JP2007162355A - 吸湿性塗壁材とその施工方法、および、建築物の壁面構造 - Google Patents

吸湿性塗壁材とその施工方法、および、建築物の壁面構造 Download PDF

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Abstract

【課題】吸湿性の高い塗壁材の技術を改良し、塗り壁を施工したときに、吸湿性を損なうことなく、汚れの付着、浸入を効果的に阻止して、長期間にわたって美麗な外観を維持することのできる吸湿性塗壁材を提供する。
【解決手段】吸湿性の無機多孔質材を含有してなり、壁面に塗工し乾燥させて得られる塗壁層が吸湿性を示す塗壁材である。塗壁層が、吸湿量30g/m以上を示すとともに、塗壁層の表面が、水の接触角80度以上となる撥水性を示す。吸湿性の無機多孔質材を10〜90重量%と、水性樹脂バインダー(固形分)を1〜25重量%と、水ガラス(固形分)を0.1〜15重量%と、非吸水性の無機充填材を8〜88重量%とを含むものが有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、吸湿性塗壁材とその施工方法、および、建築物の壁面構造に関し、詳しくは、建築物の壁面などに塗工し乾燥硬化させて得られる塗壁層が高い吸湿性を発揮する塗壁材と、このような塗壁材を建築物の壁面に施工する方法と、このような塗壁材からなる塗壁層を有する建築物の壁面構造とを対象にしている。
住宅などの壁面に塗工する塗壁材に、珪質頁岩などの吸湿機能に優れた多孔質構造を有する無機多孔質材を配合しておくことで、塗り壁に吸湿機能を付与する技術が提案されている。
吸湿機能を有する塗り壁を、建築物の外壁面に施工しておくと、日射による外壁面および建築物の温度上昇が低減される。これは、吸湿性の塗り壁が、外気に含まれる湿気を吸収し、日射によって蒸発させられるときに気化熱を奪うことで、外壁面を冷却する作用が生じ、外壁面が日射熱で過剰に昇温することを防止できるのである。日射熱が外壁面から建築物の屋内空間に伝達されて屋内空間が過剰に昇温することも防止できる。このような外壁面および建築物の温度上昇防止作用は、漆喰など古来の吸湿性を有する塗壁材を用いた塗り壁においても知られていた。吸湿機能を有する塗壁材は、多孔質構造を有することによって断熱性も良好になる。
また、塗り壁は、建築物の外壁面に限らず、室内壁面にも施工されている。室内壁面に施工される塗壁材に、前記した珪質頁岩などの吸放湿機能に優れた無機多孔質材を配合しておく技術も知られている。珪質頁岩などは、吸湿機能だけでなく放湿機能にも優れているので、室内空間における湿度の変化に対応して、過剰な湿気を吸収して室内空間を乾燥させる作用と、過剰に乾燥した室内空間に水分を放出して湿度を上げる作用とが自動的に切り替わり、室内空間を適切な湿度範囲に調整することができる。
例えば、特許文献1には、珪質頁岩などの無機多孔質材の造粒焼成粒に、石膏と、ゼラチン、ふのりなどの有機バインダーおよび水を加えた塗壁材を、建築物の壁面に塗工することで、調湿機能に優れた塗り壁を施工する技術が示されている。
特許文献2には、木粉や珪砂などの骨材の表面に珪藻土などの吸放湿性のある無機多孔質粉体を展着してなる壁面仕上材に、粉末酢酸ビニル系樹脂や水を加え、鏝塗りによって砂壁調に仕上げる技術が示されている。骨材に無機多孔質粉体を展着させる際に、酢酸ビニル系エマルション樹脂、アクリル酸エステル系エマルション樹脂などの合成樹脂バインダーを用いる技術も示されている。
特許文献3には、焼成珪藻土、セメント、セルロースファイバー、硅砂を主成分とする山砂などを配合した建築物の外壁防水用塗料組成物が示されている。
特開2002−114557号公報 特開2002−47039号公報 特開2002−80752号公報
前記した従来における吸湿性の優れた塗壁材は何れも、建築物の壁面などに施工したあと、塗り壁の表面に汚れが付着し易く、しかも、汚れが落ち難いという問題がある。
吸湿性の高い塗り壁は、空気に含まれた湿気すなわち水蒸気を吸い込むだけでなく、表面に付着した水も内部に吸い込む。このとき、水に溶け込んだ汚れ物質も塗り壁の内部に取り込まれてしまう。塗り壁の表面に埃や塵が付着しただけであれば掃除機などで吸引除去することもできるが、埃や塵が付着した塗り壁が水で濡れると、埃や塵に含まれる物質が水に溶け込み、水とともに塗り壁に吸い込まれてしまうことが起こる。塗り壁の内部に取り込まれた汚れは、表面を拭いたり洗ったりしても、なかなか取り除くことができない。
その結果、吸湿性の高い塗り壁ほど、汚れが内部に取り込まれたままになり、変色やシミなどが生じ易くなる。しかも、塗り壁の内部に溜まった汚れは、雑菌やカビの繁殖を促すことがあり、その結果として余計に汚れが目立ったり、周辺環境を悪くしたりすることになる。
特許文献3の技術は、外壁防水用塗料組成物であり、塗工されて得られる塗り壁は防水性を有すると考えられるが、実際には、表面に付着した水が内部に吸い込まれることを防止することはできず、前記した問題は解消されていない。
なお、吸湿性の高い塗り壁の表面に、撥水材をコーティングすれば、水をはじくようになるので、前記問題が解決できると考えられた。しかし、撥水コーティングは水だけでなく湿気の通過をも阻止してしまい、塗り壁が本来有していた吸湿性が大きく損なわれてしまって、吸湿機能が十分に発揮できなくなることがある。シリコン撥水材は、塗り壁の吸湿性を損なうことは少ないが、紫外線や磨耗などによる劣化が大きく、耐久性に問題があり、施工後は1年程度で表面の撥水性が低下してしまう。また、撥水材のコーティング作業は、塗り壁材料を十分に乾燥させてから行う必要があるため、作業完了までに時間がかかり、施工工程が長くかかるという問題もある。
本件発明の課題は、前記した吸湿性の高い塗壁材の技術を改良し、塗り壁を施工したときに、吸湿性を損なうことなく、前記した汚れの付着、浸入を効果的に阻止して、長期間にわたって美麗な外観を維持することのできる吸湿性塗壁材を提供することである。
本発明にかかる吸湿性塗壁材は、吸湿性の無機多孔質材を含有してなり、壁面に塗工し乾燥させて得られる塗壁層が吸湿性を示す塗壁材であって、前記塗壁層が、吸湿量30g/m以上を示すとともに、前記塗壁層の表面が、水の接触角80度以上となる撥水性を示す。
このような高い吸湿性および撥水性を示す吸湿性塗壁材として、吸湿性を有する無機多孔質材を10〜90重量%と、水性樹脂バインダー(固形分)を1〜25重量%と、水ガラス(固形分)を0.1〜15重量%と、前記無機多孔質材以外の非吸水性の無機充填材を8〜88重量%とを含むものが有用である。
各構成について具体的に説明する。
〔無機多孔質材〕
通常の建築材料や塗壁材料に使用されている無機多孔質材のうち、吸湿性を有する材料が使用できる。吸湿性とともに、放湿性やガス吸着性、脱臭性などに優れた材料であれば、塗り壁にそれらの機能をも付け加えることができる。
無機多孔質材の具体例として、シリカゲル、珪質頁岩、セピオライト、鹿沼土、活性白土、ゼオライト、アロフェン、イモゴライトなどが挙げられる。これらの材料を単独で使用してもよいし、複数の材料を組み合わせて用いることもできる。
無機多孔質材として、平均細孔径20〜80Åで、粒径2.5mm以下の粒子からなるものが使用できる。さらに、粒径1.5mm以下の粒子からなるものが好ましい。適切な粒径範囲あるいは平均細孔径範囲であれば、吸湿性や放湿性、ガス吸着性などの機能を良好に発揮できる。粒径が大き過ぎると、塗壁材への均一混合が難しかったり、塗り壁の表面質感を損なったりする。粒径の下限値は、実用的に実施可能な程度に設定すればよく、通常、1μm程度である。中心粒径で30μm以上が望ましい。微粉を大量に用いると、塗壁材を混練調製する際に必要な水量が過剰になり、付着強度や表面強度が低下するなど好ましくない。
無機多孔質材は、塗壁材の全量(塗壁材の製造時あるいは塗工時に加える水は除く、以下も同様である)に対して、10〜90重量%の範囲で配合できる。好ましくは、20〜80重量%である。より好ましくは、30〜70重量%である。無機多孔質材が少な過ぎれば、吸湿機能が劣り、無機多孔質材が多過ぎると、塗工作業が難しくなったり、塗壁層の強度や耐久性が低下したり、撥水性が低下したりする。
無機多孔質材は、材料によって、吸着し易い物質が違っていたり、温度や湿度などの使用環境による性能が違っていたりする。塗壁材の施工環境に対して、吸放湿性その他の環境改善機能を良好に発揮させるために、複数の材料を併用することが有用である。
例えば、シリカゲルと珪質頁岩を組み合わせれば、両材料が有する各種の機能を相乗的に発揮させることができる。シリカゲル:珪質頁岩=90:10〜10:90の比率(重量比)に設定できる。好ましくは、シリカゲル:珪質頁岩=75:25〜25:75である。
<造粒物>
無機多孔質材を造粒物の形態で使用するには、無機多孔質材の粉粒を適宜のバインダーを用いて造粒一体化させて、所定の粒径を有する造粒物にしたものが使用できる。
造粒物は、焼成造粒物と非焼成造粒物の何れもが使用できる。
造粒物の材料には、無機多孔質材に加えて、バインダーを配合することができる。
バインダーとしては、通常の無機多孔質材造粒物の製造に利用されているバインダー材料が使用できる。粘土、石灰、セメント、石膏、水ガラスなどが挙げられる。樹脂バインダーも使用可能であるが、無機多孔質材の調湿機能を阻害しない材料を選択することが望ましい。樹脂バインダーと水ガラスとを組み合わせて配合しておくことも有効である。
造粒物の材料には、顔料などの着色剤、その他の各種添加剤を配合しておくこともできる。
無機多孔質材の造粒物を製造したあと、造粒物の表面を着色コーティングすることもできる。着色コーティング剤として、無機多孔質材の吸放湿性を妨げることが少ない樹脂バインダーと水ガラスおよび無機顔料を配合したものが好適に使用できる。また、焼成により着色コーティングする場合には、ガラス粉末や陶磁器用フリットなどが使用できる。
造粒物の平均粒径を50μm〜2.5mmに設定しておくことができる。
〔水性樹脂バインダー〕
基本的には、従来の塗壁材に利用されている水性樹脂バインダーの技術が適用できる。
水性樹脂バインダーには、塗壁材の成膜性や膜強度、表面質感などを向上させる機能を有する樹脂材料が使用される。アルカリ性を示す水ガラスと組み合わせて使用するので、耐アルカリ性の高い樹脂が好ましい。セメントや消石灰などの混和用に使用されている樹脂材料が有効である。具体的には、アクリル樹脂系、酢酸ビニル樹脂系、SBR(スチレン−ブタジエン−ラテックス)樹脂系のものが挙げられる。これらの樹脂を主体に変成してなる変成樹脂を用いたものも使用できる。具体的には、アクリル−スチレン樹脂系、アクリル−シリコン樹脂系、エチレン−酢酸ビニル樹脂系が挙げられる。
水性樹脂バインダーの形態は、合成樹脂の固形の粉末状であっても良いし、合成樹脂の水性エマルジョンであってもよい。樹脂粉末の平均粒径を0.01〜100μmの範囲に設定できる。
水性樹脂バインダーは、塗壁材の全量に対して、水性樹脂バインダーの固形分が1〜25重量%になる範囲で配合できる。好ましくは、2〜15重量%である。従来の塗壁材では、無機多孔質材の吸湿性などを阻害し難いように、樹脂バインダーの配合量を少なくする必要があったが、本発明の場合、水性樹脂バインダーの配合量を比較的に多くしておいても、水ガラスの機能によって、吸湿性などを良好に維持できる。水性樹脂バインダー量を多目にすることで、塗壁材の塗工性や塗り壁の強度などを向上させることができる。
〔水ガラス〕
樹脂バインダーを使用したことによって損なわれる透湿性あるいは吸湿性を塗り壁に付与する機能を果たす。
水ガラスを添加しておくことで、樹脂バインダー粒子のまわりに水ガラスが分散されて、樹脂粒子の表面を水ガラスが覆う状態になる。塗壁材が硬化する過程で、樹脂と水ガラスとの硬化速度や収縮率の違いによって、硬化樹脂に微細な欠陥を生成させる。この微細欠陥は、樹脂の塗壁材における結合剤としての機能や塗壁強度を損なうことなく、塗壁層に内部まで連通するミクロの毛細管(気孔)を形成させる作用が生じる。このようなミクロの毛細管が、塗壁層の透水性、塗壁層に含まれる無機多孔質材の吸放湿性を向上させるのであると考えられる。
このような機能を達成できる材料であれば、水ガラスの概念に含まれる各種の化合物が使用できる。特に、比較的に硬質で、樹脂バインダーとの硬化変形形態が異なる材料が好ましい。また、硬化後の粒径が樹脂バインダーと同等以下になる材料が望ましい。
水ガラスの具体例として、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸セシウムからなる群から選ばれるアルカリ金属珪酸塩を含む水ガラスが使用できる。
水ガラスは、粉末状あるいは水溶液、水分散液の形態で使用することができる。
水ガラスは、塗壁材の全量に対して、水ガラスの固形分が0.1〜15重量%の範囲になる割合で配合できる。好ましくは、0.2〜10重量%である。水ガラスが少な過ぎると目的の機能が十分に発揮できず、水ガラスが多過ぎると、樹脂バインダーの機能を阻害し、施工された塗壁の収縮が過大になり、クラックが発生し易くなる。
〔無機充填材〕
吸湿性の無機多孔質材を除く、非吸水性の無機充填材である。厳密な意味で吸水量が0である必要はなく、工業的に吸水性を示さないと判断できるものである。吸湿性の無機多孔質材と共存させることで、塗壁層の強度向上や撥水性向上を果すことができる。液体としての水を吸収しないという意味での狭義の非吸水性であるとともに、水蒸気の形態でも水を吸収しないという意味で非吸湿性であるものが好ましい。
無機充填材としては、塗壁材や建築材料に使用されている骨材あるいはフィラーと呼ばれている材料などの無機充填材の中から、非吸水性の材料を用いることができる。具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカなどが挙げられる。これらの成分を含むカルシア、マグネシア、アルミナなどの複合的な材料も使用でき、さらに前記成分を含む材料として、陶磁器粉砕物、フライアッシュ、スラグ、ムライトなどを用いることもできる。さらに、前記成分を含む長石、各種火山岩などの天然物も使用できる。但し、シラスバルーンのような吸水性あるいは透水性を有する材料は使用できない。
無機充填材は、粒状のものを使用するのが好ましい。平均粒径10〜1000μmの粒子が、目的の機能を良好に発揮できて好ましい。平均粒径30〜300μmに設定することもできる。無機充填材として複数種類の材料を複合的に組み合わせて用いる場合は、全体の平均粒径を、上記範囲に設定することができる。無機充填材の粒径を、無機多孔質材の粒度を補完して、塗壁材の粒度構成を適切に調整することで、塗工作業性などを向上できる。例えば、無機多孔質材の粒度が大きい場合は、無機充填材の粒度を相対的に小さく設定しておくことができる。
無機充填材は、塗壁材の全量に対して、8〜88重量%を配合しておける。好ましくは、20〜70重量%、さらに好ましくは、30〜60重量%である。無機充填材が少な過ぎれば、目的の機能が十分に発揮できず、無機充填材が多過ぎても、吸湿機能などが損なわれる。
<炭酸カルシウム>
化学式CaCOで表される化合物である。前記した無機充填材の機能が良好に発揮される。炭酸カルシウムとしては、建築その他の技術分野で使用されている炭酸カルシウム材料、製品が使用できる。通常、粉粒状で供給される。
〔吸湿性塗壁材〕
吸湿性の無機多孔質材を含有してなり、壁面に塗工し乾燥させて得られる塗壁層が吸湿性を示す塗壁材であり、吸湿性と撥水性の両方に優れた機能を有する。
前記した無機多孔質材、水性樹脂バインダー、水ガラスおよび無機充填材を含むことで、吸湿性と撥水性の両方を高めることができる。
塗壁材として、上記の条件以外には、通常の塗壁材と同様の配合成分や製造技術、使用方法が適用できる。
塗壁材の材料には、前記した各材料に加えて、繊維材料、メチルセルロースなどの糊、潤滑剤、シリコン系などの消泡剤、着色剤など、通常の塗壁材に使用されている各種の添加材料が配合できる。着色剤は、塗壁材の吸湿性などを阻害することが少ない無機材料からなるものが好ましい。
塗壁材は、製造および輸送保管から流通の段階では、粉体状あるいは顆粒状であることができる。前記した無機多孔質材の造粒物を製造する際に、樹脂バインダーや水ガラス、炭酸カルシウムを含む全ての材料を配合しておけば、造粒物自体が塗壁材になる。また、水を加えて混練したスラリー状態での流通も可能である。
〔吸湿性塗壁材の施工〕
塗工方法や塗工手順は、通常の塗壁材による塗り壁の施工と同様に行える。
塗壁材は、塗工による施工時に、必要に応じて水を加えて、塗工可能な練り物状あるいはペースト状などをなす含水スラリーを調製する。
塗工時に塗壁材に加える水の量は、施工作業性や表面仕上げの要求などによっても異なるが、通常、塗壁材の固形分100重量部に対して、水性樹脂エマルジョンや液状に調製された水ガラス材料に含まれる水分、予め塗壁材に含まれる水分なども合わせて、20〜90重量部の水が混合された状態にする。好ましくは、水が30〜80重量部である。塗工装置や塗工条件に合わせて、適切な水分量に設定する。
水に加えて、その他の添加剤を配合しておくこともできる。
所定の材料が十分に混合された含水スラリーは、比較的に固い練り物状から流動性のあるペースト状、さらには少し粘性のある液状などを呈する。塗壁材の含水スラリーは、コテなどを使用する左官作業で住宅の内装壁面仕上げあるいは外装壁面仕上げを行うことができる。ローラ、刷毛等による塗り付け作業や、スプレーガンなどによる吹き付け作業にも適用できる。左官作業では練り物状が好ましく、吹き付き作業では液状のものが好ましくなる。
塗壁材の塗工量は、施工条件や要求性能によっても異なるが、通常、0.1〜10kg/mの範囲に設定できる。得られる塗壁層の厚みは、0.1〜10mmの範囲になる。塗壁層が厚いほど、全体としての吸湿量が増える。しかし、塗壁層が厚過ぎると、施工の手間および材料費がかかり、経済性が劣る。吸湿性の高い塗壁材を薄く塗工するほうが経済的である場合が多い。なお、本発明の塗壁材は、比較的に分厚く塗工しても、塗工は容易であって塗壁層の付着強度その他の機械的強度や耐久性も十分に維持できる。
〔壁面構造〕
吸湿性塗壁材を施工して得られる壁面構造は、最表面に吸湿性の塗壁層が存在していれば、その他の構造については、特に限定されない。
壁面構造として、建築物の外壁面、室内壁面、天井壁面、屋根壁面、柱壁面などが含まれる。壁面は平坦である場合だけでなく、曲面や凹凸面もある。
塗壁層が配置される壁面の下地材料は、コンクリートやモルタル、金属材、セラミック材、木質材、繊維材、合成樹脂材、その他の無機あるいは有機の材料など、通常の壁面における下地面の材料が用いられる。塗壁層の下地面を非透湿性材料にしておけば、塗壁層に吸湿された水分が壁面の内部に浸入し難くなる。逆に、塗壁層の下地面を、吸放湿性の材料で構成すれば、塗壁層と下地材料とが協働して吸湿機能や放湿機能を果たすことができる。下地面が透湿性材料や通気性材料であれば、壁面の内部空間と外部空間との間で湿気や空気を流通させることができる。
〔塗壁層の特性〕
塗壁層は、吸湿性および撥水性に優れたものである。それに加えて、放湿性やガス吸着性などの機能にも優れたものとすることもできる。また、機械的強度や耐久性についても十分な性能を発揮できる。
塗壁層に含まれる材料のうち、吸湿性の無機多孔質材が、吸湿性、放湿性、ガス吸着性などの基本的な特性に寄与する。水性樹脂バインダーが、無機多孔質材などの塗壁材に対する結合剤として機能し、壁構造への付着強度や耐久力などに寄与する。但し、水性樹脂バインダーは無機多孔質材を覆って吸放湿性などを損なう。しかし、水ガラスを加えることで、水性樹脂バインダーの硬化時に微細なクラックや気孔、毛細管を形成させるので、塗壁層の透湿性、ガス透過性などが良好になり、無機多孔質材の機能が良好に発揮できるようになる。
さらに、非吸水性の無機充填材が配合されていることで、吸湿性の無機多孔質材が含まれていても、塗壁層の表面が良好な撥水性を示す。これは、無機多孔質材の粒子間を無機充填材が埋めるように配置されるとともに、塗壁層の表面に水性樹脂バインダーと水ガラスとによる微細なクラックや気孔、毛細管による物理的構造が形成されることで、表面に微細な凹凸によるフラクタル構造が構成され、このフラクタル構造表面が水と接触することで、撥水性が向上するものと推測される。したがって、非吸水性の無機充填材そのものが撥水材として機能するというよりも、水性樹脂バインダーと水ガラスとによって構成される微細構造による撥水機能が効果的に発揮されるように、無機多孔質材と無機充填材との組み合わせ配置構造が構成されているものと推測される。
具体的には、塗壁層の吸湿量が30g/m以上である。好ましくは、吸湿量50〜500g/mである。吸湿量は、後述する実施例の欄に記載する測定方法に準拠して測定される値である。以下の特性も同様である。放湿量が大きいほど、吸放湿作用による調湿機能や壁面の冷却機能などが良好に発揮できる。吸湿量および放湿量は、塗壁層の厚みによっても変わる。厚み1mm当たりの吸湿量あるいは放湿量が、30g/m以上であれば好ましい。
表面の撥水性が、水の接触角80度以上となる撥水性を示す。好ましくは、水の接触角100度以上である。水の接触角110度以上、さらに120度以上であることがより望ましい。接触角が大きいほど、撥水性が高いことを示す。撥水性の上限は、吸湿性などの他の性能を損なわない範囲である。塗壁材の材料や配合条件、塗工条件などを適切に設定することで、撥水性の上限として、接触角150度程度まで達成可能である。
壁面に対する塗壁層の付着強度が、10N/cm以上あれば、実用的に十分な強度や耐久性を発揮できる。好ましくは、25〜150N/cmである。
本発明にかかる吸湿性塗壁材は、施工された塗壁層の吸湿性が非常に高くなるだけでなく、塗壁層の表面が極めて高い撥水性を示す。
そのため、塗壁層の表面に雨水などの水が接触しても、はじかれて直ぐに脱落してしまい、塗壁層に付着したままになったり塗壁層の内部に水が浸入したりすることが良好に防止できる。接触した水に汚れや着色成分が含まれていても、汚れや着色成分が塗壁層に付着したままになったり内部に溜まってしまったりすることがない。塗壁層の表面および内部は、常に美麗な状態を維持することができる。塗壁層の表面や内部でカビや雑菌が繁殖することも防止される。
このように撥水性が高くても、吸湿機能は十分に発揮できるので、施工環境の湿気を塗壁層に吸放湿することで環境湿度を調整する調湿機能や、吸湿した湿気が蒸発する際の気化熱による壁面の冷却機能は良好に発揮できる。
撥水性と吸湿性との両方を兼ね備えた塗壁材は、無機多孔質材、水性樹脂バインダー、水ガラス、無機充填材という入手容易でコスト的にも比較的に安価な材料を配合しておくだけで、特殊な製造条件や特別な製造装置、複雑な製造工程を採用しなくても容易に製造できるので、実用的価値あるいは経済性が極めて高いものとなる。
図1は、吸湿性塗壁材を施工して得られた建築物の壁面構造を示す。
壁面構造は、屋内空間Iと屋外空間Oとを仕切る外壁であり、壁構造体10と塗壁層20、30とで構成される。
壁構造体10は、外壁の基本的な構造であり、図示を省略しているが、コンクリートなどからなる壁躯体版や、鉄骨柱、木柱あるいは梁で構成された骨組構造、骨組構造の内部空間に収容される断熱材、壁躯体版や骨組構造の表面に施工された断熱層、防音層などが必要に応じて組み合わせられている。壁構造体10の最表面には、合板や石膏ボードなど、塗壁材を塗工するのに適した下地材が貼り付けられている。
塗壁層20、30は、壁構造体10の表面に、吸湿性塗壁材から調製された含水スラリーが所定の厚みで塗工されたあと、乾燥硬化させたものである。目的とする吸湿機能、耐久性などを考慮して、厚みが設定されている。通常、屋外空間O側の塗壁層20のほうが、屋内空間I側の塗壁層30よりも分厚くなる。
壁面構造が施工されたあと、経時的に水や湿気、塵埃、その他の汚れ成分が塗壁層20,30に接触することは避けられない。屋外空間O側の塗壁層20は、雨水や雪、外気中の塵埃などが接触する。庭に散水したときの水や地面ではねた水も接触する。屋内空間I側の塗壁層30にも、屋内空間における生活上で発生する塵埃や、飲み物、料理その他の各種液体が塗壁層30に接触することがある。
図1において、水の接触を実線矢印で示し、湿気の流通を点線矢印で示す。塗壁層20、30は、湿気については容易に流通することができるのに対し、水は表面ではじかれるので、内部に浸入することはできない。なお、塗壁層20,30の表面に付着した汚れは、水で洗い流したり拭き取ったりすることで、容易に取り除くことができる。このときに使用される水についても、塗壁層20、30の内部への浸入は確実に阻止される。
その結果、塗壁層20、30の表面は、長期間にわたって、汚れが付着したままにはなり難く、汚れが塗壁層20、30の内部に浸入して溜まることもない。付着した汚れは水拭きなどで容易に除去される。施工時と変わりのない美麗な外観を、長期間にわたって良好に維持することができる。
吸湿性塗壁材を具体的に製造し、その性能を評価した。
〔吸湿性塗壁材〕
表1〜9に示す各材料を配合して、吸湿性塗壁材を調製した。但し、水については、塗工時に加える。配合量は重量部であり、樹脂バインダーと水ガラスについては、固形分で示している。
<使用材料>
(1) 無機多孔質材
(a) 珪質頁岩粉砕粒
珪質頁岩の採掘原料を焼成することなく粉砕したものである。平均粒径400μmであった。材料単独での吸湿量は、0.12g/g、放湿量は、0.11g/gであった。吸放湿量の測定条件は、後述する吸放湿試験に準じて実施した。
(b) 珪質頁岩粉砕粉
珪質頁岩の採掘原料を粉砕したものを、粒径100μm未満に分級して用いた。材料単独での吸湿量は、0.13g/g、放湿量は、0.12g/gであった。
(c) 珪質頁岩焼成粒
珪藻頁岩の粉砕物を焼成した。平均粒径400μmであった。材料単独での吸湿量は0.079g/g、放湿量は0.073g/gであった。
(d) 珪質頁岩造粒品
珪藻頁岩の粉砕物を造粒したあと焼成した。平均粒径300μmであった。材料単独での吸湿量は0.092g/g、放湿量は0.089g/gであった。
(e) シリカゲル粒
市販品を用いた。平均粒径400μmであった。材料単独での吸湿量は0.40g/g、放湿量は0.39g/gであった。
(f) シリカゲル粉
市販品のシリカゲルを、粒径100μm未満に分級して用いた。材料単独での吸湿量は、0.42g/g、放湿量は、0.40g/gであった。
(g) セピオライト
市販品(粒径100μm未満)を用いた。材料単独での吸湿量は0.27g/g、放湿量は0.24g/gであった。
(h) ゼオライト
市販品(粒径100μm未満)を用いた。材料単独での吸湿量は0.19g/g、放湿量は0.18g/gであった。
(2) 無機充填材
(a) 炭酸カルシウム
市販品(平均粒径70μm)を使用した。材料単独では吸放湿性はない。
(3) 樹脂バインダー
固形分41%の水性スチレン−アクリル樹脂エマルジョン(市販品)を用いた。
(4) 水ガラス
固形分21%の珪酸リチウム水溶液からなる水ガラス(市販品)を用いた。
(5) メチルセルロース
1%水溶液が4000cps程度の粘度を示す粉末品(市販品)を用いた。
〔性能評価試験〕
<吸放湿性試験>
水を加えて混練りした塗壁材のスラリーを、ガラス板に2kg/mの割合で塗布して試験体を得た。前処理として、試験体を25℃、50%RHで24時間保持した。その後、吸湿過程として、25℃、90%RHで24時間保持したあと、吸湿量(g/m)を測定した。次いで、放湿過程として、25℃、50%RHで24時間保持したあと、放湿量(g/m)を測定した。
塗壁材の塗布量と塗布面積をもとに、塗壁材に含まれる無機多孔質材の単位面積当たりの存在量を、多孔質材重量(g/m)として算出した。
多孔質材重量と、前記した無機多孔質材の単独での吸湿量、放湿量とから、算定吸湿量(g/m)と算定放湿量(g/m)を算出した。算定吸放湿量は、無機多孔質材の吸放湿性能が100%発揮された理想的な状態における塗壁材の吸放湿性能を示すことになる。
算定吸放湿量と、実際に測定された吸湿量、吸湿量とから、下式(1)で吸湿効率、放湿効率を算出した。
吸(放)湿効率(%)=吸(放)湿量(g/m)/算定吸(放)湿量(g/m
… (1)
吸放湿効率は、樹脂バインダーおよび透湿付与剤の配合した塗壁材の吸放湿性能が、無機多孔質材が単独の場合に比べて、変化した割合を示すことになる。吸放湿効率が100%に近いほど、無機多孔質材の吸放湿性能が阻害されずに良好に発揮されていることを意味する。
<撥水性試験>
塗壁材スラリーを、石膏ボードに塗布し、7日間室温で養生して、試験体を得た。
試験体の対して、「JIS−R3275(基板ガラス表面のぬれ性試験方法)」の静滴法に準じて、水の接触角(度)を測定した。
<付着強度>
前記同様の塗壁材スラリーを、スレート板に2kg/mの割合で塗布した。
乾燥硬化させたあと、常法により、付着強度(N/cm)を測定した。
これらの試験の結果を、下記表に示す。
Figure 2007162355
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〔評価〕
(1) 本発明の具体的実施例は、試験例1−1〜7−9であり、試験例0−1は、本願発明の技術的範囲を外れる比較例である。
(2) 本発明の実施例は何れも、吸放湿性および撥水性(接触角)の両方に優れた特性を有するとともに、塗壁材に必要な付着強度も十分に備えている。
これに対し、比較例(試験例0−1)では、無機多孔質材の配合量が少なく、吸放湿性が劣っている。
(3) なお、本発明の実施例で使用されている吸湿性の無機多孔質材の代わりに、ワラスナイトやシラスなどの無機材料(吸湿性はない)を用いたところ何れも、塗壁層には全く吸放湿性がないとともに、撥水性も全く示さなかった。勿論、吸湿性の無機多孔質材を使用せずに炭酸カルシウムだけを単独で使用した場合も同様であった。
本発明の実施例の配合から、非吸水性の無機充填材である炭酸カルシウムを全く配合しなかった場合も、塗壁層に吸放湿性はなかった。
このことは、吸湿性の無機多孔質材と非吸水性の無機充填材とが混在していることで、吸湿性の無機多孔質材の吸放湿機能が、より向上することを裏付けている。
(4) 本発明の実施例の中でも、無機多孔材の種類や配合量によって、性能に違いが生じている。
例えば、珪質頁岩を使用する場合、同じ配合量では、焼成粒(試験例2−1、2−2)や造粒品(試験例2−3)に比べて、粉砕粉(試験例1−5、1−6)、粉砕粒(試験例1−1〜1−4)のほうが、吸放湿性および撥水性の何れについても優れている。粉砕粉と粉砕粒とでは、粉砕粒の方が少し優れている。
シリカゲルの場合、平均粒径400μmのシリカゲル粒(試験例3−1〜3−4)と、粒径100μm未満のシリカゲル粉(試験例4−1〜4−4)とは、撥水性の点ではシリカゲル粒のほうがシリカゲル粉よりも少し性能が優れている。
セピオライトやゼオライト(試験例5−1〜5−4)は、珪質頁岩、シリカゲルに比べると少し性能が劣る項目もあるが、実用的には十分に優れた性能が発揮できている。
シリカゲルと珪質頁岩を併用すると(試験例6−1〜6−9、7−1〜7−9)、総合的にバランスの取れた良好な性能が発揮できる。
なお、前記試験とは別に、環境湿度を高湿度域(75%RH超)と中湿度域(55〜75%RH)とに分けて、同様の性能比較を行なった。その結果、珪質頁岩は高湿度域で優れた性能を発揮し、シリカゲルは中湿度域で優れた性能を発揮し、シリカゲルと珪質頁岩を併用すると、全ての湿度領域で良好な性能が発揮できることが確認された。
本発明の吸湿性塗壁材は、例えば、住宅の外壁面を塗り壁で仕上げるのに利用できる。通常の塗壁材と同様に施工して得られた塗壁層が、極めて高い吸湿性を示すと同時に極めて高い撥水性を示すものとなる。その結果、吸湿性塗壁層としての種々の機能や性能を全く損なうことなく、塗壁層の表面が汚れたり色が付いたりカビや雑菌が繁殖したりし難くなり、長期間にわたって美麗で高品質の壁面状態を維持することが可能になる。
本発明の実施形態を表す壁面構造の断面図
符号の説明
10 壁構造体
20、30 塗壁層

Claims (8)

  1. 吸湿性の無機多孔質材を含有してなり、壁面に塗工し乾燥させて得られる塗壁層が吸湿性を示す塗壁材であって、
    前記塗壁層が、吸湿量30g/m以上を示すとともに、
    前記塗壁層の表面が、水の接触角80度以上となる撥水性を示す
    吸湿性塗壁材。
  2. 吸湿性の無機多孔質材を10〜90重量%と、
    水性樹脂バインダー(固形分)を1〜25重量%と、
    水ガラス(固形分)を0.1〜15重量%と、
    非吸水性の無機充填材を8〜88重量%とを含む
    請求項1に記載の吸湿性塗壁材。
  3. 前記無機多孔質材が、シリカゲル、珪質頁岩、セピオライト、鹿沼土、活性白土、ゼオライト、アロフェン、イモゴライトからなる群から選ばれ、
    前記水性樹脂バインダーが、アクリル樹脂系バインダー、酢酸ビニル樹脂系バインダー、SBR樹脂系バインダー、および、これらの変成樹脂バインダーからなる群から選ばれ、
    前記水ガラスが、珪酸リチウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸セシウムからなる群から選ばれるアルカリ金属珪酸塩を含み、
    前記無機充填材が、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、シリカ、および、これらの成分を含む材料からなる群から選ばれる
    請求項1または2に記載の吸湿性塗壁材。
  4. 前記無機多孔質材が、平均細孔径20〜80Åで、粒径2.5mm以下の粒子であり、
    前記無機充填材が、平均粒径10〜1000μmの粒子である
    請求項1〜3の何れかに記載の吸湿性塗壁材。
  5. 前記水性樹脂バインダーが、水性エマルジョンである
    請求項1〜4の何れかに記載の吸湿性塗壁材。
  6. 前記塗壁層が、吸湿量50〜500g/mを示すとともに、
    前記塗壁層の表面が、水の接触角100〜150度となる撥水性を示す
    請求項1〜5の何れかに記載の吸湿性塗壁材。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の吸湿性塗壁材を施工する方法であって、
    前記吸湿性塗壁材(固形分)100重量部に対して水20〜90重量部が混合された含水スラリーを得る工程(a)と、
    前記含水スラリーを、壁面に塗工し乾燥させて、厚さ0.1〜10mmの塗壁層を得る工程(b)と
    を含む吸湿性塗壁材の施工方法。
  8. 建築物の壁面に、請求項1〜6の何れかに記載の吸湿性塗壁材を塗工し乾燥させて得られる塗壁層が配置されてなり、
    前記塗壁層が、吸湿量30g/m以上を示すとともに、
    前記塗壁層の表面が、水の接触角80度以上となる撥水性を示し、
    前記塗壁層の付着強度が、10N/cm以上である
    建築物の壁面構造。
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