JP2007182976A - ピストンクランク機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な潤滑状態を維持できるとともに、ピストンピンやクランクの摩耗を抑えることができて、長寿命化を図ることが可能なピストンクランク機構を提供する。
【解決手段】ピストンピン2を有するピストン1と、クランク4と、クランク4とピストンピン2とを連結するコネクティングロッド3とを備えたピストンクランク機構である。ピストンピン2のロッド摺動面と、コネクティングロッド3のピストンピン摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設ける。くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内である。Sk値が−1.6以下である。
【選択図】図1

Description

この発明は、ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構に関する。
自動車エンジン等に利用されるピストンクランク機構は、ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備え、ピストンの往復運動で得たエネルギーを、クランクの回転運動に変換する。すなわち、シリンダ内に高い温度と圧力を受けると、ピストンが上下に往復運動を行う。この上下運動がコネクティングロッドを介してクランクの回転運動に変換される。
このため、ピストンクランク機構において、ピストンの往復運動や、クランクの回転運動により、ピストンボス、コネクティングロッドジャーナル、ピストンピン、クランクに磨耗が発生するおそれがある。
従来では、ピストンピンやクランク軸は、例えば、研削、超仕上げ等で仕上げていた(特許文献1)。
特開2003−103460号公報
しかしながら、前記のような表面処理方法では、油膜形成能力に限度があるため、接触面間の潤滑量が少なかったり、油が劣化したりして、ピストンボス、コネクティングロッドジャーナル、ピストンピン、クランクに磨耗が発生しやすいという問題があり、磨耗を十分に抑えることができなかった。
本発明の課題は、良好な潤滑状態を維持できるとともに、ピストンピンやクランクの摩耗を抑えることができて、長寿命化を図ることが可能なピストンクランク機構を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のピストンクランク機構は、ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、ピストンピンのロッド摺動面と、コネクティングロッドのピストンピン摺動面との少なくとも一方に、及び/又は、クランクのロッド摺動面と、コネクティングロッドのクランク摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とする。
パラメータRyniとは、基準長毎最大高さの平均値すなわち、粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の山頂線と谷底線との間隔を粗さ曲線の縦倍率の方向に測定した値である(ISO 4287:1997)。
また、パラメータSkとは、粗さ曲線の歪み度(スキューネス)を指し(ISO 4287:1997)、凹凸分布の非対称性を知る目安の統計量である。ガウス分布のような対称な分布ではSk値は0に近くなり、凹凸の凸部を削除した場合は負、逆の場合は正の値をとることになる。
本発明のピストンクランク機構では、くぼみを設けた面(摺動面)の面粗さパラメータRyniを0.4μm以上、1.0μm以下の範囲内に規定することで、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能となり、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、受け部のSk値を幅方向、円周方向とも−1.6以下とすることにより、微小凹形状のくぼみが油溜りとなり、圧縮されても滑り方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、表面損傷を極力抑える効果が発揮される。
本発明の他のピストンクランク機構は、ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、ピストンピンのロッド摺動面と、コネクティングロッドのピストンピン摺動面との少なくとも一方に、及び/又は、クランクのロッド摺動面と、コネクティングロッドのクランク摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、Rymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。
本発明の他のピストンクランク機構では、摺動面のくぼみの平均面積を30〜100μmの範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
本発明の別のピストンクランク機構は、ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、ピストンピンのロッド摺動面と、コネクティングロッドのピストンピン摺動面との少なくとも一方に、及び/又は、クランクのロッド摺動面と、コネクティングロッドのクランク摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とする。
本発明の別のピストンクランク機構では、摺動面のくぼみを設けた面におけるくぼみの面積率を5〜20%の範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
以上のように、本発明によると、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設けることによって、摺動面が微小粗面となって油膜が形成しやすくなる。しかもこのくぼみが油溜まりとなるため、すべり面の油膜形成が確実に行える。このため、クランクやピストン等の摩耗を減少させることができ、また、各摺動面の油膜形成能力が向上するため、運転トルクを低減でき、効率のよい運転が可能となる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明のピストンクランク機構を示す。このピストンクランク機構は、ピストン1とコネクティングロッド3とクランク4とを備えている。ピストン1は、上壁5を有する円筒体からなり、その周壁6には、ピストンピン2を挿入するための孔部(ピストンボス)7を設けている。コネクティングロッド3は、一端部(小端部)にピストンピン2を挿入するための孔部(ピストンピン孔)8と他端部(大端部)に円弧部9とを有する本体部20と、半円弧状の副部21とを備えている。
また、クランク4は、クランクピン24にて連結された一対のウェブ23、23からなるウェブ対28を複数個備え、各ウェブ対28が連結軸22にて連結されている。また、ウェブ対28の各ウェブ23には、クランクピン24と反対側にバランスウェイト25,25が連設されている。
そして、コネクティングロッド3の一端がピストン1内に収納された状態で、このコネクティングロッド3の孔部8にピストンピン2を挿入することによって、コネクティングロッド3とピストンピン2、ひいてはピストン1と連結する。また、ウェブ対28のクランクピン24に、一対の半円弧状の半割体26a、26bからなる軸受(コネクティングロッドジャーナル)26を介して、コネクティングロッド3の本体部20の円弧部9と、前記副部21とで挟持することによって、クランク4とコネクティングロッド3とを連結する。なお、円弧部9と副部21とは図示省略のボルト部材にて締結する。
ピストン1が収容されるシリンダ(図示省略)内に高い温度と圧力を与えると、シリンダ内の膨張力によりピストン1は上下に往復運動を行う。ピストン1の上下運動は、コネクティングロッド3を介してクランク4の回転運動に変換される。すなわち、ピストン1が下降するときは、コネクティングロッド3がクランク4を下方に押し下げ、また、ピストン1が上昇するときは、コネクティングロッド3がクランク4を上方に引き上げる。このようにして、クランク4は回転運動を行う。
前記のようなピストン1の上下運動及びクランク4の回転運動により、ピストンピン2とピストンボス7とが摺動し、コネクティングロッドジャーナル26とクランクピン24とが摺動する。この場合、前記摺動面の潤滑油の潤滑量が少ないときや、潤滑油が劣化したときは、ピストンピン2、ピストンボス7、コネクティングロッドジャーナル26、クランクピン24に磨耗が発生しやすくなる。
そこで、本発明では、ピストンピン2のロッド摺動面(つまりピストンピンの外周面)と、コネクティングロッド3のピストンピン摺動面(つまり、ピストンボス7の内周面)と、クランク4のロッド摺動面(つまり、クランクピン24の外周面)と、コネクティングロッド3のクランク摺動面(つまり、コネクティングロッドジャーナル26の内周面)に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下に設定する。
また、前記くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、Rymaxが0.4〜1.0μmの範囲内とする。
さらに、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内とする。
なお、前記のような微小粗面を得るための表面加工処理としては、特殊なバレル研摩によると所望の仕上げ面を得ることができるが、これに限らず、例えばショット等を用いてもよい。
上記のように、本発明では、くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniを0.4μm以上、1.0μm以下の範囲内に規定することで、希薄潤滑下でも油膜切れを防ぐことが可能となり、極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。また、接触面(摺動面)のSk値を幅方向、円周方向とも−1.6以下とすることにより、微小凹形状のくぼみが油溜りとなり、圧縮されても滑り方向、直角方向への油のリークは少なく、油膜形成に優れ、表面損傷を極力抑える効果が発揮される。
また、摺動面のくぼみの平均面積を30〜100μmの範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
さらに、摺動面のくぼみを設けた面におけるくぼみの面積率を5〜20%の範囲内に規定するとともに、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRymaxを0.4〜1.0μmの範囲内に設定することで、油膜形成能力を向上させることができるため、希薄潤滑下で極端に油膜厚さが薄い条件下でも長寿命を得ることができる。
従って、本発明のピストンクランク機構は、低粘度、希薄潤滑下で油膜厚さが極端に薄い条件下でも、長寿命を得ることができる。すなわち、良好な潤滑状態を維持できるとともに、ピストンピン2やクランクピン24の摩耗を抑えることができて、長寿命化を図ることが可能となる。また、各摺動面の油膜形成能力が向上するため、運転トルクを低減でき、効率のよい運転が可能となる。
ところで、ピストンピン2とコネクティングロッド3との摺動面(ピストンピン2のロッド摺動面及びコネクティングロッド3のピストンピン摺動面)において、いずれか一方のみに本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施しても、十分に長寿命等の効果を得ることができるが、両方に本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施すのがより一層の効果がある。また、クランク4とコネクティングロッド3との摺動面(クランク4のロッド摺動面及びコネクティングロッド3のクランク摺動面)においても、いずれか一方のみに本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施しても、両方に本発明に係る表面性状を満たす表面処理を施してもよい。
本発明の有用性を示すために、まず、歯車の寿命評価を行った。歯車の歯面は、相手側の歯面と転がり接触および滑り接触し、その接触は、転がり軸受のレースと軌道輪との接触状態に準じた形態となる。従って、歯車の寿命評価は、転がり軸受の寿命試験評価で評価することができると考えられる。かかる観点から、本発明者らは、後述の条件で転がり軸受の寿命試験を行った。以下に、パラメータRyni、Rymax、Sk、Rqniの測定方法、条件の一例を示す。これらのパラメータで表される表面性状を、転がり軸受の転動体や軌道輪といった構成要素について測定する場合、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば直径方向に対向する二ヶ所を測定するとよい。
パラメータ算出規格:JIS B 0601:1994(サーフコム JIS 1994)
カットオフ種別:ガウシアン
測定長さ:5λ
カットオフ波長:0.25mm
測定倍率:×10000
測定速度:0.30mm/s
測定箇所:ころ中央部
測定数:2
測定装置:面粗さ測定器サーフコム1400A(東京精密株式会社)
また、くぼみの定量的測定を行うには、ころ表面を拡大し、その画像から市販されている画像解析システムにより定量化できる。さらには、特開2001−183124に開示されている表面性状検査方法及び表面性状検査装置を用いれば、安定して精度良く測定することができる。この方法は、曲率を有する検査表面に光を照射して検査表面をカメラで撮影し、このカメラで撮影された検査表面の画像の輝度を測定して、この測定された輝度の明部と暗部のコントラストで形成される明暗パターンにより、検査表面の表面性状を検査する表面性状検査方法であって、光をカメラの光軸方向に合致させて照射し、測定される画像の輝度分布がピーク値を示す位置を、カメラの光軸上に一致させるように、検査表面を位置決めすることにより、検査表面の曲率に起因するシェーディング(輝度分布)を抑制するものである。また、光をカメラの光軸方向に合致させて照射し、測定される画像の輝度分布について、この輝度分布がピーク値を示す位置に相当する検査表面の部位を原点とし、曲率の対称軸を一つの軸とする直交二次元座標で、直交する各座標軸に沿う一次元の輝度分布をそれぞれ近似関数で近似し、これらの近似関数を用いて、画像の輝度分布を除去するように、輝度分布のピーク値を基準値として、座標各位置に相当する測定された画像の輝度を補正し、この補正された輝度の明暗パターンにより検査表面の表面性状を検査することにより、シェーディングのない明暗パターンで表面性状を検査することができる。測定条件はたとえば次のとおりである。また、くぼみの面積率、平均面積を転がり軸受の転動体や軌道輪といった構成要素について測定する場合、上記のパラメータと同様に、一ヶ所の測定値でも代表値として信頼できるが、たとえば直径方向に対向する二ヶ所を測定するとよい。
面積率:観察視野範囲で2値化閾値((明部の輝度+暗部の輝度)/2)よりも小さい画素(黒)の占める割合
平均面積:黒の面積の合計/総数
観察視野:826μm×620μm
測定箇所:ころ中央部
測定数:2
図2は供試転がり軸受の一例を示しており、この転がり軸受10は転動体として針状ころ12を外輪13に組み込んだ針状ころ軸受であり、針状ころ12で相手軸14を支持するようになっている。針状ころ表面に、仕上面の異なる表面処理を施した複数種類の針状ころ軸受を製作し、寿命試験を行なった結果について説明する。寿命試験に用いた針状ころ軸受は、図3に示すように、外径Dr=33mm、内径dr=25mm、針状ころ12の直径D1=4mm、長さL=25.8mmで、15本の針状ころを用いた保持器15付きの軸受である。試験軸受として針状ころの表面粗さ仕上の異なる3種類を製作した。すなわち、研削後スーパーフィニッシュを施した軸受A(比較例)と、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に形成した軸受B(比較例)、軸受C(参考例)、軸受D(参考例)とである。各試験軸受の針状ころにおける仕上面状況を図4〜図6に示す。具体的には、図4は軸受Aの表面粗さ、図5は軸受Bの表面粗さ、図6は軸受C及び軸受Dの表面粗さをそれぞれ示す。また、各試験軸受の表面仕上面の特性値パラメータ一覧を表1に示す。なお、Rqni(L/C)については、軸受B、C及びDは1.5以下であり、軸受Aは1.0前後の値である。また、結晶粒度の測定は、JIS G 0551の鋼のオーステナイト結晶粒度試験方法に基づいて行なった。
Figure 2007182976
使用した試験装置は図7に概略図で示したようなラジアル荷重試験機16で、回転軸17の両側に試験軸受10を取り付け、回転と荷重を与えて試験を行なうものである。試験に用いたインナレース(相手軸)の仕上は研摩仕上のRa0.10〜0.16μmである。アウタレース(外輪)も共通である。試験条件は以下のとおりである。
軸受ラジアル荷重:2000kgf
回転数:4000rpm
潤滑剤:クリセクオイルH8(試験条件で2cst)
図8に油膜パラメータΛ=0.13の下での寿命試験結果を示す。同図の縦軸が寿命時間(h)を表している。同図に示すように、軸受Aが78h、軸受Bが82hであったのに対して軸受Cは105h、軸受Dは121hであった。このデータから明らかなように、針状ころ表面が本発明に係る表面形状を満たすように表面処理された軸受C及びDは、油膜パラメータΛ=0.13という低粘度、希薄の非常に過酷な潤滑条件下でも長寿命効果を得ることができる。従って、摺動面を上記数値範囲に設定した本発明に係るピストンクランク機構は、高い長寿命効果を得ることができる。
次に、図9に示す平歯車疲労試験機を使用して歯車のピッチング試験を実施し、ピッチング強度を評価した。図9において、ドライブ側歯車31(歯数29枚)とドリブン側歯車32(歯数30枚)は各々の回転軸33、34の片側に取付けられており、ドライブ側の軸33が図示しないモータにより駆動されている。また、ドライブ側の軸33に取付けてある負荷レバー35及び重錘36によりトルクを負荷する構造となっている。ドライブ側歯車31は、本発明に係る表面処理の有無で2種類を用意した。試験条件等の詳細は、表2のとおりである。
Figure 2007182976
歯車ピッチング試験のデータを表3、表4及び表5に示す。表3はドライブ側及びドリブン側の何れの歯車にも表面処理を施していない場合(a)の結果(比較例)を示し、表4はドライブ側歯車の歯面に、本発明に係る表面性状を満たすように表面処理を施したものを使用した場合(b)の結果(実施例)を示し、表5はドライブ側歯車及びドリブン側歯車の歯面に、本発明に係る表面性状を満たすように表面処理を施したものを使用した場合(c)の結果(実施例)をそれぞれ示す。これらより、ピッチング寿命が、(a)の場合に比べ、(b)の場合では2倍以上向上し、(c)の場合では3倍以上向上していることが確認できる。
Figure 2007182976
Figure 2007182976
Figure 2007182976
本発明のピストンクランク機構の分解斜視図である。 針状ころ軸受の断面図である。 寿命試験に用いた針状ころ軸受の断面図である。 試験軸受Aにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受Bにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験軸受C及びDにおける仕上げ面状況を示す粗さ曲線図である。 試験装置の部分断面図である。 寿命試験結果を示すグラフである。 平歯車試験機の部分斜視図である。
符号の説明
1 ピストン
2 ピストンピン
3 コネクティングロッド
4 クランク

Claims (6)

  1. ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、ピストンピンのロッド摺動面と、コネクティングロッドのピストンピン摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とするピストンクランク機構。
  2. ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、ピストンピンのロッド摺動面と、コネクティングロッドのピストンピン摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、Rymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするピストンクランク機構。
  3. ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、ピストンピンのロッド摺動面と、コネクティングロッドのピストンピン摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするピストンクランク機構。
  4. ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、クランクのロッド摺動面と、コネクティングロッドのクランク摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面の面粗さパラメータRyniが0.4μm≦Ryni≦1.0μmの範囲内であり、かつ、Sk値が−1.6以下であることを特徴とするピストンクランク機構。
  5. ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、クランクのロッド摺動面と、コネクティングロッドのクランク摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみの平均面積が30〜100μmの範囲内で、かつ、Rymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするピストンクランク機構。
  6. ピストンピンを有するピストンと、クランクと、クランクとピストンピンとを連結するコネクティングロッドとを備えたピストンクランク機構において、クランクのロッド摺動面と、コネクティングロッドのクランク摺動面との少なくとも一方に、微小凹形状のくぼみをランダムに無数に設け、前記くぼみを設けた面におけるくぼみの面積率が5〜20%の範囲内であり、かつ、前記くぼみを設けた面の面粗さのパラメータRymaxが0.4〜1.0μmの範囲内であることを特徴とするピストンクランク機構。
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