以下、本発明の一実施形態である遊技機(以下、単に「パチンコ機」と称する。)について、各図を参照しつつ説明する。
[パチンコ機の全体構成]
図1および図2を参照しつつ説明する。図1は、パチンコ機1の外枠の一側に本体枠3が開かれその本体枠3の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の前側全体を示す正面図である。なお、図1および図2では、遊技領域37における装飾部材を省略して図示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4および遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の全面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉自在に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成]
図2および図3を参照しつつ説明する。図3は、パチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12および機構装着体13を合成樹脂等によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピンおよびヒンジ孔によって開閉回動自在に装着されている。即ち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピンおよびヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着版17が装着されている。そして、スピーカ装着盤にはスピーカ18が装着されている。
前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成]
図1および図2を参照しつつ説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。
前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が、それぞれ装着されている。
サイド装飾装置52は、ランプ駆動基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、この開口孔には、ランプ駆動基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている、音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58およびリフレクタ体(図示せず)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
また、上皿51の前面左側には、演出選択スイッチ35が設けられている。この演出選択スイッチ35は、遊技者自身が押下可能に構成されている。遊技者がこの演出選択スイッチ35を押下すると、後述する演出表示装置115における演出表示に、遊技者の意思を反映することができる。なお、この演出選択スイッチ35に代えて、レバーまたはスイッチであってもよい。また、遊技者の音声を受け付ける音声入力手段であってもよい。即ち、遊技者の意思を反映できるものであれば良い。
[施錠装置の構成]
図1および図3を参照しつつ説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。
即ち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱自在に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱自在に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11および下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠の構成]
図1、図3および図4を参照しつつ説明する。図4は、パチンコ機1の後側全体を示す背面図である。図1および図3に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。
遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている(図11参照)。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。
なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の間隙が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その間隙から排出され、下皿31に案内されるように構成されている。
また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
一方、図4に示すように、遊技盤5の後側下部には、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。
ボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板131が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。
さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130および主制御基板ボックス132が配置されている。
[本体枠の機構装着体、球タンクおよびタンクレールの構成]
図7および図8を参照しつつ説明する。図7は、パチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図8は、本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134および払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。
球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。
また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。即ち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図8に向かって左側)から他端(図8に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に伸びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示せず)とを一体に備えて形成されている。
レール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。
また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物300)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。
また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。換言すれば、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物300の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部および球払出装置の構成]
図7および図8を参照しつつ説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。
また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出用モータ172(図3参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。
また、本体枠3の後端、即ち、払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150および球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関す各種部品が装着されることでユニット化されている。
なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌め込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球および貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図3および図4を参照しつつ説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図4に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを差動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置ユニット194が装着されている。
前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板197を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。
払出制御基板197は、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板131から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を中継用回路基板(図示しない)に伝達して払出用モータ172を作動制御するようになっている。
[後カバー体の構成]
図4および図5を参照しつつ説明する。図5はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図9参照)および主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。
機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他端壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の後壁部の上下および中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌め込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。
また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
即ち、後カバー体210は、その上下および中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌め込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図9参照)全体および主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板131の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板131上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板131上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230,231,232,233が貫設されており、これら多数の放熱孔230,231,232,233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさおよび配設位置に対応する大きさおよび位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成]
図2および図6を参照しつつ説明する。図6は、図5に示すパチンコ機1の斜視図から後カバー体210および各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球および貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される貸球機と払出制御基板197との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板197との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
[遊技盤の構成について]
図10〜図22を参照しつつ説明する。図10は、遊技領域37を有した遊技盤5の構成を示す拡大正面図である。図11は、遊技盤5を斜め前方から示す斜視図である。
図10および図11に示すように、遊技盤5は、遊技領域37を形成する略円形の遊技領域形成壁80を有している。この遊技領域形成壁80の内側(遊技領域37側)であって且つ左側には、遊技球を遊技領域37に案内する外レール76および内レール77からなる案内レール78が設けられている。発射装置ユニット194(図7参照)から発射された遊技球は、案内レールに沿って遊技領域37に向けて打ち込まれる。
遊技領域37の中央部には、センター役物300が配置されている。このセンター役物300は、遊技領域37の幅方向のうち3分の2以上の幅を占める大きさである。センター役物300は略長方形の開口部301を有しており、この開口部301には演出表示装置115が配置されている。また、センター役物300は枠状装飾体370を有しており、この枠状装飾体370は、開口部301の開口縁に沿って設けられている。
センター役物300の下方には、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な第1始動口390が配置されている。第1始動口390の下方には、一対の可動片396を有する第3始動口394(第2始動口については後述する)が配置されている。第3始動口394は、一対の可動片396が閉状態であるときは遊技球を受け入れることが不可能または受け入れ困難となっており、この一対の可動片396が開状態であるときは、第1始動口390よりも遊技球の受け入れが容易となる。
なお、本実施形態において、「下方」とは、遊技球の流下方向についての下流側を意味し、「上方」とは、遊技球の流下方向についての上流側を意味する。
第1始動口390の真上であって且つ枠状装飾体370の下枠370aには開口部372が形成されている。
センター役物300の上部には、第1開閉装置398が設けられている。この第1開閉装置398は、第1大入賞口3981と、この第1大入賞口3981に対応して設けられた第1大入賞口開閉扉3982とを有している。第1大入賞口3981は、遊技球の受け入れが可能な開口部である。第1大入賞口開閉扉3982は、第1大入賞口3981を、遊技球の受け入れが可能な開状態と遊技球の受け入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。
なお、第1大入賞口開閉扉3982の構成は、第1大入賞口3981を開閉させることができればその態様は限定されないが、本実施形態では、遊技盤5の遊技領域37が形成された面を横切る方向(即ち前後方向)に出し入れ自在に構成されている。
また、本実施形態において、「前後方向」とは、遊技盤5の面に対して直交する方向、即ち、遊技者からみた前後方向を意味する。
第3始動口394の下方には、第2開閉装置400が設けられている。この第2開閉装置400は、第2大入賞口4001と、この第2大入賞口4001に対応して設けられた第2大入賞口開閉扉4002とを有している。第2大入賞口4001は、遊技球の受け入れが可能な開口部である。第2大入賞口開閉扉4002は、第2大入賞口4001を、遊技球の受け入れが可能な開状態と遊技球の受け入れが不可能または困難にする閉状態とに切り換えるための部材である。
センター役物300の左側には、遊技球が通過可能な通過ゲート402が設けられており、センター役物300の左下方(第1始動口390および第3始動口394の左側)には、三つの一般入賞口404が設けられている。
また、本実施形態において、「左側」とは、遊技者からみた左側を意味する。
センター役物300の右下には、後述する第1特別図柄抽選手段700による抽選結果を表示する第1特別図柄表示器84、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果を表示する第2特別図柄表示器86、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数を表示する第1保留表示器88および第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数を表示する第2保留表示器90が設けられている。
これらの各表示器84,86,88,90は、例えばLEDで構成されており、このLEDの点灯態様によって、第1特別図柄抽選手段700による抽選結果、第2特別図柄抽選手段710による抽選結果、第1特別図柄抽選手段700による抽選の保留数および第2特別図柄抽選手段710による抽選の保留数が報知される。
センター役物300は、枠状装飾体370の下枠370a付近に、第1棚部(以下、「第1ステージ330」と称する。)と、遊技球の流下方向について第1ステージ330よりも下流側に配置された第2棚部(以下、「第2ステージ350」と称する。)とを有している。第2ステージ350が配置されている位置は、第1ステージ330に対して演出表示装置115の反対側(即ち前方(遊技者)側)である。
枠状装飾体370の左枠370bの上下方向の略中央付近(即ち枠状装飾体370の側方)には、流下する遊技球を、第1ステージ330まで誘導するための第1ステージ誘導路(以下、「第1ワープ316」と称する。)に受け入れ可能な第1ワープ入口306が設けられている。
また、第1ワープ入口306の下方には第2ステージ誘導路(以下、「第2ワープ318」と称する。)に受け入れ可能な第2ワープ入口308が、第1ワープ入口306と並設されている。
第1ワープ入口306および第2ワープ入口308の下方には、それぞれ、第1ワープ入口306に遊技球を誘導する第1ワープ誘導片(図示せず)および第2ワープ入口308に遊技球を誘導する第2ワープ誘導片310が設けられている。この第2ワープ誘導片310は、枠状装飾体370から左方(即ち、センター役物300から遊技領域37)に向けて突出している。これにより、第2ワープ入口308が第1ワープ入口306よりも遊技球が導かれ易くなっている。従って、遊技球が第1ワープ入口306に導かれなかった場合であっても、第2ワープ入口308に受け入れられる期待感が高まり、興趣が高められる。
第1ステージ330には、第1ワープ出口側端部336から第1ワープ反出口側端部338にかけて波状に形成された曲面が形成されている。詳しくは、上方向に膨らんだ山部332が第1ステージ330の左右方向の略中央部に形成されており、この山部332の左右両側には、山部332と連続的に連なった谷部334が形成されている。
なお、山部332の高さは、第1ワープ出口側端部336および第1ワープ反出口側端部338よりも低い位置となっている。これにより、第1ワープ出口312から排出された遊技球は、山部332を乗り越えることができ、第1ワープ出口側端部336第1ワープ反出口側端部338との間を往復して転動することができる。
第2ステージ350の略中央部には、高台部352が形成されている。この高台部352は、第1ステージ330の山部332の前方に位置している。第2ステージ350は、高台部352の他、第2ワープ出口側端部356からこの高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。また、第2ワープ反出口側端部358から高台部352にかけて曲面が形成された湾曲部354を有している。これらの湾曲部354は、高台部352よりも下方に湾曲している。
なお、高台部352の高さは、第2ワープ出口側端部356および第2ワープ反出口側端部358よりも低い位置である。これにより、第2ワープ出口314から排出された遊技球は、高台部352を乗り越えることができ、第2ワープ出口側端部356から第2ワープ反出口側端部358との間を往復して転動することができる。
第1ワープ入口306および第2ワープ入口308に受け入れられた遊技球は、それぞれ、第1ワープ出口312および第2ワープ出口314から排出されて、第1ステージ330および第2ステージ350に導かれる。
なお、第1ワープ316における遊技球の流下方向と第1ステージ330における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第1ワープ316を流下した遊技球は、運動エネルギーの損失が少ない。即ち、第1ワープ316を流下した遊技球がその進行方向を変えられると運動エネルギーが損失してしまう。従って、第1ワープ316を流下した遊技球は、第1ステージ330上を勢い良く転動する。同様に、第2ワープ318における遊技球の流下方向と第2ステージ350における遊技球の転動方向とが略同一線上にあるので、第2ワープ318を流下した遊技球も、運動エネルギーの損失が少ない。これにより、第1ステージ330に導かれた遊技球および第2ステージ350に導かれた遊技球は、いずれも、第1ステージ330上および第2ステージ350上を勢い良く転動し、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
また、本実施形態において、第1ステージ330および第2ステージ350には、センター役物300の右側からは遊技球が導かれない。即ち、第1ステージ330および第2ステージ350にはセンター役物300の左側からのみ遊技球が導かれるので、第1ステージ330上および第2ステージ350上を転動する遊技球が、反対方向から導かれた遊技球によって転動を阻害されることがない。これにより、各ステージ上330,350に滞在する時間が長くなり、その結果各ステージ330,350において遊技球が遊ぶこととなり、興趣が高められる。
枠状装飾体370の下枠370a付近であって且つ演出表示装置115と第1ステージ330との間には、演出表示装置115に隣接するセンター電飾部302が形成されている。このセンター電飾部302には、センター役物300の幅方向に沿って棚状の曲面が形成されており、この曲面には、複数のセンター装飾ランプ304が配置されている。
センター電飾部302の左右方向の略中央部であって且つ第1ステージ330の山部332に対応する位置には、遊技球を受け入れ可能な第2始動口392が形成されている。即ち、第2始動口392は、遊技球の流下方向である第2ステージ350側ではなくその反対方向に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球の第2始動口392への入賞を視認し易くなる。これは、第2ステージ350が第1ステージ330よりも下方に形成されており且つ第1ステージ330と第2ステージ350との間に後述するステージ仕切壁364が設けられているからである。
また、第1ステージ330の山部332には、第2始動口392に遊技球を導くための第2始動誘導口340が形成されている。この第2始動誘導口340は、山部332から第2始動口392にかけて下方に傾斜しており、これにより、第2始動口392に遊技球が導かれるようになっている。従って、第1ステージ330上を転動している遊技球が山部332付近で転動する勢いがなくなったとき、この第2始動誘導口340によって第2始動口392に導かれ易くなる。
なお、第2始動口392に入賞した遊技球は、遊技盤5の背後に連通する排出路(図示せず)を通って、遊技盤5の背後に排出される。
第1ステージ330の谷部334には、第2ステージ350に遊技球を導くための第2ステージ誘導溝342が形成されている。この第2ステージ誘導溝342は、谷部334から第2ステージ350にかけて下方に傾斜しており、これにより、第2ステージ350に遊技球が導かれるようになっている。従って、第1ステージ330上を転動している遊技球が山部332を乗り越える勢いがなくなったとき、この第2ステージ誘導溝342によって第2ステージ350に導かれ易くなる。第1ワープ出口側端部336と第1ワープ反出口側端部338との間を往復して転動するだけの勢いがなくなった遊技球は、山部332から第3始動口394に入賞する可能性よりも、谷部334から第2ステージ350に導かれる可能性の方が極めて高い。
第1ステージ330と第2ステージ350との間には、各ステージ330,350を仕切るための薄い板状のステージ仕切壁364が設けられている。このステージ仕切壁364は第1ステージ330上の面よりも上方向に突出するように配置されており、これにより、第1ステージ330上を転動する遊技球が第2ステージ350に流下しないようになっている。ただし、ステージ仕切壁364の第1ステージ330の谷部334に対応する位置には、第1ステージ330(具体的には谷部334)と第2ステージ350とが連通する連通部366が形成されている。連通部366付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、連通部366を通って第1ステージ330から第2ステージ350に流下する。
第2ステージ350の左右方向の略中央部(即ち、第1ステージ330の山部332に対応する部位)であって且つ高台部352に対応する位置には、第1始動口誘導路374を介して枠状装飾体370の下枠370aに形成された開口部372に連通する第1始動誘導口368が形成されている。即ち、第1始動誘導口368は、遊技球の流下方向側ではなくその反対方向に設けられている。これにより、遊技者から見て遊技球が第1始動誘導口368に受け入れられることを視認し易くなる。
第1始動誘導口368に導かれた遊技球は、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出される。ここで、第1始動口誘導路374は第1始動口390の真上方まで遊技球を導くように形成されているので、第1始動口誘導路374に導かれて遊技盤5面側に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する期待感は非常に大きなものとなる。ただし、第1始動口390の真上には釘が配置されており、この釘によって第1始動口390への遊技球の入賞が阻害されることがある。従って、第1始動口誘導路374を通って開口部372から遊技盤5上に排出された遊技球が第1始動口390に入賞する確率は、概ね4分の1〜4分の3程度となる。
高台部352の左右方向の略中央部は第1始動誘導口368の位置に対応しており、高台部352の両端から略中央部にかけて(即ち、第1始動誘導口368側に向けて)下方に傾斜する傾斜部353を有している。また、高台部352の略中央部には、後述する第3棚部(以下、「第3ステージ376」と称する。)に遊技球を導くための前方傾斜溝360が形成されている。また、前方傾斜溝360の内側にはさらに、遊技球を第1始動誘導口368に導くための第1始動誘導口誘導溝362が形成されている。即ち、高台部352の略中央部には、後方から前方にかけて下方に傾斜する前方傾斜溝360が形成されていると共に、この前方傾斜溝360の内部にさらに、前方から後方にかけて下方に傾斜する第1始動誘導口誘導溝362が形成されていることとなる。これにより、前方傾斜溝360付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、第1始動誘導口誘導溝362に沿って第1始動誘導口368に導かれる場合と、前方傾斜溝360に沿って第3ステージ376に流下する場合とがある。
また、枠状装飾体370の下枠370aには、左右方向に円弧を描くように曲面が形成された第3ステージ376が形成されている。遊技球は、この第3ステージ376上を左右方向に転動可能となっている。第3ステージ376の左右方向の略中央部には、後方から前方にかけて下方に傾斜する前方誘導溝378が形成されている。この前方誘導溝378付近で左右に転動する勢いがなくなった遊技球は、前方誘導溝378に沿って遊技盤5上を流下する。
このように、高台部352の略中央部に第1始動誘導口誘導溝362が形成されているので、第1始動誘導口368に遊技球が導かれる期待感は、山部332から第2始動口392に入賞する期待感よりも極めて高くなる。また、第2始動口392には第1ワープ入口306からセンター役物300内に受け入れられた遊技球のみが入賞可能である一方、第1始動口390には第1ワープ入口306または第2ワープ入口308からセンター役物300内に受け入れられた遊技球のみでなく、センター役物300の左側を流下した遊技球が、釘によって誘導されて第1始動口390に入賞する場合もある。このように、第1始動口390に遊技球が入賞する確率は、第2始動口392に遊技球が入賞する確率よりも高いものとなる。
図12は、遊技盤5を斜め前方から示す斜視図であって、装飾カバーを取り外すことによって第1ワープ316および第2ワープ318を視認可能とした斜視図である。図12に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318は、互いに区画して形成されている。即ち、第1ワープ入口306から取り込まれた遊技球は第1ワープ316のみを流下し、第2ワープ入口308から取り込まれた遊技球は第2ワープ318のみを流下する。これにより、第1ワープ入口306から取り込まれた遊技球と第2ワープ入口308から取り込まれた遊技球とが互いに干渉することなく、それぞれ、第1ステージ330および第2ステージ350に導かれる。
また、第1ワープ316および第2ワープ318は、いずれも、内部を流下する遊技球を視認可能であるように透明部材で構成されている。これにより、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308から受け入れられた遊技球を視認できる。遊技者は、センター役物300や演出表示装置115に注意を惹かれていることが多いため、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308に遊技球が受け入れられたことを見逃す場合が多く、これにより興趣が低下していた。そこで、第1ワープ316および第2ワープ318を透明部材とすることによって、第1ワープ入口306または第2ワープ入口308に遊技球が受け入れられたことを見逃した場合であっても、第1ワープ316および第2ワープ318を流下する遊技球を視認できるので、興趣の低下を抑制できる。
さらに、第1ワープ316および第2ワープ318は、互いに前後方向に隣接してセンター役物300の開口部301に沿って配置されている。詳しくは、第1ワープ316が後方側、第2ワープ318が前方側となるように、互いに隣接すると共に、センター役物300の開口部301に沿って設けられている。これにより、狭いスペースであっても、両者を効率良く配置できる。
図13は、第1ワープ316および第2ワープ318の周辺の構成を示す斜視図である。図13に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318の後方には、演出用の光源380が配置される。光源380は、ベース382と複数個のLED384とを有しており、ベース382に複数個のLED384が配列されている。なお、光源380(ベース382およびLED384)、装飾カバー386および光透過部材388によって電飾部材379が構成される。
光源380から発光された光は、光透過部材388に入射し、平面部3881に沿って光透過部材388を透過して遊技盤5の前方に導かれる。光透過部材388は、湾曲された板状の部材であって、透明のプラスティック等の樹脂により構成されている。光透過部材388は平面部3881と、この平面部3881に交差する端部3882とを有している。光透過部材388は、この端部3882が前方側(遊技者側)となるように配置される。
第1ワープ316、第2ワープ318および光透過部材388は、着色された非透明の装飾カバー386によって被覆されている。光透過部材388を透過した光は、装飾カバー386まで導かれるので、装飾カバー386の前面部が発光する。このように、光透過部材388は、光源380から発光された光を前方に導いて線状に発光させることができる。しかも、この光透過部材388は平面部3881の幅方向長さ分だけ光を前方に導くことができるので、光源380を配置する位置の自由度が大きくなる。
また、装飾カバー386が着色されることによって、第1ワープ316および第2ワープ318が視認し難くなっている。従って、装飾カバー386の前面部には、第1ワープ316を流下する遊技球を視認できるように第1ワープ視認孔3861と、第2ワープ318を流下する遊技球を視認できるように第2ワープ視認孔3862とが形成されている。これにより、着色された光による演出を行うことができると共に、第1ワープ316および第2ワープ318を流下する遊技球を視認することができ、興趣が高められる。
図14は、光透過部材388と第1ワープ316および第2ワープ318との位置関係を示した図である。図14に示すように、第1ワープ316および第2ワープ318は、光透過部材388の平面部3881に沿って取り付けられる。ここで、光源380から発光された光は光透過部材388の端部3882から前方に導かれるので、遊技球が流下する経路を、光源380から発光された光によって容易に把握することができる。
また、第1ワープ316および第2ワープ318が互いに前後方向に隣接して配置されているので、第1ワープ316および第2ワープ318のそれぞれに光源380および光透過部材388を設けることなく、第1ワープ316および第2ワープ318のそれぞれを流下する遊技球を把握することができる。
また、光透過部材388を透過した光は端部3882から出射するので、線状に発光させることができる。これにより、センター役物300の周囲に沿う場所等、狭い場所であっても発光させることが可能になり、華やかな演出の実行が可能となる。さらに、センター役物300の開口部301に沿って発光させたい場合のように、枠状に発光させることも可能となる。
また、この光透過部材388の端部3882には、平面部3881が正面視となる方向から見て蒲鉾形に形成されている。これにより、平面部3881を透過した光が、直線的に前方に導き出されるのではなく端部3882の長手方向に沿う方向に分散されるので、発光領域が大きくなり、より華やかに見え、興趣が高められる。
また、このパチンコ機1は、遊技領域37に配置され、遊技球を用いた演出を行うことが可能な演出用役物420を含んでいる。図15は、演出用役物420を含む遊技盤5の構成を示す正面図である。
演出用役物420は、センター役物300の内側であって且つ枠状装飾体370の右枠370cに隣接する部位に配置されており、第1大入賞口3981から受け入れられた遊技球を用いて演出を行なう。
演出用役物420は円筒状の役物収容体422を有しており、この役物収容体422の内部には、図15に示すようにフィギュア424が収容されている。この役物収容体422は、円周方向の一部が、内部を視認できる透明部材で構成されており、円周方向の一部とは異なる他の部が、内部を視認できない不透明部材で構成されている。ただし、透明部材に代えて開口部が形成されていても良い。内部に収容されたフィギュア424を視認できればその態様は限定されない。
役物収容体422は、長手方向に伸びる中心(即ち役物収容体422の長手方向を横切る断面の中心線)を回転中心として回転自在に構成されている。従って、その回転位置によって、遊技者からフィギュア424を視認できたりまたは視認できなかったりする。即ち、不透明部材が前方(遊技者側)となる場合にはフィギュア424を視認できず(図10参照)、透明部分が前方となる場合にはフィギュア424を視認することができる(図15参照)。
なお、「遊技盤5に対して回転自在」とは、遊技盤5に取り付けられていることを意味するのではなく、遊技盤5に取り付けられているか否かに拘わらず、遊技盤5に対して回転自在であれば良い。
フィギュア424を視認できないとき、役物収容体422の前面には「歌姫伝説」の文字を視認することができる。この文字は光を透過可能な透明部材で構成されている。また、この文字の後方にはLED等の光源が配置されている。この光源から遊技盤5の前方に向けて発光させると、「歌姫伝説(装飾文字)」が点灯する。そして、光源の点灯態様を様々な態様とすることで、演出用役物420を装飾部材として用いることもできる。
従って、演出用役物420は、フィギュア424を視認できるとは演出用役物420として機能し、フィギュア424を視認できないとき(即ち装飾文字を視認できるとき)は装飾部材として機能するので、遊技盤5の領域を有効に活用できると共に、役物収容体422を回転させることによって遊技者に意外性を与えることができるので興趣が高められる。
図16は、遊技盤5の後方に取り付けられる遊技盤ベース480を、正面上前方から示す斜視図である。図17(a)は、遊技盤5の正面図である。図17(b)は、図17(a)に示されるA−A線断面図である。図16および図17(b)に示すように、演出用役物420と第1開閉装置398との間には、第1大入賞口3981から受け入れられた遊技球を演出用役物420に向けて導く役物誘導路440が設けられている。
また、役物誘導路440は、第1開閉装置398から演出用役物420に向けて下方に傾斜している(図16参照)。これにより、第1大入賞口3981に受け入れられた遊技球は、演出用役物420に向けて役物誘導路440上を転動する。また、役物誘導路440は透明な樹脂部材で構成されており、これにより、役物誘導路440上を転動する遊技球を視認することができる。
第1開閉装置398から受け入れられた遊技球は、演出用役物420の上方に設けられた振分機構450によって、演出用役物420に導かれる遊技球と遊技盤5の背後に排出される遊技球とに振り分けられる。
図18は、第1開閉装置398、役物誘導路440、振分機構450および演出用役物420を左上方から見た斜視図である。図19〜図21は、役物誘導路440、振分機構450および演出用役物420の平面図であって、遊技球が振分機構450によって振り分けられる態様を示す図である。
図18〜図21に示すように、振分機構450は、図18に示すX方向およびY方向に伸縮(移動)するプランジャー4521を有するソレノイド452と、第1開閉装置398(図18参照)から受け入れられた遊技球を、1球のみ保持できる遊技球保持部材454と、プランジャー4521と遊技球保持部材454とを連結する連結部材456と、連結部材456を支持するピン458とを有している。
図19および図20に示すように、ソレノイド452のプランジャー4521は、通常状態(即ち消磁状態)のときはX方向側に位置している。そして、役物誘導路440上を第2開閉装置400に向けて転動してきた遊技球は、遊技球保持部材454に保持される。
図20に示すように、遊技球保持部材454に1球の遊技球が保持されると、その後に第2開閉装置400上を転動してきた遊技球は、遊技球保持部材454によって保持できないので、遊技盤5の後方側(図中のY方向側)に排出される。
図21に示すように、ソレノイド452が励磁するとプランジャーがY方向に移動する。このとき、連結部材456がピン458を支点として反時計回り(図中のα方向)に回転する。遊技球保持部材454は、連結部材456の反時計回りへの回転に伴って反時計回りに回転する。演出用役物420の役物収容体422の上面には、遊技球が落下できる落下口4221が形成されている。ソレノイド452が励磁して遊技球保持部材454が連結部材456を支点として反時計周りに回転すると、遊技球保持部材454に保持されている遊技球は、落下口4221から役物収容体422内に落下する。
なお、ソレノイド452が消磁状態であれば、遊技球保持部材454によって保持された遊技球が落下口4221とずれた位置で保持されるので、遊技球保持部材454によって保持された遊技球が役物収容体422内に落下することはない。
図22は、演出用役物420の役物収容体422の内部構成を示す正面図である。図22に示すように、役物収容体422の内部には、遊技球を用いて演出を行うフィギュア424が配置されている。
役物収容体422の内部には、フィギュア424の他、遊技球が転動可能な第1演出樋426および第2演出樋428が設けられている。第1演出樋426および第2演出樋428は、いずれも、遊技球が転動する態様を視認できるように透明部材で構成されている。
フィギュア424は、片手4241を前方向に差し出した態様で配置されている。また、フィギュア424には、片手4241の真上に支持軸430が支持されている。この支持軸430は、前後方向を長手方向とする軸である。即ち、片手4241と支持軸430とが略平行となる。第1演出樋426は、フィギュア424の片手4241に支えられるように片手4241に固定して配置されていると共に、支持軸430に支持されている。
支持軸430は、フィギュア424の片手4241および第1演出樋426と一体的に構成されていると共に、所定の角度範囲内で回転自在に構成されている。
第1演出樋426の下方には第2演出樋428が配置されている。この第2演出樋428は、一方の端(本実施形態では右端4281)から他方の端(本実施形態では左端4282)にかけて傾斜している。
支持軸430の下方であって且つ左側には第1の演出口432が、支持軸430の下方であって且つ右側には第2演出樋428に連通する第2演出樋誘導口434が、それぞれ形成されている。支持軸430が反時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第1演出樋426の左端4262が第1の演出口432の上方に位置する。一方、支持軸430が時計回りの方向に回転限界まで回転したとき、第1演出樋426の右端4261が第2演出樋誘導口434の上方に位置する。
また、第2演出樋428の左端4282の下方には、第2の演出口432が形成されている。即ち、第1の演出口432と第2の演出口436とが上下に並んで形成されている。
ここで、第1の演出口432は青色、第2演出樋誘導口434および第2の演出口436は赤色で構成されている。これにより、第1演出樋426による1球の遊技球を左右に振り分けつつ、当たりであるか外れであるかについては、上下に並んで形成された各演出口への遊技球の受け入れによって判断できる。
[主基板および周辺基板の制御的な構成について]
図23および図24に基づき説明する。図23は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、主基板500周辺の構成を主として示した図である。図24は、制御構成を概略的に示すブロック図であって、周辺基板600周辺の構成を主として示した図である。なお、これらの図面において太線の矢印は電源の接続および方向を示し、細線の矢印は信号の接続および方向を示している。
本実施形態のパチンコ機1の制御は、大きく分けて主基板500のグループ(図23に示す)と、周辺基板600のグループ(図24に示す)とで分担されている。主基板500のグループは遊技動作(入賞検出や当たり判定、特別図柄表示、賞球払出等)を制御しており、周辺基板600のグループは演出動作(発行装飾や音響出力、液晶表示および装飾体の動作等)を制御している。
図23に示すように、主基板500は、主制御基板510と払出制御基板520とから構成されている。主制御基板510は、中央演算装置としてのCPU512、読み出し専用メモリとしてのROM514および読み書き可能メモリとしてのRAM516を備えている。
CPU512は、ROM514に格納されている制御プログラムを実行することによりパチンコ機1で行われる各種遊技を制御したり、周辺基板600や払出制御基板520に出力するコマンド信号を作成したりする。
ROM514には、主制御基板510で実行される種々の処理において生成される各種データや入力信号等の情報が一時的に記憶される。
なお、主基板500は、電源中継端子板199を介して電源基板195に接続されており、電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
この主制御基板510の入力インタフェースには、第1始動口390への入賞状態を検出する第1始動口センサ580、第2始動口392への入賞状態を検出する第2始動口センサ582、第3始動口394への入賞状態を検出する第3始動口センサ584および全ての入賞口に対する入賞数をカウントするための全入賞口入賞数検出センサ586が接続されている。
また、主制御基板510の入力インタフェースには、パネル中継端子板550を介して、通過ゲート402を遊技球が通過したことを検出するゲートセンサ560および一般入賞口404に遊技球が入賞したことを検出する一般入賞口センサ562が接続されている。
さらに、主制御基板510の入力インタフェースには、パネル中継端子板550に接続された第1大入賞口中継端子板552を介して第1大入賞口カウントセンサ570が接続され、パネル中継端子板550に接続された第2大入賞口中継端子板554を介して第2大入賞口カウントセンサ576が接続されている。
上記各センサからの検出信号は主制御基板510に入力されるようになっている。また、主制御基板510の入力インタフェースには、前枠体11の開放状態を検出する内枠開放スイッチ536および前面枠4の開放状態を検出する扉開放スイッチ538も接続されている。
一方、パネル中継端子板550の出力インタフェースには、図柄制限抵抗基板566を介して、普通図柄・特別図柄表示基板568が接続されており、主制御基板510から、普通図柄表示器82、第1特別図柄表示器84および第2特別図柄表示器86へ駆動信号を出力することが可能になっている。
また、第1大入賞口中継端子板552の出力インタフェースには、第1開閉装置398の第1大入賞口開閉扉3982を駆動する第1大入賞口開閉ソレノイド572が接続されており、主制御基板510から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
さらに、第2大入賞口中継端子板554の出力インタフェースには、第3始動口394の一対の可動片396を駆動する普通電動役物ソレノイド574および第2開閉装置400の第2大入賞口開閉扉4002を駆動する第2大入賞口開閉ソレノイド578が接続されており、主制御基板510から、これらの駆動信号が出力されるようになっている。
一方、払出制御基板520は、中央演算装置としてのCPU522、読み出し専用メモリとしてのROM524および読み書き可能メモリとしてのRAM526を備えている。
そして、払出制御基板520は、主制御基板510から入力したコマンド信号を処理し、球払出装置170や、発射制御基板532に接続された発射モータ192に対して、駆動信号を出力する。これにより、球払出装置170は、駆動信号に従って遊技球を払い出し、発射モータ192は駆動信号に従って遊技球を発射させることが可能になる。
なお、主制御基板510と払出制御基板520との間では、それぞれの入出力インタフェースを介して双方向通信が実施されており、たとえば主制御基板510が賞球コマンドを送信すると、これに応えて払出制御基板520から主制御基板510にACK信号が返される。
また、払出制御基板520には、下皿31に貯えられる遊技球が満タンになったことを検出する下皿満タンスイッチ530も接続されており、この検出に基づいて、「遊技球を下皿31から取り出して下さい」旨の報知がなされる。
また、主制御基板510および払出制御基板520には、外部端子板534が接続されており、各始動口390,392,394や各開閉装置398,400への入賞状態、普通図柄・特別図柄の変動状態および抽選結果に基づく遊技状態等の各種情報が、遊技施設に設けられたホールコンピュータ等へ出力されるようになっている。
一方、周辺基板600は、図24に示すように、周辺制御基板610と表示装置制御基板116とから構成されている。なお、上記の主制御基板510と周辺制御基板610との間では、それぞれの入出力インタフェースと入力インタフェースとの間で一方向だけの通信が行われており、主制御基板510から周辺制御基板610へのコマンド送信はあっても、その逆は行われない。また、周辺基板600に対しても電源中継端子板199を介して電源基板195から作動用電力が供給されるようになっている。
周辺制御基板610もまた、CPU612をはじめROM614やRAM616等の電子部品を有しており、これら電子部品によって所定の演出制御プログラムを実行することが可能となっている。
また、周辺制御基板610には、音声や音楽の基となる音源を記憶したROM620と、ROM620に記憶された音源を基に、演出内容等に応じた音声や音楽を出力する音源IC618とが設けられている。
なお、周辺制御基板610と表示装置制御基板116との間では、それぞれの入出力インタフェースとの間で双方向に通信が行われる。
一方、表示装置制御基板116には、演出表示装置115としての液晶表示器(LCD)が接続されており、表示装置制御基板116には、周辺制御基板610から送信されたコマンド信号を処理し、演出表示装置115に対して駆動信号を出力する。詳しく説明すると、表示装置制御基板116には、CPU632、RAM634、ROM636、VDP638および画像ROM640が備えられている。
CPU632は、周辺制御基板610から送られてきたコマンド信号を入出力インタフェースを介して受信するとともに、そのコマンドを基に演算処理を行って、VDP638の制御を行う。RAM634は、CPU632の作業領域を提供すると共に、表示コマンドに含まれる情報を一時的に記憶する。また、ROM636は、CPU632用(表示制御用)のプログラムを保持する。
VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)638は、演出表示装置115に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する描画回路である。VDP638の内部には、レジスタが設けられており、VDP638の動作モードや各種表示機能の設定情報等を保持しておくことが可能となっている。そして、このレジスタに保持される各種情報をCPU632が書き換えることにより、演出表示装置115における表示態様を種々変化させることが可能となる。画像ROM640は、各種の画像データを記憶する不揮発性メモリであり、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データおよび背景画像用のJPEG形式画像データ等が記憶されている。
また、周辺制御基板610には、ランプ駆動基板650および枠装飾中継端子板622が接続されている。さらに、ランプ駆動基板650には、中継端子板として、センター装飾駆動部中継端子板662が接続されている。さらに、センター装飾駆動部中継端子板662には、回転部下LED基板664が接続されている。
回転部下LED基板664の入力インタフェースには、演出に用いられた遊技球(即ち、第1演出樋426を転動した遊技球)が、第1の演出口432および第2の演出口432のいずれに受け入れられたかを検出するための球振分部モータセンサ666が接続されている。また、回転部下LED基板664の出力インタフェースには、支持軸430を時計回りと反時計回りとに繰り返し回転させる球振分部モータ668および電飾としてLEDが配列された回転部LED基板670が接続されている。
また、ランプ駆動基板650の出力インタフェースには、パネル装飾ランプ652、センター装飾ランプ304、演出用役物420を回転させるための回転部モータ658および演出用役物420の回転位置を検出する回転部モータセンサ660が接続されている。これにより、ランプ駆動基板650は、これらの各ランプの点灯状態を切り替えることが可能であると共に、演出用役物420の回転動作および回転位置を検出可能となっている。さらに、ランプ駆動基板650の入力インタフェースには、遊技盤5の後方側に排出された遊技球を検出する排出口センサ654が接続されている。
また、周辺制御基板610に接続された枠装飾中継端子板622には、前面枠4に接続されたスピーカ18,57、演出選択スイッチ35および枠装飾ランプ624等が接続されており、周辺制御基板610には、演出選択スイッチ35の操作状態に基づいて演出表示装置115に出力される演出態様を切り替えると共に、スピーカ18,57や枠装飾ランプ624に対して駆動信号を出力する。
[主基板および周辺基板の機能的な構成について]
図25に基づき説明する。図25は、主基板500による抽選および周辺基板600による特別演出に拘わる機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
図25に示すように、主制御基板510は、第1特別図柄抽選手段700と、第2特別図柄抽選手段710と、普通図柄抽選手段720と、特別遊技状態発生手段730と、小当たり遊技実行手段732と、第3始動口開閉実行手段728と、第1大入賞口開閉実行手段734と、第2大入賞口開閉実行手段736と、コマンド送信手段740とを備えている。
第1特別図柄抽選手段700は、遊技球が第1始動口390に入賞して第1始動口センサ580により検出されると、第1特別図柄当たり判定用乱数抽出手段702により乱数を抽出する。そして、この抽出した乱数値と主基板500のROM514に記憶された第1特別図柄当たり判定用テーブル706とに基づいて、第1当否決定手段704によって抽選結果を判定する。
第1特別図柄抽選手段710は、遊技球が第2始動口392または第3始動口394に入賞して第2始動口センサ582または第3始動口センサ584により検出されると、第2特別図柄当たり判定用乱数抽出手段712により乱数を抽出する。そして、この抽出した乱数値と主基板500のROM514に記憶された第2特別図柄当たり判定用テーブル716とに基づいて、第2当否決定手段714によって抽選結果を判定する。
普通図柄抽選手段720は、遊技球が通過ゲート402を通過してゲートセンサ560により検出されると、普通図柄当たり判定用乱数抽出手段722により乱数を抽出する。そして、この抽出した乱数値と主基板500のROM514に記憶された普通図柄当たり判定用テーブル726とに基づいて、普通図柄当否決定手段724によって抽選結果を判定する。
第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710による抽選結果には、いずれも、15R大当たり、2R大当たり、小当たりおよび外れが含まれている。また、普通図柄抽選手段720による抽選結果には、当たりおよび外れが含まれている。
特別遊技状態発生手段730は、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714によって判定された抽選結果が15R大当たりまたは2R大当たりであるときに、特別遊技状態を発生させる(以下、「15R大当たりおよび2R大当たり」を「特別当たり」と称する。)
具体的には、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714により判定された抽選結果が15R大当たりであれば、2ラウンドまでを、第1大入賞口開閉実行手段734によって第1大入賞口開閉ソレノイド572を作動させて、第1開閉装置398の第1大入賞口開閉扉3982を開閉させる。そして、3ラウンドから15ラウンドまでを、第2大入賞口開閉実行手段736によって第2大入賞口開閉ソレノイド578を作動させて、第2開閉装置400の第2大入賞口開閉扉4002を開閉させる。一方、第1当否決定手段704および第2当否決定手段714により判定された抽選結果が2R大当たりであれば、第1大入賞口開閉実行手段734によって第1大入賞口開閉ソレノイド572を作動させて、第1開閉装置398の第1大入賞口開閉扉3982を開閉させる動作を、2ラウンドのみ行う。
第1大入賞口3981または第2大入賞口4001に遊技球が入賞すると、球払出装置170によって賞球として遊技球が払い出されると共に、第1大入賞口カウントセンサ570または第2大入賞口カウントセンサ576によって入賞球数がカウントされる。
小当たり遊技実行手段732は、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714により判定された抽選結果が小当たりであれば、第2大入賞口開閉実行手段736によって第2大入賞口開閉ソレノイド578を作動させて、第2開閉装置400の第2大入賞口開閉扉4002を開閉させる動作を、2回行う。
ここで、「ラウンド」とは、第1当否決定手段704および第2当否決定手段714により判定された抽選結果が特別当たりであることに基づいて特別遊技状態が発生したときに、第1大入賞口開閉扉3982による第1大入賞口3981の開閉動作または第2大入賞口開閉扉4002による第2大入賞口4001の所定時間に亘る開閉動作の回数を表す単位である。従って、第1当否決定手段704および第2当否決定手段714により判定された抽選結果が小当たり(通常遊技状態における一態様)の場合には、「ラウンド」とは言わない。
なお、本実施形態では、第1当否決定手段704および第2当否決定手段714により判定された抽選結果が2R大当たりの場合と小当たりの場合とで、第1開閉装置398の開閉動作態様が同じである。ただし、2R大当たりの場合は特別遊技状態が終了したのちの遊技状態が、特別当たりへの当選確率が高くなる所謂「確変遊技状態」となるが、小当たりの場合は、特別遊技状態、確変遊技状態および所謂「時短遊技状態」のうちいずれの遊技状態でもない通常遊技状態のままである。従って、第1大入賞口開閉扉3982の開閉動作が2ラウンドまたは2回行われたとき、遊技者は、2R大当たりであるのか小当たりであるのかを判別することが困難であるものの、その後、第1特別図柄抽選手段700および第2特別図柄抽選手段710によって特別当たりに当選する確率が異なることとなる。これにより、遊技者は、遊技状態が確変遊技状態であるのか通常遊技状態であるのか判別できず、興趣が高められる。
第3始動口開閉実行手段728は、普通図柄当否決定手段724によって判定された抽選結果が当たりであるときに、普通電動役物ソレノイド574を作動させて一対の可動片396を開閉動作させる。一対の可動片396が開閉動作すると、第3始動口394に遊技球が入賞し易くなる。なお、一対の可動片396が閉状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞が不可能であるか、または、第3始動口394への遊技球の入賞が第1始動口390および第2始動口392への遊技球への入賞よりも困難であるものの、一対の可動片396が開状態であるときは、第3始動口394への遊技球の入賞は、第1始動口390および第2始動口392への遊技球の入賞よりも容易となる。なお、本実施形態においては、第2始動口392への遊技球の入賞は、第1始動口390への遊技球の入賞よりも困難に構成されている。
コマンド送信手段740は、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を周辺基板600に送信する。「抽選結果に拘わる情報」とは、演出表示装置115において行われる演出時間等が相当する。
周辺基板600は、コマンド受信手段750と、演出抽選手段760と、演出役物動作実行手段762とを備えている。
コマンド受信手段750は、主制御基板510から送信された第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果およびこの抽選結果に拘わる情報を受信する。
演出抽選手段760は、演出用役物420による演出を行うか否かを抽選により決定する。演出抽選手段760による抽選の結果、演出用役物420による演出を行うと決定されると、演出抽選手段760は、ランプ駆動基板650およびセンター装飾駆動部中継端子板662を介して球振分部モータ668を作動させて、演出用役物420による演出を実行する。ただし、演出用役物420による演出は、第1開閉装置398(第1大入賞口3981)に入賞した遊技球を用いて行うため、第1開閉装置398に遊技球が入賞しなかった場合には、かかる演出は行われない。
[演出用役物の動作について]
図24〜図26に基づき説明する、図26(a)は、演出用役物420の役物収容体422の内部構成を示す正面図であって、第1演出樋426が第1の演出口432に向けて下方に傾斜していることを示す図である。図26(b)は、演出用役物420の役物収容体422の内部構成を示す正面図であって、第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて下方に傾斜していることを示す図である。
先ず、ランプ駆動基板650では、パチンコ機1の電源投入時や、リセット時において、演出用役物420の回転位置を検出する回転部モータセンサ660の検出信号の受信の有無を確認する。回転部モータセンサ660からの検出信号がなければ、演出用役物420の役物収容体422の内部を視認することができない位置に、演出用役物420を回転駆動させる。これにより、図10に示すように、演出用役物420の正面には「歌姫伝説」が表れる。
その後、遊技状態の変化に伴って、周辺制御基板610からランプ駆動基板650へ、演出用役物420を回転駆動制御する旨の制御コマンドが送信されると、ランプ駆動基板650では、図15に示すように演出用役物420の役物収容体422の内部のフィギュア424を視認することができるように、回転部モータ658を駆動させ、演出用役物420を回転駆動させる。これにより、遊技者は、演出用役物420の役物収容体422の内部に配置されたフィギュア424を視認することができる。また、第1開閉装置398から受け入れられた遊技球が第1演出樋426に導かれた場合には、この遊技球を用いた演出を視認することができる。
なお、遊技球を用いた演出は、フィギュア424により演出駆動制御する旨の制御コマンドが周辺制御基板610からランプ駆動基板650へ送信されると、ランプ駆動基板650は、支持軸430を、β方向とγ方向とに繰り返し往復回転させる。
支持軸430がα方向とβ方向とに繰り返し往復回転されると、フィギュア424の片手4241は、支持軸430の回転に伴って、フィギュア424に対して支持軸430を回転中心として回転する。即ち、支持軸430が時計回り(図中のβ方向)に回転すると、これに伴って片手4241および第1演出樋426が、支持軸430を回転中心として、フィギュア424に対してβ方向に回転する。また、支持軸430が反時計回り(図中のγ方向)に回転すると、これに伴って片手4241および第1演出樋426が、支持軸430を回転中心として、フィギュア424に対してγ方向に回転する。これにより、図26(a)に示されるように第1演出樋426が第1の演出口432に向けて下方に傾斜した態様と、図26(b)に示されるように第1演出樋426が第2演出樋誘導口434に向けて下方に傾斜した態様とが繰り返される。
なお、第1大入賞口3981に入賞した遊技球が第1演出樋426上に存在していれば、支持軸430が時計回りおよび反時計回りに繰り返し往復回転することによって、かかる遊技球は、第1演出樋426上を左右方向に転動する。換言すれば、第1演出樋426の遊技球が第1の演出口432または第2演出樋誘導口434に導かれる前に、支持軸430がそれまでの回転方向とは異なる反対方向に回転することによって、遊技球が第1演出樋426上を左右方向に転動することとなる。そして、支持軸430がγ方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図26(a)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第1の演出口432に導かれる。一方、支持軸430が時計回りの方向について回転限界まで回転して一定時間保持されると(図26(b)の態様で一定時間保持されると)、遊技球は第2演出樋誘導口434に導かれる。
第1演出樋426上を転動する遊技球が第1の演出口432に受け入れられると、かかる遊技球は遊技盤5の背後に排出される。一方、第1演出樋426上を転動する遊技球が第2演出樋誘導口434に受け入れられると、かかる遊技球は、第2演出樋428の右端4281上に落下し、右端4281から左端4282に向けて転動する。そして、右端4281から左端4282に向けて転動した遊技球は、第2の演出口432に受け入れられる。
なお、遊技球を用いた演出用役物420による演出(即ち、遊技球が第1の演出口432に受け入れられるかまたは第2の演出口432に受け入れられるかといった演出)は、コマンド送信手段740から受信した第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果に基づいて行われる。
具体的には、演出用役物420による演出を行うとき、第1の演出口432および第1演出樋426のうちいずれの演出口を当たりの演出口(または外れの演出口)とするのかを決定する。そして、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果の判定が2R大当たりまたは小当たりである場合には、第1演出樋426上を転動する遊技球が当たりの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。一方、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果の判定が外れである場合には、第1演出樋426上を転動する遊技球が外れの演出口と決定された側の演出口に導かれるように演出を行う。このようにして、演出用役物420による演出毎に、当たりの演出口と外れの演出口とを切り替える。これにより、単調な遊技を回避でき、演出用役物420による演出が行われる際に遊技者は、いずれの演出口が当たりであるのかに注意を惹かれ、興趣が高められる。
なお、「当たりの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性があることを示す演出口のことであり、「外れの演出口」とは、抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果よりも不利な結果であることを示す演出口のことである。ここで、「抽選手段による抽選結果が遊技者に有利な結果である可能性がある」とは、第1特別図柄抽選手段700または第2特別図柄抽選手段710による抽選結果が「2R大当たりおよび小当たり」を意味する。即ち、「可能性」とは、この抽選結果が2R大当たりであれば確変遊技状態が発生することから遊技者に有利な結果と言うことができ、小当たりであれば通常遊技状態が継続するので遊技者に有利な結果とは言えないことに基づくものである。
一方、演出表示装置115では、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果の判定が2R大当たりまたは小当たりである場合に、特別演出が行われる。これにより、遊技者は、演出表示装置115において特別演出が行われると特別遊技状態が発生する期待感が高まり、興趣が高められる。
このように、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果の判定に応じて、第1演出樋426上を転動する遊技球が第1の演出口432または第2の演出口436に導かれるように演出を行う。そして、演出表示装置115において特別演出が行われる場合には、第1演出樋426上を転動する遊技球を、当たりの演出口に誘導し、演出表示装置115において特別演出が行われない場合には、外れの演出口に誘導する。従って、演出用役物420による演出が行われているとき、遊技者は、当たりの演出口に遊技球が受け入れられることに期待感を持って遊技を行うことになる。
しかも、本実施形態では、第1当否決定手段704または第2当否決定手段714による抽選結果の判定がたとえ2R大当たりまたは小当たりであったとしても、第1開閉装置398に遊技球が受け入れられなかった場合には、遊技球を用いた演出が行われない。従って、遊技者は、第1開閉装置398の第1大入賞口3981が開状態となったときには、何としても遊技球を第1大入賞口3981内に入賞させようという意思が働く。これにより、パチンコ機1から一方的に行われる演出を単に見るだけではなく、遊技者自身が遊技に参加しているといった感情を持つことができ、興趣が高められる。さらに、役物誘導路440、第1演出樋426および第2演出樋428はいずれも、これらの上を転動する遊技球を視認できるように透明部材で構成されているので、遊技球が第1開閉装置398に入賞してから第1の演出口432または第2の演出口432に受け入れられるまでの一連の動向を把握できるので、さらに興趣が高められる。
以上に説明した本実施形態の遊技機は、以下の構成を備える。なお、以下の構成1〜8は単独で、若しくは、適宜組み合わされて備えられている。
[構成1]
遊技領域が形成され、当該遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技盤と、
前記遊技盤の遊技領域に配置され、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能であって、遊技球が受け入れられることによって遊技に関連する動作が実行される第1の受入口と、
前記遊技盤の遊技領域であって且つ遊技球の流下方向について前記第1の受入口よりも上流側に配置される主役物と、を含み、
前記主役物が、
山部および当該山部の両側に形成された谷部を有し、前記山部と前記各谷部とが波状に連なると共に、遊技球が往復転動自在な第1ステージと、
高台部および当該高台部の両端から当該高台部とは反対側に向けて下方に湾曲する湾曲部を有し、遊技球の流下方向について前記第1ステージよりも下流側に形成されると共に、遊技球が往復転動自在な第2ステージと、を含み、
前記高台部に対応する位置であって且つ前記第2ステージに沿う後方側には、前記第1の受入口の直上方まで遊技球を導くことが可能な誘導口が形成されており、
前記高台部が、当該高台部の両端から前記誘導口に対応する位置に向けて下方に傾斜しており、
前記第1ステージに沿う後方側には、遊技球を受け入れ可能であって、遊技球が受け入れられることによって遊技に関連する動作が実行される第2の受入口が設けられていることを特徴とする。
これによれば、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技盤5には、第1の受入口(第1始動口390)と、主役物(センター役物300)とが設けられている。センター役物300は、第1ステージ330および遊技球の流下方向について第1ステージ330よりも下流側に形成された第2ステージ350を含んでいる。第1ステージ330は、山部332およびこの山部332の両側に形成された谷部334を有しており、この山部332と谷部334とが波状に連なっているため、遊技球は、第1ステージ330上を往復転動可能となっている。第1ステージ330上を転動する遊技球が第1ステージ330から落下すると、かかる遊技球は、遊技球の流下方向について第1ステージ330よりも下流側に形成された第2ステージ350に導かれる。第2ステージ350は、高台部352とこの高台部352の両端から高台部352とは反対側に向けて下方に湾曲する湾曲部354を有しており、遊技球が往復転動可能となっている。高台部352に対応する位置であって且つ第2ステージ350に沿う後方側には、遊技球が受け入れられる(入賞する)ことによって遊技に関連する動作が実行される第1の受入口(第1始動口390)の直上方まで遊技球を導くことが可能な誘導口(第1始動誘導口368)が形成されている。これにより、第2ステージ350上を転動する遊技球は、第1始動誘導口368に導かれるかまたは第2ステージ350から落下する。高台部352は両端から第1始動誘導口368に対応する位置に向けて下方に傾斜している。さらに、第1ステージ330に沿う後方側には、遊技球を受け入れが可能な第2の受入口(第2始動口392)が設けられている。この第2始動口392に遊技球が受け入れられると(入賞すると)、遊技に関連する動作が実行される。
従って、第1ステージ330上を転動する遊技球が第1ステージ330から落下すると、かかる遊技球は、第2ステージ350に導かれて第2ステージ350上を転動する可能性が高い。第2ステージ350の高台部352は両端から誘導口に対応する位置に向けて下方に傾斜しているので、第2ステージ350上を転動する遊技球は、第1始動誘導口368に導かれやすく、これにより、第2ステージ350上を転動する遊技球は、第1始動誘導口368を経由して第1始動口390の直上方まで導かれる期待感が高まる。
このようにして、ステージ330,350上において遊技球が所謂「遊ぶ」こととなり、ステージ上における遊技球の演出効果が高められ、興趣の低下を抑制できる。
また、第1ステージ330に沿う後方側には、遊技球が受け入れられると遊技に関連する動作が実行される第2始動口392が設けられているので、第1ステージ330上を転動している遊技球が第2始動口392に入賞する可能性がある。その結果、第1ステージ330上における遊技球の所謂「遊び」のバリエーションがさらに増えるので、その分ステージ上における遊技球の演出効果が高められ、興趣が高められる。しかも、第2始動口392が第1ステージ330に沿う後方側に設けられることによって、第1ステージ330上を転動する遊技球および第2始動口392に入賞する遊技球が所謂「遊ぶ」態様を視認することができるので、さらに興趣が高められる。
また、第1ステージ330上を転動して遊技球が第2始動口392に入賞しなかった場合であっても、第1ステージ330から第2ステージ350に遊技球が導かれて、かかる遊技球が第1始動誘導口368を経由して第1始動口390に入賞するという二重の期待感を遊技者が感じることができるので、興趣が高められる。
なお、「遊技に関連する動作が実行される」とは、遊技球が遊技者に払い出されたり、所定の抽選が実行されたりまたはこの抽選結果を表示するための演出が行われること等が相当する。
また、「高台部に対応する位置」とは、遊技球が転動可能な方向(即ち高台部352と湾曲部354とを結ぶ方向)に沿うと共に第2ステージ350の高台部352に隣接する位置を意味する。「第2ステージに沿う」とは、遊技球が転動可能な方向(即ち山部332と谷部334とを結ぶ方向)に、第2ステージ350に沿うことを意味する。
また、「後方側」とは、遊技者から見て後方側であることを意味する。即ち、主役物(センター役物300)は遊技盤5から遊技者側に向けて突出して設けられており、このセンター役物300が遊技盤5から突出する側とは反対方向の側であることを意味する。
また、「高台部の両端」とは、高台部352と湾曲部354との境界を意味する。
また、「誘導口に対応する位置」とは、誘導口(第1始動誘導口368)に隣接する位置であることを意味する。即ち、第1始動誘導口368と前後方向(センター役物300が遊技盤5から突出する方向)に平行な位置である。
また、「山部に対応する位置」とは、第1ステージ330の山部332に隣接する位置であることを意味する。即ち、山部332と前後方向(センター役物300が遊技盤5から突出する方向)に平行な位置である。
[構成2]
構成1に記載の遊技機において、
前記第1ステージから前記第2ステージへの遊技球の落下を困難にすると共に前記第1ステージと前記第2ステージとの間を仕切るステージ仕切壁をさらに含み、
前記ステージ仕切壁が、前記第1ステージと前記第2ステージとを連通させる連通部を有しており、
前記連通部が、前記第1ステージの谷部に対応する位置に形勢されていることを特徴とする。
これによれば、第1ステージ330と第2ステージ350との間がステージ仕切壁364によって仕切られている。これにより、第1ステージ330から第2ステージ350への遊技球の落下が困難となっている。また、このステージ仕切壁364は、第1ステージ330と第2ステージ350とを連通させる連通部366を有している。この連通部366は、第1ステージ330の谷部334に形成されている。
従って、第1ステージ330上を転動する遊技球に転動する勢いがある場合には、第1ステージ330から第2ステージ350への遊技球の落下がステージ仕切壁364によって防止されるので、第1ステージ330上を遊技球が往復転動しやすい。一方、第1ステージ330上を転動する遊技球が谷部334周辺で転動する勢いが小さくなった場合には、遊技球は、第1ステージ330と第2ステージ350とを連通する連通部366から第2ステージ350に落下する。これにより、第1ステージ330上を転動する遊技球の動向に注意が惹かれ、興趣が高められる。
なお、「第1ステージから第2ステージへの遊技球の落下を困難にする」とは、第1ステージ330上を遊技球が転動する方向に沿って両側に壁が形成されていること等が相当する。また、「困難」とは、第1ステージ330上を遊技球が転動する方向に沿って両側に壁が形成されていない場合と比べて、第1ステージ330から第2ステージ350への遊技球の落下が困難であることを意味する。なお、この壁を遊技球が乗り越える場合があり、また、第1ステージ330と第2ステージ350とを連通する連通部366が形成されていることから、第1ステージ330から第2ステージ350への遊技球の落下が不可能ではないことも意味する。
[構成3]
構成1または2に記載の遊技機において、
遊技の進行に応じて所定の演出を行う演出表示手段をさらに含み、
前記第1ステージと前記演出表示手段との間には、当該演出表示手段に隣接する棚部が形成されており、
前記第2の受入口が、前記棚部に形成されていることを特徴とする。
これによれば、第2の受入口が、演出表示手段とこの演出表示手段に隣接する棚部(センター電飾部302)とのい間に形成される。
従って、演出表示手段における演出を視認しつつ、演出表示手段から目を離すことなく第2の受入口に遊技球が受け入れられることを視認できるので、興趣の低下を抑制できる。
即ち、従来、演出表示手段と遊技球の受入口とが位置的に離れていたため、演出表示手段における演出に注意を惹かれていると、受入口に遊技球が受け入れられたことを見逃してしまっていた。また、受入口に遊技球が受け入れられることに注意を惹かれていると、演出表示手段における演出を見逃してしまっていた。このように、演出表示手段および受入口の両者をほぼ同時に視認することが困難であったことから興趣の低下が避けられなかったが、本実施形態の構成によれば、かかる課題を解決することができる。
[構成4]
構成1〜3のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記高台部の前記誘導口に対応する位置に、後方から前方に向けて下方に傾斜する傾斜溝が形成されていることを特徴とする。
これによれば、高台部352の両端から誘導口(第1始動誘導口368)に対応する位置に向けて下方に傾斜しているので、高台部352上で転動する勢いが小さくなった遊技球は、第1始動誘導口368に対応する位置に導かれ易くなる。一方、高台部に対応する位置には、後方から前方に向けて下方に傾斜する傾斜溝(前方傾斜溝360)が形成されているので、第2ステージ350上から前方側に落下しやすい。従って、遊技球が第1始動誘導口368に導かれると思わせながらも第1始動誘導口368に導かれずに第2ステージ350上から前方側に落下することがあり、興趣が高められる。
[構成5]
構成4に記載の遊技機において、
前記傾斜溝内に、前記誘導口に遊技球を誘導する誘導口誘導溝が形成されていることを特徴とする。
これによれば、傾斜溝(前方傾斜溝360)内に、誘導口(第1始動誘導口368)に誘導する誘導口誘導溝(第1始動誘導口誘導溝362)が形成されている。従って、前方傾斜溝360内の遊技球は、そのまま第2ステージ350上から落下する場合と、第1始動誘導口誘導溝362によって第1始動誘導口368に誘導される場合とがある。よって、前方傾斜溝360付近で遊技球が転動する勢いが小さくなったとき、遊技球が第2ステージ350上から落下するのかまたは第1始動誘導口368に導かれるのかといったドキドキ感を遊技者が感じることになり、興趣が高められる。
[構成6]
構成1〜5のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記第2の受入口に遊技球を誘導する受入口誘導溝が、前記山部に形成されていることを特徴とする。
これによれば、受入口誘導溝(第2始動口誘導溝340)を山部332に形成することによって、第1ステージ330上を転動する遊技球が第2の受入口(第2始動口392)に入賞しやすくなる。換言すれば、第1ステージ330上を転動する遊技球が転動する勢いが小さくなって谷部334から山部332に乗り上げることができなくなったときは、第1ステージ330から第2ステージ350に遊技球が落下する可能性が高くなる。従って、第1ステージ330上を転動する遊技球が第2始動口392に入賞する期待感よりも、第2ステージ350上を転動する遊技球が第1始動誘導口368に導かれる期待感の方が高くなる。このように、期待感が段階的に高くなるので、第1ステージ330から遊技球が落下しても落胆することなく、興趣が高められる。
[構成7]
構成6に記載の遊技機において、
前記仕切壁の連通部に対応する第1ステージには、第1ステージから第2ステージに遊技球を誘導する第2ステージ誘導溝が形成されていることを特徴とする。
これによれば、第1ステージ330から第2ステージ350に遊技球を誘導する第2ステージ誘導溝342がステージ仕切壁364の連通部366に対応する第1ステージ330に形成されているので、第1ステージ330上を転動する遊技球は、連通部366付近で第1ステージ330上を転動する勢いが小さくなったときに第1ステージ330から第2ステージ350に落下しやすくなる。即ち、第1ステージ330上を転動する遊技球が、山部332で転動の勢いが小さくなった場合には第2の受入口(第2始動口392)に受け入れられる期待感が高まる一方、谷部334で転動の勢いが小さくなった場合には第2ステージ350に落下する可能性が高くなる。これにより、第1ステージ330上を転動する遊技球の動向により注意が惹かれ、興趣が高められる。
[構成8]
構成7において、
前記第2ステージ誘導溝は、当該第2ステージ誘導溝によって第1ステージから第2ステージに誘導された遊技球が第2ステージの高台部に誘導されるように形成されていることを特徴とする。
第2ステージ誘導溝342によって第1ステージ330から第2ステージ350に誘導された遊技球は、第2ステージ350の高台部352に誘導され易い。従って、第1ステージ330上を転動する遊技球が第2ステージ350に落下した場合であっても、第2ステージ350に落下した遊技球が誘導口(第1始動誘導口368)に受け入れられる可能性が高くなり、興趣の低下を抑制できる。とくに、高台部352は、両端から第1始動誘導口368に対応する位置に向けて下方に傾斜しているので、その効果は顕著である。
なお、上記各構成に記載の「第1の受入口」および「第2の受入口」は、それぞれ、本実施形態の「第1始動口390」および「第2始動口392」に相当する。ただし、「受入口」は、必ずしも始動口に限られるものではなく、例えば一般入賞口のように、遊技に関連する動作が実行されるものであれば良い。
また、上記各構成に記載の「主役物」、「誘導口」、「棚部」、「傾斜溝」、「誘導口誘導溝」および「受入口誘導溝」は、それぞれ、本実施形態の「センター役物300」、「第1始動誘導口368」、「センター電飾部302」、「前方傾斜溝360」、「第1始動誘導口誘導溝362」および「第2始動口誘導溝340」に相当する。
なお、本発明は、上記の好ましい実施形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が可能である。
例えば、上述の実施形態における演出表示装置は、液晶表示装置に限られず、EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等であっても、本発明を適用することができる。
即ち、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別遊離状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別遊離状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。