JP2007167517A - 液浸型冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液浸型冷却装置において、小型の冷凍機で冷却運転を可能としつつ、冷凍機が停止した場合でも被冷却物の冷却を長時間維持できるようにすること。
【解決手段】液浸型冷却装置50は、被冷却物2を浸す液体寒剤3及び気体寒剤4の気液2層からなる寒剤を格納する貯蔵容器1と、寒剤又は貯蔵容器を冷却する冷凍機6と、冷凍機6が停止した場合に貯蔵容器1内の圧力の上昇を抑制するように気体寒剤4を貯蔵容器の外部に放出する機能が備えられた第1流路21と、冷凍機6が停止した場合に液体寒剤内で発生する気泡を捕集するボイド捕集器13とを備える。ボイド捕集器13は、気泡を捕集する捕集器本体13Aと、この捕集器本体13A内に捕集した気体を貯蔵容器1内の気体寒剤4中に放出するように導く第2流路15とを備える。第2流路15の有効断面積は捕集器本体13Aの有効断面積に比べて小さくした。
【選択図】図7

Description

本発明は、液浸型冷却装置に係り、特に核磁気共鳴画像診断装置の超伝導コイルを冷却する液浸型冷却装置に好適なものである。
従来の一般的な液浸型冷却装置(以下、従来例1と呼ぶ。)を図1から図3を参照しながら説明する。図1は従来例1の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図、図2は従来例1の液浸型冷却装置における冷凍機停止時の動作状況を示す図、図3は従来例1の液浸型冷却装置における通常運転から冷凍機停止に移行した場合の主要パラメータ(侵入熱量、除熱量、熱収支、ボイド発生率、圧力、排気流量、液位)の時間に対する変化を示す図である。
従来例1の液浸型冷却装置では、図1に示すように、貯蔵容器1がヘリウムなどの液体寒剤3が格納されており、被冷却物2はその液体寒剤3の中に浸されている。なお、安全上の観点(容器内圧力の過剰な上昇の抑制)から、その貯蔵容器1の自由空間の一部に気体寒剤4が格納され、液面5が形成されている。また、液浸型冷却装置では、内部の温度が外部より低いため、外部から内部に対して熱9が侵入する。これによって、液体寒剤3の一部は、その熱9により気化し、気泡11が発生する。その気泡11は浮力により液体寒剤3内で浮き上がり、気体寒剤4になる。このため、通常運転時、電源などの駆動源17により冷凍機6を駆動し、冷凍機6における貯蔵容器1内に設置冷却器6aの周辺の気体寒剤4を凝縮することにより、系内の熱10を外部に放出させている。なお、冷凍機6で凝縮した液体寒剤14は液体寒剤3へ戻り、寒剤が循環することとなる。また、冷凍機6は、貯蔵容器1も冷却している。
駆動源17の喪失などにより冷凍機6が停止した場合には、図2及び図3に示すように、それまで除去さていた熱10が無くなって熱の収支が崩れ、液体寒剤3の温度が上昇し、液体寒剤3内で発生する気泡11の発生率(発生量)が通常運転時よりも増加する。このため、貯蔵容器1内の圧力が上昇し、容器の過圧による破裂などを防止するために設けた逃し弁8が間歇的に開放され、気体寒剤4の蒸気12が系外へ放出される。これにより、液体寒剤4の液面5が低下し始め、短時間Tで被冷却物2が寒剤から露出し、その冷却が十分に行われなくなり、その温度が上昇する恐れが出てくる。このため、冷凍機6の復旧が遅れた場合には、被冷却物2が液体寒剤3から露出し、被冷却物2の冷却が十分に行われなくなってしまう。また、例えば、被冷却物2が超伝導コイルであった場合には、この超伝導コイルでクエンチが発生する可能性があり、その場合、発生した熱により液体寒剤3が急激に気化し、高価な寒剤が大量に外部へ放出されてしまう。また、液浸型冷却装置の運転を容易に継続できない場合もあり得る。
そこで、図4に示す液浸型冷却装置(以下、従来例2と呼ぶ。)が案出されている。図4は従来例2の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図である。
従来例2では、図4に示すように、貯蔵容器1内に発生した寒剤の気泡11を捕集するためのボイド捕集器13と、捕集した気体を外部に放出させるための制御弁7とが設けられている。これにより、従来例2における冷凍機6が停止した場合の貯蔵容器1内の液面5は、従来例1の場合に比べて緩やかに低下するため、被冷却物2が寒剤3から露出するまでの時間を遅くすることが可能である。なお、従来例2に関する特許文献として、例えば、特開2005−111058号公報(特許文献1)が挙げられる。
特開2005−111058号公報
しかしながら、この従来例2では、制御弁7の配管を介して外部から熱が熱伝導などにより侵入してしまうため、冷凍機6の容量を大きくする必要があった。また、通常運転時にボイド捕集器13に気泡11が蓄積しないよう、ボイド捕集器13に捕集した気体を制御弁7から外部に放出しているため、液浸型冷却装置を長時間通常運転させる場合には、高価な寒剤を適時補充する必要があった。
そこで、従来例2の液浸型冷却装置から制御弁を削除してボイド捕集器13の上面に穴を設けた図5及び図6に示す液浸型冷却装置(以下、比較例1と呼ぶ)が考えられる。図5は比較例1の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図、図6は比較例1の液浸型冷却装置における冷凍機停止時の動作状況を示す図である。
比較例1におけるボイド捕集器13は、図5に示すように、通常運転時、捕集した気泡11が過剰に蓄積されないよう、その気泡の一部を貯蔵容器1内の上部に開放するための穴13aを上面に設けている。この穴13aの面積は、冷凍機6が停止した際、発生した気泡11の発生割合(流量)により差圧が発生し、それによりボイド捕集器13内に気体が全て満たされるような大きさに設定される。換言すれば、ボイド捕集器13内の液位18がボイド捕集器13の最下部になるように設定される。なお、通常運転時、ボイド捕集器13内は気体が溜まることになる。
この比較例1の液浸型冷却装置において、冷凍機6が停止した場合には、図6に示すように、液体寒剤3内で発生した気泡11がボイド捕集器13で捕集され、液体寒剤3の液面5が上昇するため、その液体寒剤3の液面の低下は従来例1の場合よりも遅くなり、被冷却物2が液体寒剤3から露出するまでの時間は従来例1の場合よりも遅くすることが可能である。このように、比較例1の液浸型冷却装置によれば、被冷却物2が液体寒剤3から露出するまでの時間を従来例1と比較して遅くすることができると共に、従来例2のように制御弁7の配管を介して外部から熱が熱伝導されて内部に侵入することをなく、高価な寒剤の補充を抑制できる、という利点を有する。
しかし、この比較例1の液浸型冷却装置では、図5に示すように、通常運転時に静水頭差によりボイド捕集器13内に気体が蓄積されるため、冷凍機6の停止時にボイド捕集器13内に蓄積できる気体が通常運転時に蓄積された気体を差し引いた分となり、被冷却物2が液体寒剤3から露出するまでの時間を十分に遅くすることができない、という課題があった。
本発明の目的は、小型の冷凍機で冷却運転を可能としつつ、冷凍機が停止した場合でも被冷却物の冷却を長時間維持できる液浸型冷却装置を提供することにある。
前述の目的を達成するために、本発明は、被冷却物を浸す液体寒剤及び気体寒剤の気液2層からなる寒剤を格納する貯蔵容器と、前記寒剤又は前記貯蔵容器を冷却する冷凍機と、前記冷凍機が停止した場合に前記貯蔵容器内の圧力の上昇を抑制するように前記寒剤を前記貯蔵容器の外部に放出する機能が備えられた第1流路と、前記冷凍機が停止した場合に前記液体寒剤内で発生する気泡を捕集するボイド捕集器と、を備えた液浸型冷却装置において、前記ボイド捕集器は、気泡を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に捕集した気体を前記貯蔵容器内の気体寒剤の中に放出するように導く第2流路とを備えて構成し、前記第2流路の有効断面積は前記捕集器本体の有効断面積に比べて小さくしたことにある。
係る本発明のより好ましい具体的な構成例は次の通りである。
(1)前記被冷却物が核磁気共鳴画像診断装置に用いられる超伝導コイルであり、前記寒剤がヘリウムであること。
(2)前記第2流路を流れる気体の流量を抑制するための気体流量抑制部を前記第2流路に設けたこと。
(3)前記気体流量抑制部を前記第2流路の有効断面積より小さな有効断面積を有するオリフィスで構成したこと。
(4)液浸型冷却装置の通常運転時における前記ボイド捕集器内の液位を前記第2流路内となるように設定したこと。
(5)前記第2流路から前記貯蔵容器内の気体寒剤の中に放出する気体中のミストを分離する湿分分離器を前記第2流路に設けたこと。
(6)前記湿分分離器は、前記第2流路の上部に設けられ、前記第2流路から連続する流路を構成すると共に上方に開口する内筒と、この内筒の上端部を覆うリング状フランジ部と、このフランジ部の外側から下方に延びる外筒と、前記内筒内に配置した旋回羽根とを備えて構成したこと。
本発明によれば、小型の冷凍機で冷却運転を可能としつつ、冷凍機が停止した場合でも被冷却物の冷却を長時間維持できる液浸型冷却装置を実現できる。
以下、本発明の複数の実施形態について図を用いて説明する。各実施形態、従来例1、2及び比較例1の図における同一符号は同一物または相当物を示す。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の液浸型冷却装置を図7から図14を用いて説明する。
まず、本実施形態の液浸型冷却装置の全体構成に関して図7から図9を参照しながら説明する。図7は本発明の第1実施形態の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図、図8は図7のボイド捕集器部の拡大図、図9は本発明の第1実施形態の液浸型冷却装置における冷凍機停止時の動作状況を示す図である。
液浸型冷却装置50は、核磁気共鳴画像診断装置における冷却装置を構成するものであり、寒剤3,4、貯蔵容器1、冷凍機6、逃し弁8、配管21、ボイド捕集器13、及びボイド排気筒15を備えている。
貯蔵容器1は、密閉した断熱容器で構成され、被冷却物2を浸す液体寒剤3及び気体寒剤4の気液2層からなる寒剤を格納している。気体寒剤4は、安全上の観点(容器内圧力の過剰な上昇の抑制)から、その貯蔵容器1の自由空間の一部に形成されるものであり、液体寒剤3の液面5から寒剤が蒸発することや液体寒剤3内で発生する気泡11が上昇することにより形成される。被冷却物2は、核磁気共鳴画像診断装置に用いられる超伝導コイルで構成され、上下に3段に設置されている。寒剤3,4は、超伝導コイルで構成された被冷却物2を冷却するため、ヘリウムが用いられている。
冷凍機6は、寒剤3、4及び貯蔵容器1を冷却するためのものであり、貯蔵容器1の上部に設置されている。冷凍機6は、熱交換器である冷却部6aを貯蔵容器1の内部に配置し、熱交換器である放熱部6bを貯蔵容器1の外部に配置することにより、冷却部6aで気体寒剤4から吸熱し、放熱部6bで貯蔵容器1の外部の大気中に放熱するようになっている。冷凍機6は駆動源17に接続されて電力が供給されるようになっている。
配管21は、貯蔵容器1の内部と外部とを連通する第1流路を構成するものであり、貯蔵容器1の上面に設置されている。配管21の途中には逃し弁8が設置されている。この逃し弁8は、貯蔵容器1内の圧力が所定圧力以上に上昇することを防止するためのものであり、冷凍機6が停止した場合に貯蔵容器1内の圧力の上昇を抑制するように気体寒剤4を貯蔵容器1の外部に放出する機能を有している。
ボイド捕集器13は、冷凍機6が停止した場合に液体寒剤3内で発生する気泡11を捕集するためのものである。このボイド捕集器13は、液体寒剤3内で発生する気泡11を多く捕集できるように、液体寒剤3内の上部に複数配置されている。ボイド捕集器13は、気泡を捕集する捕集器本体13Aと、この捕集器本体13A内に捕集した気体を貯蔵容器1内の気体寒剤4の中に放出するように導くボイド排気筒15とを備えて構成されている。複数のボイド捕集器13の総容積は、冷凍機6が停止した場合に発生する気泡11により液体寒剤3の液面5が低下して被冷却物2が液面5上に露出しないように設定される。
捕集器本体13Aの上面には、捕集器本体13A内と気体寒剤4の存在する空間とを連通するボイド排気筒15が取り付けられている。このボイド排気筒15は、第2流路を構成するものであり、捕集器本体13A内の気体を捕集器本体13A外に導いて貯蔵容器1内の気体寒剤4中に放出するように構成されている。ボイド排気筒15の有効断面積は捕集器本体13Aの有効断面積に比べて小さく設定されている。
ボイド排気筒15の上部には、流れる気体の流量を抑制するための気体流量抑制部16が設置されている。この気体流量抑制部16は、ボイド排気筒15の流路断面積より小さな流路断面積を有するオリフィス、換言すれば、ボイド排気筒15の内径より小さなオリフィスにより形成されている。具体的には、気体流量抑制部16の流路面積(有効断面積)は、通常運転時に、図7及び図8に示すように、発生する気泡11により差圧が発生し、それにより捕集器本体13A内が全て液体寒剤3で満たされるように設定されている。本実施形態では、通常運転時にボイド排気筒15内の内部に液体寒剤3の液面18が存在するように気体流量抑制部16の流路面積(有効断面積)が設定されている。ここで、気体流量抑制部16の流路面積(有効断面積)は比較例1の穴13aの流路面積(有効断面積)に比べて十分に小さく設定されている。
図7及び図8を参照しながら、液浸型冷却装置50の通常運転時の動作状況を説明する。
液浸型冷却装置50の通常運転が開始されると、冷凍機6に駆動源17より電力が供給され、冷凍機6が運転される。これによって、冷却部6aで貯蔵容器1内の気体寒剤4から吸熱し、放熱部6bで貯蔵容器1外の大気中に放熱し、図7に模式的に示すように、冷却部6aの周囲の気体寒剤4が液体寒剤14となって液体寒剤3に戻されると共に、蒸気流12が生ずる。このようにして、液体寒剤3及び貯蔵容器1が冷却され、侵入熱9と除熱10とがバランスする通常運転が行われる。
この通常運転において、侵入熱9により液体寒剤3が加熱され、液体寒剤3内に気泡11が発生する。この気泡11の多くは、捕集器本体13Aにより捕集され、ボイド排気筒15を通して気体寒剤4内に送られ、蒸気流12となる。ここで、ボイド排気筒15に気体流量抑制部16が設けられているため、捕集器本体13A内の全体に液体寒剤3が満たされ、その液面18がボイド排気筒15内の内部に存在するように設定されている。
図9を参照しながら、冷凍機6の停止時における液浸型冷却装置50の動作状況を説明する。
停電などの何らか理由により駆動源17から冷凍機6への電力供給が停止され、冷凍機6が停止した場合には、図9に示すように、それまで除去さていた熱10が無くなって熱の収支が崩れ、液体寒剤3の温度が上昇し、液体寒剤3内で発生する気泡11の発生率(発生量)が通常運転時よりも大幅に増加する。このため、貯蔵容器1内の圧力が上昇し、容器の過圧による破裂などを防止するために設けた逃し弁8が間歇的に開放され、気体寒剤4の蒸気12が系外へ放出される。
気泡11の発生量が増加して逃し弁8が開放されることにより、液体寒剤4の液面5が低下し始めるが、捕集器本体13Aで気泡11の捕集するので、ボイド捕集器を有しない従来例1に比較して液体寒剤4の液面5の低下を遅くすることができる。
そして、ボイド捕集器13内の気体が捕集器本体13Aの下端に至るまで、換言すれば、ボイド捕集器13内の液面18が捕集器本体13Aの下端に至るまで、気泡11の捕集が行われる。ここで、捕集される気体は、ボイド排気筒15の内部の体積分と捕集器本体13A内の全体積分であり、比較例1に比較して大幅に多くなる。これによって、比較例1に比較して液体寒剤4の液面5の低下を遅くすることができる。従って、核磁気共鳴画像診断装置においては、超伝導コイル(被冷却物2)がクエンチする可能性が低くなり、また、その間に駆動源17が復旧する可能性が高まることから、駆動源17が復旧した際には、そのまま冷却を継続することができる。
また、ボイド捕集器13内に捕集した気体は、貯蔵容器1内の気体寒剤4に放出されるので、冷凍機6の運転が再開されば、再度、寒剤として利用することができる。これによって、高価な寒剤を有効に活用することができる。
さらには、本実施形態では、ボイド排気筒15を断熱貯蔵容器1の外部に延ばしていないので、断熱貯蔵容器1の外部からボイド排気筒15を通して熱が侵入することがなく、従来例2と比較して冷凍機6の容量を小さくすることができる。
ボイド捕集器13内に形成される液体寒剤3の液位18とボイド発生率の関係は図10に示す通りである。図10において、ボイド発生率は気体流量制御部13a、16を通過する気体の流量と同じである。比較例1における貯蔵容器1における気泡11の発生割合とボイド捕集器13内に形成される液位18との関係は、穴13aにおける圧損が流量のほぼ自乗に比例し、その圧損がボイド捕集器13の内外の液位差に基づくヘッドに対応することから、図10に破線で示すようになる。また、第1実施形態における貯蔵容器1における気泡11の発生割合とボイド捕集器13内に形成される液位18との関係は、図10に実線で示すようになる。即ち、第1実施形態は、比較例1と比較して、ボイド発生率が少ない場合からボイド発生率が多い場合にわたって液位を高くすることができる。
ボイド捕集器13内に形成される液体寒剤3の液位とボイド捕集器13内の気体の体積の関係は、図11に示す通りである。比較例1におけるボイド捕集器13内に形成される液体寒剤3の液位18とボイド捕集器13内の気体4の体積の関係は、ボイド捕集器13の水平方向の断面積が高さ方向で一定であるのであれば、図11に破線で示すように、1次式になる。即ち、液位がボイド捕集器13の頂部にあれば体積はゼロであり、液位が最下部にあれば体積は最大となる。第1実施形態におけるボイド捕集器13及びボイド排気筒15内に形成される液体寒剤3の液位とボイド捕集器13及びボイド排気筒15内の気体4の体積の関係は、図11の実線で示すようになる。
以上から、ボイド発生率とボイド捕集器内の気体の体積との関係は、図12に示す通りである。図12において、ボイド発生率は気体流量制御部13a、16を通過する気体の流量と同じである。図12の破線が比較例1の場合であり、図12の実線が第1実施形態の場合である。図12から明らかなように、比較例1及び第1実施形態の何れも、ボイド発生率が増加すると体積が増加する特性となっているが、最大ボイド捕集体積は第1実施形態の方が比較例1より格段に大きくなっている。その具体的な理由は次の通りである。
前述のように通常運転時にも僅かではあるが気泡が発生しているが、比較例1では、その時のボイド捕集器13内の液位18は、図5に示すように、ボイド捕集器13の頂部より下にあり、寒剤の気体が溜まっている。従って、冷凍機6が止まり、寒剤内3で気泡11が大量に発生した場合にはボイド捕集器13が全て気泡11で満たされることになることから、冷凍機6が停止した後に捕集できる気泡11の量は、次の式(1)に示すようになる。
冷凍機停止後捕集可能体積=捕集器自由体積−通常運転時の気泡の体積 …(1)
即ち、通常運転時に蓄えられている気泡11の体積が少ないほど、冷凍機6の停止時に捕集できる気泡11の量が多くなり、外部の液位5の低下もより緩やかなものとすることができる。
第1実施形態においては、気体流量抑制部16における圧損が流量のほぼ自乗に比例し、その圧損がボイド捕集器13の内外の液位差に基づくヘッドに対応することから、貯蔵容器1内の気泡11の発生割合とボイド捕集器13内に形成される液位18との関係は、図10に実線で示すようになる。なお、第1実施形態において通常運転時にボイド捕集器13内に形成される液位18は、気体流量抑制部16の流路の面積が必然的に従来例3のものに比べて小さいため、比較例1のものに比べて高くなる。
そして、ボイド捕集器13内に形成される液体寒剤4の液位18とボイド捕集器13内の気体4の体積との関係は、液位18が捕集器本体13Aの頂部より下の場合には、捕集器本体13Aの水平方向の断面積が高さ方向で一定であるのであれば、図11に実線(左側)で示すようになる。液位18が捕集器本体13Aの頂部より上の場合には、ボイド排気筒15の水平方向の断面積が高さ方向で一定であり、また、ボイド排気筒15の水平方向の断面積がボイド捕集器13の穴13aに比べて十分小さくしているので、同図に実線(右側)で示すように、液位18が頂部より下の場合に比べて緩やかに変化する。
これらから、第1実施形態におけるボイド発生率とボイド捕集器13内の気体の体積の関係は、前述の関係から、図12に実線で示すように、比較例1のものに比べると、ボイド発生率が小さい場合の変化率(傾き)が小さくなっている。
従って、第1実施形態における通常運転時のボイド捕集器13内の気体の体積は、図13に示すように、比較例1のものに比べると小さくなっており、冷凍機6が停止した場合に捕集できる気泡11の体積(図13で、市松模様で示す部分)は、比較例1のものに比べ大きくすることができる。なお、図13は、第1実施形態の場合と比較例1の場合とにおける通常運転時と冷凍機停止後にボイド捕集器13で蓄積される気体の量を比較したものである。
以上のように、被冷却物2が寒剤から露出するまでの時間は、図14のTに示すように、比較例1の場合(図3に示すT)に比べて格段に遅くすることができる。なお、図14は、第1実施形態による液浸型冷却装置において、冷凍機6が停止した場合の、侵入熱量、除熱量、熱収支、ボイド発生率、圧力、排気流量、ボイド蓄積量、液位の時間に対する変化を示すものである。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図15及び図16を用いて説明する。図15は本発明の第2実施形態の液浸型冷却装置のボイド捕集器13部の拡大図、図16は図15の旋回式湿分分離器18の内部構造を示す図である。この第2実施形態は、次に述べる点で第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
第2実施形態では、第1実施形態のボイド排気筒15の上部に、その下部から上昇して来る寒剤の気体中に含まれるミスト(寒剤の飽和液体の霧)を分離させ、上方には除湿された気体を排出し、下方には除去した液体を排出させる湿分分離器18を有している。湿分分離器19は、図16に示すように、ボイド排気筒15から連続する流路を構成すると共に上方に開口する内筒19aと、この内筒19aの上端部を覆うリング状フランジ部19bと、このフランジ部19bの外側から下方に延びる外筒19cと、内筒19a内に配置した旋回羽根20とを備えて構成されている。内筒19a、フランジ部19b及び旋回羽根20は同心円状に配置されている。内筒19aは、旋回羽根20が配置された部分より上方の部分を拡大して形成されている。
係る構成により、湿分分離器18の下方からミストが混入した気体が入った場合には、旋回羽根20の働きにより同気体が旋回し、その中に含まれているミストは、遠心力により外周方向へ移動する。また、外周へ移動したミストは、湿分分離器18の上部出口に設けられたフランジ部19bにより外周の導かれ、内筒19aと外筒19cとの間を通って下側の出口より液体寒剤3へ戻される。
これにより、ボイド排気筒15からの蒸気流12のミストの割合は減少し、質量密度が小さくなるため、逃し弁8から同じ体積の気体が排出された場合には、第2実施形態の場合の方が、系外へ放出される寒剤の質量が第1実施形態に比べて少なくなり、液位の低下量を少なくすることができる。
冷凍機6は、その先端に設けられた熱交換器で気体寒剤4を凝縮させることにより冷却している。第2実施形態によれば、貯蔵容器1内の気体寒剤4の湿り度が低下することから、通常運転時、同熱交換器の表面に不要に付着し、蒸気の凝縮を阻害していた湿分(ミスト)の量が減る。従って、冷凍機6の効率が改善され、その容量の小型化、或いは、台数低減を計ることが可能となる。
従来例1の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図である。 従来例1の液浸型冷却装置における冷凍機停止時の動作状況を示す図である。 従来例1の液浸型冷却装置における通常運転から冷凍機停止に移行した場合の主要パラメータの時間に対する変化を示す図である。 従来例2の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図である。 比較例1の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図である。 比較例1の液浸型冷却装置における冷凍機停止時の動作状況を示す図である。 本発明の第1実施形態の液浸型冷却装置の通常運転時の動作状況を示す図である。 図7のボイド捕集器部の拡大図である。 本発明の第1実施形態の液浸型冷却装置における冷凍機停止時の動作状況を示す図である。 比較例1及び第1実施形態におけるボイド捕集器内の寒剤の液位に対するボイド発生率を示す図である。 比較例1及び第1実施形態におけるボイド捕集器内の寒剤の液位に対するボイド捕集器内の気体の体積を示す図である。 比較例1及び第1実施形態におけるボイド発生率に対するボイド捕集器内の気体の体積を示す図である。 比較例1及び第1実施形態における追加ボイド捕集量の相違を示す図である。 本発明の第1実施形態を適用した液浸型冷却装置における冷凍機停止時の主要パラメータの変化を示す図である。 本発明の第2実施形態の液浸型冷却装置のボイド捕集器部の拡大図である。 図15の旋回式湿分分離器の内部構造を示す図である。
符号の説明
1…貯蔵容器、2…被冷却物、3…寒剤(液相)、4…寒剤(気相)、5…寒剤の液面、6…冷凍機、7…制御弁、8…逃し弁、9…侵入熱、10…除熱、11…気泡、12…蒸気の流れ、13…ボイド捕集器、13A…捕集器本体、14…凝縮した液体寒剤、15…ボイド排気筒(第2流路)、16…気体流量抑制部、17…駆動源、18…ボイド捕集器内の液位、19…湿分分離器、20…旋回羽根、21…配管(第1流路)、50…液浸型冷却装置。

Claims (7)

  1. 被冷却物を浸す液体寒剤及び気体寒剤の気液2層からなる寒剤を格納する貯蔵容器と、
    前記寒剤又は前記貯蔵容器を冷却する冷凍機と、
    前記冷凍機が停止した場合に前記貯蔵容器内の圧力の上昇を抑制するように前記寒剤を前記貯蔵容器の外部に放出する機能が備えられた第1流路と、
    前記冷凍機が停止した場合に前記液体寒剤内で発生する気泡を捕集するボイド捕集器と、を備えた液浸型冷却装置において、
    前記ボイド捕集器は、気泡を捕集する捕集器本体と、この捕集器本体内に捕集した気体を前記貯蔵容器内の気体寒剤の中に放出するように導く第2流路とを備えて構成し、
    前記第2流路の有効断面積は前記捕集器本体の有効断面積に比べて小さくしたこと、
    を特徴とする液浸型冷却装置。
  2. 請求項1において、前記被冷却物が核磁気共鳴画像診断装置に用いられる超伝導コイルであり、前記寒剤がヘリウムであること、を特徴とする液浸型冷却装置。
  3. 請求項1において、前記第2流路を流れる気体の流量を抑制するための気体流量抑制部を前記第2流路に設けたこと、を特徴とする液浸型冷却装置。
  4. 請求項3において、前記気体流量抑制部を前記第2流路の有効断面積より小さな有効断面積を有するオリフィスで構成したこと、を特徴とする液浸型冷却装置。
  5. 請求項4において、液浸型冷却装置の通常運転時における前記ボイド捕集器内の液位を前記第2流路内となるように設定したこと、を特徴とする液浸型冷却装置。
  6. 請求項1において、前記第2流路から前記貯蔵容器内の気体寒剤の中に放出する気体中のミストを分離する湿分分離器を前記第2流路に設けたこと、を特徴とする液浸型冷却装置。
  7. 請求項6において、前記湿分分離器は、前記第2流路の上部に設けられ、前記第2流路から連続する流路を構成すると共に上方に開口する内筒と、この内筒の上端部を覆うリング状フランジ部と、このフランジ部の外側から下方に延びる外筒と、前記内筒内に配置した旋回羽根とを備えて構成したこと、を特徴とする液浸型冷却装置。
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