JP2019036922A - 通信制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より有利にデータを移送することができる通信制御装置を提供する。
【解決手段】無線通信装置3がデータを通信する通信位置または通信位置に応じて変動する通信状態に対して充足すべき要件である通信状態要件を含んでいる移送経路情報を探索する探索部140と、移動体が通信状態要件が充足されるまで移動することに関わるパラメータである移動パラメータと、通信状態要件が充足された無線通信装置3がデータを通信することに関わるパラメータである通信パラメータとに基づいて、データを無線通信装置3と目的装置との間で移送するためのコストである移送コストを算出するコスト算出部150と、複数の移送経路情報に対して算出した移送コストに基づいて、移送経路を定める移送経路情報を決定する経路決定部160と、無線通信装置3に、移送経路情報に含まれている通信状態要件が充足された状態でデータを通信させる通信制御部170とを備える。
【選択図】図2

Description

無線通信装置を制御する通信制御装置に関する。
特許文献1に開示されているコアネットワーク装置は、自装置のリソース利用率が所定の閾値よりも小さいときに、移動端末に通信を促す。
特許第5692384号公報
通信に関する種々の状況は、位置により異なる。通信に関する状況の一例としては、通信速度、通信料金などがある。移動端末が移動すると、通信に関する種々の状況が変化する。よって、移動端末は、通信を促されたときに通信することが有利とは限らない。
また、データを目的の装置に届けるまでの経路を全て無線とする必要もない。データを記憶した記憶媒体を移動装置で運ぶ経路を活用することも考えるべきである。本明細書では、データを無線通信により移動させること、および、データを記憶媒体に記憶させて移動させることを含む概念を移送とする。また、通信は、送信と受信とを含む概念である。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、より有利にデータを移送することができる通信制御装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示した技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための1つの開示は、
移動体(2、2a)に搭載された無線通信装置(3、3a)を制御して無線通信装置と目的装置(9)との間でデータを移送する通信制御装置であって、
データを、無線通信装置と目的装置との間で移送する移送経路(Pa)を定める情報であって、無線通信装置がデータを通信する通信位置または通信位置に応じて変動する通信状態に対して充足すべき要件である通信状態要件を含んでいる移送経路情報を探索する探索部(140)と、
探索部が複数の移送経路情報を探索した場合に、移動体が通信状態要件が充足されるまで移動することに関わるパラメータである移動パラメータと、無線通信装置がデータを通信することに関わるパラメータである通信パラメータとを決定し、移動パラメータと通信パラメータとに基づいて、データを無線通信装置と目的装置との間で移送するためのコストである移送コスト(Ct)を、複数の移送経路情報に対して算出するコスト算出部(150)と、
コスト算出部が複数の移送経路情報に対して算出した移送コストに基づいて、実際にデータを移送する移送経路を定める移送経路情報を決定する経路決定部(160)と、
無線通信装置に、経路決定部が決定した移送経路情報に含まれている通信状態要件が充足された状態でデータを通信させる通信制御部(170)とを備える。
この通信制御装置において、探索部は通信状態要件を含んでいる移送経路情報を探索する。よって、通信状態要件が異なる複数の移送経路を定める移送経路情報を探索することが可能になる。
そして、コスト算出部は、上記移送経路に対応して、通信状態要件が充足されるまで移動体が移動することに関わるパラメータである移動パラメータと、通信状態要件が充足された無線通信装置がデータを通信することに関わる通信パラメータの2種類のパラメータに基づいて移送コストを算出する。この移送コストに基づいて、実際にデータを移送する移送経路を定める移送経路情報を決定するので、より有利にデータを移送することができる。
車両2が狭域通信エリア6に向かって走行している状態を示す図である。 通信制御装置100の構成を示す図である。 通信制御装置100が実行する処理を示すフローチャートである。 狭域通信リンクLsでデータを送信する時間と、広域通信リンクLwでデータを送信する時間を対比して示す図である。 移送コスト算出関数FCs、FCwを例示する図である。 第2実施形態において通信制御装置100が実行する処理の一部を示すフローチャートである。 現在位置からの移動距離に対する利用可能帯域ABの変動を例示する図である。 第3実施形態における通信制御装置100の処理の概要を説明する図である。 第3実施形態において通信制御装置100が周期的に実行する処理を示すフローチャートである。 図9のS22の処理を実行する際の移動パラメータを示す図である。 第3実施形態において通信制御装置100が実行する処理の一部を示すフローチャートである。 中継経路を経由する移送経路Paと中継経路を経由しない移送経路Paについての移動パラメータを対比可能に示す図である。 第4実施形態において車両2に搭載される要素を示すブロック図である。 第4実施形態における通信制御装置100の処理の概要を説明する図である。 無人飛行装置20の構成を示すブロック図である。 第4実施形態において通信制御装置100が実行する処理の一部を示すフローチャートである。 3つの移送経路Pa1、Pa2、Pa3でデータを移送する時間を対比して示す図である。
<第1実施形態>
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示す車両2は、通信制御装置100と無線通信装置3を搭載している。図1に示す状態では、車両2は、広域無線通信が可能な広域通信エリア4に入っており、車両2の移動計画5は、狭域通信エリア6に車両2が近く入る計画になっている。車両2は移動体の一例である。
無線通信装置3は広域無線通信と狭域無線通信とが可能な通信装置である。広域無線通信は、ここでは、公衆通信回線網を利用する通信であるとする。広域無線通信では、たとえば、LTEの通信規格で通信を行う。広域通信エリア4は、基地局7との間で無線通信が可能なエリアである。この基地局7および基地局7を管理する管理装置などを備えたシステムが広域通信システムである。
移動計画5は、車両2の今後の位置を予測したものである。移動計画5は、経路案内中であれば、現在位置から目的地に向かう案内経路である。
狭域通信エリア6は、狭域無線通信が可能なエリアである。狭域無線通信は、ここでは、無線LAN(たとえばWiFi)によりアクセスポイント8と無線通信できるエリアとする。種々の場所に設置されたアクセスポイント8を介して狭域通信を行うシステムを狭域通信システムとする。
目的装置9は、無線通信装置3がデータの送信先としている装置である。目的装置9はたとえばサーバであり、無線通信装置3は車両2の走行中に取得した種々のデータ、たとえば、画像データを目的装置9に送信する。
目的装置9は、公衆通信回線網および基地局7を介した広域無線通信により広域通信エリア4に位置している無線通信装置3と通信ができる。また、目的装置9は、有線および無線の一方または両方により、アクセスポイント8を介して、狭域通信エリア6に位置している無線通信装置3と通信ができる。
[通信制御装置100の構成]
図2に通信制御装置100の構成を示す。車両2には、通信制御装置100の他に、無線通信装置3、位置検出器10などが搭載されている。
無線通信装置3は、広域通信部31と狭域通信部32とを備えている。広域通信部31は、前述した広域無線通信が可能な通信部である。一方、狭域通信部32は前述した狭域無線通信が可能な通信部である。
位置検出器10は、現在位置を逐次検出する装置である。たとえば、GNSS(Global Navigation Satellite System)が備える航法衛星が送信する航法信号を受信するGNSS受信機を備えている。このGNSS受信機が受信した航法信号に基づいて現在位置を逐次検出する。
通信制御装置100は、CPU、RAM、ROM、I/O、およびこれらの構成を接続するバスラインなどを備えたコンピュータとして構成されている。ROMには、汎用的なコンピュータを通信制御装置100として機能させるためのプログラムが格納されている。
なお、上述のプログラムは、非遷移的実体的記録媒体(non- transitory tangible storage medium)に格納されていればよく、その具体的な記憶媒体はROMに限らない。例えば上述のプログラムはフラッシュメモリに保存されていてもよい。CPUがこのプログラムを実行することは、プログラムに対応する方法が実行されることに相当する。
また、通信制御装置100が備える機能の一部または全部は、一つあるいは複数のIC等を用いて(換言すればハードウェアとして)実現してもよい。また、通信制御装置100が備える機能の一部又は全部は、CPUによるソフトウェアの実行とハードウェア部材の組み合わせによって実現されてもよい。
通信制御装置100は、キュー110、送信データ取得部120、通信リンク情報記憶部130、探索部140、コスト算出部150、経路決定部160、通信制御部170を備えている。
キュー110は、送信するデータを一時的に記憶する。キュー110はRAMの一部領域により実現される。キュー110は、通信制御装置100に入力されたデータを保持しておく入力キュー111と、無線通信装置3から送信する際に、送信される順番になるまでデータを保持しておく送信キュー112を備える。なお、入力キュー111はデータ保存部に相当する。
送信データ取得部120は、車両2に搭載された他の装置から、目的装置9に送信するデータを取得する。取得したデータは、キュー110の入力キュー111に保存される。
通信リンク情報記憶部130には、通信リンクLを確立するための情報である通信リンク情報が記憶されている。通信リンク情報には、広域通信エリア4および狭域通信エリア6がどの範囲であるかを示す情報が含まれる。通信リンク情報は、外部サーバに接続して、逐次、更新することができる。
また、通信リンク情報には、通信リンクLを確立して通信する際に必要になる通信料金Rを示す情報も含まれる。通信料金Rはデータ量に応じて変動する変動料金の場合と、データ量によらず一定料金の場合とがある。変動料金であるか一定料金であるかの区別と、変動料金である場合の単位データ量に対する料金単価も、通信リンク情報として、通信リンク情報記憶部130に記憶されている。
[通信制御装置100が実行する処理]
探索部140、コスト算出部150、経路決定部160、通信制御部170が実行する処理は、図3に示すフローチャートを用いて説明する。図3に示す処理は、送信データ取得部120がデータを取得した場合に、通信制御装置100が実行する。
ステップ(以下、ステップを省略する)S1では、位置検出器10から現在位置を取得する。S2では、移動計画5を決定する。移動計画5は、車両2で用いられているナビゲーション装置から案内経路が取得できるときは、その案内経路の現在位置以降の部分とする。案内経路を取得できないときは、車両2が現在走行している道路において車両2の現在位置を基準として車両の進行方向側の道路形状を移動計画5とすることができる。また、逐次、取得する現在位置により作成する軌跡を延長した線分を移動計画5としてもよい。
S3では、利用可能な通信リンクLを利用する移送経路Paを探索する。移送経路Paは、データを目的装置9まで移送させる経路である。利用可能な通信リンクLを決定するために、車両2がS2で決定した移動計画5にしたがって一定距離あるいは一定時間、走行する間の車両2の位置が含まれる広域通信エリア4および狭域通信エリア6を、通信リンク情報記憶部130に記憶されている通信リンク情報に基づいて探索する。
一定距離あるいは一定時間は、許容できる送信遅延時間をもとに予め設定する。図1の例の場合には、狭域通信エリア6で行う狭域無線通信の通信リンク(以下、狭域通信リンク)Lsと、広域通信エリア4で行う広域無線通信の通信リンク(以下、広域通信リンク)Lwが、利用可能な通信リンクLである。
このようにして探索した広域通信エリア4および狭域通信エリア6と現在位置の関係から、データの送信開始位置を決定する。探索した通信エリアに車両2の現在位置が入っている場合には、送信開始位置は現在位置である。一方、現在位置が通信エリアに入っていない場合には、移動計画5と通信エリアの交点が送信開始位置である。この送信開始位置は、送信(すなわち通信)するために充足すべき通信位置の要件を定めており、通信状態要件に相当する。また、現在位置から目的装置9までデータを移送する経路全体に関する情報が移送経路情報である。
S4では、利用するためには現在位置から移動が必要な通信リンクLについて、利用可能になるまでの時間を予測する。すなわち、その通信リンクLが確立できる通信エリアに到達するまで到達時間を予測する。たとえば、図1の例では、狭域通信エリア6で確立できる狭域通信リンクLsは、移動が必要な通信リンクLである。
通信リンクLが確立できる通信エリアに到達するまでは、データを保存しておくことになる。したがって、到達時間は、データを保存しておく時間(以下、キャッシング時間DC)であると言える。
キャッシング時間DCは、移動計画5に沿って移動した場合の現在位置から通信エリアに到達するまでの移動距離を、移動の間の速度で割ることで求める。移動の間の速度は、たとえば、これまでの平均速度や、現在位置から通信エリアに到達するまでの間に存在する他の車両の平均速度を用いる。
図4には、図1の例において、無線通信装置3が、狭域通信リンクLsを確立してデータを送信し終えるまでの時間と、広域通信リンクLwを確立してデータを送信し終えるまでの時間を対比して示している。この図4において、横軸は、各通信リンクLの帯域の広さを示している。なお、帯域は、デジタル通信分野で広く用いられる意味と同様、データの通信速度を意味する。
図4の例では、狭域通信リンクLsの方が広域通信リンクLwよりも横幅が長い。これは、狭域通信リンクLsの方が広域通信リンクLwよりも帯域が広いことを示している。狭域通信リンクLsはキャッシング時間DCが示されているが、広域通信リンクLwは現在でも確立できるのでキャッシング時間DCはない。
S5では、S3で探索した通信リンクLに対する伝送遅延時間DTを推定する。伝送遅延時間DTは、回線の種類により定まる時間、換言すれば通信システムの種類により定まる時間である。そのため、通信リンク情報として予め通信リンク情報記憶部130に記憶しておくことができる。また、このS5を実行するときに、サーバに接続して伝送遅延時間DTを取得してもよい。図4には、狭域通信リンクLsの伝送遅延時間DT(Ls)と広域通信リンクLwの伝送遅延時間DT(Lw)も示している。
S6では、キューイング遅延時間DQを推定する。キューイング遅延時間DQは、現時点において、送信キュー112に書き込んだが未送信のデータと、新たに、入力キュー111から送信キュー112に書き込むことに決定したデータの合計データのサイズを、通信リンクLの帯域で割った値である。
図4において、未送信のデータはDa1であり、新たに送信キュー112に書き込むデータはDa2である。同じデータDa1、Da2が送信キュー112に書き込まれても、狭域通信リンクLsは広域通信リンクLwよりも帯域が広いので、狭域通信リンクLsのキューイング遅延時間DQ(Ls)は、広域通信リンクLwのキューイング遅延時間DQ(Lw)よりも短い。
このキューイング遅延時間DQが経過した時点でデータの送信が終了する。図4の例では、広域通信リンクLwは時刻t1にデータの送信が終了し、狭域通信リンクLsは時刻t2にデータの送信が終了する。
S7では、移送経路Paごとに移送コストCtを算出する。移送コストCtは、目的装置9までデータを移送する際に必要になるコストである。データを移送する手段として、データを実体的な記憶媒体に保存してその記憶媒体を移動体で移動させる手段と、データを無体物である電波により送信する手段とがある。なお、本実施形態では、データを保存する記憶媒体はRAMである。
データを移送する手段としてこれら2つの手段がある。よって、データを送信する送信位置まで車両2すなわち移動体が移動することに関わるパラメータである移動パラメータと、無線通信装置3が送信位置においてデータを送信することに関わるパラメータである通信パラメータをもとに、移送コストCtを算出する。
本実施形態での移動パラメータは、S4で予測したキャッシング時間DCである。また、本実施形態の通信パラメータは、S5で推定した伝送遅延時間DTと、S6で推定したキューイング遅延時間DQ、および、通信リンクLを確立してデータを送信する際に発生する通信料金Rである。
これらのパラメータから、たとえば、式1あるいは式2に例示する移送コスト算出関数FCを用いて移送コストCtを算出する。なお、式1、式2におけるα、βは、任意の値に予め設定することができる係数である。
(式1) Ct=FC(DC,DT,DQ,R)=α(DC+DT+DQ)+R
(式2) Ct=FC(DC,DT,DQ,R)=β(DC+DT+DQ)/R
式1、式2など、予め設定された移送コスト算出関数FCに、通信リンクLごとに定まるキャッシング時間DC、伝送遅延時間DT、キューイング遅延時間DQ、通信料金Rを代入して、移送コストCtを算出する。
S8では、S7で算出した移送コストCtを比較して、最も低い移送コストCtとなる移送経路Paを決定する。図5には、狭域通信リンクLsを用いてデータを移送する移送経路Paの移送コストCt(Ls)と、広域通信リンクLwを用いてデータを移送する移送経路Paの移送コストCt(Lw)を示している。なお、図5において、FCsは狭域通信リンクLsを用いる場合の移送コスト算出関数、FCwは、広域通信リンクLwを用いる場合の移送コスト算出関数であり、いずれも式1を採用している。時刻t1、t2は、それぞれ、図4に示した時刻t1、t2と同じ意味、すなわち、データの送信が終了する時刻である。
データの送信が終了する時刻は、狭域通信リンクLsを用いた方が遅くなる。しかし、広域通信リンクLwは通信料金Rが高い。そのため、移送コストCtは、狭域通信リンクLsの移送コストCt(Ls)の方が低くなる。
S9では、S8で決定した移送経路Paを、実際にデータを送信する移送経路Paに決定する。さらに、決定した移送経路Paでデータを送信する際の送信条件を決定し、入力キュー111に入っているデータを送信キュー112に書き込む。
狭域通信リンクLsでデータを送信する移送経路Paは、現在位置から狭域通信エリア6に入るまではデータを入力キュー111に保持しておき、狭域通信エリア6でデータを無線送信し、アクセスポイント8を経由して目的装置9まで送信する経路である。この移送経路Paでデータを送信することに決定した場合には、狭域通信エリア6に入っていることが送信条件である。
狭域通信エリア6に入ったことは、現在位置から判断してもよいし、アクセスポイント8が逐次送信するビーコンを受信したか否かで判断してもよい。なお、仮に広域通信リンクLwでデータを送信する移送経路Paを決定している場合には、広域通信エリア4に入っていることが送信条件である。したがって、図1の状態であれば、即座にデータを送信することになる。
続くS10では、送信条件を満たしたと判断した場合に、送信キュー112にデータを書き込んでデータを無線送信する。
なお、この図3に示す処理において、S1〜S3は探索部140が実行し、S4〜S7はコスト算出部150が実行し、S8、S9は経路決定部160が実行し、S10は通信制御部170が実行する。
[第1実施形態のまとめ]
以上、説明した第1実施形態では、移送コストCtに基づいて、実際にデータを目的装置9まで移送する移送経路Paを決定する。移送コストCtを算出する移送コスト算出関数FCは、データ送信を実行することに関わるパラメータである通信パラメータだけでなく、データの送信開始位置まで車両2が移動することに関わるパラメータである移動パラメータも備えている。よって、本実施形態の通信制御装置100は、データを即座に送信したほうがよいか、別の通信手段で通信可能になるまで保持しておいたほうがよいかを、データを保持しておくことにより発生するコストを考慮して決定することができる。
このように、通信に関わるコストだけでなく、移動に関わるコストも考慮した移送コストCtをもとにデータの移送経路Paを決定する。よって、車両2の移動も考慮して、データを目的装置9まで移送可能な移送経路Paのうちで最も有利な移送経路Paを決定できる。よって、より有利にデータを移送することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
第2実施形態では、通信制御装置100は、広域通信部31を用いてデータ送信を行うが狭域通信部32は用いない。たとえば、移動計画5に従う場合、許容できる送信遅延時間内に、狭域通信エリア6に入らないと予測される場合、データの送信に狭域通信部32は用いないことになる。また、第2実施形態では、無線通信装置3が狭域通信部32を備えていない構成とすることもできる。
第2実施形態では、通信制御装置100は、図3に示す処理に代えて図6に示す処理を実行する。S11、S12は、図3のS1、S2と同じ処理であり、S11では現在位置を検出し、S12では移動計画5を決定する。
S13では、移動に伴う広域通信部31の利用可能帯域ABの変動を予測する。広域通信部13は適応変調を行う。適応変調では、電波環境の変化に応じて送信データの変調方式等を変化させる。そのため、適応変調では周波数利用効率が変動する。
利用可能帯域ABは、リソース量に周波数利用効率を乗じることで求められる。リソース量は周波数帯域の大きさであり、単位は[Hz×s]である。周波数利用効率の単位は、[bit/(Hz×s)]である。リソース量は、通信システムごとに割り当てられた値であり、固定値である。したがって、利用可能帯域ABは、周波数利用効率の変動に対応して変動する。周波数利用効率は電波環境の影響を受ける。また、電波環境は地理的要因で変動する。したがって、周波数利用効率さらには周波数利用効率に対応して変動する利用可能帯域ABは、場所別に予め設定しておくことができる。
S13では、場所に対する利用可能帯域ABの大きさの予め設定した関係と、移動計画5とから、今後の移動に伴う利用可能帯域ABの変動を予測する。図7に、現在位置からの移動距離に対する利用可能帯域ABの変動を示す。なお、移動中の速度が分かれば移動時間が分かるため、図7の縦軸に示すように、移動距離は移動時間と考えることもできる。
S14では、許容する送信遅延時間の最大時間(以下、最大遅延時間)Dmaxを決定する。この最大遅延時間Dmaxは、データの種類によらない一定時間でもよいし、データの種類毎に予め設定した時間でもよい。データの種類毎に最大遅延時間Dmaxが設定されている場合、今回送信するデータの種類から、最大遅延時間Dmaxを決定する。
S15では、S14で決定した最大遅延時間Dmaxまでにデータ送信を完了できる閾値帯域Bの候補を設定する。ここで、閾値帯域Bは、利用可能帯域ABと比較する閾値であり、利用可能帯域ABが閾値帯域Bよりも広いときにデータの送信を許容する。このとき、データ送信に利用する送信帯域は、利用可能帯域AB−閾値帯域Bである。この送信帯域がゼロよりも大きい位置でデータが送信されることになる。つまり、通信帯域である送信帯域がゼロよりも大きいことが、通信状態要件である。
図7には、複数の閾値帯域B1、B2、Br、B3を示している。利用可能帯域ABにおいて各閾値帯域B1、B2、Br、B3よりも右側が送信帯域である。
よって、閾値帯域Bが広いほど送信帯域が狭くなり、閾値帯域Bが広いほど遅延時間Dが大きくなる。閾値帯域B3は、遅延時間Dが最大遅延時間Dmaxとなる閾値帯域Bである。よって、S15では、この閾値帯域B3以下の閾値帯域Bを、実際に用いる閾値帯域Bの候補として設定する。
閾値帯域Bの候補は、閾値帯域B3以下から、所定の値ずつ減少させた複数の閾値帯域Bを閾値帯域Bの候補とする。閾値帯域Bの候補の下限値は0でもよいし、0よりも大きい値でもよい。
送信帯域は利用可能帯域ABから閾値帯域Bを引いた値であることから、閾値帯域Bが広いほど、利用可能帯域ABが狭いときはデータを送信しないことになる。利用可能帯域ABは、前述したように、リソース量×周波数利用効率であることから、利用可能帯域ABが狭いときは周波数利用効率が低いことになる。よって、利用可能帯域ABが狭いときにデータを送信しないようにすることは、周波数利用効率が低いときはデータを送信しないようにすることになる。そのため、閾値帯域Bが広いほど、周波数利用効率がよいときにデータを送信することになる。
S16では、S15で設定した複数の閾値帯域Bの候補に対して、それぞれ移送コストCtを算出する。第2実施形態での移送コストCtは、式3に示す移送コスト算出関数FCにより算出する。
(式3) Ct=FC(DC,Ef)=Σ(データ){f1(DC)+f2(Ef)}
関数f1(DC)は、移動パラメータであるキャッシング時間DCをパラメータとする関数であり、キャッシング時間DCが長いほど、関数f1(DC)の値は大きくなるように設定されている。たとえば、関数f1(DC)は、キャッシング時間DCに比例して値が大きくなる関数とする。
図7において、時刻t1〜t2および時刻t3以降は、利用可能帯域ABが閾値帯域B2を超えている時間帯である。換言すれば、時刻t0〜t1、t2〜t3は、キャッシング時間DCである。このことから分かるように、閾値帯域Bが広いほどキャッシング時間DCは長くなる。
なお、第1実施形態では、キャッシング時間DCの他に、時間に関するパラメータとして、伝送遅延時間DTとキューイング遅延時間DQを用いていた。関数f1も、キャッシング時間DCに加えて、伝送遅延時間DTとキューイング遅延時間DQをパラメータとする関数としてもよい。しかし、第2実施形態では、異なる種類の通信システムのどちらを利用するかを選択する実施形態ではなく、単一の通信システムを利用するものにおいて、どの時間帯にデータを送信するかを決める実施形態である。これに対して、伝送遅延時間DTは、同じ通信システムであれば同じ時間であることから、伝送遅延時間DTを考慮する場合と考慮しない場合とで、データを送信する時間帯に生じる変化は大きくない。よって、第2実施形態では、伝送遅延時間DTは考慮せずに移送コストCtを算出する。
また、キューイング遅延時間DQは以下の理由により考慮しない。本実施形態では、データ送信中、閾値帯域を残存帯域とする。残存帯域は、利用可能帯域から送信帯域を引いた値である。この残存帯域を閾値帯域とするために、パケットシェーピング等により、送信帯域を利用可能帯域−閾値帯域に保つ。その結果、閾値帯域の方が利用可能帯域よりも広いときは送信帯域をゼロとする。送信帯域がゼロのときは、送信キュー112にデータを書き込まない。この処理の結果、キューイング遅延時間DQはゼロになる。よって、キューイング遅延時間DQを考慮しないのである。
なお、図7において、閾値帯域Brは、利用可能帯域が常に閾値帯域以上となる下限の閾値帯域Brである。閾値帯域B2は、閾値帯域Brと閾値帯域B3の間の閾値帯域Bの一例であり、閾値帯域B1は閾値帯域Brよりも狭い閾値帯域Bの一例である。閾値帯域B1は利用可能帯域ABよりも常に狭いので、閾値帯域Bとして閾値帯域B1を設定すると、常に閾値帯域B1を残存帯域とすることができる。
時刻D1は閾値帯域B1を設定したときにデータ送信が完了する予測時刻であり、時刻D2は閾値帯域B2を設定したときにデータ送信が完了する予測時刻である。
関数f2(Ef)は、通信リソース利用率Efをパラメータとする関数である。第2実施形態では、通信リソース利用率Efが通信パラメータである。通信リソース利用率Efは、送信帯域/利用可能帯域ABで計算できる。つまり、通信リソース利用率Efは、利用可能帯域ABに対する送信帯域の割合を示している。関数f2は、通信リソース利用率Efが高い値であるほど小さい値になる関数である。関数は適宜設定できる。たとえば、関数f2(Ef)は、通信リソース利用率Efに比例して値が小さくなる関数とする。
キャッシング時間DC、通信リソース利用率Efは、図7に示すように、移動距離あるいは移動時間とともに変化する。よって、データ毎に、キャッシング時間DCおよび通信リソース利用率Efは異なる。そのため、式3は、データ毎に関数f1、f2を算出し、その合計を移送コストCtとする式になっているのである。なお、ここでのデータの単位は、任意に設定できるが、時間当たりに送信できるデータ量と同程度あるいはそれ以下が好ましい。
S17では、S16で算出した複数の移送コストCtを比較して、最も低い移送コストCtを決定する。S18では、S17で決定した、最も低い移送コストCtとなる閾値帯域Bを、実際にデータを送信する際に使用する閾値帯域Bに決定する。これにより、データの移送経路Paが決定することになる。
たとえば、閾値帯域B2を実際に使用する閾値帯域Bに設定した場合、時刻t1に対応する位置P1まではデータが入力キュー111に保持され、位置P1から時刻t2に対応する位置P2までの間に、入力キュー111に保持されたデータを送信する。位置P1から位置P2までの間に送信されるデータは、送信位置からは無線で目的装置9まで送信される移送経路Paである。位置P2までに送信されなかったデータは、時刻t3に対応する位置P3まで入力キュー111に保持され、位置P3以降で順次、目的装置9に無線送信される移送経路Paである。
なお、前述したように、送信帯域がゼロよりも大きいことが通信状態要件である。また、現在位置から目的装置9までデータを移送する経路全体に関する情報が移送経路情報である。
S19は、車両2が走行中に実行する処理であり、利用可能帯域ABを逐次判断しつつ、利用可能帯域AB−閾値帯域Bから送信帯域を算出し、送信帯域がゼロよりも大きければデータを送信する。
この図7に示す処理において、S11〜S15は探索部140が実行し、S16はコスト算出部150が実行し、S17、S18は経路決定部160が実行し、S19は通信制御部170が実行する。
[第2実施形態のまとめ]
第2実施形態で用いる、式3に示す移送コスト算出関数FCは、移動パラメータであるキャッシング時間DCと通信パラメータである通信リソース利用率Efをパラメータとして移送コストCtを算出する。つまり、第1実施形態と同様、車両2の移動も考慮して、データを目的装置9まで移送可能な移送経路Paのうちで最も有利な移送経路Paを決定する。よって、より有利にデータを移送することができる。
<第3実施形態>
図8を用いて第3実施形態での通信制御装置100の作動の概要を説明する。図8には、車両2a、車両2bの2台の車両2が示されている。これらの車両2には、それぞれ無線通信装置3と通信制御装置100が搭載されている。車両2aに搭載されている無線通信装置3、通信制御装置100を、無線通信装置3a、通信制御装置100aとし、車両2bに搭載されている無線通信装置3、通信制御装置100を、無線通信装置3b、通信制御装置100bとする。なお、車両2aの位置および車両2aの移動計画5aは、図1の車両2の位置および車両2の移動計画5と同じである。
無線通信装置3a、3bは、周期的に中継経路を探索し、中継経路を示す中継経路情報を狭域通信部32から周囲に送信する。送信方式は、たとえば、ブロードキャストである。ただし、ユニキャストやマルチキャストでもよい。また、狭域通信部32は、周囲から送信された中継経路情報を受信できる。
中継経路は、データを外部から受信する以外は、第1実施形態で説明した移送経路Paと同じである。外部から受信したデータを中継して目的装置9へ移送するので、中継経路としている。
第1実施形態では、移送経路Paとして、広域通信リンクLwを使ってデータを送信する経路と、狭域通信リンクLsを使ってデータを送信する経路を説明した。したがって、中継経路も、広域通信リンクLwを使ってデータを送信する経路と、狭域通信リンクLsを使ってデータを送信する経路がある。
たとえば、無線通信装置3bが中継経路情報を送信する場合を考える。この中継経路情報は、車両2aに搭載された無線通信装置3の狭域通信部32により受信される。通信制御装置100aは、第1実施形態で説明した2つの移送経路Paに加えて、この中継経路を経由した移送経路Paも探索し、探索した各移送経路Paの移送コストCtを算出する。そして、最も低い移送コストCtとなった移送経路Paでデータを送信する。この例の場合、車両2aが第1移動体である。車両2bは車両2aとは独立して移動する移動体であり、第2移動体に相当する。独立して移動とは、第1移動体の移動に制約を受けずに独自に移動することを意味する。車両2bは、車両2aの指示を受けて移動しているのではなく、独自に経路を決定して走行している。
車両2aに搭載された通信制御装置100が決定した最も低い移送コストCtとなった移送経路Paが、車両2bに搭載された無線通信装置3bを経由する移送経路Paであったとする。この場合、車両2aに搭載された通信制御装置100aはデータを無線通信装置3bへ送信する。無線通信装置3bは、受信したデータを目的装置9へ送信する。この例では、無線通信装置3bが移動中継装置となる。
以下、第3実施形態における通信制御装置100の作動を詳しく説明する。図9は、第3実施形態において通信制御装置100が周期的に実行する処理である。S21では、自ノードが利用可能な通信リンクLを含む移送経路Paを探索する。自ノードとは、この処理を行う通信制御装置100を意味する。S21の処理はS4と同じである。
S22では、S21で探索した移送経路Paごとに移送コストCtを算出する。このS22の処理は図3のS4〜S7と同じである。図10はS22の処理を実行する際の移動パラメータを、通信制御装置100bを例として示している。図10において、キャッシング時間DC(b)は、通信制御装置100bを搭載した車両2bが移動計画5bに従って走行して狭域通信エリア6bに到達するまでの時間である。伝送遅延時間DT(Ls(b))は、狭域通信エリア6bで確立する狭域通信リンクLs(b)の伝送遅延時間DTである。キューイング遅延時間DQ(Ls(b))は、無線通信装置3bが備えている狭域通信部32からデータを送信する際の現時点でのキューイング遅延時間DQである。未送信のデータはDa3である。伝送遅延時間DT(Lw(b))は、広域通信エリア4で無線通信装置3bが備えている広域通信部31が確立する広域通信リンクLw(b)の伝送遅延時間DTである。
S23では、S22で算出した移送コストCtを中継コストCrとし、この中継コストCrを含む中継経路情報を、無線通信装置3の狭域通信部32から周囲に送信する。中継経路情報は、中継コストCrの他に、無線通信装置3のID、無線通信装置3の位置を含む。また、移動方向および移動速度を含んでいてもよい。また、中継経路を示す情報を含んでいてもよい。
次に、第3実施形態において、送信データ取得部120がデータを取得した以降に通信制御装置100が実行する処理を、図11を用いて説明する。S31、S32は、図3のS1、S2と同じであり、S31では現在位置を検出し、S32では移動計画5を決定する。
S33では、中継しない通信リンクLを利用する移送経路Paを探索する。この処理は、図3のS3と同じである。よって、たとえば、図8の状態では、中継しない通信リンクLは、広域通信リンクLwと狭域通信エリア6aで確立する狭域通信リンクLsとなる。
S34では、S33で探索した移送経路Paに対する移送コストCtを算出する。この処理は、図3のS4〜S7の処理と同じである。
S35では、中継経路を経由する移送経路Paが可能か否かを判断する。この判断は具体的には、他の車両2に搭載された無線通信装置3に、狭域通信部32を用いた直接通信によりデータを送信できるかを判断するものである。直接通信を行う間、送信側の狭域通信部32と受信側の狭域通信部32との間の距離が最大通信可能距離以下であれば、中継経路を経由する移送経路Paが可能であると判断する。
直接通信を行う間、送信側の狭域通信部32と受信側の狭域通信部32との間の距離が最大通信可能距離以下であるか否かは、他の車両2に搭載された無線通信装置3から受信した中継経路情報に基づいて判断する。中継経路情報には、無線通信装置3の位置が含まれているので通信距離が判断できる。
この通信距離は、送信側と受信側のそれぞれの車両2の位置により変化する。データを送信する間、通信距離が最大通信可能距離以下を維持していれば、中継経路を経由する移送経路Paが可能であると判断する。受信側の車両2の今後の位置を推定するために、逐次受信する中継経路情報に含まれている複数時刻での位置から、受信側の車両2の今後の移動方向および移動速度を推定する。あるいは、受信側の車両2から送信される移動計画5から、受信側の車両2の位置の変化を推定してもよい。
中継経路を経由する移送経路Paが可能であれば、その移送経路Paを定める移送経路情報を決定する。そして、S35の判断をYESとしS36へ進む。この移送経路情報には、狭域通信部32からデータの送信を開始する送信開始位置が含まれる。送信開始位置は通信状態要件に相当する。送信開始位置は、たとえば、現在位置である。また、車両2a、2bが互いに接近する方向に移動している場合、互いに通信できる位置まで接近した位置が送信開始位置になることもある。
S36では、中継経路を経由する移送経路Paの移送コストCtを算出する。この場合の移送コストCtは、中継経路情報に含まれている中継コストCrと、この処理を実行している通信制御装置100が制御する狭域通信部32から、移動中継装置となる狭域通信部32までデータを送信する際に生じるコストの和である。
よって、中継経路を経由する移送経路Paの移送コストCtのうち、中継経路の部分のコストを中継コストCrとしていることになる。後者のコストは、狭域通信部32の間でデータを伝送する際の伝送遅延時間DT(Ls(ab))を移動パラメータとして、第1実施形態と同じ移送コスト算出関数FCを用いて算出する。
図12には、中継経路を経由する移送経路Paについての移動パラメータと、中継経路を経由しない移送経路Paについての移動パラメータとを対比可能に示している。図12において、中継経路部分301は、送信キュー112に、車両2aから送信されるデータDa2が入っている以外は図10と同じである。
中継経路部分301はデータが中継経路内にある時間帯である。図12の例では、移動中継装置は無線通信装置3bである。図12において、中継経路部分301よりも左側は、無線通信装置3aあるいは通信制御装置100aで生じる時間であることを示すために符号にaが加えられている以外は、図4と同じである。
図12の例では、通信制御装置100aは、無線通信装置3aから直接、基地局7あるいはアクセスポイント8にデータを送信するよりも、無線通信装置3bを中継したほうが、短時間でデータを目的装置9へ移送できることが示されている。
S35の判断において、中継経路を経由する移送経路Paが可能でなければ、S35の判断をNOとしてS37へ進む。また、S36を実行した場合もS37へ進む。S37は、S34およびS36で算出した移送コストCtを比較して、最も低い移送コストCtとなる移送経路Paを決定する。
S38、S39は、それぞれ、図3のS9、S10と同じ処理である。S38では、実際にデータを送信する移送経路Paと、その移送経路Paでデータを送信する際の送信条件を決定する。S39では、送信条件を満たしたと判断した場合に、入力キュー111に入っているデータを送信キュー112に書き込んで、データを無線送信する。
なお、図11に示す処理において、S31〜S33、S35は探索部140が実行し、S34、S36はコスト算出部150が実行し、S37、S38は経路決定部160が実行し、S39は通信制御部170が実行する。また、第3実施形態における移動パラメータは、キャッシング時間DCであり、通信パラメータは伝送遅延時間DT、キューイング遅延時間DQ、通信料金Rである。第3実施形態では、伝送遅延時間DTに、狭域通信部32の間でデータを伝送する際の伝送遅延時間DT(Ls(ab))が含まれる。
この第3実施形態では、無線通信装置3は、他の無線通信装置3から送信されるデータを中継する移動中継装置としての機能も備える。そして、通信制御装置100は、この通信制御装置100が搭載されている車両2とは別の車両2に搭載されている無線通信装置3を中継する移送経路Paが可能な場合には、その移送経路Paについても移送コストCtを算出する。そして算出した移送コストCtが最も低い移送経路Paでデータを送信する。よって、より有利にデータを移送することができる。
<第4実施形態>
図13に示すように、第4実施形態では、無線通信装置3は、広域通信部31、狭域通信部32に加えて、近接通信部33を備えている。近接通信部33は近接通信を行う。近接通信は、ここでは、NFC(Near Field Communication)通信とする。
図14を用いて第4実施形態での通信制御装置100の作動を説明する。第4実施形態では、車両2に、通信制御装置100、近接通信部33を備えた無線通信装置3の他、無人飛行装置20が搭載されている。無人飛行装置20は、たとえばドローンと呼ばれるマルチコプターである。
無人飛行装置20は、図15に示すように、飛行部21と、近接通信部22と、データ保存部に相当する記憶部23を備えている。無人飛行装置20は、指示された目的地まで自動あるいは遠隔操作で飛行する。飛行部21は、無人飛行装置20を飛行させる部分であり、モータなどの駆動源とその駆動源により駆動されるプロペラなどを備えている。近接通信部22は、NFC通信を行う通信部である。記憶部23は近接通信部22により送受信されるデータを記憶する。
図14に示す状態では、無人飛行装置20と無線通信装置3は近接通信によりデータを送受信可能な状態である。第4実施形態では、通信制御装置100は、NFC通信によりデータを無人飛行装置20に送信し、無人飛行装置20を路側機40まで飛行させる経路を含む移送経路Paも探索する。この移送経路Paは、飛行経路RF1、RF2などの無人飛行装置20が飛行する飛行経路RFを含む。また、この移送経路Paには、車両2が無人飛行装置20を搭載した状態で移動する経路を含ませることができる。
路側機40は、図14の例では、信号機50の上端に設置されている。路側機40は近接通信部41を備えており、無人飛行装置20が路側機40の上に着陸した場合には、NFC通信により無人飛行装置20からデータを受信する。また、路側機40は、狭域通信部42も備える。この狭域通信部42を用いてデータを受信することもできる。路側機40は、有線通信あるいは無線通信により目的装置9と接続可能であり、無人飛行装置20から受信したデータを目的装置9に送信する。この路側機40は固定局に相当する。
移送経路Paとして、狭域通信を行う移送経路Paも探索する。そして、これらの移送経路Paについて、それぞれ移送コストCtを算出し、最も低い移送コストCtとなった移送経路Paを、実際にデータを移送する移送経路Paとする。
図14の例において、無人飛行装置20は移動中継装置である。また、無人飛行装置20は、指示された目的地まで自動あるいは遠隔操作で移動できるデータ運搬装置である。
以下、第4実施形態における通信制御装置100の作動を詳しく説明する。第4実施形態において、送信データ取得部120がデータを取得した場合、通信制御装置100は、図16に示す処理を実行する。S41、S42は、図3のS1、S2と同じであり、S41では現在位置を検出し、S42では移動計画5を決定する。
S43では、利用可能な通信リンクLを利用する移送経路Paを探索する。利用可能な通信リンクLとしては、これまでの実施形態で説明した広域通信リンクLw、狭域通信リンクLsに加えて、近接通信リンクLnがある。近接通信リンクLnは、近接通信部22と近接通信部33との間、または、近接通信部33と近接通信部41との間で確立する通信リンクLである。
ここで探索される移送経路Paの具体例を、図14の状態を例にして説明する。第1の移送経路Pa1は、現在位置である位置P1において近接通信リンクLnを確立して、無線通信装置3の近接通信部33から無人飛行装置20の近接通信部22へデータを送信する。その後、無人飛行装置20を路側機40まで飛行させる。飛行経路RFは、たとえば、最短経路とする。ただし、最短経路よりも、上昇と水平移動とを組み合わせた経路のほうが、飛行時間あるいは飛行エネルギーの少なくとも一方が少なくできる可能性がある場合には、上昇と水平移動とを組み合わせた飛行経路RFも探索する。また、規定された経路で飛行する必要がある場合には、規定された経路に従って飛行する飛行経路RFを探索する。無人飛行装置20が路側機40の上面に着陸した後、路側機40の近接通信部22と路側機40の近接通信部41との間で近接通信リンクLnを確立してデータを無人飛行装置20から路側機40へ送信する。さらに、路側機40から目的装置9へデータが送信される。
第2の移送経路Pa2は、位置P1において、無線通信装置3の狭域通信部32と路側機40の狭域通信部42が狭域通信リンクLsを確立して、この狭域通信リンクLsでデータを無線通信装置3から路側機40へ送信する。その後、路側機40から目的装置9へデータが送信される。
第3の移送経路Pa3は、車両2が位置P2へ移動したときに、無人飛行装置20の飛行を開始させる経路である。よって、無人飛行装置20の移動開始位置が、第1の移送経路Pa1とは異なる。位置P2は、移動計画5に沿って車両2が移動する場合において、車両2が最も路側機40に接近する位置である。車両2が位置P2へ移動するまでの間に、無線通信装置3の近接通信部33と無人飛行装置20の近接通信部22との間で近接通信リンクLnを確立して、データを無線通信装置3から無人飛行装置20へ送信する。そして、車両2が位置P2に到達したときに、無人飛行装置20の飛行を開始させる。無人飛行装置20が路側機40の上面に着陸した後のデータの移送経路Paは、第1の移送経路Pa1と同じである。
図17には、これら第1の移送経路Pa1、第2の移送経路Pa2、第3の移送経路Pa3でデータを路側機40まで移送させる時間を対比して示している。第1の移送経路Pa1では、現在時刻から、データを送信キュー112に書き込んで無線通信装置3の近接通信部33から無人飛行装置20の近接通信部22へデータを送信する。近接通信リンクLnの場合の伝送遅延時間DTは短いので考慮していない。このときのキューイング遅延時間DQ(Ln)は、現在時刻から時刻t11までの時間である。
その後、無人飛行装置20が飛行して路側機40に到着するまでの飛行遅延時間DFが生じる。飛行遅延時間DFは時刻t11から時刻t18までである。そして、無人飛行装置20が路側機40の上面に着陸後、近接通信リンクLnによりデータを送信する際に、再び、キューイング遅延時間DQ(Ln)が生じる。第1の移送経路Pa1の場合、路側機40へのデータ送信が完了する時刻は時刻t19である。
第2の移送経路Pa2では、狭域通信リンクLsを確立するための伝送遅延時間DT(Ls)が生じる。その後、狭域通信リンクLsによりデータが送信される。しかし、狭域通信は、帯域が近接通信に比べて狭い。そのため、キューイング遅延時間DQ(Ls)は、近接通信リンクLnの場合のキューイング遅延時間DQ(Ln)よりも長くなる。その結果、第2の移送経路Pa2で路側機40へのデータ送信が完了する時刻は、第1の移送経路Pa1で路側機40へのデータ送信が完了する時刻t19よりも後の時刻t20である。
第3の移送経路Pa3では、車両2が位置P2に到達するまでのキャッシング時間DCが生じる。キャッシング時間DCは現在時刻から時刻t15までの間の時間である。また、無線通信装置3の近接通信部33から無人飛行装置20の近接通信部22にデータを送信する際にキューイング遅延時間DQ(Ln)も生じる。このキューイング遅延時間DQ(Ln)は時刻t12から時刻t14までである。つまり、車両2が位置P2に到達するまでの間に、無線通信装置3から無人飛行装置20へデータが送信される。よって、無線通信装置3から無人飛行装置20へデータを送信する時間は、路側機40へのデータ送信完了までの時間には影響しない。
車両2が位置P2に到達する時刻t15に無人飛行装置20が飛行を開始する。無人飛行装置20は時刻t16に路側機40に到着する。その後、無人飛行装置20から路側機40にデータを送信する時間としてキューイング遅延時間DQ(Ln)が生じ、時刻t17にデータ送信が完了する。
図17の例の場合、第3の移送経路Pa3が最も短い時間で路側機40へのデータ送信が完了することになる。なお、飛行経路RFを含む移送経路Paを探索した場合には、無人飛行装置20が車両2に戻ってくる経路も算出する。
第1の移送経路Pa1、第2の移送経路Pa2は、ともに、データの送信開始位置は現在位置であるのに対して、第3の移送経路Pa3ではデータの送信開始位置は位置P2である。この送信開始位置が通信状態要件であり、送信開始位置を示す情報を含み、各移送経路Paを定める情報が移送経路情報である。
S44では、S43で探索した移送経路Paのうち、飛行経路RFを含んでいる移送経路Paについて、移送経路Paごとに、無人飛行装置20の飛行遅延時間DFと、その飛行により生じる消費エネルギーEnを算出する。消費エネルギーEnは電池消費などを表す。
飛行遅延時間DFは、飛行経路RFと飛行経路RFの各方向への無人飛行装置20の移動速度から算出する。消費エネルギーEnは、単位時間に無人飛行装置20が消費するエネルギーと飛行遅延時間DFをもとに算出する。単位時間に無人飛行装置20が消費するエネルギーは予め設定されている。消費エネルギーEnの算出において、無人飛行装置20の速度変化を考慮してもよい。速度変化が大きいほど、消費エネルギーが大きくなるからである。飛行経路に進行方向が変化する部分が多くなるほど、速度変化が大きくなる。また、無人飛行装置20が路側機40から車両2に戻る際に必要なエネルギーも含めて消費エネルギーEnを算出する。
S45では、飛行経路RFを含んでいる移送経路Paについて、移送経路Paごとに、無人飛行装置20が飛行すなわち移動することに対するコストである移動コストCmを算出する。この移動コストCmは、消費エネルギーEnをパラメータとし、消費エネルギーEnが大きくなるほど移動コストCmが高くなるように設定されている関数を用いて算出する。
また、移動コストCmは、無人飛行装置20の飛行が遠隔操作により行われる場合など、飛行に際し利用料金が必要であれば、その利用料金も入力パラメータとする。
S46では、移送経路Paごとに、通信コストCcmを算出する。通信コストCcmは、通信により生じるコストである。通信コストCcmは、通信リンクLを利用してデータを送信することで生じる費用、および、通信に関する遅延時間D、たとえばキューイング遅延時間DQ、伝送遅延時間DTなどをパラメータとする。データを送信する費用が高いほど、また、伝送遅延時間DTが長いほど、通信コストCcmは高くなるように設定されている。なお、この通信コストCcmは、送信されるデータ別に算出し、その後、各データについて算出した通信コストCcmを合計する。
S47では、移送経路PaごとにキャッシングコストCcaを算出する。キャッシングコストCcaは、データを保持して移動体が移動することに関するコストである。ここでの移動体には、車両2と無人飛行装置20を含む。よって、キャッシングコストCcaは、キャッシング時間DC、無人飛行装置20の飛行遅延時間DFをパラメータとする。これらキャッシング時間DC、飛行遅延時間DFが長いほど、キャッシングコストCcaは高くなるように設定されている。
また、記憶部23の利用可能容量とデータの容量をパラメータに加えてもよい。あるいは、利用可能容量に対するデータの容量の比率(以下、ストレージ消費率)をパラメータに加えてもよい。利用可能容量を比較対象としてデータの容量が大きいほど、あるいは、ストレージ消費率が大きいほどキャッシングコストCcaは高くなるように設定する。このキャッシングコストCcaもデータ別に算出し、その後、各データについて算出したキャッシングコストCcaを合計する。
S48では、各移送経路Paの移送コストCtを算出する。第4実施形態では、移送コストCtは、式4から算出する。なお、移動コストCmを算出するためのパラメータと、キャッシングコストCcaを算出するためのパラメータが移動パラメータであり、通信コストCcmを算出するためのパラメータが通信パラメータである。
(式4) Ct=Cm+Σ(データ){Ccm+Cca}
S49では、最も低い移送コストCtとなった移送経路Paを実際にデータを移送する経路として選択する。
S50では、S49で選択した移送経路Paによって定まる移送条件にしたがって、データの移送を実行する。移送条件は、データの送信開始位置、無人飛行装置20の飛行開始位置である。
たとえば、第3の移送経路Pa3を選択した場合、データの送信開始位置は、位置P2までに無人飛行装置20へのデータ送信が完了する任意の位置である。飛行開始位置は位置P2である。
この第4実施形態では、車両2と無人飛行装置20を移動体としており、これらの移動によりデータを運搬することによるコストをキャッシングコストCcaおよび移動コストCmで表し、通信によりデータを送信する際のコストを通信コストCcmで表す。そして、これらキャッシングコストCca、移動コストCm、通信コストCcmから移送コストCtを算出している。よって、移送コストCtは、通信によるデータの移送と、運搬によるデータの移送とを総合したコストとなる。この移送コストCtが最低となる移送経路Paを実際にデータを移送する移送経路Paとすることから、データを有利に目的装置9に移送することができる。
以上、実施形態を説明したが、開示した技術は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も開示した範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
データ保存部にデータを保存する際に必要となるエネルギーを、移動パラメータに含めてもよい。データ保存部にデータを保存する際に必要となるエネルギーは、たとえば、データ圧縮処理をするために必要な電力である。
<変形例2>
第2実施形態では、閾値帯域Bの候補を、最大遅延時間Dmaxまでにデータ送信を完了できる閾値帯域Bから設定していた。しかし、最大遅延時間Dmaxまでにデータ送信を完了できることを条件として閾値帯域Bの候補を設定しなくてもよい。最大遅延時間Dmaxまでにデータ送信を完了できないような閾値帯域Bは、移送コストCtが高くなることから、コストの比較で排除することができるからである。
<変形例3>
第2実施形態では、閾値帯域Bを距離によらない一定値としていたが、利用可能帯域ABに対する比率で設定してもよい。式5は、利用可能帯域ABに対する比率で閾値帯域Bを設定する場合の例である。なお、式5においてkは1よりも小さい定数である。
(式5) B=kAB
また、利用可能帯域ABは、図7に例示したように明確に決定できるとは限らず、利用可能帯域ABの最大値ABmax、最小値ABmin、平均値ABavなど、位置とは一義的対応しない値しか決定できないこともある。そこで、閾値帯域Bをこれらの値に基づいて設定してもよい。
閾値帯域Bを利用可能帯域ABの最大値ABmax、最小値ABmin、平均値ABavから決定する場合、式5のABに代えて、ABmax、ABmin、ABavを用いる。
<変形例4>
第1実施形態〜第4実施形態は、いずれも、無線通信装置3から目的装置9へデータを送信する実施形態であった。しかし、データの移送方向が反対でもよい。すなわち、目的装置9から無線通信装置3へデータを移送する場合にも、実施形態に開示した技術を適用することができる。
目的装置9から無線通信装置3へデータを移送する場合、無線通信装置3はデータを受信することになる。実施形態に開示した技術を受信に適用する場合、以下に例示する第1の手段、第2の手段などを用いることで、通信状態要件を充足している状態で、目的装置9からデータが送信されるようにする。
第1の手段は、無線通信装置3は、通信状態要件を充足したことを検出したとき、目的装置9に向けて送信リクエストを送信する。送信リクエストは、たとえば、HTTP Getを用いる。第2の手段は、無線通信装置3は、通信状態要件を充足する前に、送信してもらいたい時刻を目的装置9に通知する。
2:車両(移動体) 2a:車両(第1移動体) 2b:車両(第2移動体) 3、3a:無線通信装置 3b:無線通信装置(移動中継装置) 4:広域通信エリア 5:移動計画 6:狭域通信エリア 7:基地局 8:アクセスポイント 9:目的装置 10:位置検出器 13:広域通信部 20:無人飛行装置(移動中継装置) 21:飛行部 22:近接通信部 23:記憶部(データ保存部) 31:広域通信部 32:狭域通信部 33:近接通信部 40:路側機(固定局) 41:近接通信部 42:狭域通信部 50:信号機 100:通信制御装置 110:キュー 111:入力キュー(データ保存部) 112:送信キュー 120:送信データ取得部 130:通信リンク情報記憶部 140:探索部 150:コスト算出部 160:経路決定部 170:通信制御部 301:中継経路部分

Claims (10)

  1. 移動体(2、2a)に搭載された無線通信装置(3、3a)を制御して前記無線通信装置と目的装置(9)との間でデータを移送する通信制御装置であって、
    前記データを、前記無線通信装置と前記目的装置との間で移送する移送経路(Pa)を定める情報であって、前記無線通信装置が前記データを通信する通信位置または前記通信位置に応じて変動する通信状態に対して充足すべき要件である通信状態要件を含んでいる移送経路情報を探索する探索部(140)と、
    前記探索部が複数の前記移送経路情報を探索した場合に、前記移動体が前記通信状態要件が充足されるまで移動することに関わるパラメータである移動パラメータと、通信状態要件が充足された前記無線通信装置が前記データを通信することに関わるパラメータである通信パラメータとを決定し、前記移動パラメータと前記通信パラメータとに基づいて、前記データを前記無線通信装置と前記目的装置との間で移送するためのコストである移送コスト(Ct)を、複数の前記移送経路情報に対して算出するコスト算出部(150)と、
    前記コスト算出部が複数の前記移送経路情報に対して算出した前記移送コストに基づいて、実際に前記データを移送する前記移送経路を定める前記移送経路情報を決定する経路決定部(160)と、
    前記無線通信装置に、前記経路決定部が決定した前記移送経路情報に含まれている前記通信状態要件が充足された状態で前記データを通信させる通信制御部(170)とを備える通信制御装置。
  2. 前記コスト算出部は、複数の前記移送経路がそれぞれ利用する通信システムの利用料金を前記通信パラメータに含めて、複数の前記移送経路情報に対する前記移送コストを算出する請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 前記探索部は、前記無線通信装置が利用可能な利用可能帯域(AB)から閾値帯域(B)を引いた値を前記データを通信する通信帯域として、前記通信帯域がゼロよりも大きいことを前記通信状態要件として前記移送経路情報を探索し、かつ、前記閾値帯域を変化させることで複数の前記移送経路情報を探索し、
    前記コスト算出部は、前記利用可能帯域に対する前記通信帯域の比率である通信リソース利用率(Ef)を前記通信パラメータに含め、前記移動体が移動している間も前記データを保持している時間(DC)を前記移動パラメータに含めて、前記移送コストを算出する請求項1に記載の通信制御装置。
  4. 前記探索部は、前記データを中継する移動中継装置(3b、20)を利用可能な場合、前記移動中継装置を中継する前記移送経路を定める前記移送経路情報も探索する請求項1に記載の通信制御装置。
  5. 前記コスト算出部は、前記データがデータ保存部(23、111)に保存されてから前記通信状態要件を充足するまでの時間が長いほど前記移動パラメータを大きい値にする請求項1に記載の通信制御装置。
  6. 前記コスト算出部は、前記データ保存部(23)の利用可能容量および前記データの容量を前記移動パラメータに含めて前記移送コストを算出する請求項5に記載の通信制御装置。
  7. 前記無線通信装置(3a)が搭載された前記移動体を第1移動体(2a)とし、
    前記移動中継装置(3b)は、前記第1移動体とは独立して移動する第2移動体(2b)に搭載されており、
    前記探索部は、前記無線通信装置が前記移動中継装置から、前記移動中継装置と前記目的装置との間で前記データを移送する場合のコストである中継コスト(Cr)を取得した場合、前記移動中継装置を中継する前記移送経路を定める前記移送経路情報も探索し、
    前記コスト算出部は、前記移動中継装置を中継する前記移送経路についての前記移送コストのうち、前記移動中継装置から前記目的装置まで前記データを移送する部分のコストを前記中継コストとして、前記移動中継装置を中継する前記移送経路についての前記移送コストを算出する請求項4に記載の通信制御装置。
  8. 前記移動中継装置(20)は、前記無線通信装置と近接通信により通信可能な状態で前記移動体に搭載され、記憶部(23)にデータを記憶して、自動または遠隔操作で移動できるデータ運搬装置であり、
    前記探索部は、前記無線通信装置と前記データ運搬装置との間で前記データを通信する経路と、前記データ運搬装置を、近接通信部(41)を備えており、かつ、前記目的装置と通信可能な固定局(40)まで移動させて、直接通信により、前記データ運搬装置と前記目的装置との間で前記データを通信する経路とを含む移送経路であって、前記データ運搬装置の経路が異なる複数の前記移送経路についての前記移送経路情報を探索する請求項4に記載の通信制御装置。
  9. 前記コスト算出部は、前記データ運搬装置の移動により消費されるエネルギーが多いほど前記移動パラメータを大きい値にする請求項8に記載の通信制御装置。
  10. 前記探索部は、前記データ運搬装置の移動開始位置が異なる複数の前記移送経路についての前記移送経路情報を探索する請求項9に記載の通信制御装置。
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