JP2007176931A - 殺ダニ方法および殺ダニ剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水の存在下で(A)有機過酸、および/または(B)有機過酸前駆体および無機過酸化物とダニとを接触させることを特徴とする殺ダニ方法。(A)有機過酸、および/または(B)有機過酸前駆体および無機過酸化物を含有することを特徴とする殺ダニ剤。
【選択図】なし
Description
ダニアレルゲンによる汚染の改善は、特に寝具類において重要である。
寝具類へのダニアレルゲン汚染の予防策として、たとえば防ダニ布団が利用されている。防ダニ布団を用いることによって、喘息やADの改善が確認されている。
しかしながら、防ダニ布団は、防ダニのために繊維が緻密に織られており、そのため、使用時において蒸れ易い。また、上掛け用途の防ダニ布団は種類が少なく、睡眠時の寒暖の調節が困難である。さらに長期間の使用によって再度ダニアレルゲン汚染が生じてしまう場合がある。そのため、使用者の生活の質(QOL)を満足させるに至っていないのが現状である。
また、特許文献1〜4には、特定の有機化合物を含有する水溶液を用いて対象物からダニ等のアレルゲンを除去する方法が記載されている。
また、非特許文献5には、50℃以上の熱水で加熱することによりダニの殺傷(殺ダニ)が可能であることが報告されている。
幸寺,「皮膚」,vol.39,24(1997) 桑原,「皮膚」,vol.39,52(1997) 高岡,「埼玉県衛生研究所報告書」,vol.27,63(1994) 榎本,「耳展」,vol.45,488(2002) G.Lindy,「J.Allergy Clin. Immnol.」,vol.90,599(1992)
また、一般家庭で50℃以上の熱水を用いて寝具等の処理を行うことは困難である。
したがって、一般家庭等においても実施可能な、簡便かつ優れた殺ダニ効果を有する殺ダニ方法および殺ダニ剤に対する要求がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、簡便かつ優れた殺ダニ効果を有する殺ダニ方法および殺ダニ剤を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、水の存在下で下記(A)成分および/または(B)成分とダニとを接触させることを特徴とする殺ダニ方法である。
(A)有機過酸前駆体および無機過酸化物
(B)有機過酸
また、本発明の第二の態様は、下記(A)成分および/または(B)成分を含有することを特徴とする殺ダニ剤である。
(A)有機過酸前駆体および無機過酸化物
(B)有機過酸
<殺ダニ方法>
本発明の殺ダニ方法は、水の存在下で、下記(A)成分および/または(B)成分とダニとを接触させることを特徴とする。
(A)有機過酸前駆体および無機過酸化物
(B)有機過酸
『有機過酸前駆体』
有機過酸前駆体は、過加水分解により有機過酸を生成する化合物である。
ここで、「有機過酸」は、−OH(水酸基)を含む酸性基(カルボキシ基、スルホ基等)を有する有機化合物において、その−OHが−OOHで置換された化合物を意味し、たとえば−C(=O)OOH(過カルボキシ基)を有する過カルボン酸、−S(=O)2OOHを有するペルオキソスルホン酸等が挙げられる。
有機過酸前駆体としては、過加水分解により有機過酸を生成するものであれば如何なるものでもよく、例えば従来漂白活性化剤として提案されているもののうち、有機過酸を生成するものが使用できる。
より具体的には、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)等のポリアシル化アルキレンジアミン;
1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)等のアシル化トリアジン誘導体;
1,3,4,6−テトラアセチルグリコルリル(TAGU)等のアシル化グリコルリル;
N−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)等のN−アシルイミド;
トリエチル−O−アセチルシトレート(TEOC)等のアシル化ヒドロカルボン酸;
フタル酸無水物、イサト酸無水物、コハク酸無水物等のカルボン酸無水物;
N−メチルジアセトアミド、グリコリド等のカルボン酸アミド;
トリアセチン、エチレングリコールジアセテート、イソプロペニルアセテート、2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフランおよびエノールエステル(ドイツ特許出願公開第DE19616693号明細書および第DE19616767号明細書から既知である)、アセチル化ソルビトール、アセチル化マンニトールおよびこれらの混合物(欧州特許出願公開第EP0525239号明細書に記載)等のアシル化多価アルコール;
ペンタアセチルグルコース(PAG)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、およびアセチル化し、所望によりN−アルキル化したグルカミンおよびグルコノラクトン等のアシル化糖誘導体;
トリアゾールまたはトリアゾール誘導体;
粒状カプロラクタムおよび/またはカプロラクタム誘導体(好ましくはN−ベンゾイルカプロラクタムおよびN−アセチルカプロラクタム(これらは、国際公開第WO−A−94/27970号パンフレット、第WO−A−94/28102号パンフレット、第WO−A−94/28103号パンフレット、第WO−A−95/00626号パンフレット、第WO−A−95/14759号パンフレットおよび第WO−A−95/17498号パンフレットから既知である)等のN−アシル化ラクタム)等が挙げられる。これらの中でも、供給性の点で、TAEDが好ましい。
また、置換された親水性アシルアセタール(ドイツ特許出願公開第DE−A−19616769号明細書から既知である);アシルラクタム(ドイツ特許出願公開第DE−A−19616770号明細書および国際公開第WO−A−95/14075号パンフレットに記載);ドイツ特許出願公開第DE−A−4443177号明細書から既知である通常の有機過酸前駆体の組合せ等を使用することもできる。
さらに、シアノピリジン、N−アルキルアンモニウムアセトニトリル等のニトリル誘導体;シアナミド誘導体;N−メチルモルホリニウムアセトニトリル(MMA)等も使用することができる。
また、4−スルホ(1−4−スルホフェニル)安息香酸などのベンゾイルオキシベンゼンスルホン酸エステルを使用することも好ましい。
RCOO−X−COOM …(I)
RCOO−X−SO3M …(II)
[式(I)および(II)において、Rは直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を表し、Xは置換基を有していてもよいベンゼン環を表し、Mは水素原子または塩形成カチオンを表す。]
このとき、化合物(I)から生成する有機過酸は、式RCOOOH、RCOOO−又はCOOOMで表される脂肪族ペルオキソカルボン酸であり、このとき同時に、化合物(I)から−X−COOMが脱離して、式X−COOMで表される有機酸(塩)が生成する。
化合物(II)から生成する有機過酸は、化合物(I)と同様、式RCOOOH、RCOOO−又はCOOOMで表される脂肪族ペルオキソカルボン酸であり、このとき同時に、化合物(II)から−X−SO3OMが脱離して、式X−SO3OMで表される有機酸(塩)が生成する。
M、M’における塩形成カチオンとしては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属のイオン;アンモニウムイオン、ジエタノールアミン等の2級アミンのイオン、トリエタノールアミン等の3級アミンのイオン等が挙げられる。
特に、式(I)および(II)におけるRが炭素数7〜13の直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基である化合物からなる群から選択される1種または2種以上の化合物が好ましい。
無機過酸化物は、水に溶解した際に当該水中に過酸化水素を供給する化合物である。そして、無機過酸化物より発生した過酸化水素は、有機過酸前駆体に作用して有機過酸を生成させる。
無機過酸化物としては、反応系中に過酸化水素を供給できるものであれば良く、過酸化水素自体であってもよく、水中で過酸化水素を発生する化合物であってもよい。水中で過酸化水素を発生する化合物としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、過リン酸水素ナトリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が挙げられる。
有機過酸がダニの殺傷に有効である理由は、定かではないが、有機過酸がダニの細胞を破壊しているのではないかと考えられる。
なお、これまで、有機過酸および有機過酸前駆体は、漂白効果を有することは知られている(特開昭55−27333公報、特開平08−231994公報、特開2003−171697公報等を参照。)が、殺ダニ効果についての報告はない。
『有機過酸』
本発明において(B)成分として用いられる有機過酸としては、特に制限はなく、これまで提案されている任意の有機過酸が利用でき、たとえば、ジパーオキシドデカンジ酸、ジパーオキシセバシン酸、ジパーオキシアゼライン酸、ジパーオキシアジピン酸、p−ニトロパーオキシ安息香酸、モノパーオキシイソフタル酸、フタロイルアミノパーオキシカプロン酸、スルホニルビスパーオキシ安息香酸、スルホニルビスパーオキシプロピオン酸、モノ過フタル酸マグネシウム6水和物、特開平2−196771号、特開平2−1473号、特開平2−76850号に記載のフタールイミドパーカルボン酸、過酢酸などが挙げられる。
本発明においては、(A)成分および/または(B)成分とダニとを接触させる際に、必要に応じて、(A)成分および/または(B)成分以外の任意成分を併用してもよい。
任意成分としては界面活性剤、カルシウム捕捉剤、アルカリ、酸、酵素、蛍光剤、漂白剤、高分子ポリマー、色素、香料等が挙げられる。
(A)成分および/または(B)成分とダニとを接触させる方法としては、水の存在下(水を含む反応系)において行われるものであれば特に制限はなく、対象物に応じて適宜選択すればよい。好ましい処理方法としては、たとえば下記方法(1)〜(2)等が例示できる。
より具体的には、寝具、衣類、カーペット、じゅうたん、たたみ、ぬいぐるみ、いす、マット、家具等の対象物を処理液中に浸漬する方法;処理液をスプレー容器等に収納して対象物に噴霧する方法;対象物を洗濯する際に、漬置工程、洗い工程、すすぎ工程等の各工程中、または各工程の前または後において処理液を用いる方法(たとえばすすぎ工程で処理液を用いてすすぎを行う等);塗布等が挙げられる。
上記処理液は、上記各成分を、少なくとも水を含む溶剤に溶解または分散させることにより調製できる。
処理液の調製は、特に、処理を行う直前(たとえば処理液とダニとを接触させる前の約120分以内)に行うことが好ましい。
処理液の調製においては、すべての成分を混合した状態のものを溶剤に溶解または分散してもよく、また、各成分の何れか1種または2種以上の混合物を含む溶液または分散液を調製するか、予め溶液または分散液とされているものを用意し、それらを混合しても良い。特に、処理液が(A)成分を含有する場合、有機過酸前駆体と無機過酸化物とはそれぞれ別々に溶液とし、処理を行う直前に混合することが好ましい。
より具体的には、たとえば上記洗濯の際に、洗い工程において洗剤と併用してもよく、また、すすぎ工程において、すすぎ用の水中に(A)成分および/または(B)成分を添加してもよい。
反応系は、本発明の効果を損なわない範囲で、水以外の溶剤を含有してもよい。水以外の溶剤としては、メタノール、エタノール等のアルコール、石油溶剤、テトラクロロエチレンなどのクリーニング溶剤、ヘキサン、クロロホルム、アセトン等が挙げられる。
当該濃度において殺ダニ効果が得られるかどうかは、たとえば、試料溶液として、特定の濃度で(A)成分および/または(B)成分を含有する水溶液を調製し、該試料溶液中に、ダニアレルゲンとなるコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)やヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)を入れ、一定時間後にダニを回収し、実態顕微鏡を用いてダニの致死を観察することにより確認できる。
上限としては、特に制限はないが、溶解性等を考慮すると、10,000ppm以下が好ましく、1,000ppm以下がより好ましい。
ここで、「有機過酸換算量」とは、(A)成分を単独で使用する場合には、(A)成分から生成しうる有機過酸の量(理論量)であり、(B)成分を単独で使用する場合には(B)成分の量であり、(A)成分と(B)成分とを併用する場合には(A)成分から生成しうる有機過酸の量と(B)成分の量とを加算した値である。すなわち、反応系中に含まれる有機過酸の量と、有機過酸前駆体から生成しうる有機過酸の量との合計である。
(A)成分から生成しうる有機過酸の量は、使用した有機過酸前駆体の量から算出できる。
分解した際に有機過酸とならない部分(たとえば上記化合物(I)の−COOMや、化合物(II)の−X−SO3OM等;以下、この部分を脱離基ということがある。)の構造等によっても異なるが、反応系中の有機過酸前駆体の濃度が、1ppm以上であることが好ましく、5ppm以上であることがより好ましく、10ppm以上がより好ましく、20ppm以上がさらに好ましく、50ppm以上が特に好ましい。上限としては、10,000ppm以下が好ましく、1,000ppm以下がより好ましい。
このとき、反応系中の無機過酸化物の濃度は、本発明の効果のためには、20ppm以上であることが好ましく、100ppm以上がより好ましく、200ppm以上がさらに好ましい。上限値としては、特に制限はないが、溶解性を考慮すると、100,000ppm以下が好ましく、10,000ppm以下がより好ましい。
反応系中に溶解した有機過酸前駆体は、上述したように、過酸化水素により経時的に分解して有機過酸となる。また、殺ダニの反応に用いられなかった有機過酸は、不安定な化合物であるため、時間がたつとさらに分解して有機酸となる。
したがって、溶解した時点における有機過酸前駆体の濃度(有機過酸前駆体の使用量)は、反応系中の有機過酸前駆体(未分解の有機過酸前駆体)の濃度と、分解により生じた有機過酸の濃度から求めた有機過酸前駆体の濃度と、有機過酸の分解により生じた有機酸の濃度から求めた有機過酸前駆体の濃度との合計量として求めることができる。
また、分解により生じる有機過酸、および有機酸の濃度についても、同様の手法により求めることができる。そして、それらの濃度を、上述したように、有機過酸前駆体の濃度に換算する。このようにして求められる有機過酸前駆体の濃度を加算することにより、分解した有機過酸前駆体の濃度を求めることができる。
そして、この分解した有機過酸前駆体の濃度と、上記で求めた未分解の有機過酸前駆体の濃度とを加算することによって、溶解した時点における有機過酸前駆体の濃度(有機過酸前駆体の使用量)を求めることができる。
本発明においては、(A)成分および/または(B)成分とダニとの接触を、ダニと接触させている間の反応系の温度が高いほど殺ダニ効果が向上することから、15℃以上の温度条件下で行うことが好ましく、25℃以上がより好ましく、35℃以上がさらに好ましい。上限としては、特に制限はないが、60℃を越える温度であると、その熱による殺ダニ効果が得られるため、(A)成分および/または(B)成分による殺ダニの必要性が低くなり、また、コストや手間もかかる。そのため、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。
本発明においては、(A)成分および/または(B)成分とダニとの接触を、pHが低いほど殺ダニ効果が高まる傾向にあることから、10.6以下のpH条件下で行うことが好ましく、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜9、最も好ましくは1〜8である。
pHの調整は、一般的にpH調整剤として用いられているものを用いて行うことができ、たとえばpHを低下させるためには、リンゴ酸およびその塩、クエン酸およびその塩、リン酸水素一ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、無機ホウ素化合物およびその塩、珪酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、グリシン、塩酸、水酸化ナトリウムなどを用いることができる。また、pHの変動を防止するための緩衝剤の使用も可能である。
具体例を挙げると、例えば洗濯において、(A)成分を含む溶液を調製し、その後pHを低下させる成分を含む洗剤などを添加し、その溶液に衣類などを接触させて洗濯を行なうことにより殺ダニ効果を向上させることができる。
また、洗い工程がアルカリ性で行なわれる場合は、例えば洗濯時に洗剤と共に(A)成分を併用すると、洗い工程においては、アルカリ性のために効率よく有機過酸が生成する。そして、すすぎ工程ですすぎを行なうと、pHが中性付近に変化するため、生成した有機過酸による殺ダニ効果が向上する。
したがって、本発明の殺ダニ方法は、ダニおよびダニアレルゲンを原因とするアトピー性皮膚炎や喘息の予防および/または改善に有用である。
さらに、本発明によれば、50℃未満の水でも殺ダニを行うことができる。そのため、家庭等においても容易に実施できる。
本発明の殺ダニ剤は、下記(A)成分および/または(B)成分を含有するものである。
(A)有機過酸前駆体および無機過酸化物
(B)有機過酸
(A)成分、(B)成分については、上記本発明の殺ダニ方法で説明したのと同様である。
固体製剤の形状としては、特に制限はなく、粉末、顆粒、タブレット、カプセル剤等が挙げられ、水への溶解性を考慮すると、粉末または顆粒が好ましい。
液体製剤とする場合は、pHを酸性〜中性とすることが好ましい。これにより、液体製剤中における(A)成分および/または(B)成分の安定性が向上する。
特に、無機過酸化物として過酸化水素自体を用いる場合、上述したように、炭酸ナトリウム等のアルカリを含有することが好ましい。
下記実施例および比較例において、ダニ死滅率は次のとおりに求めた。
<ダニ死滅率の測定方法>
各試料溶液30mLをコナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)約50匹を入れた50mL容のガラスビンに入れ、一定温度で1時間放置した。
その後、アドバンテック社のろ紙No.131にて溶液中のダニをろ過し、その直後のろ紙上のダニ数(ろ過直後のろ紙上のダニ数)を実態顕微鏡(オリンパス社製、製品名:SZ61)を用いてカウントした。
続いて、ダニをろ過したろ紙を湿度70%、25℃で1日放置し、ろ紙上の不動のダニ数(1日後のろ紙上の不動のダニ数)をカウントした。
上記の結果から、コナヒョウヒダニの死滅率(%)を次の式より求めた。
死滅率(%)=1日後のろ紙上の不動のダニ数/ろ過直後のろ紙上のダニ数×100
「OBS」:上述した一般式(II)で表され、Xが置換基を有さないベンゼン環であり、Mがナトリウムである化合物。
OBSの後ろに付された数字は、式(II)におけるRCOO−の炭素数nであり、OBSn(n=6,8,9,10,12,14)は、それぞれ、上述した一般式(II)において、RCOO−の炭素数が6,8,9,10,12,14の直鎖のアルキル基である化合物である。
「OBC」:上述した一般式(I)で表され、Xが置換基を有さないベンゼン環であり、Mが水素原子である化合物。
OBCの後ろに付された数字は、式(I)におけるRCOO−の炭素数mであり、OBCm(m=2,6,8,10,12,14)は、それぞれ、上述した一般式(I)において、RCOO−の炭素数が2,6,8,10,12,14の直鎖のアルキル基である化合物である。
表1に示す組成のうち、過炭酸ナトリウムを、最終濃度が1mg/mLとなるよう水に溶解して得た水溶液に、表1に示す有機過酸前駆体をメタノールに溶解して調製した有機過酸前駆体溶液を、表1に示す配合量となるよう添加して25℃の放置温度で10分間放置することにより試験溶液を調製した。試験溶液のpHはいずれも10.1〜10.6の範囲内であった。
得られた試料溶液を用い、上記<ダニ死滅率の測定方法>によりダニ死滅率を求めた。その結果を表1に併記する。
表1の結果から明らかなように、有機過酸前駆体と、過炭酸ナトリウム(無機過酸化物)とを含有する試験溶液を用いることにより、過炭酸ナトリウムのみを含有する試験溶液を用いた比較例1に比べて、ダニ死滅率は明らかに向上していた。
特に、有機過酸前駆体として、RCOO−の炭素数が6〜14の有機過酸前駆体を用いた実施例2〜7,9〜13では、ダニ死滅率が70%以上と高く、特にRCOO−の炭素数が8〜14の有機過酸前駆体を用いた実施例3〜7,10〜13では、ダニ死滅率が80%以上と非常に高かった。
表2に示す組成のうち、OBS10以外の成分を水に溶解して得た水溶液に、OBS10をメタノールに溶解して調製した有機過酸前駆体溶液を、表2に示す配合量となるよう添加して25℃の放置温度で10分間放置することにより試験溶液を調製し、当該試験溶液を用いてダニ死滅率を求めた。その結果を表2に併記する。
表2の結果から明らかなように、OBS10(有機過酸前駆体)と、過炭酸ナトリウム(無機過酸化物)とを含有する試験溶液を用いることにより、ダニ死滅率は明らかに向上していた。
特に、その放置温度が高いほど殺ダニその効果が向上しており、たとえば実施例15と16とを比較すると、実施例15では、有機過酸前駆体の濃度を実施例16の半分にしたにもかかわらず、ダニ死滅率は高かった。同様に、実施例16と17とを比較すると、実施例16では、有機過酸前駆体の濃度を実施例17の1/5にしたにもかかわらず、ダニ死滅率は高かった。また、同じ組成で放置温度を変えた実施例18〜24を比較すると、処理温度が高いほどダニ死滅率が高かった。
表3に示す組成のうち、過炭酸ナトリウムを、最終濃度が表1に示す配合量となるよう水に溶解して得た水溶液に、OBS10をメタノールに溶解して調整した有機過酸前駆体溶液を、表3に示す配合量となるよう添加して25℃の放置温度で10分間放置した。この時点でのpHは、いずれの例においても10.6であった。
上記有機過酸前駆体溶液に、1/10量(容量/容量)の0.5MのpH緩衝液(下記pH緩衝液A〜Cのいずれか)を加えて50mMとして試験溶液を調製した。
pH緩衝液A:クエン酸を約0.4Mとなるように溶解し、5N水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを調整した後に0.5Mにメスアップしたもの。
pH緩衝液B:リン酸1ナトリウム及びリン酸2ナトリウムをそれぞれ0.5Mとなるように調製し、両液を混合し、pH7に調整したもの。
pH緩衝液C:ホウ酸を約0.4Mとなるように溶解し、5N水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを調整した後に0.5Mにメスアップしたもの。
pH緩衝液Aは実施例25〜27に用い,pH緩衝液Bは実施例28,32,33に用い、pH緩衝液Cは実施例29〜31に用いた。
得られた試料溶液を用い、上記<ダニ死滅率の測定方法>によりダニ死滅率を求めた。その結果を表3に併記する。
表3の結果から明らかなように、pHが10以下であると、たとえば比較例5に比べてダニ死滅率が格段に高かった。特に、pH以外は同じ組成の試験溶液を用いた実施例25〜31を比較すると、pHを9以下、さらには8以下、さらには7以下とすることにより、ダニ死滅率が明らかに向上していた。
さらに、pHを7.0とした実施例32〜33では、OBS10の濃度を1ppm、無機過酸化物の濃度を20〜50ppmに低減しても、良好なダニ死滅率が得られた。
表4に示す各成分を、上述したpH試験液Bを希釈して50mMとした溶液に溶解させて試験溶液を調製した。
得られた試料溶液を用い、上記<ダニ死滅率の測定方法>によりダニ死滅率を求めた。その結果を表4に併記する。
表4の結果から、3種いずれの有機過酸によっても、優れたダニ死滅率が得られたことは明らかである。
Claims (4)
- 水の存在下で下記(A)成分および/または(B)成分とダニとを接触させることを特徴とする殺ダニ方法。
(A)有機過酸前駆体および無機過酸化物
(B)有機過酸 - 前記(A)成分および/または(B)成分とダニとの接触を、15℃以上の温度条件下で行う請求項1に記載の殺ダニ方法。
- 前記(A)成分および/または(B)成分とダニとの接触を、10.6以下のpH条件下で行う請求項1または2に記載の殺ダニ方法。
- 下記(A)成分および/または(B)成分を含有することを特徴とする殺ダニ剤。
(A)有機過酸前駆体および無機過酸化物
(B)有機過酸
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