、
0.5μm〜2mm程度が適当である。
【0018】放射光の位置をモニターするためには、最
低限片面に2個の金属膜プローブが必要である。x,y
方向の位置を特定するためには、例えば図5に示すよう
に放射光の光路の中心に対称に4個以上の金属膜プロー
ブがあることが好ましく、上記の間隔を持ってできるだ
けモニター表面を広く覆うように配置することが適当で
ある。
【0019】本発明の放射光位置モニターに用いるダイ
ヤモンド板は、具体的な形状は設置するビームラインの
形状に合わせる必要があるが、通常は直径10mmφ以
上の平板型のダイヤモンドが要求されるため、人工の高
温・高圧合成ダイヤモンドや、天然産ダイヤモンドでは
形状的に無理があり、例え得られたとしても非常に高価
なものとなる。これに対し、気相合成法により合成され
るダイヤモンドは大面積のものが安価に作成できる点で
有利である。また、ダイヤモンド板は単結晶ダイヤモン
ドでもよいが、多結晶ダイヤモンドでも使用できる。コ
スト的には多結晶ダイヤモンドが安価であるが、単結晶
ダイヤモンドと多結晶ダイヤモンドを併用することも可
能である。前記のようにダイヤモンド形状はモニターと
して設置されるビームラインの形状に合わせる必要があ
るため、通常10mmφ以上の平板である。放射光がダ
イヤモンド、金属膜に照射されることにより熱を発生す
るが、これをモニターの端部から逃がす必要がある。厚
さは少なくとも10μm以上が好ましく、より好ましく
は50μm以上である。厚くなりすぎると高価になるの
で、コストの面から1mm以上は好ましくない。最も適
当な厚さとしては50〜400μmが挙げられる。
【0020】本発明に用いるダイヤモンド板を気相合成
により合成する方法としては、この種分野において公知
のいずれの方法によってもよい。また、成長させる際の
基板としてはSi,Mo,SiCなどを使用することが
できる。
【0021】通常、モニターは放射光がモニターの中心
を通過するように設計され、モニターを設置することに
より放射光は減衰及び散乱,屈折するため、できるだけ
その影響を小さくする必要がある。放射光の大部分が通
過する部分に貫通孔を設けることにより、モニター設置
の影響を最小限に抑えることができ、かつモニター自体
にかかる熱負荷も同様に最小限に抑えることができる。
放射光は、ある広がりを有してして、その幅は光源及び
モニターが設置される位置に依存する。どの程度の孔を
あければよいかはこの放射光の広がりに依存するが、
0.5〜2mmφ程度が適当である。この孔はマスク等
を利用した選択成長で開けることができる。また孔を開
けるかわりに、該当する部分のダイヤモンド板厚を薄く
することも有効である。薄くする部分のダイヤモンドの
板厚は、使用条件と薄くする部分の径によって異なる
が、強度面から10μm以上が必要である。また、薄く
する部分は0.5〜2mmφ程度が適当である。このよ
うな薄膜にすることにより真空隔壁のある位置モニター
としての使用が考えられる。
【0022】プローブとしての金属薄膜は、上記の穿
孔、あるいは厚さを薄くする部分にほぼ接するように配
置すると最も感度を高くすることができる。このような
構造をとることにより、金属の損傷を格段に抑えつつ、
かつ感度,精度を高くすることができるが、金属薄膜の
損傷が著しい場合は、いくらか外周方向にずらしてもよ
く、その場合でも従来のモニターより感度,精度の向上
が認められる。信号取り出し用金属電極は、高温で安定
でありまた、耐放射光能力のできるだけ高いものが適当
である。例えばTi,Mo,Au,Ni,Pt,Ta,
Cr等が挙げられる。真空蒸着法など公知手段により、
金属膜プローブ上で放射光の中心から最も遠い位置に取
り付けることが望ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 〔実施例1〕φ20mm×2.5mmtのSi基板上の
中心上に直径1mmφのTi薄膜を0.5μm厚さに予
め成長させておいた。該Si基板のTi薄膜を設けた側
の表面に、マイクロ波プラズマCVD法によりダイヤモ
ンドを260μm厚さに成長させた。原料として、1.
5%CH4 −H2 混合ガスを250sccm、Arガス
を45sccm供給し、圧力80Torr、基板温度9
00℃、マイクロ波出力は800Wで、140時間成長
させた。ダイヤモンド成長後、Si基材,Ti膜を溶解
除去し、その中心に直径1mmφの孔2が開いたφ20
mm×t0.26mmのダイヤモンド多結晶(抵抗率:
3.3×109 Ωcm)を得た〔図5の(a) 〕。この
後、メタルマスクを用いた選択的な真空蒸着により、金
属膜プローブ3,3′としてAlを図5の(b) のよう
に、該ダイヤモンド板1の表,裏両面に1.5μm蒸着
した。さらに信号取り出し用電極4(4′),5
(5′),6(6′),7(7′)をTi/Pt/Au
の積層で各Al薄膜上に1個ずつ配置した〔図5の(c)
〕。
【0024】上記のようにして作製したダイヤモンド放
射光位置モニター(20mmφ×0.26mmt)を、
図3に示すようにビームラインに設置した。このモニタ
ーは図4に示すように合計4個のAl薄膜(金属膜プロ
ーブ3)と、外部に設置された集電極により4個の放射
光検出素子3−1,3−2,3−3および3−4を構成
している。金属膜プローブ3と集電極間に電圧を印加
し、この4個の放射光検出素子の出力からビームの位置
ぶれを検出する。通常は中央部に約1mmφのビームが
図1において紙面に垂直な方向に入射するが、ビームが
中心からずれた場合、上記各ブレードに流れる電流値が
変化し、以下の数1の式により重心を求めることによっ
てビームの位置(ずれ)を検出することができる。
【数1】 X=((I1 +I2 )−(I3 +I4 ))/(I1 +I2 +I3 +I4 ) Y=((I1 +I4 )−(I2 +I3 ))/(I1 +I2 +I3 +I4 ) なお、数1の式においてIiはi番目の放射光検出素子
の出力電流を表す。ビームの位置ずれが検出されると、
その信号をアンジュレーター側にフィードバックするこ
とによりビームの位置補正が可能となる。
【0025】本実施例における放射光施設、挿入光源の
仕様は、電子ビームエネルギー:6.5GeV、電子ビ
ーム電流:50mA、光源:アンジュレーター、フラッ
クス密度:〜1×1016photons/s mrad 2
0.1%b.w.であった。この光源のビーム位置モニター
を行い出力値をアンジュレーターにフィードバックする
ことにより非常に高速にビーム位置を制御することが可
能であった。さらに、放射光の殆どはモニター中央に貫
通した孔の中を通過するため、モニターの後方でもその
パワーの減衰は少なく、またモニターの下流側への散乱
等も認められなかった。3週間の使用の後も検出感度、
位置制御性に変化はなく、装置から取り出してみたとこ
ろ、ダイヤモンド,金属電極ともに放射光による損傷は
ほとんど認められなかった。
【0026】〔比較例1〕図6の(a),(b) に概略断面図
を示す従来のW(タングステン)による四ブレードの放
射光位置モニターを用いて、上記実施例1と同様の条件
でモニターしてみたところ、感度、位置検出精度、検出
速度のいずれについても本発明品の方が高性能であっ
た。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は耐熱、耐
放射線性に優れ、高速応答、高感度でしかも製造が容易
で安価な放射光位置モニターであり、しかもビームライ
ンへの設置、調整、補修も非常に簡便である。ダイヤモ
ンドとして気相合成多結晶ダイヤモンドを使用すれば、
一層の製造コスト低減を実現できる。また、本発明の放
射光位置モニターは、ダイヤモンドの高強度、高熱伝導
性、耐放射線性を利用して窓材を併用した用途において
の使用も有効であるし、放射光以外の放射線モニターと
しての利用も勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の放射光位置モニターの一具体例を概
略説明するための俯瞰図及び断面図である。
【図2】は本発明の放射光位置モニターの光電効果によ
り放射光を検出するメカニズムを説明する模式図であ
る。
【図3】は本発明の放射光位置モニターをビームライン
に設置して放射光をモニタする構成の一例を示す概略説
明図である。
【図4】は本発明の放射光位置モニターの一具体例を概
略説明するための俯瞰図である。
【図5】は本発明の放射光位置モニターをその製造工程
から説明した概略図である。
【図6】は比較例1で用いた従来のWによる四ブレード
の放射光位置モニターの概略断面図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンド板 2 穿孔 3,3′ 金属膜プローブ 4,4′ 信号取り出し用電極 5,5′ 信号取り出し用電極 6,6′ 信号取り出し用電極 7,7′ 信号取り出し用電極 8 従来のWを用いた四ブレードの放射光位置モニター
フロントページの続き (72)発明者 栄 久晴 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 山本 喜之 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 田辺 敬一朗 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともダイヤモンド板及び該ダイヤ
    モンド板に配置された複数の金属膜プローブからなり、
    放射光に垂直に設置できることを特徴とする放射光位置
    モニター。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンド板が気相合成ダイヤモ
    ンドからなることを特徴とする請求項1記載の放射光位
    置モニター。
  3. 【請求項3】 前記気相合成ダイヤモンドが多結晶ダイ
    ヤモンドからなることを特徴とする請求項2記載の放射
    光位置モニター。
  4. 【請求項4】 前記ダイヤモンド板が中央に穿孔または
    膜厚の薄い部分を有してなることを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載の放射光位置モニタ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記金属膜プローブが、Al,Cuまた
    はBeのうちの1種からなることを特徴とする請求項1
    ないし請求項4のいずれかに記載の放射光位置モニタ
    ー。
JP8288095A 1995-04-07 1995-04-07 放射光位置モニター Pending JPH08279624A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007099973A1 (ja) 2006-03-02 2007-09-07 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho ビーム検出部材およびそれを用いたビーム検出器

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