JP2007178528A - 転写搬送ベルト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】像担持体上のトナー像が転写され、形成された多色トナー像を記録媒体に二次転写する転写搬送ベルトにおいて、該ベルトの側端又はその近傍の内側に、円環状のリブが接着され、該円環状のリブの外周が、25℃において、該転写搬送ベルトの内周の1.00〜1.05倍であることを特徴とする転写搬送ベルト、及び、像担持体上のトナー像が転写され、形成された多色トナー像を記録媒体に二次転写する転写搬送ベルトの製造方法であって、ゴムチューブからなる転写搬送ベルトの側端又はその近傍の内側に、25℃における外周が、25℃における該ゴムチューブの内周の1.00〜1.05倍である円環状のリブを接着することを特徴とする転写搬送ベルトの製造方法。
【選択図】図1
Description
次いで、感光ドラムの帯電器による帯電、レーザービームによる露光、現像器Cのシアンのトナーによる現像、トナー像の転写搬送ベルトへの転写、感光ドラム表面の清浄化が行われ、さらに、同様にして、マゼンタのトナー像の転写、ブラックのトナー像の転写のサイクルが行われる。イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックのトナー像が重ねて転写され、未定着の4色のトナーが重畳して転写搬送ベルトに形成されたカラートナー像は、二次転写対向ローラーと二次転写ローラー13において、記録媒体Pに二次転写される。トナー像が二次転写された記録媒体は、定着器14に送られて加熱、加圧され、トナー像が定着されて画像形成が終了する。
このような転写搬送ベルトを用いたカラー画像形成装置では、転写搬送ベルト上で多重転写された重畳トナー像を記録媒体に一括して転写するので、潜像担持体から記録媒体に直接各色のトナー像を順次転写する方式に比べて、トナー像間の位置ずれや画像の乱れを効果的に防止することができる。しかし、転写搬送ベルトのような無端ベルトは、駆動ローラーと従動ローラーの軸が完全に平行でないなどの原因により、進行方向と垂直の方向にずれる蛇行現象を起こす場合がある。転写搬送ベルトが蛇行すると、各色のトナー像の間にずれが生じて、画像が乱れ、画質が低下する。
転写搬送ベルトの蛇行を防ぐために、転写搬送ベルトの内側に全周にわたってリブを設けることが行われている。図5は、リブの一例の説明図である(特許文献1)。この例では、転写搬送ベルト15の内周面両側縁にガイドリブ16が設けられ、クリーニングブレード17の両端部に配置した端部押え部材18が、転写搬送ベルトを挟んでガイドリブとテンションローラー19両端のフランジ20に跨る位置に配置されるので、ガイドリブのフランジへの乗り上げが防止され、転写搬送ベルトの蛇行が確実に防止される。図6は、リブの他の例の説明図である(特許文献2)。この例では、転写搬送ベルト21の両側縁にリブ22が貼着され、駆動ローラー23の両側端に駆動ローラーに対して独立的に回転可能に構成したリブガイド24が設けられ、駆動ローラーの側面からリブを介して転写搬送ベルトを駆動する力を断ち切ることにより、転写搬送ベルトの歪みの発生を防止している。
しかし、転写搬送ベルトの内周面に細長いリブ材を精度よく貼り付ける作業は、手間がかかり容易ではない。リブ材の繋ぎ目において、上流側のリブ材が下流側のリブ材よりも転写搬送ベルトの内側にずれていると、例えば、図6に示すような例では、リブガイドがリブ材の繋ぎ目で上流側のリブ材に乗り上げ、転写搬送ベルトが変形するのみならず、リブ材が繋ぎ目から剥がれる原因にもなる。このために、リブ材の繋ぎ目を積極的にずらした装置が提案されている。図7は、この例の説明図である(特許文献3)。図中の矢印は、転写搬送ベルトの進行方向を示す。この例では、転写搬送ベルト25の内周面の両側端部にリブ26が接着固定され、その繋ぎ目27において、上流側のリブ端28が、下流側のリブ端29よりも微妙に転写搬送ベルトの外側にずらして接着されている。しかし、リブ材の両末端を微妙な位置関係にずらして正確に接着することも容易ではなく、また、わずかであってもリブの間隔が広がることは転写搬送ベルトが蛇行する余地が生ずることで好ましくない。
転写搬送ベルトのリブには、転写搬送ベルトの蛇行を抑えるために、ローラーのガイド部から横向きの大きい力が作用する。リブ材と転写搬送ベルトの内周面との接着面積は大きくないので、ガイド部から受ける大きい力にも耐える手段として、ベルト本体とリブ材とを一緒に縫い合わせた転写搬送ベルトが提案されている。図8は、この例の説明図である(特許文献4)。この例では、転写搬送ベルト30について、ベルト本体と補強テープ31とリブ材32とが、糸33により縫い合わされている。しかし、ベルト本体とリブ材を糸で縫い合わせる工程は極めて煩雑であり、歪みが生じないように全周にわたって均一に縫い合わせることは容易ではない。
すなわち、本発明は、
(1)像担持体上のトナー像が転写され、形成された多色トナー像を記録媒体に二次転写する転写搬送ベルトにおいて、該ベルトの側端又はその近傍の内側に、円環状のリブが接着され、該円環状のリブの外周が、25℃において、該転写搬送ベルトの内周の1.00〜1.05倍であることを特徴とする転写搬送ベルト、及び、
(2)像担持体上のトナー像が転写され、形成された多色トナー像を記録媒体に二次転写する転写搬送ベルトの製造方法であって、ゴムチューブからなる転写搬送ベルトの側端又はその近傍の内側に、25℃における外周が、25℃における該ゴムチューブの内周の1.00〜1.05倍である円環状のリブを接着することを特徴とする転写搬送ベルトの製造方法、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)円環状のリブの外周が、転写搬送ベルトの内周の1.01〜1.04倍である(1)記載の転写搬送ベルト、
(4)円環状のリブの外周が、50〜250mmである(1)記載の転写搬送ベルト、
(5)円環状のリブの外周が、ゴムチューブの内周の1.01〜1.04倍である(2)記載の転写搬送ベルトの製造方法、及び、
(6)円環状のリブの外周が、50〜250mmである(2)記載の転写搬送ベルトの製造方法、
を挙げることができる。
本発明の転写搬送ベルトの製造方法によれば、円環状のリブを、ゴムチューブの内側からリブがゴムチューブに押し付けられる状態で接着するので、安定して接着することができる。
図1は、本発明の転写搬送ベルトの一態様を、ベルトの外周面が円筒形となる状態で、該円筒の中心軸を通る平面で切断した状態を示す断面図である。図2は、本発明の転写搬送ベルトの一態様を、ベルトの外周面が円筒形となる状態で、該円筒の中心軸方向に眺めた側面図である。図1及び図2に示す態様の転写搬送ベルトにおいては、転写搬送ベルト1の両側端に、中心軸を通る平面で切断した断面が長方形である円環状のリブ2が接着されている。
図3は、本発明の転写搬送ベルトの他の態様を、ベルトの外周面が円筒形となる状態で、該円筒の中心軸を通る平面で切断した状態を示す断面図である。図3に示す態様の転写搬送ベルトにおいては、転写搬送ベルト1の両側端の近傍の内側に、円環状のリブ3が接着されている。図1、図2及び図3においては、転写搬送ベルトを外周面が円筒形となる状態で示し、円筒の中心軸に垂直な平面で切断した断面形状は円形となるが、画像形成装置において転写搬送ベルトが使用されるときは、転写搬送ベルトは駆動ローラー、二次転写対向ローラー、テンションローラーなどの複数のローラーに張架されるので、その断面形状は、ベルトとローラーの接触部分が円弧である略多角形となる。
本発明の転写搬送ベルトにおいて、ベルトの幅に特に制限はなく、画像形成装置及び記録媒体の寸法に応じて適宜選択することができる。例えば、記録媒体としてA4版又はA3版の用紙を用いる場合は、ベルトの幅は310mm程度であることが好ましい。本発明の転写搬送ベルトにおいて、ベルトの厚さに特に制限はないが、0.40〜0.60mmであることが好ましく、0.45〜0.50mmであることがより好ましい。ベルトの厚さが0.40mm未満であると、薄肉によりベルトの強度が不足するおそれがある。ベルトの厚さが0.60mmを超えると、ベルトを装着するユニットを破損させるおそれがある。
本発明に用いるゴムチューブの製造方法に特に制限はないが、例えば、ゴムに充填剤、可塑剤、軟化剤などを配合して混練したのち、さらに、硫黄、加硫促進剤などを添加して混練し、押出機を用いて所定の内周及び厚さを有するチューブ状に押し出すことができる。得られたゴムチューブは、所定の長さに切断して転写搬送ベルトの原材料とする。本発明に用いる円環状のリブの製造方法に特に制限はないが、例えば、ゴムに充填剤、可塑剤、軟化剤などを配合して混練したのち、さらに、硫黄、加硫促進剤などを添加して混練し、射出成形により所定の外周及び幅、厚さなどの断面形状を有する円環状のリブを得ることができる。本発明方法においては、ゴムチューブを構成するゴム成分と、円環状のリブを構成するゴム成分は、同種のゴム成分であることが好ましい。
次いで、ゴムチューブの接着剤が塗布された箇所に、円環状のリブを押し込んで接着することができる。円環状のリブの外周は、ゴムチューブの内周の1.00〜1.05倍なので、ゴム弾性を利用して円環状のリブをゴムチューブに押し込むことが好ましい。押し込まれた直後の円環状のリブには歪みが残るが、円環状のリブの押し込みが終り、接着剤の乾燥を待つ間に応力が均一に分布し、円環状のリブがゴムチューブの内側から膨張力によりゴムチューブを押し付ける歪みのない状態となる。接着剤が乾燥してゴムチューブの内周面に円環状のリブが接着したとき、円柱状の型を折り畳んで取り出し、転写搬送ベルトを完成する。本発明においては、JIS K 6256に準じて測定した円環状のリブとゴムチューブのT型剥離強度が、0.1N/mm以上であることが好ましく、0.2N/mm以上であることがより好ましい。T型剥離強度が0.1N/mm未満であると、転写搬送ベルトの使用中に、円環状のリブが転写搬送ベルトから剥がれるおそれがある。
実施例1
クロロプレンゴム(CR)[昭和電工エラストマー(株)、ショウプレンWRT]73重量部、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)[住友化学(株)、エスプレン505]27重量部、酸化亜鉛[バイエル社、レノグランZnO−80]6重量部、酸化マグネシウム[協和化学工業(株)、キョーワマグ150]4重量部、カーボンブラック[電気化学工業(株)、デンカブラック]50重量部、プロセスオイル[出光興産(株)、PW−380]10重量部及びステアリン酸[花王(株)、ルナックS−40]をニーダーで混練し、冷却したのちオープンロールで硫黄[バイエル社、レノグランS−80]1重量部、エチレンチオ尿素[川口化学工業(株)、アクセル22]1重量部及びテトラメチルチウラムジスルフィド[大内新興化学工業(株)、ノクセラーTT]0.5重量部を加えて混練し、リボン状にして押出機に供給した。
スクリュー径75mmのベント型押出機に、チュービング用ダイを装着し、シリンダー温度60℃、ヘッド温度80℃、ダイ温度90℃で押出成形を行い、25℃で測定した内周114.6mm、厚さ0.7mmのゴムチューブを得た。このゴムチューブを長さ370mmに切断して、転写搬送ベルトの原材料とした。
押出成形に用いたものと同じCR/EPDMゴム配合組成物を、圧縮成形機を用い、金型温度150℃、20分間でプレス成形を行い、25℃で測定した外周117.5mm、幅5.0mm、厚さ1.1mmの円環状のリブを得た。
長さ310mmに切断したゴムチューブに、折り畳み可能な直径114.0mm、長さ290mmの円柱状の型をチューブの両端各10mmを残して挿入し、ゴムチューブを円筒形状とし、両端から約5mmの部分の内周面をリューターを用いて研磨した。円環状のリブの外周面も、同様に円筒研磨機を用いて研磨した。ゴムチューブの両端から各5.0mmの内周面に、水性ゴム系接着剤を塗布し、円環状のリブを押し込んだ。そのまま室温で16時間放置して接着剤を乾燥させたのち、円柱状の型を折り畳んで取り出し、転写搬送ベルトを完成した。JIS K 6256に準じて測定した円環状のリブとゴムチューブのT型剥離強度は、0.28N/mmであった。
本発明の転写搬送ベルトの製造方法によれば、円環状のリブを、ゴムチューブの内側からリブがゴムチューブに押し付けられる状態で接着するので、安定して接着することができる。本発明方法によれば、ポリイミド樹脂などの高価な材料を用いることなく、100枚/分のような高速の画像形成装置に適用し得る転写搬送ベルトを製造することができる。
2 円環状のリブ
3 円環状のリブ
4 感光ドラム
5 帯電器
6 レーザー露光装置
7 回転現像装置
8 転写搬送ベルト
9 ドラムクリーナー
10 駆動ローラー
11 二次転写対向ローラー
12 テンションローラー
13 二次転写ローラー
14 定着器
15 転写搬送ベルト
16 ガイドリブ
17 クリーニングブレード
18 端部押え部材
19 テンションローラー
20 フランジ
21 転写搬送ベルト
22 リブ
23 駆動ローラー
24 リブガイド
25 転写搬送ベルト
26 リブ
27 繋ぎ目
28 上流側のリブ端
29 下流側のリブ端
30 転写搬送ベルト
31 補強テープ
32 リブ材
33 糸
Claims (2)
- 像担持体上のトナー像が転写され、形成された多色トナー像を記録媒体に二次転写する転写搬送ベルトにおいて、該ベルトの側端又はその近傍の内側に、円環状のリブが接着され、該円環状のリブの外周が、25℃において、該転写搬送ベルトの内周の1.00〜1.05倍であることを特徴とする転写搬送ベルト。
- 像担持体上のトナー像が転写され、形成された多色トナー像を記録媒体に二次転写する転写搬送ベルトの製造方法であって、ゴムチューブからなる転写搬送ベルトの側端又はその近傍の内側に、25℃における外周が、25℃における該ゴムチューブの内周の1.00〜1.05倍である円環状のリブを接着することを特徴とする転写搬送ベルトの製造方法。
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