JP2007170839A - 標識付き試薬およびこれを用いた分析装置と分析方法 - Google Patents

標識付き試薬およびこれを用いた分析装置と分析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】抗原抗体反応を利用した分析装置で使用される標識付き試薬において、抗体の反応性を向上させることと、磁気センサによる測定精度を向上する。
【解決手段】標識付き試料として、「抗体を末端に有するポリエチレングリコールと、末端に前記抗体を有さないポリエチレングリコールと、がそれぞれアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合されている磁気粒子」の集合体を使用する。この標識付き試料を第2多孔体2に溶出可能に保持させ、その下流の反応部3に同じ抗体を固定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、特定成分(例えば、抗原)と、これと特異的に結合する物質(例えば、抗体)との反応(例えば、抗原抗体反応)を利用した分析装置で使用する標識付き試薬に関する。
臨床検査、環境分析、食品分析等に好適に用いられる分析装置として、抗原抗体反応を利用した分析装置が提案されている。
特許文献1に記載された分析装置では、検体(抗原)に対して特異的に結合する試薬(抗体)が、標識が付いた状態で、多孔質キャリヤ(帯状の多孔質体)の第一区域に湿潤状態で移動可能に保持されている。また、同じ多孔質キャリヤの第一区域から空間的に区別される検出区域(反応部)に、検体に対して特異的に結合する試薬(抗体)が標識無しで固定されている。
また、この分析装置は、適用された液状試料が標識付き試薬を吸収した後に検出区域に浸透するように構成され、標識付き試薬が検出区域に結合された程度を観察できる手段を有している。この分析装置において、多孔質キャリヤは、不透湿性固体材料からなる中空ケーシング(箱体)内に収容されている。
さらに、特許文献1には、標識の例として、染色ゾル、金属ゾル、および着色ラテックス粒子が挙げられている。そして、特許文献1の第12図に示された分析装置は、液状試料を横方向に移動させるラテラルフロー方式の装置である。
特許文献2に記載された分析装置では、標識として磁性微粒子(磁気粒子)を用い、磁性微粒子の凝集を磁気センサで測定することにより分析を行っている。
特公平7−46107号公報 特開昭63−302367号公報
ノルウェー国Dynal社製の磁気粒子「Dynabeads(登録商標) MyOne Streptavidin」は、超常磁性ポリマービーズ(粒径1μm、2.8μm等)にストレプトアビジンを結合させたものである。例えば、この磁気粒子を標識として用い、その表面に、末端に抗体が結合されたポリエチレングリコールを、アビジン・ビオチン結合を介して結合することで得られた標識付き試薬は、ポリエチレングリコールを介在させないで得られた標識付き試薬よりも、抗体の抗原との反応性を良好にすることができる。
しかしながら、現実的な分析装置用の標識付き試薬としては、抗体の更なる反応性の向上が求められているとともに、抗体同士の凝集力を低減させて磁気センサによる測定精度を向上させることが求められている。
本発明の課題は、特定成分(例えば、抗原)と、これと特異的に結合する物質(例えば、抗体)との反応(例えば、抗原抗体反応)を利用した分析装置で使用される標識付き試薬において、特定成分の反応性を向上させることと、標識が磁気粒子の場合に磁気センサによる測定精度を向上させることである。
上記課題を解決するために、本発明は、「特定成分と特異的に結合する物質を末端に有するポリアルキレングリコールと、末端に前記物質を有さないポリアルキレングリコールと、が表面に結合されている標識粒子」の集合体からなることを特徴とする標識付き試薬を提供する。
本発明の標識付き試薬によれば、標識粒子の表面に、特定成分と特異的に結合する物質を末端に有するポリアルキレングリコールだけでなく、末端に前記物質を有さないポリアルキレングリコールが結合されていることにより、特定成分と特異的に結合する物質を末端に有するポリアルキレングリコールだけが結合されている標識付き試薬と比較して、特定成分の反応性が向上する。また、標識粒子が磁気粒子の場合には、磁気センサによる測定精度が向上する。
本発明において、「特定成分」と「特定成分と特異的に結合する物質」の組み合わせとしては、抗原と抗体、リガンドとレセプター、相補的DNA同士が挙げられる。
抗原と抗体の組み合わせとしては、例えば、インフルエンザAウイルス(H3N2)と抗インフルエンザAウイルス抗体(米国フィッツジェラルド社、Anti−Mouse
IgG1 )、インフルエンザAウイルス(H1N1)と抗インフルエンザAウイルス抗体(ハイテスト社、Anti−Mouse IgG1 )、インフルエンザBウイルスと抗インフルエンザBウイルス抗体(米国フィッツジェラルド社、Anti−Mouse IgG1 )が挙げられる。
本発明の標識付き試薬を構成するポリアルキレングリコールとしては、ポリプロピレングリコールやポリエチレングリコール等が挙げられるが、ポリエチレングリコールを用いることが好ましい。
本発明の標識付き試薬を構成する「末端に前記物質を有するポリアルキレングリコール(以下、「PALG」と略称する。)」としては、モノマーの重合度が2〜500であるものが使用でき、特に50〜500であるものが好ましい。ポリエチレングリコール(以下、「PEG」と略称する。)の場合は、重量平均分子量が100〜22000であるものが使用でき、2500〜4000であるものが好ましい。
末端に前記物質を有さないPALGとしては、モノマーの重合度が2〜500であるものが使用でき、特に2〜150であるものが好ましい。すなわち、末端に前記物質を有するPALGは有さないPALGと同じか大きな重合度(有するPALGの重合度:有さないPALGの重合度=1:1〜10:1)であることが好ましい。末端に前記物質を有さないPALGの重合度の方が大きいと、前記物質の表面が露出し難くなって、反応性が低下する。また、末端に前記物質を有さないPALGは僅かでも存在していればよく、末端に前記物質を有するPALGに対するモル比が0.001以下であってもよい。
末端に前記物質を有さないPALGの末端は、メチル基、アミノ基、カルボキシル基等の一般的な官能基とすることができる。すなわち、前記物質を末端に有さないPALGの誘導体が、前記物質を末端に有するPALGとともに標識粒子の表面に結合されていればよい。また、末端に前記物質を有するPALGと、前記物質を末端に有さないPALGは、標識粒子に同時に結合させても良いし、どちらか片方を一定量結合させた後、他方を結合させてもよい。
本発明の標識付き試薬としては、「抗体を末端に有するポリエチレングリコールと、末端に前記抗体を有さないポリエチレングリコールと、がそれぞれアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合されている磁気粒子」の集合体からなるものが挙げられる。
本発明は、また、本発明の標識付き試薬に液状試料を接触させて、前記特定成分または抗体を検出するように構成された分析装置を提供する。
本発明は、また、特定成分と特異的に結合する試薬が固定された磁気粒子からなる標識付き試薬が保持された多孔体が、液体を浸透しない材料からなる基材上に固定され、この基材上の前記多孔体の下流側に、前記特定成分と特異的に結合する試薬が固定された反応部が形成され、液状試料を前記多孔体に吸収させた後に前記反応部に移動させ、前記反応部の状態を磁気検出装置で検出することにより、前記液状試料中の特定成分を分析する分析装置において、前記標識付き試薬が、「特定成分と特異的に結合する物質を末端に有するポリエチレングリコールと、末端に前記物質を有さないポリエチレングリコールと、がそれぞれアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合されている磁気粒子」の集合体からなる標識付き試薬であることを特徴とする分析装置を提供する。
本発明は、また、特定成分と特異的に結合する試薬が固定された磁気粒子からなる標識付き試薬を多孔体に保持させ、この多孔体の下流側で、液体を浸透しない材料からなる基材上に、前記特定成分と特異的に結合する試薬が固定された反応部を設け、前記多孔体に液状試料を吸収させて前記反応部まで移動させ、前記反応部の状態を磁気検出装置で検出することにより、前記液状試料中の特定成分を分析する分析方法であって、前記標識付き試薬として、「特定成分と特異的に結合する物質を末端に有するポリエチレングリコールと、末端に前記物質を有さないポリエチレングリコールと、がそれぞれアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合されている磁気粒子」の集合体からなる標識付き試薬を用いることを特徴とする分析方法を提供する。
本発明の分析装置を構成する磁気検出装置としては、市販の装置、例えば、ホール素子、半導体MR素子(SMR素子)、GMR (Giant magneto resistance) 素子等を備えたものを使用することができる。
本発明の標識付き試薬は、従来の標識付き試薬と比較して特定成分の反応性が向上し、標識が磁気粒子の場合に磁気センサによる測定精度が向上する。そして、これを用いた本発明の分析装置によれば、従来の標識付き試薬を用いた分析装置と比較して分析精度を向上できる。
したがって、本発明の分析装置は、医療診断や健康診断のために行われる臨床検査用の装置として好適に使用できる。
図1〜3を用いて、本発明の実施形態に相当する分析装置を説明する。
図1は、この分析装置を構成する本体を示す縦断面図である。図2は、この本体を構成する箱体の、組立前の状態を示す斜視図である。図3は、第1多孔体1、第2多孔体2、反応部3、および吸収体4の、箱体内での配置を示す斜視図である。
〔本体について〕
図1および2に示すように、この箱体は、ポリカーボネート(液体を浸透しない性質の材料)製の底板6と、ポリスチレン(液体を浸透しない性質の材料)製の蓋部7とで構成されている。
底板6の内面には、周縁部の6カ所に、蓋部7との連結用のピン67が固定されている。これらのピン67を入れる筒状のピン受け76が、蓋部7の内面に固定されている。蓋部7には、液状試料を入れるための試料導入口(試料導入部)71と、反応部3の上部に流路31を形成する流路形成部72が形成されている。これらの底板6および蓋部7は、汎用の射出成形機を用い、通常の条件で成形することができる。
図2および3に示すように、底板6の内面に、第1多孔体(試料導入部)1、第2多孔体2、反応部3、および吸収体4が配置されている。
底板6の内面は、反応部3を形成する部分(反応部形成面)30が、第1多孔体1を固定する部分10、第2多孔体2を固定する部分20、および吸収体4を固定する部分40よりも低く形成されている。符号50は、底板6の内面で最も低い面を示す。また、第1多孔体1を固定する部分10と第2多孔体2を固定する部分20は同じ高さで、吸収体4を固定する部分40は、これらの部分10,20よりも高くなっている。そのため、図2に示すように、底板6内面の吸収体4を固定する部分40は、周縁部と同じ高さの面6Aとして形成し、反応部形成面30、第1多孔体1を固定する部分10、および第2多孔体2を固定する部分20は、この面6Aに凹部10A,20A,30Aを設けることにより形成した。
底板6の内面の、第2多孔体2を固定する部分20と反応部形成面30の間は、斜面23になっている。反応部形成面30と吸収部4を固定する部分40の間は、斜面34になっている。これらの斜面23,34に、それぞれ複数の流路形成部材231,341を配置することで、溝状の流路232,342が形成される。流路形成部材231,341は、蓋部7の流路形成部72の傾斜部に固定されている。また、第1多孔体1と第2多孔体2は接触状態で配置される。
第1多孔体1は、グラスファイバーの不織布を長方形に打ち抜くことで作製し、これを両面テープで底板6の凹部10Aに固定する。
第2多孔体2は、グラスファイバーの不織布に、下記の方法で得られた液体を含浸した後に風乾することで得、これを両面テープで底板6の凹部20Aに固定する。
反応部3は、下記の方法で底板6の凹部30Aに形成する。吸収体4は、セルロースの不織布を長方形に打ち抜くことで作製し、これを両面テープで底板6の凹部30Aに隣接する面6Aに固定する。
この状態の底板6の上に蓋部7を載せて、底板6のピン67を蓋7のピン受け76に入れることにより、図1に示すように分析装置の本体101が得られる。そして、この実施形態の分析装置は、本体101の反応部3の状態を、磁気検出装置を用いて図1の矢印B方向から検出することで、試料導入口71から導入された液状試料の特定成分(抗体Bと特異的に結合する抗原)を分析する。
この実施形態の分析装置によれば、反応部3を底板6の内面の最も低い凹部30Aに形成することにより、図1に示すように、箱体の底板6の厚さを反応部3の位置で極めて薄くして、第1多孔体1、第2多孔体2、および吸収体4が固定されている部分の厚さを機械的強度が確保できる十分な厚さにすることができる。
そして、例えば、第1多孔体1および第2多孔体2を固定する部分の厚さを1.0mmとし、反応部形成面30の部分の厚さを0.2mmとし、吸収体4を固定する部分の厚さを1.5mmとすることで、磁気センサによる検出感度および検出精度を良好にしながら、底板6の機械的強度を確保することができる。
また、蓋部7の流路形成部72により、反応部3の上部に流路31を形成することで、反応部3の汚染が防止される。
〔第2多孔体に含浸させる液体(標識付き試薬を含有する液体)の作製方法〕
先ず、末端のうち一方がビオチンであり、他方が−NHS、マレイミドなどの官能基であるPEGを用いて、抗体にPEG鎖およびビオチンを導入する。
PBS(Phosphate Buffered Saline)、Tetoraborateなどの緩衝液中において、抗体0.1mg〜10mg(6.7×10-7mmol〜6.7×10-5mmol)に、蒸留水で溶解したBiotin−PEG−CO2−NHS(米国シェアーウオーター社製、MW3400)試薬3〜10倍モル等量を添加し、4℃〜室温で2時間〜12時間反応させる。上記反応液を遠心型限外ろ過又はゲルろ過によって精製し、PEG−biotin化抗体液とする。
得られたPEG−biotin化抗体液の分子あたりのビオチン化量をHABA試薬(米国ピアース社製)により定量し、Biotin化度が1〜10個/抗体1分子であることを確認する。
次に、磁気粒子として、前述のDynabeads MyOne Streptavidinを0.1mg〜10mg用意した。この磁気粒子に、前述のPEG−biotin化抗体と、PEG−biotin試薬(ビオチンポリエチレングリコールアミン、Sigma社)を、モル比で、PEG−biotin化抗体:PEG−biotin=1:1〜1000となる比率で添加し、4℃〜室温で1時間〜12時間、攪拌しながら反応させる。
この反応で得られた二次抗体結合磁気粒子分散液(標識付き試薬を含有する液体)から二次抗体結合磁気粒子(標識付き試薬)のみを、磁石を用いて回収し、2〜3回PBSで洗浄した後、最終的に二次抗体結合磁気粒子の粒子濃度が0.01%〜1%濃度となるように、1%BSA(牛血清アルブミン)/PBS溶液を添加して調整する。
〔反応部3の形成工程〕
抗インフルエンザBウイルス抗体(ハイテスト社製、Anti−Mouse IgG)を、1μg/ml〜50μg/ml濃度になるよう燐酸ナトリウム緩衝液など適当な緩衝液中へ溶解する。この溶解液を底板6の凹部30Aに1〜50μl滴下し、この底板6を湿潤箱に入れて4℃〜室温で、30分〜24時間反応させる。次に、蒸留水にて底板6の凹部30A側の表面を洗浄後、1%BSA/PBS溶液1μl〜50μlを滴下し、さらに、この底板6を湿潤箱に入れて4℃〜室温で、30分〜24時間反応させる。次に、蒸留水にて底板6の凹部30A側の表面を洗浄する。
〔標識付き試薬の調製〕
先ず、Biotin−PEG−CO2−NHS(米国シェアーウオーター社製、MW3400)を4.3mg計量して、500μlの蒸留水に溶解することにより、濃度が2.5mMである水溶液を調製した。
この水溶液14.8μlと、抗インフルエンザBウイルス抗体(ハイテスト社製、Anti-Mouse IgG)をPBSに脱塩・buffer交換したもの(抗体濃度3.44mg/ml)660μlを混合して、室温で2時間反応させた。これにより、前記抗体にPEG鎖を結合した。
上記反応液を、遠心型限外ろ過装置(アミコン社、分子量3万カット)を用いて回転速度7500rpm、10分間の条件で濃縮し、得られた濃縮液にPBSを3ml添加して、同限外ろ過装置で同様の条件で再び濃縮した。さらに、得られた濃縮液にPBSを3ml添加して、同限外ろ過装置で同様の条件で濃縮する操作を2回繰り返した。これにより、未反応のBiotin−PEG−CO2−NHSが除去された、精製PEG−biotin化抗体液を得た。
得られたPEG−biotin化抗体液に含まれる抗体の濃度は1.69mg/mlであった。また、この液体の抗体1分子あたりのBiotin化率を「EZ−link Sulfo−NHS−Biotinylation Kit試薬(米国ピアース社製)」のbiotin定量試薬により定量したところ、1.2分子であった。
次に、Dynabeads MyOne Streptavidin(ノルウェー国Dynal社製の磁気ビーズ、直径1.0μm、超常磁性高分子ポリマービーズにストレプトアビジンを結合させたもの)を1%含有するPBS溶液を200μl、エッペンドルフチューブに計量した。このエッペンドルフチューブから、ノルウェー国Dynal社製のMPC(磁石を用いた磁性粒子収集装置)を用いて上澄み液を除去した。次に、このエッペンドルフチューブに、得られた精製PEG−biotin化抗体液を497.6μlと、PEG−biotin試薬(ビオチンポリエチレングリコールアミン、Sigma社)の水溶液(濃度500μg/mlに調製)を27.3μl添加した。さらに、PBSを入れて全液量を600μlとした後、室温で1時間攪拌しながら反応を行った。
これにより、磁気ビーズ標識化二次抗体分散液を得た。この分散液中の磁気ビーズ標識化二次抗体は、「末端に抗体を有するPEGと有さないPEGが表面に、それぞれアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合された磁気粒子」の集合体であり、本発明の標識付き試薬の実施例に相当する。
得られた分散液から、ノルウェー国Dynal社製のMPC(磁石を用いた磁性粒子収集装置)を用いて、磁気ビーズ標識化二次抗体のみを回収した。回収された磁気ビーズ標識化二次抗体にPBSを1ml添加して洗浄し、この液体から同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体のみを回収した。最終的に、この磁気ビーズ標識化二次抗体に、1%BSA/PBS溶液を入れて、濃度が0.5%の磁気ビーズ標識化二次抗体分散液Aを得た。
次に、本発明の標識付き試薬の比較例に相当する磁気ビーズ標識化二次抗体、すなわち「末端に抗体を有するPEGのみが、表面にアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合された磁気粒子」の集合体が分散されている分散液Bを、以下のようにして得た。
前記と同じ磁気ビースを1%含有するPBS溶液を100μl、エッペンドルフチューブに計量した。このエッペンドルフチューブから、前記と同様に上澄み液を除去した後、このエッペンドルフチューブに、前述の方法で得られた精製PEG−biotin化抗体液を248.8μl添加した。さらに、PBSを入れて全液量を500μlとした後、室温で1時間攪拌しながら反応を行った。
得られた分散液から、前記と同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体のみを回収した。回収された磁気ビーズ標識化二次抗体にPBSを1ml添加して洗浄し、この液体から同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体のみを回収した。最終的に、この磁気ビーズ標識化二次抗体に、1%BSA/PBS溶液を入れて、濃度が0.5%の磁気ビーズ標識化二次抗体分散液Bを得た。
〔平板への一次抗体の固定(反応部の形成)〕
先ず、抗インフルエンザBウイルス抗体(ケミコン社製、Anti Mouse IgG)を0.1Mの燐酸ナトリウムbuffer(pH7)に10μg/ml濃度になるよう溶解し、この溶液を50μl、ポリスチレン製の平板(1cm×1cm×厚さ1mm)上に滴下した。次に、この平板を室温・湿潤箱に入れて1時間保持することにより、ポリスチレン平板の上に抗体Bを固定した。
次に、蒸留水で、この平板の表面(抗体Bが固定された側の面)を洗浄した後、牛血清アルブミンを0.1Mの燐酸ナトリウムbuffer(pH7)に溶解させた1%溶液を50μl、ポリスチレン平板上の抗体B溶液を滴下した位置と同じ位置に滴下した。次に、この平板を室温・湿潤箱に入れて1時間保持した。これにより、ポリスチレン平板上の抗体B溶液が滴下された位置の抗体Bが固定されなかった部分に、牛血清アルブミンを固定した。
次に、蒸留水で平板の表面(抗体Bおよび牛血清アルブミンが固定された側の面)を洗浄し、10分間ドラフト内で風乾した。このようにして、ポリスチレン平板の表面に反応部(抗体Bおよび牛血清アルブミンが固定された部分)を形成した。同様にして、反応部が形成された6枚の平板を用意した。
〔反応部への抗原および標識付き試薬の結合〕
6枚の平板のうちの2枚(No. 1とNo. 2)には、インフルエンザBウィルス(B/門真/506/99、107.0TCID50/ml)の生理食塩水による50倍希釈液を、別の2枚(No. 3とNo. 4)には同じウイルスの生理食塩水による500倍希釈液を、残りの2枚には、生理食塩水を、反応部にそれぞれ20μl滴下して、室温にて10分間反応させた。
次に、各平板の表面を蒸留水にて洗浄し、ペーパーパッドにて軽く水分をふき取った。これにより、前記希釈液が滴下された4枚の平板については、平板の表面に固定された抗体B上にインフルエンザBウィルス(抗原)が捕捉された。なお、生理食塩水が滴下された2枚の平板(No. 5とNo. 6)は陰性サンプルとして用意した。
次に、No. 1,3,5の平板の反応部に、前記工程で得られた「磁気ビーズ標識化二次抗体分散液A」をそれぞれ10μl滴下し、室温にて10分間反応させた。この反応により、インフルエンザBウィルス(抗原)が捕捉された平板(No. 1と3)の反応部では、抗原抗体反応が生じて、抗原の上に本発明の実施例に相当する標識付き試薬(抗体Bを末端に有するPEGと、抗体Bを末端に有さないPEGが、それぞれアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合されている磁気粒子)が結合される。
また、No. 2,4,6の平板の反応部に、前記工程で得られた「磁気ビーズ標識化二次抗体分散液B」をそれぞれ10μl滴下し、室温にて10分間反応させた。この反応により、インフルエンザBウィルス(抗原)が捕捉された平板(No. 2と4)の反応部では、抗原抗体反応が生じて、抗原の上に本発明の比較例に相当する標識付き試薬(抗体Bを末端に有するPEGがアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合され、抗体Bを末端に有さないPEGは結合されていない磁気粒子)が結合される。
〔磁気ビーズの検出〕
前記工程後のNo. 1〜6の平板の表面を、反応部に結合された磁気ビーズが剥がれないように蒸留水で洗浄し、風乾した。
次に、各平板の反応部を、斜めからの散乱光の存在下、CCDカメラで10倍に拡大して観察し、磁気ビーズが存在しているかどうかを調べた。
その結果、No. 1〜6の平板のうち、本発明の実施例に相当する標識付き試薬を用いたNo. 1と3の平板では、CCDカメラにより磁気ビースの存在が確認できたが、本発明の比較例に相当する標識付き試薬を用いたNo. 2,4の平板と、陰性サンプルNo. 5,6では、CCDカメラにより磁気ビースの存在が確認できなかった。
また、各平板の反応部に存在する磁気ビーズの量を示す出力信号を、図4に示す回転式の磁気検出装置を用いて、回転速度50rpm、電圧増幅倍率10万倍の条件で検出した。その結果を、図5にグラフで示す。
〔磁気検出装置の説明〕
図5の装置は、磁気センサ81aおよび磁場発生装置81bが固定された内側テーブル81と、試料Sの設置台82aが固定された外側テーブル82とが、同心で相対的に回転可能に配置され、磁気センサ81aおよび磁場発生装置81bの周囲を試料Sが回転することにより、試料Sの反応部の状態を磁気センサ81aで検出するものである。
内側テーブル81と外側テーブル82が回転軸83を中心に配置され、内側テーブル81は回転軸83に固定されている。また、回転機構84の回転軸85に固定されたディスク86が、外側テーブル83の外周に接触するように配置されている。この回転軸85の回転により、ディスク86を介して外側テーブル83が回転する。
また、磁気センサ81aらの検出信号は図示されない信号処理回路に入力される。さらに、この信号処理回路は、回転機構84や他の装置から必要な信号が入力されて、各種処理がなされて適切な検出がなされるように構成されている。
図5に示すように、本発明の実施例に相当する標識付き試料を用いたNo. 1,3,5では、抗原の濃度に応じた信号出力値が得られている。これに対して、本発明の比較例に相当する標識付き試料を用いたNo. 2,4,6では、50倍希釈と500倍希釈と陰性サンプルで同程度の信号出力値となっている。
これらの結果から、本発明の実施例に相当する標識付き試料を用いることにより、抗原抗体反応を使用した分析において、標識粒子が有する抗体の反応性が向上し、磁気センサによる測定精度を向上できることが分かる。
実施形態の分析装置を示す図であって、本体の縦断面図である。 図1の本体の組立前の状態を示す斜視図である。 第1多孔体、第2多孔体、反応部、および吸収体の、箱体内での配置を示す斜視図である。 実施例で使用した磁気検出装置の概要を示す概略構成図である。 実施例の試験結果を示すグラフである。
符号の説明
1 第1多孔体
10 第1多孔体を固定する部分
10A 凹部
2 第2多孔体
20 第2多孔体を固定する部分
20A 凹部
231 流路形成部材
232 溝状の流路
3A,3b 反応部
30 反応部を形成する部分(反応部形成面)
30A 凹部
31 反応部上部の流路
341 流路形成部材
342 溝状の流路
4 吸収体
40 吸収体を固定する部分
50 底板の内面で最も低い面
6 箱体の底板
67 ピン
7 箱体の蓋部
71 試料導入口
72 流路形成部
76 ピン受け
6A 底板内面の周縁部と同じ高さの面

Claims (6)

  1. 「特定成分と特異的に結合する物質を末端に有するポリアルキレングリコールと、末端に前記物質を有さないポリアルキレングリコールと、が表面に結合されている標識粒子」の集合体からなることを特徴とする標識付き試薬。
  2. 標識粒子が磁気粒子である請求項1記載の標識付き試薬。
  3. 「抗体を末端に有するポリエチレングリコールと、末端に前記抗体を有さないポリエチレングリコールと、がそれぞれアビジン・ビオチン結合を介して表面に結合されている磁気粒子」の集合体からなることを特徴とする標識付き試薬。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の標識付き試薬に液状試料を接触させて、前記特定成分または抗体を検出するように構成された分析装置。
  5. 特定成分と特異的に結合する試薬が固定された磁気粒子からなる標識付き試薬が保持された多孔体が、液体を浸透しない材料からなる基材上に固定され、
    この基材上の前記多孔体の下流側に、前記特定成分と特異的に結合する試薬が固定された反応部が形成され、
    液状試料を前記多孔体に吸収させた後に前記反応部に移動させ、前記反応部の状態を磁気検出装置で検出することにより、前記液状試料中の特定成分を分析する分析装置において、
    前記標識付き試薬が、請求項2または3に記載の標識付き試薬であることを特徴とする分析装置。
  6. 特定成分と特異的に結合する試薬が固定された磁気粒子からなる標識付き試薬を多孔体に保持させ、
    この多孔体の下流側で、液体を浸透しない材料からなる基材上に、前記特定成分と特異的に結合する試薬が固定された反応部を設け、
    前記多孔体に液状試料を吸収させて前記反応部まで移動させ、前記反応部の状態を磁気検出装置で検出することにより、前記液状試料中の特定成分を分析する分析方法であって、
    前記標識付き試薬として、請求項2または3に記載の標識付き試薬を用いることを特徴とする分析方法。
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