JP2007173664A - 電気接点の製造方法及び該方法を用いた電気接点 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は導電性もよく耐摩耗性もよく安定した接続を得ることができる電気接点とその製造方法の提供。
【解決手段】本方法は銅箔40上に接触相手物形状に適合した形状の接点を形成した後に、接点の少なくとも相手物との接触部分が露出するように保護膜部材30を貼り付け、貼り付けた後に全面に導電性硬質薄膜21を施し、次に保護膜部材30を除去することで、少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21を施す。本構造は銅箔40上に接触相手物形状に適合する形状の接点を形成するとともに接点の周囲に略U字形状のスリット22を設け、銅箔40の下に弾性体を配置し、少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材30を貼り付け、貼り付けた後に全面に導電性硬質薄膜21を施し、次に保護膜部材30を除去することにより少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21を施し、接触相手物との嵌合の際に前記接点上を相手物が摺動する。
【選択図】 図1

Description

この発明は電気接点の製造方法に関するもので、特に導電性と耐摩耗性を有する導電性硬質薄膜を相手物との接触部分に施したものである。
従来、回路基板と電子部品との間の接触にあたっては、一方が平面上の場合、もう一方を突出させる(例えば、略半球状)場合が多々あり、また、場合によっては一方が突出している場合、もう一方を平面状にすることがある。
本出願人は、特許文献1(特開2000−67972)のようなコネクタや特許文献2(特開2004−335666)と特許文献3(特願2005−277320)のような電気接点構造を提案している。
特開2000−67972の要約によると、複数の電気接点と複数の電気接触子とを一度に電気的に接続するようにした電気コネクタを提供することを目的とし、第1のコネクタプレート部と第2のコネクタプレート部とを着脱自在に突き合わせて、第1のコネクタプレート部の片面側の複数の電気接点と第2のコネクタプレート部の片面側の複数の電気接触子とを電気的に接続するようにした電気コネクタにおいて、電気接触子を第2のコネクタプレート部の基板上に設けると共に、電気接触子の周囲の基板にはスリット状の切り込み部を設けて、電気接触子部分に弾性を持たせた電気コネクタにあり、これによって、簡単な構造でコネクタ全体のコンパクト化ができると共に、電気接点側の高さ不整などによる接触不良が防止でき、所望のインピーダンス特性も容易に確保することができる構造のものが開示されている。 特開2004−335666の要約によると、止め孔上の導電体自体がコネクタの接点になるよう、止め孔中に金属を充填させる工程に連続して、止め孔上の導電体が盛り上がり半球状となるように、金属を析出することを目的に、止め孔内は当初低電流密度、例えば0.5〜10A/dm2の電流密度でメッキを行い、止め孔上面に達した後に電流を調整して、当初の5倍〜10倍の電流密度を保ちながら、止め孔上の導電体が径方向の大きさと高さ方向の大きさの比が略1対1に近い半球状となるように、金属を析出する構造のものが開示されている。 特願2005−277320の要約によると、電気接点同士の接続不良に繋がることがなく、所定の高さを形成することができる電気接点とその電気接点の製造方法を提供することを目的とし、電気接点は銅箔上に突出する電気接点であって、銅箔上に金属ペースト層を塗布するとともに金属ペースト層に金属ボールを焼結固定し、少なくとも金属ボールの相手物と接触する部分に金めっきを施す構造の電気接点と、電気接点の製造方法は銅箔上に突出する電気接点の製造方法において、第一工程として銅箔上に所定の大きさの金属ペースト層を塗布し、第二工程として金属ペースト層上に金属ボールを搭載した後に、金属ボールを銅箔方向に加圧し、第三工程として所定の温度により金属ボールを焼結固定し、第四工程として少なくとも金属ボールの相手物との接触部分に金めっきを施す電気接点の製造方法とが開示されている。
特許文献1の構造では、第1のコネクタプレート部と第2のコネクタプレート部が嵌合(接触)した際に、第1のコネクタプレート部の接触部が第2のコネクタプレート部の接触部上を摺動することになる。このように摺動するということで多数回の使用に対しては、耐磨耗性が要求され、滑りを良くするためにウェット潤滑(ウェットワックス)が接触部に施されていた。しかし、ウェット潤滑(ウェットワックス)ではホコリの付着や汚れのために接触不良に繋がったり、時間が経つにつれ乾燥し滑りが悪くなってしまう。
そこで、ウェット潤滑(ウェットワックス)ではなく、ドライ潤滑(DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング)を施すことが考えられる。しかし、ドライ潤滑(DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング)では、耐磨耗性は良いが導電性は良くない。
第1のコネクタプレート部と第2のコネクタプレートの2つのコネクタを接触させる以上、互いの接触部が接触した際には導通することが要求されるし、接触した際に摺動することから耐磨耗性も要求される。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、導電性もよく、耐摩耗性もよく、安定した接続を得ることができる電気接点とその製造方法を提供せんとするものである。
上記目的の方法は、銅箔40上に形成される電気接点20の製造方法において、前記銅箔40上に、接触相手物形状に適合した形状の接点を形成した後に、該接点の少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材30を貼り付け若しくは置き、貼り付け若しくは置いた後に全面に導電性硬質薄膜21を施し、次に前記保護膜部材30を除去することで、少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21を施すことにより達成できる。
上記目的の構造は、銅箔40上に形成される電気接点20において、前記銅箔40上に接触相手物形状に適合する形状の接点を形成するとともに該接点の周囲に略U字形状のスリット22を設け、前記銅箔40の下に弾性体を配置し、少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材30を貼り付け若しくは置き、貼り付け若しくは置いた後に全面に導電性硬質薄膜21を施し、次に前記保護膜部材30を除去することにより少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21を施し、接触相手物との嵌合の際に前記接点上を相手物が摺動するにより達成できる。
以上の説明から明らかなように、本発明の電気接点の製造方法や電気接点を用いると、次のような優れた顕著な効果が得られる。
(1)銅箔40上に形成される電気接点20の製造方法において、前記銅箔40上に、接触相手物形状に適合した形状の接点を形成した後に、該接点の少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材30を貼り付け若しくは置き、貼り付け若しくは置いた後に全面に導電性硬質薄膜21を施し、次に前記保護膜部材30を除去することで、少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21を施しているので、導電性と耐磨耗性の両方がよく、ホコリの付着や汚れがなく、安定した接続を得ることができる。
(2)銅箔40上に形成される電気接点20において、前記銅箔40上に接触相手物形状に適合する形状の接点を形成するとともに該接点20の周囲に略U字形状のスリット22を設け、前記銅箔40の下に弾性体を配置し、少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材30を貼り付け若しくは置き、貼り付け若しくは置いた後に全面に導電性硬質薄膜21を施し、次に前記保護膜部材30を除去することにより少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21を施し、接触相手物との嵌合の際に前記接点上を相手物が摺動させているので、摺動も容易で、導電性と耐磨耗性の両方がよく、ホコリの付着や汚れがなく、安定した接続を得ることができる。
図1から図4に基づいて、本発明の電気接点の製造方法と電気接点について説明する。本実施例では本発明の電気接点を用いた電気コネクタ10について説明する。 図1(A)は電気接点部分の断面図であり、(B)は(A)に保護膜部材としてのドライフイルムを貼り付けた状態の電気接点部分の断面図であり、(C)は(B)に導電性硬質薄膜を吹きつけにより該薄膜を施した状態の電気接点部分の断面図であり、(D)は(C)の状態から保護膜部材としてのドライフイルムを除去した電気接点部分の断面図である。図2(A)は電気接点部分の断面図であり、(B)は(A)に保護膜部材としてドライフイルムとステンレス鋼を用いた状態の電気接点部分の断面図であり、(C)は(B)に導電性硬質薄膜を吹きつけにより該薄膜を施した状態の電気接点部分の断面図であり、(D)は(C)の状態から保護膜部材ドライフイルムとステンレス鋼を除去した電気接点部分の断面図である。図3は電気接点の形状を説明する図面である。図4は電気コネクタの断面図である。
電気接点20の製造方法を説明する前に、電気接点20の形状について説明する。電気接点20は銅箔40上に形成されるものであり、その形状は、図2に示すように、電気接点の形状には、接触相手物の形状に適合するように多々の形状がある。例えば、図3(A)のように山並み状の突起接点45や、(B)のようにドーム形状に突出したものや、(C)のように金属ボール44を用いた球状に突出されたものや、図示はしないが平坦なもの等がある。
図1に基づいて、電気接点20の製造方法について説明する。本説明では電気接点20の形状としてはドーム形状を用いている。
まず、図1(A)に示すような電気接点20の形状が多種の方法によって形成されている。
次に、図1(B)のように、前記電気接点20の少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材30としてのドライフイルムを貼り付け若しくは置く。
次に、図1(C)のように、導電性硬質薄膜21を、(B)の状態の全面に吹き付ける。
最後、図1(D)のように、前記保護膜部材30としてのドライフイルムを除去する。このように除去することで、少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21を施している。
ここで、導電性硬質薄膜21について説明すると、前記導電性硬質薄膜21とはカーボンと導電性のよい材料とを含有した、導電性と耐摩耗性に優れたコーティングのことである。
ここで、前記保護膜部材30について説明する。前記保護膜部材30とは、導電性硬質薄膜21の吹き付け時に、必要以外の部分(導電性硬質薄膜21を施したくない部分)に導電性硬質薄膜21が付かないように保護する膜のことである。前記保護膜層30を形成するに当たっては、次のようなことが考えられる。
1.ドライフィルム32を貼り付けた後に、導電性硬質薄膜21を施した部分を露光・現像し、孔を開ける。
2.導電性硬質薄膜21を施した部分に、初めから孔の開いたドライフィルム32を貼り付ける。
3.印刷で、導電線硬質薄膜21を施したい部分以外に、マスキングをする。
4.さらに、上記1〜3項の上に、初めから孔の開いた薄いステンレス鋼(SUS)を置く。
次に、図2に基づいて、ドライフィルム32の上にさらに、薄いステンレス鋼33を置いて導電性硬質薄膜21を施す方法について説明する。上述した図1との相違点についてのみ説明すると、保護膜部材30としてドライフィルム32を貼り付け若しくは置いた後に、さらに、初めから孔の開いた薄いステンレス鋼(SUS)を置く。その状態の後に、導電性硬質薄膜21を、全面に吹き付け、吹き付けた後にドライフィルム32とステンレス鋼33を除去したものである。
上述した製造方法を用いた、電気接点について説明する。前記電気接点20は、前記銅箔40上に接触相手物形状に適合する形状に形成されるとともに上述した方法により少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21が施されている。また、電気接点20の周囲には、略U字形状のスリット22が設けられ、前記銅箔40の下には弾性体が配置されている。前記スリット22を設け、前記弾性体を配置することで、前記電気接点20が接触相手物と接触した際に接触相手物が電気接点20上を摺動することが出来る構造にしている。
前記電気接点20を用いた一実施例である電気コネクタ10について説明する。前記電気コネクタ10は、少なくともエラストマー16(弾性体)と導電細線12とフレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)14層とを備えている。
まず、FPC層14について説明する。前記FPC14は、ポリイミド15層を挟むように銅(Cu)箔40が表裏両側に配置されている。前記FPC14には、前記銅箔40上で前記接触相手物の接点に対応する位置に、前記接触相手物に適合する形状に電気接点20が形成されている。本実施例では、前記電気接点20の形状はドーム形状にしている。ドーム形状の前記電気接点20を形成するにあっては特許文献2に挙げた方法等で行なっている。言うまでもなく、前記電気接点20には、少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜21が施されている。
前記FPC14の電気接点20の周囲には、略U字形状をしたスリット22が設けられている。該スリット22は、相手コネクタの接点と接続した際に、前記エラストマー16の弾性によって、前記電気コネクタ10の電気接点20が摺動するようにするためのものである。前記スリット22の大きさは、このような役割とコネクタ10の小型化などを考慮して適宜設計する。前記電気接点20は、図4のように銅めっき50によってスルーホール26と接続され、該スルーホール26は前記導電細線12と接続する部分である。前記スルーホール26の大きさは、前記導電細線12が入り、半田付け等によって接続できればよく、コネクタ10の小型化や導電細線12の強度や接続性を考慮して適宜設計する。
次に、導電細線12について説明する。前記導電細線12は略円柱状をしており、両端部が細い径で、中央部が太い径といった2段になっている。前記導電細線12は金属製であり、導電特性の良い金属、例えば黄銅製棒状体を所定寸法に切断し、両端部分を更に小径になるように加工したものである。両端部分は前記スルーホール26に入る部分であり、両端部分の径は前記スルーホール26に入り、半田付けによって接続できるように適宜設計している。中央部分の径は、前記エラストマー16に埋設する部分であり、コネクタ10の小型化や狭ピッチ化や導電性を考慮して適宜設計している。それぞれの径部分の長さは、前記FPC14の厚さや前記エラストマー16の厚さを考慮して適宜設計する。
最後に、エラストマー16について説明する。前記エラストマー16には、前記導電細線12を挿入するための挿入孔28が設けられ、該挿入孔28の大きさは前記導電細線12が挿入できればよく、前記導電細線12の保持力等を考慮して適宜設計する。本実施例では、前記導電細線12の中央部分の径より0.02mm程度小さくしている。
本発明の活用例としては、回路基板と電子部品との間に嵌挿される電気コネクタ10に活用され、特に電気コネクタ10の電気接点20に導電性と耐摩耗性がよい導電性硬質薄膜を施したものである。
(A) 電気接点部分の断面図である。(B) (A)に保護膜部材としてドライフイルムを貼り付けた状態の電気接点部分の断面図である。(C) (B)に導電性硬質薄膜を吹きつけにより該薄膜を施した状態の電気接点部分の断面図である。(D) (C)の状態から保護膜部材としてドライフイルムを除去した電気接点部分の断面図である。 (A) 電気接点部分の断面図である。(B) (A)に保護膜部材としてドライフイルムとステンレス鋼を用いた状態の電気接点部分の断面図である。(C) (B)に導電性硬質薄膜を吹きつけにより該薄膜を施した状態の電気接点部分の断面図である。(D) (C)の状態から保護膜部材ドライフイルムとステンレス鋼を除去した電気接点部分の断面図である。 電気接点の形状を説明する図面である。 電気コネクタの断面図である。
符号の説明
10 電気コネクタ
12 導電細線
14 FPC(フレキシブルプリント基板)
15 ポリイミド
16 エラストマー
20 電気接点
21 導電性硬質薄膜
22 U字状スリット
26 スルーホール
28 挿入孔
30 保護膜層
32 ドライフィルム
33 ステンレス鋼
40 銅箔
42 金属ペースト層
44 金属ボール
45 突起接点
46 カバーレイ
48 貫通孔
50 銅めっき
52 貴金属めっき

Claims (2)

  1. 銅箔上に形成される電気接点の製造方法において、
    前記銅箔上に、接触相手物形状に適合した形状の接点を形成した後に、該接点の少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材を貼り付け若しくは置き、貼り付け若しくは置いた後に全面に導電性硬質薄膜を施し、次に前記保護膜部材を除去することで、少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜を施すことを特徴とする電気接点の製造方法。
  2. 銅箔上に形成される電気接点において、
    前記銅箔上に接触相手物形状に適合する形状の接点を形成するとともに該接点の周囲に略U字形状のスリットを設け、前記銅箔の下に弾性体を配置し、少なくとも接触相手物との接触部分が露出するように保護膜部材を貼り付け若しくは置き、貼り付け若しくは置いた後に全面に導電性硬質薄膜を施し、次に前記保護膜部材を除去することにより少なくとも接触相手物との接触部分に導電性硬質薄膜を施し、接触相手物との嵌合の際に前記接点上を相手物が摺動することを特徴とする電気接点。
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