JP2007179791A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】起動時の燃料電池の劣化を最大限抑えつつ、より短い時間で起動可能な燃料電池システムを提供する。
【解決手段】電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極を備え、燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に燃料ガスを供給する燃料ガス供給系と、燃料電池スタック1に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給系と、燃料電池スタック1から電流を取り出す電流制御装置41と、少なくとも2つ以上の燃料電池スタック1内に配置された電圧センサ30と、を備え、コントローラ40により、起動時に、酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で燃料極に燃料ガスを供給した後に、電流制御装置41による電流取り出しを開始し、燃料電池スタック1の電圧に基づき該電流取り出しを終了し、その後酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システムに係り、特に、起動時の燃料電池の劣化を最大限抑えつつ、より短い時間で起動可能な燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料電池の燃料極に燃料ガスとして水素を供給し、燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスとして空気を供給し、これら水素と空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得るものである。このような燃料電池システムは、例えば自動車の動力源等として実用化に大きな期待が寄せられており、現在、実用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
燃料電池システムに用いられる燃料電池としては。例えば自動車に搭載する上で好適なものとして、固体高分子タイプの燃料電池が知られている。固体高分子タイプの燃料電池は、燃料極と酸化剤極との間に電解質膜として固体高分子膜が設けられたものである。この固体高分子タイプの燃料電池では、固体高分子膜がイオン伝導体として機能し、燃料極で水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、酸化剤極で空気中の酸素と水素イオンと電子とから水を生成する反応が行われる。
このような燃料電池システムにおいては、起動時において、燃料電池の通常運転時に供給されている燃料ガスのガス圧と同じガス圧で燃料ガスを供給した場合には、燃料室内で瞬間的に燃料ガスと置換ガスとの偏在が発生してしまい、該偏在によって電気化学反応が生じて電極が劣化するという問題があった。
このような問題に対処するべく、特開2005−158555号公報に開示の「燃料電池システム」では、起動時または停止時に、カソード空気シャット手段によりカソードへの空気流入を遮断した状態で、水素をアノードに供給し、燃料電池本体の発電によってカソードに残留した酸素を消費させることにより、燃料電池の劣化を抑制している。
特開2005−158555号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術においては、起動時に空気を遮断した状態で水素をアノードに供給し、発電することでカソードに残留した酸素を消費させることにより、起動時の劣化を抑制することはできるが、燃料電池本体の発電時の電流(出力)の取り出し方によっては起動時間が長くなる可能性がある。
例えば、起動時の劣化の引き起こす最悪の状態として長時間燃料電池システムが停止して燃料室内が置換ガスで満たされている状態を想定し、この時にカソードに残留した酸素を消費させるために必要な時間を経験的・実験的に求めて、この時間を電流(出力)の取り出し期間として設定することが考えられるが、この場合、常に最悪の状態を想定した時間分の電流(出力)の取り出しを行うこととなっており、実際にはシステム停止後余り時間が経過しない内に起動を行うケースも多々考えられ、結果として、無駄に起動制御に時間を費やしているという事情があった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、起動時の燃料電池の劣化を最大限抑えつつ、より短い時間で起動可能な燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記目的を解決するため、本発明は、電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極を備え、該燃料極および該酸化剤極にそれぞれ供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池から電流を取り出す通電手段と、前記燃料電池内に配置された電圧計測手段と、起動時に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で前記燃料極に燃料ガスを供給した後に、前記通電手段による電流取り出しを開始し、前記燃料電池の電流または電圧に基づき該電流取り出しを終了し、その後前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、起動時に、燃料極内において燃料ガスと酸化剤ガスが混在することによる触媒劣化を抑制することができる。また、燃料電池スタック1の状態に応じて制御を変えることにより、起動時間の短縮と起動時の燃料消費量の削減も可能になる。結果として、起動時の劣化を抑制することができ、耐久性が高く、起動時間が短く、効率の高い燃料電池システムを得ることができる。
以下、本発明の燃料電池システムの実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施例に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、例えば燃料電池車両の駆動動力源として用いられるものであり、図1に示すように、水素および空気の供給により発電を行う燃料電池スタック1を備える。
燃料電池スタック1には、燃料電池スタック1の電圧を検出する手段として、電圧センサ(電圧計測手段)30を備えており、燃料電池スタック1のセル毎、或いは数セル毎に設置された構成により、各セル電圧または数セル単位の電圧および燃料電池スタック1の総電圧を検出している。また、燃料電池スタック1は、燃料電池スタックケース20内に設置されており、該燃料電池スタックケース20内または燃料電池スタックケース20の出口付近に燃料ガス濃度センサ34が設置されている。
また、燃料ガス供給系として、燃料タンク2、燃料供給弁3、燃料調圧弁(タンク側)4、燃料供給調圧弁5、圧力センサ32、燃料パージ弁8、燃料供給配管21および燃料排気配管24を備え、燃料ガス循環系として燃料循環ポンプ7および燃料循環配管23を備え、酸化剤ガス供給系として、酸化剤コンプレッサ11、酸化剤流量測定器31、圧力センサ33、酸化剤調圧弁12、燃料ガス濃度センサ35、酸化剤供給配管22および酸化剤排気配管25を備えている。
また、負荷系として、電流制御装置41、二次電池43、補機類44および負荷部42を備え、さらに制御系として、燃料電池スタック1、燃料ガス供給系、酸化剤ガス供給系および負荷系の各種センサや他の各種計器からの検知信号に基づき、燃料ガス供給系、燃料ガス循環系、酸化剤ガス供給系および負荷系の各構成要素の制御を行うコントローラ40を備えた構成である。
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給される燃料極(アノード)と酸化剤ガスである空気が供給される酸化剤極(カソード)とが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されると共に、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。アノードに水素ガスが、カソードに空気が供給され、以下に示す電極反応が進行され、電力が発生する。
(数1)
アノード:H2→2H++2e- (1)
(数2)
カソード:2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
つまり、燃料電池スタック1の各発電セルでは、アノードに供給された水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、カソードにそれぞれ移動する。カソードでは、供給された空気中の酸素と電解質を通って移動した水素イオンおよび外部回路を通って移動した電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
燃料電池スタック1で発電を行うには、燃料ガスである水素や酸化剤ガスである空気を各発電セルの燃料極(アノード)や酸化剤極(カソード)に供給する必要があり、燃料電池システムでは、そのための機構として燃料ガス供給系、燃料ガス循環系および酸化剤ガス供給系が設けられている。
燃料ガス供給系において、アノードへの燃料供給は、燃料タンク2から燃料供給弁3、燃料調圧弁4、燃料供給調圧弁5および燃料供給配管21を通じてなされる。燃料タンク2から供給される高圧水素は、燃料供給弁3および燃料調圧弁4で所定の圧力まで減圧され、燃料供給調圧弁5により燃料電池スタック1での水素圧力が所望の水素圧に制御される。
また、燃料循環ポンプ7および燃料循環配管23を備える燃料ガス循環系は、アノードで消費されなかった水素を再循環させるために設置されている。アノードの水素圧は、コントローラ40が圧力センサ32で検出した水素圧力をフィードバックして燃料供給調圧弁5を駆動することによって制御される。水素圧を所望の目標圧力に制御することによって、燃料電池スタック1が消費した分だけの水素が自動的に補われる。
また、燃料パージ弁8は次のような役割を果たす。まず第1には、燃料循環機能を確保するために燃料ガス供給系内に蓄積した窒素を排出する。水素を循環させて使用する場合、水素の循環に伴って系内に窒素やCO等の不純物質が蓄積される場合があり、不純物質が過度に蓄積されると水素分圧が降下して燃料電池スタック1の出力低下に繋がると共に、循環ガスの平均質量が増加するため、燃料ガス循環系での水素循環流量が低下するので、このような場合には、燃料パージ弁8を開放して水素循環系内をパージすることで、不純物質を水素と共に燃料排気配管24から系外に排出するのである。また第2には、燃料電池スタック1のセル電圧を回復させるために、ガス流路やガス配管中に詰まった水詰まりを吹き飛ばす。さらに第3には、起動時に燃料ガス供給系を水素で置換するために、燃料ガス供給系内のガスを排出する。
一方、酸化剤ガス供給系においては、カソードへの空気はコンプレッサ11により供給される。カソードの空気圧は、コントローラ40が圧力センサ33で検出した空気圧力をフィードバックして酸化剤調圧弁12を駆動することによって制御される。
次に、負荷系について説明する。燃料電池スタック1は、電流制御装置41と電気的に接続され、さらに電流制御装置41は、補助電源として充放電可能な二次電池43、当該燃料電池システム内の発電を行うために必要な補機類44、並びに車両を駆動するモータ等の負荷部42と電気的に接続されている。
電流制御装置41は、特許請求の範囲にいう通電手段に該当し、燃料電池スタック1または二次電池43(放電時)から出力(電流または電力)を取り出して補機類44および負荷部42へ供給すると共に、二次電池43の充放電を管理する。ここで、電流制御装置41における出力取り出し部の構成は、可変出力を取り出し可能とする構成や、或いは、固定抵抗の接続/非接続により取り出す出力を制御する構成などが考えられる。
さらに、コントローラ40は、例えばCPUやROM、RAM、周辺インターフェース等を有するマイクロコンピュータとして構成されており、燃料電池スタック1、燃料ガス供給系、酸化剤ガス供給系および負荷系の各種センサや他の各種計器からの検知信号に基づき、燃料ガス供給系、燃料ガス循環系、酸化剤ガス供給系および負荷系の各構成要素の制御を行って(各種アクチュエータを駆動するなどして)、燃料電池システムの発電制御を行う。
すなわち、コントローラ40は、特許請求の範囲にいう制御手段に該当し、起動時に、燃料電池スタック1の酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で燃料極に燃料ガスを供給した後に、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを開始し、燃料電池スタック1の電圧に基づき該電流取り出しを終了し、その後、燃料電池スタック1の酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する。ここで、電流制御装置41による電流取り出しの終了判定は、電圧センサ(電圧計測手段)30により得られる燃料電池スタック1の総電圧に応じて行うのが望ましい。
また、コントローラ(制御手段)40においては、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断し、同時に、酸化剤極の酸化剤ガス濃度が減少し始めたとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、コントローラ(制御手段)40においては、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)が下降している時に、電流制御装置41による電流取り出しを終了するものとし、具体的には、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)の最大値を記録しておき、該最大値から所定値または所定割合低下したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
このように、本実施例では、電流制御装置41による電流取り出しの終了判定を、燃料電池スタック1の電圧パラメータに基づいて行っているが、ここで、電圧センサ(電圧計測手段)30の具体的構成について、図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5は、それぞれ燃料電池スタック1に設置される電圧センサ30の具体的構成を例示する構成図である。
まず第1の具体的構成例は、図2に示すように、燃料電池スタック1がN個のセルで構成される場合に、電圧センサ30a−1〜30a−Nをセル毎に1つずつ設置した構成である。図中、任意のセル1a−iにおいて、1b−iは燃料極、1c−iは酸化剤極、1d−iは電解質膜である。なお、図2においては、各電圧センサ30a−iを燃料極1b−iの燃料ガス供給側に設置しているが、これに限定されることはなく、各セルの最低電位を検出しやすく且つ設置可能な箇所であればよい。
また、第2の具体的構成例は、図3に示すように、燃料電池スタック1がN個のセルで構成される場合に、電圧センサ30c−1〜30c−M(図ではM=N/3)を数セル(図では3セル)毎に1つずつ設置した構成である。
また、第3の具体的構成例は、図4に示すように、燃料電池スタック1がN個のセルで構成される場合に、セル毎に1対の電圧センサを設置した構成であり、電圧センサ30a−1〜30a−Nおよび電圧センサ30b−1〜30b−Nをセル毎に1対ずつ設置した構成である。なお、図4においては、電圧センサ30a−iを燃料極1b−iの燃料ガス供給側に、電圧センサ30b−iを燃料極1b−iの燃料ガス排出側にそれぞれ設置しているが、これに限定されることはなく、燃料電池スタック1およびセル1a−iの構造により、各セルで電位差を検出しやすく且つ設置可能な箇所であればよい。
さらに、第2の具体的構成例は、図5に示すように、燃料電池スタック1がN個のセルで構成される場合に、数セル(図では3セル)毎に1対の電圧センサを設置した構成であり、電圧センサ30c−1〜30c−Mおよび電圧センサ30d−1〜30d−Mを数セル毎に1対ずつ設置した構成である。
次に、以上のように構成される本実施例の燃料電池システムの起動時動作に、コントローラ40が行う全体的な制御について、図6および図7を参照しながら説明する。ここで、図6は本実施例の燃料電池システムにおける起動制御の手順を説明するフローチャートである。また、図7は本実施例の燃料電池システムの起動時における各種パラメータの時間的推移を例示するタイミングチャートであり、(a)燃料電池スタック1の燃料極の水素圧力、(b)燃料循環ポンプ(HRB)7のモータ回転数、(c)燃料電池スタック1の酸化剤極の空気圧力、(d)空気供給流量、(e)電流制御装置41により燃料電池スタック1から取り出す電流、(f)燃料電池スタック1の各セル電圧または総電圧である。
図6において、コントローラ40は軌道制御を開始すると、まず、燃料電池スタック1の酸化剤極(カソード)に酸化剤ガス(空気)を供給しない状態とするために、酸化剤調圧弁(空気調圧弁)12を閉じる(ステップS101)。なお、酸化剤コンプレッサ11を起動しなければ空気も圧送されないのでこのステップは必ずしも必要としない。次に、起動時に水素パージの必要がないので燃料パージ弁8を閉じる(ステップS102)。
次に、燃料ガス循環系の燃料循環ポンプ7の駆動を開始して、燃料循環配管23を通したアノードで消費されなかった水素の再循環を開始する(ステップS103;図7のタイミングチャートにおける時刻T1)。
次に、燃料ガス供給系により燃料電池スタック1のアノードへの水素供給を開始するか否かの判断を行い(ステップS104)、判断条件を満たす場合に水素供給を開始する(ステップS105;時刻T4)。
ここで、水素供給を開始するか否かの判断は、燃料ガス循環系による燃料ガス循環開始後にタイマ39が所定時間を計時したか否かによって行うか、或いは、燃料配管に燃料流量測定器を設置するなどして、燃料ガス循環流量が所定量に達したか否かによって行う。なお、タイマ39は、コントローラ40内のCPUが持つソフトウェアタイマによって構成しても良いし、付属のハードウェアタイマによって構成しても良い。
次に、電流制御装置41による燃料電池スタック1からの電流取り出しを開始するか否かの判断を行い(ステップS106)、判断条件を満たす場合に電流取り出しを開始する(ステップS107)。
ここで、電流取り出しを開始するか否かの判断は、燃料ガス循環系による燃料ガス循環開始後または燃料ガス供給系による水素供給の開始後にタイマ39が所定時間を計時したか否かによって行うか、或いは、燃料ガス供給系による水素供給の開始と同時に(待ち時間無しに)行う。
図7のタイミングチャートの例では、同図(e)に示すように、燃料ガス循環系による燃料ガス循環開始後にタイマ39が所定時間を計時した時刻T3に、コントローラ40によって電流制御装置41に指示される目標指令電流量(VLC目標指令)が設定されているが、燃料ガス供給系による水素供給の開始後にタイマ39が所定時間を計時した時刻に(燃料電池スタック1のセル電圧(同図(f)参照)の最低値がゼロボルトまたは所定値以上となってから)実際に電流制御装置41による電流取り出しが開始されている。
次に、電流制御装置41による燃料電池スタック1からの電流取り出しを終了するか否かの判断を行い(ステップS108)、判断条件を満たす場合には、酸化剤ガス供給系による燃料電池スタック1のカソードへの空気供給を開始する(ステップS109)。
ここで、電流取り出しを終了するか否かの判断は、広義の起動VLC(Voltage Limit Control)制御(特許文献1参照)、即ち、起動時に燃料ガス供給系による水素供給のみを行うと同時に、燃料電池スタック1の電圧パラメータが所定値(燃料電池スタック1を劣化させないための上限電圧)以下となるように電流(出力)取り出しを行い、その後酸化剤ガス供給系による空気供給を開始して発電を開始する起動方法においては、電流制御装置41による電流取り出し開始後にタイマ39が所定時間を計時したか否かによって行うが、本実施例では、上述のように燃料電池スタック1の電圧パラメータ(燃料電池スタック1の総電圧)の変化に基づき行う。詳細は後述する。
次に、VLCによる起動制御が完了したか否かの判断を行い(ステップS110)、判断条件を満たす場合には起動制御を完了して通常運転の制御に移行する。
ここで、起動制御が完了したか否かの判断は、電流制御装置41による電流取り出し開始後または電流取り出し終了後にタイマ39が所定時間を計時したか否かによって行うか、或いは、燃料電池スタック1の電圧パラメータ(燃料電池スタック1の総電圧)の変化に基づき行う。
図7のタイミングチャートでは、同図(e)および(f)に示すように、時刻T8に電流制御装置41による電流取り出し終了(VLC終了)の判断がなされ、同図(c)および(d)に示すように、所定時間経過後の時刻T9に酸化剤ガス供給系による空気供給が開始され、その後時刻T10で水素の昇圧がなされ(同図(a)参照)、時刻T11で起動制御完了の判断がなされている。
次に、電流制御装置41による電流取り出しの終了判定(ステップS108)について、図8,図9および図10を参照してより具体的に説明する。図8は本実施例の電流制御装置41による電流取り出しの終了判定を説明するための説明図であり、電流取り出し期間における取り出し電流および燃料電池スタック1の総電圧の推移を例示するタイミングチャートである。また図9は、電流取り出し期間において取り出し電流および燃料電池スタック1の総電圧が図8の推移をたどるときの燃料極の水素濃度、酸素濃度および窒素濃度、並びに酸化剤極の酸素濃度および窒素濃度の推移を例示するタイミングチャートであり、図10は、水素と酸素が混在したときの混成電位を説明する説明図である。
上述のように、電流制御装置41による電流取り出しの終了判定は、電圧センサ30により得られる燃料電池スタック1の総電圧に応じて行い、具体的には、図8に示すように、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)が下降している時に、電流制御装置41による電流取り出しを終了するものとし、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)の最大値を記録しておき、該最大値から所定値または所定割合低下したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。図8では、燃料電池スタック1の総電圧(図中A)の最大電圧からの低下割合が所定値(例えば30%)以上となったときに、電流取り出しを終了するようにしている。
ここで、図9を参照して、電流取り出し期間における各ガス濃度の時間的推移を考察する。同図では、電流取り出し期間の略前半期間をTa、略後半期間をTbとして示している。電流取り出し期間の前半期間Taでは、燃料極側に水素と酸素が混在しているが、電流の取り出しによって酸素が消費され、水素により置換されていく。次に、電流取り出し期間の前半期間Tbでは、燃料極側で酸素が水素に置換されていくことにより、酸素がほぼ無くなり、また、酸化剤極側の酸素も電流の取り出しによって無くなっていく。このように、酸化剤極側で酸素が足りなくなると、燃料電池スタック1の総電圧Aと取り出し電流Bが減少していく。
このことは、混成電位によって説明できる。図10は、横軸に水素と酸素の混在比をとり、縦軸に標準水素電極をとって、電圧センサ30によって計測されるセル電圧を説明しており、同図では、燃料極側ガス雰囲気が「水素:酸素=90%:10%」で、酸化剤極側ガス雰囲気が「水素:酸素=50%:50%」の時の、燃料極および酸化剤極間に現れる電位差がセル電圧として計測されることを例示している。
燃料供給開始時点では、燃料電池スタック1は空気で置換され、燃料極側の水素濃度は低い状態であるので、燃料極の電位は酸化剤極の電位とほぼ同じ電位で、燃料電池スタック1の総電圧はほぼゼロボルトである。その後の燃料供給により燃料極側の水素濃度が上昇し、相対的に燃料極の電位が下がって燃料極および酸化剤極間に電位差が現れるようになる。さらにその後、酸化剤極側で酸素が無くなってくると、相対的に酸化剤極の電位が燃料極の電位に近づいて、セル電圧が下がって燃料電池スタック1の総電圧が下がり、同時に、燃料電池スタック1から取り出せる電流量も下がっていくことになる。
本実施例では、このような特性の推移に着目して、「燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上となったか否か」およびまたは「同時に、酸化剤極の酸化剤ガス濃度が減少し始めたか否か」を、電流制御装置41による電流取り出し終了の判断条件とし、これら判断条件の正否を燃料電池スタック1の電圧(総電圧)に基づき行うこととしている。なお、その具体的適用は図8で説明した通りである。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システムでは、電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極を備え、該燃料極および該酸化剤極にそれぞれ供給される燃料ガス(水素)および酸化剤ガス(空気)の電気化学反応により発電を行う燃料電池スタック1と、燃料電池スタック1に燃料ガスを供給する燃料ガス供給系と、燃料電池スタック1に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給系と、燃料電池スタック1から電流を取り出す電流制御装置(通電手段)41と、燃料電池スタック1内に配置された電圧センサ(電圧計測手段)30と、を備え、コントローラ(制御手段)40により、起動時に、酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で燃料極に燃料ガスを供給した後に、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを開始し、燃料電池スタック1の電圧に基づき該電流取り出しを終了し、その後酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する。
これにより、起動時に、燃料極内において燃料ガスと酸化剤ガスが混在することによる触媒劣化を抑制することができる。また、燃料電池スタック1の状態に応じて制御を変えることにより、起動時間の短縮と起動時の燃料消費量の削減も可能になる。その結果として、起動時の劣化を抑制することができ、耐久性が高く、起動時間が短く、効率の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しの終了判定を、電圧センサ(電圧計測手段)30により得られる燃料電池スタック1の総電圧に応じて行う。このように、燃料電池スタック1の総電圧を電流取り出し終了判定に用いることで、特別な構成を加えることなく、容易に電流取り出し終了判定をすることができ、コストの増加を伴うことなく、起動時の劣化を抑制することができる。その結果として、耐久性が高く、起動時間が短く、効率の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、電圧センサ(電圧計測手段)30を、燃料電池スタック1のセル毎、或いは、燃料電池スタック1の数セルに1つずつ設置して構成し、制御手段(コントローラ)40において、電圧センサ(電圧計測手段)30で得られる電圧に応じて、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。これにより、より確実に燃料電池スタック1内の状態を把握して、より確実に終了判定をすることができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、電圧センサ(電圧計測手段)30を対で構成し、それぞれ同一セルまたは複数セルの測定対象について燃料極の燃料ガス供給側と燃料ガス排出側の2箇所の電圧を計測する。これにより、より確実に燃料電池スタック1の燃料極において燃料ガスへの置換状態を把握して、より確実に終了判定をすることができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断したとき、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時の燃料極内において燃料ガスと酸化剤ガスが混在することによる触媒劣化を判定することにより、確実に起動時の劣化を抑制することができる。また、燃料電池スタック1の状態に応じて制御を変えることにより、起動時間短縮と起動時の燃料消費量の削減も可能になる。その結果として、起動時の劣化を抑制することができ、耐久性が高く、起動時間が短く、効率の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断し、同時に、酸化剤極の酸化剤ガス濃度が減少し始めたとき、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時の燃料極内において燃料ガスと酸化剤ガスが混在することによる触媒劣化を判定すると共に、酸化剤極内の酸化剤濃度の減少を把握することによって、起動時の劣化の進行を監視することができ、確実に起動時の劣化を抑制することができる。その結果として、より確実に終了判定することができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)が下降している時に、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時において、燃料電池スタック1の電圧が下降している時に通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了することで、燃料極内の燃料ガスが酸化剤ガスに対して十分豊富にあり、しかも酸化剤極の酸化剤ガス濃度が低く劣化しにくい状態であると簡易的に判断することができる。その結果として、容易に電流取り出し終了判定することができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
さらに、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)の最大値を記録しておき、該最大値から所定値または所定割合低下したとき、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時の電圧の時間的推移から通電手段(電流制御装置)41による電流取り出し終了判定を行うことで、燃料極内に燃料ガスが十分豊富にあり、しかも酸化剤極の酸化剤ガス濃度が十分低いことを確実に且つ簡易的に判定することができる。その結果として、より確実に終了判定することができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
またさらに、本実施例では、燃料電池スタック1で消費されなかった燃料ガスを燃料ガス供給系に循環させる燃料ガス循環系を備えた構成としている。これにより、燃料消費量が少なく、燃料の排気を少なくすることができ、その結果として、燃料効率が高く、より適切な燃料電池システムを得ることができる。なお、本実施例では、燃料ガスを循環させる手段として燃料循環ポンプ7を用いたが、エゼクタを用いる構成としても良い。
(変形例1:ケース内燃料ガス濃度に基づく終了判定)
図1の構成図で示したように、燃料電池スタック1は燃料電池スタックケース20内に設置して保護する構成が一般的であるが、コントローラ(制御手段)40において、燃料電池スタックケース20内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったとき、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを強制的に終了するようにしても良い。このように、燃料電池スタックケース20内の燃料ガス濃度が許容される燃料ガス濃度値以上になったら強制的に電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了することで、燃料電池スタック1を適切に起動することができる。
なお、燃料電池スタックケース20内に燃料ガス濃度センサ34が設置された構成の場合には、燃料電池スタックケース20内の燃料ガス濃度を該燃料ガス濃度センサ34にて計測する。これにより、確実に燃料ガス濃度を検知することができる。
また、燃料電池スタックケース20内に燃料ガス濃度センサ34が設置されていない構成の場合でも、コントローラ(制御手段)40において、燃料電池スタックケース20内の燃料ガス濃度を燃料極の燃料ガス圧力と電流制御装置(通電手段)41による電流取り出し時間に基づき推定することが可能である。ここで、燃料ガス濃度の推定は、例えば予め行われる実験のデータに基づき、燃料極の燃料ガス圧力および電流取り出し時間に対する燃料ガス濃度のマップ等を作成しておき、該マップ等を参照することにより行われる。このように、燃料ガス濃度センサ34を用いることなく、燃料ガス圧力および電流取り出し時間から燃料ガス濃度を推定することで、コストの増加を伴うことなく、適切に起動することができる。
またさらに、燃料電池スタックケース20の出口に燃料ガス濃度センサ34が設置された構成の場合、コントローラ(制御手段)40において、燃料極の燃料ガス圧力が所定値で、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しが所定時間経過したときに燃料電池スタックケース20に空気を供給し、燃料ガス濃度センサ34の計測値に基づき、所定値以上のときは燃料ガス濃度推定値を高い側に、所定値以下のときは燃料ガス濃度推定値を低い側にそれぞれ補正するようにしても良い。このように、燃料電池スタック1の状態変化に応じて燃料ガス濃度の推定値を変えることで、常に適切に起動することができる。
(変形例2:酸化剤極の燃料ガス濃度に基づく終了判定)
また、コントローラ(制御手段)40において、酸化剤極の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったとき、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを強制的に終了するようにしても良い。このように、酸化剤極の燃料ガス濃度が許容される燃料ガス濃度値以上になったら強制的に電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了することで、燃料電池スタックを適切に起動することができる。
なお、酸化剤極に燃料ガス濃度センサ35が設置された構成の場合には、酸化剤極の燃料ガス濃度を該燃料ガス濃度センサ35にて計測する。これにより、確実に燃料ガス濃度を検知することができる。
また、酸化剤極に燃料ガス濃度センサ35が設置されていない構成の場合でも、コントローラ(制御手段)40において、酸化剤極の燃料ガス濃度を燃料極の燃料ガス圧力と電流制御装置(通電手段)41による電流取り出し時間に基づき推定することが可能である。ここで、燃料ガス濃度の推定は、例えば予め行われる実験のデータに基づき、燃料極の燃料ガス圧力および電流取り出し時間に対する燃料ガス濃度のマップ等を作成しておき、該マップ等を参照することにより行われる。このように、燃料ガス濃度センサを用いることなく、燃料ガス圧力および電流取り出し時間から燃料ガス濃度を推定することで、コストの増加を伴うことなく、適切に起動することができる。
また、コントローラ(制御手段)40において、酸化剤極の燃料ガス濃度を電解質膜の湿潤度合いに基づき補正するようにしても良い。このように、電解質膜の湿潤状態を検知して、その値によって酸化剤極の燃料濃度を補正することで、より高い精度で燃料ガス濃度を推定することができる。
また、タイマ(放置時間計測手段)39により、当該燃料電池システムが前回停止してから起動するまでの時間を計測し、制御手段(コントローラ)40において、電解質膜の湿潤度合いをタイマ(放置時間計測手段)39による計測時間に基づき推定するようにしても良い。このように、電解質膜の湿潤状態を放置時間によって予測することで、湿潤状態検出手段を不要にすることができ、コストの増加を伴うことなく、適切に起動することができる。
またさらに、酸化剤極に燃料ガス濃度センサ35が設置された構成の場合、コントローラ(制御手段)40において、燃料極の燃料ガス圧力が所定値で、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しが所定時間経過したときに酸化剤極に酸化剤ガスを供給し、燃料ガス濃度センサ35の計測値に基づき、所定値以上のときは燃料ガス濃度推定値を高い側に、所定値以下のときは燃料ガス濃度推定値を低い側にそれぞれ補正するようにしても良い。このように、燃料電池スタック1の状態変化に応じて燃料ガス濃度の推定値を変えることで、常に適切に起動することができる。
(変形例3:酸化剤ガスフローに基づく終了判定)
図1の構成図に示すように、酸化剤極の酸化剤ガス流量を検知する酸化剤流量測定器(酸化剤ガス供給量検知手段)を備える構成の場合、コントローラ(制御手段)40において、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出し時に酸化剤供給量を検知し、該酸化剤供給量が無くなったとき、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了するようにしても良い。このように、起動時において酸化剤極の酸化剤ガス供給量を検知しておくことにより、酸化剤極の酸化剤ガスの消費が終了したことを判定することができ、より確実に電流取り出し終了判定をすることができる。
次に、本発明の実施例2に係る燃料電池システムについて説明する。実施例2の燃料電池システムの構成は、実施例1の構成(図1)と同等であり、各構成要素の具体的説明を省略する。
なお、コントローラ40は、起動時に、燃料電池スタック1の酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で燃料極に燃料ガスを供給した後に、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを開始し、燃料電池スタック1の電流に基づき該電流取り出しを終了し、その後、燃料電池スタック1の酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する。つまり、実施例1においては電流取り出しの終了判定を燃料電池スタック1の電圧に基づき行ったのに対して、本実施例では燃料電池スタック1の電流に基づき行う点が大きく異なる。
ここで、電流制御装置41による電流取り出しの終了判定は、電流制御装置(通電手段)41に対して指令する目標指令電流と、電流制御装置(通電手段)41によって燃料電池スタック1から取り出す実電流の値とを監視し、実電流が目標指令電流に到達して該実電流量が該目標電流量よりも低くなったか否かの判断で行い、実電流が目標指令電流に到達して該実電流量が該目標電流量よりも低くなったら、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了する。
また、コントローラ(制御手段)40においては、燃料電池スタック1の電流に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、燃料電池スタック1の電流に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断し、同時に、酸化剤極の酸化剤ガス濃度が減少し始めたとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、コントローラ(制御手段)40においては、燃料電池スタック1の電流が下降している時に、電流制御装置41による電流取り出しを終了するものとし、具体的には、燃料電池スタック1の電流の最大値を記録しておき、該最大値から所定値または所定割合低下したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、燃料電池システムの起動時に、コントローラ40が行う全体的な制御についても、実施例1(図6および図7)と同等であるので説明を省略する。
本実施例における電流制御装置41による電流取り出しの終了判定(図6のステップS108)について、図8を参照してより具体的に説明する。
上述のように、電流制御装置41による電流取り出しの終了判定は、燃料電池スタック1の電流が下降している時に、電流制御装置41による電流取り出しを終了するものとし、燃料電池スタック1の電流の最大値を記録しておき、該最大値から所定値または所定割合低下したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。図8では、燃料電池スタック1の電流(図中B)の最大電流からの低下割合が所定値(例えば20%)以上となったときに、電流取り出しを終了するようにしている。
以上のように、本実施例の燃料電池システムでは、コントローラ(制御手段)40により、起動時に、酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で燃料極に燃料ガスを供給した後に、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを開始し、燃料電池スタック1の電流に基づき該電流取り出しを終了し、その後酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する。これにより、起動時に、燃料極内において燃料ガスと酸化剤ガスが混在することによる触媒劣化を抑制することができる。また、燃料電池スタック1の状態に応じて制御を変えることにより、起動時間の短縮と起動時の燃料消費量の削減も可能になる。その結果として、起動時の劣化を抑制することができ、耐久性が高く、起動時間が短く、効率の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、電流制御装置(通電手段)41に対して指令する目標指令電流と、電流制御装置(通電手段)41によって燃料電池スタック1から取り出す実電流の値とを監視し、実電流が目標指令電流に到達して該実電流量が該目標電流量よりも低くなったら、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了する。このように、電流制御装置(通電手段)41によって取り出す電流に基づいて電流取り出し終了判定を行うことで、特別な構成を加えることなく、電流制御装置(通電手段)41のみの制御だけで、容易に電流取り出し終了判定をすることができる。その結果として、コストの増大を伴うことなく、比較的容易に、起動時の劣化を抑制することができ、耐久性が高く、起動時間が短く、効率の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電流に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断したとき、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時の燃料極内において燃料ガスと酸化剤ガスが混在することによる触媒劣化を判定することにより、確実に起動時の劣化を抑制することができる。また、燃料電池スタック1の状態に応じて制御を変えることにより、起動時間短縮と起動時の燃料消費量の削減も可能になる。その結果として、起動時の劣化を抑制することができ、耐久性が高く、起動時間が短く、効率の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電流に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断し、同時に、酸化剤極の酸化剤ガス濃度が減少し始めたとき、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時の燃料極内において燃料ガスと酸化剤ガスが混在することによる触媒劣化を判定すると共に、酸化剤極内の酸化剤濃度の減少を把握することによって、起動時の劣化の進行を監視することができ、確実に起動時の劣化を抑制することができる。その結果として、より確実に終了判定することができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
また、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電流が下降している時に、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時において、燃料電池スタック1の電流が下降している時に通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了することで、燃料極内の燃料ガスが酸化剤ガスに対して十分豊富にあり、しかも酸化剤極の酸化剤ガス濃度が低く劣化しにくい状態であると簡易的に判断することができる。その結果として、容易に電流取り出し終了判定することができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
さらに、本実施例では、制御手段(コントローラ)40において、燃料電池スタック1の電流の最大値を記録しておき、該最大値から所定値または所定割合低下したとき、通電手段(電流制御装置)41による電流取り出しを終了する。このように、起動時の電流の時間的推移から通電手段(電流制御装置)41による電流取り出し終了判定を行うことで、燃料極内に燃料ガスが十分豊富にあり、しかも酸化剤極の酸化剤ガス濃度が十分低いことを確実に且つ簡易的に判定することができる。その結果として、より確実に終了判定することができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
なお、実施例1において説明した(変形例1:ケース内燃料ガス濃度に基づく終了判定)、(変形例2:酸化剤極の燃料ガス濃度に基づく終了判定)および(変形例3:酸化剤ガスフローに基づく終了判定)については、本実施例においても実施例1と同様に適用可能である。
次に、本発明の実施例3に係る燃料電池システムについて説明する。実施例3の燃料電池システムの構成は、実施例1の構成(図1〜図5)と同等であり、各構成要素の具体的説明を省略する。
なお、コントローラ40は、起動時に、燃料電池スタック1の酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で燃料極に燃料ガスを供給した後に、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを開始し、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流に基づき該電流取り出しを終了し、その後、燃料電池スタック1の酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する。すなわち、電圧に基づく電流取り出しの終了判定と電流に基づく電流取り出しの終了判定が共にされた場合に、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了する。
つまり、実施例1においては電流取り出しの終了判定を燃料電池スタック1の電圧に基づき行ったのに対して、本実施例では燃料電池スタック1の電圧および電流に基づき行う(実施例1の判定条件と実施例2の判定条件の論理積を本実施例の判定条件とする)点が大きく異なる。
また、コントローラ(制御手段)40においては、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流に基づき、燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断し、同時に、酸化剤極の酸化剤ガス濃度が減少し始めたとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、コントローラ(制御手段)40においては、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流が下降している時に、電流制御装置41による電流取り出しを終了するものとし、具体的には、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流の最大値を記録しておき、それぞれの最大値から所定値または所定割合だけ共に低下したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。
また、燃料電池システムの起動時に、コントローラ40が行う全体的な制御についても、実施例1(図6および図7)と同等であるので説明を省略する。
本実施例における電流制御装置41による電流取り出しの終了判定(図6のステップS108)について、図8を参照してより具体的に説明する。
上述のように、電流制御装置41による電流取り出しの終了判定は、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流が下降している時に、電流制御装置41による電流取り出しを終了するものとし、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流の最大値を記録しておき、それぞれの最大値から所定値または所定割合だけ共に低下したとき、電流制御装置41による電流取り出しを終了する。図8では、燃料電池スタック1の総電圧(図中A)の最大電圧からの低下割合が所定値(例えば30%)以上となり、同時に、燃料電池スタック1の電流(図中B)の最大電流からの低下割合が所定値(例えば20%)以上となったときに、電流取り出しを終了するようにしている。
以上のように、本実施例の燃料電池システムでは、コントローラ(制御手段)40において、電圧に基づく電流取り出しの終了判定と電流に基づく電流取り出しの終了判定が共にされた場合に、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了する。このように、電圧と電流を電流取り出し終了判定に用いることで、電圧または電流のみで判定するより確実に電流取り出し終了判定をすることができる。結果として、より確実に劣化有無を判定することができ、耐久性の高い燃料電池システムを得ることができる。
なお、実施例1において説明した(変形例1:ケース内燃料ガス濃度に基づく終了判定)、(変形例2:酸化剤極の燃料ガス濃度に基づく終了判定)および(変形例3:酸化剤ガスフローに基づく終了判定)については、本実施例においても実施例1と同様に適用可能である。
また、実施例1、実施例2および実施例3において、もし燃料電池スタック1の電圧(総電圧)や電流が非常に小さい場合には、燃料電池スタック1の電圧(総電圧)および電流の最大値からの低下幅や低下割合に関わらず、電流制御装置(通電手段)41による電流取り出しを終了しても良い。
本発明の実施例に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池スタック1に設置される電圧センサ30の具体的構成を例示する構成図(その1)である。 燃料電池スタック1に設置される電圧センサ30の具体的構成を例示する構成図(その2)である。 燃料電池スタック1に設置される電圧センサ30の具体的構成を例示する構成図(その3)である。 燃料電池スタック1に設置される電圧センサ30の具体的構成を例示する構成図(その4)である。 実施例の燃料電池システムにおける起動制御の手順を説明するフローチャートである。 実施例の燃料電池システムの起動時における各種パラメータの時間的推移を例示するタイミングチャートである。 実施例の電流制御装置41による電流取り出しの終了判定を説明するための説明図であり、電流取り出し期間における取り出し電流および燃料電池スタック1の総電圧の推移を例示するタイミングチャートである。 電流取り出し期間において取り出し電流および燃料電池スタック1の総電圧が図8の推移をたどるときの燃料極の水素濃度、酸素濃度および窒素濃度、並びに酸化剤極の酸素濃度および窒素濃度の推移を例示するタイミングチャートである。 水素と酸素が混在したときの混成電位を説明する説明図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
1a−i セル
1b−i 燃料極
1c−i 酸化剤極
1d−i 電解質
2 燃料タンク
3 燃料供給弁
4 燃料調圧弁(タンク側)
5 燃料供給調圧弁
7 燃料循環ポンプ
8 燃料パージ弁
11 酸化剤コンプレッサ
12 酸化剤調圧弁
20 燃料電池スタックケース
21 燃料供給配管
22 酸化剤供給配管
23 燃料循環配管
24 燃料排気配管
25 酸化剤排気配管
30 電圧センサ(電圧計測手段)
30a−1〜30a−N,30b−1〜30b−N 電圧センサ
30c−1〜30c−M,30d−1〜30d−M 電圧センサ
31 酸化剤流量測定器
32,33 圧力センサ
34,35 燃料ガス濃度センサ
39 タイマ
40 コントローラ(制御手段)
41 電流制御装置
42 負荷部
43 二次電池
44 補機類

Claims (22)

  1. 電解質膜を挟んで配置された燃料極および酸化剤極を備え、該燃料極および該酸化剤極にそれぞれ供給される燃料ガスおよび酸化剤ガスの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池から電流を取り出す通電手段と、
    前記燃料電池内に配置された電圧計測手段と、
    起動時に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給しない状態で前記燃料極に燃料ガスを供給した後に、前記通電手段による電流取り出しを開始し、前記燃料電池の電流または電圧に基づき該電流取り出しを終了し、その後前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給して発電を開始する制御手段と、
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記電圧計測手段により得られる前記燃料電池の総電圧に応じて、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記電圧計測手段は、前記燃料電池のセル毎に、或いは、前記燃料電池の数セルに1つずつ設置され、
    前記制御手段は、前記電圧計測手段で得られる電圧に応じて、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記電圧計測手段は、対で構成され、それぞれ同一セルまたは複数セルの測定対象について前記燃料極の燃料ガス供給側と燃料ガス排出側の2箇所の電圧を計測することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、前記通電手段に対して指令する目標指令電流と、前記通電手段によって前記燃料電池から取り出す実電流の値とを監視し、前記実電流が前記目標指令電流に到達して該実電流量が該目標電流量よりも低くなったら、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、電圧に基づく電流取り出しの終了判定と電流に基づく電流取り出しの終了判定が共にされた場合に、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記燃料電池の電流または電圧に基づき、前記燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断したとき、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記燃料電池の電流または電圧に基づき前記燃料極における酸化剤ガス濃度に対する燃料ガス濃度が所定値以上と判断し、同時に、前記酸化剤極の酸化剤ガス濃度が減少し始めたとき、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記制御手段は、前記燃料電池の電流または電圧が下降している時に、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  10. 前記制御手段は、前記燃料電池の電流または電圧の最大値を記録し、該最大値から所定値または所定割合低下したとき、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料電池を保護する燃料電池ケースを有し、
    前記制御手段は、前記燃料電池ケース内の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったとき、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 燃料電池ケース内に設置される燃料ガス濃度センサを有することを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システム。
  13. 前記制御手段は、燃料電池ケース内の燃料ガス濃度を前記燃料極の燃料ガス圧力と前記通電手段による電流取り出し時間に基づき推定することを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システム。
  14. 燃料電池ケース出口に設置される燃料ガス濃度センサを有し、
    前記制御手段は、前記燃料極の燃料ガス圧力が所定値で、前記通電手段による電流取り出しが所定時間経過したときに前記燃料電池ケースに空気を供給し、前記燃料ガス濃度センサの計測値に基づき、所定値以上のときは前記燃料ガス濃度推定値を高い側に、所定値以下のときは前記燃料ガス濃度推定値を低い側にそれぞれ補正することを特徴とする請求項11または請求項13の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  15. 前記制御手段は、前記酸化剤極の燃料ガス濃度が所定濃度以上になったとき、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  16. 前記酸化剤極に設置される燃料ガス濃度センサを有することを特徴とする請求項15に記載の燃料電池システム。
  17. 前記制御手段は、前記酸化剤極の燃料ガス濃度を前記燃料極の燃料ガス圧力と前記通電手段による電流取り出し時間に基づき推定することを特徴とする請求項15に記載の燃料電池システム。
  18. 前記制御手段は、前記酸化剤極の燃料ガス濃度を前記電解質膜の湿潤度合いに基づき補正することを特徴とする請求項15〜請求項17の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  19. 当該燃料電池システムが前回停止してから起動するまでの時間を計測する放置時間計測手段を有し、
    前記制御手段は、前記電解質膜の湿潤度合いを放置時間計測手段による計測時間に基づき推定することを特徴とする請求項18に記載の燃料電池システム。
  20. 前記酸化剤極に設置される燃料ガス濃度センサを有し、
    前記制御手段は、前記燃料極の燃料ガス圧力が所定値で、前記通電手段による電流取り出しが所定時間経過したときに前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給し、前記燃料ガス濃度センサの計測値に基づき、所定値以上のときは前記燃料ガス濃度推定値を高い側に、所定値以下のときは前記燃料ガス濃度推定値を低い側にそれぞれ補正することを特徴とする請求項17〜請求項19の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  21. 前記酸化剤極の酸化剤ガス流量を検知する酸化剤ガス供給量検知手段を有し、
    前記制御手段は、前記通電手段による電流取り出し時に酸化剤供給量を検知し、該酸化剤供給量が無くなったとき、前記通電手段による電流取り出しを終了することを特徴とする請求項1〜請求項10の何れか1項に記載の燃料電池システム。
  22. 前記燃料電池で消費されなかった燃料ガスを前記燃料ガス供給系に循環させる燃料ガス循環系を有することを特徴とする請求項1〜請求項21の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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