JP2007168110A - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インクジェットに用いられる薄膜圧電体アクチュエータの製法において、簡単なプロセスで膜剥がれ、膜劣化のない薄膜圧電体アクチュエータを得ることである。
【解決手段】 Si基板上に吐出口からインクを吐出するための薄膜圧電体アクチュエータと、薄膜圧電体アクチュエータに対応する様に吐出口に連通するインク流路が設けられたインクジェットヘッドの製造方法であって、Si基板上に選択的に異方性エッチングが可能なPoly―Si犠牲層を設ける工程と、Poly−Siを一部熱酸化して異方性エッチングストップ層とする工程と、基板の薄膜圧電体アクチュエータに対応する部分を異方性エッチングにより除去することにより薄膜圧電体アクチュエータ下に空間を形成する工程と、振動板を薄膜圧電体アクチュエータ上に形成する工程とを含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液体に外部からエネルギーを加えることによって所望の液体を吐出する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
パソコンの印刷装置としてインクジェット記録装置を用いたプリンタが、印字性能が良く、低コストなので広く利用されるようになっている。このインクジェット記録装置には、熱エネルギーによってインクに気泡を発生させ、その気泡による圧力波によりインク滴を吐出させるもの、静電力によりインク滴を吸引吐出させるもの、圧電素子のような振動子による圧力波を利用したもの等が開発されている。
上記インクジェット記録装置のうち圧電素子を用いたものは、インク吐出口に連通したインク流路と、そのインク流路の圧電素子に対応した圧力発生室と、この圧力発生室に対応して設けられた例えば薄膜の圧電素子と、この圧電体薄膜が接合された振動板を有する。圧電体薄膜に所定の電圧を印加すると、圧電体薄膜が伸縮することによって、圧電体薄膜と振動板とが一体となって振動を起こして圧力発生室内のインクが圧縮され、それによりインク吐出口からインク液滴が吐出するような構成である。
ところで近年、インクジェット記録装置においては印字性能の向上、特に高解像度および高速印字が求められている。このためには、1回のインク滴の吐出量を少なくし、さらに高速駆動をすることが必要となってくる。これらのことを実現するにあたって特開平9−123448号公報(特許文献1)では、圧力発生室での圧力損失を小さくするために圧力発生室の容積を縮小する方法を開示している。
また、特開2000−246898号公報(特許文献2)は、シリコン基板に設けられたキャビティに対向する領域に圧電素子を配し、各圧力発生室間の隔壁の剛性を確保し、クロストークを防止したヘッドを開示する。
一方印字性能をさらに上げるにはアクチュエータのサイズを各圧力発生室でバラツキのないものを作らなくてはならない。
アクチュエータを形成するために、Si基板のアクチュエータが形成された面の反対側からRIE・DeepRIE(ICP)などのドライエッチングやTMAH(テトラ・メチル・アンモニウム・ハイドライド)・KOH(水酸化カリウム)による異方性エッチング、サンドブラストなどによる方法が一般的に挙げられる。中でも微細加工が容易かつ一度に多数の基板を処理することが可能な異方性エッチングが有効で、特開平9−123448号公報、特開2000−246898号公報でも利用されている。しかし異方性エッチングはサイドエッチングや基板内欠陥が原因となりバラツキが生やすい。
特開平9−123448号公報 特開2000−246898号公報
これを防止するために、AlやPoly−Siなどの犠牲層が有効である。構成としては基板の表裏面にSiO2やSiNなどでエッチングマスク層やエッチングストップ層を形成する工程、基板表面にPoly−SiやAlなどの犠牲層を形成する工程などにより形成された図2や図3のような構成が挙げられる。図2は基板201、表裏面エッチングマスク202、犠牲層203、エッチングストップ層204から構成される。図3は基板301、裏面エッチングマスク302、犠牲層303、エッチングストップ層兼エッチングマスク304から構成される。SiO2やSiNは、スパッタ、常圧CVD、減圧CVD、プラズマCVDなどが挙げられるが、この膜の上に薄膜PZTを成膜し結晶化のために焼成を行った場合、複数の元素の拡散やPZTの応力により膜剥がれや膜の劣化を生じる場合がある。また図2のような場合工程数が長くなるという問題がある。
本発明の目的は、インクジェットに用いられる薄膜圧電体アクチュエータの製法において、簡単なプロセスで膜剥がれ、膜劣化のない薄膜圧電体アクチュエータを得ることである。
本発明の第1は、Si基板上に吐出口からインクを吐出するための薄膜圧電体アクチュエータと、薄膜圧電体アクチュエータに対応する様に吐出口に連通するインク流路が設けられたインクジェットヘッドの製造方法において、Si基板上に選択的に異方性エッチングが可能なPoly―Si犠牲層を設ける工程と、Poly−Siを一部熱酸化して異方性エッチングストップ層する工程と、基板の薄膜圧電体アクチュエータに対応する部分を異方性エッチングにより除去することにより薄膜圧電体アクチュエータ下に空間を形成する工程と、振動板を薄膜圧電体アクチュエータ上に形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明により、簡易なプロセスで薄膜圧電体アクチュエータを寸法精度良く形成することができ、圧電体の焼成時に膜剥がれや膜の劣化を生じることはない。
本発明の第2は、基板として面方位が{110}であるSi結晶を用いることを特徴とする。
本発明により、面方位が{110}であるSi基板を異方性エッチングすることによって基板の振動板背面側に空間を形成することにより、振動板の薄膜化および微細化を可能にする。
本発明の第3は、Si結晶の空間の側壁の面方位が{111}であり、側壁が空間の形成される前の基板の主面にほぼ垂直であることを特徴とする。
本発明により、基板に形成された空間の側壁が、空間が形成される前の基板の主面にほぼ垂直(Siの{111}面に平行)とすることで、複数の圧力発生室が高密度に配設され、基板の空間同士の間の部分は強度的に比較的強いヘッドを得ることができる。
本発明により、簡易なプロセスで薄膜圧電体アクチュエータを寸法精度良く形成することができ、圧電体の焼成時に膜剥がれや膜の劣化を生じることはない。また、面方位が{110}であるSi基板を異方性エッチングすることによって基板の振動板背面側に空間を形成することにより、振動板の薄膜化および微細化を可能にする。また、基板に形成された空間の側壁が、空間が形成される前の基板の主面にほぼ垂直(Siの{111}面に平行)とすることで、複数の圧力発生室が高密度に配設され、基板の空間同士の間の部分は強度的に比較的強いヘッドを得ることができる。
以上より簡易なプロセスで歩留まり良く高密度な、圧電素子駆動型のインクジェットヘッドを製造することが可能になる。この結果、液体種類適用性が高く、高品位な印字の可能なインクジェットヘッドを提供することができる。
図1は本発明に係る製造方法によるアクチュエータを液体吐出ヘッドに適用した場合の実施態様を示す模式的断面図である。
基板101には振動板の背面の自由空間102が空けられている。自由空間の上部には、振動板103、圧電体薄膜104、上電極105、下電極106等が形成されている。さらにこれらの上に圧力発生室107が形成されている。図1の圧力発生室左端には吐出口108が形成されている。圧電体薄膜を接合した振動板の変形で生じた圧力によって吐出口からインクは吐出され媒体に印字される。圧力発生室の右端にはインクを供給するための連通孔(インク供給口)109が空けられていてインクタンクと繋がっている。
振動板を複数の圧力発生室に作用させることは構成上可能ではあるが微細な描画を行うには個々のノズルについて独立に液体の吐出の有無を調節できることが望ましい。従って、振動板は各圧力発生室ごとに独立している構成をとることが好ましい。
以下に、本実施例を図面を用いて説明する。図6は本実施例のインクジェット記録ヘッドの製造方法を模式的に示す工程図である。以下に各工程について説明する。尚、以下の工程(1)〜(15)は図6(1)〜(15)に対応する。
(1)
面方位{110}のSi基板601を用意する。
(2)
後述する異方性エッチング用エッチャントに対するエッチング速度が大きな材料であり、後の工程で熱酸化することでエッチングストップ層を形成することが可能であるPoly−Siをパターニングして犠牲層602を形成する。エッチングが進行してエッチャントが犠牲層に到すると、Si基板より犠牲層のエッチングレートが速いので短時間に又正確に犠牲層パターンに対応した自由空間を形成することができる。
図4は基板の表面模式図である。フォトリソ技術によって図4のように自由空間401ンク供給口402に対応する領域に犠牲層パターンを形成する。隣接したエッチングマスク層のパターンは面方位{110}に平行に並列して配置されている。また、基板に対して垂直に自由空間やインク供給口を形成するために狭角が70.5度をなす平行四辺形にかつ、平行四辺形の長辺および短辺は{111}と等価の面に平行になるように形成する。
Poly−Siの厚さとしては1.5μm以下が好ましい。アクチュエータの断面形状で段差が大きくなるからである。
(3)
基板を熱酸化してSi熱酸化膜を形成する。Poly−Siの表層はSi熱酸化膜となりエッチングストップ層603となる。エッチングストップ層はエッチャントによって駆動回路が侵されないようにするのが目的で形成される。Si熱酸化膜は0.3μm以上が好ましい。工程中で膜を破る可能性が大きくなるからである。
(4)
裏面のSi熱酸化膜を自由空間やインク供給口に対応する領域をパターニングしてエッチングマスク604を形成する。
(5)
Pt、Au、Cuなど低抵抗な金属材料で下電極605を形成する。基板と電極の間にTi、Ta、TiNやTaNなどの金属窒化物、ZrO2などの密着層を形成する。
(6)
電極上にスパッタ等の方法でチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の薄膜606をスパッタリングなどにより成膜し、圧電性を確保するために400℃以上、結晶性を上げるために好ましくは650℃以上の高温でアニールする。PZTは焼成前にパターニングしても良いし、後の上電極形成後にパターニングしても良い。
(7)
圧電体薄膜上にPt、Au、Cuなど低抵抗な金属材料で上電極607を形成する。基板と電極の間に密着層を形成しても良い。
(8)
電極・圧電体薄膜が形成された部分に、CVD法等を使ってSiOx、SiN等を成膜したり、スパッタ等でCr、Niなどの金属膜を形成して振動板608を形成する。最上面はインクから圧電素子や駆動回路を保護するために耐インク性のある膜を形成するのが良い。
(9)
後に除去することで圧力発生室などを形成するための型材となる第1パターン609を形成する。形成方法としては印刷技術やフォトリソ技術を利用することができるが、微細パターンを形成できるので感光性樹脂を利用したフォトリソ技術が望ましい。型材としては厚い膜のパターニングが可能で、後にアルカリ溶液や有機溶剤で除去可能なものが好ましい。型材としては、THBシリーズ(JSR製)やPMERシリーズ(東京応化工業製)などが使用できる。当然これに限定されるものではない。
(10)
第1パターン上に導電層610をスパッタリング等により成膜する。導電層としてはPt、Au、Cu、Ni、Ti等を使用することができる。樹脂と導電層の密着性がある程度良好でなくては微細なパターンを形成することができないので、他の金属膜を成膜した後にPt、Au、Cu、Ni等を成膜しても良い。後に型材を除去する工程で吐出口に対応する部分の導電層を除去できる必要であるので、導電層の厚さとしては150nm以下が良く、最適には100nm以下である。150nmより厚いと型材を除去する工程で吐出口に対応する分の導電層を完全に除去しきれない場合がある。
(11)
導電層が形成された第1パターン上に後に除去することで吐出口となる第2パターン611を形成する。型材としては、THBシリーズ(JSR製)やPMERシリーズ(東京応化工業製)などが使用できる。当然これに限るものではなく、厚い膜のパターニングが可能で後にアルカリ溶液や有機溶剤で除去可能なものであれば良い。
圧力発生室で発生した力を効率良く吐出力に利用するために第1パターン・第2パターンともに上面が下面より小さいテーパーになっているのが好ましい。シミュレーションなどを利用して最適な形状を求めることができる。テーパの形成方法としては様々だが、プロキシミティタイプの露光機の場合には基板とマスク間の距離(ギャップ)を離すことで可能である。またグレイスケールマスクなどを利用しても可能である。当然1/5や1/10などの縮小露光を利用すれば微小な吐出口の形成が容易である。さらにグレイスケールマスクを利用すれば単純なテーパー形状ではなく螺旋状にするなど複雑な形状にすることも容易である。
(12)
メッキ処理により圧力発生室・吐出口を含む流路構造体612を形成する。メッキの種類には電気メッキや無電解メッキなどがあり適時使い分ける。電気メッキは処理液が安価である点、廃液処理が簡易である点が有利である。無電解メッキはつき回りがよい点、均一な膜が形成できる点、メッキ皮膜が硬く耐摩耗性がある点で優れている。使い分けの例としては、まず電気メッキでNi層を厚く形成しその後無電解メッキによりNi−PTFE複合メッキ層を薄く形成するという方法がある。この方法の場合、所望の特性の皮膜を持つメッキ層を安価に形成することができるという利点がある。
メッキの種類としてはCu、Ni、Cr、Zn、Sn、Ag、Auなどの単金属メッキ、合金メッキ、PTFEなどを析出させる複合メッキなどがあげられる。耐薬品性、強度からNiを好適に用いる。また前述したようにメッキ膜に撥水性を与えるにはNi−PTFE複合メッキなどを形成する。
(13)
前工程で作成された基板の表面側をエッチャントから保護するため、耐アルカリ性を持ち後に有機溶剤などで除去可能な樹脂を基板表面に塗布したり、裏面側のみエッチャントに接触させることが可能な治具に基板を装着したりする。
裏面の平行四辺形の狭角の近傍部分(裏面の平面図:図5参照)に、レーザー加工などによる先導孔501を開けても良い。これにより異方性エッチングの際に平行四辺形の狭角から発生する斜めの{111}面が抑制される。この先導孔はエッチングストップ層に限りなく近くまであけるのが良い。先導孔の深さは、一般には基板厚さの60%以上好ましくは70%以上、最適には80%以上である。当然基板を貫通してはならない。
この基板をエッチャントに浸漬し、{111}面が出るように異方性エッチングすれば平面形状が平行四辺形の自由空間613およびインク供給口614を形成することができる。アルカリ系エッチャントとしてはKOH、TMAHなどがあるが、環境の面からTMAHが好適に使用される。
エッチング後は、耐アルカリ性の保護膜を利用した場合には有機溶剤などで除去する。治具を使用した場合には基板を治具よりはずす。
(14)
エッチングストップ層のSi熱酸化膜をウェットエッチング等で除去する。
(15)
圧力発生室・吐出口を含む流路構造体の型材となっている第1パターンと第2パターンをアルカリ溶液や有機溶剤によって除去する。ダイレクトパス(ダイレクトパスは登録商標です)(荒川化学工業製)を利用することで吐出口に対応する部分に形成されている導電層を容易に除去することが可能である。この時、溶剤としてはパインアルファ(パインアルファは登録商標です)シリーズ(荒川化学工業株式会社製)を用いることができる。
本発明において図6(9)〜(12)の工程はこれに限られるものではない。以上で本発明による液体吐出ヘッドを適用したインクジェット記録ヘッドの主たる製造工程が完了する。
本実施例のより具体的な実施例に係る製造方法を、図6を用いて説明する。基板601として厚さ635μmの面方位{110}を持つ6インチのSi基板を用いた。基板の表面にLPCVD法によりPoly−Siを600nm形成した。フォトリソ技術により自由空間とインク供給口を設けるための所望の犠牲層602を形成した。この時{111}面に対して平行に平行四辺形の長辺がくるように図4のように形成した。熱酸化してPoly−Si上で400nmのSi熱酸化膜603を形成した。基板の裏面のSi熱酸化膜に自由空間とインク供給口に対応する領域にパターニングを行いエッチングマスク604を形成した。下電極605はPtを厚さ150nm、下電極の下引き層としてTaを厚さ30nm、圧電体薄膜606はPZTを厚さ2μm、上電極607はPtを厚さ150nm、上電極下引き層としてTiを厚さ4nmでスパッタリングにより成膜し、680℃で所望の時間焼成し、パターニングして圧電体薄膜を形成した。振動板608としてSiNをプラズマCVD法により2μmの厚さに成膜しパターニングした。
基板上に圧力発生室などの型材609となるPMER P−HM3000PM(東京応化工業製)をスピンナで60μmに形成し乾燥後パターニングした。型材の表面側から見たサイズは短辺92μm、長辺3mmであった。また型材は短辺方向に平行に並べた。またインク供給口に型材が適当に重なるように作成し、実際のインク供給口の大きさを制御する。このようにして吐出口側とインク供給口側のイナータンスのバランスを制御することができた。導電層となるTi/Cuをそれぞれ25nm/75nmの厚さにスパッタリングにより成膜、パターニング610した。TiはCuの基板に対する密着性向上や導電性向上を目的に成膜した。吐出口の型材611となるPMER P−LA900PM(東京応化工業株式会社製)をスピンナで30μmに形成し乾燥後パターニングした。型材の露光にはプロキシミティタイプの露光機を使いマスクと基板のギャップを120μmにすることでテーパー形状にした。
次に電気メッキでNi層を21μm形成し、その後無電解メッキによりNi−PTFE複合メッキ層612を3μm形成した。
次に基板表面側を保護するために環化ゴム系樹脂のOBC(東京応化工業製)を塗布した。その後、裏面の平行四辺形の狭角の近傍部分にレーザー加工で先導孔303を開けた。先導孔の深さは基板の厚さの80%にした。基板に対してTMAH22wt%、80℃にて所定の時間、異方性エッチングを行った。異方性エッチング後OBCをキシレンで除去し、その後エッチングストップ層603であるSi熱酸化膜をエッチングで除去した。最後にダイレクトパス(ダイレクトパスは登録商標です)(荒川化学工業製)を使って型材を除去した。この時、溶剤としてはパインアルファ(パインアルファは登録商標です)ST−380(荒川化学工業株式会社製)を使用した。
完成したヘッドの吐出口上面は15μm、下面は30μmであった。圧力発生室の隔壁は21μmであった。形成された自由空間の長辺方向の長さは700μm、インク供給口の長辺方向の長さは500μmであった。
このヘッドを使って、粘度2mPa・s(=2cP)の油性インクを用いて、25KHzで12plの液滴で不吐出のない高品位な印字物が得られた。
実施例1における犠牲層、エッチングストップ層、エッチングマスク層の形成において、図7のように、基板701を熱酸化してSi熱酸化膜702を形成し(図7(1))、基板表面のSi熱酸化膜の自由空間やインク供給口に対応する領域をパターニング703し(図7(2))、基板表面の自由空間やインク供給口に対応する領域にPoly−Siをパターニング704し(図(3))、再度熱酸化してエッチングストップ層705を形成し(図7(4))、基板裏面のSi熱酸化膜の自由空間やインク供給口に対応する領域をパターニング706する(図7(5)以外は同じ工程でインクジェット記録ヘッドを作成する。この場合、実施例1よりもプロセスは増えるというデメリットはあるが、基板表面の段差が少なくなるメリットがある。
本実施例のより具体的な実施例に係る製造方法を、図7を用いて説明する。基板701として厚さ635μmの面方位{110}を持つ6インチのSi基板を用いた。基板を熱酸化して表裏面にSi熱酸化膜600nmを形成する(702)。フォトリソ技術により自由空間とインク供給口を設けるための所望のエッチングマスク703を形成した。この時{111}面に対して平行に平行四辺形の長辺がくるように形成した。基板の表面にLPCVD法によりPoly−Siを600nm形成した。フォトリソ技術により自由空間とインク供給口を設けるための所望の犠牲層704を形成した。熱酸化してPoly−Si上で300nmのSi熱酸化膜705を形成した。基板の裏面のSi熱酸化膜に自由空間とインク供給口に対応する領域にパターニングを行いエッチングマスク706を形成した。これ以降は実施例1と同様に作成した。
完成したヘッドの吐出口上面は15μm、下面は30μmであった。圧力発生室の隔壁は21μmであった。形成された自由空間の長辺方向の長さは700μm、インク供給口の長辺方向の長さは500μmであった。
このヘッドを使って、粘度2mPa・s(=2cP)の油性インクを用いて、25KHzで12plの液滴で不吐出のない高品位な印字物が得られた。
本発明によるインクジェットヘッドの断面模式図 異方性エッチングのための犠牲層・エッチングストップ層の形成方法の例1 異方性エッチングのための犠牲層・エッチングストップ層の形成方法の例2 本発明による基板の表面模式図 本発明による基板の裏面模式図 実施例1のインクジェットヘッドの製造フロー 実施例2のインクジェットヘッドの製造フローの一部
符号の説明
101 基板
102 自由空間
103 振動板
104 圧電体薄膜
105 上電極
106 下電極
107 圧力発生室
108 吐出口
109 インク供給口
201 基板
202 表裏面エッチングマスク
203 犠牲層
204 エッチングストップ層
301 基板
302 裏面エッチングマスク
303 犠牲層
304 エッチングストップ層兼エッチングマスク
401 自由空間に対応する領域
402 インク供給口に対応する領域
501 先導孔
601 Si基板
602 犠牲層
603 エッチングストップ層
604 エッチングマスク
605 下電極
606 圧電体薄膜
607 上電極
608 振動板
609 型材(第1パターン)
610 導電層
611 型材(第2パターン)
612 メッキ金属
613 自由空間
614 インク供給口
701 基板
702 Si熱酸化膜
703 エッチングマスク
704 犠牲層
705 エッチングストップ層

Claims (4)

  1. Si基板上に吐出口からインクを吐出するための薄膜圧電体アクチュエータと、薄膜圧電体アクチュエータに対応する様に吐出口に連通するインク流路が設けられたインクジェットヘッドの製造方法であって、
    Si基板上に選択的に異方性エッチングが可能なPoly―Si犠牲層を設ける工程と、
    Poly−Siを一部熱酸化して異方性エッチングストップ層とする工程と、
    基板の薄膜圧電体アクチュエータに対応する部分を異方性エッチングにより除去することにより薄膜圧電体アクチュエータ下に空間を形成する工程と、
    振動板を薄膜圧電体アクチュエータ上に形成する工程と
    を含むことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 基板として面方位が{110}であるSi結晶を用いる請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. Si結晶の前記空間の側壁の面方位が{111}であり、側壁が空間の形成される前の基板の主面にほぼ垂直である請求項2に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  4. 請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法によって製造されたインジェットヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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