JP2007173482A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007173482A
JP2007173482A JP2005368606A JP2005368606A JP2007173482A JP 2007173482 A JP2007173482 A JP 2007173482A JP 2005368606 A JP2005368606 A JP 2005368606A JP 2005368606 A JP2005368606 A JP 2005368606A JP 2007173482 A JP2007173482 A JP 2007173482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide film
conductive oxide
height
semiconductor light
concave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005368606A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007173482A5 (ja
Inventor
Hiroshi Kawaguchi
浩史 川口
Takakatsu Wakagi
貴功 若木
Takashi Sato
崇 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Chemical Industries Ltd filed Critical Nichia Chemical Industries Ltd
Priority to JP2005368606A priority Critical patent/JP2007173482A/ja
Publication of JP2007173482A publication Critical patent/JP2007173482A/ja
Publication of JP2007173482A5 publication Critical patent/JP2007173482A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Abstract

【課題】電極として透光性が良好で、長期間の使用によっても電極自体が劣化せず、半導体発光層から放出された発光出力を向上させることができる半導体発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に接続された導電性酸化物膜とを含んで構成される半導体素子の製造方法であって、表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが低い領域が、表面高さが高い領域より多く占める凸優勢の導電性酸化物膜を形成し、該凸優勢の導電性酸化物膜表面を、表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが高い領域が、表面高さが低い領域より多く占める凹優勢の導電性酸化物膜に加工することを含む半導体発光素子の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体発光素子及びその製造方法に関し、より詳細には、発光出力が良好な半導体発光素子及びその製造方法に関する。
従来から、半導体発光素子として、基板上にn型半導体層およびp型半導体が積層され、n型およびp型の半導体層のそれぞれと電気的に接続する電極が形成された構造が知られている。また、p型の半導体層と電気的に接続する電極として、p型半導体層上全面に透光性材料による電極を形成し、その上に金属電極を形成する構造が知られている。
このような構成の半導体発光素子では、p型半導体層上の全面電極として、Ni/Au電極等の透明な金属薄膜や、ITO、ZnO、In23、SnO2等の導電性酸化物膜が用いられている(例えば、特許文献1及び2)。
しかし、金属薄膜は光の透過率が悪く、発光出力を向上させるには限界がある。また、導電性酸化物膜は、その種類、導電型、成膜方法等の種々の要因に起因して、その表面で反射成分が存在することとなり、発光素子表面での発光出力を低下させることがあるという問題があり、さらなる低消費電力及び高発光効率が要求されている。
特開2000−164922号公報 特開2001−210867号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電極として透光性が良好で、長期間の使用によっても電極自体が劣化せず、半導体発光層から放出された発光出力を向上させることができる半導体発光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の半導体発光素子は、窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に接続された導電性酸化物膜とを含んで構成される半導体素子であって、
前記導電性酸化物膜が、表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが高い領域が、表面高さが低い領域より多く占める凹凸を有する凹優勢の導電性酸化物膜であることを特徴とする。
また、本発明の半導体発光素子の製造方法は、窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に接続された導電性酸化物膜とを含んで構成される半導体素子の製造方法であって、
表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが低い領域が、表面高さが高い領域より多く占める凹凸を有する凸優勢の導電性酸化物膜の表面を、表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが高い領域が、表面高さが低い領域より多く占める凹凸を有する凹優勢の導電性酸化物膜に加工することを特徴とする。
本発明によれば、電極として透光性が良好で、かつ、導電性酸化物膜の表面の加工によって、導電性酸化物膜の部分的に脆弱な部分を除去することができるため、長期間の使用によっても電極における劣化を最小限に抑えることができ、長寿命の半導体発光素子を得ることができる。また、半導体発光層から放出された光を、導電性酸化物膜の表面において乱反射させることにより、発光出力をより向上させることができ、高輝度の半導体発光素子を得ることができる。
本発明の半導体素子の製造方法では、予め窒化物半導体層に接続された導電性酸化物膜を形成する。
導電性酸化物膜は、通常、半導体発光素子を構成する基板上に、窒化物半導体層を積層し、その上に形成する。
ここで、基板としては、例えば、サファイア、スピネル、SiC、GaN、GaAs等の公知の絶縁性基板及び導電性基板を用いることができる。なかでも、サファイア基板が好ましい。絶縁性基板は、最終的に取り除いてもよいし、取り除かなくてもよい。絶縁性基板を取り除く場合、p電極及びn電極は、同一面側に形成されていてもよいし、異なる面に形成されていてもよい。絶縁性基板を取り除かない場合、通常、p電極およびn電極はいずれも窒化物半導体層上の同一面側に形成されることになる。なお、基板としては、その表面が平坦であるもののみならず、発光層で発生した光を乱反射することができる程度の高低差等が規則的又は不規則的に形成されていてもよい。
窒化物半導体層としては、特に限定されるものではないが、例えば、InXAlYGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化ガリウム系化合物半導体が好適に用いられる。窒化物半導体層は、単層構造でもよいが、MIS接合、PIN接合又はPN接合を有したホモ構造、ヘテロ構造又はダブルへテロ構造等の積層構造であってもよく、超格子構造や、量子効果が生ずる薄膜を積層した単一量子井戸構造又は多重量子井戸構造であってもよい。通常、基板上から、n型窒化物半導体層、発光層、p型窒化物半導体層がこの順に積層される。この窒化物半導体層は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相成長法(HVPE)、分子線エピタキシャル成長法(MBE)、スパッタ法、イオンプレーティング法、電子シャワー法等の公知の技術により形成することができる。窒化物半導体層の膜厚は特に限定されるものではなく、種々の膜厚のものを適用することができる。
窒化物半導体層上に、まず、導電性酸化物膜を、凸優勢の導電性酸化物膜として形成する。
ここで、「凸優勢の導電性酸化物膜」とは、例えば、図1(a)に示すように、膜表面に凹凸を有しており、その膜表面の凹凸において、表面の最大高さLと最小高さSとの中間高さZを基準として、表面高さが低い領域Bが、表面高さが高い領域Aより多く(広い面積で)占められている膜、つまり、膜表面において凸部が全体に対して少ないために、その凸部が際立って現れている膜を意味する。言い換えると、中間高さZにおける累積度数分布が50%より小さいことを意味する。さらに、45%以下、40%以下、30%以下、20%以下であることがより適している。
なお、最大高さL、最小高さS、それらの中間高さZは、例えば、走査プローブ顕微鏡(例えば、SII社製、SPI3800N)によって測定することができる。任意の領域において、表面高さの最も高い値を最大高さL、最も低い値を最小高さSとし、(L+S)/2で算出される値を中間高さとする。Z値をこの中間高さの値に設定すると、中間高さが示す高さにおける累積度数分布を得ることができる。なお、累積度数分布は、抜き取った領域内における、Z値が示す高さの平面において、導電性酸化物膜の占める割合を示す。
導電性酸化物膜としては、種々のものが挙げられ、例えば、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含むものが挙げられる。具体的には、ITO(SnドープIn23)、In23、IFO(FドープIn23)、SnO2、ATO(SbドープSnO2)、FTO(FドープSnO2)、CTO(CdドープSnO2)、AZO(AlドープZnO)、IZO(InドープZnO)、GZO(GaドープZnO)等である。なかでも、可視光(可視領域)において高い光透過性を有し、導電率の高い材料であるITO膜が好ましい。
このような導電性酸化物膜は、例えば、スパッタ法、反応性スパッタ法、真空蒸着法、イオンビームアシスト蒸着法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法、CVD法、スプレー法、スピンコート法、ディップ法又はこれらの方法と熱処理の組み合わせ等、種々の方法を任意の条件で利用することができる。形成に際しては、種々のスパッタリング装置を利用することができる。導電性酸化物膜の膜厚は、特に限定されるものではなく、種々の膜厚のものを適用することができる。例えば、1000〜10000Å程度が適当である。
そして、凸優勢の導電性酸化物膜の表面を、凹優勢の導電性酸化物膜に加工する。
ここで、「凹優勢の導電性酸化物膜」とは、例えば、図1(b)に示すように、この膜表面が凹凸を有しており、その膜表面の凹凸において、表面の最大高さLと最小高さSとの中間高さZを基準として、表面高さが高い領域Aが、表面高さが低い領域Bより多く占められている膜、つまり、膜表面において凹部が全体に対して少ないために、その凹部が際立って現れている膜を意味する。言い換えると、中間高さZにおける累積度数分布が50%より大きいことを意味する。特に、凸優勢の導電性酸化物膜から凹優勢の導電性酸化物膜に加工する場合は、55%より以上、60%以上、65%以上、70%以上であることが好ましい。これにより、光の乱反射を容易にすることができる。つまり、図8(a)に示すように、凸優勢の導電性酸化物膜は、凸部がシャープでその幅が狭いために、光の波長の大きさと凹凸の幅との関係によって、凸部の傾斜面(つまり、窒化物半導体層の表面に対して傾斜した面、以下「側面」という場合がある)に当る光がより少なく、その光の進行方向を変える影響が少ない。一方、図8(b)に示すように、凹優勢の導電性酸化物膜は、凹部がシャープであり、凸部の幅が広いために、凸部の側面に当る光がより多く、その光の反射による影響がより顕著に現れ、乱反射をより顕在化することができる。
加工とは、例えば、ウェットエッチング、ドライエッチング、導電性酸化物膜の一部の元素(例えば、In)を揮発させるような温度での熱処理及びこれら方法の組み合わせ等が挙げられる。なかでも、スパッタ法、反応性スパッタ法等のドライエッチング法が好ましい。なお、一般に、電極等をパターニングした後、エッチングガスやエッチング残留物等より電極等の表面に堆積物又は汚染物質等が残存することがあり、これを清浄するために、スパッタリング等を行うことがあるが、本発明における加工は、単に、電極等の表面に残存する不要物質を除去するために行うものではなく、導電性酸化物膜表面の脆弱化した部分を積極的に除去するために、導電性酸化物膜自体を加工又は処理によって薄膜化するものである。このような薄膜化の程度は、加工方法の条件を適宜調整することにより調節することができる。例えば、スパッタ法、反応性スパッタ法においては、RFエネルギーを増減する方法、スパッタ時間を増減する方法、ウェットエッチングにおいては、エッチャントの種類又は濃度を増減する方法、熱処理においては、熱処理時間及び温度を増減する方法が挙げられる。この加工による薄膜化は、元の膜厚に対して、10%程度以上、15%程度以上、17%程度以上、20%程度以上の範囲とすることが適当である。ただし、脆弱化した部分を有効に除去するためには、500Å程度以上除去することが好ましい。また、最終的に残存する膜厚を、500Å程度以上にすることが好ましい。
また、凹優勢の導電性酸化物膜は、図1(b)におけるb〜dに示すように、凹部の底が2以上の異なる高さを有するように加工することが好ましい。これにより、凹部の底が不規則な高さを有することにより、光が乱反射しやすくなり、発光出力を向上することができる。また、凹優勢の導電性酸化物膜は、不規則な凹凸であることが好ましい。さらに、凹優勢の導電性酸化物膜は、中間高さよりも底面の高さが高い凹部を有することが好ましい。これにより、光の乱反射をより容易にすることができる。
このように、凸優勢の導電性酸化物膜を凹優勢の導電性酸化物膜に加工するという簡便かつ容易な方法によって、導電性酸化物膜の脆弱な部分を除去することができ、このため、長期間にわたる電極使用時の劣化を防止することが可能になる。しかも、例えば、凸優勢の又は凹優勢の中間程度の導電性酸化物膜の表面を加工等して凹優勢にする場合、凹優勢の導電性酸化物膜の表面を加工等して凹優勢を維持する場合等では得られないような、発光出力を、予想外にも得ることができる。
本発明の半導体発光素子は、通常、半導体素子が実装用基板にダイボンディングされて構成され、導電性酸化物膜がパッド電極を介して又は介さないで、外部配線とボンディング材料によって接続されるが、そのような場合において、導電性酸化物膜の表面粗さが調整されることにより、密着性が良好となる。
以下に、本発明の半導体発光素子及びその製造方法の実施例を説明する。
実施例1:半導体発光素子及びその製造方法
この実施例の半導体発光素子を図1に示す。
半導体発光素子10は、サファイア基板1の上に、Al0.1Ga0.9Nよりなるバッファ層(図示せず)、ノンドープGaN層(図示せず)が積層され、その上に、n型半導体層2として、SiドープGaNよりなるn型コンタクト層、GaN層(40Å)とInGaN層(20Å)とを交互に10回積層させた超格子のn型クラッド層が積層され、さらにその上に、GaN層(250Å)とInGaN層(30Å)とが交互に3〜6回積層された多重量子井戸構造の活性層3、p型半導体層4として、MgドープAl0.1Ga0.9N層(40Å)とMgドープInGaN層(20Å)とが交互に10回積層された超格子のp型クラッド層、MgドープGaNよりなるp型コンタクト層がこの順に積層されて構成される。
n型半導体層2の一部の領域においては、その上に積層された活性層3及びp型半導体層4が除去され、さらにn型半導体層2自体の厚さ方向の一部が除去されて露出しており、その露出したn型半導体層2上にn電極7が形成されている。
p型半導体層3上には、ほぼ全面に、ITOからなる導電性酸化物膜5が形成されており、この導電性酸化物膜5の一部上にパッド電極6が形成されている。
このような半導体発光素子は、以下の製造方法により形成することができる。
<半導体層の形成>
2インチφのサファイア基板1の上に、MOVPE反応装置を用い、Al0.1Ga0.9Nよりなるバッファ層を100Å、ノンドープGaN層を1.5μm、n型半導体層2として、SiドープGaNよりなるn型コンタクト層を2.165μm、GaN層(40Å)とInGaN層(20Å)とを交互に10回積層させた超格子のn型クラッド層5を640Å、GaN層(250Å)とInGaN層(30Å)とを交互に3〜6回積層させた多重量子井戸構造の活性層3、p型半導体層4として、MgドープAl0.1Ga0.9N層(40Å)とMgドープInGaN層(20Å)とを交互に10回積層させた超格子のp型クラッド層を0.2μm、MgドープGaNよりなるp型コンタクト層を0.5μmの膜厚でこの順に成長させ、ウェハを作製した。
<エッチング>
得られたウェハを反応容器内で、窒素雰囲気中、600℃にてアニールし、p型クラッド層及びp型コンタクト層をさらに低抵抗化した。
アニール後、ウェハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層の表面に所定の形状のマスクを形成し、エッチング装置でマスクの上からエッチングし、n型コンタクト層の一部を露出させた。
<ITO膜の形成>
マスクを除去した後、スパッタ装置にウェハを設置し、In23とSnO2とを混合した焼結体からなる酸化物ターゲットとし、スパッタ法によって、ガス圧力、温度、成膜圧力、RFパワーを調整して、ウェハのp型コンタクト層8のほぼ全面に、ITOからなる凸優勢の導電性酸化物膜5を3000Åの膜厚で成膜した。
この導電性酸化物膜5の表面状態を、1.0μm×1.0μmの測定範囲でSPI3800Nの原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した。その結果、図3(a)に示すような表面粗さプロファイルが得られた。なお、図3(a)における一断面図は、図3(b)に示すようになる。また、測定範囲におけるこの導電性酸化物膜のZ値は19.0nm、このZ値での累積度数分布は8.53%であった。
次いで、スパッタ装置に、導電性酸化物膜5が形成されたウェハを設置し、アルゴンガス流量を調整し、RFパワー100Wでスパッタリングし、導電性酸化物膜5の表面を加工した。この際、導電性酸化物膜5の表面が若干エッチングされ、膜厚が700Å程度減少した。
この加工した導電性酸化物膜5についても、上記と同様にAFMにて測定した。その結果、図4(a)に示すような表面粗さプロファイルが得られた。なお、図4(a)における一断面図は、図4(b)に示すようになる。また、測定範囲におけるこの導電性酸化物膜のZ値は7.48nm、このZ値での累積度数分布は82.8%であった。
<パッド電極の形成>
導電性酸化物膜5上に、リフトオフ法により、ボンディング用のパッド電極6を形成した。
その後、n型コンタクト層の上に、n電極7を形成した。
得られたウェハを所定の箇所で分割することにより、半導体発光素子10を得た。
なお、比較のために、上述した工程において、導電性酸化物膜の加工を行わずに、上述した半導体発光素子と同様の素子を作製した。この素子においては、薄膜化による発光出力向上の効果を差し引くため、加工後の導電性酸化物膜の膜厚と同じ膜厚となるように導電性酸化物膜を成膜した。
これらの半導体発光素子について、発光出力を測定した。その結果、20mA、印加時間10ms、光取り出し波長460nmにおいて、導電性酸化物膜の加工を行わないものに対して、実施例の素子は、約5%の発光出力の向上が認められた。
また、長期間の使用においても、劣化及び電極剥がれ等が発生せず、高寿命が認められた。
実施例2:半導体発光素子及びその製造方法
この実施例では、導電性酸化物膜5の加工を、RFパワー400Wに変更した以外、実質的に実施例1と同様の製造方法で、同様の発光素子を作製した。
この発光素子の加工後の導電性酸化物膜5の表面のAFMでの測定においては、図5(a)に示すような表面粗さプロファイルが得られた。なお、図5(a)における一断面図は、図5(b)に示すようになる。また、測定範囲におけるこの導電性酸化物膜のZ値は27.4nm、このZ値での累積度数分布は81.0%であった。
この発光素子においても、実施例1と同様に、発光出力が向上しており、高寿命化が認められた。
比較例1:半導体発光素子の製造方法
この比較例では、ITO膜の形成を、蒸着法によって所望の膜が得られるように条件等を調整して形成する以外、実質的に実施例1と同様の製造方法で、同様の発光素子を作製した。
得られた導電性酸化物膜について、実施例1と同様に、表面状態を観察した。
その結果、図6(a)に示すような表面粗さプロファイルが得られた。なお、図6(a)における一断面図は、図6(b)に示すようになる。また、測定範囲におけるこの導電性酸化物膜のZ値は8.09nm、このZ値での累積度数分布は52.8%であった。
次いで、スパッタ装置に、導電性酸化物膜5が形成されたウェハを設置し、実施例1と同様に、導電性酸化物膜5の表面を加工した。この際、導電性酸化物膜5の表面が若干エッチングされた。
この加工した導電性酸化物膜5についても、上記と同様にAFMで測定した。その結果、図7(a)に示すような表面粗さプロファイルが得られた。なお、図7(a)における一断面図は、図7(b)に示すようになる。測定範囲におけるこの導電性酸化物膜のZ値は5.85nm、このZ値での累積度数分布は75.3%であり、凹優勢の膜であった。
一方、上述した工程において、導電性酸化物膜の加工を行わずに、上述した半導体発光素子と同様の構成の半導体発光素子を作製した。この発光素子においては、導電性酸化物膜の加工に起因する薄膜化による発光出力向上の効果を差し引くため、上述した加工後の導電性酸化物膜の膜厚と同じ膜厚となるように導電性酸化物膜を成膜した。
これらの半導体発光素子について、発光出力を測定した。その結果、20mA、印加時間10ms、光取り出し波長460nmでの発光出力は、導電性酸化物膜の加工の有無にかかわらず、ほとんど変化しなかった。
実施例3:半導体発光素子
実施例1と同様に、サファイア基板の上に、半導体層を成長させてウェハを作製し、アニールした後、p型コンタクト層の表面に所定の形状のマスクを形成し、エッチングによりn型コンタクト層の一部を露出させた。
マスクを除去した後、ウェハのp型コンタクト層のほぼ全面に、ITOからなる導電性酸化物膜を成膜した。
次いで、ウェハの導電性酸化物膜の表面をドライエッチングにより加工して、凹優勢の導電性酸化物膜とした。
比較のために、上述した工程において、加工の条件のみを変更して、導電性酸化物膜の加工を行い、導電性酸化物膜が凹優勢でも凸優勢でもない発光素子を作製した。
これらの発光素子について、発光出力を比較したところ、凹優勢導電性酸化物膜の方が、発光出力が高かった。
本発明の半導体発光素子及びその製造方法は、各種照明器具、車両搭載用照明、ディスプレイ、インジケータ等の発光素子を用いる全ての分野に利用することができる。また、受光装置、パワーデバイスに利用することができる。
本発明の半導体発光素子における導電性酸化物膜の表面状態を説明するための模式図である。 本発明の半導体発光素子の構造を説明するための要部の概略断面図である。 本発明の半導体発光素子の実施例1における導電性酸化物膜の加工前の表面状態をAFMで測定して得られた像である。 本発明の半導体発光素子の実施例1における導電性酸化物膜の加工前の表面粗さのプロファイルを示す図である。 本発明の半導体発光素子の実施例1における導電性酸化物膜の加工後の表面状態をAFMで測定して得られた像である。 本発明の半導体発光素子の実施例1における導電性酸化物膜の加工後の表面粗さのプロファイルを示す図である。 本発明の半導体発光素子の実施例2における導電性酸化物膜の加工後の表面状態をAFMで測定して得られた像である。 本発明の半導体発光素子の実施例2における導電性酸化物膜の加工後の表面粗さのプロファイルを示す図である。 比較例における半導体発光素子の導電性酸化物膜の加工前の表面状態をAFMで測定して得られた像である。 比較例における半導体発光素子の導電性酸化物膜の加工前の表面粗さのプロファイルを示す図である。 比較例における半導体発光素子の導電性酸化物膜の加工後の表面状態をAFMで測定して得られた像である。 比較例における半導体発光素子の導電性酸化物膜の加工後の表面粗さのプロファイルを示す図である。 本発明の半導体発光素子における導電性酸化物膜の表面における光の反射を説明するための模式図である。
符号の説明
1 基板
2 n型半導体層
3 活性層
4 p型半導体層
5 導電性酸化物膜
6 パッド電極
7 n電極
10 半導体発光素子

Claims (15)

  1. 窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に接続された導電性酸化物膜とを含んで構成される半導体素子であって、
    前記導電性酸化物膜が、表面に凹凸を有し、該表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが高い領域が、表面高さが低い領域より多く占める凹優勢の導電性酸化物膜であることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 凹優勢の導電性酸化物膜が、表面の最大高さと最小高さとの中間高さにおける累積度数分布が50%より大きい請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 凹優勢の導電性酸化物膜が、凹部の底が2以上の異なる高さを有する請求項1又は2に記載の半導体発光素子。
  4. 凹優勢の導電性酸化物膜が、不規則な凹凸である請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  5. 凹優勢の導電性酸化物膜が、中間高さよりも底面の高さが高い凹部を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  6. 導電性酸化物膜が、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含んでなる請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  7. 導電性酸化物膜が、p型窒化物半導体層上に形成されてなる請求項1〜6のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  8. 窒化物半導体層と、該窒化物半導体層に接続された導電性酸化物膜とを含んで構成される半導体素子の製造方法であって、
    表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが低い領域が、表面高さが高い領域より多く占める凹凸を有する凸優勢の導電性酸化物膜の表面を、表面の最大高さと最小高さとの中間高さよりも表面高さが高い領域が、表面高さが低い領域より多く占める凹凸を有する凹優勢の導電性酸化物膜に加工することを含む半導体発光素子の製造方法。
  9. 凸優勢の導電性酸化物膜は、表面の最大高さと最小高さとの中間高さにおける累積度数分布が50%より小さく、凹優勢の導電性酸化物膜は、表面の最大高さと最小高さとの中間高さにおける累積度数分布が50%より大きい請求項8に記載の半導体発光素子の製造方法。
  10. 凹優勢の導電性酸化物膜は、凹部の底が2以上の異なる高さを有する請求項8又は9に記載の半導体発光素子の製造方法。
  11. 凹優勢の導電性酸化物膜が、不規則な凹凸である請求項8〜10のいずれか1つに記載の半導体発光素子の製造方法。
  12. 凹優勢の導電性酸化物膜は、中間高さよりも底面の高さが高い凹部を有する請求項8〜11のいずれか1つに記載の半導体発光素子の製造方法。
  13. 加工を、ウェットエッチング、ドライエッチング及び熱処理から選択される少なくとも1つの方法により行う請求項8〜12のいずれか1つに記載の半導体発光素子の製造方法。
  14. 加工を、ドライエッチングにより行う請求項8〜13のいずれか1つに記載の半導体発光素子の製造方法。
  15. 導電性酸化物膜を、亜鉛、インジウム、スズ、ガリウム及びマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含んで形成する請求項8〜14のいずれか1つに記載の半導体発光素子の製造方法。


JP2005368606A 2005-12-21 2005-12-21 半導体発光素子及びその製造方法 Pending JP2007173482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005368606A JP2007173482A (ja) 2005-12-21 2005-12-21 半導体発光素子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005368606A JP2007173482A (ja) 2005-12-21 2005-12-21 半導体発光素子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007173482A true JP2007173482A (ja) 2007-07-05
JP2007173482A5 JP2007173482A5 (ja) 2009-02-12

Family

ID=38299636

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005368606A Pending JP2007173482A (ja) 2005-12-21 2005-12-21 半導体発光素子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007173482A (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6314190A (ja) * 1986-07-05 1988-01-21 沖電気工業株式会社 Ito膜上に薄膜を形成する方法
JP2000196152A (ja) * 1998-12-24 2000-07-14 Toshiba Corp 半導体発光素子およびその製造方法
JP2003174191A (ja) * 2001-06-25 2003-06-20 Toshiba Corp 半導体発光素子及びその製造方法
JP2004356221A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Hitachi Cable Ltd 半導体発光素子及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6314190A (ja) * 1986-07-05 1988-01-21 沖電気工業株式会社 Ito膜上に薄膜を形成する方法
JP2000196152A (ja) * 1998-12-24 2000-07-14 Toshiba Corp 半導体発光素子およびその製造方法
JP2003174191A (ja) * 2001-06-25 2003-06-20 Toshiba Corp 半導体発光素子及びその製造方法
JP2004356221A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Hitachi Cable Ltd 半導体発光素子及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7439091B2 (en) Light-emitting diode and method for manufacturing the same
KR101161897B1 (ko) 질화물 반도체 소자
EP2280427B1 (en) Light emitting diode
JP2006352129A (ja) 発光ダイオードの製造方法
EP1911105B1 (en) Gallium nitride-based compound semiconductor light-emitting device
KR20080015922A (ko) 질화갈륨계 화합물 반도체 발광소자
TW201236199A (en) Roughening method and method for manufacturing light emitting diode having roughened surface
JP2009514198A (ja) 金属支持基板を備えた半導体発光デバイス
JP2006294907A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
KR101134732B1 (ko) 반도체 발광소자 및 그 제조방법
US8232569B2 (en) Semiconductor light emitting device
JP2012500479A (ja) 両面不動態化を伴う半導体発光デバイスを製造するための方法
JP2005064475A (ja) 窒化物系化合物半導体発光素子およびその製造方法
JP2010087217A (ja) Iii族窒化物半導体発光素子およびその製造方法
CN108305918A (zh) 氮化物半导体发光器件及其制作方法
JP2012028773A (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
CN1964090A (zh) 氮化物基半导体器件及其制造方法
JP5471485B2 (ja) 窒化物半導体素子および窒化物半導体素子のパッド電極の製造方法
KR100663016B1 (ko) 수직형 발광 다이오드 및 그 제조방법
CN100438101C (zh) 基于氮化镓的化合物半导体发光器件
JP2009094108A (ja) GaN系LED素子の製造方法
US20150104944A1 (en) Method of forming patterns for semiconductor device
JP2007173482A (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
KR101868232B1 (ko) 혼성 투명전극을 포함하는 led 소자
KR20080002200A (ko) 3족 질화물 반도체 발광소자의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081222

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120807

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121107

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121212

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20121212

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20121219

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20130222

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20130520

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20130523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130617