JP2007162656A - 多段圧縮式ロータリコンプレッサ - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力の圧力逆転を解消し、安定した運転を実現することができる多段圧縮式ロータリコンプレッサを提供する。
【解決手段】中間圧の領域と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の領域とを連通する連通路100と、この連通路100を開閉する弁装置107とを備え、第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧を上ベーン50の背圧として印加すると共に、弁装置107は、中間圧が所定の上限値となった場合、或いは、第2の回転圧縮要素34の冷媒吐出側の圧力と中間圧の圧力差が所定値となった場合、連通路100を開放する。
【選択図】図6

Description

本発明は、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサに関するものである。
従来この種多段圧縮式ロータリコンプレッサ、例えば、内部中間圧型の多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の吸入ポートから冷媒ガスがシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて中間圧となりシリンダの高圧室側より吐出ポート、吐出消音室を経て密閉容器内に吐出される。そして、この密閉容器内の中間圧の冷媒は第2の回転圧縮要素の吸込ポートからシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側より吐出ポート、吐出消音室を経て吐出される構成とされている。
上記各ベーンはシリンダの半径方向に設けられた案内溝内に移動自在に挿入されており、各ベーンの後側には背圧室(収納部)が構成されている。第1の回転圧縮要素の背圧室には、密閉容器内の中間圧が印加され、第2の回転圧縮要素の背圧室には第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力である高圧が印加されている。そして、第1の回転圧縮要素のベーンは、当該ベーンの後側の背圧室に設けられたスプリングと、背圧室に印加された中間圧により、ローラ側に付勢され、第2の回転圧縮要素のベーンは、当該ベーンの後側の背圧室に設けられたスプリングと、背圧室に印加された高圧によりローラ側に付勢されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−172280号公報
ところで、このような多段圧縮式ロータリコンプレッサでは、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が逆転する、所謂圧力逆転現象が生じる問題が発生していた。当該圧力の逆転現象は、ロータリコンプレッサの軽負荷時において、第1の回転圧縮要素における圧縮仕事のみで充分に冷媒を圧縮できる状況下に生じる恐れがある。この場合、第2の回転圧縮要素では実質的に圧縮仕事が成されないので、第1の回転圧縮要素から吐出された冷媒が第2の回転圧縮要素の吐出側に流れるまでの過程で、流通抵抗等により圧力低下するため、第2の回転圧縮要素の吐出側圧力が第1の回転圧縮要素の吐出側圧力より低くなる。
また、高外気温時において、冷媒の蒸発温度が上昇すると、第1の回転圧縮要素の吸入圧力が上昇するため、これにより、第1の回転圧縮要素の吐出圧力も上昇することとなる。一方、第2の回転圧縮要素の吐出圧力(高圧)は、回転数等により予め設定された圧力より上昇しないように規制されているため、このように第1の回転圧縮要素の吐出圧力である中間圧が上昇すると、中間圧と高圧との圧力が逆転する圧力逆転が生じる場合もある。
このように、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が逆転すると、第2の回転圧縮要素のシリンダ内の圧力がベーンの背圧として印加されている第2の回転圧縮要素の吐出圧力より上昇するため、ベーンがローラ側に付勢される付勢力が無くなって、第2の回転圧縮要素のベーン飛びが発生すると共に、第2の回転圧縮要素の運転も不安定となる問題が生じていた。
更に、上述の如く圧力の逆転現象が無い場合であっても、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力が略同一となると、ベーンがローラ側に付勢される付勢力が小さくなるので、運転状況(過渡時等)によりベーン飛びが発生してしまうこともあった。
本発明は係る従来技術の課題を解決するために成されたものであり、第1の回転圧縮要素の吐出圧力と第2の回転圧縮要素の吐出圧力の圧力逆転を解消し、安定した運転を実現することができる多段圧縮式ロータリコンプレッサを提供することを目的とする。
請求項1の発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第2の回転圧縮要素は、シリンダと駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接して低圧室側と高圧室側とを区画するベーンから構成されて、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力をベーンの背圧として印加すると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出するものであって、中間圧の領域と第1の回転圧縮要素の吸入圧力である低圧の領域、或いは、中間圧に達する以前の領域とを連通する連通路と、この連通路を開閉する弁装置とを備え、この弁装置は、中間圧が所定の上限値となった場合、又は、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力と中間圧の圧力差が所定値となった場合、連通路を開放することを特徴とする。
請求項2の発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサは、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第2の回転圧縮要素は、シリンダと、駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンから構成され、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力をベーンの背圧として印加すると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出するものであって、第1の回転圧縮要素の吐出消音室内と当該第1の回転圧縮要素の吸入工程領域、或いは、第1の回転圧縮要素の吐出圧力に達する以前の領域とを連通する連通路と、一方の面に第1の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が印加されると共に、他方の面に第2の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が印加されて連通路を開閉する弁装置とを備え、弁装置は、一方の面に印加される第1の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が所定の上限値となった場合、連通路を開放することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第2の回転圧縮要素は、シリンダと駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接して低圧室側と高圧室側とを区画するベーンから構成されて、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力をベーンの背圧として印加すると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、中間圧の領域と第1の回転圧縮要素の吸入圧力である低圧の領域、或いは、中間圧に達する以前の領域とを連通する連通路と、この連通路を開閉する弁装置とを備え、この弁装置は、中間圧が所定の上限値となった場合、連通路を開放するので、例えば、弁装置は、中間圧が第2の回転圧縮要素34のから吐出される圧力である高圧以上となった場合、或いは、当該高圧に達する以前の所定の上限値となった場合、又は、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力と中間圧の圧力差が所定値となった場合、連通路を開放するものとすれば、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の低圧の領域に逃がすことができるようになる。
これにより、中間圧を常に第2の回転圧縮要素の吐出圧力である高圧以下、或いは、高圧より低い圧力とすることができるので、中間圧と高圧の圧力逆転を解消することができる。従って、第2の回転圧縮要素のベーン飛び及び不安定な運転状況を早期に解消、或いは、未然に回避することが可能となる。
また、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の低圧の領域に逃がすことで、その分、第1の回転圧縮要素への吸い入み冷媒量が減少するので、軽負荷時におけるパワーセーブ効果も得ることができる。
これにより、第2の回転圧縮要素が不安定な運転状況に陥る不都合を解消して、多段圧縮式ロータリコンプレッサの安定した運転を実現することができるようになる。
請求項2の発明によれば、密閉容器内に駆動要素と、この駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、第2の回転圧縮要素は、シリンダと、駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されてシリンダ内で偏心回転するローラと、このローラに当接してシリンダ内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンから構成され、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力をベーンの背圧として印加すると共に、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、第1の回転圧縮要素の吐出消音室内と当該第1の回転圧縮要素の吸入工程領域、或いは、第1の回転圧縮要素32の吐出圧力に達する以前の領域とを連通する連通路と、一方の面に第1の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が印加されると共に、他方の面に第2の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が印加されて連通路を開閉する弁装置とを備え、弁装置は、一方の面に印加される第1の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が所定の上限値となった場合、連通路を開放するので、例えば、弁装置は、一方の面に印加される第1の回転圧縮要素の吐出圧力が他方の面に印加される第2の回転圧縮要素の吐出消音室の圧力以上となった場合、或いは、当該圧力に達する以前の所定の上限値となった場合、連通路を開放するものとすれば、第1の回転圧縮要素で圧縮され吐出消音室に吐出された冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の吸入工程領域に逃がすことができるようになる。
これにより、第1の回転圧縮要素の吐出消音室に吐出された冷媒ガスを常に第2の回転圧縮要素の吐出消音室に吐出された冷媒ガスの圧力以下、或いは、当該冷媒ガスの圧力より低い圧力とすることができるので、第1の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスと第2の回転圧縮要素で圧縮された冷媒ガスの圧力逆転を解消することができる。従って、第2の回転圧縮要素のベーン飛び及び不安定な運転状況を早期に解消、或いは、未然に回避することが可能となる。
また、第1の回転圧縮要素で圧縮され吐出消音室に吐出された冷媒ガスを第1の回転圧縮要素の吸入工程領域に逃がすことで、その分、第1の回転圧縮要素への吸い入み冷媒量が減少するので、軽負荷時におけるパワーセーブ効果も得ることができる。
これにより、第2の回転圧縮要素が不安定な運転状況に陥る不都合を解消して、多段圧縮式ロータリコンプレッサの安定した運転を実現することができるようになる。
本発明は、第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、高圧と中間圧の圧力逆転により、第2の回転圧縮要素のベーン飛びが生じて、騒音を引き起こしたり、第2の回転圧縮要素が不安定な運転状況に陥る不都合を解消するために成されたものである。第2の回転圧縮要素におけるベーン飛びの発生と、不安定な運転状況を解消するという目的を中間圧の領域と第1の回転圧縮要素の吸入圧力である低圧の領域、或いは、中間圧に達する以前の領域とを連通する連通路と、この連通路を開閉する弁装置とを備え、弁装置により中間圧が所定の上限値となった場合、又は、第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力と中間圧の圧力差が所定値となった場合、連通路を開放することにより実現した。
以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の多段圧縮式ロータリコンプレッサの実施例として、第1及び第2の回転圧縮要素32、34を備えた内部中間圧型多段(2段)圧縮式ロータリコンプレッサ10の縦断側面図、図2は図1のロータリコンプレッサ10の回転軸16及び回転圧縮機構部18の縦断面図(図1の断面とは異なる断面)、図3は回転圧縮機構部18の第1の回転圧縮要素32の下シリンダ40の平面図、図4は回転圧縮機構部18の第2の回転圧縮要素34を構成する上シリンダ38の平面図、図5は第1の回転圧縮要素32の下部支持部材56の平面図をそれぞれ示している。各図において、実施例のロータリコンプレッサ10は第1の回転圧縮要素32で圧縮され、密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する内部中間圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサである。当該ロータリコンプレッサ10は、密閉容器12内に駆動要素としての電動要素14と、この電動要素14にて駆動される第1の回転圧縮要素32及び第2の回転圧縮要素34から成る回転圧縮機構部18により構成されている。
密閉容器12は底部をオイル溜めとして、電動要素14と回転圧縮機構部18を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成されており、且つ、このエンドキャップ12Bの上面には円形の取付孔12Dが形成され、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。
前記電動要素14は、密閉容器12の内周面に沿って環状に溶接固定されたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隔を設けて挿入設置されたロータ24とから構成されており、このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に固定される。
上記ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26の歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成されている。
また、前記回転圧縮機構部18は、第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34と、両回転圧縮要素32、34の間に挟持された中間仕切板36にて構成されている。本実施例では、第1の回転圧縮要素32は中間仕切板36の下側に、第2の回転圧縮要素34は中間仕切板36の上側にそれぞれ配置されている。第1の回転圧縮要素32は、中間仕切板36の下面に配置された下シリンダ40と、電動要素14の回転軸16に形成された偏心部44に嵌合されて、下シリンダ40内で偏心回転する下ローラ48と、この下ローラ48に当接して下シリンダ40内を低圧室側と高圧室側とに区画する下ベーン52と、下シリンダ40の下側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する下部支持部材56にて構成される。ここで、上記下シリンダ40内の低圧室側とは、下ベーン52と下ローラ48と下シリンダ40に囲まれた空間で、吸込ポート161が存在する領域であり、高圧室側とは、下ベーン52と下ローラ48と下シリンダ40に囲まれた空間で、吐出ポート41が存在する領域のことである。
そして、第2の回転圧縮要素34は中間仕切板36の上面に配置され、第2の回転圧縮要素34を構成するためのシリンダとしての上シリンダ38と、電動要素14の回転軸16に形成された偏心部42に嵌合されて上シリンダ38内で偏心回転するローラとしての上ローラ46と、この上ローラ46に当接して上シリンダ38内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンとしての上ベーン50と、上シリンダ38の上側の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する上部支持部材54にて構成されている。また、第1の回転圧縮要素32の偏心部44と第2の回転圧縮要素34の偏心部42とは各シリンダ38、49内を180度の位相差を有して設けられている。尚、上記上シリンダ38の低圧室側とは、上ベーン50と上ローラ46と上シリンダ38に囲まれた空間で、吸込ポート160が存在する領域であり、高圧室側とは、上ベーン50と上ローラ46と上シリンダ38に囲まれた空間で、吐出ポート39が存在する領域のことである。
上下シリンダ38、40内にはベーン50、52を収納する案内溝70、72が形成されており、各案内溝70、72の外側、即ち、ベーン50、52の背面側には、バネ部材としてのスプリング74、76を収納する収納部70A、72A(背圧室)が形成されている。このスプリング74、76はベーン50、52の背面側端部に当接し、常時ベーン50、52をローラ46、48側に付勢する。そして、収納部70Aは案内溝70側と密閉容器12(容器本体12A)側に開口しており、収納部70A、72Aに収納されたスプリング74、76の密閉容器12側には図示しないプラグが設けられ、スプリング74、76の抜け止めの役目を果たす。また、スプリング74のプラグの周面には当該プラグと収納部70Aの内面間をシールするために図示しないOリングが取り付けられており、密閉容器12内の圧力が当該収納部70A内に流入しないように構成されている。
また、収納部70Aは、図示しない連通路を介して後述する吐出消音室62と連通されており、当該収納部70Aには第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧(第2の回転圧縮要素34で圧縮され吐出消音室62に吐出された第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力)が加えられる。即ち、第2の回転圧縮要素34の上ベーン50には、背圧として第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力である高圧が印加されることになる。
一方、スプリング76のプラグの周面はシールされておらず、これにより、収納部72Aには密閉容器12内の中間圧(第1の回転圧縮要素32で圧縮されて密閉容器12内に吐出された圧力)が加えられる。即ち、第1の回転圧縮要素32の下ベーン52には、背圧として第1の回転圧縮要素32の吐出側圧力である中間圧が印加されることになる。
上部支持部材54、下部支持部材56には、吸込ポート160、161にて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する図示しない吸込通路が設けられている。また、上部支持部材54は、上シリンダ38と当接する面とは反対側の面(上面)の一部が凹陥されており、この凹陥部を壁としてのカバーによって閉塞することにより形成された前述した吐出消音室62が設けられている。即ち、吐出消音室62は当該吐出消音室62を画成する壁としての上部カバー66にて閉塞される。
吐出消音室62の下面には、吐出ポート39を開閉可能に閉塞する吐出弁127が設けられている。この吐出弁127は縦長略矩形状の金属板からなる弾性部材にて構成されており、この吐出弁127の上側には吐出弁抑え板としての図示しないバッカーバルブが配置され、上部支持部材54に取り付けられている。そして、吐出弁127の一側が吐出ポート39に当接して密閉すると共に、他側は吐出ポート39と所定の間隔を存して設けられた上部支持部材54の取付孔にカシメピン130により固着されている。
そして、上シリンダ38内で圧縮され、所定の圧力に達した冷媒ガスが、図2の下方から吐出ポート39を閉じている吐出弁127を押し上げて吐出ポート39を開き、吐出消音室62へ吐出させる。このとき、吐出弁127は他側を上部支持部材54に固着されているので吐出ポート39に当接している一側が反り上がり、吐出弁127の開き量を規制している図示しないバッカーバルブに当接する。冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁127がバッカーバルブから離れ、吐出ポート39を閉塞する。
一方、下部支持部材56に、下シリンダ40と当接する面とは反対側の面(下面)の一部が凹陥されており、この凹陥部を壁としてのカバーによって閉塞することにより形成された吐出消音室64が設けられている。即ち、吐出消音室64は当該吐出消音室64を画成する壁としての下部カバー68にて閉塞される。
また、吐出消音室64の上面には、吐出ポート40を開閉可能に閉塞する吐出弁128が設けられている。この吐出弁128は縦長略矩形状の金属板からなる弾性部材にて構成されており、この吐出弁128の下側には吐出弁抑え板としての図示しないバッカーバルブが配置され、下部支持部材56に取り付けられている。そして、吐出弁128の一側が吐出ポート41に当接して密閉すると共に、他側は吐出ポート41と所定の間隔を存して設けられた下部支持部材56の取付孔にカシメピン131により固着されている。
そして、下シリンダ40内で圧縮され、所定の圧力に達した冷媒ガスが、図2の上方から吐出ポート41を閉じている吐出弁128を押し下げて吐出ポート41を開き、吐出消音室64へ吐出させる。このとき、吐出弁128は他側を下部支持部材56に固着されているので吐出ポート41に当接している一側が反り返り、吐出弁128の開き量を規制している図示しないバッカーバルブに当接する。冷媒ガスの吐出が終了する時期になると、吐出弁128がバッカーバルブから離れ、吐出ポート41を閉塞する。
前記第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64と密閉容器12内とは下部支持部材56、下シリンダ40、中間仕切板36、上シリンダ38、上部支持部材54、上部カバー66を貫通する図示しない孔にて連通されており、ここから、第1の回転圧縮要素32で圧縮され吐出消音室64に吐出された中間圧の冷媒ガスが密閉容器12内に吐出される。
また、密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上部支持部材54、下部支持部材56の図示しない吸込通路、上部支持部材54の吸込通路とは反対側、ロータ24の下側(電動要素14の直下)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は上下に隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ141の略対角線上にある。
そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の吸込通路と連通する。この冷媒導入管92は密閉容器12の外側を通過してスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路と連通する。また、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒導入管96の一端は吐出消音室62と連通する。
他方、ロータリコンプレッサ10には、本発明の連通路100が形成されている。この連通路100は、中間圧の領域と第1の回転圧縮要素32の吸入圧力である低圧の領域とを連通する通路であり、本実施例の連通路100は、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64と第1の回転圧縮要素32の吸入工程領域とを連通している。ここで、上記中間圧の領域とは、第1の回転圧縮要素32の吐出弁128が開き始めるときの位置の下ローラ48と下ベーン52と下シリンダ40で囲まれた吐出ポート41が存在する第1の回転圧縮要素32の吐出工程領域(即ち、このときの第1の回転圧縮要素32の高圧室側)から、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64を経て、第2の回転圧縮要素34の吐出弁127が開き始めるときの位置の上ローラ46と上ベーン50と上シリンダ38で囲まれた吸込ポート160が存在する第2の回転圧縮要素34の吸入工程領域(即ち、このときの第2の回転圧縮要素34の低圧室側)までの領域である。
また、上記低圧の領域とは、第1の回転圧縮要素32の吐出弁128が開き始めるときの位置の下ローラ48と下ベーン52と下シリンダ40で囲まれた吸込ポート161が存在する第1の回転圧縮要素32の吸入工程領域(即ち、このときの第1の回転圧縮要素32の低圧室側)から、それよりも冷媒上流側の領域であり、ロータリコンプレッサ10単体で云えば、冷媒導入管94までの領域である。
更に、本実施例において高圧は、第2の回転圧縮要素34の吐出圧力であり、従って、高圧の領域とは、第2の回転圧縮要素34の吐出弁127が開き始めるときの位置の上ローラ46と上ベーン50と上シリンダ38で囲まれた吐出ポート39が存在する第2の回転圧縮要素34の吐出工程領域(即ち、このときの第2の回転圧縮要素34の高圧室側)から第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62を経て、それよりも冷媒下流側の領域であり、ロータリコンプレッサ10単体で云えば、冷媒吐出管96までの領域である。
一方、前記連通路100は、図6乃至図7に示しように第1の連通路103と、この第1の連通路103に連通して下シリンダ40内に形成された収納室102と、下シリンダ40内に水平方向に形成され、収納室102内と下シリンダ40内(即ち、下シリンダ40の圧縮室内)吸入工程領域とを連通する第2の連通路105とから構成されている。第1の連通路103は、収納室102と吐出消音室64とを連通する通路であり、下部支持部材56の軸心方向(上下方向)に形成されている。また、収納室102は、下シリンダ40内の軸心方向(上下方向)に貫通形成され、一端(下端)が第1の連通路103と連通し、他端が連通孔101と連通している。この連通孔101は、吐出消音室62の圧力を収納室102内に収納された後述する弁装置107の他面(上面)に印加するための圧力通路であり、上部支持部材54、上シリンダ38、中間仕切板36、下シリンダ40を貫通して構成されている。
上記収納室102内には前述した弁装置107が上下移動自在に収納されている。当該弁装置107は断面コの字状を呈して、前記連通孔101を開閉可能に閉塞する封止部107Aと、封止部107Aの一方の面(下面)に当接するバネ部材107Bとにより構成されている。また、本実施例のバネ部材107Bは弱バネにより構成されている。また、第2の連通路105は、収納室102と下シリンダ40の吸入工程領域とを連通する通路であり、本実施例では、収納室102と下シリンダ40の吸込ポート161からローラ48の回転方向に68.5°回転した位置と連通している。尚、本実施例の位置に限らず、第2の連通路105は、下シリンダ40の吸入工程領域、或いは、第1の回転圧縮要素32の吐出圧力に達する以前の領域(即ち、第1の回転圧縮要素32の吐出工程領域に達する前の領域)であれば下シリンダ40内のどの位置と連通させても良く、例えば、吸込ポート161と連通させるものとしても構わない(図3の破線)。また、ローラ48が下シリンダ40内(下シリンダ40の圧縮空間)から最も退去する上死点をローラ48の回転方向に180°回転するまでの範囲内に形成しても構わない。
そして、弁装置107の一方の面である下面(バネ部材107B側)には、下部支持部材56内の第1の連通路103を経て来た第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64内の中間圧(第1の回転圧縮要素32の吐出圧力)が印加される。また、弁装置107の他方の面である下面(封止部107A側)には、連通孔101を介して第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の高圧(第2の回転圧縮要素34の吐出圧力)が印加される。
そして、弁装置107は、第1の回転圧縮要素32の吐出圧力である中間圧が、所定の上限値となった場合、若しくは、第2の回転圧縮要素34の冷媒吐出側の圧力と上記中間圧の圧力差が所定値となった場合、例えば、第2の回転圧縮要素34の吐出圧力である高圧以上となった場合、或いは、当該高圧に達する以前の所定の圧力に成った場合、連通路100を開放するように構成されている。具体的に本実施例の弁装置107は、一方の面(バネ部材107B側)に印加される第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64内の圧力が、他方の面(封止部107A側)に印加される第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力以上となった場合、連通路100を開放するものとする。
即ち、一方の面(バネ部材107B側)に印加される第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64内の圧力が、他方の面(封止部107A側)に印加される第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力以上となると、当該第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64内の圧力により、弁装置107が押し上げられて、弁装置107(封止部107A)が収納室102の他端側に移動する(図6)。これにより、第1の連通路103と第2の連通路105とが連通されて、連通路100が開放され、吐出消音室64内に吐出された冷媒ガスが第1の連通路103、収納室102、第2の連通路105を介して下シリンダ40の吸入工程領域に流入することとなる。
このように、一方の面(バネ部材107B側)に印加される第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64内の圧力が、他方の面(封止部107A側)に印加される第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力以上となった場合、連通路100を開放することで、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、吐出消音室64内に吐出された中間圧の冷媒ガスを第1の回転圧縮要素32の下シリンダ40内の低圧の領域に逃がすことができるようになる。
以上の構成で次にロータリコンプレッサ10の動作を説明する。ターミナル20及び図示されない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けられた上下偏心部42、44に嵌合されて上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
これにより、冷媒導入管94及びシリンダ40に形成された図示しない吸込通路を経由して吸込ポート161から下シリンダ40の低圧室側に吸入された低圧の冷媒は、下ローラ48と下ベーン52の動作により圧縮され、中間圧に達すると、吐出ポート39を閉じている吐出弁128が押されて、吐出ポート41が開き、吐出消音室64内に中間圧の冷媒ガスが吐出される。
吐出消音室64内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、当該吐出消音室64から図示しない孔を経て密閉容器12内に吐出される。これによって、密閉容器12内は第1の回転圧縮要素32の吐出側圧力である中間圧となる。このとき、吐出消音室64内に吐出された冷媒の圧力が、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62内に吐出された高圧より低い場合には、図7に示すように弁装置107は、吐出消音室62に吐出された冷媒の高圧により押されて、弁装置107(封止部107A)が収納室102の一端側に位置する。従って、第1の連通路103と第2の連通路105とが連通されず、連通路100が閉塞された状態であるため、吐出消音室64に吐出された冷媒は全て、前記孔を経て密閉容器12内に吐出される。
密閉容器12内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て冷媒導入管92及びシリンダ38に形成された図示しない吸込通路を経由して吸込ポート160から上シリンダ38の低圧室側に吸入される。吸入された中間圧の冷媒ガスは、上ローラ46と上ベーン50の動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなる。これにより、吐出消音室62内に設けられた吐出弁127が開放され、吐出消音室62と吐出ポート39とが連通するため、上シリンダ38の高圧室側から吐出ポート39内を通り上部支持部材54に形成された吐出消音室62に吐出される。そして、吐出消音室62に吐出された高圧の冷媒ガスは、冷媒吐出管96を経てロータリコンプレッサ10の外部に吐出される。
他方、吐出消音室64内に吐出された冷媒の圧力が、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62内に吐出された高圧以上となると、図6に示すように弁装置107は第1の連通路103を介して印加される吐出消音室64内に吐出された第1の回転圧縮要素32の吐出圧力により押し上げられ、封止部107Aが収納室102の他端側に移動して、第1の連通路103と第2の連通路105とが収納室102を介して連通される。これにより、吐出消音室64内に吐出された冷媒が第1の連通路103、収納室102、第2の連通路105を介して下シリンダ40の吸入工程領域に流入する。そのため、第1の回転圧縮要素32で圧縮され、吐出消音室64内に吐出された中間圧の冷媒ガスの一部を第1の回転圧縮要素32の下シリンダ40内の低圧の領域に逃がすことができる。
これにより、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64に吐出された中間圧の冷媒ガスは第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62に吐出された冷媒ガスの圧力以下となる。そして、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64に吐出された中間圧の冷媒ガスの圧力が、第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62に吐出された冷媒ガスの圧力より低下すると、弁装置107(封止部107A)が図7に示すように収納室102の一端側に戻るので、連通路100が閉塞される。
このように、吐出消音室64内に吐出された冷媒の圧力が、第2の回転圧縮要素34で圧縮され、吐出消音室62内に吐出された高圧以上となると、上述の如く連通路100が開放されて、吐出消音室64内に吐出された冷媒ガスを第1の回転圧縮要素32の吸入工程領域に逃がすことができるので、第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64に吐出された冷媒ガスが第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62に吐出された冷媒ガスの圧力以下となり、第1の回転圧縮要素32で圧縮された冷媒ガスと第2の回転圧縮要素34で圧縮された冷媒ガスの圧力逆転を解消することができる。
これにより、第2の回転圧縮要素34の上ベーン50のベーン飛び及び不安定な運転状況を早期に解消することができるようになる。また、第1の回転圧縮要素32で圧縮され吐出消音室64に吐出された冷媒ガスを第1の回転圧縮要素32の吸入工程領域に逃がすことで、その分、第1の回転圧縮要素32への吸い入み冷媒量が減少するので、軽負荷時におけるパワーセーブ効果も得ることができる。
以上により、第2の回転圧縮要素34が不安定な運転状況に陥る不都合を解消して、多段圧縮式ロータリコンプレッサ10の安定した運転を実現することができるようになる。
尚、本実施例では弁装置107のバネ部材107Bを弱バネにて構成し、一方の面(バネ部材107B側)に印加される第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64内の圧力が、他方の面(封止部107A側)に印加される第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力以上となった場合、連通路100を開放するものとしたが、これに限らず、バネ部材107Bを通常のバネにて構成し、一方の面(バネ部材107B側)に印加される第1の回転圧縮要素32の吐出消音室64内の圧力が、所定の上限値となった場合、例えば、他方の面(封止部107A側)に印加される第2の回転圧縮要素34の吐出消音室62内の圧力に達する以前の予め設定された所定の上限値になった場合に、連通路100を連通するものとしても構わない。
この場合には、第1の回転圧縮要素34の吐出消音室64に吐出される冷媒ガスを第2の回転圧縮要素34の吐出消音室64に吐出される冷媒ガスの圧力より常に低い圧力とすることができるので、第2の回転圧縮要素34の上ベーン52の背圧を確保でき、即ち、上シリンダ38内の圧力を常時上ベーン52の収納部70Aの圧力以下とすることができるので、係る収納部70Aに印加される第2の回転圧縮要素34の吐出側圧力である高圧と、スプリング74の付勢力により、上ベーン52のベーン飛びが生じる不都合を未然に回避し、第2の回転圧縮要素34の安定した運転状況を確保することができる。
また、第2の回転圧縮要素34の吐出圧力と第1の回転圧縮要素32の吐出圧力との圧力差が所定値となった場合に、連通路100を連通するものとしても差し支えない。
更にまた、本実施例ではロータリコンプレッサ10として、内部中間圧型のロータリコンプレッサを使用するものとしたが、本発明はこれに限定されず、密閉容器12内が高圧となる内部高圧型多段圧縮式ロータリコンプレッサに適用した場合にも有効である。更に、実施例のロータリコンプレッサ10では2段圧縮式のロータリコンプレッサを用いて説明したが、3段、或いは、それ以上の回転圧縮要素を備えたロータリコンプレッサに本発明を適用しても差し支えない。
本発明を適用した一実施例の多段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断側面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの縦断面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの第1の回転圧縮要素のシリンダの平面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの第2の回転圧縮要素のシリンダの平面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサの第1の回転圧縮要素の下部支持部材の平面図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサに設けられた連通路が開放された状態を示す一部拡大図である。 図1の多段圧縮式ロータリコンプレッサに設けられた連通路が閉塞された状態を示す一部拡大図である。
符号の説明
10 多段圧縮式ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
14 電動要素
16 回転軸
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38 上シリンダ
40 下シリンダ
42、44 偏心部
46 上ローラ
48 下ローラ
50 上ベーン
52 下ベーン
62、64 吐出消音室
70A、72A 収納部
100 連通路
101 連通孔
102 収納室
103 第1の連通路
105 第2の連通路
107 弁装置
107A 封止部
107B バネ部材

Claims (2)

  1. 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第2の回転圧縮要素は、シリンダと前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して低圧室側と高圧室側とを区画するベーンから構成されて、前記第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力を前記ベーンの背圧として印加すると共に、前記第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された中間圧の冷媒ガスを前記第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
    前記中間圧の領域と前記第1の回転圧縮要素の吸入圧力である低圧の領域、或いは、前記中間圧に達する以前の領域とを連通する連通路と、
    該連通路を開閉する弁装置とを備え、
    該弁装置は、前記中間圧が所定の上限値となった場合、又は、前記第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力と前記中間圧の圧力差が所定値となった場合、前記連通路を開放することを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。
  2. 密閉容器内に駆動要素と、該駆動要素にて駆動される第1及び第2の回転圧縮要素を備え、前記第2の回転圧縮要素は、シリンダと、前記駆動要素の回転軸に形成された偏心部に嵌合されて前記シリンダ内で偏心回転するローラと、該ローラに当接して前記シリンダ内を低圧室側と高圧室側とに区画するベーンから構成され、前記第2の回転圧縮要素の冷媒吐出側の圧力を前記ベーンの背圧として印加すると共に、前記第1の回転圧縮要素で圧縮され、吐出された冷媒ガスを前記第2の回転圧縮要素に吸引し、圧縮して吐出する多段圧縮式ロータリコンプレッサにおいて、
    前記第1の回転圧縮要素の吐出消音室内と当該第1の回転圧縮要素の吸入工程領域、或いは、第1の回転圧縮要素32の吐出圧力に達する以前の領域とを連通する連通路と、
    一方の面に前記第1の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が印加されると共に、他方の面に前記第2の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が印加されて前記連通路を開閉する弁装置とを備え、
    前記弁装置は、一方の面に印加される前記第1の回転圧縮要素の吐出消音室内の圧力が所定の上限値となった場合、前記連通路を開放することを特徴とする多段圧縮式ロータリコンプレッサ。
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