JP2007171045A - 電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法 - Google Patents

電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の運行中において二次電池の分極電圧に対して補正を行なうことができ、二次電池の分極電圧を正確に推定し得る電池用制御装置、及び二次電池の分極電圧推定方法を提供する。
【解決手段】二次電池40の電流値Iを測定する電流測定部2と、端子電圧の電圧を測定する電圧測定部4と、電流値Iから積算容量Qを算出する積算容量算出部7と、積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qから第1の分極電圧Vbun1を推定する第1の分極電圧推定部9と、積算容量Qから起電力Vkを算出する起電力算出部8と、無負荷電圧V0を算出する無負荷電圧算出部13と、無負荷電圧V0から起電力Vkを減算して第2の分極電圧Vbun2を推定する第2の分極電圧推定部10と、第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2との差を用いて第1の分極電圧Vbun1を補正する分極電圧補正部11とで、電池用制御装置1を構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、二次電池を制御するための電池用制御装置、及び二次電池の分極電圧推定方法に関する。
近年、二次電池は、燃料電池や太陽電池、更には発電機と組み合わされ、電源システムとして利用されることがある。発電機は、風力や水力といった自然による力や、内燃機関等の人工的な動力によって駆動される。このような二次電池を組み合わせた電源システムは、余剰な電力を二次電池によって蓄積しておくことによって、エネルギー効率の向上を図っている。
このようなシステムの一例としては、近年、動力源としてエンジンとモータとを搭載したハイブリッド自動車(「HEV」:Hybrid Electric Vehicle)が挙げられる。HEVは、走行に必要な動力に対してエンジンからの出力が大きい場合には、余剰の動力で発電機を駆動し、二次電池の充電を行なう。また、HEVは、車両の制動時や減速時には、車輪によってモータを駆動し、モータを発電機として利用することによっても、二次電池の充電を行なう。逆に、エンジンからの出力が小さい場合には、HEVは、不足の動力を補うため、二次電池を放電してモータを駆動する。
このように、HEVにおいては、従来の自動車では熱として大気中に放出されていたエネルギーを二次電池に蓄積できるため、従来の自動車に比べて、エネルギー効率を高めることができ、燃費の飛躍的な向上を図ることができる。
また、二次電池には、過放電や過充電が行われると、電池性能が劣化してしまうという問題がある。このため、HEVにおいては、電池用制御装置(以下「電池ECU:Electric Control Unit」という。)が、二次電池の電池残量(SOC:State of Charge)を推定し、推定されたSOCに基づいて二次電池の充放電(入出力)を制御している。一般的には、電池ECUは、SOCが40%〜70%の範囲内に収まるように充放電を制御するが、このとき、SOCを正確に推定することが重要となる。
電池ECUは、例えば、以下に示すように、充放電履歴を用いてSOCの推定を行なっている(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、先ず、電池ECUは、二次電池の充放電時の電流の電流値Iと、それに対応する二次電池の端子電圧の電圧値Vとのペアデータを複数個取得し、これらを充放電履歴として記憶する。次に、電池ECUは、充放電履歴(ペアデータ)から最小二乗法により1次の近似直線(電圧V−電流I近似直線)を求める。次に、電池ECUは、電流値0(ゼロ)に対応する電圧値(電圧V−電流I近似直線の切片)を無負荷電圧OCVとして推定する。
更に、分極電圧Vbunを推定するため、電池ECUは、充放電された電流Iから積算容量Qを算出する。次に、電池ECUは、単位時間当たりの積算容量の変化量△Qを求める。次に、電池ECUは、変化量△Qに対して時間遅延処理及び平均化処理を行なって、△Q´を算出する。次いで、電池ECUは、電池温度を縦軸、△Q´を横軸とし、縦軸と横軸との交点に対応する分極電圧が特定されたマップに、測定された二次電池の温度と算出した変化量△Q´とを当てはめて、対応する分極電圧を特定し、これを分極電圧Vbunとする。
次に、電池ECUは、推定した無負荷電圧OCVから、推定した分極電圧Vbunを減算することによって起電力Eを求める。その後、電池ECUは、算出した起電力Eを、起電力とSOCとの関係を示すマップ(起電力マップ)に当てはめ、算出した起電力Eに対応するSOCを求め、これを二次電池のSOCとする。
このように、SOCを正確に推定するためには、無負荷電圧OCVや分極電圧Vbunを正確に推定することが重要となる。但し、分極電圧Vbunには、二次電池が開放端状態で放置されると、時間の経過と共に徐々に低下し、やがて0(ゼロ)になるという性質がある。この場合、電池ECUが推定した分極電圧Vbunと実際の分極電圧との間の誤差が大きくなり、正確な分極電圧Vbunを取得するためには、推定された分極電圧Vbunに対して補正を行なう必要性がある。
このため、例えば、特許文献2に開示の電池ECUは、以下に示すように、分極電圧に対して補正を行なっている。先ず、電池ECUは、車両のイグニッションスイッチがONされると、その時の二次電池の端子電圧と前回イグニッションスイッチがOFFされた時の二次電池の端子電圧との差を求め、これと判定値とを比較する。
次に、電圧差が判定値よりも小さい場合は、電池ECUは、前回イグニッションスイッチがOFFされるまでに推定され、且つ、記憶された分極電圧を初期値に設定する。一方、電圧差が判定値よりも大きい場合は、電池ECUは、分極電圧の初期値を0(ゼロ)に設定する。
このような補正が行なわれるため、特許文献2に開示の電池ECUにおいては、車両が長期間放置された場合であっても、正確な分極電圧が推定され、結果、正確なSOCが推定される。
特開2003−197275号公報 特開2004−271434号公報
しかしながら、特許文献2に開示の電池ECUでは、車両が放置された場合にしか、分極電圧Vbunに対して補正は行われない。また、分極電圧Vbunは、充放電時の電流の大きさ、電池温度、車両の状況に応じて変動し、車両の運行中においても、電池ECUが推定した分極電圧Vbunと実際の分極電圧との間の誤差は大きくなる。このため、電池ECUに対しては、車両の運行中においても、分極電圧Vbunの誤差を補正することが求められている。
本発明の目的は、上記問題を解消し、二次電池を使用する機器が起動している間において二次電池の分極電圧に対して補正を行なうことができ、二次電池の分極電圧を正確に推定し得る電池用制御装置、及び二次電池の分極電圧推定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明における電池用制御装置は、二次電池の分極電圧を推定する電池用制御装置であって、前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iを測定する電流測定部と、前記二次電池の端子電圧の電圧値Vを測定する電圧測定部と、前記電流測定部が測定した電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出する積算容量算出部と、前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定する第1の分極電圧推定部と、前記積算容量算出部が算出した前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出する起電力算出部と、前記電流値Iとそれに対応する前記電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出する無負荷電圧算出部と、前記無負荷電圧算出部が算出した無負荷電圧V0と、前記起電力算出部が算出した前記起電力Vkとを下記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定する第2の分極電圧推定部と、前記第1の分極電圧Vbun1と前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正する分極電圧補正部とを備えることを特徴とする。
(数7)
Vbun2=V0−Vk ・・・(1)
また、上記目的を達成するために、本発明における二次電池の分極電圧推定方法は、二次電池の分極電圧を推定するための方法であって、(a)前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出する工程と、(b)前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定する工程と、(c)前記(a)の工程で算出された前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出する工程と、(d)前記電流値Iとそれに対応する前記二次電池の端子電圧の電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出する工程と、(e)前記(d)の工程で算出された無負荷電圧V0と、前記(c)の工程で算出された前記起電力Vkとを上記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定する工程と、(f)前記(b)の工程で推定された前記第1の分極電圧Vbun1と前記(e)の工程で推定された前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正する工程とを少なくとも有することを特徴とする。
更に、上記目的を達成するために、本発明におけるプログラムは、二次電池の分極電圧をコンピュータに推定させるためのプログラムであって、(a)前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出するステップと、
(b)前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定するステップと、(c)前記(a)のステップで算出された前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出するステップと、(d)前記電流値Iとそれに対応する前記二次電池の端子電圧の電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出するステップと、(e)前記(d)のステップで算出された無負荷電圧V0と、前記(c)のステップで算出された前記起電力Vkとを上記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定するステップと、(f)前記(b)のステップで推定された前記第1の分極電圧Vbun1と前記(e)のステップで推定された前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
以上のように本発明においては、機器の起動中に測定された積算容量Qに基づいて、2種類の推定方法によって二次電池の分極電圧が推定される。更に、本発明においては、それぞれの方法で推定された分極電圧から補正値が求められ、これを用いて分極電圧の補正が行なわれる。このため、本発明によれば、機器の起動中において、二次電池の分極電圧に対して補正を行うことができ、二次電池の分極電圧を正確に推定することが可能となる。
本発明における電池用制御装置は、二次電池の分極電圧を推定する電池用制御装置であって、前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iを測定する電流測定部と、前記二次電池の端子電圧の電圧値Vを測定する電圧測定部と、前記電流測定部が測定した電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出する積算容量算出部と、前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定する第1の分極電圧推定部と、前記積算容量算出部が算出した前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出する起電力算出部と、前記電流値Iとそれに対応する前記電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出する無負荷電圧算出部と、前記無負荷電圧算出部が算出した無負荷電圧V0と、前記起電力算出部が算出した前記起電力Vkとを下記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定する第2の分極電圧推定部と、前記第1の分極電圧Vbun1と前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正する分極電圧補正部とを備えることを特徴とする。
(数8)
Vbun2=V0−Vk ・・・(1)
上記本発明における電池用制御装置においては、前記二次電池を使用する機器の起動時から設定単位時間がn回経過したときの時間をT(n)とし、前記設定単位時間の毎経過時に、前記積算容量算出部が、前記時間T(n)における積算容量Q(n)を算出し、前記第1の分極電圧推定部が、前記積算容量Q(n)の単位時間あたりの変化量△Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における第1の分極電圧Vbun1(n)を推定し、前記起電力算出部が、前記積算容量Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における前記二次電池の起電力Vk(n)を算出し、前記無負荷電圧算出部が、前記時間T(n)における無負荷電圧V0(n)を算出し、前記第2の分極電圧推定部が、上記式(1)の代わりに下記式(2)を用いて、前記時間T(n)における第2の分極電圧Vbun2(n)を推定し、前記分極電圧補正部が、前記第1の分極電圧Vbun1(n)と前記第2の分極電圧Vbun2(n)との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1(n)を補正する態様とすることができる。
(数9)
Vbun2(n)=Vbun2(n−1)+{V0(n)−Vk(n)}
−{V0(n−1)−Vk(n−1)} ・・・(2)
上記態様においては、過去の分極電圧を考慮して、現在の分極電圧の補正が行なわれる。このため、上記態様によれば、分極電圧の推定精度を高めることができ、よりいっそう、二次電池の性能劣化を抑制することができる。
更に、上記本発明における電池用制御装置においては、前記分極電圧補正部が、前記差が基準値を超えた場合に補正を行なう態様とすることもできる。
また、本発明における二次電池の分極電圧推定方法は、二次電池の分極電圧を推定するための方法であって、(a)前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出する工程と、(b)前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定する工程と、(c)前記(a)の工程で算出された前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出する工程と、(d)前記電流値Iとそれに対応する前記二次電池の端子電圧の電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出する工程と、(e)前記(d)の工程で算出された無負荷電圧V0と、前記(c)の工程で算出された前記起電力Vkとを上記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定する工程と、(f)前記(b)の工程で推定された前記第1の分極電圧Vbun1と前記(e)の工程で推定された前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正する工程とを少なくとも有することを特徴とする。
上記本発明における二次電池の分極電圧推定方法においては、前記二次電池を使用する機器の起動時から設定単位時間がn回経過したときの時間をT(n)とし、前記設定単位時間の毎経過時に、前記(a)の工程において、前記時間T(n)における積算容量Q(n)を算出し、前記(b)の工程において、前記積算容量Q(n)の単位時間あたりの変化量△Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における第1の分極電圧Vbun1(n)を推定し、前記(c)の工程において、前記積算容量Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における前記二次電池の起電力Vk(n)を算出し、前記(d)の工程において、前記時間T(n)における無負荷電圧V0(n)を算出し、前記(e)の工程において、上記式(1)の代わりに上記式(2)を用いて、前記時間T(n)における第2の分極電圧Vbun2(n)を推定し、前記(f)の工程において、前記(b)の工程で推定した前記第1の分極電圧Vbun1(n)と、前記(e)の工程で推定した前記第2の分極電圧Vbun2(n)との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1(n)を補正する態様とすることができる。
上記態様においては、過去の分極電圧を考慮して、現在の分極電圧の補正が行なわれる。このため、上記態様によれば、分極電圧の推定精度を高めることができ、よりいっそう、二次電池の性能劣化を抑制することができる。
また、上記本発明における分極電圧推定方法においては、前記(f)の工程において、前記差が基準値を超えた場合に補正を行なう態様とすることもできる。
また、本発明は、上記の本発明における二次電池の分極電圧推定方法を具現化するためのプログラムであっても良い。このプログラムをコンピュータにインストールして実行することにより、本発明における二次電池の分極電圧推定方法を実行できる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。最初に、図1を用いて、本実施の形態1における電池用制御装置を搭載した電動車両の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における電池用制御装置を搭載した電動車両の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態1における電池用制御装置を搭載した電動車両は、HEVである。電動車両は、ドライブシャフト28に動力を伝達する動力源として、エンジン24と、モータ26とを備えている。ドライブシャフト28は、車輪(図示せず)に接続されている。また、電動車両は、モータ26への電力供給源として二次電池40を備えている。二次電池40の電力は、リレーユニット29及びインバータ22を介してモータ26に供給される。インバータ22は、二次電池40からの直流をモータ駆動用の交流に変換する。
エンジン24は、動力分割機構25、減速機27及びドライブシャフト28を介して車輪に動力を伝達している。モータ26は、減速機27及びドライブシャフト28を介して車輪に動力を伝達している。二次電池40に充電が必要な場合は、エンジン24の動力の一部が、動力分割機構25を介して、発電機23に伝達される。
発電機23によって発生した電力は、インバータ22及びリレーユニット29を介して二次電池40に供給され、充電に利用される。また、電動車両の減速時や制動時においては、モータ26が発電機として利用される。モータ26によって発生した電力も、インバータ22及びリレーユニット29を介して二次電池40に供給され、充電に利用される。
リレーユニット29は、リレー30〜32と、抵抗33とを備えている。リレー31は、二次電池40の正極端子とインバータ22の高電位入力端子との間に接続されている。リレー32は、二次電池40の負極端子とインバータ22の低電位入力端子との間に接続されている。リレー30は、抵抗33に対して直列に接続され、リレー31に対して並列に接続されている。リレー30は、抵抗33と共に、車両の起動時にインバータ22の平滑用コンデンサ(図示せず)をプリチャージするのに用いられる。
また、電動車両は、制御装置として、電池用制御装置(電池ECU)1と、車両用制御装置(車両ECU)20と、エンジン用制御装置(エンジンECU)21とを備えている。エンジンECU21は、主に、エンジン24の点火時期や燃料噴射量等を制御している。電池ECU1は、二次電池40の電圧の測定、SOCの算出、劣化判定を行ない、これらの結果を情報として車両ECU20に送信する。なお、電池ECU1については、図2を用いて後述する。
車両ECU20は、電池ECU1やエンジンECU21等から入力される情報に基づいて、インバータ22を制御し、これによって、モータ26の駆動を制御している。エンジンECU21から入力される情報としては、エンジン24の運転状態やクランクシャフトの回転角等が挙げられる。電池ECU1からの情報としては、上述した二次電池40のSOC等の情報の他に、二次電池40の放電電力の上限値(出力制限値)等も挙げられる。また、アクセルペダル37の操作量、ブレーキペダル36の操作量、シフトレバー35で選択されているシフトレンジ等も、車両ECU20に入力されており、これらの情報もインバータ22の制御に利用される。
また、車両ECU20は、起動電圧(最小動作電圧)のリレー30〜32への供給により、リレー30〜32を閉状態とし、起動電圧の供給の停止により、リレー30〜32を開状態とする。具体的には、車両ECU20は、イグニッション(IG)34のオンを検出すると、先ず、リレー30及びリレー32を閉状態にする。これにより、インバータ22の平滑用コンデンサへのプリチャージが行われる。プリチャージが終了すると、車両ECU20は、リレー31を閉状態にして、二次電池40からインバータ22を介してモータ26へと電力が供給されるようにする。また、車両ECU20は、イグニッション(IG)34のオフを検出すると起動電圧の供給を停止する。
また、車両ECU20は、イグニッション34のオンを検出すると、起動電圧を供給する前に、そのことを通知する信号を電池ECU1に送信する。一方、車両ECU20は、イグニッション34のオフを検出すると、起動電圧の供給を停止すると同時に、そのことを通知する信号を電池ECU1に送信する。
本実施の形態において、二次電池40は、電池ブロックB1〜B20を直列に接続して構成されている。電池ブロックB1〜B20は、電池ケース42に収容されている。また、電池ブロックB1〜B20それぞれは、2個の電池モジュールを電気的に直列に接続して構成されており、更に、各電池モジュールは、6個の単電池11を電気的に直列に接続して構成されている。各単電池11としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等を用いることができる。なお、電池ブロック、電池モジュール、単電池11の数は特に限定されるものではない。二次電池40の構成も上記した例に限定されるものではない。
また、電池ケース42内には、複数の温度センサ43が配置されている。複数の温度センサ43の配置は、比較的温度が近い複数の電池ブロックを1つのグループとして、或いはいずれの電池ブロックとも比較的温度差がある1つの電池ブロックを1つのグループとして、グループ毎に1つの温度センサ43を配置することによって行なわれている。また、グループ分けは、事前の実験等によって、各電池ブロックの温度を計測することによって行なわれている。
次に、本実施の形態における電池用制御装置の構成について図2を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態1における電池用制御装置の概略構成を示す図である。図2に示すように、電池ECU1(電池用制御装置)は、主に、電流測定部2と、電圧測定部4と、温度測定部3と、演算部5と、記憶部(メモリ)6とを備えている。
電圧測定部4は、二次電池40の端子電圧の電圧値Vを測定している。本実施の形態では、電圧測定部4は、電池ブロックB1〜B20それぞれの端子電圧Vu1〜Vu20を測定する。また、電圧測定部4は、端子電圧Vu1〜Vu20を特定する電圧データを生成し、これを演算部5に出力している。電圧測定部4による演算部5への電圧データの出力は、予め設定された周期で行われ、演算部5は電圧データを記憶部6に格納する。
電流測定部2は、二次電池40の充放電時における電流の電流値Iを測定している。本実施の形態では、電流測定部2は、電流センサ44が出力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、これに基づいて、充電時に二次電池40に入力された電流の電流値Iと、放電時に二次電池40から出力された電流の電流値Iとを特定する電流データを生成し、これを演算部5に出力する。また、電流測定部2は、充電時をマイナス、放電時をプラスとして電流データを生成する。電流測定部2による演算部5への電流データの出力も、予め設定された周期で行われ、演算部5は電流データも記憶部6に格納する。
温度測定部3は、二次電池40の電池温度の測定を行なっている。本実施の形態では、温度測定部3は、グループ毎に設置された各温度センサ43が出力するアナログ信号をデジタル信号に変換し、これに基づいてグループ毎の電池温度を特定する温度データを生成し、これを演算部5に出力する。温度測定部3による演算部5への温度データの出力も、予め設定された周期で行われ、演算部5は温度データも記憶部6に格納する。
演算部5は、積算容量算出部7、起電力算出部8、第1の分極電圧推定部9、第2の分極電圧推定部10、分極電圧補正部11、SOC算出部12及び無負荷電圧算出部13を備えている。演算部5は、この構成により、分極電圧の推定及び補正を行い、更に、得られた分極電圧を用いて、二次電池40のSOCの推定も行なう。以下、各部について具体的に説明する。
積算容量算出部7は、電流測定部2が測定した電流値Iに基づいて、二次電池40の積算容量Qを算出する。本実施の形態1では、積算容量算出部7は、記憶部6に格納された電流データを読み出して電流値Iを取得し、取得された電流値Iが充電時の電流(−)の場合は充電効率を乗算する。
更に、積算容量算出部7は、得られた電流値(充電時の場合は乗算値)を設定された時間にわたって積算して、積算容量Qを算出する。また、積算容量算出部7は、得られた積算容量Qを設定された時間で除算し、単位時間(例えば、1分間)当たりの変化量△Qも算出する。積算容量Q及び変化量△Qは記憶部6に格納される。
起電力算出部8は、積算容量算出部7が算出した積算容量Qに基づいて、二次電池の起電力Vkを算出する。本実施の形態1では、起電力算出部8は、起電力と積算容量との関係を示す特性曲線、数式、またはマップ(テーブル)に積算容量Qを当てはめて起電力Vkを求めている。また、起電力と積算容量との関係を示す特性曲線、数式及びマップは、電池温度をパラメータとするものである。
具体的には、本実施の形態1では、縦軸(又は横軸)を積算容量Q、横軸(又は縦軸)を電池温度とし、縦軸と横軸との交点に対応する起電力Vkが記録された二次元マップが、予め作成され、記憶部6に格納されている。起電力算出部8は、温度データに基づいて、グループ毎の電池温度の中から最も低い電池温度(最低電池温度)を特定し、これと、積算容量算出部7が算出した積算容量Qとを二次元マップに当てはめて、起電力Vkを算出(推定)している。
第1の分極電圧推定部9は、積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定する。本実施の形態1では、第1の分極電圧推定部9は、ローパスフィルタを備えており、これを用いて変化量△Qに対して時間遅延処理及び平均化処理を行なって、△Q´を算出する。
具体的には、第1の分極電圧Vbun1が、変化量△Qに対して遅れて変動するため、時間遅延処理により、この遅れに対応するローパスフィルタの時定数が決定される。また、ローパスフィルタを用いた平均化処理により、△Qの不要な高周波成分に相当する変動成分が除去され、△Q´が算出される。なお、本実施の形態1では、ローパスフィルタは1次遅れ要素で構成されている。
また、第1の分極電圧推定部9は、△Q´と分極電圧との関係を示す特性曲線、数式、またはマップに、算出した変化量△Q´とを当てはめて、対応する分極電圧を特定し、これを第1の分極電圧Vbun1として推定する。また、△Q´と分極電圧との関係を示す特性曲線、数式、またはマップは、電池温度をパラメータとするものである。
具体的には、本実施の形態1では、変化量△Q´を縦軸(又は横軸)、電池温度を横軸(又は縦軸)とし、縦軸と横軸との交点に対応する第1の分極電圧Vbun1が記録された二次元マップが、予め作成され、記憶部6に格納されている。第1の分極電圧推定部9は、温度データから最低電池温度を特定し、これと、算出した変化量△Q´とを二次元マップに当てはめて、第1の分極電圧Vbun1を推定している。
無負荷電圧算出部13は、電流値Iとそれに対応する電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した組データに基づいて無負荷電圧V0を算出する。具体的には、無負荷電圧算出部13は、設定期間内において、電圧測定部4から出力された電圧データと、電流測定部2から出力された電流データとから、電池ブロック毎に、充放電時の電流の電流値Iとそれに対応する端子電圧の電圧値との組データを複数個取得する。取得された組データは、充放電履歴として、記憶部6に格納される。なお、対応する端子電圧の電圧値とは、電流値Iが測定されたときの端子電圧の電圧値をいう。
次に、無負荷電圧算出部13は、記憶部6に格納された電池ブロック毎の組データの中から、代表となる電池ブロックの、上限及び下限を除いた平均的な組データを選択する。更に、無負荷電圧算出部13は、この選択された代表となるペアデータから、回帰分析法を用いて、1次の近似直線(V−I近似直線)を求める。更に、無負荷電圧算出部13は、V−I近似直線のV切片を求め、これを代表となる電池ブロックの無負荷電圧V0とする。なお、本実施の形態1では、代表となる電池ブロックを選択してV0の算出を行なっているが、これに限定されるものではない。たとえば、二次電池全体の無負荷電圧を算出しても良い。
第2の分極電圧推定部10は、無負荷電圧算出部が算出した無負荷電圧V0と、起電力算出部8が算出した起電力Vkとを下記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定する。
(数10)
Vbun2=V0−Vk ・・・(1)
分極電圧補正部11は、第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて第1の分極電圧Vbun1を補正する。本実施の形態1では、分極電圧補正部11は、第1の分極電圧Vbun1から第2の分極電圧Vbun2を減算して得られた差に応じて補正係数を選択し、選択した補正係数を第1の分極電圧Vbun1に乗算することによって補正を行なっている。なお、この補正係数は、予め充放電実験等を行うことによって求めることができる。
SOC算出部12は、二次電池40のSOCを推定し、推定したSOCを車両ECU20へと出力している。本実施の形態1においては、SOC算出部12は、積算容量算出部7が算出した積算容量Qと予め設定された満充電時の二次電池40の容量とから第1のSOCを推定する。
また、SOC算出部12は、無負荷電圧算出部13が算出した無負荷電圧V0を用いて第2のSOCも推定する。具体的には、先ず、SOC算出部12は、無負荷電圧V0から、分極電圧補正部11によって補正された後の第1の分極電圧Vbun1を減算する。このとき得られた値は、起電力Vkに相当する。
次に、SOC算出部12は、起電力を縦軸(又は横軸)、電池温度を横軸(又は縦軸)とし、縦軸と横軸との交点に対応するSOCが記録された二次元マップに、算出された起電力と最低電池温度とを当てはめてSOCを特定し、これを第2のSOCとして推定する。なお、この二次元マップも記憶部6に格納されている。
更に、SOC算出部12は、第1のSOCと第2のSOCとの差を求め、求めた差に基づいて第1のSOCを補正し、補正後の第1のSOCを車両ECU20に出力する。また、第1のSOCの補正は、第1のSOCと第2のSOCとの差に応じて、補正係数を第1の推定SOCに乗算することによって、又は所定値を第1のSOCに加算することによって行うことができる。なお、この場合の補正係数及び所定値も、予め充放電実験等を行うことによって求めることができる。
次に、本発明の実施の形態1における二次電池の分極電圧推定方法について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。本実施の形態1における二次電池の分極電圧推定方法は、図1及び図2に示した本実施の形態1における電池ECU(電池用制御装置)1を動作させることによって実施される。よって、以下においては、適宜図1及び図2を参酌しながら、図1及び図2に示す電池ECU1の動作に基づいて説明する。
図3に示すように、最初に、積算容量算出部7によって、記憶部6に格納された電流データが読み出され、積算容量Q及び変化量△Qの算出が行なわれる(ステップS1)。次に、第1の分極電圧推定部9によって、変化量△Qに対して時間遅延処理及び平均化処理が行なわれて△Q´が算出され、更に、△Q´を用いて第1の分極電圧Vbun1が推定される(ステップS2)。
次に、起電力算出部8によって、積算容量Qに基づいて二次電池40の起電力Vkが算出される(ステップS3)。次いで、無負荷電圧算出部13によって、複数個の組データの取得が行われ、取得された組データに基づいて無負荷電圧V0が算出される(ステップS4))。次に、第2の分極電圧推定部10によって、ステップS4で得られた無負荷電圧V0とステップS3で得られた起電力Vkとから、上記式(1)を用いて、第2の分極電圧Vbun2が推定される(ステップS5)。
次に、分極電圧補正部11によって、第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2との差に応じた補正係数が求められ、これを用いて第1の分極電圧Vbun1が補正される(ステップS6)。ステップS5により、補正された分極電圧が得られる。
次に、SOC算出部12によって、二次電池40のSOCが推定され、推定されたSOCが車両ECU20へと送信され、処理が終了する(ステップS7)。本実施の形態1では、SOC算出部12は、ステップS1で得られた積算容量Qを用いて、第1のSOCを推定し、更に、ステップS6で得られた分極電圧を用いて、第2のSOCを推定する。また、SOC算出部12は、第1のSOCと第2のSOCとの差を求め、求めた差を用いて、第1のSOCを補正した後、補正後の第1のSOCを車両ECU20に送信する。なお、車両の起動後に最初に実施されるステップS7においては、SOC算出部12は、第2のSOCを車両ECUに送信する。
なお、本実施の形態1において、図3に示したステップS1〜ステップS6は、車両の起動時から、設定された単位時間(例えば、1分間)が経過する度に行なわれているが、本発明はこれに限定されるものではない。また、車両の起動時とは、本実施の形態1においては、イグニッションがオンされ、リレー30〜31が閉状態となる直前であるが、本発明はこれに限定されるものでもない。
以上のように本実施の形態1によれば、車両の運行中において二次電池40の分極電圧に対して補正が行われるので、二次電池40の分極電圧は従来に比べて正確に推定される。また、これにより、二次電池40のSOCの推定精度の向上も図られるため、従来に比べて、二次電池40の性能劣化を抑制することもできる。
また、本実施の形態1における電池用制御装置(電池ECU)1は、マイクロコンピュータに、図3に示す各種処理を具現化させるプログラムをインストールし、このプログラムを実行することによっても、実現することができる。この場合、マイクロコンピュータのCPU(central processing unit)が演算部5として機能する。また、電圧センサの接続回路とCPUとが電圧測定部4として機能し、電流センサの接続回路とCPUとが電流測定部2として機能し、更に、温度センサ9の接続回路とCPUとが温度測定部3として機能する。更に、マイクロコンピュータが備える各種メモリが記憶部6として機能する。
更に、HEVの分野においては、車両ECUが電池ECUとしても機能する態様が考えられる。この態様においては、本実施の形態1における電池用制御装置1は、車両ECU20を構成するマイクロコンピュータに、図3に示す各種処理を具現化させるプログラムをインストールし、このプログラムを実行することによって、実現することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法について、図4を参照しながら説明する。図4は、本発明の実施の形態2における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。本実施の形態2においても、二次電池の分極電圧推定方法は、本実施の形態2における電池ECUを動作させることによって実施される。
本実施の形態2における電池用制御装置(電池ECU)は、実施の形態1における電池用制御装置(電池ECU)と同様に、図1及び図2に示された構成を備えている。但し、本実施の形態2における電池用制御装置は、分極電圧補正部が行なう処理において、実施の形態1における電池用制御装置と異なっている。この点について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、最初に、ステップS11〜ステップS15が実施される。但し、ステップS11〜ステップS15は、実施の形態1において図3に示したステップS1〜ステップS5と同様のステップであり、これらと同様に実施される。ステップS11〜ステップS15の実施により、第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2とが得られる。
次に、実施の形態1と異なり、分極電圧補正部によって、第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2との差が基準値α以上となっているかどうかの判定が行なわれる(ステップS16)。
但し、本実施の形態1において、基準値αは、SOCの許容誤差量に基づいて設定される。基準値αは、許容誤差量が大きいほど大きな値に設定され、許容誤差量が小さいほど小さい値に設定される。例えば、SOCの許容誤差量が±10%の場合であれば、基準値αは±0.1[V]以内に設定される。
第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2との差が基準値α未満の場合は、第1の分極電圧Vbun1における誤差は看過できるため、分極電圧補正部は、第1の分極電圧の補正を行なわず、ステップS19が実行される。
この場合、ステップS19では、SOC算出部は、ステップS12で得られ、補正が行なわれていない第1の分極電圧Vbun1を用いて第2のSOCを推定する。また、SOC算出部は、実施の形態1において図3に示したステップS7と同様に、第1のSOCを推定し、これを第2のSOCを用いて補正した後、車両ECUに、補正後の第1のSOCを送信する。なお、車両の起動後に最初に実施されるステップS19においては、SOC算出部は、第2のSOCを車両ECUに送信する。
一方、第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2との差が基準値α以上となっている場合は、分極電圧補正部によって、実施の形態1において図3に示したステップS6と同様に、第1の分極電圧Vbun1と第2の分極電圧Vbun2との差が求められ、求められた得られた差に応じた補正係数を用いて第1の分極電圧Vbun1が補正される(ステップS17)。
更に、この場合は、実際の二次電池のSOCと、SOC算出部によって推定されたSOCとの間に、大きな誤差が生じている可能性があり、この状態を改善する必要性がある。このため、分極電圧補正部によって、車両ECUに対して、SOCの変動幅を通常の場合よりも増加させるモータの駆動が指示される(ステップS18)。
この結果、二次電池のSOCは大きく変動し、充放電履歴として記憶されている組データの分布がそれまでよりも広がるため、無負荷電圧V0の算出精度が向上する。このため、第2のSOCの算出精度も向上し、上記の誤差は小さくなる。
なお、本実施の形態2において「SOCの変動幅」とは、設定された時間内でのSOCの最大値と最小値との差をいう。この時間は、例えば、5分以内に設定するのが好ましい。また、「通常の場合」とは、SOCが制御中心(例えば60%)に対して±10%前後で変動するように、車両ECUがモータの駆動を制御している状態をいう。具体的には、SOCが50%〜70%の範囲で変動するように、車両ECUがモータを駆動している状態をいう。
その後、SOC算出部によって、実施の形態1において図3に示したステップS7と同様に、二次電池のSOCが推定され、推定されたSOCが車両ECUへと送信され、処理が終了する(ステップS19)。なお、この場合においては、ステップS17によって補正された第1の分極電圧Vbun1を用いて第2のSOCが算出される。
以上のように本実施の形態2によれば、分極電圧の誤差が大きく、それによって、推定されたSOCにも誤差が生じている可能性が高い場合において、SOCの誤差を縮小することができる。よって、例えば、車両が長期間放置された場合のように、分極電圧がリセットされた場合において、SOCの誤差を縮小することができる。また、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、車両の運行中において二次電池の分極電圧に対して補正が行われ、二次電池の分極電圧は従来に比べて正確に推定される。
また、本実施の形態2における電池用制御装置(電池ECU)も、実施の形態1と同様に、マイクロコンピュータに、図4に示す各種処理を具現化させるプログラムをインストールし、このプログラムを実行することによって、実現することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、本発明の実施の形態3における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。
本実施の形態3における電池用制御装置(電池ECU)は、実施の形態1における電池用制御装置と同様に、図1及び図2に示された構成を備えている。但し、本実施の形態3における電池用制御装置は、第2の分極電圧補正部が行なう処理において、実施の形態1における電池用制御装置と異なっている。
また、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、以下の図5に示すステップは、車両の起動時から、設定された単位時間の毎経過時に実行される。本実施の形態3では、車両の起動時から設定単位時間△Tがn回経過したときの時間をT(n)とする。但し、nは1以上の整数である。
また、時間T(n)における積算容量をQ(n)、時間T(n)における二次電池の起電力をVk(n)、時間T(n)における無負荷電圧をV0(n)、時間T(n)における第1の分極電圧をVbun1(n)、時間T(n)における第2の分極電圧をVbun2(n)とする。積算容量Q(n)、起電力Vk(n)、無負荷電圧をV0(n)、第1の分極電圧をVbun1(n)、第2の分極電圧Vbun2(n)は、算出または推定された後、記憶部6に時系列で格納される。
更に、本実施の形態3においては、時間T(n)における電流値をI(n)、時間T(n)における電圧値をV(n)とする。また、本実施の形態3において、設定単位時間の経過時には、設定単位時間が経過した時点のみならず、設定単位時間が経過する直前や経過した直後も含まれる。
以下、実施の形態1との相違点について説明する。図5に示すように、最初に、演算部は、設定単位時間の経過時に、現時点の設定単位時間の経過回数nを特定する(ステップS21)。本実施の形態3においては、経過回数nは記憶部にパラメータnとして格納されている。演算部は、記憶部に格納されたパラメータnの数値を読み取ることで、経過回数nを特定している。
次に、演算部によって、記憶部から、時間T(n−1)における無負荷電圧V0(n−1)、起電力Vk(n−1)、及び第2の分極電圧Vbun2(n−1)の読み出しが行なわれる(ステップS22)。
次いで、積算容量算出部によって、時間T(n)における積算容量Q(n)及び変化量△Q(n)の算出が行なわれる(ステップS23)。本実施の形態では、積算容量算出部は、時間T(n−1)から時間T(n)までの間に測定された電流値Iを記憶部から読み出し、これらを積算して、時間T(n)における積算容量Q(n)を算出する。更に、積算容量算出部は、算出した積算容量Q(n)を設定単位時間△Tで除して変化量△Q(n)を算出する。
次に、第1の分極電圧推定部によって、変化量△Q(n)に対して時間遅延処理及び平均化処理が行なわれて△Q´(n)が算出され、更に、△Q´(n)を用いて第1の分極電圧Vbun1(n)が推定される(ステップS24)。なお、ステップS24は、実施の形態1において図3に示したステップS2と同様に行なわれる。
次に、起電力算出部によって、積算容量Q(n)に基づいて二次電池の起電力Vk(n)が算出される(ステップS25)。なお、ステップS25は、実施の形態1において図3に示したステップS3と同様に行なわれる。
次いで、無負荷電圧算出部によって、時間T(n)における無負荷電圧V0(n)の算出が行われる(ステップS26)。本実施の形態では、無負荷電圧算出部は、時間T(n−1)から時間T(n)までの間に測定された電流値Iと端子電圧とから、組データを複数個取得し、更に、この中から代表となる電池ブロックの組みデータを選択して、無負荷電圧V0(n)を算出する。
次に、第2の分極電圧推定部によって、第2の分極電圧Vbun2(n)が推定される(ステップS27)。但し、ステップS27は、実施の形態1において図3に示したステップS5とは異なっている。本実施の形態3においては、第2の分極電圧推定部は、上記式(1)の代わりに下記式(2)を用いて、時間T(n)における第2の分極電圧Vbun2(n)を推定する。
(数11)
Vbun2(n)=Vbun2(n−1)+{V0(n)−Vk(n)}
−{V0(n−1)−Vk(n−1)} ・・・(2)
次に、分極電圧補正部によって、ステップS24で推定された第1の分極電圧Vbun1(n)と、ステップS27で推定された第2の分極電圧Vbun2(n)との差に応じた補正係数が求められ、求められた補正係数が第1の分極電圧Vbun1(n)に乗算される(ステップS28)。ステップS28により、補正後の時間T(n)における分極電圧が得られる。なお、ステップS28は、実施の形態1において図3に示したステップS6と同様に行われる。
次に、SOC算出部によって、時間T(n)におけるSOCが推定され、推定されたSOCが車両ECU20へと送信される(ステップS29)。なお、ステップS29は、実施の形態1において図3に示したステップS7と同様に行なわれる。
ステップS29が終了すると、演算部は、記憶部に格納されたパラメータnに「1」を加算し(ステップS30)、処理を終了する。なお、車両のイグニッションがオフにされた場合は、演算部は、記憶部に格納されたパラメータnを初期値(n=1)に書き換える。
また、設定単位時間の経過回数nが「1」のときは、上記式(2)を利用するためには、Vbun2(0)、V0(0)、Vk(0)が必要となる。本実施の形態3において、V0(0)としては、イグニッションがオンにされた直後の全リレーが開状態となったときに電圧測定部によって測定された各電池ブロックの端子電圧であって、最も値が小さい端子電圧が用いられる。Vk(0)としては、前回車両が起動していたときに最後に算出されたVk(n)が用いられる。同様に、Vbun2(0)としても、前回車両が起動していたときに最後に推定されたVbun2(n)が用いられる。
また、車両が長期間放置されると、二次電池の分極電圧の減少や自己放電によって、最後に算出されたVk(n)や最後に推定されたVbun2(n)と実際の値との間に大きな誤差が生じている可能性がある。
このため、このような場合においては、分極電圧が解消したと仮定し、Vbun2(1)=0に設定する。また、Vbun2(1)=0より、V0(1)=Vk(1)と見なすことができるため、SOC算出部は、V0(1)と電池最低温度とを二次元マップに当てはめて、第2のSOCを推定する。
以上のように、本実施の形態3では、過去の分極電圧を考慮して、現在の分極電圧の補正が行なわれる。このため、本実施の形態3によれば、実施の形態1に比べて更に分極電圧の推定精度を高めることができ、よりいっそう、二次電池の性能劣化を抑制することができる。
また、本実施の形態3における電池用制御装置(電池ECU)も、実施の形態1と同様に、マイクロコンピュータに、図5に示す各種処理を具現化させるプログラムをインストールし、このプログラムを実行することによって、実現することができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施の形態4における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。本実施の形態4においても、二次電池の分極電圧推定方法は、本実施の形態4における電池ECUを動作させることによって実施される。
本実施の形態4における電池用制御装置(電池ECU)も、実施の形態3における電池用制御装置と同様に、図1及び図2に示された構成を備えている。また、本実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、第2の分極電圧推定部は、上記式(2)を用いて第2の分極電圧を推定する。
但し、本実施の形態4においては、実施の形態2と同様に、第1の分極電圧と第2の分極電圧との差が基準値以上となっている場合に、分極電圧補正部が、車両ECUに対して、SOCの変動幅を通常の場合よりも増加させるモータの駆動を指示する。本実施の形態4における電池用制御装置は、この点において、実施の形態3における電池用制御装置と異なっている。なお、この点以外においては、実施の形態4における電池用制御装置は、実施の形態3における電池用制御装置と同様である。以下に、実施の形態3との相違点について説明する。
図6に示すように、ステップS31〜ステップS37が実施される。但し、ステップS31〜ステップS37は、実施の形態3において図5に示したステップS21〜ステップS27と同様のステップであり、これらと同様に実施される。ステップS31〜ステップS37の実施により、第1の分極電圧Vbun1(n)と第2の分極電圧Vbun2(n)とが得られる。
次に、実施の形態3と異なり、分極電圧補正部によって、第1の分極電圧Vbun1(n)と第2の分極電圧Vbun2(n)との差が基準値β以上となっているかどうかの判定が行なわれる(ステップS38)。ステップS38は、実施の形態2において図4に示したステップS16と同様に行なわれる。
なお、基準値βも、実施の形態2と同様に、SOCの許容誤差量に基づいて設定される。また、基準値βも、許容誤差量が大きいほど大きな値に設定され、許容誤差量が小さいほど小さい値に設定される。例えば、SOCの許容誤差量が±10%の場合であれば、基準値βも、実施の形態2で示した基準値αと同様に、±0.1[V]以内に設定される。
第1の分極電圧Vbun1(n)と第2の分極電圧Vbun2(n)との差が基準値β未満の場合は、第1の分極電圧Vbun1(n)における誤差は看過できるため、分極電圧補正部は、第1の分極電圧の補正を行なわず、ステップS41が実行される。
この場合、ステップS41では、SOC算出部は、ステップS34で得られ、補正が行なわれていない第1の分極電圧Vbun1(n)を用いて第2のSOCを推定する。また、SOC算出部は、実施の形態1において図3に示したステップS7と同様に、第1のSOCを推定し、これを第2のSOCを用いて補正した後、車両ECUに、補正後の第1のSOCを送信する。なお、車両の起動後に最初に実施されるステップS41においては、SOC算出部は、第2のSOCを車両ECUに送信する。
一方、第1の分極電圧Vbun1(n)と第2の分極電圧Vbun2(n)との差が基準値β以上となっている場合は、分極電圧補正部によって、実施の形態1において図3に示したステップS6と同様に、第1の分極電圧Vbun1(n)と第2の分極電圧Vbun2(n)との差が求められ、求められた得られた差に応じた補正係数を用いて第1の分極電圧Vbun1(n)が補正される(ステップS39)。
更に、この場合は、実際の二次電池のSOCとSOC算出部によって推定されるSOCとの間に、大きな誤差が生じている可能性があり、この状態を改善する必要性がある。このため、本実施の形態4においても、分極電圧補正部によって、車両ECUに対して、SOCの変動幅を通常の場合よりも増加させるモータの駆動が指示される(ステップS40)。ステップS40は、実施の形態2において図4に示したステップS18と同様に行なわれ、ステップS40の実行によっても、二次電池のSOCは大きく変動し、上記の誤差は0(ゼロ)へと収束する。
その後、SOC算出部によって、実施の形態1において図3に示したステップS7と同様に、二次電池のSOCが推定され、推定されたSOCが車両ECUへと送信される(ステップS41)。
ステップS41が終了すると、演算部は、記憶部に格納されたパラメータnに「1」を加算し(ステップS42)、処理を終了する。なお、車両のイグニッションがオフにされた場合は、演算部は、記憶部に格納されたパラメータnを初期値(n=1)に書き換える。
以上のように本実施の形態4によれば、分極電圧の誤差が大きく、それによって、推定されたSOCにも誤差が生じている可能性が高い場合に、SOCの誤差を縮小することができる。また、本実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、過去の分極電圧を考慮して、現在の分極電圧の補正が行なわれる。このため、本実施の形態4によっても、実施の形態1に比べて更に分極電圧の推定精度を高めることができ、よりいっそう、二次電池の性能劣化を抑制することができる。
また、本実施の形態4における電池用制御装置(電池ECU)も、実施の形態1と同様に、マイクロコンピュータに、図6に示す各種処理を具現化させるプログラムをインストールし、このプログラムを実行することによって、実現することができる。
なお、上記の実施の形態1〜4は、本発明の電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法をHEVに適用した例について説明しているが、本発明はこの例に限定されるものではない。本発明の電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法は、燃料電池や、太陽電池、更には、自動車のエンジン以外の人工的な動力や、風力及び水力といった自然の力によって駆動される発電機と、二次電池とを組み合わせた電源システムにも適用することもできる。
本発明における電池用制御装置及び二次電池の分極電圧推定方法は、モータを動力源として備えた車両、更には、燃料電池、太陽電池又は発電機といった独立型電源と、二次電池とを組み合わせた電源システムにも有効である。本発明における電池用制御装置、及び二次電池の分極電圧推定方法は、産業上の利用可能性を有するものである。
本発明の実施の形態1における電池用制御装置を搭載した電動車両の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における電池用制御装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態1における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。 本発明の実施の形態2における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。 本発明の実施の形態3における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。 本発明の実施の形態4における二次電池の分極電圧推定方法を示す流れ図である。
符号の説明
1 電池用制御装置(電池ECU)
2 電流測定部
3 温度測定部
4 電圧測定部
5 演算部
6 記憶部
7 積算容量算出部
8 起電力算出部
9 第1の分極電圧推定部
10 第2の分極電圧推定部
11 分極電圧補正部
12 SOC算出部
13 無負荷電圧算出部
20 車両ECU
21 エンジンECU
22 インバータ
23 発電機
24 エンジン
25 動力分割機構
26 モータ
27 減速機
28 ドライブシャフト
29 リレーユニット
30、31、32 リレー
33 抵抗
34 イグニッション
35 シフトレバー
36 ブレーキペダル
37 アクセルペダル
40 二次電池
41 単電池
42 電池ケース
43 温度センサ
44 電流センサ

Claims (9)

  1. 二次電池の分極電圧を推定する電池用制御装置であって、
    前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iを測定する電流測定部と、
    前記二次電池の端子電圧の電圧値Vを測定する電圧測定部と、
    前記電流測定部が測定した電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出する積算容量算出部と、
    前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定する第1の分極電圧推定部と、
    前記積算容量算出部が算出した前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出する起電力算出部と、
    前記電流値Iとそれに対応する前記電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出する無負荷電圧算出部と、
    前記無負荷電圧算出部が算出した無負荷電圧V0と、前記起電力算出部が算出した前記起電力Vkとを下記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定する第2の分極電圧推定部と、
    前記第1の分極電圧Vbun1と前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正する分極電圧補正部とを備えることを特徴とする電池用制御装置。
    (数1)
    Vbun2=V0−Vk ・・・(1)
  2. 前記二次電池を使用する機器の起動時から設定単位時間がn回経過したときの時間をT(n)とし、
    前記設定単位時間の毎経過時に、
    前記積算容量算出部が、前記時間T(n)における積算容量Q(n)を算出し、
    前記第1の分極電圧推定部が、前記積算容量Q(n)の単位時間あたりの変化量△Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における第1の分極電圧Vbun1(n)を推定し、
    前記起電力算出部が、前記積算容量Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における前記二次電池の起電力Vk(n)を算出し、
    前記無負荷電圧算出部が、前記時間T(n)における無負荷電圧V0(n)を算出し、
    前記第2の分極電圧推定部が、上記式(1)の代わりに下記式(2)を用いて、前記時間T(n)における第2の分極電圧Vbun2(n)を推定し、
    前記分極電圧補正部が、前記第1の分極電圧Vbun1(n)と前記第2の分極電圧Vbun2(n)との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1(n)を補正する請求項1に記載の電池用制御装置。
    (数2)
    Vbun2(n)=Vbun2(n−1)+{V0(n)−Vk(n)}
    −{V0(n−1)−Vk(n−1)} ・・・(2)
  3. 前記分極電圧補正部が、前記差が基準値を超えた場合に補正を行なう請求項1または2に記載の電池用制御装置。
  4. 二次電池の分極電圧を推定するための方法であって、
    (a)前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出する工程と、
    (b)前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定する工程と、
    (c)前記(a)の工程で算出された前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出する工程と、
    (d)前記電流値Iとそれに対応する前記二次電池の端子電圧の電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出する工程と、
    (e)前記(d)の工程で算出された無負荷電圧V0と、前記(c)の工程で算出された前記起電力Vkとを下記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定する工程と、
    (f)前記(b)の工程で推定された前記第1の分極電圧Vbun1と前記(e)の工程で推定された前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正する工程とを少なくとも有することを特徴とする二次電池の分極電圧推定方法。
    (数3)
    Vbun2=V0−Vk ・・・(1)
  5. 前記二次電池を使用する機器の起動時から設定単位時間がn回経過したときの時間をT(n)とし、
    前記設定単位時間の毎経過時に、
    前記(a)の工程において、前記時間T(n)における積算容量Q(n)を算出し、
    前記(b)の工程において、前記積算容量Q(n)の単位時間あたりの変化量△Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における第1の分極電圧Vbun1(n)を推定し、
    前記(c)の工程において、前記積算容量Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における前記二次電池の起電力Vk(n)を算出し、
    前記(d)の工程において、前記時間T(n)における無負荷電圧V0(n)を算出し、
    前記(e)の工程において、上記式(1)の代わりに下記式(2)を用いて、前記時間T(n)における第2の分極電圧Vbun2(n)を推定し、
    前記(f)の工程において、前記(b)の工程で推定した前記第1の分極電圧Vbun1(n)と、前記(e)の工程で推定した前記第2の分極電圧Vbun2(n)との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1(n)を補正する請求項4に記載の分極電圧推定方法。
    (数4)
    Vbun2(n)=Vbun2(n−1)+{V0(n)−Vk(n)}
    −{V0(n−1)−Vk(n−1)} ・・・(2)
  6. 前記(f)の工程において、前記差が基準値を超えた場合に補正を行なう請求項4または5に記載の分極電圧推定方法。
  7. 二次電池の分極電圧をコンピュータに推定させるためのプログラムであって、
    前記プログラムは、
    (a)前記二次電池の充放電時における電流の電流値Iに基づいて、前記二次電池の積算容量Qを算出するステップと、
    (b)前記積算容量Qの単位時間あたりの変化量△Qに基づいて、第1の分極電圧Vbun1を推定するステップと、
    (c)前記(a)のステップで算出された前記積算容量Qに基づいて、前記二次電池の起電力Vkを算出するステップと、
    (d)前記電流値Iとそれに対応する前記二次電池の端子電圧の電圧値Vとの組データを複数個取得し、取得した前記組データに基づいて無負荷電圧V0を算出するステップと、
    (e)前記(d)のステップで算出された無負荷電圧V0と、前記(c)のステップで算出された前記起電力Vkとを下記式(1)に代入して、第2の分極電圧Vbun2を推定するステップと、
    (f)前記(b)のステップで推定された前記第1の分極電圧Vbun1と前記(e)のステップで推定された前記第2の分極電圧Vbun2との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1を補正するステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
    (数5)
    Vbun2=V0−Vk ・・・(1)
  8. 前記二次電池を使用する機器の起動時から設定単位時間がn回経過したときの時間をT(n)とし、
    前記設定単位時間の毎経過時に、
    前記(a)のステップにおいて、前記時間T(n)における積算容量Q(n)を算出し、
    前記(b)のステップにおいて、前記積算容量Q(n)の単位時間あたりの変化量△Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における第1の分極電圧Vbun1(n)を推定し、
    前記(c)のステップにおいて、前記積算容量Q(n)に基づいて、前記時間T(n)における前記二次電池の起電力Vk(n)を算出し、
    前記(d)のステップにおいて、前記時間T(n)における無負荷電圧V0(n)を算出し、
    前記(e)のステップにおいて、上記式(1)の代わりに下記式(2)を用いて、前記時間T(n)における第2の分極電圧Vbun2(n)を推定し、
    前記(f)のステップにおいて、前記(b)のステップで推定した前記第1の分極電圧Vbun1(n)と、前記(e)のステップで推定した前記第2の分極電圧Vbun2(n)との差を求め、得られた差を用いて前記第1の分極電圧Vbun1(n)を補正する請求項7に記載のプログラム。
    (数6)
    Vbun2(n)=Vbun2(n−1)+{V0(n)−Vk(n)}
    −{V0(n−1)−Vk(n−1)} ・・・(2)
  9. 前記(f)のステップにおいて、前記差が基準値を超えた場合に補正を行なう請求項7または8に記載のプログラム。
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