JP2007174368A - 端末装置およびそれを備えた無線ネットワークシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】自律的に構築され、かつ、高いスループットが安定して得られる無線ネットワークシステムを提供する。
【解決手段】端末装置1は、自己の経緯度を検出するとともに、自己の周囲に存在する端末装置2,4,5,8の経緯度を取得する。そして、端末装置1は、自己の経緯度および端末装置2,4,5,8の経緯度に基づいて端末装置1〜5,8の全ての位置を検出し、その検出した位置に基づいて、距離n1〜n4,D1〜D4を求める。また、端末装置1は、端末装置2,4,5,8との間の無線通信における受信信号強度RSSIを検出し、その検出した受信信号強度RSSIと、距離n1+D1,n2+D2,n3+D3,n4+D4とに基づいて、端末装置1から端末装置3までの経路の安定度合を示す総合メトリックを求め、その求めた総合メトリックが最小となる経路を端末装置3までの経路として決定する。
【選択図】図21

Description

この発明は、端末装置およびそれを備えた無線ネットワークシステムに関し、特に、自律的、かつ、即時的に構築されるアドホックネットワークシステムを構成する端末装置およびそれを備えた無線ネットワークシステムに関するものである。
アドホックネットワークは、複数の端末装置が相互に通信を行なうことによって自律的、かつ、即時的に構築されるネットワークである。アドホックネットワークでは、通信する2つの端末装置が互いの通信エリアに存在しない場合、2つの端末装置の中間に位置する端末装置がルータとして機能し、データパケットを中継するので、広範囲のマルチホップネットワークを形成することができる。
このようなアドホックネットワークは、被災地での無線通信網やITS(Intelligent Transport Systems)車車間通信でのストリーミングなど、様々な方面に応用されようとしている(非特許文献1)。
マルチホップ通信をサポートする動的なルーティングプロトコルとしては、テーブル駆動型プロトコルとオンデマンド型プロトコルとがある。テーブル駆動型プロトコルは、定期的に経路に関する制御情報の交換を行ない、予め経路表を構築しておくものであり、GSR(Global State Routing)、FSR(Fish−eye State Routing)、OLSR(Optimized Link State Routing)およびDSDV(Destination Sequenced Distance Vector)等が知られている。
また、オンデマンド型プロトコルは、データ送信の要求が発生した時点で、初めて宛先までの経路を構築するものであり、DSR(Dynamic Source Routing)およびAODV(Ad Hoc On−Demand Distance Vector Routing)等が知られている。
そして、従来のアドホックネットワークにおいては、送信元から送信先へデータ通信を行なう場合、送信元から送信先までのホップ数ができる限り少なくなるように経路が決定される(非特許文献2)。
渡辺正浩"無線アドホックネットワーク",自動車技術会春季大会ヒューマトロニクスフォーラム,pp18−23,横浜,5月2003年. Guangyu Pei, at al, "Fisheye state routing: a routing scheme for ad hoc wireless networks", ICC2000. Commun., Volume 1, pp70-74, L.A., June 2000.
しかし、従来のアドホックネットワークにおいては、ホップ数が最小になるように送信先までの経路が決定されるため、送信先までの経路の途中に受信信号強度が弱い経路を含んでいる場合、安定して無線通信を行なうことが困難であり、無線通信のスループットが低下するという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、自律的に構築され、かつ、高いスループットが安定して得られる無線ネットワークシステムを提供することである。
また、この発明の別の目的は、自律的に構築され、かつ、高いスループットが安定して得られる無線ネットワークシステムを構成する端末装置を提供することである。
この発明によれば、端末装置は、自律的に確立され、かつ、送信元と送信先との間で無線通信を行なう無線ネットワークを構成する端末装置であって、経路決定手段と、通信手段とを備える。経路決定手段は、当該端末装置と当該端末装置に隣接する隣接端末装置との間の通信品質と、当該端末装置と隣接端末装置との相対関係に起因する第1のファクターと、隣接端末装置と送信先の端末装置との相対関係に起因する第2のファクターとに基づいて、通信品質が相対的に高く、かつ、安定度合が相対的に大きい経路を当該端末装置から送信先までの経路として決定する。通信手段は、経路決定手段によって決定された経路に沿って無線通信を行なう。
好ましくは、経路決定手段は、通信品質と第1および第2のファクターとに基づいて、通信品質の高さ度合と当該端末装置から送信先の端末装置までの経路の安定度合とを示す経路指標を演算し、その演算した経路指標が相対的に小さい経路を当該端末装置から送信先までの経路として決定する。
好ましくは、経路決定手段は、通信品質に基づいて決定され、かつ、通信品質の高さ度合を示す第1の経路指標と、当該端末装置から送信先の端末装置までのトータル距離に基づいて決定され、かつ、該端末装置から送信先までの経路の安定度合を示す第2の経路指標とを加算して経路指標を演算する。
好ましくは、端末装置は、検出手段と、受信手段と、距離決定手段とを更に備える。検出手段は、当該端末装置の位置を検出する。受信手段は、隣接端末装置および送信先の端末装置の位置を隣接端末装置から受信する。距離決定手段は、当該端末装置の位置と、隣接端末装置および送信先の端末装置の位置とに基づいて、トータル距離を決定する。
好ましくは、距離決定手段は、当該端末装置の位置と、隣接端末装置の位置とに基づいて当該端末装置から隣接端末装置までの第1の距離を演算し、隣接端末装置の位置と送信先の端末装置の位置とに基づいて隣接端末装置から送信先の端末装置までの第2の距離を演算し、第1の距離と第2の距離との和をトータル距離として決定する。
好ましくは、経路決定手段は、通信品質に基づいて決定され、かつ、通信品質の高さ度合を示す第1の経路指標と、当該端末装置から送信先の端末装置までのトータル距離に基づいて決定され、かつ、当該端末装置から送信先の端末装置までの経路の安定度合を示す第2の経路指標と、当該端末装置に対する隣接端末装置の相対速度に基づいて決定され、かつ、当該端末装置から隣接端末装置までの経路の安定度合を示す第3の経路指標とを加算して経路指標を演算する。
好ましくは、端末装置は、検出手段と、受信手段と、距離決定手段と、速度決定手段とを更に備える。検出手段は、当該端末装置の位置および速度を検出する。受信手段は、隣接端末装置および送信先の端末装置の位置および速度を隣接端末装置から受信する。距離決定手段は、当該端末装置の位置と、隣接端末装置および送信先の端末装置の位置とに基づいて、トータル距離を決定する。速度決定手段は、当該端末装置の速度と、隣接端末装置の速度とに基づいて相対速度を決定する。
好ましくは、距離決定手段は、当該端末装置の位置と、隣接端末装置の位置とに基づいて当該端末装置から隣接端末装置までの第1の距離を演算し、隣接端末装置の位置と送信先の端末装置の位置とに基づいて隣接端末装置から送信先の端末装置までの第2の距離を演算し、第1の距離と第2の距離との和をトータル距離として決定する。速度決定手段は、当該端末装置が移動する方向における当該端末装置の速さに対する隣接端末装置の速さを演算して相対速度を決定する。
好ましくは、経路決定手段は、通信品質が直線的に変化するに従って第1の経路指標が指数関数的に変化するように通信品質に基づいて第1の経路指標を決定する。
好ましくは、経路決定手段は、通信品質が好適な範囲であるとき第1の経路指標が最小値になり、通信品質が好適な範囲外であるとき第1の経路指標が最小値よりも大きい値になるように通信品質に基づいて第1の経路指標を決定する。
好ましくは、通信品質は、受信信号強度、フレームエラー率、パケットエラー率、信号対ノイズ比およびビット誤り率のいずれかからなる。
また、この発明によれば、無線ネットワークシステムは、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の端末装置を備える無線ネットワークシステムである。
この発明においては、無線ネットワークを構成する各端末装置は、自己の端末装置(当該端末装置)から送信先の端末装置までの経路を決定する場合、当該端末装置と当該端末装置に隣接する隣接端末装置との間の通信品質と、当該端末装置と隣接端末装置との相対関係に起因する第1のファクターと、隣接端末装置と送信先の端末装置との相対関係に起因する第2のファクターとに基づいて、通信品質が相対的に高く、かつ、安定度合が相対的に大きい経路を当該端末装置から送信先の端末装置までの経路として決定される。その結果、各端末装置は、通信品質が相対的に高い無線通信を安定して行なう。
従って、この発明によれば、無線通信のスループットを安定して高くできる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線ネットワークシステムの概略図である。無線ネットワークシステム10は、端末装置1〜8を備える。端末装置1〜8は、無線通信空間に配置され、自律的にネットワークを構成している。そして、端末装置1から端末装置3へデータを送信する場合、端末装置2,4〜8は、端末装置1からのデータを中継して端末装置3へ届ける。
この場合、端末装置1は、異なる4個の経路を介して端末装置3との間で無線通信を行なうことができる。即ち、端末装置1は、端末装置4,7を介して端末装置3との間で無線通信を行なうことができ、端末装置2,7を介して端末装置3との間で無線通信を行なうこともでき、端末装置5,6を介して端末装置3との間で無線通信を行なうことができ、端末装置8を介して無線通信3との間で無線通信を行なうこともできる。
端末装置8を介して無線通信を行なう場合、ホップ数が“2”と相対的に少なく、端末装置4,7、端末装置2,7および端末装置5,6を介して無線通信を行なう場合、ホップ数が“3”と相対的に多い。
従って、端末装置8を介して無線通信を行なう経路を選択すると、ホップ数が“2”と相対的に少なくなるので、一般的には、端末装置1から端末装置3への無線通信のスループットが高くなる。
しかし、端末装置1と端末装置8との間の受信信号強度が弱いとき、端末装置1と端末装置8との間の無線通信のスループットが低下するので、ホップ数が少ない経路を選択すれば、スループットが高くなるというものではない。
そこで、以下においては、無線通信のスループットが安定して高くなるように送信元と送信先との間で経路を確立する方法について説明する。
なお、送信元と送信先との間で経路を確立するプロトコルとしてFSRプロトコルを基本として用いた。このFSRプロトコルは、テーブル駆動型のルーティングプロトコルであり、比較的、近くに存在する端末装置との間で経路情報の交換を密に行ない、遠くに存在する端末装置との間の経路情報の交換を減らすことによりトラフィックの負荷を減らすプロトコルである。
図2は、図1に示す端末装置1の構成を示す概略ブロック図である。端末装置1は、無線LAN(Local Area Network)端末11と、アレーアンテナ12と、ケーブル13,17,20と、D−GPS(Differential−Global Positioning System)受信機14と、GPSアンテナ15と、FMアンテナ16と、操作装置18と、保守装置19とを備える。
無線LAN端末11は、GPSドライバ部110を有する。そして、無線LAN端末11は、GPSドライバ部110がケーブル13を介してD−GPS受信機14に接続され、ケーブル17を介して操作装置18および保守装置19に接続され、ケーブル20を介して保守装置19に接続される。
無線LAN端末11のGPSドライバ部110は、ケーブル13を介してD−GPS受信機14を制御するとともに、D−GPS受信機14が取得したGPSデータをケーブル13を介して受信する。
また、無線LAN端末11は、方位角の測定要求DAZとともに、ビーム角度データをケーブル17を介して操作装置18から受信する。そして、無線LAN端末11は、方位角の測定要求DAZに応じて、ビーム角度データによって示された角度を有するビームに順次切換えるようにアレーアンテナ12を制御し、アレーアンテナ12を介して信号を送信する。すなわち、無線LAN端末11は、方位角の測定要求DAZに応じて、アレーアンテナ12の指向性を順次切換えながら信号を送信する。
その後、無線LAN端末11は、アレーアンテナ12の指向性を切換えながら送信した信号の他の端末装置における受信信号強度と、他の端末装置によって取得されたGPSデータとを含む無線フレームRFFを他の端末装置から受信すると、その受信した無線フレームRFFを後述する方法によって有線フレームWIRFに変換して操作装置18へ送信する。
更に、無線LAN端末11は、無指向性のビームまたは指向性のビームを放射するようにアレーアンテナ12を制御して信号を送受信する。
更に、無線LAN端末11は、GPSデータの取得を要求する取得要求信号DGPSをケーブル17を介して操作装置18から受信する。そして、無線LAN端末11は、GPSデータの取得要求信号DGPSに応じて、ケーブル17を介してGPSデータを操作装置18へ出力する。
アレーアンテナ12は、無指向性のビームパターンまたは指向性のビームパターンによって信号を送受信する。ケーブル13は、RS−232−Gからなり、D−GPS受信機14を無線LAN端末11のGPSドライバ部110に接続する。
D−GPS受信機14は、GPSアンテナ15およびFMアンテナ16を有する。D−GPS受信機14は、GPSアンテナ15を介して端末装置1の経緯度および速度を計測するとともに、D−GPS局(図示せず)からのDifferential情報をFMアンテナ16を介して受信する。そして、D−GPS受信機14は、計測した経緯度および速度をDifferential情報によって補正し、その補正した経緯度および速度をGPSデータとしてケーブル13を介してGPSドライバ部110へ送信する。
GPSアンテナ15は、衛星(図示せず)から送信された経緯度および速度を受信してD−GPS受信機14へ出力する。FMアンテナ16は、D−GPS局からのDifferential情報を受信してD−GPS受信機14へ出力する。
ケーブル17は、Fast Ethernet(「Ethernet」は、登録商標)規格に従ったより対線構造のケーブルであり、無線LAN端末11を操作装置18および保守装置19に接続する。
操作装置18は、方位角の測定要求DAZおよびビーム角度データをケーブル17を介して無線LAN端末11へ送信し、無線フレームRFFをケーブル17を介して無線LAN端末11から受信する。そして、操作装置18は、無線フレームRFFに含まれている受信信号強度に基づいて、端末装置1に対する端末装置2,4,5,8の存在方向を示す方位角を後述する方法によって決定する。
また、操作装置18は、GPSデータの取得を要求する取得要求信号DGPSをケーブル17を介して無線LAN端末11へ送信するとともに、ケーブル17を介してGPSデータを無線LAN端末11から受信する。
そして、操作装置18は、無線フレームRFFに含まれているGPSデータ(端末装置1以外の他の端末装置2〜8によって取得されたGPSデータ)と、無線LAN端末11から受信したGPSデータ(端末装置1によって取得されたGPSデータ)とに基づいて、後述する方法によって、無線ネットワークシステム10内の全ての端末装置1〜8の位置を決定するとともに、その決定した端末装置1〜8の位置に基づいて、後述する方法によって、送信先の端末装置3まで無線通信を行なうための最適な経路を決定する。
保守装置19は、無線LAN端末11からのGPSデータをケーブル17を介して受信し、その受信したGPSデータに基づいて、ケーブル20を介して無線LAN端末11を保守する。より具体的には、保守装置19は、GPSデータによって示される位置に存在し、GPSデータによって示される速度で移動するように、無線LAN端末11を制御する(ご確認下さい)。
図3は、図2に示す無線LAN端末11、アレーアンテナ12および操作装置18の構成を示す概略図である。無線LAN端末11は、ARPA(Advanced Research Projects Agency)インターネット階層構造の下位層からなる。即ち、無線LAN端末11は、GPSドライバ部110と、アンテナ制御モジュール111と、無線インターフェースモジュール112と、MAC(Media Access Control)モジュール113と、アドレス変換テーブル114と、LLC(Logical Link Control)モジュール115と、有線インターフェース116とからなる。
アレーアンテナ12は、アンテナ素子121〜127と、バラクタダイオード131〜136とからなる。アンテナ素子121〜126は、無給電素子であり、アンテナ素子127は、給電素子である。そして、アンテナ素子121〜127は、xyz直交座標のx−y平面に略垂直に、即ち、z軸に略平行に配置される。
バラクタダイオード131〜136は、それぞれ、アンテナ素子121〜126と接地ノードとの間に接続される。これにより、可変容量素子であるバラクタダイオード131〜136がそれぞれ無給電素子であるアンテナ素子121〜126に装荷される。
このように、アレーアンテナ12は、1本の給電素子(アンテナ素子127)と6本の無給電素子(アンテナ素子121〜126)とからなる。
操作装置18は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)からなり、入力部181と、表示部182と、電子メールアプリケーション183と、通信制御部184とを含む。
通信制御部184は、ARPAインターネット階層構造の上位層からなる。即ち、通信制御部184は、有線インターフェース185と、IP(Internet Protocol)モジュール186と、ルーティングテーブル187と、TCPモジュール188と、UDPモジュール189と、ルーティングデーモン190と、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)モジュール191とからなる。
無線LAN端末11のGPSドライバ部110は、物理層に属する。そして、GPSドライバ部110の機能については、上述したとおりである。なお、GPSドライバ部110は、D−GPS受信機14から受信したGPSデータをケーブル17を介して操作装置18のルーティングデーモン190へ送信する。
アンテナ制御モジュール111は、物理層に属し、ケーブル17を介して操作装置18のルーティングデーモン190から方位角の測定要求DAZおよびビーム角度データを受信する。
そして、アンテナ制御モジュール111は、操作装置18からの方位角の測定要求DAZに応じて、ビーム角度データによって示された角度を有するビームを放射するようにアレーアンテナ12を制御するための制御電圧セットCLV0〜CLV12を生成してアレーアンテナ12のバラクタダイオード131〜136へ出力する。
また、アンテナ制御モジュール111は、アレーアンテナ12のバラクタダイオード131〜136に制御電圧セットCLV0〜CLV12を供給してアレーアンテナ12のビームパターンを無指向性のビームパターンまたは指向性のビームパターンに切換える。
無線インターフェースモジュール112は、物理層に属し、アレーアンテナ12のアンテナ素子127(給電素子)に接続される。そして、無線インターフェースモジュール112は、MACモジュール113から受信した有線フレームWIRFまたは無線フレームRFFを所定の規定に従って変調および周波数変換してアレーアンテナ12のアンテナ素子127(給電素子)へ供給するとともに、アレーアンテナ12のアンテナ素子127から受信した有線フレームWIRFまたは無線フレームRFFを所定の規定に従って復調および周波数変換してMACモジュール113へ送信する。なお、この有線フレームWIRFは、イーサネット(登録商標)に対応したフレームである(以下、同じ)。
また、無線インターフェースモジュール112は、アレーアンテナ12が信号を受信したときの受信信号強度を検出し、その検出した受信信号強度を有線インターフェース116およびケーブル17を介して操作装置18のルーティングデーモン190へ出力する。
MACモジュール113は、MAC層に属し、操作装置18から有線フレームWIRFを受信する。そして、MACモジュール113は、有線フレームWIRFに含まれる宛先MACアドレスがブロードキャストアドレスである場合、有線フレームWIRFをそのままブロードキャストし、有線フレームWIRFの宛先MACアドレスがマルチキャストアドレスである場合、有線フレームWIRFをそのままマルチキャストする。
また、MACモジュール113は、有線フレームWIRFの宛先MACアドレスが送信先の端末装置(端末装置2〜8のいずれか)である場合、後述する方法によって有線フレームWIRFを無線フレームRFFに変換する。そして、MACモジュール113は、無線フレームRFFをアレーアンテナ12を介して送信先の端末装置の無線LAN端末11へ送信する。
更に、MACモジュール113は、無線インターフェースモジュール112から有線フレームWIRFを受信すると、その受信した有線フレームWIRFをLLCモジュール115へ送信し、無線インターフェースモジュール112から無線フレームRFFを受信すると、その受信した無線フレームRFFを後述する方法によって有線フレームWIRFに変換してLLCモジュール115へ送信する。
更に、MACモジュール113は、MACプロトコルを実行してデータ(フレーム)の再送制御等を行なう。そして、MACモジュール113は、データ(フレーム)の再送回数が所定値を超えるとリンクが切断されたことを検知し、リンクが切断されたことを有線インターフェース116およびケーブル17を介して操作装置18のルーティングデーモン190に通知する。
アドレス変換テーブル114は、MAC層に属し、無線ネットワークシステム10を構成する8個の端末装置1〜8に対して、端末装置ごとに無線LAN端末11のMACアドレスを操作装置18のMACアドレスに対応付けて格納する。
LLCモジュール115は、データリンク層に属し、LLCプロトコルを実行して隣接する端末装置との間でリンクの接続および解放を行なう。
有線インターフェース116は、ケーブル17を介して操作装置18から受信した有線フレームWIRFをLLCモジュール115へ出力するとともに、LLCモジュール115から受信した有線フレームWIRFをケーブル17を介して操作装置18へ送信する。
操作装置18の入力部181は、端末装置1の操作者が入力したメッセージおよびデータの宛先を受付け、その受付けたメッセージおよび宛先を電子メールアプリケーション183へ出力する。表示部182は、電子メールアプリケーション183からの制御に従ってメッセージ等を表示する。
電子メールアプリケーション183は、入力部181からのメッセージおよび宛先に基づいてデータを生成して通信制御部184へ出力する。
有線インターフェース185は、IPモジュール186からの有線フレームWIRFをケーブル17を介して無線LAN端末11へ送信するとともに、ケーブル17を介して無線LAN端末11から受信した有線フレームWIRFをIPモジュール186へ送信する。
IPモジュール186は、インターネット層に属し、IPパケットを生成する。IPパケットは、IPヘッダと、上位のプロトコルのパケットを格納するためのIPデータ部とからなる。そして、IPモジュール186は、TCPモジュール188からデータを受けると、その受けたデータをIPデータ部に格納してIPパケットを生成する。
IPモジュール186は、IPパケットを生成すると、その生成したIPパケットをフレーム本体に格納し、宛先MACアドレスをヘッダに格納して有線フレームWIRFを生成する。
そうすると、IPモジュール186は、テーブル駆動型のルーティングプロトコルであるFSRプロトコルに従ってルーティングテーブル187を検索し、生成した有線フレームWIRFを送信するための経路を決定する。そして、IPモジュール186は、経路を決定すると、生成した有線フレームWIRFを有線インターフェース185およびケーブル17を介して無線LAN端末11へ送信し、決定した経路に沿って有線フレームWIRFを送信先へ送信する。
また、IPモジュール186は、有線インターフェース185から有線フレームWIRFを受信すると、その受信した有線フレームWIRFからデータを抽出してTCPモジュール188またはUDPモジュール189へ送信する。
ルーティングテーブル187は、インターネット層に属し、後述するように、各送信先アドレスに対応付けて経路情報を格納する。
TCPモジュール188は、トランスポート層に属し、TCPパケットを生成する。TCPパケットは、TCPヘッダと、上位のプロトコルのデータを格納するためのTCPデータ部とからなる。そして、TCPモジュール188は、生成したTCPパケットをIPモジュール186へ送信する。
UDPモジュール189は、トランスポート層に属し、ルーティングデーモン190によって作成されたUpdateパケットをブロードキャストし、他の端末装置からブロードキャストされたUpdateパケットを受信してルーティングデーモン190へ出力する。
ルーティングデーモン190は、プロセス/アプリケーション層に属し、他の通信制御モジュールの実行状態を監視するとともに、他の通信制御モジュールからのリクエストを処理する。
また、ルーティングデーモン190は、FSRプロトコルに従って比較的近くに存在する他の端末装置と経路情報を定期的に交換し合い、取得した経路情報および無線インターフェースモジュール112から受けた受信信号強度に基づいて、後述する方法によって最適な経路を算出してインターネット層にルーティングテーブル187を動的に作成する。
更に、ルーティングデーモン190は、端末装置1に隣接する端末装置(端末装置2,4,5,8のいずれか)において検出された受信信号強度RSSI_NEB、端末装置2〜8の経緯度λEX,φEXおよび端末装置2〜8の速度vEXが無線LAN端末11から受けた有線フレームWIRFに含まれていると、受信信号強度RSSI_NEB、経緯度λEX,φEXおよび速度vEXを有線フレームWIRFから抽出する。
そして、ルーティングデーモン190は、抽出した経緯度λEX,φEXを次式に代入して端末装置2〜8の位置PS_EXを求める。
Figure 2007174368
ルーティングデーモン190は、端末装置2〜7の位置PS_EXを求めると、端末装置2〜8の位置PS_EXおよび速度vEXを記憶する。
そして、ルーティングデーモン190は、抽出した受信信号強度RSSI_EXに基づいて、端末装置1に隣接する端末装置(端末装置2,4,5,8のいずれか)の端末装置1に対する存在方向を示す方位角を後述する方法によって決定する。
更に、ルーティングデーモン190は、端末装置1の無線インターフェースモジュール112において検出された受信信号強度RSSI_SEF、端末装置1の経緯度λSEF,φSEFおよび端末装置1の速度vSEFを無線LAN端末11の無線インターフェースモジュール112から受けると、その受けた経緯度λSEF,φSEFを式(1)に代入して端末装置1の位置PS_SEFを求める。
そうすると、ルーティングデーモン190は、端末装置1〜8と、端末装置1〜8の位置PS_SEF,PS_EXおよび速度vSEF,vEXとを対応付けた端末情報テーブルTIFを作成する。
そして、ルーティングデーモン190は、端末装置1〜8の位置PS_SEF,PS_EXに基づいて、端末装置間の距離を演算し、その演算した距離を反映したルーティングテーブル187を後述する方法によって作成する。
更に、ルーティングデーモン190は、受信信号強度RSSI_SEF、経緯度λSEF,φSEF、速度vSEF、経緯度λEX,φEXおよび速度vEXからなるデータを生成し、その生成したデータをTCPモジュール188へ送信する。
更に、ルーティングデーモン190は、端末装置1に対する端末装置2,4,5,8の存在方向である方位角を測定する場合、ビーム角度データをケーブル17を介して無線LAN端末11のアンテナ制御モジュール111へ送信する。
SMTPモジュール191は、プロセス/アプリケーション層に属し、電子メールアプリケーション183から受け取ったデータに基づいて、全二重通信チャネルの確保およびメッセージの交換等を行なう。
ケーブル17は、上述したように、無線LAN端末11の有線インターフェース116を操作装置18の有線インターフェース185に接続する。これによって、無線LAN端末11は、ケーブル17によって操作装置18に接続され、無線LAN端末11および操作装置18の通信制御部184は、通信制御を行なうARPAインターネット階層構造を構成する。
なお、図1に示す端末装置2〜8の各々も、図3に示す端末装置1の構成と同じ構成からなる。
図4は、図2に示すアレーアンテナ12のx−y平面における平面図である。アンテナ素子121〜126は、アンテナ素子127の周囲に略円形に配置される。そして、アレーアンテナ12が送受信する電波の波長をλとすると、アンテナ素子121〜126とアンテナ素子127との間隔は、略λ/4である。
このように、アレーアンテナ12は、給電素子であるアンテナ素子127の周囲に無給電素子であるアンテナ素子121〜126を略円形配置した構造からなる。
アンテナ制御モジュール111は、制御電圧セットCLV0〜CLV12をバラクタダイオード131〜136へ供給してアレーアンテナ12が放射するビームパターンを制御する場合、バラクタダイオード131〜136のリアクタンスセットx=xm1〜xm6が表1に示すリアクタンスセットに従って変化するように制御電圧セットCLV0〜CLV12をバラクタダイオード131〜136へ供給する。
Figure 2007174368
制御電圧セットCLV0〜CLV12の各々は、6個のバラクタダイオード131〜136に対応して6個の電圧V1〜V6からなる。アンテナ制御モジュール111は、例えば、−20Vからなる電圧V1〜V6をそれぞれバラクタダイオード131〜136へ供給してバラクタダイオード131〜136のリアクタンスxm1〜xm6を“hi”に設定し、0Vからなる電圧V1〜V6をそれぞれバラクタダイオード131〜136へ供給してバラクタダイオード131〜136のリアクタンスxm1〜xm6を“lo”に設定する。
バラクタダイオード131〜136のリアクタンスxm1〜xm6が全て“hi”である場合(m=0)、アレーアンテナ12は、オムニパターンに近いビームパターンBPM0を放射する。また、バラクタダイオード131のリアクタンスxm1が“hi”であり、バラクタダイオード132〜136のリアクタンスxm2〜xm6が“lo”である場合(m=1)、アレーアンテナ12は、0度の方向に指向性を有するビームパターンBPM1を放射する。なお、x軸の正の方向を0度の方向とする。
更に、バラクタダイオード131,132のリアクタンスxm1,xm2が“hi”であり、バラクタダイオード133〜136のリアクタンスxm3〜xm6が“lo”である場合(m=2)、アレーアンテナ12は、30度の方向に指向性を有するビームパターンBPM2を放射する。
更に、バラクタダイオード132のリアクタンスxm2が“hi”であり、バラクタダイオード131,133〜136のリアクタンスxm1,xm3〜xm6が“lo”である場合(m=3)、アレーアンテナ12は、60度の方向に指向性を有するビームパターンBPM3を放射する。
以下、同様にして、バラクタダイオード131〜136のうち、リアクタンスxを“hi”に設定するバラクタダイオードをバラクタダイオード132,133、バラクタダイオード133、バラクタダイオード133,134、バラクタダイオード134、バラクタダイオード134,135、バラクタダイオード135、バラクタダイオード135,136、バラクタダイオード136およびバラクタダイオード136,131に順次切換えることによって、アレーアンテナ12は、それぞれ、90度の方向、120度の方向、150度の方向、180度の方向、210度の方向、240度の方向、270度の方向、300度の方向および330度の方向に指向性を有するビームパターンBPM4〜BPM12を放射する。
このように、アレーアンテナ12は、アンテナ制御モジュール111からの制御に従って、オムニビームパターン(ビームパターンBPM0)および指向性を有するビームパターン(ビームパターンBPM1〜BPM12)を選択的に放射可能である。
図5は、図3に示す無線インターフェースモジュール112の構成を示す概略図である。無線インターフェースモジュール112は、通信部1121と、方位角測定部1122とを含む。
通信部1121は、MACモジュール113から受けた有線フレームWIRFまたは無線フレームRFFに変調および周波数変換を施してアレーアンテナ12のアンテナ素子127へ出力する。
また、通信部1121は、アレーアンテナ12のアンテナ素子127から受けた有線フレームWIRFまたは無線フレームRFFに復調および周波数変換を施してMACモジュール113へ出力する。
方位角測定部1122は、自己が搭載された端末装置1に対する端末装置2,4,5,8(端末装置1に隣接する端末装置)の存在方向を示す方位角の測定開始を通知するためのセットアップ信号を生成し、その生成したセットアップ信号をオミニビームパターンBPM0に設定されたアレーアンテナ12を介して端末装置2,4,5,8へ送信する。
その後、方位角測定部1122は、アレーアンテナ12がビームパターンBPM1〜BPM12を順次生成するように制御するための制御信号CTL_BPを生成してアンテナ制御モジュール111へ出力する。
アンテナ制御モジュール111は、操作装置18のルーティングデーモン190から受信したビーム角度データによって示された方向に指向性を有するビームパターンBPM1〜BPM12を生成するための制御電圧セットCLV1〜CLV12を生成してアレーアンテナ12のバラクタダイオード131〜136へ出力する。
そうすると、方位角測定部1122は、方位角の測定を要求するためのRQ信号を生成してアレーアンテナ12へ出力する。これによって、RQ信号は、アレーアンテナ12の指向性が0度の方向、30度の方向、60度の方向、90度の方向、120度の方向、150度の方向、180度の方向、210度の方向、240度の方向、270度の方向、300度の方向および330度の方向に順次切換えられながら、端末装置2,4,5,8へ送信される。
また、方位角測定部1122は、自己が搭載された端末装置1以外の端末装置2,4,5,8からRQ信号をアレーアンテナ12を介して受けると、RQ信号の受信信号強度RSSI_EXを検出し、その検出した受信信号強度RSSI_EXを有線インターフェース116およびケーブル17を介してルーティングデーモン190へ送信する。
図6は、図3に示すルーティングテーブル187の例を示す図である。ルーティングテーブル187は、送信先アドレスと、隣接する端末装置のアドレス(NextHopアドレス)と、ホップ数と、メトリックと、総合メトリック1とからなる。そして、送信先アドレス、NextHopアドレス、ホップ数、メトリックおよび総合メトリック1は、相互に対応付けられている。
送信先アドレスは、送信先の端末装置のIPアドレスおよびMACアドレスを表す。NextHopアドレスは、次にホップする端末装置のIPアドレスおよびMACアドレスを表す。ホップ数は、フレーム(パケット)が当該端末装置から送信先の端末装置まで送信される場合の隣接する2つの端末装置間における無線通信の回数を表わす。
メトリックは、受信信号強度に応じて決定される数値が格納される。そして、メトリックは、受信信号強度が相対的に弱いとき、相対的に大きい数値が格納され、受信信号強度が相対的に強いとき、相対的に小さい数値が格納される。受信信号強度をメトリックへ変換する方法については、後述する。
総合メトリック1は、受信信号強度および端末装置間の距離に基づいて決定された数値が格納される。総合メトリック1を求める方法については、後述する。
図6に示すルーティングテーブル187の例では、第1の経路は、送信元の端末装置を端末装置1とし、送信先の端末装置を端末装置3とする経路であり、端末装置1が送信したフレームを最初に中継する端末が端末装置2であり、端末装置1から送信されたフレームが3回の無線通信(隣接する端末装置間の無線通信を、順次、3回行なうことを意味する)によって端末装置3に届くことを示している。ホップ数が“3”であるからである。そして、メトリックは、“5”であり、総合メトリック1は、“10”である。
また、第2の経路は、送信元の端末装置を端末装置1とし、送信先の端末装置を端末装置3とする経路であり、端末装置1が送信したフレームを最初に中継する端末装置が端末装置4であり、端末装置1から送信されたフレームが3回の無線通信(隣接する端末装置間の無線通信を、順次、3回行なうことを意味する)によって端末装置3に届くことを示している。ホップ数が“3”であるからである。そして、メトリックは“8”であり、総合メトリック1は、“15”である。
更に、第3の経路は、送信元の端末装置を端末装置1とし、送信先の端末装置を端末装置3とする経路であり、端末装置1が送信したフレームを最初に中継する端末装置が端末装置5であり、端末装置1が送信したフレームが3回の無線通信(隣接する端末装置間の無線通信を、順次、3回行なうことを意味する)によって端末装置3に届くことを示している。ホップ数が“3”であるからである。そして、メトリックは“7”であり、総合メトリック1は、“12”である。
更に、第4の経路は、送信元の端末装置を端末装置1とし、送信先の端末装置を端末装置3とする経路であり、端末装置1が送信したフレームを最初に中継する端末装置が端末装置8であり、端末装置1が送信したフレームが2回の無線通信(隣接する端末装置間の無線通信を、順次、2回行なうことを意味する)によって端末装置3に届くことを示している。ホップ数が“2”であるからである。そして、メトリックは“12”であり、総合メトリック1は、“17”である。
他の端末装置から受信した受信信号強度をメトリックに変換する方法について説明する。表2は、受信信号強度とメトリックとの関係を示す。
Figure 2007174368
受信信号強度が−55dBmよりも強いとき、メトリックは、“1”となり、受信信号強度が−65dBm〜−55dBmまでの範囲であるとき、メトリックは、“2”となり、受信信号強度が−75dBm〜−65dBmまでの範囲であるとき、メトリックは、“4”となり、受信信号強度が−85dBm〜−75dBmまでの範囲であるとき、メトリックは、“8”となり、受信信号強度が−85dBmよりも弱いとき、メトリックは、“16”となる。
従って、ルーティングデーモン190は、無線インターフェースモジュール112から受信信号強度を受けると、その受けた受信信号強度に対応するメトリックを表2を参照して検出し、その検出したメトリックを経路情報を送信した端末装置を介する経路のメトリックに加算してルーティングテーブル187を作成する。
具体的に説明する。図7は、図6に示すルーティングテーブル187の作成方法を説明するための図である。端末装置1は、図7の(a)に示す経路情報を含むUpdateパケットUDP1を端末装置2からブロードキャストにより受信し、図7の(b)に示す経路情報を含むUpdateパケットUDP2を端末装置4からブロードキャストにより受信し、図7の(c)に示す経路情報を含むUpdateパケットUDP3を端末装置5からブロードキャストにより受信し、図7の(d)に示す経路情報を含むUpdateパケットUDP4を端末装置8からブロードキャストにより受信する。
この場合、端末装置1において、無線インターフェースモジュール112は、端末装置2からUpdateパケットUDP1を受信したときの受信信号強度RSSI1(=−65dBm〜−55dBm)を検出し、端末装置4からUpdateパケットUDP2を受信したときの受信信号強度RSSI2(=−75dBm〜−65dBm)を検出し、端末装置5からUpdateパケットUDP3を受信したときの受信信号強度RSSI3(=−65dBm〜−55dBm)を検出し、端末装置8からUpdateパケットUDP4を受信したときの受信信号強度RSSI4(=−75dBm〜−65dBm)を検出する。そして、端末装置1の無線インターフェースモジュール112は、その検出した受信信号強度RSSI1,RSSI2,RSSI3,RSSI4を有線インターフェース116およびケーブル17を介して操作装置18のルーティングデーモン190へ出力する。
また、操作装置18のUDPモジュール189は、端末装置2からUpdateパケットUDP1を受信し、端末装置4からUpdateパケットUDP2を受信し、端末装置5からUpdateパケットUDP3を受信し、端末装置8からUpdateパケットUDP4を受信する。そして、UDPモジュール189は、その受信したUpdateパケットUDP1,UDP2,UDP3,UDP4をルーティングデーモン190へ出力する。
そうすると、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP1のIPヘッダから送信元IPアドレスとして端末装置2のIPアドレスおよびMACアドレスを抽出し、UpdateパケットUDP1を端末装置2から受信したことを認識する。また、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP2のIPヘッダから送信元IPアドレスとして端末装置4のIPアドレスおよびMACアドレスを抽出し、UpdateパケットUDP2を端末装置4から受信したことを認識する。更に、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP3のIPヘッダから送信元IPアドレスとして端末装置5のIPアドレスおよびMACアドレスを抽出し、UpdateパケットUDP3を端末装置5から受信したことを認識する。更に、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP4のIPヘッダから送信元IPアドレスとして端末装置8のIPアドレスおよびMACアドレスを抽出し、UpdateパケットUDP4を端末装置8から受信したことを認識する。
そして、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP1の送信先アドレスに格納された“端末装置3のアドレス”(端末装置3のIPアドレスおよびMACアドレスからなる)に基づいて、UpdateパケットUDP1が端末装置3を送信先とする経路情報であることを認識する。同様に、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP2,UDP3,UDP4の送信先アドレスに格納された“端末装置3のアドレス” (端末装置3のIPアドレスおよびMACアドレスからなる)に基づいて、UpdateパケットUDP2,UDP3,UDP4が端末装置3を送信先とする経路情報であることを認識する。
更に、ルーティングデーモン190は、無線インターフェースモジュール112から受けた受信信号強度RSSI1,RSSI3(=−65dBm〜−55dBm)に対応するメトリック(=2)を表2を参照して検出し、無線インターフェースモジュール112から受けた受信信号強度RSSI2,RSSI4(=−75dBm〜−65dBm)に対応するメトリック(=4)を表2を参照して検出する。
そうすると、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP1に基づいて、ルーティングテーブル187の第1行目の経路情報を作成し、UpdateパケットUDP2に基づいて、ルーティングテーブル187の第2行目の経路情報を作成し、UpdateパケットUDP3に基づいて、ルーティングテーブル187の第3行目の経路情報を作成し、UpdateパケットUDP4に基づいて、ルーティングテーブル187の第4行目の経路情報を作成する。
即ち、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP1の送信先アドレスから“端末装置3のアドレス” (端末装置3のIPアドレスおよびMACアドレスからなる)を抽出してルーティングテーブル187の送信先アドレスに格納し、UpdateパケットUDP1を端末装置2から受信したのでルーティングテーブル187のNextHopアドレスに“端末装置2のアドレス” (端末装置2のIPアドレスおよびMACアドレスからなる)を格納する。そして、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP1のホップ数に格納された“2”に“1”を加算して“3”をルーティングテーブル187のホップ数に格納する。
また、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP1のメトリックに格納された“3”を抽出し、受信信号強度RSSI1に対応して検出したメトリック(=2)をメトリック(=3)に加算し、その加算結果“5”をルーティングテーブル187のメトリックに格納する。
これにより、ルーティングテーブル187の第1行目の経路情報が作成される(図7の(e)参照)。
引き続いて、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP2の送信先アドレスから“端末装置3のアドレス” (端末装置3のIPアドレスおよびMACアドレスからなる)を抽出してルーティングテーブル187の送信先アドレスに格納し、UpdateパケットUDP2を端末装置4から受信したのでルーティングテーブル187のNextHopアドレスに“端末装置4のアドレス” (端末装置4のIPアドレスおよびMACアドレスからなる)を格納する。そして、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP2のホップ数に格納された“2”に“1”を加算して加算結果“3”をルーティングテーブル187のホップ数に格納する。また、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP2のメトリックに格納された“4”を抽出し、受信信号強度RSSI2に対応して検出したメトリック(=4)をメトリック(=4)に加算し、その加算結果“8”をルーティングテーブル187のメトリックに格納する。
これにより、ルーティングテーブル187の第2行目の経路情報が作成される(図7の(e)参照)。
以下、同様にして、ルーティングデーモン190は、UpdateパケットUDP3,UDP4に基づいて、ルーティングテーブル187の第3行目の経路情報および第4行目の経路情報を作成してルーティングテーブル187を完成する(図7の(e)参照)。
なお、ルーティングデーモン190は、この段階では、ルーティングテーブル187の総合メトリック1の欄には数値を格納していない。
このように、この発明においては、隣接する端末装置間の無線通信における受信信号強度RSSIをメトリックに変換し、その変換したメトリックを経路の安定度合を示す経路指標として経路情報に含めてルーティングテーブル187を作成する。そして、表2に示すように、受信信号強度RSSIが相対的に強くなれば、メトリックは、相対的に小さくなり、受信信号強度RSSIが相対的に弱くなれば、メトリックは、相対的に大きくなる。従って、メトリックが相対的に小さいことは、経路がより安定していることを意味し、メトリックが相対的に大きいことは、経路がより不安定であることを意味する。
受信信号強度RSSIをメトリックに変換する場合、受信信号強度RSSIを複数の領域(−55dBmよりも強い領域RGE1、−65dBm〜−55dBmの領域RGE2、−75dBm〜−65dBmの領域RGE3、−85dBm〜−75dBmの領域RGE4、−85dBmよりも弱い領域RGE5)に分割し、受信信号強度RSSIが領域RGE1から領域RGE5の方向へ弱くなるに従って、メトリックは、2の累乗に従って大きくなる。即ち、受信信号強度RSSIが直線的に弱くなるに従って、メトリックは、指数関数的に大きくなる。
このように、受信信号強度RSSIが直線的に弱くなるに従って経路指標としてのメトリックを指数関数的に大きくすることによって(即ち、受信信号強度RSSIが直線的に強くなるに従って経路指標としてのメトリックを指数関数的に小さくすることによって)、安定度合がより大きい経路を容易に選択できる。
即ち、受信信号強度RSSIが直線的に弱くなるに従ってメトリックを直線的に大きくした場合、受信信号強度RSSIの違いによるメトリックの差は小さくなる。そして、ルーティングテーブル187においては、端末装置1から端末装置3までの全体の経路におけるメトリック(=各経路のメトリックの加算値)が格納されるので、受信信号強度RSSIが変動しても値が大きく変化しないメトリックを用いた場合には、送信元から送信先までの複数の経路に付与された複数のメトリックに大きな差が生じないことになる。
これに対し、受信信号強度RSSIが直線的に弱くなるに従ってメトリックを指数関数的に大きくした場合、受信信号強度RSSIの変化に対してメトリックが大きく変化するので、メトリックも大きく変化することになり、送信元から送信先までの複数の経路に付与された複数のメトリックに大きな差が生じることになる。
従って、この発明においては、受信信号強度RSSIが直線的に弱くなるに従ってメトリックが指数関数的に大きくなるようにしたものである。
図1に示す他の端末装置2〜8も、上述した端末装置1と同じようにしてルーティングテーブル187を作成する。
図8は、図3に示すアドレス変換テーブル114の例を示す図である。アドレス変換テーブル114は、操作装置18のMACアドレスと、無線LAN端末11のMACアドレスとからなる。そして、アドレス変換テーブル114は、端末装置1〜8の操作装置18のMACアドレスMAC1〜MAC8をそれぞれ端末装置1〜8の無線LAN端末11のMACアドレスMAC11〜MAC81に対応付けて格納する。即ち、アドレス変換テーブル114は、端末装置1〜8に対して、端末装置ごとに操作装置18のMACアドレスを無線LAN端末11のMACアドレスに対応付けて格納する。
このように、端末装置1〜8の各々において、無線LAN端末11は、無線ネットワークシステム10内に存在する全ての端末装置1〜8に対して、操作装置18のMACアドレスと無線LAN端末11のMACアドレスとを対応付けたアドレス変換テーブル114を保持する。
図9は、有線フレームWIRFの構成図である。有線フレームWIRFは、FCS(Frame Control Sequence)11Aと、フレーム本体12Aと、データタイプ(Data Type)13Aと、送信元アドレス(SA:Source Address)14Aと、送信先アドレス(DA:Destination Address)15Aとからなる。
FCS11Aは、4Octetの長さを有する。フレーム本体12Aは、46Octet以上の長さを有し、送信対象であるデータを格納する。データタイプ13A、送信元アドレス(SA)14Aおよび送信先アドレス(DA)15Aは、イーサネット(登録商標)ヘッダを構成し、全体で14Octetの長さを有する。そして、データタイプ13Aは、フレーム本体12Aに格納されるデータの種類を示す。
送信元アドレス(SA)14Aは、送信元の端末装置の操作装置18のMACアドレス(MAC1〜MAC8のいずれか)を格納する。送信先アドレス(DA)15Aは、送信先の端末装置の操作装置18のMACアドレス(MAC1〜MAC8のいずれか)を格納する。
図10は、GPSデータの取得要求信号DGPSの構成を示す概略図である。取得要求信号DGPSは、操作/保守装置メッセージタイプと、データサイズと、メッセージIDと、送信元タスクIDとからなる。
操作/保守装置メッセージタイプは、0xACDE4801からなる。そして、この0xACDE4801は、固定である。データサイズは、0x08からなる。メッセージIDは、“24”からなり、送信元タスクIDは、“11”からなる。
図11は、GPSデータの取得要求信号DGPSに対する応答信号RGPSの構成を示す概略図である。応答信号RGPSは、操作/保守装置メッセージタイプと、データサイズと、メッセージIDと、送信元タスクIDと、GPT1〜GPT10とからなる。
操作/保守装置メッセージタイプは、0xACDE4801からなる。そして、この0xACDE4801は、固定である。データサイズは、0x34Cからなる。メッセージIDは、“25”からなる。送信元タスクIDは、“6”からなる。
図12は、図11に示すGPT1のフォーマットを示す図である。GPT1は、情報有効/無効と、端末MACアドレスと、端末IPアドレスと、GPSデータとからなる。情報有効/無効は、“0”または“1”からなる。“0”は、GPT1が無効であることを表し、“1”は、GPT1が有効であることを表す。
端末MACアドレスは、6バイトのデータ長を有し、経緯度λ,φおよび速度vが測定された端末装置のMACアドレスからなる。端末IPアドレスは、4バイトのデータ長を有し、経緯度λ,φおよび速度vが測定された端末装置のIPアドレスからなる。そして、例えば、IPアドレスが「192.168.0.1」である場合、IPアドレスには、「+06=0xC0,+07=0xA8,+08=0x00,+09=0x01」が格納される。
GPSデータは、52バイトのデータ長を有し、後述するように、端末装置1〜8の経緯度λ,φおよび速度vを含む。
なお、図11に示すGPT2〜GPT10の各々も、図12に示すGPT1の構成と同じ構成からなる。
図13は、図12に示すGPSデータの構成を示す図である。GPSデータは、GPS取得時、受信ステータス、生緯度(度)、生緯度(分)、生緯度(秒)、北緯/南緯を示すキャラクタ、経度(度)、経度(分)、経度(秒)、東経/西経を示すキャラクタ、速度、真方位および前後Gセンサからなる。
GPS取得時は、GPSデータを取得した時刻を表し、YYYY/MM/DD/HH/MM/SSからなる。受信ステータスは、測位中を表す“A”からなる。
生緯度(度)、生緯度(分)および生緯度(秒)は、それぞれ、測位された緯度φの度数線分、分数成分および秒数成分からなる。北緯/南緯を示すキャラクタは、北緯を表す“N”または南緯を表す“S”からなる。
経度(度)、経度(分)および経度(秒)は、それぞれ、測位された経度λの度数線分、分数成分および秒数成分からなる。東経/西経を示すキャラクタは、東経を表す“E”または西経を表す“W”からなる。
速さは、端末装置1〜8の各速さからなり、0〜999.9ノットの範囲の数値が格納される。真方位は、端末装置1〜8の移動方向からなり、0〜359.9度の範囲の数値が格納される。そして、速さおよび真方位は、上述した速度vを構成する。前後Gセンサは、0.000G〜4.000Gの範囲で検出値+2.000Gからなる。
図14は、無線フレームRFFの構成図である。無線フレームRFFは、FCS11Bと、フレーム本体12Bと、PAD13Bと、802.2SNAP14Bと、802.2LLC15Bと、IEEE802.11MACヘッダ16Bとからなる。
FCS11Bは、4Octetの長さを有する。フレーム本体12Bは、各種のデータを格納する。PAD13Bは、2Octetの長さを有し、“0x0000”を格納する。802.2SNAP14Bは、5Octetの長さを有し、“0x000000CAFE”を格納する。802.2LLC15Bは、3Octetの長さを有し、“0xAAAA03”を格納する。なお、802.2SNAP14Bおよび802.2LLC15Bは、論理リンク制御部を構成する。
IEEE802.11MACヘッダ16Bは、送信元の端末装置の無線LAN端末11のMACアドレス(MAC11〜MAC81のいずれか)、および送信先の端末装置の無線LAN端末11のMACアドレス(MAC11〜MAC81のいずれか)等を含む。
図1に示す端末装置1〜8の各々は、上述したように、無線LAN端末11と操作装置18とを含む。そして、各端末装置1〜8がデータを送信する場合、操作装置18は、送信先の端末装置(端末装置1〜8のいずれか)を構成する操作装置18のMACアドレス(MAC1〜MAC8のいずれか)を含む有線フレームWIRFを生成し、その生成した有線フレームWIRFをケーブル17を介して無線LAN端末11へ送信する。
そうすると、無線LAN端末11は、操作装置18から受信した有線フレームWIRFを無線フレームRFFに変換し、その変換した無線フレームRFFをアレーアンテナ12を介して送信先の端末装置を構成する無線LAN端末11へ送信する。
図15は、有線フレームWIRFと無線フレームRFFとの間の変換を示す概念図である。なお、図15は、端末装置1を送信元の端末装置とし、端末装置2を送信先の端末装置とした場合における有線フレームWIRFと無線フレームRFFとの間の変換を示す。
端末装置1の操作装置18は、自己のMACアドレスMAC1を送信元アドレス(SA)14Aに格納し、端末装置2の操作装置18のMACアドレスMAC2を送信先アドレス(DA)15Aに格納し、データをフレーム本体12Aに格納した有線フレームWIRF1を生成し、その生成した有線フレームWIRF1をケーブル17を介して無線LAN端末11へ送信する。
端末装置1の無線LAN端末11は、ケーブル17を介して有線フレームWIRF1を受信すると、有線フレームWIRF1に含まれているMACアドレスMAC2を送信先アドレスとして検出する。そして、端末装置1の無線LAN端末11は、アドレス変換テーブル114を参照してMACアドレスMAC2に対応するMACアドレスMAC21を抽出する。即ち、端末装置1の無線LAN端末11は、MACアドレスMAC2に基づいて、有線フレームWIRF1の送信先である端末装置2の操作装置18に対応して設けられた無線LAN端末11のMACアドレスMAC21をアドレス変換テーブル114を参照して抽出する。
そうすると、端末装置1の無線LAN端末11は、有線フレームWIRF1の[フレーム本体12A/データタイプ13A/送信元アドレス(SA)14A/送信先アドレス(DA)15A]をフレーム本体12Bに格納し、自己のMACアドレスMAC11と、抽出したMACアドレスMAC21とをIEEE802.11MACヘッダ16Bに格納し、更に、FCS11Bを付加した無線フレームRFF1を生成する。
そして、端末装置1の無線LAN端末11は、その生成した無線フレームRFF1をアレーアンテナ12を介して端末装置2の無線LAN端末11へ送信する。この場合、端末装置1のアンテナ制御モジュール111は、上述した方法によって、オムニビームパターンBPM0を放射するようにアレーアンテナ12を制御する。つまり、端末装置1の無線LAN端末11は、オムニビームパターンBPM0によって無線フレームRFF1を端末装置2の無線LAN端末11へ送信する。
端末装置2の無線LAN端末11は、アレーアンテナ12のビームパターンをオムニビームパターンBPM0に設定して無線フレームRFF1を受信し、その受信した無線フレームRFF1のフレーム本体12Bに格納された[フレーム本体12A/データタイプ13A/送信元アドレス(SA)14A/送信先アドレス(DA)15A]を抽出し、その抽出した[フレーム本体12A/データタイプ13A/送信元アドレス(SA)14A/送信先アドレス(DA)15A]にFCS11Aを付加して端末装置1の操作装置18によって生成された有線フレームWIRF1を再現する。
そうすると、端末装置2の無線LAN端末11は、その再現した有線フレームWIRF1をケーブル17を介して操作装置18へ送信する。そして、端末装置2の操作装置18は、端末装置1の操作装置18によって生成された有線フレームWIRF1を受信する。
このように、この発明においては、データを送信先の端末装置2へ送信する場合、送信元の端末装置1において、操作装置18は、送信先の端末装置2を構成する操作装置18のMACアドレスMAC2を宛先MACアドレスとする有線フレームWIRF1を生成してケーブル17を介して無線LAN端末11へ送信し、無線LAN端末11は、送信先の端末装置2を構成する操作装置18に対応して設けられた無線LAN端末11のMACアドレスMAC21をアドレス変換テーブル114を参照して抽出し、その抽出したMACアドレスMAC21を宛先MACアドレスに格納し、操作装置18によって生成された有線フレームWIRF1をフレーム本体12Bに格納して無線フレームRFF1を生成することにより、有線フレームWIRF1を無線フレームRFF1に変換する。
また、送信先の端末装置2において、無線LAN端末11は、無線フレームRFF1から有線フレームWIRF1の[フレーム本体12A/データタイプ13A/送信元アドレス(SA)14A/送信先アドレス(DA)15A]を抽出して有線フレームWIRF1を再現し、操作装置18は、無線LAN端末11によって再現された有線フレームWIRF1を受信する。
このように、送信元の端末装置1の操作装置18は、送信先である端末装置2の操作装置18のMACアドレスMAC1を宛先MACアドレスとして設定した有線フレームWIRF1を生成して無線LAN端末11へ送信すれば、送信元の端末装置1の無線LAN端末11は、送信先である端末装置2の操作装置18に対応する無線LAN端末11のMACアドレスMAC21を宛先MACアドレスとする無線フレームRFF1に有線フレームWIRF1を変換して送信する。
この場合、送信元の端末装置1において、操作装置18は、端末装置1の無線LAN端末11を宛先とする有線フレームを生成するのではなく、送信先の端末装置2の操作装置18を宛先とする有線フレームWIRF1を生成して無線LAN端末11へ送信し、かつ、無線LAN端末11は、有線フレームWIRF1と、送信先の端末装置2を構成する無線LAN端末11のMACアドレスMAC21とを含む無線フレームRFF1を生成して送信するので、端末装置1における操作装置18から無線LAN端末11への有線フレームWIRF1の送信は、“1ホップ”に該当しない。
また、送信先の端末装置2においても、無線LAN端末11は、自己のMACアドレスMAC21を送信元のMACアドレスとして設定した有線フレームを生成するのではなく、端末装置1の操作装置18を送信元とする有線フレームWIRF1を操作装置18へ送信するので、端末装置2における無線LAN端末11から操作装置18への有線フレームWIRF1の送信は、“1ホップ”に該当しない。
従って、送信元である端末装置1の操作装置18から送信先である端末装置2の操作装置18への有線フレームWIRF1の送信は、端末装置1の無線LAN端末11と端末装置2の無線LAN端末11との間における無線フレームRFF1の送信による“1ホップ”からなる。
その結果、端末装置1〜8の各々を操作装置18および無線LAN端末11によって構成した場合にも、各端末装置1〜8は、ホップ数の増加を抑制して、即ち、スループットの低下を抑制してデータを送信先へ送信できる。
また、上述したように、端末装置1〜8の各々において、無線LAN端末11は、無線ネットワークシステム10内に存在する全ての端末装置1〜8に対して、操作装置18のMACアドレスと無線LAN端末11のMACアドレスとを対応付けたアドレス変換テーブル114を保持する。
従って、各端末装置1〜8の無線LAN端末11は、操作装置18から有線フレームWIRF1を受信すると、有線フレームWIRF1に含まれる送信先の端末装置を構成する操作装置18のMACアドレスに対応する無線LAN端末11のMACアドレスを容易に抽出できる。その結果、各端末装置1〜8の無線LAN端末11は、有線フレームWIRF1を無線フレームRFF1に容易に変換できる。
なお、上述したように、有線フレームWIRFを無線フレームRFFに変換して送信するのは、有線フレームWIRFが1つの端末装置を宛先とする場合であり、有線フレームWIRFがブロードキャストアドレスまたはマルチキャストアドレスを含む場合、送信元の端末装置の無線LAN端末11は、操作装置18から受信した有線フレームWIRFをそのままブロードキャストまたはマルチキャストする。
従って、ルーティングテーブル187を作成する際、各端末装置1〜8の操作装置18は、UpdateパケットUDP1,UDP2,UDP3,UDP4をフレーム本体12Aに格納し、かつ、送信先アドレス(DA)15Aにブロードキャストアドレスを格納した有線フレームWIRF2を作成して無線LAN端末11へ送信し、無線LAN端末11は、操作装置18から受信した有線フレームWIRF2の送信先アドレス(DA)15Aにブロードキャストアドレスが格納されていることを検出して有線フレームWIRF2をブロードキャストする。
図16は、端末装置1〜8の経緯度λ,φおよび速度vを送信するときのデータのフォーマットを示す図である。データDAPVは、受信電力1〜12と、GPT1〜8とからなる。受信電力1〜12は、それぞれ、アレーアンテナ12のビームパターンをビームパターンBPM1〜BPM12に設定して送信された電波をオムニビームパターンBPM0で受信したときの受信信号強度からなる。GPT1〜8の各々は、図12に示すGPT1からなる。
各端末装置1〜8の経緯度λ,φおよび速度vは、端末装置1〜8のMACアドレスおよびIPアドレスに対応付けられてGPT1〜GPT8のGPSデータに格納される。そして、GPT1〜GPT8は、受信電力1〜12とともにデータDAPVに格納される。
このデータDAPVは、図9に示す有線フレームWIRFのフレーム本体12Aに格納されて各端末装置1〜8へ送信される。
[方位角の測定手順]
次に、方位角の測定手順について説明する。図17は、方位角を測定する手順を示す説明図である。なお、図17においては、図1に示す端末装置1を基準とし、例えば、端末装置2,4,5,8の方位角を測定する場合について説明する。
最初に、端末装置1の方位角測定部1122がCSMA/CS(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式により、キャリアセンスを行ないながら、第1のセットアップ信号をオムニパターンで端末装置2,4,5,8へ送信することにより、方位角の測定処理の開始を通知する。
次に、端末装置2,4,5,8の方位角測定部1122は、それぞれ、第1のセットアップ信号を受信する。その後、端末装置1の方位角測定部1122は、0度から330度までの30度毎のビームパターンBPM1〜BPM12で12個の第1の要求信号(以下、「RQ1信号」と言う。)を送信する。端末装置2,4,5,8の方位角測定部1122は、端末装置1から送信された12個のRQ1信号をオムニパターンで受信して受信電界強度RSSI1〜RSSI12を検出し、その検出した受信電界強度RSSI1〜RSSI12を有線インターフェース116およびケーブル17を介してルーティングデーモン190へ送信する。
図18は、RQ1信号に対する応答を送信する際のデータを示す概略図である。端末装置2のルーティングデーモン190は、無線インターフェースモジュール112の方位角測定部1122から受信電界強度RSSI1_2〜RSSI12_2を受信すると、受信電界強度RSSI1_2〜RSSI12_2をそれぞれ受信電力1〜12としてデータDAPV_2に格納し、無線インターフェースモジュール112のGPSドライバ部110を介してD−GPS受信機14から受けた経緯度λ_2,φ_2および速度v_2をGPT1に格納してデータDAPV_2を作成する(図18の(a)参照)。このように、端末装置2のルーティングデーモン190は、端末装置2の経緯度λ_2,φ_2および速度v_2をGPT1に格納する。つまり、GPT1は、自端末の経緯度λ_2,φ_2および速度v_2が格納される。
そして、端末装置2のルーティングデーモン190は、データDAPV_2をIPモジュール186へ送信する。IPモジュール186は、ルーティングデーモン190からのデータDAPV_2をフレーム本体12Aに格納し、FCS11A、Data Type13A、送信元アドレス14および送信先アドレス15を付加して有線フレームWIRF_2を作成する。
そして、端末装置2のIPモジュール186は、その作成した有線フレームWIRF_2を無線LAN端末11へ送信し、無線LAN端末11は、有線フレームWIRF_2を上述した方法によって無線フレームRFF_2に変換して端末装置1へ送信する。
また、端末装置4,5,8のルーティングデーモン190は、端末装置2のルーティングデーモン190と同じ方法によってそれぞれデータDAPV_4,DAPV_5,DAPV_8を作成し(図18の(b),(c),(d)参照)、その作成したデータDAPV_4,DAPV_5,DAPV_8をIPモジュール186へ送信する。そして、端末装置4,5,8のIPモジュール186は、端末装置2のIPモジュール186と同じ方法によってそれぞれデータDAPV_4,DAPV_5,DAPV_8を含む有線フレームWIRF_4,WIRF_5,WIRF_8を作成して無線LAN端末11へ送信し、端末装置4,5,8の無線LAN端末11は、それぞれ、有線フレームWIRF_4,WIRF_5,WIRF_8を上述した方法によって無線フレームRFF_4,REF_5,REF_8に変換して端末装置1へ送信する。
これによって、RQ1信号に対する返信信号であるRE信号が端末装置2,4,5,8から端末装置1へ送信される(図17参照)。
端末装置1の無線LAN端末11は、無線フレームRFF_2,RFF_4,RFF_5,REF_8をそれぞれ端末装置2,4,5,8から受信し、その受信した無線フレームRFF_2,RFF_4,RFF_5,REF_8からそれぞれ有線フレームWIRF_2,WIRF_4,WIRF_5,WIRF_8を抽出して操作装置18のルーティングデーモン190へ送信する。
そして、端末装置1のルーティングデーモン190は、有線フレームWIRF_2,WIRF_4,WIRF_5,WIRF_8を無線LAN端末11から受信し、有線フレームWIRF_2,WIRF_4,WIRF_5,WIRF_8からそれぞれデータDAPV_2,DAPV_4,DAPV_5,DAPV_8を抽出する。
その後、端末装置1のルーティングデーモン190は、データDAPV_2から受信信号強度RSSI1_2〜RSSI12_2、経緯度λ_2,φ_2および速度v_2を検出し、その検出した経緯度λ_2,φ_2および速度v_2を記憶する。そして、端末装置1のルーティングデーモン190は、受信信号強度RSSI1_2〜RSSI12_2から最大の受信信号強度(受信信号強度RSSI1_2〜RSSI12_2のいずれか)を検出し、その検出した最大の受信信号強度が得られたときのビームパターン(ビームパターンBPM1〜BPM12のいずれか)の方向を端末装置1に対する端末装置2の存在方向を示す方位角θ1−2として決定する。なお、ルーティングデーモン190は、上述したようにRQ1信号を送信するときのビーム角度データをアンテナ制御モジュール111へ送信するので、受信信号強度RSSI1_2〜RSSI12_2が検出されたときのビーム角度(即ち、ビームパターンBPM1〜BPM12の方向)を認識しているので、方位角θ1−2を容易に決定できる。
端末装置1のルーティングデーモン190は、同様にして、データDAPV_4,DAPV_5,DAPV_8に基づいて、経緯度λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_4,v_5,v_8を記憶するとともに、端末装置1に対する端末装置4,5,8の存在方向を示す方位角θ1−4,θ1−5,θ1−8を決定する。
これによって、方位角を測定する手順が終了する。
端末装置2が自己の回りに存在する端末装置1,4,5,6,7との間で上述した方位角を測定する手順を実行する場合、端末装置1の方位角測定部1122は、アレーアンテナ12のビームパターンをビームパターンBPM1〜BPM12に順次切換えながら端末装置2から送信されたRQ1信号の受信信号強度RSSI1_1〜RSSI12_1を検出し、その検出した受信信号強度RSSI1_1〜RSSI12_1を有線インターフェース116およびケーブル17を介してルーティングデーモン190へ送信する。
図19は、RQ1信号に対する応答を送信する際の他のデータを示す概略図である。端末装置1のルーティングデーモン190は、無線インターフェースモジュール112の方位角測定部1122から受信電界強度RSSI1_1〜RSSI12_1を受信すると、受信電界強度RSSI1_1〜RSSI12_1をそれぞれ受信電力1〜12としてデータDAPV_1に格納し、無線インターフェースモジュール112のGPSドライバ部110を介してD−GPS受信機114から受信した経緯度λ_1,φ_1および速度v_1をGPT1に格納し、記憶しておいた経緯度λ_2,φ_2および速度v_2と、経緯度λ_4,φ_4および速度v_4と、経緯度λ_5,φ_5および速度v_5と、経緯度λ_8,φ_8および速度v_8とをそれぞれGPT2,GPT3,GPT4,GPT5に格納してデータDAPV_1を作成する(図19参照)。
そして、端末装置1のルーティングデーモン190は、データDAPV_1をIPモジュール186へ送信する。端末装置1のIPモジュール186は、ルーティングデーモン190からのデータDAPV_1をフレーム本体12Aに格納し、FCS11A、Data Type13A、送信元アドレス14Aおよび送信先アドレス15Aを付加して有線フレームWIRF_1を作成する。
そして、端末装置1のIPモジュール186は、その作成した有線フレームWIRF_1を無線LAN端末11へ送信し、無線LAN端末11は、有線フレームWIRF_1を上述した方法によって無線フレームRFF_1に変換して端末装置2へ送信する。
端末装置4〜7も、同様にして、RQ1信号に対する応答である無線フレームRFF_4〜RFF_7をそれぞれ作成して端末装置2へ送信する。
上述したように、端末装置1は、自己が周囲の端末装置2,4,5,8に方位角の測定要求(RQ1信号)を送信して端末装置2,4,5,8が存在する方位角を測定した後、端末装置2からの方位角の測定要求に応じて、ビームパターンBPM1〜BPM12によって送信された12個のRQ1信号の受信信号強度RSSI1_1〜RSSI12_1を端末装置2へ送信する際に、端末装置1において測位された経緯度λ_1,φ_1および速度v_1と、既に保持している他の端末装置2,4,5,8の経緯度λ_2,φ_2;λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_2,v_4,v_5,v_8とを受信信号強度RSSI1_1〜RSSI12_1に追加して作成したデータDAPV_1を端末装置2へ送信する。
これによって、端末装置2は、端末装置1の経緯度λ_1,φ_1および速度v_1だけではなく、端末装置4,5,8の経緯度λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_4,v_5,v_8を取得できる。
このように、端末装置1が端末装置2へ送信するデータDAPV_1は、端末装置1の経緯度λ_1,φ_1および速度v_1と、端末装置1以外の端末装置2,4,5,8の経緯度λ_2,φ_2;λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_2,v_4,v_5,v_8とからなる。
従って、端末装置1は、自己が検出した経緯度λ_1,φ_1および速度v_1と、他の端末装置2,4,5,8によって検出され、かつ、自己へ送信された経緯度λ_2,φ_2;λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_2,v_4,v_5,v_8とを端末装置2へ送信する。
端末装置2が自己の回りに存在する端末装置1,4〜7との間で上述した方位角を測定する手順を実行した後に、端末装置7が自己の回りに存在する端末装置2〜6との間で上述した方位角を測定する手順を実行する場合、端末装置2は、アレーアンテナ12のビームパターンをビームパターンBPM1〜BPM12に順次切換えながら端末装置7から送信されたRQ1信号の受信信号強度RSSI1_2’〜RSSI12_2’を検出するとともに、自己の経緯度λ_2’および速度v_2’を検出する。
そして、端末装置2は、受信信号強度RSSI1_2’〜RSSI12_2’を受信電力1〜12として含み、自己が検出した経緯度λ_2’ ,φ_2’および速度v_2’をGPT1に格納し、更に、端末装置1から受信した経緯度λ_1,φ_1および速度v_1と、経緯度λ_4,φ_4および速度v_4と、経緯度λ_5,φ_5および速度v_5と、経緯度λ_8,φ_8および速度v_8とをそれぞれGPT2,GPT3,GPT4,GPT5に格納したデータDAPV_2’を作成する。
そうすると、端末装置2は、データDAPV_2’をフレーム本体12Aに格納して有線フレームWIRF_2’を作成し、その作成した有線フレームWIRF_2’を無線フレームRFF_2’に変換して端末装置7へ送信する。
従って、端末装置2は、自己が検出した経緯度λ_2’ ,φ_2’および速度v_2’と、端末装置1によって検出された経緯度λ_1,φ_1および速度v_1と、端末装置1以外の端末装置4,5,8によって検出され、かつ、端末装置1へ送信された経緯度λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_4,v_5,v_8とを端末装置7へ送信する。
なお、端末装置2が端末装置7へデータDAPV_2’を送信する場合、経緯度λ_1,φ_1;λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8と、速度v_1,v_4,v_5,v_8とを周囲の端末装置1,4,5から受信していなければ、自己が検出した受信信号強度RSSI1_2’〜RSSI12_2’、経緯度λ_2’ ,φ_2’および速度v_2’を端末装置7へ送信すればよい。上記の説明においては、端末装置2が端末装置7へ受信信号強度RSSI1_2’〜RSSI12_2’を送信する際に、端末装置1から経緯度λ_1,φ_1;λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_1,v_4,v_5,v_8を受信していたので、受信信号強度RSSI1_2’〜RSSI12_2’とともに経緯度λ_1,φ_1;λ_4,φ_4;λ_5,φ_5;λ_8,φ_8および速度v_1,v_4,v_5,v_8を端末装置7へ送信することにしたものである。
上記の説明から明らかなように、上述した方位角の測定を無線ネットワークシステム10内で繰り返し行なうことによって、端末装置1〜8の各々は、無線ネットワークシステム10を構成する端末装置1〜8の全体の経緯度λ_1〜λ_8,φ_1〜φ_8および速度v_1〜v_8を取得できる。
そして、端末装置1〜8の各々において、ルーティングデーモン190は、取得した経緯度λ_1〜λ_8,φ_1〜φ_8を式(1)に代入して端末装置1〜8の位置[x1,y1]〜[x8,y8]を求める。その結果、端末装置1〜8の各々は、無線ネットワークシステム10を構成する端末装置1〜8の全体の位置[x1,y1]〜[x8,y8]および速度v_1〜v_8を取得できる。
図20は、端末情報テーブルTIFの構成図である。端末情報テーブルTIFは、端末装置1〜8の位置、速さおよび方向を端末装置1〜8に対応付けた構成からなる。
図20に示す例では、端末装置1〜8は、それぞれ、位置[x1,y1]〜[x8,y8]に存在する。そして、端末装置3は、停止しているため、端末装置3に対応する速さおよび方向の欄には、“―――”が格納される。従って、この発明においては、速度は、端末装置1〜8が動いている場合と、端末装置1〜8が停止している場合との両方を含む概念である。
また、端末装置1,2,4〜8に対応する速さの欄には、それぞれ、速さv1,v2,v4〜v8が格納され、端末装置1,2,4〜8に対応する方向の欄には、それぞれ、図20に示す矢印が格納される。そして、端末情報テーブルTIFの速さおよび方向は、速度v_1〜v_8に基づいて決定されたものである。
従って、端末装置1〜8の各々において、ルーティングデーモン190は、取得した端末装置1〜8の位置[x1,y1]〜[x8,y8]および速度v_1〜v_8に基づいて、端末情報テーブルTIFを作成する。
このように、無線ネットワークシステム10内の各端末装置1〜8は、無線ネットワークシステム10内の全ての端末装置1〜8の位置[x1,y1]〜[x8,y8]および速度v_1〜v_8からなる端末情報テーブルTIFを保持する。
この発明においては、各端末装置1〜8は、自己が保持する端末情報テーブルTIFに基づいてルーティングテーブル187を作成し、その作成したルーティングテーブル187に基づいて送信先までの経路を決定する。なお、以下においては、送信元である端末装置1が送信先である端末装置3へフレームを送信する際の経路を決定する場合について説明する。
[経路決定方法1]
図21は、送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための概念図である。領域RREG1は、受信信号強度RSSIに基づいて決定されるメトリックが“2”である領域であり、領域RREG2は、受信信号強度RSSIに基づいて決定されるメトリックが“4”である領域である。
従って、端末装置2,5は、端末装置1に対してメトリックが“2”である領域に存在し、端末装置4,8は、端末装置1に対してメトリックが“4”である領域に存在している。
端末装置1のルールティングデーモン190は、フレームを端末装置3へ送信する場合、2つの端末装置間の距離を考慮した総合メトリック1を演算してルーティングテーブル187を完成する。
まず、端末装置1のルーティングデーモン190は、端末装置1,2,4,5,8の位置[x1,y1],[x2,y2],[x4,y4],[x5,y5],[x8,y8]に基づいて、端末装置1と端末装置2,4,5,8との間の距離n1,n2,n3,n4を演算する。
また、端末装置1のルーティングデーモン190は、端末装置2,3,4,5,8の位置[x2,y2],[x3,y3],[x4,y4],[x5,y5],[x8,y8]に基づいて、端末装置2,4,5,8と端末装置3との距離D1,D2,D3,D4を演算する。この場合、端末装置1のルーティングデーモン190は、端末装置2,4,5と端末装置3との間に端末装置6,7が存在していても、端末装置2,4,5と端末装置3との直線距離D1〜D3を演算する。
そうすると、端末装置1のルーティングデーモン190は、次式によって総合メトリック1(=TMtr)を演算する。
TMtr1j=α×Mtr1j+β×(n+D)・・・(2)
但し、jは、端末装置1に隣接する端末装置の個数であり、Mtr1jは、受信信号強度RSSIに基づいて決定されたメトリック(表2参照)である。また、αは、例えば、“1”であり、βは、例えば、“1/10”である。
図22は、ルーティングテーブル187の他の例を示す図である。端末装置1のルーティングデーモン190は、演算した距離n1〜n4,D1〜D4を式(2)に順次代入して、それぞれ、端末装置2,4,5,8を経由する経路の総合メトリック1(=TMtr1j)を演算する。
端末装置1と端末装置2との距離n1が10mであり、端末装置2と端末装置3との距離D1が40mであるとすると、端末装置2を経由する経路の総合メトリック1(=TMtr11)は、式(2)より、1×5+(10+40)/10=10となる。
端末装置1のルーティングデーモン190は、同様にして、端末装置4,5,8を経由する経路の総合メトリック1(=TMtr12,TMtr13,TMtr14)をそれぞれ“15”,“12”,“17”と演算する。
そうすると、端末装置1のルーティングデーモン190は、演算した“10”,“15”,“12”,“17”をルーティングテーブル187Aの総合メトリック1(=TMtr)に格納してルーティングテーブル187Bを作成し、ルーティングテーブル187を完成する(図22の(a)→(b)参照)。
ルーティングテーブル187が完成すると、端末装置1のIPモジュール186は、上述した方法によって、有線フレームWIRF_1を作成するとともに、完成したルーティングテーブル187B(図22の(b)参照)に基づいて、総合メトリック1(=TMtr)が最小である経路を端末装置1から端末装置3までの経路と決定し、その決定した経路に沿って有線フレームWIRF_1を送信する。
図22に示すルーティングテーブル187Bの場合、端末装置1のIPモジュール186は、端末装置2を経由する経路を端末装置1から端末装置3までの経路と決定する。
端末装置2〜8のルーティングデーモン190は、端末装置1のルーティングデーモン190と同じ方法によって、総合メトリック1(=TMtr)を含むルーティングテーブル187を完成し、端末装置2〜8のIPモジュール186は、総合メトリック1(=TMtr)が最小である経路を送信先までの経路として決定する。
このように、経路決定方法1においては、端末装置間の受信信号強度RSSIに基づいて決定されたメトリックMtrに端末装置間の距離を追加して決定した総合メトリック1(=TMtr)に基づいて、送信先までの経路を決定することを特徴とする。
図23は、送信先までの経路を決定する動作を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、無線ネットワークシステム10内の端末装置1は、上述した方法によって、他の端末装置の経緯度および速度を取得する(ステップS1)。
そして、端末装置1は、取得した経緯度に基づいて、無線ネットワークシステム10内の全ての端末装置1〜8の位置[x1,y1]〜[x8,y8]を上述した方法によって演算する(ステップS2)。
そうすると、端末装置1は、自己に隣接する端末装置2,4,5,8との距離n1,n2,n3,n4を演算し(ステップS3)、端末装置2,4,5,8と端末装置3との距離D1,D2,D3,D4を演算する(ステップS4)。
そして、端末装置1は、距離n1+D1,n2+D2,n3+D3,n4+D4を演算し、その演算した距離n1+D1,n2+D2,n3+D3,n4+D4を反映したルーティングテーブル187を上述した方法によって作成する(ステップS5)。
その後、端末装置1は、作成したルーティングテーブル187において、総合メトリック1(=TMtr)が最小である経路を送信先までの経路として決定する(ステップS6)。これによって一連の動作が終了する。
このように、受信信号強度RSSIに基づいて決定されたメトリックMtrに端末装置間の距離のファクターを追加して総合メトリック1(=TMtr)を求めることによって、受信信号強度RSSIが単に強いだけの経路を排除して送信先までの経路を決定できる。
即ち、受信信号強度RSSIは、2つの端末装置間の距離によって変化するが、マルチパスおよび障害物等の電波環境に大きく左右される。従って、受信信号強度RSSIが強くても、それは、マルチパスによって複数の電波が重畳されて受信信号強度が強くなっているのかも知れず、受信信号強度が強いからと言って、電波環境が良い経路ではない。マルチパスの場合、複数の電波の重畳によって受信信号強度RSSIがバースト的に弱くなることにより通信不能になるが、一方、受信信号強度RSSIが強くなることもあるからである。
これに対し、受信信号強度RSSIが強く、かつ、端末装置間の距離が短い経路は、通信品質が高く、かつ、電波を安定して送受信できる経路である。従って、受信信号強度RSSIに基づいて決定されたメトリックMtrに端末装置間の距離のファクターを追加して総合メトリック1(=TMtr)を求めることによって、通信品質が相対的に高く、かつ、安定度合が相対的に高い経路が送信先までの経路として決定される。その結果、安定した無線通信が可能であり、無線通信のスループットを安定して高くできる。
[経路決定方法2]
経路決定方法2においては、メトリックMtrが用いられ、メトリックMtrは、受信信号強度RSSIを表3に従って変換した値からなる。
Figure 2007174368
即ち、受信信号強度RSSIが−45dBmよりも強い場合、メトリックMtrは、“2”であり、受信信号強度RSSIが−55dBm〜−45dBmの範囲である場合、メトリックMtrは、“1”であり、受信信号強度RSSIが−65dBm〜−55dBmの範囲である場合、メトリックMtrは、“2”である。また、受信信号強度RSSIが−75dBm〜−65dBmの範囲である場合、メトリックMtrは、“4”であり、受信信号強度RSSIが−85dBm〜−75dBmの範囲である場合、メトリックMtrは、“8”であり、受信信号強度RSSIが−85dBm未満である場合、メトリックMtrは、“16”である。
表3に従ってメトリックMtrを決定する場合、受信信号強度RSSIが−45dBm以上と最も強い場合、受信信号強度RSSIが−55〜−45dBmの範囲である場合よりも大きな数値が割当てられる。これは、受信信号強度RSSIが最も強い端末装置を経由する経路だけが選択されるのを防止するためである。
図24は、送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための他の概念図である。領域RREG3は、受信信号強度RSSIに基づいて決定されるメトリックMtrが“2”である領域であり、領域RREG4は、受信信号強度RSSIに基づいて決定されるメトリックMtrが“1”である領域であり、領域RREG5は、受信信号強度RSSIに基づいて決定されるメトリックMtrが“2”である領域である。
従って、端末装置2は、端末装置1に対してメトリックが“1”である領域RREG4に存在し、端末装置4,5,8は、端末装置1に対してメトリックが“2”である領域RREG3,RREG5に存在している。
経路決定方法2によって送信先までの経路を決定する場合、端末装置1のルーティングデーモン190は、上述した距離n1,n2,n3,n4および距離D1,D2,D3,D4を演算し、次式によって総合メトリックTMtr2jを演算する。
TMtr2j=α×Mtr2j+β×(n+D)・・・(3)
式(2),(3)を比較すれば明らかなように、経路決定方法2は、経路決定方法1のメトリックMtr1jをメトリックMtr2jに代えたものである。従って、経路決定方法2において経路を決定する動作は、図23に示すフローチャートに従って行なわれる。
このように、経路決定方法2は、受信信号強度RSSIを表3に従って変換したメトリックMtr2jに距離n+Dを追加して総合メトリックTMtr2jを求め、その求めた総合メトリックTMtr2jを格納してルーティングテーブル187を完成し、更に、その完成したルーティングテーブル187の総合メトリックTMtr2jが最小である経路を送信先までの経路として決定する。
従って、経路決定方法2によって決定した経路を用いて無線通信を行なうことによって、無線通信のスループットを安定して高くできる。
[経路決定方法3]
上述したように、無線ネットワークシステム10内の各端末装置1〜8は、全ての端末装置1〜8の位置[x1,y1]〜[x8,y8]および速度v_1〜v_8を含む端末情報テーブルTIFを作成して保持している。
従って、経路決定方法3においては、各端末装置1〜8の速度v_1〜v_8も考慮して総合メトリック3(=TMtr)を求める。
図25は、送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための更に他の概念図である。図25における端末装置1,2,4,5,8の配置位置は、図21に示す場合と同じである。そして、端末装置1,2,4,5,8は、それぞれ、速さv1,v2,v4,v5,v8で矢印の方向へ移動している。
送信元である端末装置1のルーティングデーモン190は、経路決定方法1において説明した方法によって、距離n1,n2,n3,n4および距離D1,D2,D3,D4を演算する。
また、送信元である端末装置1のルーティングデーモン190は、自己の速度v_1(速さv1および方向からなる)に対する端末装置2,4,5,8の相対速度v12,v14,v15,v18を演算する。たとえば、速度v_1と速度v_2との成す角度がθであれば、端末装置1のルーティングデーモン190は、v12=v_1−v_2cosθによって相対速度v12を演算する。端末装置1のルーティングデーモン190は、同様にして、相対速度v14,v15,v18を演算する。
端末装置1のルーティングデーモン190は、角度θを次の方法によって決定する。GPSデータは、各端末装置1〜8が移動している方向である真方位(単位:度)を含むため、端末装置1のルーティングデーモン190は、端末装置1のD−GPS受信機14が検出したGPSデータに含まれる真方位(速度v_1の方向)と、隣接する端末装置2から受信したデータDAPV_2に含まれる真方位(速度v_2の方向)とを抽出し、その抽出した真方位(速度v_1の方向)と真方位(速度v_2の方向)との差を演算することによって角度θを検出する。
端末装置1のルーティングデーモン190は、距離n1,n2,n3,n4,D1,D2,D3,D4および相対速度v12,v14,v15,v18を演算すると、その演算した距離n1,n2,n3,n4,D1,D2,D3,D4および相対速度v12,v14,v15,v18を次式に順次代入して総合メトリック3(=TMtr3j)を演算する。
TMtr3j=α×Mtr1j+β×(n+D)+γ×(v−vcosθij)・・・(4)
式(4)において、vは、経路を決定する端末装置の速度を表し、vは、速度vを有する端末装置に隣接する端末装置の速度を表し、θijは、速度vと速度vとの間の成す角度である。また、γは、例えば、1/5に設定される。更に、端末装置1のルーティングデーモン190は、端末装置1のD−GPS受信機14が検出したGPSデータに含まれる真方位(速度v_1の方向)と、隣接する端末装置2,4,5,8から受信したデータDAPV_2,DAPV_4,DAPV_5,DAPV_8に含まれる真方位(速度v_2,v_4,v_5,v_8の方向)とを抽出し、その抽出した真方位(速度v_1の方向)と真方位(速度v_2,v_4,v_5,v_8の方向)との差を演算することによって角度θijを検出する。
図26は、ルーティングテーブル187の更に他の例を示す図である。端末装置1のルーティングデーモン190は、演算した距離n1〜n4,D1〜D4および相対速度v12,v14,v15,v18を式(4)に順次代入して、それぞれ、端末装置2,4,5,8を経由する経路の総合メトリック3(=TMtr)を演算する。
端末装置1と端末装置2との距離n1が10mであり、端末装置2と端末装置3との距離D1が40mであり、端末装置1の速度v_1と端末装置2の速度v_2との相対速度v12=v_1−v_2cosθ12が5m/sであるとすると、端末装置2を経由する経路の総合メトリック3(=TMtr31)は、式(4)より、1×5+(10+40)/10+5×1/5=11となる。
端末装置1のルーティングデーモン190は、同様にして、端末装置4,5,8を経由する経路の総合メトリック3(=TMtr32,TMtr33,TMtr33)をそれぞれ“15.8”,“15”,“19”と演算する。
そうすると、端末装置1のルーティングデーモン190は、演算した“11”,“15.8”,“15”,“19”をルーティングテーブル187Cの総合メトリック3(=TMtr)に格納してルーティングテーブル187Dを作成し(図26の(a)→(b)参照)、ルーティングテーブル187を完成する。
ルーティングテーブル187が完成すると、端末装置1のIPモジュール186は、上述した方法によって、有線フレームWIRF_1を作成するとともに、完成したルーティングテーブル187D(図26の(b)参照)に基づいて、総合メトリック3(=TMtr)が最小である経路を端末装置1から端末装置3までの経路と決定し、その決定した経路に沿って有線フレームWIRF_1を送信する。
図26に示すルーティングテーブル187の場合、端末装置1のIPモジュール186は、端末装置2を経由する経路を端末装置1から端末装置3までの経路と決定する。
端末装置2〜8のルーティングデーモン190は、端末装置1のルーティングデーモン190と同じ方法によって、総合メトリック3(=TMtr)を含むルーティングテーブル187を完成し、端末装置2〜8のIPモジュール186は、総合メトリック3(=TMtr)が最小である経路を送信先までの経路として決定する。
このように、経路決定方法3においては、端末装置間の受信信号強度RSSIに基づいて決定されたメトリックMtrに端末装置間の距離および端末装置間の相対速度を追加して決定した総合メトリック3(=TMtr)に基づいて、送信先までの経路を決定することを特徴とする。
この特徴によって、端末装置1は、自己との距離が短く、かつ、自己と同じ方向に移動している度合いが強い端末装置を経由する経路を送信先までの経路として決定できる。
図27は、送信先までの経路を決定する動作を説明するための他のフローチャートである。図27に示すフローチャートは、図22に示すフローチャートのステップS6をステップS7〜S9に代えたものであり、その他は、図23に示すフローチャートと同じである。
一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜S5が順次実行される。そして、ステップS5が終了すると、端末装置1は、端末情報テーブルTIFに格納された端末装置1,2,4,5,8の速度v_1,v_2,v_4,v_5,v_8に基づいて、上述した方法によって相対速度v12,v14,v15,v18を演算する(ステップS7)。
その後、端末装置1は、距離n1+D1,n2+D2,n3+D3,n4+D4および相対速度v12,v14,v15,v18を反映したルーティングテーブル187を上述した方法によって作成する(ステップS8)。
そして、端末装置1は、その作成したルーティングテーブル187において、総合メトリック3(=TMtr)が最小である経路を送信先までの経路として決定する(ステップS9)。これによって一連の動作が終了する。
上述したように、経路決定方法3においては、受信信号強度RSSIに基づいて決定されるメトリックMtrに端末装置間の距離および相対速度を追加して総合メトリック3(=TMtr)を求め、その求めた総合メトリック3(=TMtr)が最小になる経路を送信先までの経路として決定する。
総合メトリック3(=TMtr)は、受信信号強度RSSIが強い程、小さくなり、距離が短い程、小さくなり、相対速度が小さい程、小さくなる。
相対速度v12,v14,v15,v18は、端末装置1の速度に対する端末装置2,4,5,8の速度を表す。従って、端末装置2,4,5,8が端末装置1と同じ速度で移動している場合、相対速度v12,v14,v15,v18は、最小(零)になり、端末装置2,4,5,8が端末装置1と反対方向へ移動している場合、最大になる。
端末装置2,5は、メトリックMtrが“2”である領域RREG1に存在し、端末装置1→端末装置2→端末装置3からなる経路の距離n1+D1と、端末装置1→端末装置5→端末装置3からなる経路の距離n3+D3とは、同程度であるので、受信信号強度RSSIと距離(n1+D1等)とを用いて求めた総合メトリック1(=TMtr)は、端末装置1→端末装置2→端末装置3からなる経路と、端末装置1→端末装置5→端末装置3からなる経路との間では、大きく変わらない(図22の(b)参照)。
しかし、端末装置2は、端末装置1の移動方向に近い方向へ移動し、端末装置5は、端末装置1の移動方向と略反対方向に移動しているので(図25参照)、相対速度を考慮して求めた総合メトリック3(=TMtr)は、端末装置1の移動方向に近い方向に移動している端末装置2を経由する端末装置1→端末装置2→端末装置3からなる経路の方が、端末装置1の移動方向と略反対方向に移動している端末装置5を経由する端末装置1→端末装置5→端末装置3からなる経路よりも小さい(図26の(b)参照)。
従って、従って、受信信号強度RSSIに基づいて決定されたメトリックMtrに端末装置間の距離および相対速度のファクターを追加して総合メトリック3(=TMtr)を求めることによって、通信品質が相対的に高く、かつ、安定度合が相対的に高い経路が送信先までの経路として決定される。
その結果、経路決定方法3を用いることによって、無線ネットワークシステム10内の端末装置1〜8が移動している場合にも、安定した無線通信が可能であり、無線通信のスループットを安定して高くできる。
[経路決定方法4]
経路決定方法2においては、受信信号強度RSSIを表3に従って変換した値からなるメトリックMtrが用いられる。
図28は、送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための更に他の概念図である。経路決定方法4によって送信先までの経路を決定する場合、端末装置1のルーティングデーモン190は、上述した距離n1+D1,n2+D2,n3+D3,n4+D4および相対速度v12,v14,v15,v18を演算し、次式によって総合メトリックTMtrを演算する。
TMtr4j=α×Mtr2j+β×(n+D)+γ×(v−vcosθij)・・・(5)
式(4),(5)を比較すれば明らかなように、経路決定方法4は、経路決定方法3のメトリックMtrをメトリックMtrに代えたものである。従って、経路決定方法4において経路を決定する動作は、図27に示すフローチャートに従って行なわれる。その結果、経路決定方法4を用いた場合も、経路決定方法3を用いた場合と同様に、スループットを安定して高くできる経路を決定できる。
上述したように、この発明においては、受信信号強度RSSIに基づいて決定されたメトリックMtr(またはメトリックMtr)に、端末装置間の距離(または端末装置間の距離および端末装置間の相対速度)を追加して総合メトリック(=総合メトリック1TMtr〜総合メトリック4TMtr)を求め、その求めた総合メトリックが最小となる経路を送信先までの経路として決定する。
なお、この発明においては、受信信号強度RSSIに代えてフレームエラー率FERを用いてメトリックMtrを求めてもよい。図29は、フレームエラー率FERを演算する方法を説明するための概念図である。端末装置Aは、タイミングt1で通信要求パケットRTSを端末装置Bへ送信するとともに、通信要求パケットRTSの送信と同時に一定時間CTS_timerを設定し、かつ、通信回数TransmitCntを“1”だけインクリメントする。そして、端末装置Bは、端末装置Aからの通信要求パケットRTSをタイミングt2で受信するとともに、通信要求パケットRTSに対する通信許可パケットCTSをタイミングt3で端末装置Aへ送信する。そうすると、端末装置Aは、端末装置Bからの通信許可パケットCTSをタイミングt4で受信する。
端末装置Aは、通信許可パケットCTSを端末装置Bから一定時間CTS_timer内に受信したとき、通信誤り数FailCntをカウントせず、端末装置Bからの通信許可パケットCTSを一定時間CTS_timer内に受信しなかったとき、通信誤り数FailCntを“1”だけインクリメントする。
端末装置Aは、通信許可パケットCTSを端末装置Bから一定時間CTS_timer内に受信したとき、タイミングt5でデータDATAを端末装置Bへ送信するとともに、データDATAの送信と同時に一定時間ACK_timerを設定し、かつ、通信回数TransmitCntを“1”だけインクリメントする。そして、端末装置Bは、端末装置AからのデータDATAをタイミングt6で受信するとともに、データDATAに対する確認応答パケットACKをタイミングt7で端末装置Aへ送信する。そうすると、端末装置Aは、端末装置Bからの確認応答パケットACKをタイミングt8で受信する。
端末装置Aは、確認応答パケットACKを端末装置Bから一定時間ACK_timer内に受信したとき、通信誤り数FailCntをカウントせず、端末装置Bからの確認応答パケットACKを一定時間ACK_timer内に受信しなかったとき、通信誤り数FailCntを“1”だけインクリメントする。
端末装置Aは、通信許可パケットCTSを端末装置Bから一定時間CTS_timer内に受信しないとき、再度、通信要求パケットRTSの送信から開始し、通信回数TransmitCntおよび通信誤り数FailCntをカウントする。
端末装置Aは、通信要求パケットRTSに対するCTSパケットの受信、およびデータDATAに対する確認応答パケットACKの受信を所定回数だけ繰り返し行ない、通信回数TransmitCntが所定回数に達すると、次式によりフレームエラー率FERを演算する。
FER=FailCnt/TransmitCnt・・・(6)
端末装置1〜8の各々は、端末装置Aと同じ動作によって通信回数TransmitCntおよび通信誤り数FailCntをカウントし、そのカウントした通信回数TransmitCntおよび通信誤り数FailCntを用いて式(6)によってフレームエラー率FERを演算する。
この場合、各端末装置1〜8のMACモジュール113は、通信要求パケットRTSまたはデータDATAの送信と同時に時間をタイマー(図示せず)によって計測する。
端末装置1〜8の各々において、MACモジュール113は、上述した方法によってフレームエラー率FERを演算し、その演算したフレームエラー率FERを有線インターフェース116およびケーブル17を介して操作装置18へ送信する。
そして、端末装置1〜8の各々において、ルーティングデーモン190は、MACモジュール113からフレームエラー率FERを受信し、その受信したフレームエラー率FERを表4を参照してメトリックMtrに変換する。
Figure 2007174368
フレームエラー率FERが0.1よりも低いとき、メトリックMtrは、“1”となり、フレームエラー率FERが0.1≦FER<0.2の範囲であるとき、メトリックMtrは、“2”となり、フレームエラー率FERが0.2≦FER<0.3の範囲であるとき、メトリックMtrは、“3”となり、フレームエラー率FERが0.3≦FER<0.4の範囲であるとき、メトリックMtrは、“4”となり、フレームエラー率FERが0.4≦FER<0.5の範囲であるとき、メトリックMtrは、“5”となり、フレームエラー率FERが0.5以上であるとき、メトリックMtrは、“6”となる。
従って、端末装置1〜8の各々において、ルーティングデーモン190は、MACモジュール113からフレームエラー率FERを受けると、その受けたフレームエラー率FERに対応するメトリックMtrを表4を参照して検出し、その検出したメトリックMtrを格納してルーティングテーブル187を作成する。
このように、メトリックMtrは、フレームエラー率FERが相対的に低いとき、相対的に小さい数値が格納され、フレームエラー率FERが相対的に高いとき、相対的に大きい数値が格納される。
なお、フレームエラー率FERは、表5に従ってメトリックMtrに変換されてもよい。
Figure 2007174368
フレームエラー率FERが0.1よりも低いとき、メトリックMtrは、“1”となり、フレームエラー率FERが0.1≦FER<0.2の範囲であるとき、メトリックMtrは、“2”となり、フレームエラー率FERが0.2≦FER<0.3の範囲であるとき、メトリックMtrは、“4”となり、フレームエラー率FERが0.3≦FER<0.4の範囲であるとき、メトリックMtrは、“8”となり、フレームエラー率FERが0.4≦FER<0.5の範囲であるとき、メトリックMtrは、“16”となり、フレームエラー率FERが0.5以上であるとき、メトリックMtrは、“32”となる。
従って、表5に従えば、フレームエラー率FERが直線的に高くなるに従って、メトリックMtrは、2の累乗によって大きくなる。即ち、フレームエラー率FERが直線的に高くなるに従って、メトリックMtrは、指数関数的に大きくなる。
このように、フレームエラー率FERが直線的に高くなるに従って経路安定指標としてのメトリックMtrを指数関数的に大きくすることによって(即ち、フレームエラー率FERが直線的に低くなるに従って経路安定指標としてのメトリックMtrを指数関数的に小さくすることによって)、安定度合がより大きい経路を容易に選択できる。その理由は、受信信号強度RSSIが直線的に変化するに従ってメトリックMtrが指数関数的に変化するように受信信号強度RSSIをメトリックMtrに変換する場合の理由と同じである。
上記においては、フレームエラー率FERを演算し、その演算したフレームエラー率FERを表4または表5に従ってメトリックMtrに変換すると説明したが、この発明においては、これに限らず、フレームエラー率FERに代えてパケットエラー率PER(Packet Error Ratio)、信号対ノイズ比SNR(Signal to Noise Ratio)、信号電力、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比のいずれかを用いてもよい。
パケットエラー率PERは、送受信されるパケットの総数に対するCRC(Cyclic Redundancy Check)エラーが生じたパケットの個数の比によって表される。従って、パケットエラー率PERは、MACモジュール113によって演算され、MACモジュール113によってルーティングデーモン190へ送信される。
また、信号対ノイズ比SNRは、信号強度に対するノイズ強度の比によって表される。従って、信号対ノイズ比SNRは、無線インターフェースモジュール112によって演算され、無線インターフェースモジュール112によってルーティングデーモン190へ送信される。
更に、信号電力は、受信した信号の電力を表す。従って、信号電力は、無線インターフェースモジュール112によって検出され、無線インターフェースモジュール112によってルーティングデーモン190へ送信される。
更に、ビット誤り率は、復調したビットの誤り率を表す。従って、ビット誤り率は、無線インターフェースモジュール112によって検出され、無線インターフェースモジュール112によってルーティングデーモン190へ送信される。
更に、搬送波信号対雑音比は、搬送波信号に対する雑音の比を表す。従って、搬送波信号対雑音比は、無線インターフェースモジュール112によって検出され、無線インターフェースモジュール112によってルーティングデーモン190へ送信される。
更に、信号に対する干渉雑音を含む雑音比は、[干渉雑音を含む雑音]/信号強度を表す。従って、信号に対する干渉雑音を含む雑音比は、無線インターフェースモジュール112によって検出され、無線インターフェースモジュール112によってルーティングデーモン190へ送信される。
そして、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、信号電力、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々は、表4または表5に従ってメトリックMtrに変換される。
各端末装置1〜8において、ルーティングデーモン190は、フレームエラー率FERおよびパケットエラー率PER等を用いて決定されたメトリックMtrをメトリックMtrまたはMtrに代えて式(2)〜式(5)に代入し、総合メトリック1(=TMtr)〜総合メトリック4(=TMtr)を求めてルーティングテーブル187を完成する。
なお、上記においては、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々は、表4または表5に従ってメトリックMtrに変換されると説明したが、この発明においては、これに限らず、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々は、受信信号強度RSSIと同じように、表3に従ってメトリックMtrに変換されてもよい。
また、この発明においては、受信信号強度RSSIが−55dBm〜−45dBmの範囲である場合、メトリックMtrが“1”となり、受信信号強度RSSIが−55dBm〜−45dBmの範囲以外の範囲である場合、メトリックMtrが“2”となるように受信信号強度RSSIをメトリックMtrに変換してもよく、一般的には、受信信号強度RSSIが−55dBm〜−45dBmの範囲である場合、メトリックMtrが“最小値”となり、受信信号強度RSSIが−55dBm〜−45dBmの範囲以外の範囲である場合、メトリックMtrが“最小値よりも大きい値”になるように受信信号強度RSSIをメトリックMtrに変換してもよい。
この場合、受信信号強度RSSIの−55dBm〜−45dBmの範囲は、「好適な範囲」を構成する。
更に、この発明においては、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々において、好適な範囲を設定し、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々が好適な範囲である場合、メトリックMtrが“最小値”となり、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々が好適な範囲以外の範囲である場合、メトリックMtrが“最小値よりも大きい値”になるように、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々をメトリックMtrに変換してもよい。
上述したように、メトリックMtr,Mtr,Mtrは、受信信号強度RSSI、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比のいずれかに基づいて決定される。
そして、総合メトリック1(=TMtr)〜総合メトリック4(=TMtr)は、α×(メトリックMtr1,Mtr,Mtr)+β×距離、またはα×(メトリックMtr1,Mtr,Mtr)+β×距離+γ×相対速度によって決定される(式(2)〜式(5)参照)。
この場合、α×(メトリックMtr1,Mtr,Mtr)は、通信品質の高さ度合を表し、β×距離またはβ×距離+γ×相対速度は、送信元または中継器から送信先の端末装置までの経路の安定度合を表すので、総合メトリック1(=TMtr)〜総合メトリック4(=TMtr)の各々は、通信品質の高さ度合と送信元または中継器から送信先の端末装置までの経路の安定度合とを示す経路指標である。
受信信号強度RSSI、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々は、端末装置間の通信品質を表すものである。
また、距離は、端末装置1と端末装置1に隣接する端末装置2,4,5,8との距離n1,n2,n3,n4と、端末装置2,4,5,8と送信先の端末装置3との距離D1,D2,D3,D4との和からなり、相対速度v12,v14,v15,v18は、端末装置1の速度に対する端末装置2,4,5,8(=端末装置1に隣接する端末装置)の速度である。従って、距離n1,n2,n3,n4および相対速度v12,v14,v15,v18は、端末装置1と端末装置1に隣接する端末装置2,4,5,8との相対関係に起因するファクターであり、距離D1,D2,D3,D4は、端末装置2,4,5,8(=端末装置1に隣接する端末装置)と送信先の端末装置3との相対関係に起因するファクターである。
その結果、総合メトリック1(=TMtr)〜総合メトリック4(=TMtr)の各々は、[通信品質]と、[端末装置1と端末装置1に隣接する端末装置2,4,5,8との相対関係に起因するファクター]と、[端末装置2,4,5,8(=端末装置1に隣接する端末装置)と送信先の端末装置3との相対関係に起因するファクター]とによって決定される。
即ち、各端末装置1〜8において、ルーティングデーモン190は、[通信品質]と、[端末装置1と端末装置1に隣接する端末装置2,4,5,8との相対関係に起因するファクター]と、[端末装置2,4,5,8(=端末装置1に隣接する端末装置)と送信先の端末装置3との相対関係に起因するファクター]とによって総合メトリック1(=TMtr)〜総合メトリック4(=TMtr)を求め、IPモジュール186は、ルーティングデーモン190が求めた総合メトリック1(=TMtr)〜総合メトリック4(=TMtr)が最小となる経路を送信先までの経路として決定する。
つまり、各端末装置1〜8において、ルーティングデーモン190は、[通信品質]と、[端末装置1と端末装置1に隣接する端末装置2,4,5,8との相対関係に起因するファクター]と、[端末装置2,4,5,8(=端末装置1に隣接する端末装置)と送信先の端末装置3との相対関係に起因するファクター]とに基づいて、通信品質が相対的に高く、かつ、安定度合が相対的に大きい経路を送信先までの経路として決定する。従って、[端末装置1と端末装置1に隣接する端末装置2,4,5,8との相対関係に起因するファクター]、および[端末装置2,4,5,8(=端末装置1に隣接する端末装置)と送信先の端末装置3との相対関係に起因するファクター]は、経路の安定度合を表すファクターである。
なお、上記においては、α=1、β=1/10、γ=1/5であると説明したが、この発明においては、これに限らず、α,β,γの各々は、上記の値以外の値であってもよい。
この発明においては、受信信号強度RSSI、フレームエラー率FER、パケットエラー率PER、信号対ノイズ比SNR、ビット誤り率、搬送波信号対雑音比、および信号に対する干渉雑音を含む雑音比の各々は、「通信品質」を構成し、[端末装置1と端末装置1に隣接する端末装置2,4,5,8との相対関係に起因するファクター]は、「第1のファクター」を構成し、[端末装置2,4,5,8(=端末装置1に隣接する端末装置)と送信先の端末装置3との相対関係に起因するファクター]は、「第2のファクター」を構成する。
また、この発明においては、総合メトリック1(=TMtr)〜総合メトリック4(=TMtr)の各々は、「経路指標」を構成し、メトリックMtr〜Mtrの各々は、「第1の経路指標」を構成し、β×(n+D)は、「第2の経路指標」を構成し、γ×(v−vcosθij)は、「第3の経路指標」を構成する。
更に、この発明においては、ルーティングテーブル187を作成するルーティングデーモン190と、ルーティングテーブル187に基づいて送信先までの経路を決定するIPモジュール187は、「経路決定手段」を構成する。
更に、この発明においては、決定した経路に沿ってフレームを送信するIPモジュール186および無線LAN端末11は、「通信手段」を構成する。
更に、この発明においては、D−GPS受信機14 GPSアンテナ15およびFMアンテナ16は、「検出手段」を構成し、無線LAN端末11およびアレーアンテナ12は、「受信手段」を構成する。
更に、この発明においては、距離n1+D1,n2+D2,n3+D3,n4+D4を演算するルーティングデーモン190は、トータル距離を決定する「距離決定手段」を構成する。
更に、この発明においては、相対速度v12,v14,v15,v18を演算するルーティングデーモン190は、相対速度を決定する「速度決定手段」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、自律的に構築され、かつ、高いスループットが安定して得られる無線ネットワークシステムに適用される。また、この発明は、自律的に構築され、かつ、よ高いスループットが安定して得られる無線ネットワークシステムを構成する端末装置に適用される。
この発明の実施の形態による無線ネットワークシステムの概略図である。 図1に示す端末装置の構成を示す概略ブロック図である。 図2に示す無線LAN端末、アレーアンテナおよび操作装置の構成を示す概略図である。 図2に示すアレーアンテナのx−y平面における平面図である。 図3に示す無線インターフェースモジュールの構成を示す概略図である。 図3に示すルーティングテーブルの例を示す図である。 図6に示すルーティングテーブルの作成方法を説明するための図である。 図3に示すアドレス変換テーブルの例を示す図である。 有線フレームの構成図である。 GPSデータの取得要求信号の構成を示す概略図である。 GPSデータの取得要求信号に対する応答信号の構成を示す概略図である。 図11に示すGPT1のフォーマットを示す図である。 図12に示すGPSデータの構成を示す図である。 無線フレームRFFの構成図である。 有線フレームWIRFと無線フレームRFFとの間の変換を示す概念図である。 端末装置の経緯度および速度を送信するときのデータのフォーマットを示す図である。 方位角を測定する手順を示す説明図である。 RQ1信号に対する応答を送信する際のデータを示す概略図である。 RQ1信号に対する応答を送信する際の他のデータを示す概略図である。 端末情報テーブルの構成図である。 送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための概念図である。 ルーティングテーブルの他の例を示す図である。 送信先までの経路を決定する動作を説明するためのフローチャートである。 送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための他の概念図である。 送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための更に他の概念図である。 ルーティングテーブルの更に他の例を示す図である。 送信先までの経路を決定する動作を説明するための他のフローチャートである。 送信元から送信先までの経路を決定する方法を説明するための更に他の概念図である。 フレームエラー率を演算する方法を説明するための概念図である。
符号の説明
1〜8 端末装置、10 無線ネットワークシステム、11 無線LAN端末、11A,11B FCS、12 アレーアンテナ、12A,12B フレーム本体、13,17,20 ケーブル、13A データタイプ、13B PAD、14 D−GPS受信機、14A 送信元アドレス、14B 802.2SNAP、15 GPSアンテナ、15A 送信先アドレス、15B 802.2LLC、16 FMアンテナ、16B IEEE802.11MACヘッダ、18 操作装置、19 保守装置、110 GPSドライブ部、111 アンテナ制御モジュール、112 無線インターフェースモジュール、113 MACモジュール、114 アドレス変換テーブル、115 LLCモジュール、116,185 有線インターフェース、181 入力部、182 表示部、183 電子メールアプリケーション、184 通信制御部、186 IPモジュール、187 ルーティングテーブル、188 TCPモジュール、189 UDPモジュール、190 ルーティングデーモン、191 SMTPモジュール、1121 通信部、1122 方位角測定部。

Claims (12)

  1. 自律的に確立され、かつ、送信元と送信先との間で無線通信を行なう無線ネットワークを構成する端末装置であって、
    当該端末装置と当該端末装置に隣接する隣接端末装置との間の通信品質と、当該端末装置と前記隣接端末装置との相対関係に起因する第1のファクターと、前記隣接端末装置と前記送信先の端末装置との相対関係に起因する第2のファクターとに基づいて、前記通信品質が相対的に高く、かつ、安定度合が相対的に大きい経路を当該端末装置から前記送信先までの経路として決定する経路決定手段と、
    前記経路決定手段によって決定された経路に沿って前記無線通信を行なう通信手段とを備える端末装置。
  2. 前記経路決定手段は、前記通信品質と前記第1および第2のファクターとに基づいて、前記通信品質の高さ度合と当該端末装置から前記送信先の端末装置までの経路の安定度合とを示す経路指標を演算し、その演算した経路指標が相対的に小さい経路を当該端末装置から前記送信先までの経路として決定する、請求項1に記載の端末装置。
  3. 前記経路決定手段は、前記通信品質に基づいて決定され、かつ、前記通信品質の高さ度合を示す第1の経路指標と、当該端末装置から前記送信先の端末装置までのトータル距離に基づいて決定され、かつ、該端末装置から前記送信先までの経路の安定度合を示す第2の経路指標とを加算して前記経路指標を演算する、請求項2に記載の端末装置。
  4. 当該端末装置の位置を検出する検出手段と、
    前記隣接端末装置および前記送信先の端末装置の位置を前記隣接端末装置から受信する受信手段と、
    当該端末装置の位置と、前記隣接端末装置および前記送信先の端末装置の位置とに基づいて、前記トータル距離を決定する距離決定手段とを更に備える、請求項3に記載の端末装置。
  5. 前記距離決定手段は、当該端末装置の位置と、前記隣接端末装置の位置とに基づいて当該端末装置から前記隣接端末装置までの第1の距離を演算し、前記隣接端末装置の位置と前記送信先の端末装置の位置とに基づいて前記隣接端末装置から前記送信先の端末装置までの第2の距離を演算し、前記第1の距離と前記第2の距離との和を前記トータル距離として決定する、請求項4に記載の端末装置。
  6. 前記経路決定手段は、前記通信品質に基づいて決定され、かつ、前記通信品質の高さ度合を示す第1の経路指標と、当該端末装置から前記送信先の端末装置までのトータル距離に基づいて決定され、かつ、当該端末装置から前記送信先の端末装置までの経路の安定度合を示す第2の経路指標と、当該端末装置に対する前記隣接端末装置の相対速度に基づいて決定され、かつ、当該端末装置から前記隣接端末装置までの経路の安定度合を示す第3の経路指標とを加算して前記経路指標を演算する、請求項2に記載の端末装置。
  7. 当該端末装置の位置および速度を検出する検出手段と、
    前記隣接端末装置および前記送信先の端末装置の位置および速度を前記隣接端末装置から受信する受信手段と、
    当該端末装置の位置と、前記隣接端末装置および前記送信先の端末装置の位置とに基づいて、前記トータル距離を決定する距離決定手段と、
    当該端末装置の速度と、前記隣接端末装置の速度とに基づいて前記相対速度を決定する速度決定手段とを更に備える、請求項6に記載の端末装置。
  8. 前記距離決定手段は、当該端末装置の位置と、前記隣接端末装置の位置とに基づいて当該端末装置から前記隣接端末装置までの第1の距離を演算し、前記隣接端末装置の位置と前記送信先の端末装置の位置とに基づいて前記隣接端末装置から前記送信先の端末装置までの第2の距離を演算し、前記第1の距離と前記第2の距離との和を前記トータル距離として決定し、
    前記速度決定手段は、当該端末装置が移動する方向における当該端末装置の速さに対する前記隣接端末装置の速さを演算して前記相対速度を決定する、請求項7に記載の端末装置。
  9. 前記経路決定手段は、前記通信品質が直線的に変化するに従って前記第1の経路指標が指数関数的に変化するように前記通信品質に基づいて前記第1の経路指標を決定する、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の端末装置。
  10. 前記経路決定手段は、前記通信品質が好適な範囲であるとき前記第1の経路指標が最小値になり、前記通信品質が前記好適な範囲外であるとき前記第1の経路指標が前記最小値よりも大きい値になるように前記通信品質に基づいて前記第1の経路指標を決定する、請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の端末装置。
  11. 前記通信品質は、受信信号強度、フレームエラー率、パケットエラー率、信号対ノイズ比およびビット誤り率のいずれかからなる、請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の端末装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の端末装置を備える無線ネットワークシステム。
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