JP2007168970A - エレベータ地震時管制運転システム - Google Patents

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Yutaka Uchida
豊 打田
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Abstract

【課題】閉まっているカゴのドアを開いてしまうような主要動の大きな地震があっても地震時管制運転を行って最寄り階にエレベータのカゴを着床することのできるエレベータ地震時管制運転システムを提供する。
【解決手段】エレベータ地震時管制運転システムは、地震の主要動に先立って伝搬する地震波を検知して地震情報を発する地震情報発信手段、地震情報に基づきエレベータの運転を通常運転から地震時管制運転に変更してエレベータの運転を制御するエレベータ制御装置、エレベータのカゴのドアの開閉を制御するドア制御装置および上記ドアを駆動するドア駆動装置を備えるエレベータ地震時管制運転システムにおいて、地震情報を受信したときに上記カゴが走行中の場合、上記ドアが主要動により開かないように上記ドアの閉める方向に地震時対応の力を上記ドアに加えながら最寄り階に運転する。
【選択図】図2

Description

この発明は、地震が発生したときにエレベータを地震時管制運転するエレベータ地震時管制運転システムに関するものである。
従来、エレベータ地震時管制運転システムは、地震の波から求められた少なくとも震源地及び地震発生時刻を含むリアルタイム地震情報を受信する地震情報受信手段と、この地震情報受信手段により受信したリアルタイム地震情報に含まれる情報から現在地における地震の波の到達時刻を予測する地震予測手段と、この地震予測手段により予測された地震の到達時刻に応じて、エレベータの管制運転を制御する制御手段とを有する(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−224469号公報
しかし、地震感知器による地震情報に基づいてエレベータの運転を地震管制運転に切り替えるシステムでは、揺れが大きな地震の場合、走行中のエレベータのカゴのドアが揺れにより開方向に戻され、安全のために配設されている安全スイッチが働き、カゴの走行を急停止してしまい階床の間にカゴが停止し乗客を閉じ込めてしまうという問題がある。
また、急停止した後でもカゴのドアが全閉状態に復帰しないと最寄り階への着床運転動作が不能になってしまうという問題がある。
この発明の目的は、閉まっているカゴのドアを開いてしまうような主要動の大きな地震があっても地震時管制運転を行って最寄り階にエレベータのカゴを着床することのできるエレベータ地震時管制運転システムを提供することである。
この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システムは、地震の主要動に先立って伝搬する地震波を検知して地震情報を発する地震情報発信手段、地震情報に基づきエレベータの運転を通常運転から地震時管制運転に変更してエレベータの運転を制御するエレベータ制御装置、エレベータのカゴのドアの開閉を制御するドア制御装置および上記ドアを駆動するドア駆動装置を備えるエレベータ地震時管制運転システムにおいて、地震情報を受信したときに上記カゴが走行中の場合、上記ドアが主要動により開かないように上記ドアの閉める方向に地震時対応の力を上記ドアに加えながら最寄り階に運転する。
この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システムの効果は、エレベータのカゴが走行中に主要動の大きな地震が発生しても、主要動に先立って伝搬するP波から得られる地震情報に対応してドア閉保持力を増加してドアを閉じているので、主要動によりドアを開く方向に力が加わってもドアが開くことがなく、カゴを最寄り階に着床することができる。
図1は、この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システムが備えられるエレベータの構成図である。
この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システム1は、図示しないエレベータ全体の運転を制御するエレベータ制御装置2、エレベータ制御装置2からの指令に基づいてエレベータのカゴ6のドア7の開閉を制御するドア制御装置3、ドア制御装置3からの指令に基づいてエレベータのカゴ6のドア7を駆動するモータ8を制御するモータ制御装置4、地震の発生に伴って伝搬するP波を検知して地震情報を発する地震感知器5を備える。
地震感知器5は、地面の大きな揺れとなる主要動に先立って伝搬してくるP波を検知することができ、P波を検知したときには地震情報をエレベータ制御装置2に送信する。
エレベータ制御装置2は、通常時、呼び登録に基づいて運転を行い、乗場呼びが行われた階にカゴ6を配車し、カゴ6がその階に着床したらカゴ6のドア7を開いて呼びを行った乗客の乗車を待ってカゴ6のドア7を閉め、行先階登録に基づいてカゴ6を走行させる。このカゴ6の走行中においては、カゴ6のドア7にドア7の閉方向に通常時に対応する力が加わっている。このドア7に加わっている通常時対応の力は、モータ8の回転軸に発生する通常時トルクに関係する。この通常時トルクは、モータ制御装置4に予め定められる通常時トルク指令値と一致するように制御されている。
また、エレベータ制御装置2は、地震情報を受信したら、エレベータのカゴ6が走行中か否かを判断する。そして、カゴ6がある階床に着床しているときにはそれ以降の呼び登録を取り消し、そのままその着床に停止する。そして、所定の時間ドア7を開放した後ドア制御装置3に地震時ドア閉指令を送信する。
一方、エレベータのカゴ6が走行中のときには行先階登録を取り消して最寄り階に行先階を変更する。同時に、ドア制御装置3に地震時ドア閉指令を送信する。そして、カゴ6が最寄り階に着床したら、ドア制御装置3に地震時ドア開指令を送信する。そして、所定の時間ドア7を開放した後ドア制御装置3に地震時ドア閉指令を送信する。
ドア制御装置3は、通常時、エレベータ制御装置2からのドア開指令またはドア閉指令を受信すると予め定められている速度パターンに従ってドア7を駆動するモータ8を制御して開閉を行う。
エレベータのカゴ6のドア7は、エレベータのカゴ6が昇降路内を走行しているときには閉じており、カゴ6が着床しているときだけ開閉が可能になっている。そして、走行中にドア7が開いたことを検出してカゴ6の走行を停止するための図示しない安全スイッチが設けられている。
ドア7を閉じるときには、停止して開いているドア7に開く方向に加わっている通常時対応の力を解除し、一定の加速度で速度を増加し、所定の速度に達したら一定速走行し、所定の距離だけ移動したら一定の加速度で速度を減速してドア7を閉位置に停止する。そして、閉位置に停止したドア7にドア7の閉じる方向に通常時対応の力を加える。
逆に、ドア7を開くとき、停止して閉じているドア7に閉じる方向に加わっている通常時対応の力を解除し、一定の加速度で速度を増加し、所定の速度に達したら一定速走行し、所定の距離だけ移動したら一定の加速度で速度を減速してドア7を開位置に停止する。そして、開位置に停止したドア7にドア7の開く方向に通常時対応の力を加える。
また、ドア制御装置3は、地震時、エレベータ制御装置2からの地震時ドア開指令または地震時ドア閉指令を受信すると、ドア7の開閉状態を確認し、ドア7が閉じていて地震時ドア閉指令またはドア7が開いていて地震時ドア開指令を受信したときには、トルクアップ指令をモータ制御装置4に送信する。
一方、ドア7が閉じていて地震時ドア開指令またはドア7が開いていて地震時ドア閉指令を受信したときには、通常時と同様にドア7を開閉し、その後停止位置に基づく方向に地震時対応の力をドア7に加える。
モータ8の回転軸のトルクは、モータ制御装置4から供給される電流の大きさを増減することにより増減される。
モータ制御装置4には、通常時用と地震時用の2つのトルク指令値が予め定められており、地震情報を受信していないときには通常時用、地震情報を受信したときには地震時用のトルク指令値を用いて、閉じているときのドア7に閉じる方向に力を加えている。この地震時用のトルク指令値は、通常時用のトルク値より大きく、ドア7の移動方向に例えば震度7位の加速度がドア7に加わってもドア7が開いて安全スイッチを作動することのないトルク値が予め定められている。
モータ制御装置4は、地震時ドア閉指令を受信するとトルク指令値を通常時用から地震時用に切り替える。そうすると、モータ制御装置4からモータ8に供給される電流は、モータ8のトルクが地震時用トルク指令値になるように増大する。
図2は、この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システム1による地震時管制運転ルーチンのフローチャートである。
次に、この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システム1により地震が発生したときの地震時管制運転ルーチンの手順について図2を参照して説明する。
この地震時管制運転ルーチンは、地震感知器5から地震情報を受信する度に起動される。
ステップS101において、エレベータ制御装置2は、エレベータのカゴ6の運転情報に基づいて、カゴ6が走行中か否かを判断し、カゴ6が走行中のときにはステップS102へ進み、カゴ6が停止中のときにはステップS108へ進む。
ステップS102において、エレベータ制御装置2は、登録されている行先階を取り消し、最寄り階を行先階に登録してステップS103に進む。
ステップS103において、エレベータ制御装置2は、ドア制御装置3に地震時ドア閉指令を送信する。ドア制御装置3は、地震時ドア閉指令を受信するとモータ制御装置4に閉トルクアップ指令を送信する。モータ制御装置4は、閉トルクアップ指令を受信するとモータ電流を増大してステップS104に進む。
ステップS104において、エレベータ制御装置2は、最寄り階に着床したことを確認し、ドア制御装置3にドア開指令を送信する。ドア制御装置3は、モータ制御装置4を用いてドア7を開き、所定の時間待機してステップS105に進む。
ステップS105において、エレベータ制御装置2は、ドア制御装置3に地震時ドア閉指令を送信する。ドア制御装置3は、モータ制御装置4を用いてドア7を閉じてステップS106に進む。
ステップS106において、ドア制御装置3は、ドア7が閉じたことを確認して閉トルクアップ閉指令をモータ制御装置4に送信する。モータ制御装置4は、閉トルクアップ指令を受信するとモータ電流を増大し、所定の時間経過後ステップS107に進む。
ステップS107において、エレベータ制御装置2は、通常時ドア閉指令をドア制御装置3に送信する。ドア制御装置3は、通常時ドア閉指令を受信するとモータ制御装置4に閉トルクダウン指令を送信する。モータ制御装置4は、閉トルクダウン指令を受信するとモータ電流を減少して地震管制運転ルーチンを終了する。
ステップS108において、エレベータ制御装置2は、ドア7が開いているか否かを判断し、開いているときにはステップS105に進む、閉じているときにはステップS106に進む。
このようなエレベータ地震時管制運転システム1は、地震が発生したときに大きな揺れの前に伝搬してくるP波を感知し、カゴ6が走行中のときには大きな揺れによってもドア7が開かないような大きさの力でドア7閉めているので、走行中にドア7が開いて安全スイッチが作動してカゴ6が階床間に急停止することを防ぐことができる。
また、カゴ6が着床中のときには乗客の降車を待ってドア7を閉じ、大きな揺れによってもドア7が開かないような大きさの力でドア7を閉めているので、誤って人が乗車することを防ぐことができる。
また、大きな力でドア7を閉める時間が所定の時間経過したときには閉める力を減らすので、モータに流れる大きな電流を必要以上に流さずにモータを保護できる。
この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システムが備えられるエレベータの構成図である。 この発明に係わるエレベータ地震時管制運転システムによる地震時管制運転ルーチンのフローチャートである。
符号の説明
1 エレベータ地震時管制運転システム、2 エレベータ制御装置、3 ドア制御装置、4 モータ制御装置、5 地震感知器、6 カゴ、7 ドア、8 モータ。

Claims (3)

  1. 地震の主要動に先立って伝搬する地震波を検知して地震情報を発する地震情報発信手段、地震情報に基づきエレベータの運転を通常運転から地震時管制運転に変更してエレベータの運転を制御するエレベータ制御装置、エレベータのカゴのドアの開閉を制御するドア制御装置および上記ドアを駆動するドア駆動装置を備えるエレベータ地震時管制運転システムにおいて、
    地震情報を受信したときに上記カゴが走行中の場合、上記ドアが主要動により開かないように上記ドアの閉める方向に地震時対応の力を上記ドアに加えながら最寄り階に運転することを特徴とするエレベータ地震時管制運転システム。
  2. 地震情報を受信したときに上記カゴが着床中の場合、上記ドアが主要動により開かないように上記ドアの閉める方向に地震時対応の力を上記ドアに加えながら停止することを特徴とする請求項1に記載するエレベータ地震時管制運転システム。
  3. 地震時対応の力を上記ドアに加える時間が所定の時間経過したときには、上記ドアに加える力を通常時に対応する力に変更することを特徴とする請求項1または2に記載するエレベータ地震時管制運転システム。
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