JP2007170840A - 分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】抗原抗体反応を利用したラテラルフロー方式の分析装置の分析精度を向上する
【解決手段】ポリカーボネート製の底板6に、第1多孔体1、第2多孔体2、反応部3a,3b、吸収体4を配置する。磁気ビーズ標識化二次抗体A&B(1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体)を第2多孔体2に溶出可能に保持させる。一次抗体A,Bを反応部3a,3bに円形に固定する。
【選択図】図1
【解決手段】ポリカーボネート製の底板6に、第1多孔体1、第2多孔体2、反応部3a,3b、吸収体4を配置する。磁気ビーズ標識化二次抗体A&B(1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体)を第2多孔体2に溶出可能に保持させる。一次抗体A,Bを反応部3a,3bに円形に固定する。
【選択図】図1
Description
この発明は、液体を浸透しない材料からなる基材上に、特定成分と特異的に結合する物質が固定された反応部が形成され、液状試料を導入する試料導入部と、導入された液状試料を横方向に移動させて前記反応部へ向かわせる流路と、を備え、前記特定成分を検出するラテラルフロー方式の分析装置に関する。
臨床検査、環境分析、食品分析等に好適に用いられる分析装置として、抗原抗体反応を利用した分析装置が提案されている。
特許文献1に記載された分析装置では、検体(抗原)に対して特異的に結合する試薬(抗体)が、標識が付いた状態で、多孔質キャリヤ(帯状の多孔質体)の第一区域に、湿潤状態になると移動可能に保持されている。また、同じ多孔質キャリヤの第一区域から空間的に区別される検出区域(反応部)に、検体に対して特異的に結合する試薬(抗体)が標識無しで固定されている。ここで、検出区域(反応部)に対して試薬(抗体)は、多孔質キャリヤ(帯状の多孔質体)の長さ方向に対して直角に、所定幅の線状に固定されている。
特許文献1に記載された分析装置では、検体(抗原)に対して特異的に結合する試薬(抗体)が、標識が付いた状態で、多孔質キャリヤ(帯状の多孔質体)の第一区域に、湿潤状態になると移動可能に保持されている。また、同じ多孔質キャリヤの第一区域から空間的に区別される検出区域(反応部)に、検体に対して特異的に結合する試薬(抗体)が標識無しで固定されている。ここで、検出区域(反応部)に対して試薬(抗体)は、多孔質キャリヤ(帯状の多孔質体)の長さ方向に対して直角に、所定幅の線状に固定されている。
また、この分析装置は、適用された液状試料が標識付き試薬を吸収した後に検出区域に浸透するように構成され、標識付き試薬が検出区域に結合された程度を観察できる手段を有している。この分析装置において、多孔質キャリヤは、不透湿性固体材料からなる中空ケーシング(箱体)内に収容されている。さらに、特許文献1には、標識の例として、染色ゾル、金属ゾル、および着色ラテックス粒子が挙げられている。そして、特許文献1の第12図に示された分析装置は、液状試料を横方向に移動させるラテラルフロー方式の装置である。
特許文献2に記載された分析装置では、標識として磁性微粒子(磁気粒子)を用い、磁性微粒子の凝集を磁気センサで測定することにより分析を行っている。
また、下記の特許文献3には、生化学分析装置の一例として、液状試料を毛細管現象により移動させて反応媒体と接触させるために、液体が浸透しない材料からなる溝状の流路を設けることが記載されている。この文献の図1では、楕円状の反応物(符号5)が長方形の反応媒体(符号4)上に形成されている。
また、下記の特許文献3には、生化学分析装置の一例として、液状試料を毛細管現象により移動させて反応媒体と接触させるために、液体が浸透しない材料からなる溝状の流路を設けることが記載されている。この文献の図1では、楕円状の反応物(符号5)が長方形の反応媒体(符号4)上に形成されている。
この反応媒体は、シリコンウエハの表面にアミノアルキルポリジメチルシロキサンが被覆されたものを長方形に切り出したものであり、その上に抗体の溶液を滴下して乾燥することで前記反応物が形成されている。この反応媒体が両面テープで第1流路と第2流路の間に固定されている。
なお、特許文献4には、2種類以上の抗原または抗体がスライドグラス基板上に固定化された病態解析チップが記載されている。このチップの一例として、スライドグラス上に、ピッチ400μmで直径200μmの抗体が5000個スポットされ、その上がブロッキングされたものが記載されている。
なお、特許文献4には、2種類以上の抗原または抗体がスライドグラス基板上に固定化された病態解析チップが記載されている。このチップの一例として、スライドグラス上に、ピッチ400μmで直径200μmの抗体が5000個スポットされ、その上がブロッキングされたものが記載されている。
本発明の課題は、液体を浸透しない材料からなる基材上に、特定成分と特異的に結合する物質が固定された反応部が形成され、液状試料を導入する試料導入部と、導入された液状試料を横方向に移動させて前記反応部へ向かわせる流路と、を備え、前記特定成分を検出するラテラルフロー方式の分析装置において、分析精度を向上することである。
上記課題を解決するために、本発明は、液体を浸透しない材料からなる基材上に、特定成分と特異的に結合する物質が固定された反応部が形成され、液状試料を導入する試料導入部と、導入された液状試料を横方向に移動させて前記反応部へ向かわせる流路と、を備え、前記特定成分を検出するラテラルフロー方式の分析装置であって、前記反応部を円形に形成したことを特徴とする分析装置を提供する。
本発明は、また、特定成分と特異的に結合する試薬が固定された磁気粒子からなる標識付き試薬が保持された多孔体が、液体を浸透しない材料からなる基材上に固定され、この基材上の前記多孔体の下流側に、前記特定成分と特異的に結合する試薬が固定された反応部が形成され、液状試料を前記多孔体に吸収させた後に前記反応部に移動させ、前記反応部の状態を磁気検出装置で検出することにより、前記液状試料中の特定成分を分析する分析装置において、前記反応部を円形に形成したことを特徴とする分析装置を提供する。
本発明の分析装置において、特異的に結合する特定成分が異なる複数の物質が、液状試料の流れる方向に沿って間隔を開けて固定されていると、複数の異なる特定成分を分析することが可能となる。その場合には、前記標識付き試薬として、例えば、「複数種の抗原と特異的に結合する複数種の抗体が、一個の磁気粒子の表面に結合されている磁気粒子」の集合体からなるものを使用する。
本発明において、「特定成分」と「特定成分と特異的に結合する物質」の組み合わせとしては、抗原と抗体、リガンドとレセプター、相補的DNA同士が挙げられる。
抗原と抗体の組み合わせとしては、例えば、インフルエンザAウイルス(H3N2)と抗インフルエンザAウイルス抗体(米国フィッツジェラルド社、Anti−Mouse
IgG1)、インフルエンザAウイルス(H1N1)と抗インフルエンザAウイルス抗体(ハイテスト社、Anti−Mouse IgG1)、インフルエンザBウイルスと抗インフルエンザBウイルス抗体(米国フィッツジェラルド社、Anti−Mouse IgG1)が挙げられる。
抗原と抗体の組み合わせとしては、例えば、インフルエンザAウイルス(H3N2)と抗インフルエンザAウイルス抗体(米国フィッツジェラルド社、Anti−Mouse
IgG1)、インフルエンザAウイルス(H1N1)と抗インフルエンザAウイルス抗体(ハイテスト社、Anti−Mouse IgG1)、インフルエンザBウイルスと抗インフルエンザBウイルス抗体(米国フィッツジェラルド社、Anti−Mouse IgG1)が挙げられる。
本発明の分析装置において、前記基材の材質としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタアクリレート、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ユリア樹脂等のプラスチック、ガラス、石英等の無機素材、鉄、アルミ、ステンレス等の金属素材等が挙げられる。中でも、成形加工のし易さ、軽量性、強度及びコスト面からプラスチックが好ましく、強度、寸法精度の面からはポリカーボネート及びポリメチルメタアクリレートがより好ましい。
易加工性の面からは、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、がより好ましい。また、目視を含めた光学的な検出を必要とする場合は、底板の透明性からポリスチレン、ポリカーボネート及びポリメチルメタアクリレート、がより好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
易加工性の面からは、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、がより好ましい。また、目視を含めた光学的な検出を必要とする場合は、底板の透明性からポリスチレン、ポリカーボネート及びポリメチルメタアクリレート、がより好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。
本発明の分析装置において、前記反応部の形成方法としては、例えば、濃度が0.1μg/ml〜100μg/mlの抗体溶液を基材に滴下した後に、乾燥させる方法が挙げられる。この場合、抗体を溶解する溶液としては、いわゆる緩衝液であり、pH6−9の間に緩衝作用を持つHEPES、MES、MOPSO等のGoodの緩衝液や燐酸緩衝液など種々の緩衝液が使用可能である。さらに、この溶液には、抗体の安定化剤としてシュークロース、トレハロースなどの糖類を添加することが好ましく、その添加濃度は0.01%から5%の範囲とする。
この方法の例としては、いわゆるピペットマン(ギルソン社商標)などを用いて基材表面上の反応部形成位置に、マニュアルで一定量スポットする方法や、市販の自動スポッターを使って一定量スポットする方法が挙げられる。
円形の反応部の直径が大きいほど、目視確認や標識物質による信号検出には有利であるが、複数の反応部を形成する場合には、各反応部を独立して検出するために適当な間隔(例えば2mm以上)を開ける必要がある。円形の反応部の直径の例としては、0.5mm〜10mmまたは1mm〜3mmが挙げられる。
円形の反応部の直径が大きいほど、目視確認や標識物質による信号検出には有利であるが、複数の反応部を形成する場合には、各反応部を独立して検出するために適当な間隔(例えば2mm以上)を開ける必要がある。円形の反応部の直径の例としては、0.5mm〜10mmまたは1mm〜3mmが挙げられる。
本発明の分析装置において、反応部の上流側に配置した多孔体に保持させる標識付き試薬(標識化二次抗体)の標識としては、酵素標識、蛍光標識、発光標識、粒子標識などが挙げられるが、定量性を考慮した場合、反応部に単一層で特異結合可能な粒子標識が好ましく、特に磁気粒子であることが好ましい。
本発明の分析装置によれば、反応部を円形に形成したことにより、所定幅の線状に形成した場合と比較して、分析精度を向上することができる。
したがって、本発明の分析装置は、医療診断や健康診断のために行われる臨床検査用の装置として好適である。
したがって、本発明の分析装置は、医療診断や健康診断のために行われる臨床検査用の装置として好適である。
図1〜5を用いて、本発明の実施形態に相当する分析装置を説明する。
図1は、この分析装置を構成する本体を示す縦断面図である。図2は、この本体を構成する箱体の、組立前の状態を示す斜視図である。図3は、第1多孔体1、第2多孔体2、反応部3a,3b、および吸収体4の、箱体内での配置を示す斜視図である。図4は、この分析装置を構成する磁気検出装置を示す概略構成図である。
図1は、この分析装置を構成する本体を示す縦断面図である。図2は、この本体を構成する箱体の、組立前の状態を示す斜視図である。図3は、第1多孔体1、第2多孔体2、反応部3a,3b、および吸収体4の、箱体内での配置を示す斜視図である。図4は、この分析装置を構成する磁気検出装置を示す概略構成図である。
〔本体について〕
図1および2に示すように、この箱体は、ポリカーボネート(液体を浸透しない性質の材料)製の底板6と、ポリスチレン(液体を浸透しない性質の材料)製の蓋部7とで構成されている。
底板6の内面には、周縁部の6カ所に、蓋部7との連結用のピン67が固定されている。これらのピン67を入れる筒状のピン受け76が、蓋部7の内面に固定されている。蓋部7には、液状試料を入れるための試料導入口(試料導入部)71と、反応部3a,3bの上部に流路31を形成する流路形成部72が形成されている。これらの底板6および蓋部7は、汎用の射出成形機を用い、通常の条件で成形することができる。
図1および2に示すように、この箱体は、ポリカーボネート(液体を浸透しない性質の材料)製の底板6と、ポリスチレン(液体を浸透しない性質の材料)製の蓋部7とで構成されている。
底板6の内面には、周縁部の6カ所に、蓋部7との連結用のピン67が固定されている。これらのピン67を入れる筒状のピン受け76が、蓋部7の内面に固定されている。蓋部7には、液状試料を入れるための試料導入口(試料導入部)71と、反応部3a,3bの上部に流路31を形成する流路形成部72が形成されている。これらの底板6および蓋部7は、汎用の射出成形機を用い、通常の条件で成形することができる。
図2および3に示すように、底板6の内面に、第1多孔体(試料導入部)1、第2多孔体2、反応部3a,3b、および吸収体4が配置されている。
底板6の内面は、反応部3a,3bを形成する部分(反応部形成面)30が、第1多孔体1を固定する部分10、第2多孔体2を固定する部分20、および吸収体4を固定する部分40よりも低く形成されている。符号50は、底板6の内面で最も低い面を示す。また、第1多孔体1を固定する部分10と第2多孔体2を固定する部分20は同じ高さで、吸収体4を固定する部分40は、これらの部分10,20よりも高くなっている。そのため、図2に示すように、底板6内面の吸収体4を固定する部分40は、周縁部と同じ高さの面6Aとして形成し、反応部形成面30、第1多孔体1を固定する部分10、および第2多孔体2を固定する部分20は、この面6Aに凹部10A,20A,30Aを設けることにより形成した。
底板6の内面は、反応部3a,3bを形成する部分(反応部形成面)30が、第1多孔体1を固定する部分10、第2多孔体2を固定する部分20、および吸収体4を固定する部分40よりも低く形成されている。符号50は、底板6の内面で最も低い面を示す。また、第1多孔体1を固定する部分10と第2多孔体2を固定する部分20は同じ高さで、吸収体4を固定する部分40は、これらの部分10,20よりも高くなっている。そのため、図2に示すように、底板6内面の吸収体4を固定する部分40は、周縁部と同じ高さの面6Aとして形成し、反応部形成面30、第1多孔体1を固定する部分10、および第2多孔体2を固定する部分20は、この面6Aに凹部10A,20A,30Aを設けることにより形成した。
底板6の内面の、第2多孔体2を固定する部分20と反応部形成面30の間は、斜面23になっている。反応部形成面30と吸収部4を固定する部分40の間は、斜面34になっている。これらの斜面23,34に、それぞれ複数の流路形成部材231,341を配置することで、溝状の流路232,342が形成される。流路形成部材231,341は、蓋部7の流路形成部72の傾斜部に固定されている。また、第1多孔体1と第2多孔体2は接触状態で配置される。
第1多孔体1は、グラスファイバーの不織布を長方形に打ち抜くことで作製し、これを両面テープで底板6の凹部10Aに固定する。
第2多孔体2は、グラスファイバーの不織布に、下記の方法で得られた液体(濃度が0.05%の磁気ビーズ標識化二次抗体B&A分散液)を含浸した後に風乾することで得、これを両面テープで底板6の凹部20Aに固定する。
第2多孔体2は、グラスファイバーの不織布に、下記の方法で得られた液体(濃度が0.05%の磁気ビーズ標識化二次抗体B&A分散液)を含浸した後に風乾することで得、これを両面テープで底板6の凹部20Aに固定する。
反応部3aは一次抗体Aが、反応部3bは一次抗体Bが、それぞれ固定された部分であって、下記の方法で底板6の凹部30Aに形成する。
吸収体4は、セルロースの不織布を長方形に打ち抜くことで作製し、これを両面テープで底板6の凹部30Aに隣接する面6Aに固定する。
この状態の底板6の上に蓋部7を載せて、底板6のピン67を蓋7のピン受け76に入れることにより、図1に示すように分析装置の本体101が得られる。そして、この実施形態の分析装置は、本体101の反応部3a,3bの状態を、図4に示す磁気検出装置を用いて図1の矢印B方向から検出することで、試料導入口71から導入された液状試料の特定成分(抗体A,Bと特異的に結合する抗原)を分析する。
吸収体4は、セルロースの不織布を長方形に打ち抜くことで作製し、これを両面テープで底板6の凹部30Aに隣接する面6Aに固定する。
この状態の底板6の上に蓋部7を載せて、底板6のピン67を蓋7のピン受け76に入れることにより、図1に示すように分析装置の本体101が得られる。そして、この実施形態の分析装置は、本体101の反応部3a,3bの状態を、図4に示す磁気検出装置を用いて図1の矢印B方向から検出することで、試料導入口71から導入された液状試料の特定成分(抗体A,Bと特異的に結合する抗原)を分析する。
この実施形態の分析装置によれば、磁気ビーズ標識化二次抗体A&B(1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体)が第2多孔体2に保持され、一次抗体A,Bが反応部3a,3bに固定されているため、A,B二種類の抗体と特異的に結合する二種類の抗原(インフルエンザAウイルスおよびインフルエンザBウイルス)の分析に併用できる。
また、反応部3a,3bを底板6の内面の最も低い凹部30Aに形成することにより、図1に示すように、箱体の底板6の厚さを反応部3a,3bの位置で極めて薄くして、第1多孔体1、第2多孔体2、および吸収体4が固定されている部分の厚さを機械的強度が確保できる十分な厚さにすることができる。
そして、例えば、第1多孔体1および第2多孔体2を固定する部分の厚さを1.0mmとし、反応部形成面30の部分の厚さを0.2mmとし、吸収体4を固定する部分の厚さを1.5mmとすることで、磁気センサによる検出感度および検出精度を良好にしながら、底板6の機械的強度を確保することができる。
また、蓋部7の流路形成部72により、反応部3a,3bの上部に流路31を形成することで、反応部3a,3bの汚染が防止される。
そして、例えば、第1多孔体1および第2多孔体2を固定する部分の厚さを1.0mmとし、反応部形成面30の部分の厚さを0.2mmとし、吸収体4を固定する部分の厚さを1.5mmとすることで、磁気センサによる検出感度および検出精度を良好にしながら、底板6の機械的強度を確保することができる。
また、蓋部7の流路形成部72により、反応部3a,3bの上部に流路31を形成することで、反応部3a,3bの汚染が防止される。
〔第2多孔体に含浸させる液体(標識付き試薬を含有する液体)の作製方法〕
(1) 第1の抗体のPEGを介したビオチン化工程(「ビオチン−PEG−抗体A」を得る工程)
Biotin−PEG−CO2−NHS(米国シェアーウオーター社製、MW3400)を9.1mg計量して、400μlの蒸留水に溶解することにより、濃度が6.69mMである水溶液を調製した。この水溶液15.3μlと、抗体A(抗インフルエンザAウイルス抗体、フィッツジェラルド社製、Mouse IgG )をPBSに脱塩・buffer交換したもの(抗体濃度6.11mg/ml)0.625mlを混合して、室温で4時間反応させた。これにより、抗体AにBiotin−PEG鎖を結合した。
(1) 第1の抗体のPEGを介したビオチン化工程(「ビオチン−PEG−抗体A」を得る工程)
Biotin−PEG−CO2−NHS(米国シェアーウオーター社製、MW3400)を9.1mg計量して、400μlの蒸留水に溶解することにより、濃度が6.69mMである水溶液を調製した。この水溶液15.3μlと、抗体A(抗インフルエンザAウイルス抗体、フィッツジェラルド社製、Mouse IgG )をPBSに脱塩・buffer交換したもの(抗体濃度6.11mg/ml)0.625mlを混合して、室温で4時間反応させた。これにより、抗体AにBiotin−PEG鎖を結合した。
上記反応液を、遠心型限外ろ過装置(アミコン社、分子量3万カット)を用いて回転速度7500rpm、10分間の条件で濃縮し、得られた濃縮液にPBSを3ml添加して、同限外ろ過装置で同様の条件で再び濃縮した。さらに、得られた濃縮液にPBSを3ml添加して、同限外ろ過装置で同様の条件で濃縮する操作を2回繰り返した。これにより、未反応のBiotin−PEG−CO2−NHSが除去された、精製PEG−biotin化抗体A(「ビオチン−PEG−抗体A」)液を得た。
得られた「ビオチン−PEG−抗体A」の「抗体A」1分子あたりのビオチン化率を「EZ-link Sulfo-NHS-Biotinylation Kit試薬( 米国ピアース社製) 」中のbiotin定量試薬を用いて測定したところ、1.1分子(IgG 濃度は7.97mg/ml )であった。
得られた「ビオチン−PEG−抗体A」の「抗体A」1分子あたりのビオチン化率を「EZ-link Sulfo-NHS-Biotinylation Kit試薬( 米国ピアース社製) 」中のbiotin定量試薬を用いて測定したところ、1.1分子(IgG 濃度は7.97mg/ml )であった。
(2) 第2の抗体のPEGを介したビオチン化工程(「ビオチン−PEG−抗体B」を得る工程)
抗体Aに代えて抗体B(抗インフルエンザBウイルス抗体、フィッツジェラルド社製、Mouse IgG )を用いた以外は(1) の工程と同じ方法で、精製PEG−biotin化抗体B(「ビオチン−PEG−抗体B」)液を得た。
得られた「ビオチン−PEG−抗体B」の「抗体B」1分子あたりのビオチン化率を(1) と同じ方法で測定したところ、0.8分子(IgG 濃度は3.53mg/ml )であった。
抗体Aに代えて抗体B(抗インフルエンザBウイルス抗体、フィッツジェラルド社製、Mouse IgG )を用いた以外は(1) の工程と同じ方法で、精製PEG−biotin化抗体B(「ビオチン−PEG−抗体B」)液を得た。
得られた「ビオチン−PEG−抗体B」の「抗体B」1分子あたりのビオチン化率を(1) と同じ方法で測定したところ、0.8分子(IgG 濃度は3.53mg/ml )であった。
(3) アビジン化された磁気粒子とビオチン−PEG−抗体Bとの反応工程(第1の状態の磁気粒子:「磁気粒子−アビジン−ビオチン−PEG−抗体B」を得る工程)
Dynabeads MyOne Streptavidin(ノルウェー国Dynal社製の磁気ビーズ、直径1.0μm、超常磁性高分子ポリマービーズにストレプトアビジンを結合させたもの)を1%含有するPBS溶液を100μl、エッペンドルフチューブに計量し、これに、(2) 工程で得られた精製PEG−biotin化抗体B(「ビオチン−PEG−抗体B」)液を17.8μl添加した。さらに、PBSを32.2μl入れて、全液量を150μlとした後、室温で4時間攪拌しながら反応を行った。これにより、磁気ビーズ標識化二次抗体B(「磁気粒子−アビジン−ビオチン−PEG−抗体B」)液を得た。
Dynabeads MyOne Streptavidin(ノルウェー国Dynal社製の磁気ビーズ、直径1.0μm、超常磁性高分子ポリマービーズにストレプトアビジンを結合させたもの)を1%含有するPBS溶液を100μl、エッペンドルフチューブに計量し、これに、(2) 工程で得られた精製PEG−biotin化抗体B(「ビオチン−PEG−抗体B」)液を17.8μl添加した。さらに、PBSを32.2μl入れて、全液量を150μlとした後、室温で4時間攪拌しながら反応を行った。これにより、磁気ビーズ標識化二次抗体B(「磁気粒子−アビジン−ビオチン−PEG−抗体B」)液を得た。
この磁気ビーズ標識化二次抗体B液から、ノルウェー国Dynal社製のMPC(磁石を用いた磁性粒子収集装置)を用いて、磁気ビーズ標識化二次抗体Bのみを回収した。回収された磁気ビーズ標識化二次抗体BにPBSを1ml添加して洗浄し、この液体から同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体Bのみを回収した。最終的に、この磁気ビーズ標識化二次抗体Bに、1%BSA/PBS溶液を入れて、濃度が0.5%の磁気ビーズ標識化二次抗体B分散液を得た。
このようにして得られた磁気ビーズ標識化二次抗体B分散液を50μl採取して、この分散液から、前記と同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体Bのみを回収した。回収された磁気ビーズ標識化二次抗体BにPBSを200μl添加して洗浄し、この液体から同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体Bのみを回収した。
このようにして得られた磁気ビーズ標識化二次抗体B分散液を50μl採取して、この分散液から、前記と同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体Bのみを回収した。回収された磁気ビーズ標識化二次抗体BにPBSを200μl添加して洗浄し、この液体から同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体Bのみを回収した。
(4) 「磁気粒子−アビジン−ビオチン−PEG−抗体B」と「ビオチン−PEG−抗体A」を反応させて、第2の状態の磁気粒子「第1の状態の磁気粒子−アビジン−ビオチン−PEG−抗体A」を得る工程
(3) 工程で最終的に回収された磁気ビーズ標識化二次抗体BにPBSを100μl添加し、これに、(1) 工程で得られた精製PEG−biotin化抗体A(「ビオチン−PEG−抗体A」)液を26.3μl添加した。さらに、PBSを23.7μl入れて、全液量を150μlとした後、室温で4時間攪拌しながら反応を行った。これにより、図6に示す第2の状態の磁気粒子(磁気ビーズ標識化二次抗体B&A)を含有する液を得た。
(3) 工程で最終的に回収された磁気ビーズ標識化二次抗体BにPBSを100μl添加し、これに、(1) 工程で得られた精製PEG−biotin化抗体A(「ビオチン−PEG−抗体A」)液を26.3μl添加した。さらに、PBSを23.7μl入れて、全液量を150μlとした後、室温で4時間攪拌しながら反応を行った。これにより、図6に示す第2の状態の磁気粒子(磁気ビーズ標識化二次抗体B&A)を含有する液を得た。
この磁気ビーズ標識化二次抗体B&A液から、ノルウェー国Dynal社製のMPC(磁石を用いた磁性粒子収集装置)を用いて、磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aのみを回収した。回収された磁気ビーズ標識化二次抗体B&AにPBSを200μl添加して洗浄し、この液体から同じ方法で磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aのみを回収した。最終的に、この磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aに、1%BSA/PBS溶液を入れて、濃度が0.05%の磁気ビーズ標識化二次抗体B&A分散液を得た。
この分散液に含まれている磁気ビーズ標識化二次抗体A&Bは、1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体であって、「PEG−抗体A」の結合比率が約70%で「PEG−抗体B」の結合比率が約30%である。
この分散液に含まれている磁気ビーズ標識化二次抗体A&Bは、1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体であって、「PEG−抗体A」の結合比率が約70%で「PEG−抗体B」の結合比率が約30%である。
〔反応部3a,3bの形成方法〕
前記と同じ抗体Aを、0.1質量%のシュークロースを含有する0.1mole/lのHEPES(pH8)緩衝液で、濃度が10μg/mlになるように希釈して希釈液Aを得た。また、抗体Aに代えて前記と同じ抗体Bを用い、同じ方法で、希釈液Bを得た。
次に、これらの希釈液A,Bを、底板6の内面の凹部30A上に5μlずつ、3mm開けて滴下した。この底板6を、直ぐに、予め45℃に加温しておいた減圧インキュベーター(EYEL社製、型番VOS−301SD)中に入れ、0.08MPaとなるまで減圧し、この圧力で正確に30分間保持することで減圧乾燥処理を行った。これにより、底板6の内面の凹部30Aに、円形の反応部3a,3bを形成した。
前記と同じ抗体Aを、0.1質量%のシュークロースを含有する0.1mole/lのHEPES(pH8)緩衝液で、濃度が10μg/mlになるように希釈して希釈液Aを得た。また、抗体Aに代えて前記と同じ抗体Bを用い、同じ方法で、希釈液Bを得た。
次に、これらの希釈液A,Bを、底板6の内面の凹部30A上に5μlずつ、3mm開けて滴下した。この底板6を、直ぐに、予め45℃に加温しておいた減圧インキュベーター(EYEL社製、型番VOS−301SD)中に入れ、0.08MPaとなるまで減圧し、この圧力で正確に30分間保持することで減圧乾燥処理を行った。これにより、底板6の内面の凹部30Aに、円形の反応部3a,3bを形成した。
〔図4の磁気検出装置の説明〕
この実施形態では、分析装置の本体101を保持する台12にモータ102を接続し、このモータ102の駆動により、台12に保持された本体101が、磁場中で図中の矢線Aで示す方向に移動されるようにした。本体101の下面が露出されるように、台12の底面は開口部12aとなっている。
この実施形態では、分析装置の本体101を保持する台12にモータ102を接続し、このモータ102の駆動により、台12に保持された本体101が、磁場中で図中の矢線Aで示す方向に移動されるようにした。本体101の下面が露出されるように、台12の底面は開口部12aとなっている。
磁気検出装置は、本体101の反応部に固定された磁性粒子によって出力される磁気的な変化を検出し、この変化をアナログ信号として出力する磁気センサ106と、磁気センサ106によって出力されたアナログ信号を増幅し、増幅されたアナログ信号をフィルタ処理するアナログ信号処理部108と、アナログ信号処理部108によってフィルタ処理されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換素子109、A/D変換素子109から出力されたデジタル信号に含まれるノイズを除去するデジタルフィルタ110と、ノイズが除去されたデジタル信号のプラス出力またはマイナス出力のいずれか一方を出力する信号出力部111と、を備えている。
磁気センサ106は、磁場の変化によって電気特性が変化する半導体薄膜を有するセンサ部103と、センサ部103および本体101の反応部に静磁場を印加する静磁場発生部104と、を備えている(印加される静磁場の磁力線をBとして示す)。センサ部103と静磁場発生部104は、基体105にそれぞれ固定されてユニット化されている。
静磁場発生部104は、図中のBで示す方向の磁力線で表される磁場を発生する。磁場は、本体101の少なくとも一部とセンサ部103を含む領域に形成される。磁場が形成された領域を本体101の反応部3a,3bが移動することによって、反応部3a,3bに固定された磁気粒子の量に応じて、形成された磁場に変化が生じる。
静磁場発生部104は、図中のBで示す方向の磁力線で表される磁場を発生する。磁場は、本体101の少なくとも一部とセンサ部103を含む領域に形成される。磁場が形成された領域を本体101の反応部3a,3bが移動することによって、反応部3a,3bに固定された磁気粒子の量に応じて、形成された磁場に変化が生じる。
センサ部103は、磁場の変化によって、例えば電気抵抗が変化する半導体素子である。センサ部103から出力される信号は、磁場の変化の程度に応じて変化し、アナログ信号処理部108にアナログ信号aとして出力される。アナログ信号処理部108によって処理されたアナログ信号aは、アナログ信号処理部108からA/D変換素子109にアナログ信号bとして出力される。
A/D変換素子109は、アナログ信号bを入力し、デジタル変換した後にデジタル信号cとしてデジタルフィルタ110に出力する。デジタル信号cは、A/D変換素子109からデジタルフィルタ110へ出力される。
デジタルフィルタ110は、デジタル信号cのオフセットやオフセットドリフトなどを除去し、デジタル信号dとして出力する。また、信号出力部111は、デジタル信号dのプラス信号またはマイナス信号のいずれか一方だけを出力する。
デジタルフィルタ110は、デジタル信号cのオフセットやオフセットドリフトなどを除去し、デジタル信号dとして出力する。また、信号出力部111は、デジタル信号dのプラス信号またはマイナス信号のいずれか一方だけを出力する。
実施形態の分析装置を用いて、実際の分析を行った例を以下に示す。
底板6の厚さは、第1多孔体1および第2多孔体2を固定する部分の厚さを1.0mmとし、反応部形成面30の部分の厚さを0.2mmとし、吸収体4を固定する部分の厚さを1.5mmとした。また、第1多孔体1の大きさは12mm×8mm×厚さ2mm、第2多孔体2の大きさは12mm×5mm×厚さ2mm、吸収体4の大きさは12mm×11mm×厚さ2mmとした。反応部3a,3bの直径は共に2.5mmとし、両者の間隔を3.5mmとした。
底板6の厚さは、第1多孔体1および第2多孔体2を固定する部分の厚さを1.0mmとし、反応部形成面30の部分の厚さを0.2mmとし、吸収体4を固定する部分の厚さを1.5mmとした。また、第1多孔体1の大きさは12mm×8mm×厚さ2mm、第2多孔体2の大きさは12mm×5mm×厚さ2mm、吸収体4の大きさは12mm×11mm×厚さ2mmとした。反応部3a,3bの直径は共に2.5mmとし、両者の間隔を3.5mmとした。
第1のサンプルを以下の方法で調製した。インフルエンザAウィルス(A/北九州/159/93、107.75TCID50/ml)を生理食塩水により20倍に希釈し、この希釈液10μlに、界面活性剤「Triton X−100」を1.0%含有する生理食塩水を190μl添加した。
このようにして得られた200μlの液状試料(第1のサンプル)を、分析装置の本体101の試料導入口71に滴下した。
このようにして得られた200μlの液状試料(第1のサンプル)を、分析装置の本体101の試料導入口71に滴下した。
滴下された液状試料は、第1多孔体1に吸収された後、毛細管現象で横方向に移動して第2多孔体2に入り、流路232を通って流路31に入り、反応部3a,3bの両方に接触してから、流路342を通って吸収体4に吸収された。
ここで、第2多孔体2には、前述のように、磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aが湿潤状態で移動可能に保持されている。この磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aは、1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体であって、「PEG−抗体A」の結合比率が約70%で「PEG−抗体B」の結合比率が約30%である。
ここで、第2多孔体2には、前述のように、磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aが湿潤状態で移動可能に保持されている。この磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aは、1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体であって、「PEG−抗体A」の結合比率が約70%で「PEG−抗体B」の結合比率が約30%である。
よって、第2多孔体2で、液状試料に含まれているインフルエンザAウィルス(抗原A)と磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aの抗体Aが結合する。次いで、この液状試料は第2多孔体2から流路232に移動し、この液状試料が反応部3a,3bの流路31を移動する間に、この結合体のインフルエンザAウィルス(抗原A)が反応部3aの抗体Aと結合して、反応部3aに磁気ビーズの凝集が生じる。
この装置の板材6はポリカーボネート製であるため、板材6から箱体内の状態を見ることができるが、図1のB方向からの目視で、この磁気ビーズの凝集が反応部3aでは確認され、反応部3bでは確認されなかった。また、図4の磁気検出装置を用いて、反応部3a,3bに存在する磁気ビーズの量を示す出力信号を検出した。その結果、反応部3aの出力信号値は304mVであり、反応部3bの出力信号値は59mVであった。
第2のサンプルを以下の方法で調製した。インフルエンザBウィルス(B/門真/506/99、107.0TCID50/ml)を生理食塩水により100倍に希釈し、この希釈液10μlに、界面活性剤「Triton X−100」を1.0%含有する生理食塩水を190μl添加した。
このようにして得られた200μlの液状試料(第2のサンプル)を、分析装置の本体101の試料導入口71に滴下した。
このようにして得られた200μlの液状試料(第2のサンプル)を、分析装置の本体101の試料導入口71に滴下した。
滴下された液状試料は、第1多孔体1に吸収された後、毛細管現象で横方向に移動して第2多孔体2に入り、流路232を通って流路31に入り、反応部3a,3bの両方に接触してから、流路342を通って吸収体4に吸収された。
ここで、第2多孔体2には、前述のように、磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aが湿潤状態で移動可能に保持されている。この磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aは、1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体であって、「PEG−抗体A」の結合比率が約70%で「PEG−抗体B」の結合比率が約30%である。
ここで、第2多孔体2には、前述のように、磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aが湿潤状態で移動可能に保持されている。この磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aは、1個の磁気粒子にアビジン/ビオチン結合を介して「PEG−抗体A」と「PEG−抗体B」が結合されている粒子の集合体であって、「PEG−抗体A」の結合比率が約70%で「PEG−抗体B」の結合比率が約30%である。
よって、第2多孔体2で、液状試料に含まれているインフルエンザBウィルス(抗原B)と磁気ビーズ標識化二次抗体B&Aの抗体Bが結合する。次いで、この液状試料は第2多孔体2から流路232に移動し、この液状試料が反応部3a,3bの流路31を移動する間に、この結合体のインフルエンザBウィルス(抗原B)が反応部3bの抗体Bと結合して、反応部3bに磁気ビーズの凝集が生じる。
この装置の板材6はポリカーボネート製であるため、板材6から箱体内の状態を見ることができるが、図1のB方向からの目視で、この磁気ビーズの凝集が反応部3bでは確認され、反応部3aでは確認されなかった。また、図4の磁気検出装置を用いて、反応部3a,3bに存在する磁気ビーズの量を示す出力信号を検出した。その結果、反応部3aの出力信号値は99mVであり、反応部3bの出力信号値は164mVであった。
第3のサンプルとして生理食塩水を用意し、200μlの生理食塩水からなる液状試料(第3のサンプル)を、分析装置の本体101の試料導入口71に滴下した。
滴下された液状試料は、第1多孔体1に吸収された後、毛細管現象で横方向に移動して第2多孔体2に入り、流路232を通って流路31に入り、反応部3a,3bの両方に接触してから、流路342を通って吸収体4に吸収された。
滴下された液状試料は、第1多孔体1に吸収された後、毛細管現象で横方向に移動して第2多孔体2に入り、流路232を通って流路31に入り、反応部3a,3bの両方に接触してから、流路342を通って吸収体4に吸収された。
しかし、この液状試料には抗原A,Bのいずれもが含まれていないため、液状試料が磁気ビーズとともに第2多孔体2から流路232に出て反応部3a,3bの流路31を移動する間に、前述の第1および第2のサンプルの場合のような結合が生じない。よって、図1のB方向からの目視で、磁気ビーズの凝集が反応部3a,3bの両方で確認されなかった。
また、図4の磁気検出装置を用いて、反応部3a,3bに存在する磁気ビーズの量を示す出力信号を検出した。その結果、反応部3aの出力信号値は80mVであり、反応部3bの出力信号値は45mVであった。
また、図4の磁気検出装置を用いて、反応部3a,3bに存在する磁気ビーズの量を示す出力信号を検出した。その結果、反応部3aの出力信号値は80mVであり、反応部3bの出力信号値は45mVであった。
1 第1多孔体
10 第1多孔体を固定する部分
10A 凹部
2 第2多孔体
20 第2多孔体を固定する部分
20A 凹部
231 流路形成部材
232 溝状の流路
3A,3b 反応部
30 反応部を形成する部分(反応部形成面)
30A 凹部
31 反応部上部の流路
341 流路形成部材
342 溝状の流路
4 吸収体
40 吸収体を固定する部分
50 底板の内面で最も低い面
6 箱体の底板
67 ピン
7 箱体の蓋部
71 試料導入口
72 流路形成部
76 ピン受け
6A 底板内面の周縁部と同じ高さの面
101 本体
12 台
12a 開口部
102 モータ
103 センサ部
104 静磁場発生部
105 基体
106 磁気センサ
108 アナログ信号処理部
109 A/D変換素子
110 デジタルフィルタ
111 信号出力部
10 第1多孔体を固定する部分
10A 凹部
2 第2多孔体
20 第2多孔体を固定する部分
20A 凹部
231 流路形成部材
232 溝状の流路
3A,3b 反応部
30 反応部を形成する部分(反応部形成面)
30A 凹部
31 反応部上部の流路
341 流路形成部材
342 溝状の流路
4 吸収体
40 吸収体を固定する部分
50 底板の内面で最も低い面
6 箱体の底板
67 ピン
7 箱体の蓋部
71 試料導入口
72 流路形成部
76 ピン受け
6A 底板内面の周縁部と同じ高さの面
101 本体
12 台
12a 開口部
102 モータ
103 センサ部
104 静磁場発生部
105 基体
106 磁気センサ
108 アナログ信号処理部
109 A/D変換素子
110 デジタルフィルタ
111 信号出力部
Claims (4)
- 液体を浸透しない材料からなる基材上に、特定成分と特異的に結合する物質が固定された反応部が形成され、液状試料を導入する試料導入部と、導入された液状試料を横方向に移動させて前記反応部へ向かわせる流路と、を備え、前記特定成分を検出するラテラルフロー方式の分析装置であって、
前記反応部を円形に形成したことを特徴とする分析装置。 - 特定成分と特異的に結合する試薬が固定された磁気粒子からなる標識付き試薬が保持された多孔体が、液体を浸透しない材料からなる基材上に固定され、
この基材上の前記多孔体の下流側に、前記特定成分と特異的に結合する試薬が固定された反応部が形成され、
液状試料を前記多孔体に吸収させた後に前記反応部に移動させ、前記反応部の状態を磁気検出装置で検出することにより、前記液状試料中の特定成分を分析する分析装置において、
前記反応部を円形に形成したことを特徴とする分析装置。 - 特異的に結合する特定成分が異なる複数の物質が、液状試料の流れる方向に沿って間隔を開けて固定されている請求項1または2記載の分析装置。
- 前記基材はポリカーボネート製である請求項1〜3のいずれか1項に記載の分析装置。
Priority Applications (1)
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JP2005364978A JP2007170840A (ja) | 2005-12-19 | 2005-12-19 | 分析装置 |
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-
2005
- 2005-12-19 JP JP2005364978A patent/JP2007170840A/ja not_active Withdrawn
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