JP2007166730A - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置構成が複雑化することを抑制しつつ電動機を適切に制御する。
【解決手段】オフセット変調部25は、単一のキャリア周期fcでのDCリンク電流IDCに対し、各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwのうちの最小値に対応する相であるオンデューティ最小相を選択する。オフセット変調部25は、オンデューティ最小相に対して、オンデューティ指令が発生(あるいは消滅)するタイミングがキャリア周期fcの開始時刻t1および終了時刻t8となるようにして、オンデューティ最小相のオンデューティを減少させる。オフセット変調部25は、オンデューティ最小相と同様にして、他の相に対して、同等の補正量によってオンデューティを減少させる。
【選択図】図1
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、装置構成が複雑化することを抑制しつつ電動機を適切に制御することが可能な電動機の制御装置を提供することを目的とする。
さらに、請求項3または請求項4に記載の本発明の電動機の制御装置によれば、回転子の位置を推定する際の推定精度を、より一層、向上させることができる。
この実施形態による電動機の制御装置10(以下、単に、モータ制御装置10と呼ぶ)は、例えばハイブリッド車両に内燃機関11と共に駆動源として搭載されるブラシレスDCモータ12(以下、単に、モータ12と呼ぶ)を駆動制御するものであって、このモータ12は、内燃機関11と直列に直結され、界磁に利用する永久磁石を有する回転子(図示略)と、この回転子を回転させる回転磁界を発生する固定子(図示略)とを備えて構成されている。
そして、モータ制御装置10は、例えば図1に示すように、バッテリ13を直流電源とするパワードライブユニット(PDU)14と、制御部15とを備えて構成されている。
PDU14は、例えば図2に示すように、トランジスタのスイッチング素子(例えば、IGBT:Insulated Gate Bipolar mode Transistor)を複数用いてブリッジ接続してなるブリッジ回路14aと平滑コンデンサCとを具備するパルス幅変調(PWM)によるPWMインバータ14Aを備え、モータ12と電気エネルギーの授受を行う高圧系のバッテリ13が接続されている。
そして、ブリッジ回路14aと、バッテリ13の負極側端子との間には、PWMインバータ14Aの直流側電流(DCリンク電流)IDCを検出する直流側電流センサ14bが備えられている。
そして、PWMインバータ14Aの直流側には各スイッチング状態S1〜S8に応じて断続的に各相電流Iu,Iv,Iwが発生し、直流側電流センサ14bにより検出される直流側電流(DCリンク電流)IDCは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつ、あるいは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつの符号が反転したもの、あるいは、ゼロとなる。
そして、ハイ側U相およびV相トランジスタUH,VHとロー側W相トランジスタWLとがオン状態となる第2スイッチング状態S2である時刻t2から時刻t3の期間および時刻t6から時刻t7の期間では、DCリンク電流IDCはW相電流Iwの符号が反転した電流(−Iw)となる。
そして、ハイ側U相トランジスタUHとロー側V相およびW相トランジスタUL,WLとがオン状態となる第7スイッチング状態S7である時刻t3から時刻t4の期間および時刻t5から時刻t6の期間では、DCリンク電流IDCはU相電流Iuとなる。
そして、ハイサイドアームがオフ状態かつローサイドアームがオン状態となる第8スイッチング状態S8である時刻t4から時刻t5の期間では、DCリンク電流IDCはゼロとなる。
そして、この制御部15には、直流側電流センサ14bにより検出される直流側電流(DCリンク電流)IDCと、バッテリ13の端子電圧(電源電圧)VBを検出する電圧センサ13aから出力される検出値と、外部の制御装置(図示略)から出力されるトルク指令Trとが入力されている。
dq−3相変換部23は、角度推定部29から入力される回転子の回転角θを用いて、dq座標上でのd軸電圧指令値Vdおよびq軸電圧指令値Vqを、静止座標である3相交流座標上での電圧指令値であるU相出力電圧*VuおよびV相出力電圧*VvおよびW相出力電圧*Vwに変換する。
そして、PWM信号生成部24は、生成したゲート信号のデューティDUTYつまり各スイッチング素子をオン/オフ駆動させる各パルスのオン/オフ状態の比率を算出する。
例えば、オフセット変調部25は、先ず、単一のキャリア周期fcでのDCリンク電流IDCに対し、各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwのうちの最小値に対応する相である最小電圧相、つまりPWMインバータ14Aのハイサイドアームの各トランジスタUH,VH,WHがオン状態となる比率であるオンデューティが最小となるオンデューティ最小相(例えば、図5に示すW相)を選択する。そして、このオンデューティ最小相に対して、オンデューティ指令が発生(あるいは消滅)するタイミングがこのキャリア周期fcの開始時刻t1および終了時刻t8となるようにして、いわばこのオンデューティ最小相のオンデューティを減少させる。そして、このオンデューティ最小相と同様にして、他の相に対しても、同等の補正量によってオンデューティを減少させる。
また、例えば図5に示すように、各相出力電圧*Vu,*Vv,*Vwのうちの最大値に対応する相である最大電圧相、つまりオンデューティが最大となるオンデューティ最大相に対して、変調前でのオンデューティ指令の発生タイミングおよび消滅タイミングが時刻t3および時刻t6であるのに対して、変調後でのオンデューティ指令の発生タイミングおよび消滅タイミングが、時刻t3よりも前の時刻tm2、および、時刻t6よりも後の時刻tm5となる。
つまり、直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつ、あるいは、各相電流Iu,Iv,Iwの何れかひとつの符号が反転したもの、あるいは、ゼロとなることから、例えば上記表1に基づき、PWMインバータ14Aの各スイッチング状態S2〜S7において直流側電流センサ14bにより検出されるDCリンク電流IDCを各相推定電流Ius,Ivs,Iwsとして設定する。
回転数演算部30は、角度推定部29により推定された回転角θに基づきモータ12の回転数ωを算出する。
次に、ステップS02においては、予め設定されている所定の生成可能最小オンデューティ(例えば、ゼロ等)を、オンデューティ最小相のハイ側のスイッチング素子がオン状態となる比率であるハイ側最小相オンデューティから減算して得た値を、オフセットデューティとして設定する。
次に、ステップS04においては、ハイ側V相トランジスタVHがオン状態となる比率であるハイ側V相オンデューティからオフセットデューティを減算して得た値を、新たにハイ側V相オンデューティとして設定することにより、ハイ側V相オンデューティを補正する。
次に、ステップS05においては、ハイ側W相トランジスタWHがオン状態となる比率であるハイ側W相オンデューティからオフセットデューティを減算して得た値を、新たにハイ側W相オンデューティとして設定することにより、ハイ側W相オンデューティを補正し、一連の処理を終了する。
次に、ステップS12においては、予め設定されている所定の生成可能最小電圧(例えば、ゼロ等)から、電源電圧VBの1/2と、最小電圧相の各相出力電圧とを減算して得た値を、オフセット電圧として設定する。
次に、ステップS14においては、V相出力電圧*Vvからオフセット電圧を減算して得た値を、新たにV相出力電圧*Vvとして設定することにより、V相出力電圧*Vvを補正する。
次に、ステップS15においては、W相出力電圧*Vwからオフセット電圧を減算して得た値を、新たにW相出力電圧*Vwとして設定することにより、W相出力電圧*Vwを補正し、一連の処理を終了する。
12 モータ(電動機)
14 PWMインバータ(インバータ)
15 制御部(制御手段)
25 オフセット変調部(変調手段)
26 相電流推定部(相電流推定手段)
29 角度推定部(位置推定手段)
31 出力電圧オフセット変調部(変調手段)
Claims (4)
- パルス幅変調信号により複数相の電動機への通電を順次転流させるインバータと、該インバータの直流側電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出された前記直流側電流に基づいて前記電動機の相電流を推定する相電流推定手段と、該相電流推定手段により推定された前記相電流の変化量に基づき前記電動機の回転子の位置を推定する位置推定手段と、該位置推定手段により推定された前記回転子の位置に基づき前記インバータのスイッチング素子のオン/オフ状態を制御するスイッチング制御を実行する制御手段とを備える電動機の制御装置であって、
前記スイッチング素子のオン/オフ状態の比率であるデューティ指令あるいは各相毎の出力電圧指令にオフセット補正を実行し、前記直流側電流に対する単一のキャリア周期の少なくとも開始タイミングおよび終了タイミングを含む所定タイミングで各相毎のオンデューティ指令を発生させる変調手段を備えることを特徴とする電動機の制御装置。 - パルス幅変調信号により複数相の電動機への通電を順次転流させるインバータと、該インバータの直流側電流を検出する電流検出手段と、該電流検出手段により検出された前記直流側電流に基づいて前記電動機の相電流を推定する相電流推定手段と、該相電流推定手段により推定された前記相電流の変化量に基づき前記電動機の回転子の位置を推定する位置推定手段と、該位置推定手段により推定された前記回転子の位置に基づき前記インバータのスイッチング素子のオン/オフ状態を制御するスイッチング制御を実行する制御手段とを備える電動機の制御装置であって、
前記スイッチング素子のオン/オフ状態の比率であるデューティ指令あるいは各相毎の出力電圧指令にオフセット補正を実行し、前記直流側電流に対する単一のキャリア周期の少なくとも開始タイミングおよび終了タイミングを含む所定タイミングで前記直流側電流をゼロよりも大きくさせる変調手段を備えることを特徴とする電動機の制御装置。 - 前記変調手段は、前記所定タイミングを、前記開始タイミングおよび前記終了タイミングから所定時間に亘る期間とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の制御装置。
- 前記変調手段は、複数相における最小電圧相のハイサイドアームのオンディーティ指令を所定値以下に減少または略零に変更し、複数相における線間電圧の電位差が所定値以上に保持されるように変調することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動機の制御装置。
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