JP2007177677A - ロッカーアームおよびロッカーシャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】摩耗やピッチングを抑えることができて、長寿命化を図ることが可能なロッカーアームおよびロッカーシャフトを提供する。
【解決手段】バルブ54の開閉を行うためのロッカーアーム81およびロッカーアーム81を支持するロッカーシャフト86である。ロッカーアーム81のロッカーシャフト86との接触部およびロッカーシャフト86のロッカーアーム81の接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設ける。くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内である。Sk値が−1.6以下である。これにより、接触面が高い油膜形成能力を奏し、低粘度、希薄潤滑下で油膜厚さが極端に薄い条件下でも、長寿命を得ることができる。
【選択図】図1

Description

この発明は、アーム式動弁装置に用いられるロッカーアームおよびロッカーシャフトに関する。
カムの回転によって吸収バルブあるいは排気バルブを開閉させるようにしたロッカーアームを用いたアーム式動弁装置には、揺動自在に支持されたロッカーアームの上方にカムシャフトを配置したエンドピボットタイプと、ロッカーアームの下方にカムシャフトを配置したセンターピボットタイプとがある。
エンドピボットタイプは、カムシャフトに設けられたカムによりロッカーアームを押し下げてバルブを開放させるようにするものであり、センターピボットタイプはカムシャフトに設けられたカムによりロッカーアームの一端部を押し上げ、ロッカーアームの他端部でバルブを開放させるようにするものである。
すなわち、センターピボットタイプでは、ロッカーアームがロッカーシャフトに枢支され、ロッカーシャフト軸心廻りに揺動可能となっている。したがって、ロッカーアームとロッカーシャフトとはすべり接触する。このため、接触面に摩耗が生じないようにするのが好ましい。
従来には、耐久性を改善するために、ロッカーアームがロッカーシャフトとの間の摺動部分に潤滑油を供給するようにしたものがある(特許文献1)。
特開平7−150921号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のものでは、ロッカーアームがロッカーシャフトとの間の摺動部分に優先的に潤滑油を供給するために、油逃がし通路と、この油逃がし通路に設けられる弁装置とを備える必要があり、複雑な構成となっていた。しかも、潤滑油切れが生じた際には、接触部に摩耗やピッチングが発生するという問題があった。
本発明の課題は、摩耗やピッチングを抑えることができて、長寿命化を図ることが可能なロッカーアームがロッカーシャフトを提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のロッカーアームは、バルブの開閉を行うためのロッカーアームにおいて、少なくともロッカーシャフトとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とする。
パラメータRyniとは、基準長毎最大高さの平均値すなわち、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値である(ISO 4287:1997)。
また、パラメータSkとは、粗さ曲線の歪み度(スキューネス)を指し(ISO 4287:1997)、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量である。ガウス分布のような対称な分布ではSk値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合は負、逆の場合は正の値をとることになる。
本発明のロッカーアームでは、くぼみを設けた面(接触部)の面粗さパラメータRyniを0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内に規定することで、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能となり、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、接触面のSk値を幅方向、円周方向とも−1.6以下とすることにより、微小凹形状のくぼみが油溜りとなり、圧縮されても滑り方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、表面損傷を極力抑える効果が発揮される。
あるいはバルブの開閉を行うためのロッカーアームにおいて、少なくともロッカーシャフトとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。
本発明のロッカーアームでは、接触面(接触部)のくぼみの平均面積を30〜100μmの範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
あるいはバルブの開閉を行うためのロッカーアームにおいて、少なくともロッカーシャフトとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。
本発明のロッカーアームでは、接触部のくぼみを設けた面におけるくぼみの面積率を5〜20%の範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
本発明のロッカーシャフトは、バルブの開閉を行うためのロッカーアームを支持するロッカーシャフトにおいて、少なくともロッカーアームとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とする。
本発明のロッカーシャフトでは、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能となり、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、微小凹形状のくぼみが油溜りとなり、圧縮されても滑り方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、表面損傷を極力抑える効果が発揮される。
あるいはバルブの開閉を行うためのロッカーアームを支持するロッカーシャフトにおいて、少なくともロッカーアームとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。
本発明のロッカーシャフトでは、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
あるいはバルブの開閉を行うためのロッカーアームを支持するロッカーシャフトにおいて、少なくともロッカーアームとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。
本発明のロッカーシャフトでは、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
以上のように、本発明によると、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けることによって、接触面(接触部)が微小粗面となって油膜が形成しやすくなる。しかもこのくぼみが油溜まりとなるため、すべり面の油膜形成が確実に行える。このため、温度上昇の低減が可能となるとともに、接触面での金属接触を緩和でき、摩耗やピッチングを抑えることができて、低粘度、希薄潤滑下で油膜厚さが極端に薄い条件下でも、このロッカーアームやロッカーシャフトは長寿命を得ることができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、ロッカーアームにより弁の開閉を行う内燃焼機関の動弁機構を示す。この動弁機構は、センターピボットタイプであり、ロッカーアーム81と、ロッカーアーム81に付設されるローラ82の下方に配置されるカム83等を備え、前記ロッカーアーム51の揺動にてバルブ54を開閉する。
バルブ54は、バルブステム部62と、バルブステム62に外嵌される弾発部材63とを備える。バルブステム部62の小径部64にスペーサ65が嵌合されるとともに、このスペーサ65に支持部材66が外嵌されている。この支持部材66にて弾発部材63の上端を受けている。また、弾発部材63の下端は固定部67にて受けられている。
ロッカーアーム81は、正面視略への字状であって、その中央部に、ロッカーシャフト86が挿通され、その一端部(反弁側端部)81aにローラ82が付設され、その他端部(弁側端部)81bにアジャストスクリュー85が付設されている。アジャストスクリュー85は、ロッカーアーム81の他端部81bに設けられたねじ孔に螺着され、ロッカーアーム81の他端部81bの上端から突出した突出部にナット87が螺着され、位置決めされている。
前記のように構成された動弁機構では、カム83が回転することにより、ロッカーアーム81の一端部81aを押し上げ、この押し上げによって、先端71がアジャストスクリュー85の下面85aに当接しているバルブステム部62を下方へ押し下げ、バルブ54を開放状態とする。また、カム83が回転することにより、カム83によるロッカーアーム81の押し上げ力を解除すれば、弾発部材63による弾発力でバルブステム部62が上昇して、バルブ54が閉状態となる。
すなわち、ロッカーアーム81は、ロッカーシャフト軸心廻りに揺動することになり、ロッカーアーム81のシャフト挿入孔90の内周面と、この内周面に対応するロッカーシャフトの外周面とが、すべり接触することになる。
そこで、本発明では、ロッカーアーム81のシャフト挿入孔90の内周面と、この内周面に対応するロッカーシャフト86の外周面とのどちらかの一方の接触部(接触面)に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下に設定する。
あるいは前記くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、Rymaxが0.4〜1.0μmの範囲内とする。
あるいは前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内とする。
なお、前記のような微小粗面を得るための表面加工処理としては、特殊なバレル研摩によると所望の仕上げ面を得ることができるが、これに限らず、例えばショット等を用いてもよい。
上記のように、本発明では、ロッカーシャフト86のロッカーアーム81との接触部(ロッカーシャフト86の外周面)と、ロッカーアーム81のロッカーシャフト86との接触部(ロッカーアーム81のシャフト挿入孔90の内周面)とのいずれか一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、このくぼみを設けた面(接触面)の面粗さパラメータRyniを0.4μm以上、1.0μm以下の範囲内に規定することで、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能となり、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、接触面のSk値を幅方向、円周方向とも−1.6以下とすることにより、微小凹形状のくぼみが油溜りとなり、圧縮されても滑り方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、表面損傷を極力抑える効果が発揮される。
また、接触面(接触部)のくぼみの平均面積を30〜100μmの範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
さらに、接触面(接触部)のくぼみを設けた面におけるくぼみの面積率を5〜20%の範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
従って、本発明のロッカーアーム81とロッカーシャフト86とは、低粘度、希薄潤滑下で油膜厚さが極端に薄い条件下でも、長寿命を得ることができる。
ところで、ロッカーアーム81のシャフト挿入孔90の内周面と、この内周面に対応するロッカーシャフトの外周面のどちらか一方に、本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施しても、十分に長寿命等の効果を得ることができる。しかしながら、両面(両接触部)に、本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施すのがより一層の効果がある。
本発明の有用性を示すために、転がり軸受の寿命評価と歯車の寿命評価を行った。転がり軸受はインナレース(相手軸)アウタレース(外輪)と、歯車の歯面は相手側の歯面と転がり接触および滑り接触をし、その接触はロッカーアームとロッカーシャフトの接触状態に準じた形態となる。従って、ロッカーアームとロッカーシャフトの評価は、転がり軸受と歯車の寿命評価で評価できると考えられる。以下に、パラメータRyni、Rymax、Sk、Rqniの測定方法、条件の一例を示す。これらのパラメータで表される表面性状を、測定する場合、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば直径方向に対向する二ヶ所を測定するとよい。
パラメータ算出規格:JIS B 0601:1994(サーフコム JIS 1994)
カットオフ種別:ガウシアン
測定長さ:5λ
カットオフ波長:0.25mm
測定倍率:×10000
測定速度:0.30mm/s
測定箇所:対象物中央部
測定数:2
測定装置:面粗さ測定器サーフコム1400A(東京精密株式会社)
また、くぼみの定量的測定を行うには、対象物表面を拡大し、その画像から市販されている画像解析システムにより定量化できる。さらには、特開2001−183124に開示されている表面性状検査方法及び表面性状検査装置を用いれば、安定して精度良く測定することができる。この方法は、曲率を有する検査表面に光を照射して検査表面をカメラで撮影し、このカメラで撮影された検査表面の画像の輝度を測定して、この測定された輝度の明部と暗部のコントラストで形成される明暗パターンにより、検査表面の表面性状を検査する表面性状検査方法であって、光をカメラの光軸方向に合致させて照射し、測定される画像の輝度分布がピーク値を示す位置を、カメラの光軸上に一致させるように、検査表面を位置決めすることにより、検査表面の曲率に起因するシェーディング(輝度分布)を抑制するものである。また、光をカメラの光軸方向に合致させて照射し、測定される画像の輝度分布について、この輝度分布がピーク値を示す位置に相当する検査表面の部位を原点とし、曲率の対称軸を一つの軸とする直交二次元座標で、直交する各座標軸に沿う一次元の輝度分布をそれぞれ近似関数で近似し、これらの近似関数を用いて、画像の輝度分布を除去するように、輝度分布のピーク値を基準値として、座標各位置に相当する測定された画像の輝度を補正し、この補正された輝度の明暗パターンにより検査表面の表面性状を検査することにより、シェーディングのない明暗パターンで表面性状を検査することができる。測定条件はたとえば次のとおりである。また、くぼみの面積率、平均面積を転がり測定する場合、上記のパラメータと同様に、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば二ヶ所を測定するとよい。
面積率:観察視野範囲で2値化閾値((明部の輝度+暗部の輝度)/2)よりも小さい画素(黒)の占める割合
平均面積:黒の面積の合計/総数
観察視野:826μm×620μm
測定箇所:ころ中央部
測定数:2
図2は供試転がり軸受の一例を示しており、この転がり軸受10は転動体として針状ころ12を外輪13に組み込んだ針状ころ軸受であり、針状ころ12で相手軸14を支持するようになっている。針状ころ表面に、仕上面の異なる表面処理を施した複数種類の針状ころ軸受を製作し、寿命試験を行なった結果について説明する。寿命試験に用いた針状ころ軸受は、図3に示すように、外径Dr=33mm、内径dr=25mm、針状ころ12の直径D1=4mm、長さL=25.8mmで、15本の針状ころを用いた保持器15付きの軸受である。試験軸受として針状ころの表面粗さ仕上の異なる3種類を製作した。すなわち、研削後スーパーフィニッシュを施した軸受A(比較例)と、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に形成した軸受B(比較例)、軸受C(参考例)、軸受D(参考例)とである。各試験軸受の針状ころにおける仕上面状況を図4〜図6に示す。具体的には、図4は軸受Aの表面粗さ、図5は軸受Bの表面粗さ、図6は軸受C及び軸受Dの表面粗さをそれぞれ示す。また、各試験軸受の表面仕上面の特性値パラメータ一覧を表1に示す。なお、Rqni(L/C)については、軸受B、C及びDは1.5以下であり、軸受Aは1.5前後の値である。また、結晶粒度の測定は、JIS G 0551の鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法に基づいて行なった。
Figure 2007177677
使用した試験装置は図7に概略図で示したようなラジアル荷重試験機16で、回転軸17の両側に試験軸受10を取り付け、回転と荷重を与えて試験を行なうものである。試験に用いたインナレース(相手軸)の仕上は研摩仕上のRa0.10〜0.16μmである。アウタレース(外輪)も共通である。試験条件は以下のとおりである。
軸受ラジアル荷重:2000kgf
回転数:4000rpm
潤滑剤:クリセクオイルH8(試験条件で2cst)
図8に油膜パラメータΛ=0.13の下での寿命試験結果を示す。同図の縦軸が寿命時間(h)を表している。同図に示すように、軸受Aが78h、軸受Bが82hであったのに対して軸受Cは105h、軸受Dは121hであった。このデータから明らかなように、針状ころ表面が本発明に係る表面形状を満たすように表面処理された軸受C及びDは、油膜パラメータΛ=0.13という低粘度、希薄の非常に過酷な潤滑条件下でも長寿命効果を得ることができる。従って、接触面(接触部)を上記数値範囲に設定した本発明に係るロッカーアーム81やロッカーシャフト86は、高い長寿命効果を得ることができる。
次に、図9に示す平歯車疲労試験機を使用して歯車のピッチング試験を実施し、ピッチング強度を評価した。図9において、ドライブ側歯車31(歯数29枚)とドリブン側歯車32(歯数30枚)は各々の回転軸33、34の片側に取付けられており、ドライブ側の軸33が図示しないモータにより駆動されている。また、ドライブ側の軸33に取付けてある負荷レバー35及び重錘36によりトルクを負荷する構造となっている。ドライブ側歯車31は、本発明に係る表面処理の有無で2種類を用意した。試験条件等の詳細は、表2のとおりである。
Figure 2007177677
歯車ピッチング試験のデータを表3、表4及び表5に示す。表3はドライブ側及びドリブン側の何れの歯車にも表面処理を施していない場合(a)の結果(比較例)を示し、表4はドライブ側歯車の歯面に、本発明に係る表面性状を満たすように表面処理を施したものを使用した場合(b)の結果(実施例)を示し、表5はドライブ側歯車及びドリブン側歯車の歯面に、本発明に係る表面性状を満たすように表面処理を施したものを使用した場合(c)の結果(実施例)をそれぞれ示す。これらより、ピッチング寿命が、(a)の場合に比べ、(b)の場合では2倍以上向上し、(c)の場合では3倍以上向上していることが確認できる。
Figure 2007177677
Figure 2007177677
Figure 2007177677
本発明のロッカーアーム及びロッカーシャフトを使用した内燃焼機関の動弁機構の簡略図である。 針状ころ軸受の断面図である。 寿命試験に用いた針状ころ軸受の断面図である。 試験軸受Aにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受Bにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受C及びDにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験装置の部分断面図である。 寿命試験結果を示すグラフである。 平歯車試験機の部分斜視図である。
符号の説明
54 バルブ
81 ロッカーアーム
86 ロッカーシャフト

Claims (6)

  1. バルブの開閉を行うためのロッカーアームにおいて、少なくともロッカーシャフトとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とするロッカーアーム。
  2. バルブの開閉を行うためのロッカーアームにおいて、少なくともロッカーシャフトとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするロッカーアーム。
  3. バルブの開閉を行うためのロッカーアームにおいて、少なくともロッカーシャフトとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするロッカーアーム。
  4. バルブの開閉を行うためのロッカーアームを支持するロッカーシャフトにおいて、少なくともロッカーアームとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とするロッカーシャフト。
  5. バルブの開閉を行うためのロッカーアームを支持するロッカーシャフトにおいて、少なくともロッカーアームとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするロッカーシャフト。
  6. バルブの開閉を行うためのロッカーアームを支持するロッカーシャフトにおいて、少なくともロッカーアームとの接触部に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするロッカーシャフト。
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