JP2007182625A - 耐パウダリング性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐パウダリング性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板を提供すること。
【解決手段】本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、Fe−Zn合金めっき層を少なくとも素地鋼板の片面に有し、前記めっき層の表面からめっき層深さ方向に300Å以上の厚みで、Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域が存在するものであり、用いる素地鋼板としては、所定の化学成分組成を満たし、鋼中組織が、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトの母相組織と、残留オーステナイトの第2相組織とを含む複合組織鋼板が例示される。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板、およびこうした鋼板を製造するための有用な方法に関するものである。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板(以下、「GA鋼板」と省略することがある)は、溶融亜鉛めっき鋼板(GI鋼板)を加熱して素地鋼板中のFeをめっき層へ拡散させ、FeとZnを合金化することによって得られる。GA鋼板は、強度、溶接性、塗装後の耐食性などに優れるため、例えば、自動車の骨格部材(衝突時のエネルギーを吸収する役割を担うメンバーなど)などに使用されている。
このようなGA鋼板は、成形時にめっき層が粉状に剥離する、いわゆるパウダリングが問題になることがある。また近年、自動車用鋼板は、軽量化による燃費の向上、かつ衝突安全性の向上のために高張力化が図られている。この高張力化によりプレス時の成形条件が厳しくなるため、めっき層の受けるダメージがさらに大きくなり、パウダリングがより生じ易くなっている。
GA鋼板の耐パウダリング性を向上させるには、例えばFe−Zn合金めっき層中の鉄濃度を低くし、もろいΓ相を低減することなどが広く知られている。その他にも例えば特許文献1では、めっき層中のζ相、δ1相およびΓ相の量を調整すると共に、素地鉄(素地鋼板)界面でのΓ相の形成を抑制し、さらに表面粗度を低く抑えることにより、耐パウダリング性および耐フレーキング性を向上させ得ることが開示されている。しかしこれらの手段では、近年の高張力鋼板のめっき層に対して、耐パウダリング性の向上効果がまだ不充分である。
また特許文献2では、プレス成形性(プレス成形時の摺動性)および化成処理性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板として、めっき層表面に厚さ10nm(100Å)以上の酸化物層が形成された平坦部を有し、かつ前記平坦部表層におけるZn/Al比(原子%)が2.0〜8.0であるものを提示している。しかしながら、特許文献2の発明は、あくまでGA鋼板のプレス成形性および化成処理性を向上させることを目的とし、該発明は耐パウダリング性を考慮していない。
更に、特許文献2の発明において、プレス成形性を向上させる作用を有する厚い「酸化物層」とは、「Zn、Fe、Alおよびその他の金属元素の1種以上の酸化物および/または水酸化物などからなる層」を意味し、一方、該発明の「表層におけるZn/Al比」は、プレス成形性と化成処理性とを両立させるための酸化物層表層の凹凸の指標として用いられている。該発明において、この「Zn/Al比」は、あくまでめっき層平坦部における表層の値であり、「酸化物層」全体、即ち酸化物層の最深部までが、この比を有するとは考えられていない。即ち該発明は、「酸化物層」の厚さについては考慮しているが、その特定の「Zn/Al比」を有する領域の厚さについては何ら考慮していない。
ところで、自動車用鋼板においては、複雑形状のプレス加工が施されることが多いため、GA鋼板には加工性にも優れたものであることが要求される。
こうしたことからGA鋼板に用いられる素地鋼板としては、組織中に残留オーステナイト(以下、「残留γ」と記載することがある)を生成させ、この残留γが加工変形中に誘起変態(歪み誘起変態:TRIP)して優れた延性を発揮するTRIP鋼板が注目されている。TRIP鋼板の母相としては、例えば、ポリゴナルフェライトやベイニティックフェライトが代表的に挙げられ、そのほか、焼戻マルテンサイトや焼戻ベイナイトなども例示される。TRIP鋼板は、熱間圧延後の冷却速度を調整するなどして母相組織を導入し、次いでフェライト−オーステナイト2相域温度またはオーステナイト単相域温度から特定のパターンで冷却し、所定温度で加熱保持する(オーステンパ処理)ことによって残留γを導入している。
特許文献3には、ポリゴナルフェライトおよびベイニティックフェライトを母相組織とするTRIP鋼板が開示されている。この文献には、主に、GI鋼板について記載されており、残留γ中のC濃度(Cγ)はTRIP鋼板の特性に大きく影響し、Cγの含有量が多い程(例えば、Cγ≧0.8%)伸びなどの延性が向上することが記載されている。しかしながら、特許文献3には、GA鋼板については具体的に記載されていない。
特許文献4には、焼戻マルテンサイトおよびフェライトを母相組織とするTRIP鋼板が開示されており、GI鋼板およびGA鋼板の両方が例示されている。ここには、GA鋼板に関し、好ましい合金化温度は450〜600℃である旨記載されているが、残留γ中のC濃度(Cγ)については、何も記載されていない。
TRIP鋼板は、残留γによる優れた延性向上作用を利用するものであるが、オーステンパ処理によって生成した残留γは、合金化を適切に行わないと、セメンタイトとフェライトに変態し、GA鋼板中の残留γ量が低下するといった問題がある。即ち、GI鋼板では、残留γの生成により優れた強度−延性バランスが得られていたにもかかわらず、GI鋼板を合金化する過程で、GI鋼板中の残留γの一部が消失するため、GA鋼板では、所望とする強度−延性バランスが有効に発揮されない場合があるという問題を抱えている。
特許第2695259号公報 特開2002−302753号公報 特開2002−235160号公報 特開2005−146301号公報
本発明はこうした状況の下でなされたものであって、その主たる目的は、耐パウダリング性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板(殊に高張力鋼板)を提供することにある。また本発明の他の目的は、耐パウダリング性に優れると共に、優れた強度−延性バランスを発揮し得る高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板、およびこのような合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するための有用な方法を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板とは、Fe−Zn合金めっき層を少なくとも鋼板の片面に有するものであって、前記めっき層の表面からめっき層深さ方向に300Å以上の厚みで、Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域が存在することを特徴とする。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、めっき層表層がδ1相であることが好ましい。また本発明の好ましい合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき層が、Si系酸化物を含み、且つSiを0.1質量%以上含むものである。更に、素地鋼板中のSi含有量が0.3〜3.0%(「質量%」の意味。素地鋼板の化学成分組成については、以下同じ)であることも望ましい。
本発明の上記高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板においては、用いる素地鋼板として、C:0.05〜0.3%、Si:0.5〜3.0%、Mn:0.5〜3.5%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜2.5%を夫々含有すると共に、Si+Al:0.6〜3.5%を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなり、鋼中組織は、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトの母相組織と、残留オーステナイトの第2相組織とを含む複合組織鋼板とすることによって、耐パウダリング性に優れると共に、優れた強度−延性バランスを発揮し得るものとなる。
本発明の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板において、用いる素地鋼板は、更に他の元素として、(a)Cr:1%以下(0%を含まない)および/またはMo:1%以下(0%を含まない)、(b)Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)およびV:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)Cu:3%以下(0%を含まない)および/またはNi:3%以下(0%を含まない)、(d)B:0.01%以下(0%を含まない)、(e)Ca:0.01%以下(0%を含まない)、などを含有するものであることも有用であり、含有させる成分に応じて素地鋼板(即ち、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板)の特性が更に改善される。
また、素地鋼板として用いる複合組織鋼板の鋼中組織は、フェライト:90体積%以下、ベイニティックフェライト:90体積%以下であり、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトの合計量が70体積%以上であり、且つ残留オーステナイトが5体積%以上である複合組織を有することが好ましい。
上記のように素地鋼板の組織を規定した高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに当っては、合金化温度(Tga)に応じて、合金化前の溶融亜鉛めっき鋼板中の残留オーステナイトの炭素濃度(Cγ)が下記(1)式を満足するように制御するようにすれば良い。
−0.0030×Tga+2.42≦Cγ≦−0.0030×Tga+2.72…(1)
但し、450≦Tga≦550であり、式中、Tgaは合金化温度(℃)、Cγは合金化前の溶融亜鉛めっき鋼板中の残留オーステナイトの炭素濃度(%)を夫々示す。
合金化溶融亜鉛めっきでは、通常、Alを約0.1質量%含有するZnめっき浴を用いるため、形成されためっき層中にはAlが含まれる。このめっき層中のAlは、めっき層の凝固過程で表層に酸化物として濃化する傾向がある。このAl系酸化物は、通常のGAでは、めっき層表層に約100〜200Åの厚さで存在し、また表層から深さ方向に進むに従い、その濃度が低下していく。
本発明者らは、このAl系酸化物に着目し、めっき層の特性との関係を鋭意研究した結果、Al系酸化物を一定量以上含有する領域をめっき層表層に厚く存在させることにより、耐パウダリング性を向上させ得ることを見出した。そして表層のAl(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域(以下、「Al濃化表層領域」と省略することがある。)を、めっき層の表面からめっき層深さ方向に300Å以上の厚さで存在させることにより、優れた耐パウダリング性を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができた。
また素地鋼板として上記のようなものを用いると、残留γ組織を有する溶融亜鉛めっき鋼板を合金化して合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造しても、溶融亜鉛めっき鋼板中に含まれる残留γによる優れた延性向上作用が、そのまま、合金化後も有効に引き継がれる。その結果、合金化温度に応じて最大級の強度−延性バランスを発揮し得る合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することが可能である。
本発明のGA鋼板は、めっき層の表面からめっき層深さ方向に300Å以上の厚みで、Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域が存在することに要旨がある。Al濃化表層領域の厚みは、耐パウダリング性の観点から、好ましくは400Å以上、より好ましくは500Å以上である。このAl濃化表層領域は、耐パウダリング性の観点からは厚いほど好ましいが、厚くなり過ぎるとめっき鋼板の化成処理性や溶接性などが低下するおそれがあるため、該領域の厚みは、好ましくは1500Å以下、より好ましくは1000Å以下である。
同様に耐パウダリング性および化成処理性などを考慮して、Al(原子%)/Zn(原子%)は、好ましくは0.15以上、より好ましくは0.20以上であり、好ましくは0.40以下、より好ましくは0.30以下である。
本発明のGA鋼板は、厚さ300Å以上のAl濃化表層領域を有するFe−Zn合金めっき層を、少なくとも素地鋼板の片面に有する。本発明において、めっき付着量には、特に限定はない。但し、めっき付着量が少ないほうが、Al濃化表層領域を厚く有するめっき鋼板と、そうでない鋼板との耐パウダリング性の違いが明確に表れる。一方、めっき付着量があまりにも少ないと耐食性が不充分になる。このような観点から、めっき付着量は、好ましくは20g/m2以上、より好ましくは40g/m2以上であり、好ましくは80g/m2以下、より好ましくは60g/m2以下である。
Al濃化表層領域を厚くすることにより耐パウダリング性が向上するメカニズムは明らかではないが、以下のように推定することができる。但し本発明は、以下の推定メカニズムに限定されない。
即ち、Al系酸化物は硬いため、これが表層に厚く存在することにより、成形時の摺動抵抗が低下してめっき層が受けるせん断応力が低減される結果、めっきの剥離(パウダリング)が抑えられることが考えられる。またパウダリングの原因となるクラックが発生しても、該クラックは、硬いAl系酸化物を含有するAl濃化表層領域に主として伝播し、めっき層の深さ方向への伝播が低減される結果、素地鋼板界面からのめっきの剥離が抑えられることが考えられる。
Al濃化表層領域が300Å以上である本発明のGA鋼板は、まず酸化帯で鋼板表面を加熱酸化し、次いでこれを還元帯で還元焼鈍した後、鋼板をZnめっき浴中に浸漬する方法(以下、「酸化還元めっき法」と省略することがある。)において、酸化還元条件を調節することにより製造することができる。また生産性の観点から、酸化還元めっき法を、連続亜鉛めっきライン(CGL)で行うことが好ましい。
酸化還元めっき法では、還元により、鋼板表面に表面積が大きいポーラスなFe層が生ずる。このようなポーラスなFe層が厚く形成した鋼板は、その表面積が大きいため、Znめっき浴中に約0.1質量%程度でしか存在しないAlとも多く反応して、Fe−Al系金属間化合物を多量に形成することができる。その結果、めっき層中に多量のAlが取り込まれ、この多量のAlがめっき凝固過程で表面に濃化して酸化するので、厚いAl濃化表層領域を有するGA鋼板を製造することができる。
多量のAlを取り込ませるだけならば、単に、Znめっき浴中のAl量を増大させることも考えられる。しかしZnめっき浴中のAl量を増大させると、めっき層と素地鋼板との界面にFe−Al系金属間化合物が厚く形成され、これが、めっき後のFe−Zn合金化を妨げるバリア層として作用し得るので好ましくない。
よって合金化の際にバリア層として悪影響を及ぼす厚いFe−Al系金属間化合物の形成を避けつつ、薄いFe−Al系金属間化合物を多量に形成させて、厚いAl濃化表層領域を形成させるためには、Znめっき浴中のAl量を約0.1質量%程度に保ちながら、酸化還元条件を調節して、ポーラスで厚いFe層を形成させることが好ましい。そのためには、まず酸化工程でFe系酸化物層を厚く形成させる必要がある。具体的には、厚さが3000Å以上のFe系酸化物層を形成することが好ましい。
CGLでの酸化還元めっき法により、厚いFe系酸化物層を形成させるためには、酸化炉(OF)で、鋼板に直接火炎照射して急速酸化を行うことが好ましい。従来のCGLで代表的な、空燃比を低く抑えた弱酸化性雰囲気下の無酸化炉(NOF)で酸化を行う方法でも、厚いFe系酸化物層を形成することはできる。具体的には、NOFの長さを延長する、またはライン速度を遅くすることにより、酸化帯であるNOFでの鋼板滞留時間を長くすれば、厚いFe系酸化物層が形成されると考えられる。しかし生産性を考慮すると、厚さ3,000Å以上のFe系酸化物層が形成されるほどNOFを延長する、またはライン速度を低下させることは、実際上困難である。
火炎照射は、鋼板の上面および下面にノズルを向けて配置されたバーナー、特に鋼板の幅方向に伸びたスリットバーナーによる直火方式が好ましい。火炎の酸化領域に鋼板を通過させる際のFe系酸化物層の成長速度(1秒あたりに層厚が増大する速度)を、好ましくは200〜2000Å/秒に調整する。成長速度が200Å/秒未満であると、充分な厚さのFe系酸化物層を速やかに形成することができず、逆に2000Å/秒を超えると、Fe系酸化物層の厚みの制御が難しくなり、均一な層を形成することができなくなるおそれがある。
火炎照射による酸化の前に、素地鋼板を、無酸化帯または還元帯、具体的には空燃比を抑えたNOFで600℃以上の温度に加熱することが好ましい。鋼板温度を徐々に上げて酸化させると、Fe系酸化物層が徐々に成長して酸素の拡散が妨げられる。そこで高温に到達してから酸化させることにより、酸素の拡散が阻害される前に、Fe系酸化物層を、速やかに厚く形成させることができる。OFでの酸化は、OFに入る鋼板温度が600℃以上であり、OFから出る鋼板温度を710℃以上に加熱する条件で行うことが好ましい。
バーナーによる火炎照射で鋼板を酸化する場合、必要に応じて、バーナーの燃焼空気に、酸素および/または水蒸気を投入して、Fe系酸化物層の成長速度を向上させることができる。但し酸素および/または水蒸気を過剰に投入しても、その効果は飽和し、またこれらの投入にはユーティリティ費用がかかるため、好ましくは燃焼空気量に対して、酸素を20体積%以下、水蒸気を40体積%以下の流量で投入する。
更に、厚いFe系酸化物層を急速かつ均一に形成させるために、NOFにおいて、0.9≦r1<1.00(r1はNOF中での空燃比を表す。)および450≦t1≦1750−1000×r1(t1は、NOF中での鋼板の到達温度(℃)を表す。)の条件下で鋼板を加熱してから、火炎照射を行うOFにおいて、1.00≦r2≦1.35(r2はOF中での空燃比を表す。)で鋼板を酸化させることが好ましい。
本発明のGA鋼板を製造するための好ましいCGLの一態様は、例えば図1に示されるようなものである。まず予熱装置1、次いで無酸化炉(NOF)2で加熱した素地鋼板Sを、酸化炉(OF)3で火炎照射に供することによりFe系酸化物層を形成させる。このFe系酸化物層を、還元帯に相当する還元炉(RF)4で、比表面積の高いポーラスなFe層に還元する。次いで鋼板を冷却装置5で冷却してから、溶融亜鉛めっき装置6にてZnめっき浴に浸漬させて、溶融亜鉛めっき鋼板Pを得る。この亜鉛めっき溶融鋼板Pを、合金化炉(図示せず)にて加熱することにより、めっき層を合金化させて、合金化溶融めっき鋼板(GA鋼板)を得ることができる。本発明のGA鋼板を得るには、厚いFe系酸化物層を形成させるために、先に詳細に記載した条件が重要であり、その他のCGL条件は、該技術分野で一般的なものを使用することができる。
本発明のGA鋼板の中でも、めっき層表層がδ1相であり、実質的にζ相が存在しないものが好ましい。δ1相に比べて軟らかいζ相が表層に存在すると、Al系酸化物が硬いことに起因する効果が、軟らかいζ相のために相対的に損なわれ、その結果として、Al濃化表層領域が硬いことによる成形時の摺動抵抗を低減する効果、およびクラックが硬いAl濃化表層領域に主に伝播して、深さ方向へのクラック伝播を低減する効果も、相対的に損なわれ得ると考えられる。
めっき表層をζ相が実質的に無いδ1相のみにするためには、めっき層の合金化を促進して、Fe−Zn合金めっき層中のFe量を増やせばよい。まためっき層中のFe濃度勾配を減らすことも有効である。そのための手段の具体例として、Si含有鋼板を使用し、合金化温度を上げることが挙げられる。Si含有鋼板めっきの高温による合金化では、素地鋼板からめっき層へのFe拡散に比べて、めっき下層から上層へのFe拡散が速いため、めっき層中のFe濃度勾配が小さくなる。
また本発明のGA鋼板の中でもめっき層中にSi系酸化物が存在するものが、より良好な耐パウダリング性を示すために好ましい。Si系酸化物による耐パウダリング性の向上効果のメカニズムは不明であるが、Si系酸化物は硬いので、Al系酸化物と同様に成形時の摺動抵抗を下げること、および成形時に発生したクラックの伝播がSi系酸化物で止まり、めっき層の剥離が抑制されることが考えられる。
Si系酸化物を形成し得るめっき層中のSi含有量は、耐パウダリング性の観点から多いことが望ましい。しかしめっき層中のSi含有量が多すぎても耐パウダリング性の向上効果は飽和し、またSi含有量を増やそうとすると素地鋼板表面のSi濃度が増えてめっき濡れ性に悪影響を及ぼすことがある。よってめっき層中のSi含有量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、さらに好ましくは0.4質量%以下である。
合金化溶融亜鉛めっき層が、Si系酸化物を含み、且つSiを0.1質量%以上含むようにさせるためには、Si含有鋼板、好ましくはSiを0.3〜3.0%以上含有する鋼板を、酸化還元めっき法によりめっきしてから、合金化を行えばよい。酸化還元めっき法では、酸化によりSi系酸化物がまず形成される。これは、酸化還元めっき法で通常採用されるN2−15体積%H2程度の還元雰囲気では還元されず、鋼板中にSi系酸化物のままで残る。そしてこのSi系酸化物が合金化の際に、素地鋼板からめっき層に拡散する。よって通常の条件で酸化還元めっき法を行ってから、合金化した場合、めっき層中に含まれるSiは、全て酸化物の形態で存在すると考えられる。
また酸化還元めっき法でFe系酸化物層をあまりに厚く形成させると、めっき層中のSi量が低下する傾向がある。よってめっき層にSi系酸化物を存在させるためには、Fe系酸化物層が厚くなり過ぎないように調整することが好ましい。めっき層で充分なSi量を確保するためには、Fe系酸化物層の厚さを、好ましくは13000Å以下、より好ましくは10000Å以下に調整することが推奨される。これは、例えばOFの空燃比や鋼板温度を抑えることなどにより達成することができる。更に通常の酸化還元法における還元雰囲気下ではSi系酸化物は還元されず逆に酸化されるので、還元温度を上昇させることによって、Si系酸化物を表面濃化(選択酸化)させることができる。その結果、めっき層中のSi含有量も上昇させることができる。
本発明は、めっき層の組織に要旨があり、めっきに供する素地鋼板には特に限定はない。但し、近年の高張力化の要請から、高張力鋼板、いわゆるハイテンが好ましい。また、後述するTRIP鋼板を素地鋼板に用いることによって、強度−延性バランスに優れたGA鋼板が得られるので好ましい。
GA鋼板において、TRIP鋼板の特性を有効に発揮させるためには、合金化後も、溶融亜鉛めっき鋼板(GI鋼板)由来の残留γがセメンタイトとフェライトに変態して消失することなく、そのまま残存していることが必要である。しかしながら前述したように、オーステンパ処理によって生成した残留γは、合金化を適切に行わないと、セメンタイトとフェライトに変態し、GA鋼板中の残留γ量が低下するため、GA鋼板では、所望とする強度−延性バランスが有効に発揮されないといった問題を抱えている。
TRIP鋼板については、これまで、主に、GI鋼板を対象に研究が進められており、GI鋼板を合金化したGA鋼板の特性は、充分研究が行なわれていないというのが実情である。このような事情のもと、本発明者は、特に、合金化温度に応じて最大級の強度−延性バランスを発揮し得るGA鋼板を、製造することが可能な方法を提供するという観点から検討を進めてきた。その結果、合金化温度(Tga)に応じて、合金化前の溶融亜鉛めっき鋼板中の残留γの炭素濃度(Cγ)が上記(1)式の関係を満足するように制御すれば、所期の目的を達成し得ることを見出し、その技術的意義が認められたので別途出願している(特願2006―1608348号)。
上記発明が完成された経緯について説明する。本発明者は、まず、伸びなどの延性向上に寄与する残留γ中の炭素濃度(Cγ)に着目した。前述したように、GI鋼板は、鋼板中の残留γ中のCγが多いほど、残留γは安定化し、延性が上昇して強度−延性バランスが向上する。この点は、GA鋼板も同じであり、合金化後の残留γ中のCγが多いほど、強度−延性バランスが向上する。しかしながら、合金化前の残留γ中のCγに関していえば、GA鋼板はGI鋼板と異なる挙動を示しており、GA鋼板では、合金化前の残留γ中のCγ量が多くても少なくても、良好な強度−延性バランスを確保することが出来ないことが、本発明者による数多くの基礎実験によって初めて明らかになった。
本発明者が実験を重ねた結果、GA鋼板では、合金化温度に応じて、最大級の強度−延性バランスを発揮し得る適切なCγ量の範囲(至適範囲)があることを突き止めたのである。即ち、GI鋼板では、残留γ中のCγが高くなるほど、強度−延性バランスが向上するのであるが、GA鋼板では、合金化温度に応じて、それぞれ、強度−延性バランスを最大限に発揮し得るCγ量の至適範囲が存在し、Cγ量が当該至適範囲より多くても少なくても、強度−延性バランスは低下することが判明したのである。また、GA鋼板では、合金化温度が475℃、500℃、525℃と高くなるほど、Cγ量の至適範囲は低下する傾向が見られることも分かった。こうしたことから、最大級の強度−延性バランスを実現するためには、合金化温度が高いときはCγ量の至適範囲を低く設定し、一方、合金化温度が低いときはCγ量の至適範囲を高く設定すれば良いことが分かった。
様々な実験結果を踏まえたうえで、本発明者らは、更に検討を重ねてきた。その結果、合金化温度(Tga)に応じて、合金化前の溶融亜鉛めっき鋼板中の残留γ中の炭素濃度(Cγ)が下記(1)式の関係を満足するように制御すれば、合金化温度に応じた最大級の強度−延性バランスを実現出来ることを突き止めたのである。
−0.0030×Tga+2.42≦Cγ≦−0.0030×Tga+2.72…(1)
但し、450≦Tga≦550
上記(1)式について、詳しく説明する。上記式(1)は、要するに、合金化温度(Tga)が高いときはCγを低く設定し、一方、合金化温度(Tga)が低いときはCγを高く設定するように定めたものであり、上記(1)式に従ってCγとTgaとを適切に制御すれば、合金化温度に応じた最大級の強度−延性バランスを発揮し得るGA鋼板を提供できるというものである。
ここで合金化温度(Tga)は、残留γの性質(残留γの変態、および残留オγ中へのCの濃化)と密接に関連している。即ち、合金化温度が高いほど、残留γの変態が促進され、セメンタイトとフェライトへ変態し易くなる。また、残留γ中へのCの濃化も促進される。逆に、合金化温度が低いほど、残留γの変態は生じ難くなる。この傾向は、残留γ中のCγが高くても同様に見られる。
上記(1)式は、このような残留γの性質と合金化温度との関係をうまく利用したものである。即ち、合金化温度が高い場合には、上記(1)式に従ってCγを低く制御すれば、残留γから、セメンタイトとフェライトへの変態が抑えられる。このようにCγを低く抑えることで、GA後に残留γを多く存在させることができる。
一方、合金化温度が低い場合には、上記(1)式に従って、合金化温度が高いときよりもCγを高く制御し、GA鋼板中に安定な残留γを多く存在させることが有効である。このようにCγを高めておけば、GA後にCγ量の多い安定した残留γを多く存在させることができる。
従って、上記(1)式に基づいて残留γ中のCγを適切に制御すれば、合金化温度に応じた最大級の強度−延性バランスを実現することができる。
一方、GA直前の残留γ中のCγが上記(1)式の範囲を満足しないときは、以下の不具合を有している。以下では、説明の便宜のため、上記(1)式の左辺で算出される値をQ値、上記式(1)の右辺で算出される値をR値と呼ぶことがある。
まず、合金化直前の素地鋼板中の残留γ中のCγが上記(1)式の左辺の値(Q値)より低い場合について考察する。この場合は、合金化後も合金化直前のCγ(低いCγ)がそのまま引き継がれるため、GA鋼板には、GI鋼板と同様、Cγの少ない残留γが生成する。
次に、合金化直前の残留γ中のCγが上記(1)式の右辺の値(R値)より高い場合について考察する。この場合は、Cγが高すぎるために合金化の過程で残留γがセメンタイトとフェライトに変態してしまうため、GA鋼板には、GI鋼板と同様、Cγの少ない残留γが生成する。
従って、合金化直前の残留γ中のCγが上記(1)式の範囲内にあるときにのみ、合金化後もセメンタイトとフェライトに変態することが少なく、合金化直前のCγ(GI由来のCγ)がほぼそのまま継承された残留γを確保することができる。
本発明者らが検討したところによれば、Cγが上記(1)式の範囲を満足するものでは、いずれも上記(1)式の範囲を満足しないものに比べ、強度−延性バランスが格段に向上していることを見いだしている(後記実施例2参照)。具体的には、本発明で規定する要件を満足するGA鋼板における強度−延性バランス(引張強度:TS×伸び:EL)の値は、いずれも、本発明で規定する要件を満足しないものにおける(TS×EL)の最小値に比べ、約2.5GPa・%以上も上昇している。
具体的には、合金化温度(Tga)に応じて、以下のように、合金化直前のCγを制御すれば良い。
Tga=450℃の場合、1.07%≦Cγ≦1.37%
Tga=475℃の場合、0.995%≦Cγ≦1.295%
Tga=500℃の場合、0.92%≦Cγ≦1.22%
Tga=550℃の場合、0.77%≦Cγ≦1.07%
ここで、合金化前の残留γ中のCγは、後に詳しく説明するように、溶融亜鉛めっきを行った後合金化処理を行う前に、約10℃/秒の平均冷却速度で急冷した鋼板を用い、X線回折によって測定したものである。
以上の知見に基づき、本発明では、上記式(1)を定めた。
本発明では、上記のような素地鋼板を用いるときの合金化温度(Tga)を450〜550℃の範囲内に定めている。この温度範囲は、残留γを有するGA鋼板を得るために設定されたものである。即ち、Tgaが450℃未満になると、溶融亜鉛めっき層を合金化することができない。一方、Tgaが550℃を超えると、残留γがセメンタイトとフェライトに変態してしまう。
このように、本発明に係るGA鋼板の製造方法は、合金化温度を450〜550℃の範囲内にすることを前提にしたうえで、上記(1)式に基づき、合金化温度に応じて合金化前のCγを制御するというものである。本発明方法を実施するに当たっては、後に詳しく説明するように、鋼種などに応じて、合金化温度の下限(溶融亜鉛めっき層を合金化するための温度)を適切に設定すれば良い。
次に、Cγを制御する方法について、具体的に説明する。Cγは、例えば、鋼中成分、フェライト−オーステナイト2相域温度からオーステンパ温度域までの冷却条件、オーステンパ条件などによって変化することが知られている。ここでは、オーステンパ条件以外の要件(鋼種、冷却条件など)を一定にし、オーステンパ温度およびオーステンパ時間を種々変化させたときのCγ量の推移(オーステンパ条件とCγ量との関係を示す予備データ)を予め調べて作成しておき、この予備データに基づき、所定のCγ量を得るためのオーステンパ条件を適宜選択することが好ましい。オーステンパ処理は、通常、約300〜500℃の温度(オーステンパ温度)で約20〜1000秒間(オーステンパ時間)行われ、これにより、残留γによる延性向上作用が有効に発揮されるようになる。従って、上記の予備データは、オーステンパ温度およびオーステンパ時間を上記の範囲内で種々変化させることによって作成すれば良い。
本発明で用いることのできる素地鋼板は、C:0.05〜0.3%、Si:0.5〜3.0%、Mn:0.5〜3.5%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜2.5%を夫々含有すると共に、Si+Al:0.6〜3.5%を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなる化学成分を有するものが好ましいが、これら各成分の限定理由は、以下の通りである。
[C:0.05〜0.3%]
Cは、鋼板の強度(引張強度TS)を550MPa以上に確保するために必要な元素であり、また鋼板の残留γの生成を促進すると共に、その安定性にも影響を及ぼす元素である。これらの効果を発揮させるためには、C含有量は0.05%以上であることが好ましく、より好ましくは0.07%以上である。しかしながら、C含有量が過剰になると溶接性が低下するので、0.3%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.25%以下である。
[Si:0.5〜3.0%]
Siは、固溶強化能が大きく、また延性を低下させずに強度を高めることができる元素である。また、オーステナイトへのC濃縮を促進させ、室温でオーステナイトを残留させて優れた強度−延性バランスを確保するのにも有効である。このような効果を十分に発揮させるには、Si含有量は0.5%以上とすることが好ましく、より好ましくは0.7%以上である。しかしながら、Si含有量が過剰になると、強度が高くなりすぎて圧延負荷が増大し、しかも熱間圧延の際にはSiスケールを発生して鋼板の表面性状も悪化させるので、3.0%以下とすることが好ましく、より好ましくは2.5%以下である。
[Al:0.005〜2.5%]
Alは、脱酸のために少なくとも0.005%以上含有させることが好ましい。また、Siと同様に、オーステナイトへのC濃縮を促進させて室温でオーステナイトを残留させ、優れた強度−延性バランスを確保するのに有効な元素であり、このような効果を発揮させる観点からも、0.005%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.01%以上含有させるのが良い。一方、Al含有量が過剰になると、残留γ量確保の効果が飽和するだけでなく、鋼板の脆化やコストアップを招くため、2.5%以下とすることが好ましく、より好ましくは2.0%以下である。
[Si+Al:0.6〜3.5%]
上記のように、SiおよびAlは、いずれも残留オーステナイトの生成に必要な元素であるが、残留γを十分に確保して優れた加工性を安定して発揮させるためには、SiとAlを合計で0.6%以上含有させることが好ましく、より好ましくは1.0%以上である。しかしながら、SiとAlの合計含有量が過剰になっても、残留γの生成効果は飽和するだけでなく、延性の低下や鋼の脆化を招くため、合計量は3.5%以下とすべきであり、より好ましくは3.0%以下にするのが良い。
[Mn:0.5〜3.5%]
Mnは、鋼板の強度確保のために有効な元素であり、また残留γの生成を促進して加工性を高めるのにも有効な元素である。こうした、効果を発揮させるためには、0.5%以上含有させることが好ましく、より好ましくは1.0%以上である。しかしながら、3.5%を超えて過剰に含有させると、延性や溶接性が劣化することになる。より好ましくは3.0%以下とするのが良い。
[P:0.03%以下(0%を含まない)]
Pは、過剰に含有されると、溶接性が劣化するので、0.03%以下に抑制することが好ましい。
[S:0.01%以下(0%を含まない)]
Sは、過剰に含有されると、硫化物系介在物が増大して鋼板の強度が劣化するため、0.01%以下に抑制することが好ましい。
素地鋼板の好ましい基本成分は、上記の通りであり、残部は鉄および不可避不純物である。不可避不純物としては、例えばN、O、トランプ元素など(例えば、Sn,As,Sbなど)が挙げられる。NやOの好ましい範囲は、以下の通りである。
[N:0.01%以下(0%を含まない)]
Nは、鋼中に窒化物を析出させて鋼を強化する元素であるが、Nが過剰に存在すると、窒化物が多量に析出し、却って延性の劣化を引き起こす恐れがある。従ってNは0.01%以下であることが好ましい。
[O:0.01%以下(0%を含まない)]
Oは、過剰に含有されると、介在物が増大して延性の劣化を引き起こす恐れがある。従ってOは0.01%以下であることが好ましい。
本発明で用いる素地鋼板は、上記基本元素以外に、必要に応じて、更に他の元素として、(a)Cr:1%以下(0%を含まない)および/またはMo:1%以下(0%を含まない)、(b)Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)およびV:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上、(c)Cu:3%以下(0%を含まない)および/またはNi:3%以下(0%を含まない)、(d)B:0.01%以下(0%を含まない)、(e)Ca:0.01%以下(0%を含まない)、などを含有するものであることも有用であり、含有させる成分に応じて素地鋼板(即ち、高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板)の特性が更に改善される。これらの元素を含有する場合の好ましい範囲とその限定理由は、次の通りである。
[Cr:1%以下(0%を含まない)および/またはMo:1%以下(0%を含まない)]
CrおよびMoは、固溶強化元素であり、鋼板の高強度化を図るのに有効に作用する。こうした効果はその含有量が増加するにつれて増大するが、過剰に含有させてもその効果が飽和し、コスト高となる。従って、CrおよびMoは、いずれも1.0%以下(より好ましくは0.5%以下)とするのが良い。
[Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)およびV:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上]
Ti,NbおよびVは、いずれも鋼中に炭化物や窒化物等の析出物を形成して鋼を強化する元素でもある。特にTiは、結晶粒を微細化して降伏強度を高めるのにも有効に作用する。しかしTiを過剰に含有させると、炭化物が粒界上に多く析出し、局所伸びが低下する。従ってTiは0.2%以下、好ましくは0.15%以下、より好ましくは0.13%以下とする。
NbとVは、上記Tiと同様に結晶粒を微細化する元素であり、靭性を損なうことなく強度を高めるのに有効に作用する。しかし過剰に含有させてもその効果が飽和し、コスト高となる。従ってNbは0.2%以下、好ましくは0.15%以下、より好ましくは0.13%以下であり、Vは0.3%以下、好ましくは0.25%以下、より好ましくは0.2%以下である。尚、Ti,NbおよびVは、夫々単独で含有してもよいし、複数を組み合わせて含有してもよい。
[Cu:3%以下(0%を含まない)および/またはNi:3%以下(0%を含まない)]
CuとNiは、いずれも固溶強化元素であり、鋼板の強度を向上させる作用を有する元素である。また、鋼板の耐食性も向上させる元素である。しかしCuを3.0%、Niを3.0%を超えて含有してもその効果は飽和し、コスト高となる。従ってCuは3.0%以下であることが好ましく、より好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2.0%以下である。Niは3.0%以下であることが好ましく、より好ましくは2.5%以下、更に好ましくは2.0%以下である。CuとNiは、夫々単独で、或いは併用して含有してもよい。
[B:0.01%以下(0%を含まない)]
Bは、焼入れ性を高める元素であり、鋼板の強度を向上させる。またMoと併せて含有させることにより圧延後の加速冷却時における焼入れ性が制御されて、鋼板の強度−靭性バランスを最適化する。しかし過剰に含有すると鋼板の靭性が劣化するため、Bは0.01%以下であることが好ましい。より好ましくは0.005%以下である。Bの下限は特に限定されないが、好ましくは0.0005%以上含有させることが好ましい。
[Ca:0.01%以下(0%を含まない)]
Caは、鋼中硫化物の形態を球状化して、加工性を向上させる元素である。しかし0.01%を超えて含有しても効果が飽和し、経済的に無駄である。従ってCaは0.01%以下であることが好ましく、より好ましくは0.005%以下である。Caの下限は特に限定されないが、好ましくは0.0005%以上であってもよい。
上記のような化学成分を有する素地鋼板を用い、常法に従って、所定の母相組織および残留γを有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造すれば良い。その際、予め設定された合金化温度に応じ、上記(1)式に基づいて合金化前のCγを適切に制御すれば、合金化温度に応じた最大級の強度−延性バランスを発揮し得る合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られる。
合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する際の他の条件は、特に限定されず、熱間圧延後の冷却速度を調整する等して母相組織(フェライトおよび/またはベイニティックフェライト)を導入し、次いで、フェライト−オーステナイト2相域温度から特定のパターンで冷却し、オーステンパ処理を施すことによって残留γを導入する。具体的には、所定の母相組織と残留γ(後記する)が得られるよう、上記成分の鋼を、以下のように熱間圧延し、巻取を行った後、必要に応じて冷間圧延を行う。冷間圧延の前には、鋼板の表面に形成されたスケールを除去するため、酸洗を行ってもよい。
熱間圧延の条件は、例えば、加熱温度を約1000〜1300℃、仕上げ圧延温度を約800〜950℃、巻取温度を約700℃以下の範囲内で行うことが好ましい。加熱温度は、仕上げ温度の確保およびオーステナイト結晶粒の粗大化防止の観点から、上記の範囲内に制御する。熱間圧延の仕上げ温度は、加工性を阻害する集合組織が形成されないように上記範囲内が好ましい。巻取温度を約700℃以下に制御するのは、この温度より高温で巻取ると、鋼板表面のスケールが厚くなり、酸洗性が劣化するためである。なお、仕上げ圧延後の冷却速度は、パーライトの生成を抑制するため、約30〜120℃/秒の範囲内に制御することが好ましい。
冷間圧延は、加工性を高めるため、必要に応じて行われる。このときの冷延率は、約10%以上であることが好ましい。冷延率が10%未満では、所望の製品を得るために熱延板を薄く長くする必要があり、酸洗時の生産性などが低下するようになる。
次に、上記鋼板をオーステナイト領域(Ac1点以上の温度)に加熱する。加熱条件は、母相組織の種類によって適切に制御すれば良い。例えば、フェライト組織を生成する場合は、約800〜840℃の温度で約50〜200秒間加熱することが好ましい。一方、ベイニティックフェライト組織を生成する場合は、約900〜950℃の温度で約50〜200秒間加熱することが好ましい。上記の加熱処理は、連続式溶融亜鉛めっきラインで行えばよい。
次いで、上記鋼板を約2〜100℃/秒の冷却速度でオーステンパ温度域(約300〜500℃)まで冷却する。冷却速度が2℃/秒未満では、冷却中にパーライトが多く生成し、冷却終了時のオーステナイト体積率が著しく減少してしまう。冷却速度は、パーライト変態領域を避ける様に、出来るだけ急速に冷却する方が良いが、冷却速度を大きくし過ぎると、冷却終了時での温度を制御することが困難なため、上限を100℃/秒とすることが好ましい。
冷却方法は、オーステンパ温度域まで冷却する(一段冷却)方法が簡便であるが、一段冷却でフェライトを安定に生成させることは困難である為、冷却速度を複数回に分けて設定する多段冷却法を採用することが好ましい。
次に、オーステンパ温度(約300〜500℃)で20〜1000秒間加熱保持する(オーステンパ処理)。これにより、所定量の残留γが得られる。本発明では、予め設定された合金化温度に応じ、合金化前の残留オーステナイト中のCγが上記(1)式を満足するように、オーステンパ条件を適切に制御すれば良い。
次に、溶融亜鉛めっき処理を行う。めっき浴の温度は約400〜500℃(より好ましくは約440〜470℃)とし、約1〜5秒間浸漬することが好ましい。めっき浴の組成は特に限定されず、例えば、有効Al濃度が0.07〜0.13質量%の溶融亜鉛めっき浴とすることが好ましい。めっき後は1〜30秒以内に合金化する。
合金化は、約450〜550℃の温度に加熱して行う。合金化時間は、約5〜30秒間の範囲内に制御することが好ましい。合金化処理の加熱手段は、特に限定されず、例えば、ガス加熱、インダクションヒーター加熱などの慣用の手段を採用することができる。その後、約1℃/秒以上の平均冷却速度で常温まで冷却する。
このようにして得られる合金化溶融亜鉛めっき鋼板の組織は、以下のように制御されていることが好ましい。
母相組織:フェライト(F)および/またはベイニティックフェライト(BF)
フェライト(ポリゴナルフェライトのこと)およびベイニティックフェライト(BF)は、鋼板の強度を高めるだけでなく、伸び特性の向上にも寄与している。BFとは、転位密度(初期転位密度)の高い下部組織(ラス状組織は、有していても、有していなくても良い)を意味し、転位密度がないか或いは極めて少ない下部組織を有するFと相違している。BFは、Fに比べ転位密度が高いため、高強度を容易に達成できると共に、伸び特性や伸びフランジ性も高いという特徴を有している。上記母相組織のうち、フェライトは延性確保に寄与する組織であり、ベイニティックフェライトは強度に寄与する組織であり、強度と延性の観点からこれら組織を適切な体積比率に保つことが推奨される。こうした観点から、フェライト、ベイニティックフェライトは、夫々90体積%以下の範囲とすることが好ましい。本発明では、上記の組織が単独で存在していてもよいし、混合組織となっていてもよい。
母相組織の占積率は、全組織に対して、70体積%以上であればよい。好ましくは80体積%以上であるが、その上限は後述する残留γ量とのバランスによって制御され、所望の高い加工性が得られるように適切に調節することが推奨される。
第2相組織:残留γ
残留γは、鋼板の全伸び、更には疲労特性を向上させる組織である。この様な作用を有効に発揮させる為には、全組織に対して占積率(体積率)で5%以上存在することが好ましい。より好ましくは7%以上である。しかし残留γが多量に存在すると伸びフランジ性が劣化するだけでなく、残留オーステナイト中の炭素濃度が低下して加工性も低下するので、その上限は25%程度とするのが好ましい。残留γ中の炭素濃度は、加工変形中の該残留オーステナイトの歪誘起変態に伴う延性向上に大きく影響する。そのため、その平均濃度は0.3%以上であることが好ましく、より好ましくは0.5%以上である。尚、残留γ量は、後記するように、飽和磁化測定法によって測定することができる。
第2相組織には、残留γの他、本発明の作用を損なわない範囲で、他の異種組織として、マルテンサイトを有していても良い。マルテンサイトは本発明の製造過程で必然的に残存し得るものであるが、少なければ少ない程良く、全組織に対する占積率は、合計で20%以下であることが推奨される。尚、上記異種組織には、パーライトは含まれておらず、最大でもパーライトを10%以下に制御することが推奨される。
上記のような鋼板を素地鋼板として用いた合金化溶融亜鉛めっき鋼板では、素地鋼板の引張強度(TS)が550MPa以上になる共に、強度と延性のバランスが良好なため、その特性が反映されて合金化溶融亜鉛めっき鋼板も強度と延性のバランスも良好なものとなり、その用途としては自動車の構造部品が適しており、フロントやリア部サイドメンバやクラッシュボックスなどの正突部品をはじめ、センターピラーレインホース(RF)などのピラー類、ルーフレールRF、サイドシル、フロアメンバー、キック部などの車体構成部品、バンパーRFやドアインパクトビームなどの耐衝撃吸収部品として使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[実施例1]
1.合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA鋼板)の製造
CGLにて、以下に示す条件、および表1に示す酸化炉(OF)の鋼板温度でGA鋼板を製造した。
(1)素地鋼板
厚さ:1.2mm
化学成分組成;Si:0.3または1.0質量%、C:0.08質量%、Mn:2.0質量%、P:0.010質量%、S:0.003質量%、Al:0.04質量%、残部:Feおよび不可避不純物
(2)ライン速度:40m/秒
(3)無酸化炉(NOF)
直火火炎バーナー設置タイプ
空燃比(r1):0.95
滞留時間:28秒
(4)酸化炉(OF)
直火火炎バーナー設置タイプ
空燃比(r2):1.30
滞留時間:6秒
(5)還元炉
雰囲気:N2−15体積%H2
鋼板温度:800〜850℃
滞留時間:50秒
(6)めっき
浴組成:Zn−0.10質量%Al(Al:有効濃度)
浴温:460℃
侵入鋼板温度:460℃
滞留時間:3.8秒
(7)合金化炉
直火加熱タイプ
合金化炉温度:850〜1000℃
滞留時間:20秒
2.合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA鋼板)の評価
前記のようにして得られたGA鋼板について、以下のものを評価した。結果を表1に示す。
(1)Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域の厚さ
ESCA(X線電子分光法)により、めっき層表面から50Å/分の速度でArイオンエッチングしながら、50Å間隔でAlおよびZnの原子割合を測定し、Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域の厚さを測定した。
(2)めっき層表層
めっき層表層が、δ1相またはζ相のいずれであるかを、SEM(走査型電子顕微鏡)により、めっき層を断面観察して判断した。
(3)めっき層中のSi系酸化物
めっき層中にSi系酸化物が存在するか否かを、EPMA(電子線マイクロアナリシス)により、めっき層を断面観察して判断した。
(4)めっき層中のFeおよびSi量
めっき層中のFeおよびSi量を、めっき層を塩酸で溶解させて、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分光分析)により定量した。
(5)耐パウダリング性
GA鋼板を、以下の条件でビード付きU曲げビード成形し、成形品の側壁外側にテープ剥離試験を行った。次いで剥離しためっき層を塩酸に溶解させて、ICPによりめっき剥離量を定量し、以下の基準で評価した。
(i)成形条件
プレスの種類:クランクプレス
供試GAの大きさ:幅40mm×長さ250mm
金型:ビードr:5mm(半丸ビード)、パンチ肩半径:5mm、ダイ肩半径:5mm、成形高さ:65mm
(ii)評価基準
めっき剥離量: 4g/m2未満:◎
4g/m2以上10g/m2未満:○
10g/m2以上15g/m2未満:△
15g/m2以上 :×
Figure 2007182625
表1の結果から示されるように、Fe系酸化物層を厚く形成させるためにOFの鋼板温度を高く設定して製造したGA鋼板No.1〜12(OFの入温度:600℃以上、出温度:710℃以上)は、300Å以上のAl濃化表層領域(Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10)が形成されていた。またGA鋼板No.1〜12は、Al濃化表層領域が300Å未満であるGA鋼板No.13〜16に比べて、耐パウダリング性が良好であった。
[実施例2]
この実施例では、合金化温度に応じて、合金化前のCγが前記(1)式を満足するように制御すれば、合金化温度に応じた最大級の強度−延性バランスを発揮し得る合金化溶融亜鉛めっき鋼板が得られることを説明する。
下記表2は、転炉により溶製した鋼材の化学成分組成を示す。これらは、連続鋳造してスラブとし、1150℃に加熱保持後、仕上げ温度800〜900℃、圧下率:約99%で熱間圧延し、次いで平均冷却速度:50℃/秒で冷却した後、500℃で巻取り、厚さ:2.4mmの熱延鋼板を得た。更に、得られた熱延鋼板を酸洗後、冷間圧延し、厚さ:1.6〜2.0mmの冷延鋼板を得た。得られた冷延鋼板を、CGLで下記の処理を施し、均熱処理した合金化溶融亜鉛めっき鋼板を得た。
Figure 2007182625
1.合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)の製造
CGLにて、以下に示す条件、および下記表3に示す酸化炉(OF)の鋼板温度でGAを製造した。
(1)ライン速度:30m/秒
(2)無酸化炉(NOF)
直火火炎バーナー設置タイプ
空燃比(r1):0.95
滞留時間:40秒
(3)酸化炉(OF)
直火火炎バーナー設置タイプ
空燃比(r2):1.30
滞留時間:8秒
(4)還元炉
雰囲気:N2−15体積%H2
鋼板温度:800〜900℃
滞留時間:67秒
(5)冷却帯
オーステンパ処理温度;350〜450℃
(この温度範囲までの平均冷却速度:15℃/秒)
オーステンパ処理時間:45秒
(6)めっき浴
浴組成:Zn−0.10質量%Al(Al:有効濃度)
浴温:460℃
侵入鋼板温度:460℃
滞留時間:5.1秒
(7)合金化炉
直火加熱タイプ
合金化炉温度:450〜550℃
滞留時間:27秒
前記のようにして得られたGA鋼板について、実施例1と同様にして、(1)Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域の厚さ、(2)めっき層表層、(3)めっき層中のSi系酸化物、(4)めっき層中のFeおよびSi量、(5)耐パウダリング性[成形条件、評価基準も実施例1と同じ]について評価した。これらの結果を、下記表3に示す。
Figure 2007182625
表3の結果から分かるように、Fe系酸化物層を厚く形成させるためにOFの鋼板温度を高く設定して製造したGA鋼板No.18〜34、36〜40、42〜46、48〜54(OFの入温度:600℃以上、出温度:710℃以上)は、300Å以上のAl濃化表層領域(Al(原子%)/Zn(原子%) ≧0.10)が形成され、Al濃化表層領域が300Å未満のものに比べて、耐パウダリング性が良好である。また、めっき層中にSi系酸化物を含み、且つSi含有量が0.1%以上のものは、さらに良好な耐パウダリング性を示すこともわかる。
前記のようにして得られたGA鋼板について、母材(素地鋼板)特性の観点から、金属組織、機械的性質を下記の方法によって調査した。また、下記の条件にて合金化の評価も行った。
[金属組織]
各鋼板の板厚(1/4)位置をナイタールで腐食し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率:3000倍で観察し、フェライトおよび/またはベイニティックフェライト、第二相(残留オーステナイトやマルテンサイト)を下記に従い区別して体積率を求めた。
フェライト:SEM写真において濃灰色であり、多角形の形状で内部に第二相を含まない。
ベイニティックフェライト:SEM写真において、第二相を含むベイナイト組織(針状組織の塊)から該第二相を差し引いて求めた。SEM写真では、ベイニティックフェライトはフェライトと同様に濃灰色であり、第二相は薄灰色を呈する。
残留γ:飽和磁化測定法(R&D 神戸製鋼技報 Vol.52、No.3を参照)で面積率を測定した。
[残留オーステナイト中のCγの測定]
上記のようにして得られた供試材の板厚1/4位置における残留オーステナイト中のCγを、X線回折により測定した格子定数から求めた。詳細な測定方法は、例えば、ISIJ Int.Vol.33,(1993),No.7,P.776に記載されている。
[合金化の評価]
GA鋼板の溶融亜鉛めっき層が合金化できているかどうかを目視で判断した。具体的には、表面に溶融亜鉛によるギラツキが残っている場合を合金化できていない(×)と判断し、表面がくすんでおり、ギラツキが無くなっている場合を合金化できている(○)と判断した。
[強度−延性バランスの測定]
上記のGI鋼板またはGA鋼板からJIS Z2201の5号試験片を切り出し、引張試験(歪速度:10mm/秒)を行って引張強さ(TS)および伸び(EL)を測定した。
合金化前の金属組織(残留γ、Cγ)、合金化温度、(1)式の左辺の値および右辺の値、合金化の評価を、オーステンパ温度と共に、下記表4に示す。また、合金化後の金属組織(F、BF、F+BF、残留γの体積分率)、および機械的性質(TS、EL、TS×EL)を下記表5に示す。
Figure 2007182625
Figure 2007182625
これらの結果から明らかなように、GA鋼板No.17〜46のいずれの鋼板も、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトの母相組織と残留オーステナイトの第二相組織を含む複合組織であり、良好な伸び(EL)を示していることが分かる。
しかしながら、化学成分が本発明で規定される範囲から外れるもの(GA鋼板No.47〜54)では、強度(TS)もしくは伸び(EL)の値が低く、強度−延性バランスも悪い。
GA鋼板No.47,48は、C含有量が少ない例であり、十分な強度を確保できていない。GA鋼板No.49,50は、Si含有量が少ない例であり、残留γが存在せず、フェライト、ベイナイト、マルテンサイトからなる複合組織となっており、十分な延性が得られていない。
GA鋼板No.51,52は、逆にSi含有量が多い例であり、焼鈍時にオーステナイト分率が十分確保できず、結果としてフェライトを主相とする組織となっており、強度が低い。GA鋼板No.53,54は、Mn含有量が多い例であり、マルテンサイト組織が主相で強度は高いが、残留γ量が少なく、伸び(EL)が著しく低くなっている。
また、上記GA鋼板No.17〜46のなかで、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトの合計量が70体積%以上のもの、残留γ量が5体積%以上のものは、より良好な伸びELを示すことがわかる。さらに、(1)式を満たすように合金化処理の温度に対して残留γ中の炭素濃度Cγを制御した鋼種では、合金化処理後に存在する残留γは多く、伸び(EL)が更に改善されることが分かる。
GA鋼板No.22〜24の結果に基づいて、合金化合金温度が残留γ中の炭素濃度Cγに与える影響を図2に、合金化合金温度が残留γ量に与える影響を図3に、合金化合金温度が強度−延性バランス(TS×EL)に与える影響を図4に、夫々示す。これらの結果は、上記の現象を裏付けるものである。
しかしながら、合金化処理温度が低い場合(合金化処理温度;450℃以下)、めっき層中のFe量が低く、溶融亜鉛めっきの合金化が進んでいないこともわかる。
本発明の合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA鋼板)を製造するための溶融亜鉛めっき設備の一態様を示す概略図である。 GA鋼板No.22〜24の結果に基づいて、合金化合金温度が残留γ中の炭素濃度Cγに与える影響を示したグラフである。 GA鋼板No.22〜24の結果に基づいて、合金化合金温度が残留γ量に与える影響を示したグラフである。 GA鋼板No.22〜24の結果に基づいて、合金化合金温度が強度−延性バランス(TS×EL)に与える影響を示したグラフである。
符号の説明
1 予熱装置
2 無酸化炉(NOF)
3 酸化炉(OF)
4 還元炉(RF)
5 冷却装置
6 溶融亜鉛めっき装置(めっき浴)
S 鋼板
P 溶融亜鉛めっき鋼板

Claims (11)

  1. Fe−Zn合金めっき層を少なくとも素地鋼板の片面に有し、
    前記めっき層の表面からめっき層深さ方向に300Å以上の厚みで、Al(原子%)/Zn(原子%)≧0.10である領域が存在することを特徴とする耐パウダリング性に優れた高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. めっき層が、Si系酸化物を含み、且つSiを0.1質量%以上含むものである請求項1に記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 素地鋼板中のSi含有量が0.3〜3.0%(「質量%」の意味、鋼板の化学成分組成について、以下同じ)である請求項1または2に記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  4. 前記素地鋼板は、C:0.05〜0.3%、Si:0.5〜3.0%、Mn:0.5〜3.5%、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.01%以下(0%を含まない)、Al:0.005〜2.5%を夫々含有すると共に、Si+Al:0.6〜3.5%を満たし、残部が鉄および不可避的不純物からなり、鋼中組織は、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトの母相組織と、残留オーステナイトの第2相組織とを含む複合組織鋼板である請求項1〜3のいずれかに記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  5. 前記素地鋼板は、更に他の元素として、Cr:1%以下(0%を含まない)および/またはMo:1%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項4に記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  6. 前記素地鋼板は、更に他の元素として、Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)およびV:0.3%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる1種以上を含有するものである請求項4または5に記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  7. 前記素地鋼板は、更に他の元素として、Cu:3%以下(0%を含まない)および/またはNi:3%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項4〜6のいずれかに記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  8. 前記素地鋼板は、更に他の元素として、B:0.01%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項4〜7のいずれかに記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  9. 前記素地鋼板は、更に他の元素として、Ca:0.01%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項4〜8のいずれかに記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  10. 素地鋼板の鋼中組織が、フェライト:90体積%以下、ベイニティックフェライト:90体積%以下であり、フェライトおよび/またはベイニティックフェライトの合計量が70体積%以上であり、且つ残留オーステナイトが5体積%以上の複合組織を有する請求項4〜9のいずれかに記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
  11. 請求項4〜10のいずれかに記載の高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに当り、合金化温度(Tga)に応じて、合金化前の溶融亜鉛めっき鋼板中の残留オーステナイトの炭素濃度(Cγ)が下記(1)式を満足するように制御することを特徴とする合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
    −0.0030×Tga+2.42≦Cγ≦−0.0030×Tga+2.72…(1)
    但し、450≦Tga≦550であり、式中、Tgaは合金化温度(℃)、Cγは合金化前の溶融亜鉛めっき鋼板中の残留オーステナイトの炭素濃度(%)を夫々示す。
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