JP2007163461A - レンズ評価装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学系の横倍率、歪曲収差、像面湾曲および色収差を高精度に測定できるようにする。
【解決手段】レンズ評価装置は、ピンホール列標本である試料4と、これを透過照明する光源1と、対物レンズ7を含む評価される顕微鏡光学系と、撮像素子10と、試料4と顕微鏡光学系のとの間の距離を変化させるZ軸ステージ5とを有し、Z軸ステージ5が前記距離を変化させるごとに撮像素子10が試料4の像を撮像して積層画像を取得し、その積層画像内の複数のピンホール像から複数の像位置を算出し、その複数の像位置に収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する。
【選択図】図1

Description

本発明は、レンズの評価装置に関し、特に光学系の像位置に関する性能、即ち横倍率、歪曲収差、像面湾曲および色収差を評価するレンズ評価装置に関する。
光学系を用いて撮像した画像を測定に用いる場合、その光学系には高度な収差補正が要求される。例えばレーザ共焦点顕微鏡の場合、像面湾曲があると平坦な試料の観察像が曲面になってしまうため、深さ方向の正確な測定ができなくなる。あるいは、複数の波長のレーザで画像を撮像して比較する場合、光学系に色収差があると、像の位置が波長によって横方向(光学系光軸に垂直な方向)と縦方向(光学系光軸方向)にずれるため、正確な比較演算ができなくなる。横倍率の誤差や歪曲収差も同様に、像位置の測定誤差を生じる。
これらの誤差を補正するためには、予めそれらの収差を測定しておき、それに基づいて撮像した画像を修正する必要がある。あるいは、収差の測定値に基づいて光学系のレンズ位置を修正し、それらの収差を十分に小さくしておく必要がある。それらを実施する前提として、光学系の像位置に関する性能、即ち横倍率、歪曲収差、像面湾曲および色収差を高精度に測定できる評価装置の存在が不可欠である。
従来の評価装置を図9を参照しながら説明する。
同図に示したように、従来の評価装置では、点光源となるピンホール51を、評価される光学系52の物体面に設置し、背後から不図示の照明手段で照明する。光学系52の像面にはピンホール51の空中像53ができる。この空中像53は小さいので、直接に撮像素子で撮像しても、最大強度となる像位置を十分な精度で測定できない。そこで拡大光学系54で拡大した像を撮像素子55で撮像する。このようにすると、拡大像から最大輝度の画素を探索することによって、像位置を決定することができる。さらに、拡大光学系54と撮像素子55を光学系52の光軸方向(Z軸方向)に移動しながら撮像し、その積層画像から最大輝度の画素を探索すると、像位置のX,Y,Z座標を決定することができる。照明手段の波長を切り換えることにより、色収差も評価することができる。ただし、像位置のX,Y,Z座標を求めるために、拡大光学系54と撮像素子55の位置を3軸の測長器でモニターする必要がある。また、視野内全体の像面形状を決定するためには、ピンホール51を物体面上で複数の位置に移動しながら測定する必要がある。この場合、ピンホール51のX,Y座標も測長器でモニターする必要がある。
なお、本技術分野におけるレンズ評価装置に関連する従来技術として特許文献1〜5と非特許文献1がある。
特許第3391470号公報 特開2002−289494号公報 特開2004−163207号公報 特公平6−21772号公報 特開平01−270605号公報 画像電子学会誌,Vol.31,No.4,Page534-541(2002.07.25),"ディジタル画像を用いた高精度画像計測のための画像補正",中村 他
しかしながら、図9に示すような従来の評価装置のように、1つのピンホール像の像位置を求め、それを像面内の複数の位置で繰り返す、という方法では、それらの位置を何らかの測長器でモニターしなければならない。また、その測長器の精度で、全体の測定精度が決まってしまう。前記のレーザ共焦点顕微鏡などの光学系では、nmオーダーの色収差が求められることも稀ではない。そのような場合、nmオーダーの測定精度をもつ高精度のレーザ測長器が2軸以上も必要になってしまう。さらに、拡大光学系の収差が測定値に与える影響も検証しなければならない。また、1つのピンホールを移動しながら測定するために、像面全体の測定に時間を要し、その間の光学系の安定性などにも注意を要する。
既知の等間隔で配列された複数のピンホールを物体面に設置すれば、物体側のピンホールを移動したり、その位置をモニターしたりする必要はなくなる。さらに、1つのピンホールの空中像を十分な画素数で撮像し、かつ像面の大部分を覆うような面積をもつ撮像素子が仮に存在すれば、拡大光学系が不要になり、像面側のX,Y座標を高精度にモニターする必要もなくなる。この場合、複数のピンホールあるいは撮像素子のZ位置をモニターしながら移動することで、像位置や色収差を算出するのに十分な積層画像を撮像できる。しかし、そのような撮像素子は画素数が莫大な数になるため、現状では入手することができない。
また、平面鏡を測定した補正データにより共焦点顕微鏡の像面湾曲を補正することができるが、歪曲収差や横色収差を補正することはできない。
本発明はこれらの課題を鑑み、光学系の横倍率、歪曲収差、像面湾曲および色収差を高精度に測定できるものであって特に1つの点光源の空中像を十分な画素数で撮像できない場合でも高精度の評価値を得ることができるレンズ評価装置、レンズ評価方法、及びレンズ評価プログラムおよび、それらの評価手段を搭載して画像の歪みあるいは色ずれを補正する光学装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係るレンズ評価装置は、平面上に配置された複数の点光源と、像を撮像し画像を取得する撮像手段と、前記点光源あるいは前記撮像手段と、評価対象となる光学系との相対距離を変化させる移動手段と、前記移動手段が前記相対距離を変化させるごとに前記撮像手段が前記光学系を介した前記複数の点光源の像を撮像することによって取得される積層画像が記録される記録媒体と、前記記録媒体に記録された前記積層画像内の複数の点光源像から複数の像位置を算出する像位置算出手段と、前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置に収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する収差取得手段と、を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記複数の点光源は、出射する光の波長を選択切換可能に構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記複数の点光源は、前記評価対象となる光学系の分解能と同等あるいは同等以下の直径のピンホールと、前記ピンホールを透過照明する照明手段と、を含んで構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記複数の点光源は、前記評価される光学系の分解能と同等あるいは同等以下の直径の反射鏡と、前記反射鏡を落射照明する照明手段と、を含んで構成されている、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記複数の点光源は、平面上に2次元の周期格子状に配列している、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記撮像手段は、2次元の撮像素子からなる、ことを特徴とする。
本発明の第7の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記評価される光学系と、像を撮像し画像を取得する撮像手段は、1つあるいは複数の集光点を走査する共焦点光学機器である、ことを特徴とする。
本発明の第8の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記像位置算出手段は、前記積層画像内の1つの点光源像から像位置を求めるためのモデル関数フィット範囲を設定する設定手段と、前記設定手段により設定されたモデル関数フィット範囲内の積層画像の中の各枚葉画像に2次元の強度分布モデル関数をフィットする第1のフィット手段と、前記第1のフィット手段により前記各枚葉画像にフィットされた前記2次元の強度分布モデル関数の最大値と当該最大値の平面内座標とを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された前記各枚葉画像の前記平面内座標に第1の曲線モデル関数をフィットする第2のフィット手段と、前記算出手段により算出された前記各枚葉画像の前記最大値に第2の曲線モデル関数をフィットする第3のフィット手段と、前記第3のフィット手段によりフィットされた前記第2の曲線モデル関数の最大値の座標を求める座標演算手段と、前記座標演算手段により求められた前記最大値の座標を、前記第2のフィット手段によりフィットされた前記第1の曲線モデル関数に代入して関数値を取得する関数値取得手段と、を含む、ことを特徴とする。
本発明の第9の態様に係るレンズ評価装置は、上記第8の態様において、前記2次元の強度分布モデル関数は、2次元のガウシアン分布関数である、ことを特徴とする。
本発明の第10の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記像位置算出手段は、前記積層画像内の1つの点光源像から像位置を求めるためのモデル関数フィット範囲を設定する設定手段と、前記設定手段により設定されたモデル関数フィット範囲内の積層画像の中の各枚葉画像から、当該各枚葉画像の最大強度値と当該最大強度値の平面内座標とを求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段により求められた前記各枚葉画像の前記平面内座標に第1の曲線モデル関数をフィットする第1のフィット手段と、前記第1の演算手段により求められた前記各枚葉画像の前記最大強度値に第2の曲線モデル関数をフィットする第2のフィット手段と、前記第2のフィット手段によりフィットされた前記第2の曲線モデル関数の最大値の座標を求める第2の演算手段と、前記第2の演算手段により求められた前記最大値の座標を、前記第1のフィット手段によりフィットされた前記第1の曲線モデル関数に代入して関数値を取得する関数値取得手段と、を含む、ことを特徴とする。
本発明の第11の態様に係るレンズ評価装置は、上記第8又は10の態様において、前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置を、前記各枚葉画像の前記平面内座標にフィットされた前記第1の曲線モデル関数の平均に基づいて修正する像位置修正手段を更に含み、前記収差取得手段は、前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置に代えて前記像位置修正手段により修正された前記複数の像位置に前記収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する、ことを特徴とする。
本発明の第12の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記像位置算出手段は、前記積層画像内の1つの点光源像から最大強度のデータ点の座標を求める座標演算手段を含む、ことを特徴とする。
本発明の第13の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記像位置算出手段は、前記積層画像内の1つの点光源像から強度の重心の座標を求める座標演算手段を含む、ことを特徴とする。
本発明の第14の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、 前記平面上に配置された複数の点光源の位置座標が予め測定されている、ことを特徴とする。
本発明の第15の態様に係るレンズ評価装置は、上記第5の態様において、 前記2次元の周期格子状に配列している複数の点光源像から、前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置に、格子点の指数p,qを含む独立変数で規定される平面のモデル関数をフィットして、点光源の設置位置に係る回転の角度と平行移動量を取得する点光源位置取得手段を含む、ことを特徴とする。
本発明の第16の態様に係るレンズ評価装置は、上記第15の態様において、 前記点光源の設置位置に係る回転の角度と平行移動量より、2次元の周期格子状に配列している複数の各点光源の位置座標を算出する点光源位置算出手段を含む、ことを特徴とする。
本発明の第17の態様に係るレンズ評価装置は、上記第14又は16の態様において、前記収差取得手段は、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の像位置に、横倍率を含む横方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、ことを特徴とする。
本発明の第18の態様に係るレンズ評価装置は、上記第14又は16の態様において、前記収差取得手段は、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の横方向の像位置に、横倍率と歪曲収差係数を含む横方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、ことを特徴とする。
本発明の第19の態様に係るレンズ評価装置は、上記第17又は18の態様において、前記像位置算出手段は、前記複数の点光源を合焦状態で前記撮像手段により撮像した1枚の点光源像から複数の横方向の像位置を算出する、ことを特徴とする。
本発明の第20の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記収差取得手段は、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の縦方向の像位置に、像面湾曲の係数を含む縦方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、ことを特徴とする。
本発明の第21の態様に係るレンズ評価装置は、上記第2の態様において、前記移動手段が前記距離を変化させるごとに、前記複数の点光源の波長を切換えて前記撮像手段が波長ごとの前記複数の点光源の像を撮像することによって取得される、波長が異なる複数の積層画像が前記記録媒体に記録される、ことを特徴とする。
本発明の第22の態様に係るレンズ評価装置は、上記第21の態様において、前記記録媒体に記録された第1の波長に係る積層画像と第2の波長に係る積層画像から前記像位置算出手段により算出された、前記第1の波長に係る複数の像位置と前記第2の波長に係る複数の像位置との間で、像位置の差分を求める差分演算手段と、前記差分演算手段により求められた複数の差分に色収差のモデル関数をフィットして色収差の測定値を取得する色収差取得手段と、を更に有することを特徴とする。
本発明の第23の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記評価対象となる光学系の一部分を当該一部分の光軸を中心に回転させる回転手段と、前記回転手段による前記光学系の一部分の複数の回転位置において取得された収差の測定値に基づいて、前記光学系の一部分と当該一部分以外の部分との測定値の成分を分離する測定値成分分離手段と、を更に有することを特徴とする。
本発明の第24の態様に係るレンズ評価装置は、上記第1の態様において、前記評価対象となる光学系は顕微鏡光学系を有する、ことを特徴とする。
本発明の第25の態様に係るレンズ評価装置は、上記第23の態様において、前記光学系の一部分は、顕微鏡光学系の対物レンズである、ことを特徴とする。
本発明の第26の態様に係る光学機器は、物体の画像を撮像する光学機器において、上記第1乃至25の何れか一つの態様に係るレンズ評価装置が搭載され、取得された収差の測定値に基いて前記画像の歪みあるいは色ずれを補正する画像補正手段、を有することを特徴とする。
なお、本発明は、上記レンズ評価装置や光学機器に限らず、例えば、上記レンズ評価装置を、レンズ評価方法やレンズ評価プログラムとして構成することもできる。
本発明によれば、視野内に分布する複数の点光源の積層画像を2次元の撮像素子で一括して撮像することと、像位置や収差の算出に適切なモデル関数のフィットを適用するアルゴリズムを併用することより、光学系の横倍率、歪曲収差、像面湾曲および色収差を高い精度で評価することができる。撮像素子の画素間隔より小さい精度で像位置のX,Y座標を算出できるので、それらを測定するための高精度の測長器を必要としない。また、視野内を一括撮像するので測定時間が大幅に短縮される。これは、複数の波長の積層画像を同時進行で撮像することと併せて、ドリフトによる測定誤差の軽減にも有効である。また、この評価手段を光学機器に搭載することにより、その光学機器で撮像した画像の歪みあるいは色ずれを補正することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図8および図10は、本発明の第1の実施形態に係る、顕微鏡光学系を評価するレンズ評価装置を説明するための図である。図1は、本実施形態に係るレンズ評価装置の側面図および制御系のブロック図である。図2は、ピンホール列標本の説明図である。図3は、積層画像の撮像に係るフローチャートである。図4は、収差の算出に係るフローチャートである。図5は、像位置の算出に係るフローチャートである。図6は、像位置の算出の説明図である。図7は、横方向の色収差の説明図である。図8は、レンズ評価装置の回転部の作用の説明図である。図10は、物点位置の算出の説明図である。
図1において、光源1は、白色光源、波長選択手段、および光量調整手段を内部に含む。白色光源は、例えばハロゲンランプやキセノンランプ、LEDなどである。波長選択手段は、複数の干渉フィルタから1つを光路内に選択設置できる回転ホルダである。図示しない光量調整手段は、透過率を0〜100%の範囲で連続に変えられる、例えば、回転型のNDフィルタである。また、図示しない波長選択手段と光量調整手段は、外部からの制御信号により制御され、出力する光の中心波長と強度を任意に設定(選択切換)できる。なお、波長選択手段を他の分光手段で置換したり、波長の異なる複数の光源を切換えて構成したりしても構わない。
光源1からの光は光ファイバ2で導かれ、光強度均一化部3で強度の位置/角度分布を均一にされてから試料4を透過照明する。光強度均一化部3は、内部反射を繰り返すロッドガラスや拡散板等から構成されている。
試料4は、図2に示すようなピンホール列標本である。ガラス基板の上に蒸着された不透明な金属膜21に、縦横等間隔の格子状にピンホール22が開けられている。すべてのピンホールの直径は等しく、対物レンズ7の回折限界より小さく、即ち評価される光学系の分解能と同等あるいは同等以下となっている。これにより、前述の光強度均一化部3の作用と併せて、対物レンズ7の角開口より広い範囲で強度角度分布がほぼ均一化された光が各ピンホール22から出射する。ピンホール列が分布する範囲は、評価される顕微鏡光学系の視野より広いことが望ましい。なお、ピンホール列の格子配列は、図2に示すピンホール列の格子配列のみならず、2次元に周期性のあるものであれば他の配列であっても構わない。
試料4は、対物レンズ7を含む顕微鏡光学系の光軸方向に移動するZ軸ステージ5に載置されている。なお、顕微鏡光学系の光軸をZ軸とする。Z軸ステージ5は、変位量をモニターする静電容量センサを内蔵したピエゾステージであり、外部からの制御信号により任意のZ軸位置に試料4を移動することができる。また、XYステージ6は、Z軸ステージ5及び試料4を顕微鏡光学系の光軸に対して垂直な方向へ移動する手動のステージである。
評価される顕微鏡光学系は、対物レンズ7と結像レンズ9よりなり、試料4の像を撮像素子10の撮像面に結像する。撮像素子10は、顕微鏡光学系の結像範囲より大きい、あるいは大部分を撮像できるような撮像面積をもつ2次元のCCDである。これらの素子は鏡筒11に取り付けられている。なお、対物レンズ7は鏡筒11に対して、回転部8を介して取り付けられている。回転部8は、光軸を回転軸として対物レンズ7を任意の角度に回転および固定できる。鏡筒11は、それを上下に移動する上下移動ステージ12を介して、鏡基13に取り付けられている。
光源1、Z軸ステージ5、及び撮像素子10は、コンピュータ14に接続されている。コンピュータ14は、内部にCPU、RAM、及び後述する制御プログラム15等が記録されているROM16を備えており、CPUがROM16に記録されている制御プログラム15を実行することにより、接続されているユニットを制御して、試料4の像を撮像し、収差の評価値を算出する。また、コンピュータ14は、その他、画像ファイル等が記録される記録媒体17、入力部、及び表示部なども備えている。
次に、上述した構成からなるレンズ評価装置の動作を説明する。
操作者は評価する対物レンズ7を回転部8に取り付け、その対物レンズ7に適したピンホール径の試料4をZ軸ステージ5に取り付ける。次に、撮像素子10の画像をコンピュータ14の表示部の画面でモニターしながら、XYステージ6による試料4の位置決めと、上下移動ステージ12あるいはZ軸ステージ5による合焦を行う。なお、ここでの合焦は手動に限らず、例えば自動合焦ユニットをレンズ評価装置に設けて自動により行うようにしてもよい。
そして、このようにして合焦が行われた後、コンピュータ14内部のCPUによる撮像プログラムの実行を開始する。なお、撮像プログラムは、コンピュータ14内部のROM16に記録されている制御プログラム15の一部であり、自動的に複数の波長の積層画像を撮像するための制御を行うプログラムである。この撮像プログラムによる手順を図3を参照しながら説明する。なお、複数の波長とは、色収差を評価するときの基準となる基準波長と、評価される複数の評価波長とのことである。
図3において、まずS1では、Z軸ステージ5を合焦位置(前記の合焦後の位置)から撮像範囲の下端に移動する。Z方向の撮像範囲は、評価される対物レンズ7の像面湾曲や縦方向の色収差の範囲を含むように、焦点深度の数倍程度に設定しておくのが望ましい。
S2では、光源1内部の波長選択手段の干渉フィルタを切り換えて、照明光を、複数の波長の中で未だ現在のZ軸ステージ位置での当該S2及び後述のS3を行っていない1つの波長へ切り換える。そして光源1内部のNDフィルタ(光量調整手段)により、適切な光量に切り換える。この光量は、複数の波長による積層画像の輝度が同じレベルに揃うように予め設定した値である。
S3では、撮像素子10で試料4の画像を撮像し、コンピュータ14に画像ファイルとして転送する。なお、転送された画像ファイルは、コンピュータ14内部の記録媒体17に記録される。
S4では、現在のZ軸ステージ位置において複数の波長の全てに対して上記のS2乃至S3を行ったか否か(波長本数に達したか否か)を判定する。ここで、その判定結果がYESの場合にはS5へ進み、NOの場合にはS2へ戻る。このように、S4がYESになるまでS2乃至S3が繰り返されることにより、現在のZ軸ステージ位置における複数の波長のそれぞれについての画像ファイルがコンピュータ14に転送、記録される。
S5では、コンピュータ14に転送、記録された各波長の画像ファイル数が、Z方向の撮像範囲をカバーする積層枚数に達したか否かを判定する。ここで、その判定結果がYESの場合には撮像プログラムによる撮像を終了し、NOの場合にはS6へ進む。
S6では、Z軸ステージ5を上へ1ステップ移動する。この移動量は、評価される対物レンズ7の焦点深度の1/5〜1/10程度が望ましい。S6の後は、S2へ戻る。
このように、S5がYESになるまでS2乃至S4及びS6が繰り返されることにより、Z方向の撮像範囲をカバーする積層枚数分の波長毎の画像ファイルが、コンピュータ14内部の記録媒体17に記録される。
この手順では、Z軸ステージ5を上へ1ステップ移動してから複数の波長を切り換え各々の画像を撮像するということを繰り返すことによって、複数の波長の積層画像を同時進行で撮像している。このようにすると、環境温度の変化などに起因して撮像時間内に進行する試料位置のドリフトが各波長でほぼ共通になる。これは、後述する収差の算出において、誤差を小さくする効果がある。
次に、コンピュータ14内部のCPUによる解析プログラムの実行を開始する。なお、解析プログラムは、コンピュータ14内部のROM16に記録されている制御プログラム15の一部であり、撮像された積層画像の画像ファイルから、自動的に対物レンズ7を含む顕微鏡光学系の横倍率、歪曲収差、像面湾曲および色収差を算出するための制御を行うプログラムである。この解析プログラムによる手順を図4を参照しながら説明する。
同図において、まずS11では、上記の図3に示した手順によりコンピュータ14内部の記録媒体17に記録された画像ファイルから、複数の波長の中で未だ当該S11及び後述するS12乃至S13を行っていない1つの波長の積層画像を読み出し、メモリ(コンピュータ14内部のRAM)に格納する。
S12では、その1つの波長の積層画像の撮像範囲内にある未だ当該S12を行っていない1つのピンホール像から像位置を求める。像位置とは、像点の位置であってピンホールの空中像の最大強度位置のことである。しかし、撮像のサンプリング間隔(撮像素子10の画素間隔とZ軸ステージ5の1ステップ移動量)は、ピンホール空中像の大きさの1/5〜1/10程度なので、単純に最大輝度の画素位置を探索しただけでは像位置を高精度に求めることができない。そこで、このS12では図5に示す手順で像位置を算出している。ここで、図5及び図6を参照しながら、その手順について更に詳しく説明する。
図5において、まずS21では、サンプリングされたピンホール空中像に強度分布モデルをフィットする範囲を設定する。なお、フィットするとは当てはめるという意味である。ピンホール空中像は、その最大強度位置から離れるにつれて強度が徐々に低下する。最大強度付近では、その変化が単調減少で滑らかなので、単純な強度分布モデルをフィットしやすい。そこで、縦方向(Z軸方向)は、対物レンズ7の焦点深度をフィット範囲とする。横方向(X,Y軸方向)は、エアリーディスクの1/2の半径内をフィット範囲とする。これらの値は、評価される対物レンズ7の開口数NAと照明光の波長λから、それぞれλ/NA2、0.3λ/NAと求められる。初めに、サンプリングされたピンホール空中像から最大輝度の画素を探索し、その画素位置を中心として上記の(円筒形になる)フィット範囲内に含まれるサンプリング点を、以下に述べるフィットの対象とする。なお、フィット範囲を上記の値から増減して微調整してもよい。
S22では、縦方向のフィット範囲に含まれる枚葉画像の中で未だ当該S22を行っていない1つの枚葉画像の最大強度Iとその位置(xc,yc)を求める。ここで、これらの求め方を図6を参照しながら説明する。同図は、1つのピンホール空中像の積層画像を示している。この積層画像26では、Z軸位置ごとに、ピンホール空中像の横断面27が、各枚葉画像28にサンプリングされている。このうち、1つの枚葉画像28の上記フィット範囲内のサンプリング点に、横断面27の強度分布モデルI(x,y)を最小2乗法でフィットする。本実施例では、最大強度位置付近の強度分布にフィットしやすい強度分布モデルとして、回転対称の2次元ガウシアン分布(式(1))を採用する。
そして、フィットされた強度分布モデルI(x,y)から、1つの枚葉画像28内の最大強度Iとその位置(xc,yc)を求める。なお、ここで求められた最大強度Iとその位置(xc,yc)は、フィットされた強度分布モデルI(x,y)の最大値と当該最大値の平面内座標でもある。このようにして求めることにより、1つの枚葉画像内の最大強度Iとその位置(xc,yc)を、元のX,Y方向のサンプリング間隔より高い精度で得ることができる。なお、元のX,Y方向のサンプリング間隔とは、例えば撮像素子10の画素間隔と評価される光学系の横倍率とによって決まる物体側のサンプリング間隔である。
なお、S22では、1つの枚葉画像のフィット範囲内のサンプリング点に強度分布モデルI(x,y)をフィットして最大強度Iとその位置(xc,yc)を求めているが、これを、1つの枚葉画像のフィット範囲内のサンプリング点から最大輝度値の画素を探索してその輝度値と位置を求めるように置換することも可能である。この場合、前者に比べて算出される像位置の精度は低下するものの、撮像視野内のピンホール数が十分に多ければ、後述する収差モデル関数のフィットにより、個々の像位置の誤差が相殺された、収差の表式を求めることができる。
S23では、縦方向のフィット範囲に含まれる枚葉画像の全てに対して上記S22を行ったか否か(フィット枚数に達したか否か)を判定する。ここで、その判定結果がYESの場合にはS24へ進み、NOの場合にはS22へ戻る。このように、S23がYESになるまでS22が繰り返されることにより、縦方向のフィット範囲に含まれる枚葉画像のそれぞれについての最大強度Iとその位置(xc,yc)が求められる。図6において、各枚葉画像28の位置29は、求められた各枚葉画像の最大強度位置(xc,yc)を示している。ここで、ピンホール空中像の最大強度位置は、各枚葉画像28の最大強度位置29を結ぶ直線上にある。
そこで、S24では、Z座標の関数としての各枚葉画像の最大強度位置xc(z),yc(z)に、それぞれ直線モデル(式(2)、(3))を最小2乗法でフィットして、これらの直線を求める。
多くの場合、ドリフト量は撮像時間にほぼ比例する変化なので、フィットするモデルは直線モデル(一次曲線モデル)で十分である。撮像時間が長く、ドリフト量が複雑に変化する場合は、n次曲線モデルなどを選択してもよい。
S25では、Z座標の関数としての各枚葉画像の最大強度I(z)に、n次曲線モデルを最小2乗法でフィットする。n=2では球面収差などによるI(z)の非対称にフィットできないので、n=4〜6程度が好ましい。
S26では、Z座標の関数としての各枚葉画像の最大強度I(z)にフィットされたn次曲線モデルのピーク位置を求める。これがピンホール空中像の最大強度位置のZ座標になる。次に、そのZ座標を、S24で求めた直線モデルxc(z),yc(z)に代入して、最大強度位置のX,Y座標を求める。このようにして求めた像位置を、用途に応じて、物体側あるいは像側の実座標に変換する。物体側の実座標に変換するには、Z方向のサンプリング間隔をZ軸ステージ5のステップ移動間隔(μm単位)に変換する。X,Y方向のサンプリング間隔は、撮像素子10の画素間隔(μm単位)を評価される光学系の横倍率で除算した値に変換する。
この横倍率は、通常、評価される光学系の設計上の値で十分である。(正確な横倍率の算出方法についてはS17に後述する。) 像側の実座標への変換も同様である。これで、1つの像位置の算出が終了する。
以上の図5に示した手順により、元のサンプリング間隔より高い精度で1つの像位置のX,Y,Z座標が得られる。なお、それ以外に、3次元の強度分布モデルを直接フィットするような方法もあるが、ドリフトなどによるピンホール空中像の複雑な変形に追随するのが困難になる。図5に示した像位置の算出手順では、比較的簡単な強度分布モデルの組合せによって、それらの複雑な変形を吸収できる利点がある。
図4に戻り、S13では、1つの波長の積層画像の撮像範囲内にある全てのピンホール像に対しS12を行ったか否か(ピンホール数に達したか否か)を判定し、その判定結果がYESの場合にはS14へ進み、NOの場合にはS12へ戻る。このように、S13がYESになるまでS12が繰り返されることにより、1つの波長の積層画像の撮像範囲内にある全てのピンホール像から全ての像位置が求められる。
S14では、複数の波長の全てに対しS11乃至S13を行ったか否か(波長本数に達したか否か)を判定する。ここで、その判定結果がYESの場合にはS15へ進み、NOの場合にはS11へ戻る。このように、S14がYESになるまでS11乃至S13が繰り返されることによって、複数の波長の積層画像のそれぞれについての撮像範囲内の全ての像位置が求められる。すなわち、各波長の像位置の分布が求められる。
S15では、すべての波長のS24(図5参照)でフィットした直線モデル(式(2)、(3))の傾きax, ayの平均値
を求める。ここで、全てのピンホール像に共通する傾きはドリフトによる成分である。S12で求めた像位置が合焦面(z=0)から離れるほど、ドリフトによって像位置のX,Y座標の誤差が大きくなっている。そこで、各波長の各像位置のX,Y座標から、当該像位置のZ座標とすべての波長の傾きの平均の積
をそれぞれ差し引いて、ドリフトによる誤差(ドリフト成分)を除去する。なお、上記の図3に示した撮像手順において、複数の波長の積層画像を同時進行で撮像しているので、このドリフト成分除去が効果的に作用する。
S16では、物点位置、即ちピンホール列標本の各ピンホールの位置を求める。これは特に横倍率と歪曲収差を評価するために必要になる。評価される光学系がカメラレンズのような縮小系の場合、標本の物点の間隔が大きいので、実測によって十分な測定精度が得られる。しかし、顕微鏡光学系のような拡大光学系を評価するとき、物点位置のX,Y座標を実測で高精度に求めるのは困難である。ピンホール列標本のピンホール間隔は、フォトリソグラフィなどの製造技術によって高い精度が得られる。それを評価される光学系の物体側に設置したときの設置位置を算出する方法を図10と図1を参照して説明する。
図10は格子間隔ax,ayの長方格子に配列したピンホール列標本61(試料4)と物体側座標の位置関係を示している。座標の原点は光学系の光軸であり、X,Y軸はそれぞれ撮像素子10の横,縦方向である。初めに試料4をZ軸ステージ5に固定する。このときピンホールの配列方向が撮像素子10の横,縦方向となす角度をθpとする。次に、座標原点に近い1つのピンホールを指数(0,0)とし、図10のように各ピンホールの指数(p,q)を決める。指数(0,0)のピンホールの位置を(xp,yp)とする。指数(p,q)のピンホールの物点位置(x,y)は、角度θpの回転と平行移動(xp,yp)により式(4)で表される。
格子間隔ax,ayの誤差が無視できる場合、θpと(xp,yp)が決まると、物点位置が決まる。
物体側の座標原点が基準波長で結像する位置を像側の座標原点と定義する。さらに、顕微鏡光学系の歪曲収差は一般に極めて小さいので無視すると、基準波長における各ピンホールの像位置(X,Y)は式(5)になる。
は測定領域内の横倍率の平均値である。
そこで、S11〜S14で求めた基準波長の像位置(X,Y)に、指数と格子間隔の積(axp,ayq)を独立変数とした式(6)の平面をそれぞれ最小2乗法でフィットする。
ここから得られたパラメータA〜Fは式(5)と次の関係にある。
これより、(xp,yp), θpおよび
が式(8)のように得られる。θp
は2つの平面から得られた値の平均をとる。
以上のようにして求めた(xp,yp), θpを式(4)に代入して、各ピンホールの物点位置の座標を求める。指数(p,q)を独立変数として計算しても同じ結果が得られる。
なお、長方格子以外の任意の格子型に対しても、同様に物点位置を決めることができる。θpと(xp,yp)がゼロのときの物点位置(x0,y0)が式(9)で表されるピンホール列標本の場合、
ただし、a1, a2:2次元格子の基本並進ベクトル
指数(p,q)を独立変数とした式(10)の平面を基準波長の像位置(X,Y)にそれぞれ最小2乗法でフィットする。
このパラメータA〜Fより、(xp,yp), θpおよびが式(11)のように得られる。
従って、ピンホール列標本の配列が2次元周期格子であれば、格子型に関わらず物点位置を求めることができる。
S17では、横倍率と歪曲収差係数を含む横方向の結像式を求める。評価される光学系が高度に収差補正されているとき、高次の歪曲収差を無視してもよい。最低次(3次)の歪曲収差による像位置の移動量は「歪曲の中心」からの距離の3乗に比例し、その方向は歪曲の中心と物点の位置を結ぶ直線上にある。従って、横方向の結像式、即ち物点と像点の位置r,Rの関係式は式(12)で表される。
β0:「歪曲の中心」のおける横倍率、A3:3次の歪曲収差係数。
そこで、S11〜S15で求めた像位置(X,Y)と実測あるいはS16で求めた物点位置(x,y)より、式(12)のβ0,Rs,A3,rcを以下のように求める。
測定されたN個のピンホールのうち、i番めのピンホールの物点位置riを式(12)の結像式に代入して求めた像位置をR'iとする。一方、i番めのピンホールから測定で求めた像位置をRiをとする。対応するすべてのR'iとRiの距離の2乗和が最小になったとき、式(12)の結像式が実際の像位置にフィットしたことになる。そこで、式(13)の評価関数Sが最小になるようにパラメータβ0,Rs,A3,rcを最適化する。
最適化は「最急降下法」などの、非線形モデルに対する一般的な繰り返し最適化のアルゴリズムで実施する。(参考文献:W. H. Press, 他 (丹慶,他・訳) 「ニューメリカルレシピ・イン・シー 〜C言語による数値計算のレシピ〜 日本語版」(技術評論社, 1993)) このようにして求められた横方向の結像式から、任意の物点位置(x,y)に対応する像位置(X,Y)の測定値を取得することができる。
なお、評価される光学系の歪曲収差が大きく、S16のように物点位置を求めることができないときは、式(4)を式(13)に代入する。そして、パラメータβ0,Rs,A3,rcと同時にθpと(xp,yp)を上記の繰り返し最適化で求めるようにすればよい。
また、シフト量 Rs と歪曲の中心rcが無視できるほど小さいことが予めわかっている場合、次のような方法でβ0,A3を求めてもよい。横方向の結像式(式(12))を式(14)のように変形する。
物点と像点の高さの比(左辺)に2次曲面(右辺)を最小2乗法でフィットすれば、β0とA3が得られる。
さらに、歪曲収差が無視できるほど小さいことが予めわかっている場合、式(15)の近軸結像式のパラメータ
を求めれば十分である。
対応する物点と像点のx座標(xi, Xi)とy座標(yi, Yi )の組に式(16)の直線、
をそれぞれ最小2乗法でフィットすると、次のパラメータが得られる。
横倍率
はAとCの平均をとることにする。
以上のように、評価する光学系に合わせて横方向の結像式の形式を予め選択し、そのパラメータをS17で求める。なお、高次の歪曲収差も評価する必要がある場合は、式(12)あるいは式(14)に|r|4,|r|6,...に関する項を追加すればよい。
評価される光学系の像面湾曲や縦方向の色収差が十分に小さい場合、あるいは焦点深度が十分に大きい場合、合焦状態で撮像された1枚の画像から横方向の結像式を算出できることは明らかである。そのような結像式のみを評価する場合は、積層画像の撮像に係るフローチャート(図3)のS1を「Zステージを合焦位置へ移動」に変更し、S5,S6を省略する。そして、像位置の算出に係るフローチャート(図5)のS23〜S25を省略すればよい。
S18では、縦方向の結像式、即ち物点位置rと像点のZ座標の関係式を求める。評価される光学系が高度に収差補正されているとき、その像面は、式(18)で表される2次曲面になる。
0:像面湾曲の頂点のZ座標。
そこで、S18では、S16で求めた物点位置rに対応する、S11〜S15で求めた像位置のZ座標に2次曲面モデルを最小2乗法でフィットして、縦方向の結像式(式(18))を求める。係数cは像面湾曲を表す2次係数であり、x0,y0,Z0は2次曲面の頂点の座標である。これにより、求められた縦方向の結像式から任意の物点位置(x,y)に対応する像位置のZ座標の測定値を取得することができる。なお、評価される光学系によっては、より高次の項を含んだ像面湾曲モデルを設定することが適切な場合もある。その場合は式(18)に、|r|4,|r|6,...に関する項を追加すればよい。
S19では、S11〜S15で求めた1つの評価波長の像位置のX,Y,Z座標から、S11〜S15で求めた基準波長の像位置のX,Y,Z座標をそれぞれ差し引くという操作を、すべての像位置について行い、物点位置(x,y)の関数としての像位置の差分の分布ΔX(x,y),ΔY(x,y),ΔZ(x,y)を求める。
ΔX(x,y),ΔY(x,y)は、横方向の色収差の分布である。評価される光学系が高度に収差補正されており、波長によるわずかな横倍率の差、即ち倍率の色収差のみを考慮すればよいとき、像位置のX,Y座標の分布は図7に示したようになる。同図に示したように、わずかな横倍率の差により、基準波長の像位置(同図の黒丸)31に対して、評価波長の像位置(同図の白丸)32が横ズレしている。このとき、両者の位置関係には次のような性質がある。
・横ズレの無い位置、即ち横色収差の中心(xc,yc)33から放射状に横ズレする。
・横ズレ量ΔR34は、横色収差の中心33からの距離に比例する。
・横ズレ量のX座標成分ΔX35の大きさは、物点位置のx座標のみに依存する。同様に、Y座標成分ΔY36の大きさは、物点位置のy座標のみに依存する。
その結果、 ΔX, ΔY は直線の式(19)、(20)で表される。係数A は "倍率色収差係数”である。
そこで、すべての像位置の差分ΔX(x,y),ΔY(x,y)に式(19)、(20)の直線モデルを最小2乗法でフィットして、横色収差の表式(式(19)、(20))を求める。これにより、求められた横色収差の表式から、任意の物点位置(x,y)に対応する横色収差の測定値を取得することができる。
一方、上記のΔZ(x,y)は、縦方向の色収差の分布である。像面が2次曲面で表されるとき、縦色収差も式(18)のような2次曲面になる。そこで、すべての像位置の差分ΔZ(x,y)に2次曲面モデルを最小2乗法でフィットして、縦色収差の表式を求める。これにより、求められた縦色収差の表式から、任意の物点位置(x,y)に対応する縦色収差の測定値を取得することができる。なお、より高次の項を含んだ像面湾曲モデルを設定することが適切な光学系の場合、縦色収差のモデル関数もそのように変更した方がよい。
なお、横方向と縦方向の色収差は、S17とS18で求めた結像式から求めるようにしてもよい。すなわち、横方向の結像式から、任意の物点位置(x,y)に対応する評価波長と基準波長の像位置(X,Y)をそれぞれ取得する。両者の差分として、物点位置(x,y)に対応する横色収差の測定値を取得することができる。縦方向の色収差も同様に取得できる。
S20では、複数の波長の全てに対し17乃至S19を行ったか否か(波長本数に達したか否か)を判定する。ここで、その判定結果がYESの場合には解析プログラムによる評価値の算出を終了し、NOの場合にはS17へ戻る。このように、S20がYESになるまで17乃至S19が繰り返されることにより、複数の波長の横/縦方向の結像式および色収差の表式(評価波長のみ)が求められる。すなわち、各波長についての横倍率、歪曲収差、像面湾曲と横/縦色収差の測定値が取得される。
なお、個々の像位置には、試料4の表面の凹凸、Z軸ステージ5の移動量の誤差、像位置算出の計算誤差などによる測定誤差がある。しかし、上記のように収差モデル関数へのフィットを行うことにより、個々の像位置の測定誤差が相殺されて、収差の表式を高精度に求めることができる。
また、横倍率の誤差と歪曲収差が極めて小さく、像面湾曲と色収差のみを評価する場合、物点位置を求めるS16を簡略化できる。すなわち、S11〜S15で求めた基準波長の像位置を光学系の設計上の横倍率で除算することにより、物点位置を求めることができる。このとき、試料4のピンホール列が必ずしも規則的に配列されている必要はない。ただし、収差モデル関数へのフィットを考慮すると、ピンホールは撮像視野内にほぼ均一な密度で分布していることが望ましい。
また、像位置を求めるS12では、モデル関数のフィットを繰り返して像位置を高精度に求める手順(図5参照)を説明した。しかし簡易的に、各ピンホールの積層画像全体の中の最大輝度の画素位置を探索して、それを像位置としてしまう方法も可能である。図5に示した手順による場合に比べて算出される収差の表式の精度は低下するものの、撮像視野内のピンホール数が十分に多ければ、収差モデル関数をフィットすることによって、個々の像位置の誤差が相殺されて、ある程度の精度で収差の表式を求めることができる。あるいは、ピンホールの枚葉画像あるいは積層画像全体の最大強度位置の代わりに、強度の重心位置を算出する、というような変形例も考えられる。しかし、一般に像位置は最大強度の位置として定義されているので、そちらの方が好ましい。
また、図4に示した手順において、S15ではドリフト成分の除去を行っているが、ドリフト成分を無視することができる場合などには、S15を省き、S14がYESの後にS16へ進むようにしてもよい。
また、S17、S18においては、収差の中心について回転対象の歪曲収差あるいは像面湾曲を含む結像式を採用した。しかし、評価される光学系によっては回転非対称の収差を含むような、別の形式の結像式を採用してもよい。
また、顕微鏡光学系の場合、収差の大部分は対物レンズ7に起因している。そこで、対物レンズ7単体の収差を評価するために以下の手順を追加するのが効果的である。
回転部8により対物レンズ7を回転すると、横/縦方向の結像式および色収差の表式に含まれるX,Y座標値のパラメータ(横色収差の中心、など)のうち、対物レンズに起因する成分は、それに伴って回転移動する。その様子を図8を参照しながら説明する。同図に示したように、回転に伴う前記X,Y座標の移動は円41の軌跡を描く。このとき、円41の中心42は視野の中心43に必ずしも一致しない。両者の差44は、対物レンズ7以外の光学系および素子の配置の誤差などに起因する成分である。そして、円の半径45が対物レンズ7に起因する成分である。
そこで、回転部8を180゜回転して同じ測定を行う。両者のX,Y座標のパラメータの平均値は対物レンズ7以外の成分になる。また、両者の差の1/2として、対物レンズ7に起因する成分が得られる。さらに回転角度を分割し、例えば0゜,90゜,180゜,270゜の4位置で測定を行い、円41の中心42と半径45を求めるようにすれば、両者の成分をさらに高精度に分離できるようになる。なお、横/縦方向の結像式および色収差の表式に含まれるZ座標値のパラメータ(像面湾曲の頂点のZ座標、など)および座標値以外のパラメータ(横倍率、各収差係数、など)は、回転に伴う変化をしないはずである。これらの値は上記の複数の測定値の平均をとることで、測定誤差の改善を図ることができる。
なお、本実施例では、試料4をZ軸ステージ5で光軸方向に移動しているが、撮像素子10の方を移動して積層画像を撮像してもよい。つまり、評価される光学系と、試料4あるいは撮像素子10のいずれかとの距離を相対的に変化させる移動手段が最低1つ必要、ということである。また、上記のアルゴリズムから明らかなように、その移動手段のステップ移動量が数値として記録されていれば、等間隔である必要はない。
また、光源1により透過照明された試料4は、平面上に配列された複数の点光源、という要件を満たすならば、他の実施の形態に置換できる。例えば、平面上に配置された光ファイバの出射端列や蛍光ビーズのような発光体などである。あるいは、図2に示すようなピンホール列標本を「ネガ」とすれば、逆の「ポジ」の標本を使用することもできる。即ち、図2のピンホール22に相当する部分の金属膜21だけを残し、それ以外の金属膜21を除去した標本を使用できる。そのような標本を落射照明すると、各金属膜からの反射光を複数の点光源と見なせるからである。1波長のみで評価するときは、発光ダイオード列などの単波長の発光体も使用できる。これらの点光源の大きさは、評価される光学系の分解能と同等あるいはそれ以下であることが望ましい。また、複数の点光源は、撮像視野内での点光源の数をより多くすることで、測定精度をさらに向上させることが可能である。さらに、撮像素子10は、同じ撮像面積をもつCCDであってもより画素密度の高い、即ち高画素の撮像素子を用いれば測定精度をさらに向上させることが可能である。
次に、図11〜14を参照しながら本発明の第2の実施形態を説明する。
図11は、本実施形態のレンズ評価装置に係る、蛍光共焦点顕微鏡の側面図および制御系のブロック図である。
複数の波長のレーザ光を発するレーザ光源101からの照明光(励起光)は、XYスキャナ104及び全反射ミラー105を経由した後、対物レンズ系106によって試料107内の焦点位置に集光される。試料107からの反射光(蛍光)は、対物レンズ系106及び全反射ミラー105を経由した後、XYスキャナ104とレーザ光源101との間に設けられたダイクロイックミラー103によって分光反射され、共焦点光学系109を通って光検出系110により受光される。ここで、共焦点光学系109の共焦点効果により、焦点位置からの反射光のみが光検出系110へ入射する。入射した光は光検出系110で光電変換され、輝度情報としてコンピュータ112へ送られる。
XYスキャナ104は、レーザ光源101からの照明光の光束をX方向に振るXガルバノミラーと、その光束をX方向に対して垂直なY方向に振るYガルバノミラーとを有して構成されており、試料107内の集光位置を光軸に対して互いに垂直であるX方向及びY方向へ走査させることができる。
Zステージ108は載置された試料107を保持しながら光軸方向に移動させるZステージであり、光軸方向へ試料107を移動させることにより、試料107内の焦点位置を光軸方向であるZ方向へ移動させることができる。
コンピュータ112は、XYスキャナ104による照明光の試料107内での走査に応じて光検出系110から出力される輝度情報に基づいて、試料107についての走査画像を構築する。構築された走査画像は表示部113に表示させることによって視認することができる。
制御部111はコンピュータ112の指示に基いて、レーザ光源101の波長の切換え、およびXYスキャナ104、Zステージ108の動作を制御する。
次に、上述した構成からなる共焦点顕微鏡において、収差の測定値を求めるための積層画像を撮像する動作を説明する。試料107として前述の、図2のピンホール22に相当する部分の金属膜21だけを残し、それ以外の金属膜21を除去した標本を設置する。
操作者は、XYスキャナ104の走査により取得された画像を表示部113でモニターしながら、Zステージ108による合焦を行う。次に、コンピュータ112内部のCPUによる撮像プログラムの実行を開始する。なお、撮像プログラムは、コンピュータ112内部に記録されている制御プログラムの一部であり、自動的に複数の波長の積層画像を撮像するための制御を行うプログラムである。この撮像プログラムによる手順を図3を参照しながら説明する。なお、複数の波長とは、複数の波長のレーザ光を発するレーザ光源101の波長である。
図3において、まずS1では、Zステージ108を合焦位置(前記の合焦後の位置)から撮像範囲の下端に移動する。Z方向の撮像範囲は、対物レンズ系106の像面湾曲や縦方向の色収差の範囲を含むように、焦点深度の数倍程度に設定しておくのが望ましい。
S2では、レーザ光源101の波長を切り換えて、複数の波長の中で未だ現在のZ軸ステージ位置での当該S2及び後述のS3を行っていない1つの波長へ切り換える。
S3では、XYスキャナ104の走査により試料107の画像を撮像し、コンピュータ112内部の記録媒体に記録する。
S4では、現在のZステージ108位置において複数の波長の全てに対して上記のS2乃至S3を行ったか否か(波長本数に達したか否か)を判定する。ここで、その判定結果がYESの場合にはS5へ進み、NOの場合にはS2へ戻る。このように、S4がYESになるまでS2乃至S3が繰り返されることにより、現在のZステージ108位置における複数の波長のそれぞれについての画像ファイルがコンピュータ112に記録される。
S5では、コンピュータ112に転送、記録された各波長の画像ファイル数が、Z方向の撮像範囲をカバーする積層枚数に達したか否かを判定する。ここで、その判定結果がYESの場合には撮像プログラムによる撮像を終了し、NOの場合にはS6へ進む。
S6では、Zステージ108を上へ1ステップ移動する。この移動量は、評価される対物レンズ系106の焦点深度の1/5〜1/10程度が望ましい。S6の後は、S2へ戻る。
このように、S5がYESになるまでS2乃至S4及びS6が繰り返されることにより、Z方向の撮像範囲をカバーする積層枚数分の波長毎の画像ファイルが、コンピュータ112内部に記録される。
以上のように撮像した積層画像から、共焦点顕微鏡の横倍率、歪曲収差、像面湾曲および色収差の評価値を算出する手順は第1実施例と同様なので省略する。
続いて、画像の補正を行う一般の試料を撮像する。複数の波長による撮像の手順は上記図3と同様である。Z方向の撮像範囲は、試料の厚さ方向の距離に合わせて設定する。このようにして撮像した一般の試料の積層画像を以下、「原画像」と呼ぶ。
次に、上記収差の測定値に基いて、原画像の歪みあるいは色ずれを補正する手順を説明する。一例としてここでは、原画像の積層画像のXY方向の各画像(以下、「枚葉画像」と呼ぶ)の横倍率、歪曲収差および横色収差を補正する手順を、図12〜14を参照して説明する。図12は、物体側と像側のX,Y座標の対応を示す説明図である。図13は、画像の補正に用いる補間法の説明図である。図14は、画像の補正に係るフローチャートである。
図14において、まずS31では、補正後の画像(以下、「補正画像」と呼ぶ)の各画素(以下「物点」と呼ぶ)のX,Y座標を決める。補正画像の画素間隔は、原画像のサンプリング間隔を物体(試料)側に換算した値の等間隔にするのが一般的である。ただし、用途によってはそれよりも大きくあるいは小さくしてもよい。補正画像201の各画素(物点)の座標値203は、図12のような格子配列である。
S32では、補正画像の最初の物点に対応する像点の座標を求める。それは収差の評価手段で既に求められている、原画像を撮像した第1の波長の横方向の結像式(式(12))に物点の座標値を代入して得られる。図12のように、補正画像201の物点の座標値203は、原画像202の像点の座標値204に変換される。
S33では、最初の枚葉画像において、像点の座標値204に最近接して取り囲む、原画像の4つの画素を求める。それら補間元の画素302〜305と像点の座標値301の位置関係は図13のようになる。
S34では、補間元の画素302〜305の輝度値Ii,j〜Ii+1,j+1を1次補間して像点の座標値301における輝度値Iを求める。この1次補間は式(21)で表される。
ただし、i,jは原画像のX,Y方向の画素番号、dx,dyは原画像のX,Y方向のサンプリング間隔、px,pyは補間元の第1の画素302と像点301のX,Y座標の差である。この補間輝度値を、補正画像の物点の輝度値として保存する。
S35では、現在の枚葉画像の補正画像において、複数の物点の全てに対して上記のS32〜S34を行ったか否かを判定する。ここで、その判定結果がYESの場合にはS36へ進み、NOの場合にはS32へ戻る。このように、S35がYESになるまでS32〜S34が繰り返されることにより、現在の枚葉画像の補正画像が完成する。
S36では、現在の波長の積層画像の各枚葉画像の全てに対して上記のS32〜S35を行ったか否かを判定する。ここで、その判定結果がYESの場合にはS37へ進み、NOの場合にはS32へ戻る。このように、S36がYESになるまでS32〜S35が繰り返されることにより、現在の波長の積層画像の補正画像が完成する。
S37では、複数の波長の全てに対して上記のS32〜S36を行ったか否かを判定する。ここで、その判定結果がYESの場合には画像の補正を終了する。NOの場合にはS32へ戻る。このように、S37がYESになるまでS32〜S36が繰り返されることにより、全ての波長の積層画像の補正画像が完成する。
本実施例によれば、倍率の色収差(波長による横倍率の差)と横色収差による横ずれの除去された補正画像が得られる。そのため、複数の波長で測定された各画像を位置ずれ無しに重ね描きできるようになる。また、横倍率の誤差と歪曲収差が除去された、物体の正確なX,Y座標に対応した補正画像が得られる。そのため、補正画像上から正確な距離情報等を取得できるようになる。
また本実施例によれば、レーザ光源101から光検出系110に至るすべての光学素子から総合された、画像の歪みへの影響を評価し、補正することができる。
本実施例では、原画像のX,Y座標を補正する方法を説明したが、同様の手順でZ方向の補正も可能である。Z方向のみを補正する場合は、縦方向の結像式(式(18))で物点に対応する像点のZ座標を求め、それをZ方向で挟む原画像の2つの画素の輝度値を1次補間して、補正画像の輝度値を求めればよい。それにより、像面湾曲と縦色収差の除去された補正画像を取得できる。そのため、複数の波長で測定された各画像を深さ方向の位置ずれ無しに重ね描きできるようになる。
同様の手順で、X,Y,Z方向について同時に補正することも可能である。この場合、物点に対応する像点のX,Y,Z座標を縦/横方向の各結像式から求める。その像点を最近接して取り囲む、原画像の8つの画素の輝度値を1次補間して、補正画像の輝度値を求めればよい。式(21)を3次元の1次補間に拡張するのは容易である。
本実施例では、試料の内部を1つの集光点で走査する共焦点顕微鏡を説明した。しかし、ニッポウディスクなどを用いた、複数の集光点で同時走査する共焦点顕微鏡にも適用できる。
なお、蛍光共焦点顕微鏡における励起光と蛍光の波長は若干異なる。本実施例では励起光の波長のみで評価したが、点光源列の試料107として平面上に配置した複数の蛍光ビーズ試料を採用すると、励起光と蛍光の波長差も含めた、さらに正確な評価が可能になる。
あるいは、第1実施例のような透過照明とピンホール列標本で点光源列を形成してもよい。この場合、レーザ光源と異なり、任意の評価波長を設定できるので、蛍光の波長、あるいは励起光と蛍光の中間の波長で収差を評価し、それを元に画像を補正できるようになる。
本実施例では、試料の原画像から補正画像を求める際の補間方法として、最近接画素からの1次補間を採用した。しかし、補間方法はこれに限られるものではない。さらに多くの原画像の画素を用いる、あるいは別の補間式を用いるような方法で補正画像の輝度値を求めてもよい。
本実施例では、原画像の一部あるいは全体に対応する補正画像を求めた。しかし、画像計測などの用途においては必ずしも必要ではない。例えば、原画像上の2点間の距離を求める場合、縦/横方向の結像式を用いてその2つの像点に対応する物点の座標を求めてから距離を計算すればよい。
なお、共焦点顕微鏡でない広視野顕微鏡の画像も、本発明による収差の評価値を元に補正することができる。例えば、白色照明による、赤緑青(RGB)の3色の色画像の撮像においては、3色の代表的な波長あるいは3色の各カラーフィルターを通した波長帯によって、収差の評価値を測定すればよい。その評価値によって各色の画像を補正してから再合成することにより、画像の色ずれ、歪みなどを除去することができる。
以上、第1及び第2の実施形態に係るレンズ評価装置を説明したが、各実施形態に係るレンズ評価装置は、顕微鏡以外の光学系や光学素子にも適用できる。ただし、評価対象となる光学系の視野の大きさや分解能によって、適切な複数の点光源を用意する必要がある。積層画像を撮像するための移動手段のステップ移動量や移動範囲も同様である。それらに必要な要件は、これまでの説明によって既に明らかである。積層画像から横/縦方向の結像式および色収差の表式を算出するアルゴリズムは、顕微鏡光学系の実施例と同様のものを適用できる。それに基いた画像の補正も同様に適用できる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良及び変更を行っても良いのはもちろんである。
第1の実施形態に係るレンズ評価装置の側面図および制御系のブロック図である。 ピンホール列標本の説明図である。 積層画像の撮像に係るフローチャートである。 収差の算出に係るフローチャートである。 像位置の算出に係るフローチャートである。 像位置の算出の説明図である。 横方向の色収差の説明図である。 レンズ評価装置の回転部の作用の説明図である。 従来の評価装置の説明図である。 物点位置の算出の説明図である。 第2の実施形態のレンズ評価装置に係る、蛍光共焦点顕微鏡の側面図および制御系のブロック図である。 物体側と像側のX,Y座標の対応を示す説明図である。 画像の補正に用いる補間法の説明図である。 画像の補正に係るフローチャートである。
符号の説明
1 光源
2 光ファイバ
3 光強度均一化部
4 試料
5 Z軸ステージ
6 XYステージ
7 対物レンズ
8 回転部
9 結像レンズ
10 撮像素子
11 鏡筒
12 上下移動ステージ
13 鏡基
14 コンピュータ
21 金属膜
22 ピンホール
26 積層画像
27 横断面
28 枚葉画像
29 最大強度位置
31 基準波長の像位置
32 評価波長の像位置
33 横色収差の中心
34 横ズレ量
35 X成分の横ズレ量
36 Y成分の横ズレ量
41 軌跡を示す円
42 軌跡を示す円の中心
43 視野の中心
44 軌跡を示す円の中心位置と視野の中心位置との差
45 軌跡を示す円の半径
51 ピンホール
52 光学系
53 空中像
54 拡大光学系
55 撮像素子
61 ピンホール列標本
101 レーザ光源
103 ダイクロイックミラー
104 XYスキャナ
105 全反射ミラー
106 対物レンズ系
107 試料
108 Zステージ
109 共焦点光学系
110 光検出系
111 制御部
112 コンピュータ
113 表示部
201 補正画像
202 原画像
203 補正画像の画素の座標
204 原画像の像点の座標
301 像点の座標
302、303、304、305 補正元の画素

Claims (52)

  1. 平面上に配置された複数の点光源と、
    像を撮像し画像を取得する撮像手段と、
    前記点光源あるいは前記撮像手段と、評価対象となる光学系との相対距離を変化させる移動手段と、
    前記移動手段が前記相対距離を変化させるごとに前記撮像手段が前記光学系を介した前記複数の点光源の像を撮像することによって取得される積層画像が記録される記録媒体と、
    前記記録媒体に記録された前記積層画像内の複数の点光源像から複数の像位置を算出する像位置算出手段と、
    前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置に収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する収差取得手段と、
    を有することを特徴とするレンズ評価装置。
  2. 前記複数の点光源は、出射する光の波長を選択切換可能に構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  3. 前記複数の点光源は、
    前記評価対象となる光学系の分解能と同等あるいは同等以下の直径のピンホールと、
    前記ピンホールを透過照明する照明手段と、
    を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  4. 前記複数の点光源は、
    前記評価される光学系の分解能と同等あるいは同等以下の直径の反射鏡と、
    前記反射鏡を落射照明する照明手段と、
    を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  5. 前記複数の点光源は、平面上に2次元の周期格子状に配列している、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  6. 前記撮像手段は、2次元の撮像素子からなる、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  7. 前記評価される光学系と、像を撮像し画像を取得する撮像手段は、1つあるいは複数の集光点を走査する共焦点光学機器である、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  8. 前記像位置算出手段は、
    前記積層画像内の1つの点光源像から像位置を求めるためのモデル関数フィット範囲を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定されたモデル関数フィット範囲内の積層画像の中の各枚葉画像に2次元の強度分布モデル関数をフィットする第1のフィット手段と、
    前記第1のフィット手段により前記各枚葉画像にフィットされた前記2次元の強度分布モデル関数の最大値と当該最大値の平面内座標とを算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された前記各枚葉画像の前記平面内座標に第1の曲線モデル関数をフィットする第2のフィット手段と、
    前記算出手段により算出された前記各枚葉画像の前記最大値に第2の曲線モデル関数をフィットする第3のフィット手段と、
    前記第3のフィット手段によりフィットされた前記第2の曲線モデル関数の最大値の座標を求める座標演算手段と、
    前記座標演算手段により求められた前記最大値の座標を、前記第2のフィット手段によりフィットされた前記第1の曲線モデル関数に代入して関数値を取得する関数値取得手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  9. 前記2次元の強度分布モデル関数は、2次元のガウシアン分布関数である、
    ことを特徴とする請求項8記載のレンズ評価装置。
  10. 前記像位置算出手段は、
    前記積層画像内の1つの点光源像から像位置を求めるためのモデル関数フィット範囲を設定する設定手段と、
    前記設定手段により設定されたモデル関数フィット範囲内の積層画像の中の各枚葉画像から、当該各枚葉画像の最大強度値と当該最大強度値の平面内座標とを求める第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段により求められた前記各枚葉画像の前記平面内座標に第1の曲線モデル関数をフィットする第1のフィット手段と、
    前記第1の演算手段により求められた前記各枚葉画像の前記最大強度値に第2の曲線モデル関数をフィットする第2のフィット手段と、
    前記第2のフィット手段によりフィットされた前記第2の曲線モデル関数の最大値の座標を求める第2の演算手段と、
    前記第2の演算手段により求められた前記最大値の座標を、前記第1のフィット手段によりフィットされた前記第1の曲線モデル関数に代入して関数値を取得する関数値取得手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  11. 前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置を、前記各枚葉画像の前記平面内座標にフィットされた前記第1の曲線モデル関数の平均に基づいて修正する像位置修正手段を更に含み、
    前記収差取得手段は、前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置に代えて前記像位置修正手段により修正された前記複数の像位置に前記収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項8又は10記載のレンズ評価装置。
  12. 前記像位置算出手段は、前記積層画像内の1つの点光源像から最大強度のデータ点の座標を求める座標演算手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  13. 前記像位置算出手段は、前記積層画像内の1つの点光源像から強度の重心の座標を求める座標演算手段を含む、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  14. 前記平面上に配置された複数の点光源の位置座標が予め測定されている、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  15. 前記2次元の周期格子状に配列している複数の点光源像から、前記像位置算出手段により算出された前記複数の像位置に、格子点の指数p,qを含む独立変数で規定される平面のモデル関数をフィットして、点光源の設置位置に係る回転の角度と平行移動量を取得する点光源位置取得手段を含む、
    ことを特徴とする請求項5記載のレンズ評価装置。
  16. 前記点光源の設置位置に係る回転の角度と平行移動量より、2次元の周期格子状に配列している複数の各点光源の位置座標を算出する点光源位置算出手段を含む、
    ことを特徴とする請求項15記載のレンズ評価装置。
  17. 前記収差取得手段は、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の像位置に、横倍率を含む横方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項14又は16記載のレンズ評価装置。
  18. 前記収差取得手段は、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の横方向の像位置に、横倍率と歪曲収差係数を含む横方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項14又は16記載のレンズ評価装置。
  19. 前記像位置算出手段は、前記複数の点光源を合焦状態で前記撮像手段により撮像した1枚の点光源像から複数の横方向の像位置を算出する、
    ことを特徴とする請求項17又は18記載のレンズ評価装置。
  20. 前記収差取得手段は、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の縦方向の像位置に、像面湾曲の係数を含む縦方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  21. 前記移動手段が前記距離を変化させるごとに、前記複数の点光源の波長を切換えて前記撮像手段が波長ごとの前記複数の点光源の像を撮像することによって取得される、波長が異なる複数の積層画像が前記記録媒体に記録される、
    ことを特徴とする請求項2記載のレンズ評価装置。
  22. 前記記録媒体に記録された第1の波長に係る積層画像と第2の波長に係る積層画像から前記像位置算出手段により算出された、前記第1の波長に係る複数の像位置と前記第2の波長に係る複数の像位置との間で、像位置の差分を求める差分演算手段と、
    前記差分演算手段により求められた複数の差分に色収差のモデル関数をフィットして色収差の測定値を取得する色収差取得手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項21記載のレンズ評価装置。
  23. 前記評価対象となる光学系の一部分を当該一部分の光軸を中心に回転させる回転手段と、
    前記回転手段による前記光学系の一部分の複数の回転位置において取得された収差の測定値に基づいて、前記光学系の一部分と当該一部分以外の部分との測定値の成分を分離する測定値成分分離手段と、
    を更に有することを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  24. 前記評価対象となる光学系は顕微鏡光学系を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載のレンズ評価装置。
  25. 前記光学系の一部分は、顕微鏡光学系の対物レンズである、
    ことを特徴とする請求項23記載のレンズ評価装置。
  26. 物体の画像を撮像する光学機器において、
    請求項1乃至25の何れか一項に記載のレンズ評価装置が搭載され、取得された収差の測定値に基いて前記画像の歪みあるいは色ずれを補正する画像補正手段、
    を有することを特徴とする光学機器。
  27. 平面上に配置された複数の点光源あるいは撮像手段と、評価対象となる光学系との相対距離を変化させるごとに前記撮像手段が前記光学系を介して前記複数の点光源の像を撮像して積層画像を取得し、
    取得した前記積層画像内の複数の点光源像から複数の像位置を算出し、
    算出した前記複数の像位置に収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する、
    ことを特徴とするレンズ評価方法。
  28. 前記複数の点光源は、出射する光の波長を選択切換可能に構成されている、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  29. 前記複数の点光源は、
    前記評価対象となる光学系の分解能と同等あるいは同等以下の直径のピンホールと、
    前記ピンホールを透過照明する照明手段と、
    を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  30. 前記複数の点光源は、
    前記評価される光学系の分解能と同等あるいは同等以下の直径の反射鏡と、
    前記反射鏡を落射照明する照明手段と、
    を含んで構成されている、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  31. 前記複数の点光源は、平面上に2次元の周期格子状に配列している、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  32. 前記撮像手段は、2次元の撮像素子からなる、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  33. 前記評価される光学系と、像を撮像し画像を取得する撮像手段は、1つあるいは複数の集光点を走査する共焦点光学機器である、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  34. 前記像位置の算出では、
    前記積層画像内の1つの点光源像から像位置を求めるためのモデル関数フィット範囲を設定し、
    設定したモデル関数フィット範囲内の積層画像の中の各枚葉画像に2次元の強度分布モデル関数をフィットし、
    前記各枚葉画像にフィットした前記2次元の強度分布モデル関数の最大値と当該最大値の平面内座標とを算出し、
    算出した前記各枚葉画像の前記平面内座標に第1の曲線モデル関数をフィットし、
    算出した前記各枚葉画像の前記最大値に第2の曲線モデル関数をフィットし、
    フィットした前記第2の曲線モデル関数の最大値の座標を求め、
    求めた前記最大値の座標を、前記各枚葉画像の前記平面内座標にフィットした前記第1の曲線モデル関数に代入して関数値を取得する、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  35. 前記2次元の強度分布モデル関数は、2次元のガウシアン分布関数である、
    ことを特徴とする請求項34記載のレンズ評価方法。
  36. 前記像位置の算出では、
    前記積層画像内の1つの点光源像から像位置を求めるためのモデル関数フィット範囲を設定し、
    設定したモデル関数フィット範囲内の積層画像の中の各枚葉画像から、当該各枚葉画像の最大強度値と当該最大強度値の平面内座標とを求め、
    求めた前記各枚葉画像の前記平面内座標に第1の曲線モデル関数をフィットし、
    求めた前記各枚葉画像の前記最大強度値に第2の曲線モデル関数をフィットし、
    フィットした前記第2の曲線モデル関数の最大値の座標を求め、
    求めた前記最大値の座標を、前記各枚葉画像の前記平面内座標にフィットした前記第1の曲線モデル関数に代入して関数値を取得する、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  37. 更に、
    算出した前記複数の像位置を、前記各枚葉画像の前記平面内座標にフィットした前記第1の曲線モデル関数の平均に基づいて修正し、
    前記収差の測定値の取得では、算出した前記複数の像位置に代えて、修正した前記複数の像位置に前記収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項34又は36記載のレンズ評価方法。
  38. 前記像位置の算出では、前記積層画像内の複数の点光源像から各点光源像の最大強度のデータ点の座標を求める、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  39. 前記像位置の算出では、前記積層画像内の複数の点光源像から各点光源像の強度の重心の座標を求める、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  40. 前記平面上に配置された複数の点光源の位置座標が予め測定されている、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  41. 更に、
    前記2次元の周期格子状に配列している複数の点光源像から、前記像位置の算出により算出された前記複数の像位置に、格子点の指数p,qを含む独立変数で規定される平面のモデル関数をフィットして、点光源の設置位置に係る回転の角度と平行移動量を取得する、
    ことを特徴とする請求項31記載のレンズ評価方法。
  42. 更に、
    前記点光源の設置位置に係る回転の角度と平行移動量より、2次元の周期格子状に配列している複数の各点光源の位置座標を算出する、
    ことを特徴とする請求項41記載のレンズ評価方法。
  43. 前記収差の測定値の取得では、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の像位置に、横倍率を含む横方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項40又は42記載のレンズ評価方法。
  44. 前記収差の測定値の取得では、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の横方向の像位置に、横倍率と歪曲収差係数を含む横方向の結像のモデル関数をフィットして測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項40又は42記載のレンズ評価方法。
  45. 前記像位置の算出では、前記複数の点光源を合焦状態で前記撮像手段により撮像した1枚の点光源像から複数の横方向の像位置を算出する、
    ことを特徴とする請求項43又は44記載のレンズ評価方法。
  46. 前記収差の測定値の取得では、前記複数の点光源の位置と、前記複数の点光源像から算出された複数の縦方向の像位置に、像面湾曲の係数を含む縦方向の結像モデル関数をフィットして測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  47. 前記積層画像の取得では、前記距離を変化させるごとに、前記複数の点光源の波長を切換えて前記撮像手段が波長ごとの前記複数の点光源の像を撮像して、波長が異なる複数の積層画像を取得する、
    ことを特徴とする請求項28記載のレンズ評価方法。
  48. 更に、
    取得した第1の波長に係る積層画像と第2の波長に係る積層画像から算出した、前記第1の波長に係る複数の像位置と前記第2の波長に係る複数の像位置との間で、像位置の差分を求め、
    求めた複数の差分に色収差のモデル関数をフィットして色収差の測定値を取得する、
    ことを特徴とする請求項47記載のレンズ評価方法。
  49. 更に、
    前記評価対象となる光学系の一部分の当該光軸を中心とする複数の回転位置において取得した収差の測定値に基づいて、前記光学系の一部分と当該一部分以外の部分との測定値の成分を分離する、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  50. 前記評価対象となる光学系は顕微鏡光学系を有する、
    ことを特徴とする請求項27記載のレンズ評価方法。
  51. 前記光学系の一部は、顕微鏡光学系の対物レンズである、
    ことを特徴とする、請求項49記載のレンズ評価方法。
  52. レンズ評価装置のコンピュータに、
    平面上に配置された複数の点光源あるいは撮像手段と、評価対象となる光学系との相対距離を変化させるごとに前記撮像手段が前記光学系を介した前記複数の点光源の像を撮像して積層画像を取得する積層画像取得手順と、
    前記積層画像取得手順により取得された前記積層画像内の複数の点光源像から複数の像位置を算出する像位置算出手順と、
    前記像位置算出手順により算出された前記複数の像位置に収差のモデル関数をフィットして収差の測定値を取得する収差測定値取得手順と、
    を実行させるためのレンズ評価プログラム。
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