JP2007168667A - シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、車両 - Google Patents

シートベルトリトラクタ、シートベルト装置、車両 Download PDF

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Abstract

【課題】 車両乗員拘束用のシートベルトのスプールによる巻き取り動作を電動モータを用いて行うとともに、その電動モータの制御を車体側情報に基づいて行う構成を簡便且つ安価にて実現するのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 車両に搭載されるシートベルト装置100のシートベルトリトラクタ1では、磁気式センサとして構成される加速度検出センサ30にて検出された情報に基づいてシートベルト3の巻き取り用のモータを制御するECU20は、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部とは独立した制御部分として構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両に搭載されるシートベルトリトラクタの構築技術に関するものである。
従来、車両乗員を拘束するシートベルト(ウェビング)によって当該車両乗員の保護を図る構成のシートベルトリトラクタが知られている。例えば、下記特許文献1には、シートベルト装置において、電動モータによってスプール(巻き取り軸)を回転駆動させてシートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うシートベルトリトラクタの構成が開示されている。
特表2003−507252号公報
上記特許文献1に記載の技術では、シートベルトリトラクタの構造として、スプールによるシートベルト巻き取り動作を、電動モータによって行う可能性が提示されており、この種のシートベルトリトラクタ、いわゆる「モータリトラクタ」は、車両走行状態などの車体側情報に応じて電動モータを制御することによって、シートベルトによる車両乗員の更なる拘束性向上を図ることが可能とされる。ところが、車体側情報をリアルタイムで検出し判断してモータリトラクタを制御するためには、車体に搭載された種々の検出センサ(例えばミリ波レーダやレーザレーダ)とモータリトラクタとの間に、自動車用の通信制御バスであるCANを用いたCAN通信などの高速通信システムを介在させることが必要とされ、またモータリトラクタ側の仕様に応じて車体側の通信ソフトの追加や変更を行う必要があることから、システム化に要するコストがアップするという問題がある。従って、電動モータを用いたこの種のモータリトラクタの設計に際しては、装置の低コスト化を図る要請がある。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両乗員拘束用のシートベルトのスプールによる巻き取り動作を電動モータを用いて行うとともに、その電動モータの制御を車体側情報に基づいて行う構成を簡便且つ安価にて実現するのに有効な技術を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明が構成される。本発明は、典型的には自動車の車両に搭載されるシートベルトのスプールによる巻き取り動作を電動モータを用いて行う構成に適用することができるが、自動車以外の車両、例えば飛行機、船舶、電車、バス等に搭載されるシートベルトのスプールによる巻き取り動作を電動モータを用いて行う構成に対しても同様に本発明を応用し得る。
(本発明の第1発明)
前記課題を解決する本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項1に記載のこのシートベルトリトラクタは、車両に搭載されるものであって、電動モータ、スプール、加速度検出センサ、制御手段を少なくとも備える。このシートベルトリトラクタは、電動モータの駆動力を用いてシートベルトの巻き取り及び巻き出しを行うシートベルトリトラクタであり、モータリトラクタとも称呼される。
本発明のスプールは、本発明の電動式の電動モータの駆動に伴って作動し、乗員拘束用のシートベルトの巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材として構成される。このスプールに対し巻き取り及び巻き出しされるシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員が、車両衝突などの乗員拘束時にこのシートベルトにより拘束されることとなる。なお、本発明では、電動モータとスプールとの間に、モータとスプールとが接続された接続状態、及び当該接続状態が解除された接続解除状態を形成する機構としての動力伝達機構を、必要に応じて適宜介在させることができる。また、本発明において、スプールによるシートベルト巻き取り動作は、電動モータの駆動力のみで行われてもよいし、或いはスプールに作用するリターンスプリング等の弾性部材による巻き取り力に加え、電動モータの駆動力が補助的に用いられることで行われてもよい。
本発明の加速度検出センサは、車両の加速度に関する情報を検出するセンサとして構成される。ここでいう「加速度に関する情報」には、車両に作用する加速度は勿論、加速度に換算される前の情報などが広く包含される。
この加速度検出センサは、具体的には磁石、磁気導通経路、金属体、空間、ホールセンサを少なくとも備える。本発明の磁石は、磁気発生源としての磁石であり、永久磁石や電磁石などを用いて構成される。本発明の磁気導通経路は、磁石にて発生した磁気が導通可能な金属製の磁気導通経路として構成される。この磁気導通経路は、典型的には磁石にて発生した磁気が導通したのち再びこの磁石へと戻る循環経路として構成される。本発明の金属体は、車両に作用する三次元方向(3軸(X軸、Y軸、Z軸)方向)の加速度に応じて磁気導通経路に介在した状態と離脱した状態とに切り換る金属部材として構成される。この金属体が磁気導通経路に介在した状態と離脱した状態とに切り換る構成に関しては、車両に作用する三次元方向の加速度に応じて金属ボール(ボール体)が介在位置と離脱位置(分断位置)との間で転動する機構や、車両に作用する三次元方向の加速度に応じてスイッチが切り換る機構などを適宜採用することができる。本発明の空間は、金属体の磁気導通経路からの離脱によって当該磁気導通経路を分断するように形成される空間部分として構成される。すなわち、金属体が磁気導通経路に介在した状態では金属製の磁気導通経路が確立される一方、金属体が磁気導通経路から離脱した状態では磁気導通経路の一部に空間が介在しこの空間にて磁気導通経路が分断された状態となる。本発明のホールセンサは、空間に配置される磁界検出用のホールセンサとして構成される。
このような構成の加速度検出センサにおいて、車両に作用する加速度が基準加速度を下回る場合には、金属体が磁気導通経路に介在した状態とされ当該磁気導通経路の一部を構成することで、磁石にて発生した磁気が金属体を通じて磁気導通経路を導通する。従って、この場合には、磁気導通経路の磁気は金属部分を優先的に流れるため、空間における空間磁界の発生が阻止されることとなり、ホールセンサによる空間磁界の検出は行われない。一方、車両に作用する加速度が基準加速度に達した場合には、金属体が磁気導通経路から離脱した状態とされる。従って、この場合には、磁気導通経路の磁気が導通する金属経路が失われることでこの磁気導通経路の磁気によって空間に空間磁界が発生することとなり、この空間磁界をホールセンサが検出することで、基準加速度を超える加速度が車両に作用したことが検出される。本発明におけるこのような構成の加速度検出センサは、車両に作用する加速度を検出するべく車体側に搭載される一般的な検出センサ(例えばミリ波レーダやレーザレーダ)に比して安価なセンサとして構成され、この加速度検出センサをミリ波レーダやレーザレーダなどに代えてシートベルトリトラクタ専用に用いることが可能となる。
本発明の制御手段は、上記構成の加速度検出センサにて検出された情報に基づいて、少なくとも電動モータの駆動に関する制御を行うとともに、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部とは独立した制御部分として構成される。ここでいう「電動モータの駆動に関する制御」には、電動モータの駆動や停止、電動モータの駆動方向、駆動時間、駆動力等が含まれる。この制御手段は、典型的にはCPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成される。この制御手段は、本発明のシートベルトリトラクタの外郭を構成するリトラクタハウジング内に取り付けられてもよいし、或いは車体側の部位、例えばフロアに取り付けられてもよい。
特に、本発明の制御手段は、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部とは独立した構成とされており、上記構成の加速度検出センサ及び電動モータとの間での制御信号の伝達システムのみによって、シートベルトリトラクタの制御システムを構築することが可能となる。従って、車体に搭載された種々の検出センサとシートベルトリトラクタとの間に、自動車用の通信制御バスであるCANを用いたCAN通信などの高速通信システムを介在させる必要がなく、またシートベルトリトラクタ側の仕様に応じて車体側の通信ソフトの追加や変更を行う必要がなくシートベルトリトラクタの設置に際し車体側の装備に左右されることがない。
従って、請求項1に記載のシートベルトリトラクタを用いれば、加速度検出センサ自体の構成を簡素化することができるとともに、制御手段を含めた制御システムとして車体側のシステムとは独立したシステムを構成することで車体側の高速通信システムを必要としないため、シートベルトリトラクタ全体として簡便且つ安価なシステムを構築することが可能となる。
(本発明の第2発明)
前記課題を解決する本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのシートベルトリトラクタである。
請求項2に記載のこのシートベルトリトラクタでは、請求項1に記載の加速度検出センサは、金属ケース、転動部、保持部を少なくとも有する。本発明の金属ケースは、磁気導通経路を構成するとともに金属体としての金属ボール(ボール体)を収容するケース体として構成される。本発明の転動部は、金属ケースの各部位のうち金属ボールが転動可能とされた転動部位として構成される。本発明の保持部は、転動部において金属ボールを保持可能とされるとともに空間を有する部位として構成される。この保持部に関しては、典型的には転動部に凹み形状を設けることによって構成される。
本発明の加速度検出センサのこのような構成において、車両に作用する加速度が基準加速度を下回る場合には、金属ボールが保持部にて保持されることでこの金属ボールが金属ケースの磁気導通経路に介在した状態とされ当該磁気導通経路の一部を構成することで、磁石にて発生した磁気が金属ボールを通じて金属ケースの磁気導通経路を導通する。すなわち、金属ボールが保持部にて保持された位置が、金属ボールが金属ケースの磁気導通経路に介在する介在位置となる。一方、車両に作用する加速度が基準加速度に達した場合には、金属ボールが保持部から離脱して転動部上を三次元方向(水平方向、垂直方向或いは斜め方向)に転動することでこの金属ボールが金属ケースの磁気導通経路を分断した状態とされ、この金属ケースの磁気によって空間に発生した空間磁界をホールセンサが検出することで、基準加速度を超える加速度が車両に作用したことが検出される。すなわち、金属ボールが保持部から離脱した位置が、金属ボールが金属ケースの磁気導通経路から離脱した離脱位置(分断位置)となる。このような構成により、本発明では、車両に作用する加速度のレベルが、転動部を転動する金属ボールの動作を用いて検出されるようになっている。
なお、本発明における基準加速度の設定は、車両に作用する加速度と金属ボールの転動態様との間の相関により定めることができ、具体的には金属ボールの重量や大きさ、保持部の形状、転動部の形状などを適宜組み合わせることによって基準加速度の設定が可能とされる。
従って、請求項2に記載のシートベルトリトラクタを用いれば、シートベルトリトラクタ全体として簡便且つ安価なシステムを構築することが可能となるうえに、加速度検出センサの構成を簡素化することが可能となる。
(本発明の第3発明)
前記課題を解決する本発明の第3発明は、請求項3に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項3に記載のこのシートベルト装置は、車両に搭載される装置であって、乗員拘束用のシートベルト、電動モータ、スプール、シートベルトバックル、トング、バックル検知センサ、加速度検出センサ、制御手段を少なくとも備える。
本発明のシートベルトは、シートに着座した車両乗員に装着される長尺状のベルトであり、「ウェビング」とも称呼される。典型的には、車両シートに着座した車両乗員が、車両衝突などの乗員拘束時にシートベルトにより拘束される。本発明のシートベルトバックルは、車両に対し固定される部材として構成される。本発明のトング(「タング」ともいう)は、シートベルトに設けられシートベルト装着時に、本発明のシートベルトバックルに挿入係合する部材として構成される。本発明のバックル検知センサは、トングがシートベルトバックルに挿入係合したことを検知する手段として構成される。本発明の制御手段は、バックル検知センサの検知情報に基づいて車両乗員に対しシートベルトが装着された状態であるとき、加速度検出センサにて検出された情報に基づいて電動モータの駆動に関する制御を行うとともに、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部とは独立した制御部分として構成される。その他、本発明の電動モータ、スプール及び加速度検出センサは、請求項1に記載のシートベルトリトラクタの構成要素と実質的に同様の機能を有する。
従って、請求項3に記載のシートベルト装置を用いれば、加速度検出センサ自体の構成を簡素化することができるとともに、制御手段を含めた制御システムとして車体側のシステムとは独立したシステムを構成することで車体側の高速通信システムを必要としないため、シートベルト装置全体として簡便且つ安価なシステムを構築することが可能となる。
(本発明の第4発明)
前記課題を解決する本発明の第4発明は、請求項4に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項4に記載のこのシートベルト装置では、請求項3に記載の加速度検出センサは、金属ケース、転動部、保持部を少なくとも有する。これら金属ケース、転動部、保持部は、請求項3に記載のシートベルトリトラクタの構成要素と実質的に同様の機能を有する。
従って、請求項4に記載のシートベルト装置を用いれば、シートベルト装置全体として簡便且つ安価なシステムを構築することが可能となるうえに、加速度検出センサの構成を簡素化することが可能となる。
(本発明の第5発明)
前記課題を解決する本発明の第5発明は、請求項5に記載されたとおりのシートベルト装置である。
請求項5に記載のこのシートベルト装置では、請求項3または請求項4に記載の制御手段は、バックル検知センサの検知情報に基づいて車両乗員に対しシートベルトが装着された状態であるとき、基準加速度を超える加速度が車両に作用したことを加速度検出センサが検出した場合には、スプールがシートベルト巻き取り動作を行うように電動モータを駆動制御するとともに、この駆動制御によってシートベルトに作用する張力を、加速度検出センサの検出態様に基づいて可変とする構成とされる。
ここでいう「加速度検出センサの検出態様」として、典型的には基準加速度を超える加速度が車両に作用していることを検出している時間、すなわち加速度検出センサのON時間や、基準加速度を超える加速度が車両に作用していないことを検出している時間(基準加速度を下回る加速度が車両に作用している時間)、すなわち加速度検出センサのOFF時間や、加速度検出センサのON状態からOFF状態へ、或いはOFF状態からON状態への切り換り態様などが挙げられる。
例えば、加速度検出センサのON時間が所定の規定時間に達した場合には、車両がカーブ走行状態、ラフロード走行状態、急ブレーキ状態、急ハンドル状態にあるとして、車両乗員の姿勢を保持するのに適正やシートベルト張力を付与するように電動モータの駆動力を制御することができる。また、加速度検出センサのON時間が更に長時間にわたる場合には、経過時間に応じてシートベルト張力が高まるように電動モータの駆動力を制御し、車両の急ブレーキ停車や衝突等に備えることができる。また、一旦ON状態となった加速度検出センサがOFF状態へと切り換ってからの経過時間が所定の規定時間に達した場合には、電動モータの駆動を停止してシートベルトに付与する張力を解放するように制御することができる。また、加速度検出センサがON状態とOFF状態を繰り返す時間が所定の規定時間に達した場合には、車両がラフロード走行状態にあるとして、車両乗員の姿勢を保持するのに適正やシートベルト張力を付与するように電動モータの駆動力を制御することができる。
従って、請求項5に記載の発明を用いれば、シートベルトに作用する張力を加速度検出センサの検出態様に基づいて可変とする構成を、簡便且つ安価なシステムを用いて構築することが可能となる。
(本発明の第6発明)
前記課題を解決する本発明の第6発明は、請求項6に記載されたとおりの車両である。
請求項6に記載のこの車両は、エンジン走行系統、電装系統、駆動制御部、シートベルト装置を少なくとも備える構成とされる。本発明のエンジン走行系統は、エンジン及び車両の走行に関与する系統として構成される。本発明の電装系統は、車両に使われる電機部品に関与する系統として構成される。本発明の駆動制御部は、エンジン走行系統及び電装系統の駆動制御を行う機能を有する装置として構成される。本発明のシートベルト装置は、車両乗員を乗員拘束用のシートベルトによって拘束する制御を駆動制御部とは独立した制御手段によって行う装置として構成される。本発明では、このシートベルト装置として、請求項3〜請求項5のいずれかに記載にシートベルト装置を用いる。
従って、請求項6に記載の発明によれば、シートベルト装置全体として簡便且つ安価なシステムを搭載する車両が提供されることとなる。
以上のように、本発明によれば、車両乗員拘束用のシートベルトのスプールによる巻き取り動作を電動モータを用いて行うとともに、その電動モータの制御を車体側情報に基づいて行う構成に関し、特に制御手段を含めた制御システムとして車体側のシステムとは独立したシステムを構成することで車体側の高速通信システムを必要せず、全体として簡便且つ安価なシステムを構築することが可能となった。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照しつつ詳細に説明する。まず、図1〜図6を参照しながら、本発明の一実施の形態を説明する。
ここで、図1は、本発明にかかる「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を示す図である。また、図2は、図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。また、図3には、本実施の形態のシートベルト装置100におけるシステム構成が示される。また、図4には、図1中の加速度検出センサ30の構成が、図5には図4中の加速度検出センサ30のA−A線における断面構造が、また図6には図4中の加速度検出センサ30の動作態様が、各々示されている。
図1に示すように、本実施の形態のシートベルト装置100は、本発明における「車両」としての自動車車両に搭載される車両用のシートベルト装置であり、シートベルトリトラクタ1、シートベルト3、ショルダーガイドアンカー10、トング(トング)12、アウトアンカー14、シートベルトバックル16、ECU20、加速度検出センサ30等を主体に構成されている。
シートベルトリトラクタ1は、後述するスプール5及びモータ7を介してシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を可能とする装置であり、本発明における「シートベルトリトラクタ」に対応している。このシートベルトリトラクタは、モータリトラクタとも称呼される。このシートベルトリトラクタ1は、図1に示す例では、車両のBピラー42内の収容空間に装着されている。なお、ECU20や加速度検出センサ30をこのシートベルトリトラクタ1の構成要素とすることもできる。
図2に示すように、このシートベルトリトラクタ1は、スプール5、モータ7及び動力伝達機構9を少なくとも備える。スプール5、モータ7及び動力伝達機構9に、シートベルル3を加えた構成によってシートベルトリトラクタ1とすることもできる。これらの各構成要素は、シートベルトリトラクタ1のリトラクタハウジング(ケース体)1a内に収容される。スプール5は、円柱状ないし円筒状に形成され、そのスプール外周面(シートベルト当接面5a)がシートベルト3の巻き取り面を構成する。このスプール5は、本発明における「電動モータ」としてのモータ7の駆動に伴って、乗員拘束用のシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作を行う部材であり、本発明における「スプール」に相当する。
また、本実施の形態では、このスプール5とモータ7との間に動力伝達機構9が介在する。この動力伝達機構9は、スプール5とモータ7とが接続された接続状態(動力伝達モード)、及び当該接続状態が解除された接続解除状態(動力伝達遮断モード)を形成する機構として構成される。この動力伝達機構9は、ギア部材等を組み合わせて形成されるいわゆる「クラッチ」とも称呼される。この動力伝達機構9の接続状態は、モータ7の動力を当該動力伝達機構9を介してスプールに伝達可能な状態である。従って、この接続状態においてモータ7が駆動されることによって、当該モータ7の動力が動力伝達機構9を介してスプール5に伝達される。このとき、モータ7の回転は、動力伝達機構9によって減速されることとなる。これに対し、動力伝達機構9の接続解除状態においては、スプール5とモータ7との物理的な接続が解除され、スプール5からシートベルト3を容易に巻き出す(引き出す)操作が可能となる。なお、必要に応じては、スプール5とモータ7との間に動力伝達機構9を介在させないで、スプール5とモータ7とを直接的に接続する構成を採用することもできる。
本実施の形態において、この動力伝達機構9は、特に図示しないものの、いわゆる「単段式クラッチ」として構成される。従って、動力伝達機構9の動力伝達モードにおいて、モータ7が所定のモータ出力で駆動されるとき、モータ7の回転が減速されてスプール5に伝達され、当該スプール5は所定の回転トルク、所定の回転数で回転駆動されることとなる。なお、この動力伝達機構9にかえて、スプールの回転トルク及び回転数を複数段階に可変とするような構成の動力伝達機構を用いることもできる。例えば、スプールの回転トルク及び回転数を2段階に可変とする2段クラッチを用いる場合において、シートベルトを強いベルト張力でスプールに巻き取る動作を行いたいときには、動力伝達機構を、相対的に回転トルクが高く、且つ相対的に回転速度が低い高減速比モードに設定することができる。これに対し、シートベルトをスプールに巻き取る動作を迅速に行いたいときには、当該動力伝達機構を、相対的に回転トルクが低く、且つ相対的に回転速度が高い低減速比モードに設定することができる。
図1に戻って、シートベルト3は、運転席である車両シート40に着座した車両乗員C(「運転者」ともいう)の拘束または拘束解除に用いられる長尺状のベルト(ウェビング)である。このシートベルト3が、本発明における「乗員拘束用のシートベルト」に対応している。このシートベルト3は、車両に対し固定されたシートベルトリトラクタ1から引き出され、車両乗員Cの乗員肩部領域に設けられたショルダーガイドアンカー10を経由し、トング(トング)12を通ってアウトアンカー14に連結されている。ショルダーガイドアンカー10は、車両乗員Cの乗員肩部領域においてシートベルト3を係止しガイド(誘導)する機能を有する。そして、車体に対し固定されたシートベルトバックル16にトング12が挿入係合されることによって、当該シートベルト3が車両乗員Cに対し装着状態となる。このトング12が、本発明における「トング」に相当し、このトング12が挿入係合されるシートベルトバックル16が、本発明における「シートベルトバックル」に相当する。
なお、シートベルトバックル16にはバックルスイッチ16aが内蔵されており、シートベルトバックル16にトング(トング)12が挿入されシートベルトバックル操作がなされたこと(実質的にはシートベルト装着状態になったこと)が、このバックルスイッチ16aによって検知される。このバックルスイッチ16aが検知した情報はECU20に伝達され、シートベルト装着状態であるか否かが判定されるようになっている。このバックルスイッチ16aが、本発明における「トングがシートベルトバックルに係合したことを検知するバックル検知センサ」に相当する。
ECU20は、シートベルトリトラクタ1に関する制御を行う機能を有し、CPU(演算処理装置)、入出力装置、記憶装置、周辺装置等によって構成されている。このECU20はマイコンとも称呼される。図3に示す具体的なシステム構成において、このECU20は、受信用Rxポート、送信用Txポート及び通信インターフェース(例えばISO9141準拠のもの)を介して、加速度検出センサ30との間の信号伝達が可能とされている。また、このシステム構成では、ECU20に対しシートベルトバックル16(バックルスイッチ16a)の検知情報が入力される構成や、ECU20からランプに警報信号が出力される構成、またECU20からリレーを介して制御信号が出力される構成が設けられている。
特に本実施の形態では、このECU20は、シートベルトバックル16(バックルスイッチ16a)の検知情報に基づいて車両乗員Cに対しシートベルト3が装着されたシートベルト装着状態であるとき、加速度検出センサ30にて検出された情報に基づいて、シートベルトリトラクタ1の後述するモータ7の駆動及び動力伝達機構9に関する制御を行う。具体的には、ECU20が、モータ7の電磁コイルに供給される電圧或いは電流の供給量や供給方向などを制御することによって、モータシャフトの、回転速度、回転方向、回転時間、回転トルク(出力)などが可変とされ、後述するスプール5によるシートベルト3の巻き取り動作及び巻き出し動作が制御される。詳細については後述するが、このECU20は、モータ7の駆動制御を行う手段として構成されるとともに、後述する動力伝達機構9を制御してスプール5にモータ7の動力が伝達される状態を切り換える手段として構成される。また、本実施の形態においてこのECU20は、シートベルトリトラクタ1に専用の制御手段として設けられており、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部(車体側のECU)とは独立した制御部分として構成されている。このECU20が、本発明における「制御手段」に対応している。
図4及び図5に示すように、本実施の形態の加速度検出センサ30は、筒状に形成された金属製の金属ケース31、恒常的に磁気を発生させる永久磁石34、球状に形成された金属製の金属ボール35、ホールセンサ37を少なくとも備える構成とされる。この加速度検出センサ30が、本発明における「加速度検出センサ」に相当する。
金属ケース31は、金属ボール35を収容する収容部32の底部に、この金属ボール35が三次元方向(水平方向、垂直方向或いは斜め方向)に転動可能な転動面33を備える。転動面33は、台座33a側が低所となるように傾斜している。この転動面33は、金属ケース31の各部位のうち金属ボール35が転動可能とされた転動部位であり、この転動面33が本発明における「転動部」に相当する。また、この金属ケース31は、永久磁石34にて発生した磁気が導通可能な磁気導通経路を構成する部材であり、この金属ケース31が、本発明における「金属ケース」に相当する。
また、この金属ケース31には、その中央位置には転動面33を左右に分断する空間36と、この空間36を挟んで形成される凹み状の台座33aが設けられている。この空間36に、ECU20に接続された磁界検出用のホールセンサ37が配設されている。この空間36は、台座33aからの金属ボール35の離脱によって金属ケース31の磁気導通経路を分断するように形成される空間であり、この空間36が本発明における「空間」に相当する。また、この空間に配設されたホールセンサ37が、本発明における「ホールセンサ」に相当する。台座33aは、その中央位置に空間36を有するとともに、球状の金属ボール35の形状に倣った形状の凹部を有し、この凹部に金属ボール35が嵌まった状態においてこの金属ボール35を保持可能に構成されている。この台座33aが、本発明における「保持部」を構成する。
加速度検出センサ30のこのような構成において、車両に加速度が作用していない場合や、車両に作用している三次元方向の加速度が予め定められた基準加速度を下回る場合には、図4に示すように金属ボール35が台座33aにて保持された状態とされる。すなわち、転動面33は台座33a側が低所となるように傾斜しているため、金属ボール35に加速度が作用していない状態、或いは作用している加速度が比較的小さい状態では、金属ボール35はその自重によって台座33a側へと転動し台座33aの凹部に嵌まり込むことによって保持される。この状態では、空間36を介して左右に分断された転動面33に金属ボール35が接触することによって、左右の転動面33が電気的に接続されることとなる。これにより、金属ケース31の収容部32及び金属ボール35によって、永久磁石34にて発生した磁気が導通して再び永久磁石34へと循環する磁気導通経路が形成される。この場合には、磁気導通経路の磁気は金属部分を優先的に流れるため、空間36における空間磁界の発生が阻止されることとなり、ホールセンサ37による空間磁界の検出が行われない状態、すなわち加速度検出センサ30のOFF状態が形成されることとなる。ここでいう磁気導通経路が、本発明における「磁気導通経路」に相当する。また、永久磁石34が本発明における「磁気発生源としての磁石」に相当する。なお、この永久磁石34にかえて電磁石を用いることもできる。
一方、車両に作用する三次元方向の加速度が予め定められた基準加速度に達すると、図6に示すように金属ボール35が台座33aから離脱した状態に切り換る。例えば、図6中の二点鎖線で示す位置から実線で示す位置へと金属ボール35が移動する。この状態では、金属ボール35が台座33aから離脱して転動面33上を三次元方向に転動することでこの金属ボール35が金属ケース31の磁気導通経路を分断した状態とされる。従って、この場合には、磁気導通経路の磁気が導通する金属経路が失われることでこの磁気導通経路の磁気によって空間36に空間磁界が発生することとなり、この空間磁界をホールセンサ37が検出することで、基準加速度を超える加速度が車両に作用したことが検出される。この場合には、加速度検出センサ30のON状態が形成されることとなる。このように、本実施の形態の金属ボール35は、車両に作用する三次元方向の加速度に応じて磁気導通経路に介在した状態と離脱した状態とに切り換る金属体であり、本発明における「金属体」及び「金属ボール」に相当する。
車両に作用する加速度のレベルを金属ボール35及びホールセンサ37を用いて簡便に検出するこの加速度検出センサ30は、ミリ波レーダやレーザレーダに比して構造が簡素化された「メカセンサ」、「機械式センサ」或いは「磁気式センサ」とも称呼される。
なお、上記構成の加速度検出センサ30における基準加速度の設定は、車両に作用する加速度と金属ボール35の転動態様との間の相関により定めることができ、具体的には金属ボール35の重量や大きさ、台座33aの形状、転動面33の傾斜や形状などを適宜組み合わせることによって基準加速度の設定が可能とされる。
また、上記構成のECU20や加速度検出センサ30の取り付け箇所に関しては、シートベルトリトラクタ1との間の制御信号の伝達を考慮した場合、シートベルトリトラクタ1の周辺を取り付け箇所として選択するのが好ましい。具体的には、シートベルトリトラクタ1のスプール5等を収容するリトラクタハウジング(図2中のリトラクタハウジング1a)内や、Bピラー42周辺のフロアをECU20や加速度検出センサ30の取り付け箇所とすることができる。
また、上記のように、球状の金属ボール35が加速度に応じて転動動作することによって加速度検出センサ30のON状態とOFF状態とが切り換る構成にかえて、球状以外の形状の金属体が加速度に応じてスライド動作して、加速度検出センサのON状態とOFF状態とが切り換るような構成を採用することもできる。
次に、上記構成のECU20が、加速度検出センサ30にて検出された情報に基づいて、シートベルトリトラクタ1を制御する具体的な制御態様を、図7〜図9を参照しながら説明する。図7〜図9は、いずれも本実施の形態のECU20によるシートベルトリトラクタ1の制御態様を説明する図であって、第1の制御態様〜第3の制御態様を示す。
なお、本実施の形態では、モータ7の駆動がON状態である場合にECU20によって計3つの制御モードのいずれかとなるように制御される。第1の制御モードは、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つシートベルト3がスプール5によって低レベルのトルクにて巻き取り動作されるようにモータ7が駆動されるように設定されるモードである。これにより、この第1の制御モードでは、シートベルト3に相対的に弱い張力が作用する状態が形成される。第3の制御モードは、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つシートベルト3がスプール5によって高レベルのトルクにて巻き取り動作されるようにモータ7が駆動されるように設定されるモードである。これにより、この第3の制御モードでは、シートベルト3に相対的に強い張力が作用する状態が形成される。第2の制御モードは、動力伝達機構9が動力伝達モードに設定され、且つシートベルト3がスプール5によって中レベルのトルクにて巻き取り動作されるようにモータ7が駆動されるように設定されるモードである。これにより、この第2の制御モードでは、第1の制御モードにおいてシートベルト3に作用する張力と、第3の制御モードにおいてシートベルト3に作用する張力との間のレベルの張力が作用する状態が形成される。一方、モータ7の駆動が停止されているOFF状態である場合には、動力伝達機構9が動力伝達モード或いは動力伝達遮断モードに設定され、且つモータ7への電圧及び電流の供給が停止状態に設定された停止モードとされる。
(第1の制御態様)
図7に示す第1の制御態様では、加速度検出センサ30のON状態が所定の規定時間、例えば200[msec]以上連続した場合には、車両がカーブ走行状態、ラフロード走行状態、急ブレーキ状態、急ハンドル状態にあるとして、車両乗員の姿勢を保持するのに適正やシートベルト張力を付与するように上記第1の制御モードに設定される。これにより、シートベルト3に相対的に弱い張力が作用する状態が形成され、車両乗員の姿勢を保持することが可能となる。そして、この第1の制御モードを、加速度検出センサ30がON状態からOFF状態に切り換ったのちこのOFF状態が所定の規定時間、例えば3[sec]以上連続するまで継続する。その後、この第1の制御モードからモータ7の駆動がOFF状態とされた停止モードに設定される。
(第2の制御態様)
図8に示す第2の制御態様では、加速度検出センサ30のON状態が所定の規定時間、例えば200[msec]以上連続した場合には、急ブレーキ状態であり停止或いは衝突が予想されるとして、シートベルト張力を上げて弛み(スラック)を無くすべく上記第1の制御モードに設定される。これにより、シートベルト3に相対的に弱い張力が作用する状態が形成され、シートベルト張力を上げて弛み(スラック)を無くすことが可能となる。更に、加速度検出センサ30のON状態が所定の規定時間、例えば500[msec]以上連続した場合(ON状態が計700[msec]以上連続した場合)には、停止状態或いは衝突状態であるとして、シートベルト張力を更に高めるべく上記第2の制御モードに設定され、更に、加速度検出センサ30のON状態が所定の規定時間、例えば500[msec]以上連続した場合(ON状態が計1200[msec]以上連続した場合)には、ロールオーバ状態であるとして、シートベルト張力を更に高めるべく上記第3の制御モードに設定される。そして、この第3の制御モードを、加速度検出センサ30がON状態からOFF状態に切り換ったのちこのOFF状態が所定の規定時間、例えば3[sec]以上連続するまで継続する。その後、この第3の制御モードからモータ7の駆動がOFF状態とされた停止モードに設定される。
(第3の制御態様)
図9に示す第3の制御態様では、加速度検出センサがON状態とOFF状態を繰り返す時間が所定の規定時間、例えば500[msec]以上連続した場合には、車両がラフロード走行状態にあるとして、車両乗員の姿勢を保持するのに適正やシートベルト張力を付与するように上記第1の制御モードに設定される。これにより、シートベルト3に相対的に弱い張力が作用する状態が形成され、車両乗員の姿勢を保持することが可能となる。そして、この第1の制御モードを、加速度検出センサ30がON状態からOFF状態に切り換ったのちこのOFF状態が所定の規定時間、例えば3[sec]以上連続するまで継続する。その後、この第1の制御モードからモータ7の駆動がOFF状態とされた停止モードに設定される。
以上のように、本実施の形態のシートベルトリトラクタ1及びシートベルト装置100を用いれば、車両に作用する加速度のレベルを金属ボール35の及びホールセンサ37を用いて簡便に検出する上記構成の加速度検出センサ30によって、加速度検出センサ自体の構成を簡素化することができる。特に、この加速度検出センサ30は、金属ボール35の自重によって加速度検出センサ30のOFF状態が形成され、金属ボール35の自重に抗した動作によって加速度検出センサ30のON状態が形成されるような簡便な加速度検出センサとして構成される。
また、本実施の形態においてECU20は、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部とは独立した構成とされており、加速度検出センサ30及びモータ7との間での制御信号の伝達システムのみによって、シートベルトリトラクタ1の制御システムを構築するため、車体に搭載された種々の検出センサとシートベルトリトラクタとの間に、自動車用の通信制御バスであるCANを用いたCAN通信などの高速通信システムを介在させる必要がなく、またシートベルトリトラクタ1側の仕様に応じて車体側の通信ソフトの追加や変更を行う必要がなくシートベルトリトラクタ1の設置に際し車体側の装備に左右されることがない。
かくして、加速度検出センサ30自体を安価に構成することができるとともに、ECU20を含めた制御システムとして車体側のシステムとは独立したシステムを構成することで車体側の高速通信システムを必要としないため、全体として簡便且つ安価なシステムを構築することが可能となる。このシステムにおいては、シートベルト3に作用する張力を加速度検出センサ30の検出態様に基づいて可変とする構成が実現される。
このように、車体側センサの情報によらず単独の駆動判断によって制御が可能な本実施の形態のシートベルトリトラクタ1及びシートベルト装置100は、車体側センサやインターフェースの装備が十分である車種はもとより、車体側センサやインターフェースの装備が十分でない車種に対しても適用が可能とされる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記実施の形態では、自動車に装着されるシートベルトリトラクタ1及びシートベルト装置100の構成について記載したが、本発明は、例えば自動車、飛行機、船舶、電車、バス等、車両乗員を乗せて移動する各種の車両に装着されるシートベルトリトラクタやシートベルト装置の構成に適用され得る。
本発明にかかる「シートベルト装置」の一実施の形態であるシートベルト装置100の構成を示す図である。 図1中のシートベルトリトラクタ1まわりの構成を示す図である。 本実施の形態のシートベルト装置100におけるシステム構成を示す図である。 図1中の加速度検出センサ30の構成を示す図である。 図4中の加速度検出センサ30のA−A線における断面構造を示す図である。 図4中の加速度検出センサ30の動作態様を示す図である。 実施の形態のECU20によるシートベルトリトラクタ1の第1の制御態様を説明する図である。 実施の形態のECU20によるシートベルトリトラクタ1の第2の制御態様を説明する図である。 実施の形態のECU20によるシートベルトリトラクタ1の第3の制御態様を説明する図である。
符号の説明
1 シートベルトリトラクタ
1a リトラクタハウジング
3 シートベルト
5 スプール
5a シートベルト当接面
7 モータ
9 動力伝達機構
10 ショルダーガイドアンカー
12 トング(トング)
14 アウトアンカー
16 シートベルトバックル
16a バックルスイッチ
20 ECU
30 加速度検出センサ
31 金属ケース
32 収容部
33 転動面
33a 台座
34 永久磁石
35 金蔵ボール
36 空間
37 ホールセンサ
40 車両シート
42 Bピラー
100 シートベルト装置

Claims (6)

  1. 車両に搭載されるシートベルトリトラクタであって、
    電動モータと、
    前記電動モータの駆動に伴って、車両乗員に対し装着される乗員拘束用のシートベルトのシートベルト巻き取り動作及びシートベルト巻き出し動作を行うスプールと、
    車両の加速度に関する情報を検出する加速度検出センサと、
    前記加速度検出センサにて検出された情報に基づいて、前記電動モータの駆動に関する制御を行うとともに、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部とは独立した制御手段と、
    を備え、
    前記加速度検出センサは、磁気発生源としての磁石と、前記磁石にて発生した磁気が導通可能な金属製の磁気導通経路と、車両に作用する三次元方向の加速度に応じて前記磁気導通経路に介在した状態と離脱した状態とに切り換る金属体と、前記金属体の前記磁気導通経路からの離脱によって当該磁気導通経路を分断するように形成される空間と、前記空間に配置される磁界検出用のホールセンサを有し、車両に作用する加速度が基準加速度を下回る場合には、前記金属体が前記磁気導通経路に介在した状態とされ当該磁気導通経路の一部を構成することで、前記磁石にて発生した磁気が前記金属体を通じて前記磁気導通経路を導通する一方、車両に作用する加速度が前記基準加速度に達した場合には、前記金属体が前記磁気導通経路から離脱した状態とされ、この磁気導通経路の磁気によって前記空間に発生した空間磁界を前記ホールセンサが検出することで、前記基準加速度を超える加速度が車両に作用したことを検出するように構成されていることを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 請求項1に記載のシートベルトリトラクタであって、
    前記加速度検出センサは、前記磁気導通経路を構成するとともに前記金属体としての金属ボールを収容する金属ケースと、前記金属ケースの各部位のうち前記金属ボールが転動可能とされた転動部と、前記転動部において前記金属ボールを保持可能とされるとともに前記空間を有する保持部を有し、車両に作用する加速度が前記基準加速度を下回る場合には、前記金属ボールが前記保持部にて保持されることでこの金属ボールが前記金属ケースの磁気導通経路に介在した状態とされ当該磁気導通経路の一部を構成することで、前記磁石にて発生した磁気が前記金属ボールを通じて前記金属ケースの磁気導通経路を導通する一方、車両に作用する加速度が前記基準加速度に達した場合には、前記金属ボールが前記保持部から離脱して前記転動部上を三次元方向に転動することでこの金属ボールが前記金属ケースの磁気導通経路を分断した状態とされ、この金属ケースの磁気によって前記空間に発生した空間磁界を前記ホールセンサが検出することで、前記基準加速度を超える加速度が車両に作用したことを検出するように構成されていることを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  3. 車両に搭載されるシートベルト装置であって、
    車両乗員に対し装着される乗員拘束用のシートベルトと、
    電動モータと、
    前記電動モータの駆動に伴って、前記シートベルトのシートベルト巻き取り動作及びシートベルト巻き出し動作を行うスプールと、
    車両に対し固定されたシートベルトバックルと、
    前記シートベルトに設けられシートベルト装着時に前記シートベルトバックルに係合するトングと、
    前記トングが前記シートベルトバックルに係合したことを検知するバックル検知センサと、
    車両の加速度に関する情報を検出する加速度検出センサと、
    前記バックル検知センサの検知情報に基づいて車両乗員に対し前記シートベルトが装着された状態であるとき、前記加速度検出センサにて検出された情報に基づいて前記電動モータの駆動に関する制御を行うとともに、車両のエンジン走行系統及び電装系統を少なくとも駆動制御する駆動制御部とは独立した制御手段と、
    を備え、
    前記加速度検出センサは、磁気発生源としての磁石と、前記磁石にて発生した磁気が導通可能な金属製の磁気導通経路と、車両に作用する三次元方向の加速度に応じて前記磁気導通経路に介在した状態と離脱した状態とに切り換る金属体と、前記金属体の前記磁気導通経路からの離脱によって当該磁気導通経路を分断するように形成される空間と、前記空間に配置される磁界検出用のホールセンサを有し、車両に作用する加速度が基準加速度を下回る場合には、前記金属体が前記磁気導通経路に介在した状態とされ当該磁気導通経路の一部を構成することで、前記磁石にて発生した磁気が前記金属体を通じて前記磁気導通経路を導通する一方、車両に作用する加速度が前記基準加速度に達した場合には、前記金属体が前記磁気導通経路から離脱した状態とされ、この磁気導通経路の磁気によって前記空間に発生した空間磁界を前記ホールセンサが検出することで、前記基準加速度を超える加速度が車両に作用したことを検出するように構成されていることを特徴とするシートベルト装置。
  4. 請求項3に記載のシートベルト装置であって、
    前記加速度検出センサは、前記磁気導通経路を構成するとともに前記金属体としての金属ボールを収容する金属ケースと、前記金属ケースの各部位のうち前記金属ボールが転動可能とされた転動部と、前記転動部において前記金属ボールを保持可能とされるとともに前記空間を有する保持部を有し、車両に作用する加速度が前記基準加速度を下回る場合には、前記金属ボールが前記保持部にて保持されることでこの金属ボールが前記金属ケースの磁気導通経路に介在した状態とされ、前記磁石にて発生した磁気が前記金属ボールを通じて前記金属ケースの磁気導通経路を導通する一方、車両に作用する加速度が前記基準加速度に達した場合には、前記金属ボールが前記保持部から離脱して前記転動部上を三次元方向に転動することでこの金属ボールが前記金属ケースの磁気導通経路を分断した状態とされ、この金属ケースの磁気によって前記空間に発生した空間磁界を前記ホールセンサが検出することで、前記基準加速度を超える加速度が車両に作用したことを検出するように構成されていることを特徴とするシートベルト装置。
  5. 請求項3または4に記載のシートベルト装置であって、
    前記制御手段は、前記バックル検知センサの検知情報に基づいて車両乗員に対し前記シートベルトが装着された状態であるとき、前記基準加速度を超える加速度が車両に作用したことを前記加速度検出センサが検出した場合には、前記スプールがシートベルト巻き取り動作を行うように前記電動モータを駆動制御するとともに、この駆動制御によって前記シートベルトに作用する張力を前記加速度検出センサの検出態様に基づいて可変とする構成であることを特徴とするシートベルト装置。
  6. エンジン走行系統と、電装系統と、前記エンジン走行系統及び電装系統に駆動制御を行う駆動制御部と、車両乗員を乗員拘束用のシートベルトによって拘束する制御を前記駆動制御部とは独立した制御手段によって行うシートベルト装置と、を備える車両であって、
    前記シートベルト装置は、請求項3〜5のいずれかに記載のシートベルト装置を用いて構成されていることを特徴とする車両。
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