JP2007166159A - 電圧出力回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】急峻な出力変化を抑制し、出力重畳ノイズを有効に除去する。
【解決手段】例えば2値の電圧出力回路を例にとると、中レベル電圧VMと出力端子Toとの間に接続され、制御ノードに印加される入力電圧INMに応じて動作するNチャネル型の第1出力トランジスタN1と、出力端子Toと低レベル電圧VLとの間に接続され、入力電圧INMと逆相の入力電圧INLに応じて動作するNチャネル型の第2出力トランジスタN2と、出力端子Toに電位変化が生じている間は当該電位変化の制動力を第1出力トランジスタN1の制御ノードに付与し、電位変化がなくなるにしたがって制御ノードを高レベル電圧VHに電気的に接続する駆動制御回路3とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、中レベル電圧と低レベル電圧の何れかを出力する2値の電圧出力回路、高レベル電圧、中レベル電圧または低レベル電圧を出力する3値の電圧出力回路、或いは、第1レベル電圧(例えば高レベル電圧)より低い第2レベル電圧(例えば中レベル電圧)を出力する1値の電圧出力回路に関する。
入力電圧に応じて所定レベルの電圧を出力する回路は様々な用途に用いられている。出力値の数は1、2、3、又はそれ以上と、その用途に応じて決められる。
例えば2値の電圧出力回路(以下、2値ドライバという)、3値の電圧出力回路(以下、3値ドライバという)の用途としては、CCD(Charge Coupled Device)の垂直(V)方向又は水平(H)方向の電荷転送がある。
例えばH方向電荷転送には中レベル電圧VMと低レベル電圧VL(VM>VL)を出力する2値ドライバが、V方向電荷転送には高レベル電圧VH、中レベル電圧VM、低レベル電圧VL(VH>VM>VL)を用いることが多い。
図10に、CCDを駆動する2値ドライバの回路例を示す。
図10に示す2値ドライバ10は、VM出力部11と、VL出力部12とからなる。
VM出力部11は、第1インバータINV11、第2インバータINV12、及び、NMOSからなる第1出力トランジスタN1を有する。
VL出力部12は、第1インバータINV21、第2インバータINV22、及び、NMOSからなる第2出力トランジスタN2を有する。
第1出力トランジスタN1と第2出力トランジスタN2は、中レベル電圧VMの供給線と低レベル電圧VLの供給線との間に縦続接続され、そのトランジスタ間のノードが出力端子Toに接続されている。出力端子Toに、転送電極の抵抗(負荷抵抗RL)と容量(負荷容量CL)が等価的に接続されている。
第1入力端子Ti1と第1出力トランジスタN1のゲートとの間に、第2インバータINV12と第1インバータINV11が縦続接続されている。同様に、第2入力端子Ti2と第2出力トランジスタN2のゲートとの間に、第2インバータINV22と第1インバータINV21が縦続接続されている。
第1インバータINV11とINV21は、高レベル電圧VHと低レベル電圧VLの供給線間に、それぞれ、PMOSトランジスタP11とNMOSトランジスタN11、PMOSトランジスタP21とNMOSトランジスタN21とを縦続接続し、両トランジスタのゲートを共通接続させた構成を有する。
図11に、CCDを駆動する3値ドライバの回路例を示す。
図11に示す3値ドライバ20は、図10の2値ドライバ10に、VH出力部13を追加している。
VH出力部13は、第1インバータINV31、第2インバータINV32、及び、PMOSからなる第3出力トランジスタP3を有する。第3出力トランジスタP3のソースが高レベル電圧VHの供給線に接続され、ドレインが出力端子Toに接続されている。
第3入力端子Ti3と第3出力トランジスタP3のゲートとの間に、第2インバータINV32と第1インバータINV31が縦続接続されている。
第1インバータINV31は、高レベル電圧VHと低レベル電圧VLの供給線間に、PMOSトランジスタP31とNMOSトランジスタN31を縦続接続し、両トランジスタのゲートを共通接続させた構成を有する。
特に3値ドライバ20の第3出力トランジスタP3のように、出力トランジスタにPMOSを用いる場合、いわゆる閾値電圧ドロップがない点で高レベル電圧VHの出力に望ましい。ただし、NMOSを用いる場合より駆動能力が低いため、トランジスタサイズを大きくする必要がある。
このため、2値ドライバ又は3値ドライバの全ての出力トランジスタをNMOSから構成させる場合もある。この場合、中レベル電圧VMと高レベル電圧VHの差がある程度大きくする必要がある。
次にドライバ動作を、2値ドライバ(図10)を例として説明する。
図12に、2値ドライバの入力電圧と出力電圧の波形を示す。ここで図12(A)に出力端子Toに出力され負荷に供給される出力電圧Voutの波形を示し、図12(B)に、図10の第1入力端子Ti1に入力される電圧(第1入力電圧)INMの波形を示し、図12(C)に、図10の第2入力端子Ti2に入力される電圧(第2入力電圧)INLの波形を示す。第1入力電圧INMと第2入力電圧INLは、互いに逆位相のパルス波形を有する。
まず、負荷を中レベル電圧VMに駆動する動作について説明する。
初期状態において第2入力電圧INLがVHレベルであることから、それを2度反転した第2出力トランジスタN2のゲート電圧GL(図10)もVHレベルとなっている。また、第1入力電圧INMがVLレベルであることから、それを2度反転した第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMもVLレベルとなっている。
このとき第1出力トランジスタN1がオン、第2出力トランジスタN2がオフしていることから、図12(A)のようにVLレベルが出力されている。
時間T1にて、第2入力電圧INLをVLレベル、第1入力電圧INMをVHレベルに変化させる。すると、ゲート電圧GLがVLレベルとなって第2出力トランジスタN2がオフし、ゲート電圧GMがVHレベルとなって第1出力トランジスタN1がオンし、低レベル電圧VLから中レベル電圧VMへの駆動が開始される。このとき第1出力トランジスタN1は出力がソースとなり、ソースフォロワのように動作する。駆動開始直後の第1出力トランジスタN1は、ゲートとソース間、ドレインとソース間の電圧が共に大きいため飽和領域で動作し電流が多く流れ、そのため波形の傾きが大きい。その後駆動が進み、出力電圧Voutすなわちソース電圧が上昇するに従って電流が減少し、次第に傾きが緩やかになっていく。また、この傾きは、駆動対象の負荷容量CLの大きさにより異なる。十分に時間が経ったところで、出力電圧Voutは中レベル電圧VMの電圧とほぼ等しくなる。
次に時間T2にて、第2入力電圧INLをVHレベル、第1入力電圧INMをVLレベルに変化させる。すると、ゲート電圧GLがVHレベルとなって第2出力トランジスタN2がオンし、ゲート電圧GMがVLレベルとなって第1出力トランジスタN1がオフし、中レベル電圧VMから低レベル電圧VLへの駆動が開始される。駆動開始直後の第1出力トランジスタN1は、ドレインとソース間の電圧が大きいため飽和領域で動作し、電流が多く流れる。そのため波形の傾きが大きい。その後駆動が進み、出力電圧Voutすなわちドレインの電圧が下がるに従い、第1出力トランジスタN1が線形領域に入ると電流が減ることから、出力電圧波形の傾きは緩やかになっていく。十分に時間が経ったところで、出力電圧Voutは低レベル電圧VLとほぼ等しくなる。
図11に示す3値ドライバなどで高レベル電圧VHを出力するのに第3出力トランジスタP3を用いる場合、第1入力電圧INMの入力に代えて、VH出力部13の第3入力端子Ti3に、図12(C)の第2入力電圧INLと同相の入力電圧(第3入力電圧)INHを与える。
図12の時間T1で入力電圧レベルを反転すると、上述の場合と同様に、最初は傾きが大きく次第に傾きが小さくなるように出力電圧Voutが低レベル電圧VLから変化し、この場合は高レベル電圧VH付近にまで達する。また、時間T2でさらに入力電圧レベルを反転すると、同様にして出力電圧Voutが高レベル電圧VHから低レベル電圧VLにまで変化する。
CCDの内部では、転送時の電荷残りを防止する意味で転送電極同士が平面パターン上で重ねられており、そのため転送電極同士の間にカップリング容量を持つ。したがって、転送電極の急激な電圧変動は他の隣接する転送電極にノイズとして伝わってしまう。このノイズは、有効ダイナミックレンジを低下させたり、撮像データにノイズを混入させたりすることから、画質を劣化させてしまう。そのため、特に駆動開始直後の出力電圧波形の急峻な傾きを緩和し、かつ駆動完了までの時間が長くなりすぎないような駆動回路が必要となる。
そのためには、駆動開始から完了まで、出力電圧波形が一定の傾きとなるよう駆動すること、すなわち一定電流で駆動することが最も望ましい。また、作り分けコスト削減のため、どのような負荷容量値であっても同じ傾きで同じレベル遷移時間(駆動時間)で出力変化できる回路が望まれている。
ところで、出力電圧波形の急激な変化を抑える駆動回路としては、従来から、ミラー容量で負帰還制御をかける技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
図13に、図10の2値ドライバの第2出力トランジスタN2に対し、ミラー容量を付加する技術を適用した回路を示す。
図13に示す2値ドライバ10Aでは、出力電圧Voutと第2出力トランジスタN2のゲート電圧GLとを、キャパシタC1を介して接続している。このようにすると、第2出力トランジスタN2のゲート電圧GLの上昇により出力電圧Voutの低下速度が抑えられ、また出力電圧Voutの低下により第2出力トランジスタN2のゲート電圧GLの上昇速度が抑えられる。つまり、キャパシタC1は出力電圧の変化に応じて、当該変化を小さくする制動力を第2出力トランジスタN2のゲートに付与するもので、以下、制動キャパシタと称する。
上記動作から明らかなように、制動キャパシタC1を第2出力トランジスタN2に設けることによって、出力電圧Voutのハイレベル(中レベル電圧VM)からローレベル(低レベル電圧VL)への遷移時に急峻な電圧変化を抑制することが可能となる。
一方、出力電圧Voutのローレベルからハイレベルへの遷移に関し、その急峻な電圧変化を抑制する目的で、図10の第1出力トランジスタN1のソースとゲート間にキャパシタを接続させることはできない。なぜなら、第1出力トランジスタN1がオフからオンに遷移する際にソース電圧が上昇する場合、キャパシタを介してゲート電圧も上昇するため第1出力トランジスタN1のゲートが更に開いて電流を増大し、さらにソース電圧が高くなるからである。つまり、単純なキャパシタの追加では正帰還となり、急峻な電圧変化の抑制ができない。
キャパシタの追加が有効となる(負帰還となる)ためには、ハイレベル(ここでは中レベル電圧VM)を出力するトランジスタをPチャネル型としなければならない。
ハイレベルを出力するトランジスタをPMOSから構成し、そのドレインとゲート間にキャパシタを接続させたドライブ回路は既に知られている(例えば特許文献2参照)。
この特許文献2に記載の回路はIGBTを駆動する回路であり、急峻な出力変化が後段のIGBTのノイズ源となることから、急峻な出力変化を抑えることを目的として考案されたものである。
特開昭61−237513号公報 特開2001−94406号公報
特許文献2に示すように、ハイレベル(中レベル電圧VMや高レベル電圧VHに対応)を出力する出力トランジスタにPMOSを用いた場合、前述したように、NMOSに比べ駆動力が弱く、駆動力を向上させるにはトランジスタサイズを大きくすることが必須となる。
一方、前述したように、出力トランジスタにNMOSを用いると正帰還となるため、急峻な電圧抑制はできない。
ところで、CCDなどのように、同じ回路構成のドライバにより駆動される対象(転送電極等)が互いに容量結合してダイナミックに駆動される場合、カップルリング容量を介して負荷電圧(出力電圧)が変動しやすい。
この容量結合に起因して出力電圧に生じる電圧変動(ノイズ)をドライバ回路自身で除去または低減できれば望ましいが、特許文献2に記載のドライバ回路では、そのようなノイズを除去または低減することが考慮されていない。
本発明が解決しようとする課題は、急峻な出力変化の抑制機能と、出力に重畳されるノイズの高い除去機能とを併せ持つ電圧出力回路を新たに提供することである。
本発明に係る電圧出力回路は、高レベル電圧と低レベル電圧との間の電圧値を有する中レベル電圧と、前記低レベル電圧との何れかを、入力電圧のレベルに応じて出力する電圧出力回路であって、前記中レベル電圧の供給線と出力端子との間に接続され、制御ノードに印加される入力電圧に応じて動作するNチャネル型の第1出力トランジスタと、前記出力端子と前記低レベル電圧の供給線との間に接続され、前記第1出力トランジスタに印加される前記入力電圧と逆相の電圧に応じて動作するNチャネル型の第2出力トランジスタと、前記出力端子に電位変化が生じている間は当該電位変化の制動力を前記第1出力トランジスタの前記制御ノードに付与し、前記電位変化がなくなるにしたがって前記制御ノードを前記高レベル電圧に電気的に接続する駆動制御回路とを有する。
本発明では好適に、前記駆動制御回路は、前記制御ノードを前記低レベル電圧に電気的に接続するためのNチャネル型の制動トランジスタと、前記制御ノードを前記高レベル電圧に電気的に接続するためのPチャネル型のプルアップトランジスタと、前記出力端子と、前記制動トランジスタおよび前記プルアップトランジスタの各制御ノードとの間に接続されている微分回路とを備えている。
本発明に係る他の電圧出力回路は、高レベル電圧の出力部と、低レベル電圧の出力部と、前記高レベル電圧と前記低レベル電圧との間の電圧値を有する中レベル電圧の出力部とを備え、前記高レベル電圧、前記低レベル電圧、前記中レベル電圧の何れかを、入力電圧に応じて出力する電圧出力回路であって、前記中レベル電圧の出力部は、前記中レベル電圧の供給線と出力端子との間に接続され、制御ノードに印加される入力電圧に応じて動作するNチャネル型の出力トランジスタと、前記出力端子に電位変化が生じている間は当該電位変化の制動力を前記第1出力トランジスタの前記制御ノードに付与し、前記電位変化がなくなるにしたがって前記制御ノードを前記高レベル電圧に電気的に接続する駆動制御回路とを有する。
本発明に係る他の電圧出力回路は、第1レベル電圧より低い第2レベル電圧を、入力電圧に応じて出力する電圧出力回路であって、前記第2レベル電圧の供給線と出力端子との間に接続され、制御ノードに印加される入力電圧に応じて動作するNチャネル型の出力トランジスタと、前記出力端子に電位変化が生じている間は当該電位変化の制動力を前記第1出力トランジスタの前記制御ノードに付与し、前記電位変化がなくなるにしたがって前記制御ノードを前記第1レベル電圧に電気的に接続する駆動制御回路とを有する。
本発明によれば、以下の作用を奏する。
(第1)出力トランジスタがNチャネル型を有し、その制御ノード(MOSトランジスタの場合はゲート)に入力電圧が印加される。また、Nチャネル型の第2出力トランジスタがある場合、その制御ノードに、上記入力電圧と逆位相の電圧が印加される。
入力電圧がローレベルからハイレベルに推移すると、(第1)出力トランジスタがオフからオンに遷移する。このため出力端子が接続されているノード(MOSトランジスタの場合はソース)の電位が上昇する。この電位上昇に基づいて、駆動制御回路によって(第1)出力トランジスタの制御ノードに制動力が付与される。より詳細には、例えば微分回路を駆動制御回路に内蔵する場合、微分回路は出力電圧の電位上昇時に制御ノードの電位を下げるように働く。このため(第1)出力トランジスタに、これがオフする向きの制動力が付与され、その出力電流の増大を抑制する。出力電圧の上昇が速い(電位上昇の傾きが大きい)ほど、この抑制力(制動力)も大きく、出力電位が飽和レベルである中レベル電圧に近づくと出電位上昇の傾きが小さくなるが、それに伴って制動力も小さくなる。このため、微分回路の定数等を最適化すると、出力電圧がほぼ線形に変化する。
そして、駆動制御回路は、出力の電位変化がなくなるにしたがって制御ノードを、出力電圧の飽和レベルである中レベル電圧より高い高レベル電圧に電気的に接続する。このため、(第1)出力トランジスタの出力インピーダンスが低くなる。この状態で出力電圧を急激に低下させるようなノイズが(第1)出力トランジスタの出力端子側に重畳されると、このノイズによる電圧降下を相殺するように中レベル電圧から電荷供給が行われ、速やかにノイズが除去される。
一方、入力電圧がハイレベルからローレベルに推移する場合、(第1)出力トランジスタがオンからオフに遷移する。
本発明によれば、急峻な出力変化の抑制機能と、出力に重畳されるノイズ除去機能とを併せ持つ電圧出力回路を新たに提供することができる。
本実施形態の電圧出力回路は、1値〜3値の電圧を出力する回路であり、その出力電圧の遷移に際し、急峻でない一定の傾きをもってほぼ線形に出力変化させることが可能である。出力に接続される駆動対象に限定はないが、例えばCCDの水平または垂直転送部の転送電極を駆動する場合のように、比較的大きい負荷容量をもち、近隣の他電極の駆動にともなって容量カップリングで、自身の電位が変動しやすい場合に好適である。本実施形態の電圧出力回路は、そのような容量カップリングによる電位変動を速やかに抑圧(除去または低減)する能力が高いためである。
以下、急峻でない一定の傾きをもって電圧を出力する能力、および、電位変動抑圧能力という2つの能力を十分に発揮することが可能な回路構成例と、その動作について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用されている電圧出力回路を概略的に3例示す図である。図1(A)は1値出力、図1(B)は2値出力、図1(C)は3値出力の場合である。
図1(A)に示す1値の電圧出力回路(1値ドライバ)1Aは、電圧出力部(以下、VM出力部)21および負荷4を有する。VM出力部21と負荷4との接続点に出力端子Toが接続され、出力端子Toに、負荷抵抗RLおよび負荷容量CLで等価的に表す駆動対象が接続されている。
VM出力部21はNチャネル型のトランジスタ、例えばNMOSからなる(第1)出力トランジスタN1と駆動制御回路3とを有する。駆動制御回路3に、第1入力端子Ti1および(第1)出力トランジスタN1のゲート(制御ノード)が接続されている。(第1)出力トランジスタN1のドレインが、第2レベル電圧としての中レベル電圧VMの供給線に接続され、ソースが出力端子Toに接続されている。
駆動制御回路3は、第1入力電圧INMのレベルに応じて(第1)出力トランジスタN1を駆動する。この駆動時に駆動制御回路3は、出力端子Toの出力電圧Voutの電位変動を検出しており、出力電圧Voutに電位変化が生じている間は当該電位変化を小さくする向きの制動力を(第1)出力トランジスタN1の制御ノード、すなわちゲートに付与し、電位変化がなくなるにしたがって制御ノードを、中レベル電圧VMより高い、第1レベル電圧としての高レベル電圧VHの供給線に電気的に接続する。
図1(B)に示す2値の電圧出力回路(2値ドライバ)1Bは、図1(A)の負荷4をVL出力部22で置き換えたものである。
VL出力部22の詳細は後述するが、Nチャネル型のトランジスタ、例えばNMOSからなる第2出力トランジスタを有し、第2入力端子Ti2から入力した第2入力電圧INLのレベルに応じて当該第2出力トランジスタを制御し、これにより出力端子Toを低レベル電圧VLに接続する回路である。
なお、第2入力電圧INLは第1入力電圧INMと逆位相のパルス信号として与えられ、そのため出力端子Toには中レベル電圧VMと低レベル電圧VLの一方が出力される。入力パルスが反転すると、中レベル電圧VMと低レベル電圧VLとが所定の傾きで切り換えられる。
図1(C)に示す3値の電圧出力回路(3値ドライバ)1Cは、図1(B)の回路に、更にVH出力部23を付加した回路である。
VH出力部23は、後述するVL出力部22の各要素を、出力端子Toに高レベル電圧VHを供給可能に変更した構成を有する。つまり、VH出力部23は、そのソースが高レベル電圧VHの供給線に接続されているPチャネル型のトランジスタ、例えばPMOSからなる第3出力トランジスタを有し、そのゲートを、入力される第3入力電圧INHにより駆動する回路である(図11参照)。
つぎに、更に詳細な構成例と動作を、図1(B)の2値ドライバ1Bを例として説明する。
図2は、2値ドライバ1Bの具体的例を示す回路図である。
図2に示す2値ドライバ1Bは、VM出力部21と、VL出力部22とからなる。
VM出力部21は、第1インバータINV11、第2インバータINV12、及び、例えばNMOSからなる第1出力トランジスタN1を有する。
VL出力部22は、第1インバータINV21、第2インバータINV22、及び、例えばNMOSからなる第2出力トランジスタN2を有する。
第1出力トランジスタN1と第2出力トランジスタN2は、中レベル電圧VMの供給線と低レベル電圧VLの供給線との間に縦続接続され、そのトランジスタ間のノードが出力端子Toに接続されている。出力端子Toに、駆動対象である転送電極の抵抗(負荷抵抗RL)と容量(負荷容量CL)が等価的に接続されている。
第1入力端子Ti1と第1出力トランジスタN1のゲートとの間に、第2インバータINV12と第1インバータINV11が縦続接続されている。
第1インバータINV11は、高レベル電圧VHおよび低レベル電圧VLの2つの供給線間に、PMOSトランジスタP11とNMOSトランジスタN11とを、Pチャネル型トランジスタ、例えばPMOSからなるプルアップトランジスタP32を介して縦続接続させている。PMOSトランジスタP11とNMOSトランジスタN11の両ゲートが共通接続され、インバータ入力ノードを構成する。また、プルアップトランジスタP32とNMOSトランジスタN11との接続点がインバータ出力ノードであり、これが第1出力トランジスタN1のゲート(制御ノード)に接続されている。図2では制御ノードの電圧(ゲート電圧)を符号“GM”により示す。
制御ノードと低レベル電圧VLの供給線との間に、制御ノードに制動力を付与する制動トランジスタN32として、Nチャネル型トランジスタ、たとえばNMOSが接続されている。
制動トランジスタN32およびプルアップトランジスタP32のゲートと、第1出力トランジスタN1のソース(出力端子To)との間に微分回路31が設けられている。
微分回路31は、出力端子Toの電圧を入力とし、その入力に電位変動が生じている場合は、電位変動に応じた値のハイレベルの出力を制動トランジスタN32およびプルアップトランジスタP32のゲートに供給する。そのため、微分回路31の出力電圧(以下、フィードバック制御電圧という)FMの値に応じて、制動トランジスタN32がオフからオンに遷移し、プルアップトランジスタP32がオンからオフに遷移する。
一方、出力端子Toの電位変動がない場合には、フィードバック制御電圧FMがローレベルに固定され、そのため制動トランジスタN32がオフし、プルアップトランジスタP32がオンする。
微分回路31、制動トランジスタN32およびプルアップトランジスタP32によって駆動制御回路3(図1参照)が構成されている。
VL出力部22においては、第2入力端子Ti2と第2出力トランジスタN2のゲートとの間に、第2インバータINV22と第1インバータINV21が縦続接続されている。
第1インバータINV21は、高レベル電圧VHと低レベル電圧VLの供給線間に、PMOSトランジスタP21とNMOSトランジスタN21とを、抵抗R1を介して縦続接続させている。両トランジスタのゲートは共通接続され、インバータ入力ノードを構成する。
抵抗R1とNMOSトランジスタN21との接続点がインバータ出力ノードであり、これが第2出力トランジスタN2のゲート(制御ノード)に接続されている。図2では制御ノードの電圧(ゲート電圧)を符号“GL”により示す。
次に、2値ドライバの動作を、更に詳細に説明する。
図3に、2値ドライバ1Bの入力電圧と出力電圧の波形を示す。ここで図3(A)に出力端子Toに出力され負荷に供給される出力電圧Voutの波形を示し、図3(B)に、第1入力端子Ti1に入力される電圧(第1入力電圧)INMの波形を示し、図3(C)に、第2入力端子Ti2に入力される電圧(第2入力電圧)INLの波形を示す。第1入力電圧INMと第2入力電圧INLは、互いに逆位相のパルス波形を有する。
まず、負荷を中レベル電圧VMに駆動する動作について説明する。
初期状態において、図3(C)に示すように第2入力電圧INLがVHレベルであることから、それを2度反転した第2出力トランジスタN2のゲート電圧GLもVHレベルとなっている(図2参照)。また、図3(B)に示すように第1入力電圧INMがVLレベルであることから、それを2度反転した第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMもVLレベルとなっている。
このとき第1出力トランジスタN1がオン、第2出力トランジスタN2がオフしていることから、図3(A)に示すように、出力端子Toに、一定のVLレベルをとる出力電圧Voutが現出している。したがって、このとき図2の微分回路31からのフィードバック制御電圧FMは低レベル電圧(VL)レベルをとる。このため、制動トランジスタN32がオフ、プルアップトランジスタP32がオンしている。
この状態から中レベル電圧VMを出力するには、図3(B)および図3(C)に示すように、第1入力電圧INMをVHレベルにし、第2入力電圧INLを低レベル電圧(VL)レベルにする(時間T1)。
すると、ゲート電圧GLがVHレベルから低下し、第2出力トランジスタN2がオフし始め、ゲート電圧GMがVLレベルから上昇し、第1出力トランジスタN1がオンし始め、低レベル電圧VLから中レベル電圧VMへの駆動が開始される。
第1出力トランジスタN1がオンし始めると負荷容量CLに充電が開始されるので、出力電圧VoutはVLレベルから上昇する。
このとき微分回路31の入力電圧が変化(上昇)し、その変化の傾きに比例した電圧が微分回路31の出力電圧、すなわちフィードバック制御電圧FMとして現れる。つまり、フィードバック制御電圧FMがある傾きで上昇する。この上昇によって、プルアップトランジスタP32に流れる電流が減少し始め、また、制動トランジスタN32がオンし始めて電流を流すため、第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMの電圧上昇は抑制される。すなわち負帰還制御が行われる。
この負帰還制御では、微分回路31の入出力特性、すなわち出力電圧Voutの変化の傾きとフィードバック制御電圧FMとの比例係数により、出力電圧Voutの変化を所望のほぼ一定の傾きに制御することができる。
駆動が進んで出力電圧VoutがVMレベルになると、出力電圧Voutがそれ以上は上昇しない。この飽和点に達するまでの間、出力電圧Voutの電圧変動の傾きが徐々に小さくなり最終的には0となる。その間、微分回路31の出力、すなわちフィードバック制御電圧FMは低下し、最終的には再びVLレベルとなる。
このフィードバック制御電圧FMの低下によって、制動トランジスタN32がオンからオフに動作する一方、プルアップトランジスタP32がオフからオンに動作する。したがって、第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMに付与されていた制動力が徐々に解除され、それと並行してゲート電圧GMが高レベル電圧VHに徐々に接続される。その結果、ゲート電圧GMが高レベル電圧VHに向かって上昇し始め、このため第1出力トランジスタN1のゲートが開いて、その出力インピーダンスが自動的に低くなる。
以上より、出力端子Toに接続されている駆動対象(CCD転送電極)が、近隣の電極の電圧変動によりカップリング容量を介して電位変動する場合に、特に急峻な電位低下が第1出力トランジスタN1を介した電荷供給によって直ぐに回復される。
この状態から再び低レベル電圧VLを出力するには、図3(B)および図3(C)に示すように、第1入力電圧INMをVLレベルにし、第2入力電圧INLをVHレベルにする(時間T2)。
すると、ゲート電圧GLがVLレベルから上昇し、第2出力トランジスタN2がオンし始め、ゲート電圧GMがVHレベルから低下し、暫くしてから第1出力トランジスタN1がオフし始め、中レベル電圧VMから低レベル電圧VLへの駆動が開始される。
第1出力トランジスタN1がオフし始め、第2出力トランジスタN2がオンし始めると、負荷容量CLの放電が開始されるので、出力電圧VoutはVMレベルから低下する。
このとき微分回路31の出力電圧が低下するため、その出力電圧、すなわちフィードバック制御電圧FMが低レベル電圧VLより更に下がろうとする。ただし、このフィードバック制御電圧FMの電圧変化は、制動トランジスタN32やプルアップトランジスタP32の状態を変化させない向きなので、当該駆動制御回路3は機能しない。
一方、VL出力部22においては、キャパシタC1が第2出力トランジスタN2のゲートとドレイン間に接続され、抵抗R1がPMOSトランジスタP21と第2出力トランジスタN2のゲートとの間に接続されていることから、これにより図3(C)の時間T2を起点とする第2出力トランジスタN2のゲート電圧GLの上昇速度を抑制することができる。
この場合、出力電圧Voutが低下している間のゲート電圧GLは、出力電圧Voutが低下する傾きと、キャパシタC1と抵抗R1の各素子値によって決まる時定数によって決定される。したがって、第1出力トランジスタN1の特性(ノード間容量等)に応じて適切な時定数が与えられるように、キャパシタC1と抵抗R1の各素子値を最適化すると、図3(A)に示すように、出力電圧Voutの低下の傾きを一定にすることが可能となる。
駆動が進んで出力電圧VoutがVLレベルに達すると、以後、出力電圧VoutがVLレベルで一定となる。
以上のように、本実施形態では中レベル電圧VMに駆動制御回路3を設けることによって、出力電圧VoutをVLレベルからVMレベルに変化させるときの傾きを、入力信号のレベル変化の傾きに比べ大幅に小さく、かつ、ほぼ一定値の値に制御する能力と、駆動対象に重畳されるノイズの急速な除去能力とを兼ね備えた電圧出力回路1Bを実現することができる。
つぎに、微分回路31の具体的な回路例を示す。
図4に、2値ドライバの回路図を示す。本例では微分回路31が、キャパシタCと抵抗Rとからなる。キャパシタCが第1出力トランジスタN1のソースと、制動トランジスタN32およびプルアップトランジスタP32のゲートとの間に接続され、その制動トランジスタ側のキャパシタ電極が抵抗Rを介して低レベル電圧VLに接続されている。
この回路動作の基本は上述したことから、以下に、微分回路31のキャパシタCと抵抗Rの各素子値とフィードバック制御電圧FMとの関係を説明する。
出力電圧Voutが上昇すると、キャパシタCを介するカップリングによりフィードバック制御電圧FMも上昇する。このときフィードバック制御電圧FMは抵抗Rを介して低レベル電圧VLに接続しているため、フィードバック制御電圧FMの値V(FM)は、次式(1)による決まる値に落ち着く。
[数1]
i=C(dVout/dt)
V(FM)=R×i …(1)
ここで第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMの電位上昇の傾きが、所望の出力電圧Voutの傾きに等しくなるように、キャパシタC、抵抗R、制動トランジスタN32、PMOSトランジスタP11、プルアップトランジスタP32および第1出力トランジスタN1の値やパラメータを決める。すると、出力電圧Voutが、VMレベルに達するまでは第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMに追随して変化するため、所望の出力電圧Voutの傾きを得ることができる。
[第2実施形態]
本実施形態は、第1実施形態の改良に関する。
図4の回路では、第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMを充電する電流経路に接続されているPMOSトランジスタP11とプルアップトランジスタP32の駆動力を比較的小さくする必要がある。なぜなら、これらのPMOSトランジスタの駆動力が高すぎると、制動トランジスタN32や抵抗Rによりゲート電圧GMの上昇の抑制がきかなくなるからである。
このような理由から、PMOSトランジスタP11とプルアップトランジスタP32の駆動力を比較的小さくすると、出力電圧VoutがVMレベルに達した後、第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMがVHレベルに達するまでの時間が長くかかり、第1出力トランジスタN1の出力インピーダンスが高い期間が長くなってしまう。
一方で、この期間を短くしようとすると、駆動開始直後のまだ負帰還が効いてくる前、すなわちフィードバック制御電圧FMの電位が上昇する前に、波形の傾きが急になってしまうことがある。
図5に、駆動開始直後の出力波形部分を示す。この図5は、図3(A)の破線部Aを拡大したものである。
図5から、駆動開始直後の期間T0で波形の傾きが比較的大きくなっていることが分かる。
本第2実施形態は、この図5に示す期間T0の傾きを小さくして傾きを駆動開始直後も含めて一定にすることができる回路に関する。
図6は、本実施形態の2値ドライバ1Bbの回路図である。
図6に示す電圧出力回路1Bbが図4に示す電圧出力回路1Baと異なる点は、微分回路31C内の抵抗Rと低レベル電圧VLの供給線との間にトランジスタ、例えばNMOSトランジスタN33が接続され、フィードバック制御電圧FMをとる帰還ノードと中レベル電圧VMの供給線との間にプルアップ用のトランジスタ、例えばNMOSトランジスタN34が接続されていることである。
NMOSトランジスタN33のゲートは第1入力端子Ti1に接続され、NMOSトランジスタN34のゲートは第1インバータINV11と第2インバータINV12の間のノードに接続されている。
この構成では、出力電圧VoutをVLレベルからVMレベルに駆動する際に、その駆動開始前の第1入力電圧INMがVLレベルのときに、NMOSトランジスタN34をオンして帰還ノードの電圧(フィードバック制御電圧FM)をVMレベルにプルアップしておき、かつ、NMOSトランジスタN33をオフする。そのことによって駆動開始時にフィードバック制御電圧FMをある程度高いレベルにしておくことができ、結果として、第1出力トランジスタN1のゲート電圧GMの上昇を抑え、出力電圧Voutの傾きが急になることを回避する。
NMOSトランジスタN33は、フィードバック制御電圧FMを中レベル電圧VMにプルアップしている期間に、抵抗RとNMOSトランジスタN33を通して中レベル電圧VMから低レベル電圧VLに電流が流れるのを止めるためのスイッチであり、消費電力の増加を回避するためのものである。
図7は第2実施形態の駆動開始後の出力波形部分を示すものである。図7(D)に、図7(A)の破線部Bを拡大した図を示す。
駆動が開始される時間T1からの最初の期間T0において、図5と比較すると出力電圧Voutの上昇傾きが小さくなっており、VLレベルからVMレベルに遷移させる期間全体で一定の傾きを達成できる。
[第3実施形態]
本実施形態は、第1実施形態の他の改良に関する。
図4の回路では、VL出力部22の第1インバータINV21において、抵抗R1を通して第2出力トランジスタN2のゲートを充電する。このとき抵抗R1を通して充電するべき主な容量は、キャパシタC1と第2出力トランジスタN2のゲート容量とである。一般に第2出力トランジスタN2のゲート容量は大きいことから、そのゲート電圧GLを第2出力トランジスタN2の閾値電圧Vthまで充電するのに長い時間がかかってしまう。このため、図3(A)、図7(A)に示すように、時間T2で入力信号が反転して第1出力トランジスタN1のソース電圧が下がりだすまでの時間が長くかかり、実際に駆動を開始するのが遅くなりやすい。
本実施形態は、この時間T2から出力電圧Voutが下がり始めるまでの時間を短くできる回路に関する。
図8は、本実施形態の2値ドライバ1Bcの回路図である。
図8に示す電圧出力回路1Bcが図6に示す電圧出力回路1Bbと異なる点は、キャパシタC1による負帰還ノードと第2出力トランジスタN2のゲートとの間にアンプA1を挿入していることである。本実施形態で符号“GL”で示す電圧は、この負帰還ノードの電圧を表す。
これにより、抵抗R1を通して充電するべき容量はキャパシタC1とアンプA1の入力容量となる。アンプA1の入力容量は第2出力トランジスタN2のゲート容量よりも小さくできることから、負帰還ノードの電圧GLの充電を速くすることができる。また第2出力トランジスタN2のゲートはアンプA1により負帰還ノードの電圧GLと同じ電位にまで充電されるため、出力電圧Voutの立ち下がり開始を早くし、かつ傾きを一定にすることができる。
図9(A)に、図8の回路の出力電圧波形を示す。
この波形を図3(A)や図7(A)と比較すると明らかなように、時間T2から出力電圧Voutが下がり始める時間遅れが殆どなく、その分、応答性が高い電圧出力を実現できていることが分かる。
なお、以上の第1〜第3実施形態において用いられる抵抗とキャパシタ、すなわちキャパシタC、C1並びに抵抗R、R1は、MOSトランジスタを用いて形成することもできる。その場合、抵抗やキャパシタの占有面積が小さくなるので、高集積化の面では利点が大きい。
以上の実施形態によれば、電圧出力回路の出力波形において、駆動開始直後の出力電圧がレベル変化する際の傾きを緩やかにし、かつ駆動にかかる時間が長くなりすぎないよう、波形の傾きを一定にすることができる。それによって、急峻な出力レベル変化によるノイズの発生を防止できる。また、レベル変化の終了にともなって自動的に第1出力トランジスタN1の出力インピーダンスが下がり、そのため負荷(駆動対象)に重畳されるノイズを速やかに低減または抑圧する性能が高い。
第2実施形態では、駆動開始直後に出力電圧の波形の傾きが短期間大きくなる現象を防止でき、出力電圧のレベル変化期間全体で一定の傾きとすることができる。
また、第3実施形態では、入力電圧の反転から出力電圧にレベル変化が現れるまでの遅延を防止できる。
本発明が適用された電圧出力回路をCCDの駆動に用いた場合の利点は以下のとおりである。
第1に、撮像データに混入するノイズを抑制できるため、高品位な画像取り込みが可能となる。
第2に、転送電極間にとびこむノイズを抑制できるため、転送電極電圧のダイナミックレンジを広く確保することができる。このことにより、さらに高品位な画像取り込みを可能とする。
第3に、傾きの調整が容易である。
電圧出力回路が駆動する対象であるCCDには、その画素数や画素サイズなど、多くの製品バリエーションが存在する。そのため、電圧出力回路に対し、軽いものから重いものまで、非常に広い範囲の負荷容量を駆動することが求められる。ミラー容量を追加しただけの電圧出力回路では出力電圧の傾きを一定にしようとすると、調整パラメータがミラー容量値のみであることから、負荷の大きさによって別々の駆動力の制御が必要になる場合があり、その場合、IC内部での制御信号増加やICの作り分けなどが避けられない。これらはチップ面積の増大や製造コストに直結する。
本発明を適用すると、抵抗、キャパシタおよびトランジスタサイズなど、調整パラメータが多く、1つの電圧出力回路で広い範囲の負荷容量を一定の出力波形の傾きで駆動できることから、コスト削減への寄与は大きい。
(A)〜(C)は、実施形態の電圧出力回路の概略図である。 第1実施形態の2値ドライバの回路図である。 (A)は図2の2値ドライバの出力電圧、(B)および(C)は入力電圧の各波形図である。 2値ドライバの、より具体的な回路図である。 出力電圧の立ち上がり部分の波形図である。 第2実施形態の2値ドライバの回路図である。 (A)は図6の2値ドライバの出力電圧、(B)および(C)は入力電圧、(D)は出力電圧の立ち上がり部分の各波形図である。 第3実施形態の2値ドライバの回路図である。 (A)は図8の2値ドライバの出力電圧、(B)および(C)は入力電圧の各波形図である。 背景技術の2値ドライバの回路図である。 背景技術の3値ドライバの回路図である。 (A)は図10の2値ドライバの出力電圧、(B)および(C)は入力電圧の各波形図である。 背景技術においてミラー容量を付加した2値ドライバの回路図である。
符号の説明
1A…1値ドライバ、1B,1Ba,1Bb,1Bc…2値ドライバ、1C…3値ドライバ、3…駆動制御回路、4…負荷、21…VM出力部、22…VL出力部、31…微分回路、A1…アンプ、N1…第1出力トランジスタ、N2…第2出力トランジスタ、N32…制動トランジスタ、N33,N34…NMOSトランジスタ、P32…プルアップトランジスタ、INV11,INV21…第1インバータ、INV12,INV22…第2インバータ、Ti1…第1入力端子、Ti2…第2入力端子、To…出力端子、INM…第1入力電圧、INL…第2入力電圧、Vout…出力電圧、VH…高レベル電圧、VM…中レベル電圧、VL…低レベル電圧、FM…フィードバック制御電圧

Claims (8)

  1. 高レベル電圧と低レベル電圧との間の電圧値を有する中レベル電圧と、前記低レベル電圧との何れかを、入力電圧のレベルに応じて出力する電圧出力回路であって、
    前記中レベル電圧の供給線と出力端子との間に接続され、制御ノードに印加される入力電圧に応じて動作するNチャネル型の第1出力トランジスタと、
    前記出力端子と前記低レベル電圧の供給線との間に接続され、前記第1出力トランジスタに印加される前記入力電圧と逆相の電圧に応じて動作するNチャネル型の第2出力トランジスタと、
    前記出力端子に電位変化が生じている間は当該電位変化の制動力を前記第1出力トランジスタの前記制御ノードに付与し、前記電位変化がなくなるにしたがって前記制御ノードを前記高レベル電圧に電気的に接続する駆動制御回路と、
    を有する電圧出力回路。
  2. 前記駆動制御回路は、
    前記制御ノードを前記低レベル電圧に電気的に接続するためのNチャネル型の制動トランジスタと、
    前記制御ノードを前記高レベル電圧に電気的に接続するためのPチャネル型のプルアップトランジスタと、
    前記出力端子と、前記制動トランジスタおよび前記プルアップトランジスタの各制御ノードとの間に接続されている微分回路と、
    を備えている請求項1に記載の電圧出力回路。
  3. 前記入力電圧が入力される入力端子と、前記第1出力トランジスタの前記制御ノードとの間に第1インバータが接続され、
    前記プルアップトランジスタは、前記第1インバータ内のPチャネル型トランジスタを介して、前記高レベル電圧の供給線に接続されている
    請求項2に記載の電圧出力回路。
  4. 前記微分回路は、
    一方電極が前記出力端子に接続されているキャパシタと、
    前記キャパシタの他方電極と前記低レベル電圧の供給線との間に接続されている抵抗と、
    を含む請求項2に記載の電圧出力回路。
  5. 前記微分回路は、
    一方電極が前記出力端子に接続されているキャパシタと、
    前記キャパシタの他方電極と前記低レベル電圧の供給線との間に接続されている抵抗と、
    を含み、
    前記入力端子と前記第1インバータとの間に第2インバータが接続され、
    前記第1および第2インバータの接続点の電圧に応じて動作し、前記制動トランジスタと前記プルアップトランジスタの各制御ノードを前記中レベル電圧に電気的に接続するNチャネル型トランジスタと、
    前記キャパシタの他方電極と前記低レベル電圧の供給線との前記抵抗を介する接続経路に設けられ、前記入力端子の電圧に応じて制御されるNチャネル型トランジスタと、
    をさらに有する
    請求項3に記載の電圧出力回路。
  6. 前記出力端子に一方電極が接続され、当該出力端子の電位変動の制動力を前記第2出力トランジスタの制御ノードに付与するための制動キャパシタと、
    前記制動キャパシタの他方電極と、前記第2出力トランジスタの制御ノードとの間に接続されているバッファアンプと、
    を有する請求項1に記載の電圧出力回路。
  7. 高レベル電圧の出力部と、低レベル電圧の出力部と、前記高レベル電圧と前記低レベル電圧との間の電圧値を有する中レベル電圧の出力部とを備え、前記高レベル電圧、前記低レベル電圧、前記中レベル電圧の何れかを、入力電圧に応じて出力する電圧出力回路であって、
    前記中レベル電圧の出力部は、
    前記中レベル電圧の供給線と出力端子との間に接続され、制御ノードに印加される入力電圧に応じて動作するNチャネル型の出力トランジスタと、
    前記出力端子に電位変化が生じている間は当該電位変化の制動力を前記第1出力トランジスタの前記制御ノードに付与し、前記電位変化がなくなるにしたがって前記制御ノードを前記高レベル電圧に電気的に接続する駆動制御回路と、
    を有する電圧出力回路。
  8. 第1レベル電圧より低い第2レベル電圧を、入力電圧に応じて出力する電圧出力回路であって、
    前記第2レベル電圧の供給線と出力端子との間に接続され、制御ノードに印加される入力電圧に応じて動作するNチャネル型の出力トランジスタと、
    前記出力端子に電位変化が生じている間は当該電位変化の制動力を前記第1出力トランジスタの前記制御ノードに付与し、前記電位変化がなくなるにしたがって前記制御ノードを前記第1レベル電圧に電気的に接続する駆動制御回路と、
    を有する電圧出力回路。
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