JP2007177641A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】排気浄化装置の熱劣化を防止するためのλ制御実行時間を適切に設定する。
【解決手段】排気通路17中に設けた排気浄化装置8、9、10と、エンジン1の運転状態を検出する手段15、16と、上流側の排気浄化装置8に流入する排気の実排気λを検出する手段11と、実吸入空気量検出手段5と、吸入空気量調節手段6と、運転状態に応じて要求トルクを算出し、これに応じた目標排気λ及び目標吸入空気量を設定する目標値設定手段14と、目標吸入空気量となるように吸入空気量調節手段6を制御する手段14と、を備え、目標値設定手段14は、通常運転時には目標排気λをストイキよりもリーン側に設定し、目標吸入空気量と実吸入空気量との差がしきい値よりも大きく、かつ実排気λがストイキよりもリッチ側になったときにλ制御を開始し、その後に目標吸入空気量と実際の吸入空気量とが等しくなったときにλ制御を終了して通常制御に切り換える。
【選択図】図1
【解決手段】排気通路17中に設けた排気浄化装置8、9、10と、エンジン1の運転状態を検出する手段15、16と、上流側の排気浄化装置8に流入する排気の実排気λを検出する手段11と、実吸入空気量検出手段5と、吸入空気量調節手段6と、運転状態に応じて要求トルクを算出し、これに応じた目標排気λ及び目標吸入空気量を設定する目標値設定手段14と、目標吸入空気量となるように吸入空気量調節手段6を制御する手段14と、を備え、目標値設定手段14は、通常運転時には目標排気λをストイキよりもリーン側に設定し、目標吸入空気量と実吸入空気量との差がしきい値よりも大きく、かつ実排気λがストイキよりもリッチ側になったときにλ制御を開始し、その後に目標吸入空気量と実際の吸入空気量とが等しくなったときにλ制御を終了して通常制御に切り換える。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの排気浄化装置に関し、特に排気浄化装置の劣化防止のための制御関する。
エンジンの排気浄化装置には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の酸化還元反応による浄化に加え、排気中に含まれる微粒子(PM:Particulate Matter)を浄化もしくは除去することが要求されている。
一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物を浄化する装置としては三元触媒が知られており、PMを除去する装置としてはディーゼルパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)が知られている。
DPFは多孔質の基材からなるフィルタであり、その細孔に排気を流すことにより、排気中のPMを捕集するものである。ただし、PM捕集量の増加とともにDPF通過時の排気抵抗が大きくなるので、捕集されたPMを適当な時期に浄化してDPFのPM捕集能力を再生させる必要がある。浄化の方法としては、燃料増量によって排気温度を上昇させたりヒータによってDPFを加熱することによって、捕集したPMを燃焼(酸化)させる方法が採られている。
ところで、燃料噴射量や空気過剰率等の制御量の目標値(以下、目標燃料噴射量、目標空気過剰率という)は、運転状態に応じて設定されるものである。
そして、目標燃料噴射量となるように燃料噴射弁の開弁時間を設定したり、目標空気過剰率となるように吸気絞り弁の開度を設定する。前記燃料噴射弁の開弁時間や吸気絞り弁の開度は、それぞれ燃料噴射弁の開弁時間と噴射量との関係、吸気絞り弁の開度と吸入空気量との関係等を予め求めておき、それらに基づいて設定される。
しかし、DPFに堆積するPM量が増加すると、DPF内の実質的な流路断面積が小さくなるので排気抵抗が増大し、排圧が上昇する。そして排圧が上昇することによって吸気抵抗も増大するので、吸気絞り弁の開度に対する吸入空気量が予め設定した値よりも少なくなり、実際の空気過剰率が目標空気過剰率よりもリッチ側にずれることになる。
空気過剰率がリッチ側にずれることによって排気温度は上昇することになり、高温となった排気が流入することで三元触媒やDPFの温度も上昇する。
また、三元触媒やDPF等の排気浄化装置では、排気を浄化する際に反応熱が発生し、この反応熱によっても温度が上昇する。したがって、複数の排気浄化装置を排気通路中に直列に配置した場合には、上流側の排気浄化装置が上記のような要因で高温になると、その熱が伝達されることによって下流側の排気浄化装置はさらに高温となり、劣化するおそれがある。
このような排気浄化装置の過昇温による劣化を防止するために、特許文献1では、PMの捕集を行う排気浄化要素が過昇温となったとき、もしくは過昇温になるおそれがあるときには、空燃比を制御(例えば、いわゆるλ制御)することによって排気温度の上昇を抑制し、排気浄化装置が過昇温となることを防止する方法が記載されている。なお、特許文献1はガソリンエンジンに適用するものである。
特開2003−206725号
しかしながら、特許文献1では、排気温度上昇を抑制するための空燃比制御の開始、終了時期を、排気浄化装置が損傷しない温度として設定した所定温度を超えたか否かによって決定しているので、必要以上に長時間λ制御を行う可能性があり、これにより排気性能が低下するおそれがある。
そこで、本発明では、排気温度上昇による排気浄化装置の劣化を防止するためにλ制御を実行し、かつλ制御を実行する時間を適切に設定することを目的とする。
本発明のエンジンの制御手段は、排気通路中に直列に並ぶ複数の排気浄化装置を備えるエンジンの制御装置において、エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、前記複数の排気浄化装置のうち上流側の排気浄化装置に流入する排気の実際の空気過剰率(排気λ)を検出する実排気λ検出手段と、実際の吸入空気量を検出する実吸入空気量検出手段と、吸入空気量を調節する吸入空気量調節手段と、前記運転状態に応じて要求トルクを算出し、前記要求トルクに応じた目標排気λ及び前記目標排気λを実現するための目標吸入空気量を設定する目標値設定手段と、前記目標吸入空気量となるように前記吸入空気量調節手段を制御する吸入空気量制御手段と、を備え、前記目標値設定手段は、通常運転時には目標排気λをストイキよりもリーン側に設定し、前記目標吸入空気量と前記実際の吸入空気量との差が予め設定したしきい値よりも大きく、かつ前記実排気λがストイキよりもリッチ側になったときに目標排気λをストイキに切り換え、その後に前記目標吸入空気量と実際の吸入空気量とが等しくなったときに前記目標排気λをストイキよりもリーン側に切り換える。
本発明によれば、要求トルクの増大に伴って排圧が上昇し、これにより吸入空気量が減少して実排気λが目標値よりもリッチ側にシフトした場合に、実排気λがストイキよりもリッチになった場合には目標排気λをストイキに切り換えてλ制御を実行するので、排気温度の過剰な上昇を防止することができる。また、λ制御に切り換えた後に、実吸入空気量が目標吸入空気量と一致したら目標排気λをストイキよりもリーンに切り換えて通常制御を行うので、λ制御を必要以上に長時間実行することがなく、排気性能の低下を防止できる。
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態を適用するシステムの一例を表す図である。
本実施形態のエンジン1はディーゼルエンジンであって、いわゆるコモンレール式の燃料噴射装置2と、運転状態に応じて容量を可変に制御可能な可変容量型ターボ過給機3とを備える。
エンジン1の吸気通路4には吸入空気量を検出するエアフローメータ5、エンジン1に供給する吸気量を調節する吸気絞り弁6、を備える。また、排気ガスの一部を吸気通路4に還流するEGR装置7を備える。
排気通17には排気浄化装置としての三元触媒8、NOx触媒9、DPF10を上流側から順に介装している。
そして、三元触媒8の上流には排気の空燃比を検出する実排気λ検出手段としての空燃比センサ11を、NOx触媒9とDPF10の間に排気温度を検出する排気温度センサ12をそれぞれ設ける。また、DPF10の上下流の差圧を検出する差圧センサ13を備える。本実施形態では、空燃比センサ11として酸素濃度を検出するO2センサを用いる。
O2センサ11は排気ガス中に含まれる酸素濃度を検出し、この酸素濃度に基づいて、空燃比が理論空燃比よりリッチ側である場合とリーン側である場合とで異なる出力電圧を発生するものである。したがって、理論空燃比に対してリーン側であるかリッチ側であるかの2値出力となる。
ここで検出した空燃比は目標値設定手段及び吸入空気量制御手段としてのコントロールユニット14に読み込まれる。コントロールユニット14には、この他に実吸入空気量検出手段としてのエアフローメータ5の検出信号(吸入空気量)、運転状態検出手段としてのクランク角センサ15の検出信号(エンジン回転数)、アクセル開度センサ16の検出信号(加速要求)、排気温度センサ12、差圧センサ13の検出信号等が読み込まれ、これらの検出値に基づいて空気過剰率や過給圧等の目標値を設定し、この目標値を実現するように可変容量型ターボ過給機3の可変ノズル3aの開度、EGR量、燃料噴射量、吸気絞り弁6の開度等を制御する。
上記のエンジン1において、アクセル開度センサ16によって加速要求を検出した場合について図2を参照して説明する。
図2は車速、要求トルク、排気空燃比の変化を表すタームチャートである。なお、排気空燃比は空気過剰率(以下、排気λという)を用いて表している。
t1で要求トルクが増大し始める。これはコントロールユニット14が運転者のアクセル踏込み量の増加をアクセル開度センサ16の検出値から読み取り、加速要求有り、と判断した状態である。この時のアクセル開度、エンジン1の回転数、車速等に基づいて要求トルクが算出され、この要求トルクを実現するために、燃料噴射装置2や可変容量型ターボ過給機3等の制御を行い、燃料噴射量や吸入空気量を増量する。
そして、上記制御によって実際のトルクが増大し、車両は加速して車速が上昇する。
このとき、より大きなトルクを発生させるために、図2に示すように排気λの目標値は要求トルクが大きくなるに連れて通常運転時よりもストイキに近い値になる。
図2では、t1からt2まで加速を行っており、t2で加速終了した後は、要求トルク及び排気λは再び略一定値となっている。
ここで、DPF10内のPM堆積量と排気λとの関係について説明する。
公知のようにDPF10は排気中の微粒子(PM)を捕集し、内部に堆積するPMの量(PM堆積量)が所定量に達したら、いわゆる再生処理を行うことにより堆積したPMを除去し、フィルタ機能の再生を行う。したがって、フィルタ再生開始までは徐々にPM堆積量が増加し続けるので、DPF10内の実質的な流路断面積が徐々に小さくなる。
DPF10内の流路断面積が小さくなると排気抵抗が増大するので、図3のPM堆積量−排圧マップに示すように排圧が上昇する。また、排圧が上昇すると、排気行程においてエンジン1から排気ガスが排出されにくくなり、これに伴って吸入行程において吸入空気がエンジン1内に流入し難くなる。
ところが、要求トルクに応じて設定された各目標値を実現するために燃料噴射量や吸気絞り弁6等の制御量を設定する際には、上記の吸入空気量の変化を考慮していないので、目標吸入空気量が同一であれば、燃料噴射量や吸気絞り弁6の開度等といった制御量もPM堆積量にかかわらず同一となる。
これにより、図4のPM堆積量−吸入空気量マップに示すように、要求トルクが同一の場合は、PM堆積量が増大するほど吸入空気量は少なくなる。
また、DPF10内のPM堆積量の増加によって実際の吸入空気量と目標吸入空気量とに差が生じると、図5のタイムチャートに示すように、要求トルクの増大に伴う目標吸入空気量tQACの増大に対して、実際の吸入空気量(以下、実吸入空気量という)rQACは遅れ時間をもって増大することになる。
以上のことから、要求トルクの増大に応じて排気λをリッチ側に変化させる場合、PM堆積量が多くなるほど、実際の排気λは目標とする排気λよりもリッチになる。
図6上図は要求トルクが増大したときの排気λの変化を表したものである。図中の実線はPMが殆ど堆積していない状態の変化を表している。破線a〜cはPM堆積量が増大した場合を表しており、a、b、cの順にPM堆積量が多い状態の変化を表している。
ディーゼルエンジンは通常排気λがストイキよりもリーンな状態で運転されており、排気λがストイキに近づくほど未燃成分の排出量が増加する。
ここで排出された未燃成分は排気通路17に介装した三元触媒8により浄化されるが、浄化する際の反応熱は未燃成分の増大に伴って高温となる。すなわちPM堆積量の増加によって排気λがリッチ側になるほど三元触媒8での反応熱は高くなる。そして、この反応熱が排気ガスを介してNOx触媒9及びDPF10に伝達されると、NOx触媒9、DPF10も高温となる。また、排気λと排気温度には図7に示すように、排気λがリッチになるほど排気温度が高温になる関係があるため、要求トルクの増大によって排気λが通常運転時のリーンな状態よりストイキ方向に変化すると、排気温度は上昇することになり、高温となった排気が流入することで三元触媒8、NOx触媒9、DPF10の温度は上昇する。
上記のような要因によってNOx触媒9やDPF10の温度が過剰に上昇すると、熱劣化を生じるおそれがある。また、例えば、DPF10が高温になった状態でDPF再生を開始すると、堆積したPMが急激に燃焼を開始することによってDPF10が過剰に高温となり、フィルタ機能の劣化を招くことになる。NOx触媒9についても同様に急激にNOxの酸化反応が行われることにより、熱劣化を生じることになる。
これらの劣化を防止するためには、排気温度の上昇を抑制する必要があり、そのためには、排気λが目標排気λに対して過剰にリッチ化することを防止する必要がある。
そこで、例えば図6下図に示すように、排気λがストイキよりもリッチ側になる領域でいわゆるλ制御を実行し、排気λがストイキになるように制御する方法が考えられる。図中のTLMDがλ制御を実行している時間である。
ところで、λ制御中は排気空燃比がストイキとなるように制御するので、目標排気λはλ=1である。一方、通常のリーン制御では前述したように目標排気λは要求トルクに応じて変化している。したがって、それぞれの制御中の目標排気λが異なるため、目標排気λに応じて定まる目標吸入空気量も異なる。
このため、λ制御から通常のリーン制御に戻す際に、目標吸入空気量がλ制御用の目標吸入空気量からリーン制御用の目標吸入空気量に急激に変化すると、トルクショックが発生してしまい、運転性を悪化させる要因となる。
そこで、本実施形態では図8に示す制御ルーチンを実行することにより、各触媒8、9、10の過昇温を防止しつつ、制御の切換時のトルクショックの発生を防止する。
以下、制御ルーチンのステップにしたがって説明する。
ステップS1では、実際に制御に用いる目標値としての制御上の目標吸入空気量TQACを設定する。ここでは、要求トルクに応じて定まる通常制御用の目標吸入空気量tQACをそのままTQACとする。
ステップS2では、空燃比センサ11により検出した実際の排気λ(RLmd)を読み込む。
ステップS3では、実際の排気λ(Rlmd)が1.0以下、すなわちストイキよりもリッチであるか否かを判定する。
判定結果がnoの場合はそのままリターンする。
判定結果がyesの場合はステップS4に進み、λ制御判定しきい値QACstartを読み込む。なお、λ制御判定しきい値QACstartは、λ制御を開始するか否かの判定用のしきい値である。
ステップS5では、目標吸入空気量tQACと実際の吸入空気量rQACの差ΔtrQACをΔtrQAC=tQAC−rQACとして算出し、これがλ制御判定しきい値QACstartより大きいか否かを判定する。判定結果がyesの場合にはステップS6に進み、判定結果がnoの場合にはステップS2に戻る。
すなわち、目標吸入空気量tQACと実際の吸入空気量rQACとの差ΔtrQACが予め設定したしきい値QACstartよりも大きくなったときにλ制御を開始する。
ステップS6ではλ制御を開始し、制御上の目標吸入空気量TQACをλ制御用の目標吸入空気量tQAC2に設定する。なお、λ制御用の目標吸入空気量tQAC2は通常制御用の目標吸入空気量tQACよりも当然小さな値となる。
ステップS7では、エアフローメータ5により検出される実吸入空気量rQACを読み込む。
ステップS8では、実吸入空気量rQACが目標吸入空気量tQAC2より多いか否かを判定する。
実吸入空気量rQACの方が多い場合にはステップS9に進み、少ない場合にはステップS7に戻り、多くなるまで判定を繰り返す。
ステップS9では実吸入空気量rQACの目標吸入空気量tQAC2に対しての遅れがなくなったと判断してλ制御の終了を決定する。そしてステップS10では制御上の目標吸入空気量TQACをλ制御用の目標吸入空気量tQAC2から通常制御用の目標吸入空気量tQACへ滑らかに移行するように、いわゆるランプ処理を行う。
ステップS11では、後述するステップS12の判定に用いる目標吸入空気量移行判定しきい値QACoverを読み込む。
ステップS12では、通常制御用の目標吸入空気量tQACとλ制御用の目標吸入空気量tQAC2との差ΔtQAC=tQAC−tQAC2が目標吸入空気量移行判定しきい値QACoverよりも大きいか否かの判定を行う。
目標吸入空気量移行判定しきい値QACoverの方が小さい場合にはステップS13に進み、大きい場合にはランプ処理を行いながら判定を繰り返す。
ステップS13ではランプ処理を終了して、制御上の目標吸入空気量TQACを通常制御用の目標吸入空気量tQACに移行する。
上記制御を実行した場合の排気λ及び吸入空気量の変化を図9のタイムチャートを参照して説明する。なお、図9最下段の吸入空気量のチャートは、実線がリーン制御時の目標吸入空気量tQAC、破線が実吸入空気量rQAC、一点鎖線がλ制御時の目標吸入空気量tQAC2を表している。また、図9中段の排気λのチャートの破線は、λ制御を行わないと仮定した場合、すなわち目標吸入空気量をtQACとしたまま制御を行った場合の排気λを表している。
通常のリーン制御での運転中のt0で加速要求を検出し、これによって要求トルクが増大し始め、排気λのストイキ(λ=1)に向けての変化(リッチ化)も始まっている。
このとき、目標吸入空気量tQACも増加を開始するが、実吸入空気量rQACは前述したように目標吸入空気量に比べて増加速度が低くなっている。なお、このとき制御上の目標吸入空気量TQACはリーン制御時の目標吸入空気量tQACである(図8のステップS1〜S2)。
t1では、排気λがストイキよりもリッチになり、かつ目標吸入空気量tQACと実吸入空気量rQACの差ΔtrQACが予め設定したしきい値Qstartより大きくなったのでλ制御を開始している(図8のステップS3〜S6)。なお、λ制御の開始により、吸入空気量の目標値がtQACからtQAC2に切り換わる。
t1〜t2で実吸入空気量rQACとλ制御時の目標吸入空気量tQAC2との差が徐々に小さくなり、t2で差がゼロ、すなわち前述した吸入空気遅れがなくなる。この間、排気λは図に示すようにストイキ近傍で周期的にリッチ−リーンの変化を繰り返している。これは、空燃比センサとして用いるO2センサが2値出力であって、ストイキよりもリッチ側かリーン側かの出力しかできないため、リッチからリーン、リーンからリッチの変化の途中に設けたスライスレベルを横切るときをストイキとして目標空燃比の切り換えを行っているためである。
t2では、実吸入空気量rQACがλ制御の目標吸入空気量tQAC2に対して遅れがなくなる、すなわち実際の排気λがストイキに制御されている状態になるので、λ制御を終了する(図8のステップS7〜S9)。
ただし、λ制御の終了と同時に制御上の目標吸入空気量TQACをリーン制御時の目標吸入空気量tQACに切り換えると、図9最下段の実線と破線とで示すように、目標吸入空気量に差があるので、この吸入空気量の差の分だけトルクショックが発生してしまう。そこで、t2〜t3間に破線で示したように、λ制御時の目標吸入空気量tQAC2からリーン制御時の目標吸入空気量tQACへ滑らかに切り換わるように、ランプ処理を行う。
ところで、上記のランプ制御はリーン制御時の目標吸入空気量tQACとλ制御時の目標吸入空気量tQAC2の差ΔtQACに基づいて行うが、差ΔtQACが大きくなり過ぎるとt2〜t3間が長くなりすぎ、排気λがリーン制御時の目標値よりもリッチな状態が不必要に長くなってしまうという問題がある。そこで、差ΔtQAC−tQAC2が予め設定したしきい値Qoverよりも大きくなった場合には、トルクショックの防止よりも、排気λがリッチ側であることによる未燃成分の排出量増加の防止を優先して、ランプ処理を終了して制御上の目標吸入空気量TQACをリーン制御時の目標吸入空気量tQACに切り換えている(図9のステップS10〜S13)。
次に図10(a)、(b)を参照して、本実施形態の制御を実行した場合の三元触媒8、NOx触媒9、DPF10の温度変化について説明する。
図10は(a)、(b)ともにDPF再生中に車両が減速及び加速をした場合について示しており、図10(a)は排気λがストイキよりもリッチになってもλ制御を実行しない場合、図10(b)はλ制御を実行する場合を表している。図中の触媒温度のA〜Cはそれぞれ三元触媒8、NOx触媒、DPF10の温度変化を示している。
まず、図10(a)について説明する。t0以降、DPF再生のために排気λが通常制御時よりもストイキに近づき、これに伴い三元触媒8の温度が上昇し始めている。t1〜t2間では減速しているため、燃料カットが行われて排気λはリーンに変化しており、t2〜t3間では加速が行われて、上述したように要求トルクの増大に伴って排気λがリッチ化する。そして加速中に排気λがストイキよりもリッチになっており、三元触媒8の温度は加速中も上昇し続けている。
t3以降、すなわち加速が終了した後は、NOx触媒9、DPF10の温度が順に上昇している。NOx触媒9の温度上昇は、排気λがリッチ化することによって高温となった排気ガスが流入したことと、三元触媒8から伝達された熱とNOx触媒9での反応熱によるものであり、DPF10の温度上昇はNOx触媒9と同様に高温の排気ガスが流入したことと、三元触媒8、NOx触媒9から伝達される熱とDPF10での反応熱によるものである。
これに対して図10(b)についてみると、t0〜t2までは同様であるが、t2〜t3での加速時に排気λがストイキよりもリッチにならないようにλ制御を行うことにより、三元触媒8の温度上昇が抑制されて、加速中に温度低下し始めている。
そして、NOx触媒9、DPF10の温度上昇は図10(a)に比べて小さくなっている。これは、λ制御を実行することによって、エンジン1から排気出される排気ガスの温度及び三元触媒8から伝達される熱量が抑えられたため、NOx触媒9及びDPF10に流入する排気ガスの温度が抑えられたこと、また排気ガスによる温度上昇が抑えられることによって、NOxもしくはDPFが急激に反応して多量の熱を発生することがなくなったためである。
上記のように制御することによって、本実施形態では以下の効果を得ることができる。
要求トルクの増大に伴って排気λが通常運転時よりもリッチ化したときに、ストイキよりもリッチになり、かつ目標吸入空気量tQACと実吸入空気量rQACとの差が所定値よりも大きくなった場合には、通常制御からλ制御に切り換えるので、例えば、DPF10内のPM堆積量が増加して実排気λが目標排気λよりもリッチ側にずれた場合であっても、排気温度が過剰に上昇することを防止できる。
また、排気温度の上昇を抑制することによって三元触媒8の温度上昇を抑制することができ、これにより下流側に配置したNOx触媒9やDPF10が三元触媒8の熱が伝達されることによって過剰に昇温することをの防止できる。
通常制御用、λ制御用のそれぞれの目標吸入空気量tQAC、tQAC2と、実吸入空気量rQACとに基づいてλ制御の開始、終了時期を設定するので、必要以上に長い時間λ制御を実行することがなくなり、排気λが通常制御時よりもリッチ側になることによる排気温度の上昇を抑制と未燃成分の排出を両立することができる。
λ制御終了後には、制御上の目標吸入空気量TQACをλ制御用の目標吸入空気量tQAC2から通常制御用の目標吸入空気量tQACへランプ処理によって徐々に移行するので、目標吸入空気量の切り換え時のトルクショックの発生を防止できる。また、ランプ処理中であっても、目標吸入空気量の差ΔtQAC−tQAC2が所定値よりも大きくなった場合には、ただちに通常制御用の目標吸入空気量tQACに切り換えるので、目標吸入空気量TQACの切り換えが長時間になることを防止できる。これにより排気中の未燃成分の増加を最小限に抑えることができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
本発明は、ガソリンエンジンもしくはディーセルエンジンの排気浄化装置の過昇温による熱劣化を防止することができる。
1 エンジン
2 燃料噴射装置
3 可変容量型ターボ過給機
4 吸気通路
5 エアフローメータ
6 吸気絞り弁
7 EGR装置
8 三元触媒
9 NOx触媒
10 DPF
11 空燃比センサ(O2センサ)
12 排気温度センサ
13 差圧センサ
14 コントロールユニット
15 クランク角センサ
16 アクセル開度センサ
17 排気通路
2 燃料噴射装置
3 可変容量型ターボ過給機
4 吸気通路
5 エアフローメータ
6 吸気絞り弁
7 EGR装置
8 三元触媒
9 NOx触媒
10 DPF
11 空燃比センサ(O2センサ)
12 排気温度センサ
13 差圧センサ
14 コントロールユニット
15 クランク角センサ
16 アクセル開度センサ
17 排気通路
Claims (3)
- 排気通路中に直列に並ぶ複数の排気浄化装置を備えるエンジンの制御装置において、
エンジンの運転状態を検出する運転状態検出手段と、
前記複数の排気浄化装置のうち上流側の排気浄化装置に流入する排気の実際の空気過剰率(排気λ)を検出する実排気λ検出手段と、
実際の吸入空気量を検出する実吸入空気量検出手段と、
吸入空気量を調節する吸入空気量調節手段と、
前記運転状態に応じて要求トルクを算出し、前記要求トルクに応じた目標排気λ及び前記目標排気λを実現するための目標吸入空気量を設定する目標値設定手段と、
前記目標吸入空気量となるように前記吸入空気量調節手段を制御する吸入空気量制御手段と、を備え、
前記目標値設定手段は、通常運転時には目標排気λをストイキよりもリーン側に設定し、前記目標吸入空気量と前記実際の吸入空気量との差が予め設定したしきい値よりも大きく、かつ前記実排気λがストイキよりもリッチ側になったときに目標排気λをストイキに切り換え、その後に前記目標吸入空気量と実際の吸入空気量とが等しくなったときに前記目標排気λをストイキよりもリーン側に切り換えることを特徴とするエンジンの制御装置。 - 前記目標値設定手段は、前記目標排気λをストイキからリーン側に切り換える際に、目標吸入空気量をランプ処理によって徐々に変化させる請求項1に記載のエンジンの制御装置。
- 前記目標値設定手段は、前記ランプ処理中であっても、前記目標排気λがストイキよりもリーン側であるときの目標吸入空気量と前記目標排気λがストイキであるときの目標吸入空気量との差が予め設定したしきい値よりも大きくなった場合には、前記ランプ処理を終了して前記排気λをストイキよりもリーン側に切り換える請求項2に記載のエンジンの制御装置。
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2005
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