JP2007174811A - コア保護部材,回転電機の製造方法及びその回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ティース部分やコアの外周側等のコアの端面へのワニスの付着を防止し,製造工程を簡素化できるコア保護部材,回転電機の製造方法及びその回転電機を提供すること。
【解決手段】本発明のコア保護部材10は,コイルへのワニス含浸処理時にコアに取り付けるものであって,コアの外側面を覆う側面保護部11と,側面保護部11に内向きに取り付けられ,コアの端面を覆う2枚の端面保護部12,13とを有する。さらに,側面保護部11の内面は,コアの外側面の形状に合わせた形状であり,2枚の端面保護部12,13の間隔が調整可能であることが望ましい。そのために,側面保護部11にコアの厚さ方向の長孔14が形成されており,端面保護部12が,側面保護部11の長孔14にスライド可能に取りつけられている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のコア保護部材10は,コイルへのワニス含浸処理時にコアに取り付けるものであって,コアの外側面を覆う側面保護部11と,側面保護部11に内向きに取り付けられ,コアの端面を覆う2枚の端面保護部12,13とを有する。さらに,側面保護部11の内面は,コアの外側面の形状に合わせた形状であり,2枚の端面保護部12,13の間隔が調整可能であることが望ましい。そのために,側面保護部11にコアの厚さ方向の長孔14が形成されており,端面保護部12が,側面保護部11の長孔14にスライド可能に取りつけられている。
【選択図】図1
Description
本発明は,モータ,発電機等の回転電機の製造過程において,コア端面を覆うための保護部材及びその保護部材を用いた回転電機の製造方法及びその方法によって製造された回転電機に関する。さらに詳細には,各スロットにコイルが挿入されたコアの軸方向両端面を覆うことによって,コイルへのワニス含浸に際してコアの端面へのワニス付着を防止するコア保護部材,回転電機の製造方法及びその回転電機に関するものである。
従来より,モータや発電機等の回転電機に用いられるステータの製造工程においては,コアに挿入されたコイルに対してワニスを含浸させる処理を行っている。このとき,コイル間には十分にワニスが浸透されることが望まれる一方,コア端面等にワニスが付着することは好ましくない。このような箇所に付いたワニスは,ケース取付の障害となったり,削られて粉塵の原因となったりするおそれがあるからである。そのため従来より,コア等に付着したワニスを除去するトリミング作業が行われている。しかし,トリミング作業は作業効率が悪く,またトリミングによって発生したワニス粉が周囲に残存するおそれもあった。
これに対し,例えば特許文献1では,コイルの挿入前にコアの軸方向両端面に面板を取り付ける製造方法が開示されている。これにより,コアの端面が面板によって保護され,ワニスが付着することが防止されるとされている。また,特許文献2では,ワニス含浸工程において,ステータの内径側からコアの軸方向両端面に向けてエアーを噴射させている製造方法が開示されている。これにより,コアの端面に付着したワニスは,硬化する前にエアーによって吹き飛ばされるとされている。
特開平6−141515号公報
特開2004−194398号公報
しかしながら,前記した従来の技術では,以下のような問題点があった。特許文献1に記載の技術では,コア端面のうち,面板で覆われるのはコイルより外周側のみであり,コイルスロットとコイルスロットとの間のティース部分の端面は覆われていない。そのため,ティース部分の端面にはワニスが付着するおそれがあった。
また,特許文献2に記載の技術では,コアの内周側から外周側へ向かってエアーブローを行っているので,エアーはティース部分を通ることになる。そのため,コイルによってエアーの通り道が塞がれているため,コア端面のうちコイルよりも外周側の位置にはエアーが当たりにくい。さらには,スロット内にはスロット紙(絶縁紙)が挿入されており,ティース部分にその端部が突出して折り返されている。そのため,エアーの通り道はさらに制限されるおそれがあり,エアーの当たらない部分にはワニスが付着したままとなるおそれがあった。
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,ティース部分やコアの外周側等のコアの端面へのワニスの付着を防止し,製造工程を簡素化できるコア保護部材,回転電機の製造方法及びその回転電機を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明のコア保護部材は,コイルへのワニス含浸処理時にコアに取り付けるコア保護部材であって,コアの外側面を覆う側面保護部と,側面保護部に内向きに取り付けられ,コアの端面を覆う2枚の端面保護部とを有するものである。
本発明のコア保護部材をワニス含浸時にコアに取り付ければ,コアの外側面とコアの端面とがともに覆われる。従って,この状態でワニスの含浸処理を行えば,ワニスはコア保護部材に付着するのみであり,コアの外側面やコアの端面には付着しない。これにより,ティース部分やコアの外周側等のコアの端面へのワニスの付着を防止し,製造工程を簡素化できるコア保護部材となっている。
さらに本発明では,側面保護部の内面は,コアの外側面の形状に合わせた形状であり,2枚の端面保護部の間隔が調整可能であることが望ましい。そのために例えば,側面保護部にコアの厚さ方向の長孔が形成されており,2枚の端面保護部の少なくとも一方が,側面保護部の長孔にスライド可能に取りつけられているものであってもよい。またあるいは,側面保護部がコアの厚さ方向に伸縮可能であってもよい。
側面保護部の内面がコアの外側面の形状に合わせたものであれば,側面保護部によって無駄なくコアの外側面が覆われる。また端面保護部の間隔が調整可能であれば,コアの積み厚の変更に容易に対応できる。端面保護部の少なくとも一方が,側面保護部に沿ってスライド可能であれば,端面保護部の間隔を容易に調整できる。また,側面保護部が伸縮可能であっても,端面保護部の間隔を調整するのは容易である。
さらに本発明では,端面保護部の形状が,コアのティース部の形状に合わせた形状であることが望ましい。そして,コアの周方向に分割されているとよい。また,分割された分割片の合わせ目が,コアのスロット位置に対応する位置であることが望ましい。また,表面にワニスに対する離型性のある素材で形成されているとが望ましい。
端面保護部の形状がコアのティース部の形状に合わせた形状であれば,端面保護部によってコアのティース部が無駄なく覆われる。また,コイルに無理な力が加えられることもない。さらに,コアの周方向に分割されていれば,取付は容易である。コアのスロット位置では,コア端面の幅が小さくなっているので,この部分で分割することは合理的である。さらに,コア保護部材にはワニスが付着するので,ワニスに対する離型性のある素材で形成されていれば容易にワニスを剥がすことができ,再利用可能である。
さらに本発明は,コイル付きコアを有する回転電機の製造方法であって,コイル挿入済みのコアに外側からコア保護部材を取り付けるステップと,コア保護部材が取り付けられた状態のコアのコイルにワニスを含浸させるステップと,ワニス含浸後にコア保護部材を取り除くステップとを有し,コア保護部材として,コアの外側面を覆う側面保護部と,側面保護部に内向きに取り付けられ,コアの端面を覆う2枚の端面保護部とを有するものを用い,コア保護部材の取り付けステップでは,2枚の端面保護部の間隔をコアの厚みに合わせて,コアの端面とコイルとの間に端面保護部を差し込む回転電機の製造方法にも及ぶ。
さらに本発明は,コイル付きコアを有する回転電機であって,コイル付きコアは,コイル挿入後に外側からコア保護部材を取り付けられ,コア保護部材が取り付けられた状態でコイルにワニスを含浸させられ,ワニス含浸後にコア保護部材が取り除かれた回転電機にも及ぶ。
本発明のコア保護部材,回転電機の製造方法及びその回転電機によれば,ティース部分やコアの外周側等のコアの端面へのワニスの付着を防止し,製造工程を簡素化できる。
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,ステータコアを保護するコア保護部材と,それを利用したワニス処理方法を含むステータの製造方法に本発明を適用したものである。
本形態のコア保護部材は,図1に示す第1コア保護部材10と図2に示す第2コア保護部材20との2種類がある。ワニス処理時には,1つの保護対象(ここでは,ステータコア)につき,これらをそれぞれ複数個用いる。まず,この2種類のコア保護部材10,20について説明する。
本形態の第1コア保護部材10は,図1にその外観を示すように,側面保護部11とティース保護部12,13とを有している。側面保護部11は略部分円筒面形状をなし,その内周面は保護対象であるステータコアの外側面と同じ曲率を有する曲面となっている。また,側面保護部11にはその長手方向(図中縦方向)に延びる長孔14が形成されている。
ティース保護部12,13はいずれも同形であり,側面保護部11に内向きに取り付けられている。その平面形状がステータコアのティース部分及びその外周部と同じ形状の平板部材である。図中上方のティース保護部12は,側面保護部11とは固定されておらず,その厚み内にネジ孔15が形成されている。そして,側面保護部11の外側から,長孔14を介してネジ16によってネジ止めされている。従って,ティース保護部12の固定位置は,長孔14の範囲内で自由に変更できる。一方,ティース保護部13は側面保護部11の内面に固定されている。
また,本形態の第2コア保護部材20は,図2にその外観を示すように,側面保護部21とティース保護部22,23とを有している。第1コア保護部材10との違いは,図中右端部の形状のみであり,全体的な構造は同様である。すなわち,側面保護部21は,第1コア保護部材10の側面保護部11よりも外向きにふくらんだ形状である。ティース保護部22,23のうち,側面保護部21の内面に接する部分も,それに合わせた形状となっている。側面保護部21は,側面保護部11と同様に長孔24を有している。図中上部のティース保護部22は,ティース保護部12と同様にネジ孔25が設けられ,長孔24を介してネジ26によって側面保護部21に固定されている。図中下部のティース保護部23は,側面保護部21の内面に固定されている。
これにより,ネジ16のネジ止め位置に応じて,ティース保護部12とティース保護部13との間の距離は長孔14の範囲内で変更可能である。同様に,ネジ26のネジ止め位置に応じて,ティース保護部22とティース保護部23との間の距離は長孔24の範囲内で変更可能である。これらのコア保護部材10,20は,離型性が高く,ワニス硬化時の炉の雰囲気温度の上限である180℃レベルの耐熱性を有することが要求される。例えば,MCナイロン系の材料で形成されることが好ましく,フッ素樹脂系のコーティングがなされていればさらによい。
次に,本形態のコア保護部材10,20による保護対象であるステータコア30について説明する。ステータコア30は,図3に示すように,略円環状で内周に多数のスロット31が設けられたものである。実際には,その形状の多数の電磁鋼板が積み重ねられた積層鋼板タイプのものである。スロット31とスロット31との間にはティース部分32が形成されている。また,外周の3箇所には,固定孔33が形成されている。3箇所の固定孔33はいずれも,直近のティース部分32に対して,周方向の中央に位置している。
このステータコア30に本形態のコア保護部材10,20を取り付けると,図4に示すようになる。各固定孔33の部分には第2コア保護部材20が取り付けられる。つまり,第2コア保護部材20のふくれ形状は,固定孔33がある箇所におけるステータコア30の外側面形状に合わせたものなのである。そしてそれ以外の部分には,各ティース部分32ごとに1つの第1コア保護部材10が取り付けられる。この図では,21個の第1コア保護部材10と3個の第2コア保護部材20とが使用されている。また,この図ではスロット紙34およびコイル35は省略している。
このとき,ティース保護部12とティース保護部13との間隔,および,ティース保護部22とティース保護部23との間隔は,ステータコア30の積み厚に合わせて,ネジ16,26のネジ止め位置によって調整される。これにより,ステータコア30の両端面は,各ティース部分32および各スロット31の外周部のすべてが,ティース保護部12,13,22,23によって覆われる。また,ステータコア30の外側面は,側面保護部11,21によって覆われる。ここで,コア保護部材10,20の合わせ目は,スロット31の周方向中央である。各ティース部分32は,それぞれ1つのティース保護部(12,13,22,23のいずれか)のみによって保護されており,複数のコア保護部材10,20で分担して保護されるということはない。
なお,本形態のコア保護部材10,20は,ワニス含浸処理工程でこのステータコア30の表面にワニスが付着することを防止するためのものである。そのため,実際にこのコア保護部材10,20が使用されるときには,ステータコア30の各スロット31には,スロット紙34およびコイル35が挿入された状態となっている(図5,図6参照)。ステータコア30の各スロット31に挿入されたコイル35の一部は,ステータコア30の軸方向の両端側に突出した状態となっている。また,このコイル35は,ステータコア30の両端面に被さるように折り曲げられることも多い。しかし一般に,コイル35とステータコア30の両端面とが完全に密着するということはなく,これらの間にはわずかに隙間がある。そのため,その隙間にティース保護部12,13,22,23を挿入することは容易である。
次に,このコア保護部材10,20を用いたワニス処理に用いられるワニス処理装置について説明する。ワニス処理装置のワーク保持部40は,図5に示すように,回転軸41を有している。この回転軸41は,水平に保持され,図中矢印で示す方向へ回転される。回転軸41には,ワーク支持具42によってワークが取り付けられる。
さらに,このワニス処理装置は,計6個のワニス滴下ノズル43,44,45,46,47,48を有し,それぞれの先端部から適量のワニスを滴下できるようになっている。また,ワークの軸方向にやや外側に配置されているワニス滴下ノズル45,46の近傍には,それぞれエアーノズル49,50が配置され,ワークに向かってエアーが吹き付けられる。そして,ワニス滴下ノズル45,46から滴下されるワニスをワークの軸方向両端部に向かって吹き付けるようにされている。
次に,このワニス処理装置を利用したワニス処理方法について説明する。本方法では,(1)ステータ製造工程,(2)保護部材取り付け工程,(3)ワニス処理装置への取り付け工程,(4)ワニス含浸工程,(5)加熱乾燥工程,(6)保護部材取り外し工程,(7)保護部材復元工程の各工程を順に行う。
まず,(1)ステータ製造工程では,ワークとなるステータを製造する。本形態の処理対象であるステータは,3相の分布巻きステータである。この工程では,まずステータコア30を製造する。そして,コイル35とステータコア30との絶縁のために,スロット31にスロット紙34を挿入する。このスロット紙34はその端部が折り返され,図5に示すように,ステータコア30の端面から突出した状態となる。そして,各スロット31に3相のコイル35を順に挿入する。
なお,ここでは3相の分布巻きステータを対象としているので,ステータコア30に挿入されているコイル35は各相ごとにおよそ,ステータコア30の内周側,外周側および中間の3層構造となるようにまとめられる。さらに,各相のコイル35の間には,漏電防止用の絶縁紙が挿入される。コイル35に滴下されるワニスは,コイル線の間を毛細管現象によって浸透させるものであり,これらの絶縁紙によってワニスの流れも阻害される。そのため,1つのノズルからワニスを供給できるコイル35の範囲は限られている。
次に,(2)保護部材取り付け工程では,(1)で製造されたステータにコア保護部材10,20を全周に取り付ける。これにより,ステータコア30の外面は,すべてコア保護部材10,20によって覆われた状態となる。特に,ステータコア30の軸方向両端面はスロット31を除いてティース保護部12,13,22,23によって覆われる。このとき,ステータコア30の各ティース部分32は,それぞれ1つのティース保護部のみによって保護されているので,隙間ができることはなく確実に覆われる。なお,スロット31はコイル35が挿入されている部分であり,ワニスがコイル35を伝って入り込むことが望ましい。
次に,(3)ワニス処理装置への取り付け工程では,(2)においてコア保護部材10,20によって覆われたステータを,ワーク支持具42によってワーク保持部40の回転軸41に取り付ける。これにより,図5に示すように回転軸41を回転させると,同時にワークが回転される。
次に,(4)ワニス含浸工程では,(3)でワークを取り付けた状態で回転軸41を回転させつつ,各ワニス滴下ノズル43〜48からワニスを滴下させる。同時に,エアーノズル49,50からワークに向かってエアーを吹き付ける。従って,ワークはその中心軸の周りに回転されつつ,各相のコイル35にワニスが含浸される。すなわち,ワークに挿入されているコイル35のうち外周側に配置されている相には,ワニス滴下ノズル43,44によってワニスが滴下される。また,内周側のものには,ワニス滴下ノズル47,48によってワニスが滴下される。中間のものにはワニス滴下ノズル45,46から滴下されたワニスが,エアーノズル49,50から吹き出されるエアーによって吹き付けられる。さらに,いずれの層でもワークの回転によって,ワニスがワークの全周に行き渡る。
ここで本形態では,ステータコア30にコア保護部材10,20を取り付けたものをワークとしているので,ステータコア30の外側面やティース部分32等は露出していない。従って,ワニス処理工程中にワニスが多少飛び散ったとしても,ステータコア30に付着することはない。代わりに,コア保護部材10,20にはワニスが付着する。一方,ステータコア30の側面(図3中外周面)は,コア保護部材10,20の側面保護部11,21によって覆われている。これらには,長孔14,24が形成されているが,図5から判るように,この部分にワニスが付着するおそれは元々ほとんどない。従って,ワークのステータコア30の外面にワニスが付着するおそれはないといえる。
そして,所定量のワニスの滴下が終了したらワニスの供給が停止され,ワークは(5)加熱乾燥工程において,所定温度まで加熱される。これにより,液状であったワニスがゲル化・乾燥されて硬化される。次に,(6)保護部材取り外し工程において,ワークからコア保護部材10,20が取り外される。このとき,コア保護部材10,20に付着したワニスは,すでに硬化しているので,ステータコア30を汚染することはない。
さらに,(7)保護部材復元工程において,取り外されたコア保護部材10,20からワニスが剥がされる。コア保護部材10,20は離型性の高い材料で形成されているので,これらに付着したワニスは容易に剥がすことができる。よって,コア保護部材10,20は,ワークから外した後にワニスを剥がせば何度でも再使用可能である。
さらに,ステータコア30の内径側へのワニス付着を防止するために,内径側にも保護部材を設けても良い。例えば,図6に示すように,内径側先端部保護部材51,内径側基端部保護部材52を設けても良い。内径側先端部保護部材51は,図7に示すように,ステータコア30の内径側と回転軸41の先端部とをともに覆う帽子形状の部材である。ステータコア30が取り付けられた回転軸41の先端側からはめ込まれる。
また,内径側基端部保護部材52は,図8に示すように,2分割された略リング状の部材である。ステータコア30の基端側において,回転軸41の両側からそれぞれ内径側基端部保護部材52を取り付けることにより,回転軸41を挟み込んでステータコア30の内径側と回転軸41との間を覆う。これらの内径側の保護部材51,52を(3)ワニス処理装置への取り付け工程の後,(4)ワニス含浸工程より前に,ワークに取り付ければ,ステータコア30の内径側も露出されている部分は無いものとなる。従って,ワークの内径側へのワニスの付着を防止できる。
次に,コア保護部材の別の例を図9に示す。このコア保護部材60は,長孔14を設けた側面保護部11に代えて蛇腹式の側面保護部61を有している。この側面保護部61を伸縮させて,ステータコア30の積み厚に合わせて調整することが出来る。この場合には,2枚のティース保護部はともに側面保護部61に固定されている。この例においても,コアの外形形状に合わせた2種類のコア保護部材を用意し,コアの全周に取り付けて使用する。
このコア保護部材60によれば,ステータコア30の側面にも孔がないので,ワークへのワニスの付着をさらに確実に防止できる。また,積み厚の薄いワークに取り付ける場合でも,側面保護部61が両端部に突出することがないので,ワニス滴下ノズルのじゃまになることがない。
以上詳細に説明したように,本形態のコア保護部材10,20およびそれを用いたワニス処理方法によれば,あらかじめステータコア30の端面や側面がコア保護部材10,20によって覆われた状態でワニス処理が行われるので,ワニス処理時にステータコア30にワニスが付着することが防止されている。従って,ワニス処理後にステータコア30からワニスを剥がす工程が不要であり,ステータの製造工程が簡素化される。
なお,本形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,ステータコア30は,図3では24個のスロット31が設けられたものとして図示しているが,スロット数やその形状,大きさ等はこれに限るものではない。ステータコア30の形状に合わせて,各コア保護部材を形成すればよい。ステータコアの固定孔の位置や形状によっては,3種類以上のコア保護部材が必要となる場合もある。また,ステータコアのティース部分とコア保護部材のティース保護部との関係も1対1に限らない。1つのコア保護部材で複数のティース部分をカバーするように形成しても良い。また,ステータコア30の積み厚に対応させる必要がない場合は,各コア保護部材を一体に形成しても良い。また,内径側保護部材51,52はやや弾力性のある材質によって形成し,押し込むようにして取り付けても良い。
例えば,ステータコア30は,図3では24個のスロット31が設けられたものとして図示しているが,スロット数やその形状,大きさ等はこれに限るものではない。ステータコア30の形状に合わせて,各コア保護部材を形成すればよい。ステータコアの固定孔の位置や形状によっては,3種類以上のコア保護部材が必要となる場合もある。また,ステータコアのティース部分とコア保護部材のティース保護部との関係も1対1に限らない。1つのコア保護部材で複数のティース部分をカバーするように形成しても良い。また,ステータコア30の積み厚に対応させる必要がない場合は,各コア保護部材を一体に形成しても良い。また,内径側保護部材51,52はやや弾力性のある材質によって形成し,押し込むようにして取り付けても良い。
10 第1コア保護部材
11,21 側面保護部
12,13,22,23 ティース保護部
14,24 長孔
20 第2コア保護部材
60 コア保護部材
11,21 側面保護部
12,13,22,23 ティース保護部
14,24 長孔
20 第2コア保護部材
60 コア保護部材
Claims (10)
- コイルへのワニス含浸処理時にコアに取り付けるコア保護部材において,
コアの外側面を覆う側面保護部と,
前記側面保護部に内向きに取り付けられ,コアの端面を覆う2枚の端面保護部とを有することを特徴とするコア保護部材。 - 請求項1に記載のコア保護部材において,
前記側面保護部の内面は,コアの外側面の形状に合わせた形状であり,
前記2枚の端面保護部の間隔が調整可能であることを特徴とするコアの保護部材。 - 請求項2に記載のコア保護部材において,
前記側面保護部には,コアの厚さ方向の長孔が形成されており,
前記2枚の端面保護部の少なくとも一方が,前記側面保護部の長孔にスライド可能に取りつけられていることを特徴とするコアの保護部材。 - 請求項2に記載のコア保護部材において,
前記側面保護部がコアの厚さ方向に伸縮可能であることを特徴とするコアの保護部材。 - 請求項1に記載のコア保護部材において,
前記端面保護部の形状が,コアのティース部の形状に合わせた形状であることを特徴とするコアの保護部材。 - 請求項1に記載のコア保護部材において,
コアの周方向に分割されていることを特徴とするコアの保護部材。 - 請求項6に記載のコア保護部材において,
分割された分割片の合わせ目が,コアのスロット位置に対応する位置であることを特徴とするコアの保護部材。 - 請求項1に記載のコア保護部材において,
表面にワニスに対する離型性のある素材で形成されていることを特徴とするコアの保護部材。 - コイル付きコアを有する回転電機の製造方法において,
コイル挿入済みのコアに外側からコア保護部材を取り付けるステップと,
コア保護部材が取り付けられた状態のコアのコイルにワニスを含浸させるステップと,
ワニス含浸後にコア保護部材を取り除くステップとを有し,
前記コア保護部材として,
コアの外側面を覆う側面保護部と,
前記側面保護部に内向きに取り付けられ,コアの端面を覆う2枚の端面保護部とを有するものを用い,
コア保護部材の取り付けステップでは,2枚の端面保護部の間隔をコアの厚みに合わせて,コアの端面とコイルとの間に端面保護部を差し込むことを特徴とする回転電機の製造方法。 - コイル付きコアを有する回転電機において,前記コイル付きコアは,
コイル挿入後に外側からコア保護部材を取り付けられ,
コア保護部材が取り付けられた状態でコイルにワニスを含浸させられ,
ワニス含浸後にコア保護部材が取り除かれたものであることを特徴とする回転電機。
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