JP2007162132A - 中温用途に使用される組成物、その製造方法及びそれを含む物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カソード劣化速度の低下を可能にするフェライトステンレス鋼を提供する。
【解決手段】 鉄と;約18〜約30wt%のクロムと;約7wt%までのタングステンと;約1.5wt%までのマンガンと;約1wt%までのアルミニウムと;約0.02〜約0.1wt%の希土類金属及び/又はイットリウムから成り、wt%が総重量に基づく組成物が開示される。更に、鉄と;約18〜約30wt%のクロムと;約7wt%までのタングステンと;約1.5wt%までのマンガンと;約1wt%までのアルミニウムと;約0.02〜約0.1wt%の希土類金属及び/又はイットリウムから成り、wt%が総重量に基づく組成物を溶融することと;組成物を鋳造することと;組成物を圧延することとから成る方法が開示される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高温用途に使用されるフェライトステンレス鋼、それを製造する方法及びそれを含む物品に関する。
固体酸化物燃料電池(SOFC)は、電気化学反応を利用して種々の燃料からエネルギー、通常は電気を発生する装置である。エネルギー変換の効率を改善する電解質を通る酸素の移動は、700℃を超える温度で大幅に加速される。SOFCにおける燃料から電気への総変換効率は、90%と高く、熱機関(カルノーサイクル)の場合の従来の熱力学により制限されない。排気ガスの温度が高いため、SOFCは熱及び電気を同時発生する能力を有する。SOFC及びタービンを統合した複合発電システムは、非常に高いシステム総効率を有することができる。
SOFCの構体は管状又は平板状である。SOFCの重要な構成要素は、アノード、カソード、電解質、配線部、マニホルド及びシールである。カソードは、高温のオキシダント環境に広くさらされ、一般に、空気電極又は酸素電極と呼ばれる。カソード供給ガスの温度は、通常、約400℃以上である。同様に、アノードは、燃料にさらされ、燃料電極と呼ばれる。配線部は、燃料側でアノードと境を接し、空気側でカソードと境を接する。配線部は、通常、ランタンクロマイト、ランタンストロンチウムクロマイト、フェライトステンレス鋼及びクロム系合金などの耐酸化耐熱材料を使用して製造される。
約850℃以上の温度及び高い酸素分圧で、カソード全体にわたり非常に過酷な酸化条件が存在する。そのような状況は、湿気及び大気中の水分とあいまって、配線部中に存在するクロムを酸化し、酸化クロム又は水酸化クロム又はオキシ水酸化クロムを形成する。それらの酸化物は、カソードスケールとして成長し、蒸発して、カソードに悪影響を及ぼすか又はカソードの作用を停止させてしまうおそれがある。約800℃の中間温度範囲において、何千時間にもわたりSOFC環境にさらされ続けると、カソードスケールは、数十ミクロンの厚さまで成長する場合がある。水酸化クロム及びオキシ水酸化クロムは、特に揮発性が高く、カソードを劣化させる。SOFCのカソードの平均余命及び動作効率を向上するために、カソードの劣化を減少又は排除することが望ましい。
SOFCにおけるカソード劣化を最小限に抑えるための現在の方法は、適切に開発されておらず、SOFCの有効動作寿命を制限する。頻繁に保守を行うか又はカソードスケールを除去することにより、問題を軽減又は排除できる。しかし、その結果、燃料電池の動作は停止され、発電サイクルと関連する著しいエネルギー損失が起こると考えられる。
あるいは、配線部において、クロムを含有しない合金及び不揮発性クロムを含むセラミック材料が採用されてきた。しかし、それらの材料は高価で、脆く、引張力に弱く、高い抵抗損失を有するため、配線部として使用するには不適切である。多くのSOFCスタックは、クロムを含有する合金から製造された配線部及び構成要素を採用しており、それに代わる適切な材料はほとんどない。カソードの劣化速度が速いという問題は解決されていない。
米国特許第5,800,152号公報 米国特許第5,902,692号公報 米国特許第5,942,349号公報 米国特許第6,280,868B1号公報 米国特許第6,294,131B1号公報 米国特許第6,300,001B1号公報 米国特許第6,936,217B2号公報 米国特許出願公開第2002/0004155A1号 米国特許出願公開第2002/0182468A1号 米国特許出願公開第2003/0063994A1号 米国特許出願公開第2005/0142398A1号 欧州特許第0767,247B1号公報 特開平07-166301号明細書 特開平08-035042号明細書 特開平09-157801号明細書 特開平10-280103号明細書 特開平2000-328205号明細書 WO9825316号パンフレット
従って、約800℃の温度で動作するSOFCにおいてカソード劣化速度の低下を可能にするフェライトステンレス鋼を使用することが望ましい。
鉄と;約18〜約30wt%のクロムと;約7wt%までのタングステンと;約1.5wt%までのマンガンと;約1wt%までのアルミニウムと;約0.02〜約0.1wt%の希土類金属及び/又はイットリウムから成り、wt%が総重量に基づく組成物が開示される。
更に、鉄と;約18〜約30wt%のクロムと;約7wt%までのタングステンと;約1.5wt%までのマンガンと;約1wt%までのアルミニウムと;約0.02〜約0.1wt%の希土類金属及び/又はイットリウムから成り、wt%が総重量に基づく組成物を溶融することと;組成物を鋳造することと;組成物を圧延することとから成る方法が開示される。
更に、上記の組成物から製造された物品が開示される。
以下に図面を参照して本発明を説明するが、図中、同じ要素は、同じ図中符号により示される。
以下の説明中、いくつかの図において、同じ図中符号は、一貫して同じ部分又は対応する部分を示す。また、「上部」、「底部」、「外側」、「内側」などの用語は、便宜上使用される言葉であり、限定的な意味を持つ用語として解釈されてはならない。また、本明細書中で使用される「第1の」、「第2の」などの用語は、順序、量又は重要度を示すものではなく、1つの要素を別の要素と識別するために使用される。「1つの」という用語は、数量の限定を表すものではなく、引用された項目が少なくとも1つ存在することを表す。数量と関連して使用される「約」という修飾語は、挙げられている数値を含み、文脈により指示される意味を有する(例えば、特定の量の測定と関連する程度の誤差を含む)。
固体酸化物燃料電池(SOFC)及び他の高温に適用される物品における金属配線部の酸化を減少し、その化学的適合性を改善するフェライトステンレス鋼が開示される。フェライトステンレス鋼は、腐食による劣化を減少する一方で、SOFC環境における配線部として有効に使用可能である。フェライトステンレス鋼は、遅い酸化物成長速度を示し、熱膨張係数(CTE)整合に有効に使用でき、約1,500時間にわたり約750℃の酸化にさらされたとき、約5〜約40mΩ・cm(750℃で測定)の低い総面積抵抗率(ASR)を有する。フェライトステンレス鋼は、クロム、アルミニウム、タングステン、マンガン、希土類元素及び/又はイットリウムを有効に含有し、残部は鉄である。
図1を参照すると、一実施形態として示される燃料電池システム200は、アノード40、電解質60、カソード80、配線部100及びシール105を有する燃料電池30を具備する。カソード80及び配線部100は、接点90を介して密接に電気的に導通する。アノード40、電解質60、カソード80、カソード‐配線部接点90及び配線部100を具備する複製ユニット180を繰り返し積み重ねることにより、燃料電池スタックが形成される。燃料電池は、エンドプレート120の間に収容される。
図1からわかるように、電気を発生するためにスタックにおいて複数のSOFCが使用される場合、配線部は、1つの電池を別の電池に電気接続する。配線部は、SOFCスタックに機械的安定性を与えると共に、アノードガスとカソードガスとを分離するセパレータとしても機能する。SOFCを電気接続するのは配線部の機能であるので、配線部の材料の導電率は高くなければならず、SOFCの耐用年数を通じて、電池の動作条件の下で動作温度において高いままでなければならない。更に、配線部は、カソード及びアノードなどの電池の他の構成要素と物理的に導通している。燃料電池を気密にして、燃料とオキシダントガスとの混合を回避するために、シールが使用され、配線部は、シールとも物理的に導通可能である。従って、配線部は、化学的に不活性であると共に、その他の電池構成要素と熱膨張係数の上で整合していることが望ましい。配線部と電極との間で反応が起こったとしても、反応生成物は、良導体でなければならない。
一実施形態においては、配線部で使用されるフェライトステンレス鋼は、フェライトステンレス鋼の重量の約18重量パーセント(wt%)以上の量のクロムを含有する。別の実施形態においては、フェライトステンレス鋼は、フェライトステンレス鋼の重量の約18wt%〜約30wt%の量のクロムを含有する。更に別の実施形態では、フェライトステンレス鋼は、フェライトステンレス鋼の重量の約20wt%〜約29wt%の量のクロムを含有する。更に別の実施形態においては、フェライトステンレス鋼は、フェライトステンレス鋼の重量の約21wt%〜約28wt%の量のクロムを含有する。クロムの量の一例は、フェライトステンレス鋼の重量の約20〜約25wt%である。18wt%未満のクロムが添加された場合、酸化クロムの連続する保護層を形成できない。酸化クロムの保護層は、フェライトステンレス鋼の劣化の速度を最小限に抑える。約30wt%以上の量でクロムが添加された場合には、ASRが増加する。フェライトステンレス鋼の重量の約30wt%以上の量でクロムが添加されると、揮発の危険も増加する。
アルミニウムは、フェライトステンレス鋼の重量の約1wt%までの量で存在できる。一実施形態においては、アルミニウムは、フェライトステンレス鋼の重量の約0.5〜約0.9wt%の量で存在できる。別の実施形態においては、アルミニウムは、フェライトステンレス鋼の重量の約0.55〜約0.85wt%の量で存在できる。更に別の実施形態では、アルミニウムは、フェライトステンレス鋼の重量の約0.5〜約0.80wt%の量で存在できる。アルミニウムの量の一例は、フェライトステンレス鋼の重量の約0.75wt%である。約1.0wt%以上の量でアルミニウムが添加された場合、フェライトステンレス鋼の中に形成されるアルミナの量が多すぎ、その結果、表面抵抗が増加する。
タングステンは、フェライトステンレス鋼の熱膨張係数(CTE)の減少を助ける。配線部と、配線部が物理的に導通しているSOFCの構成要素とのCTE整合を可能にするために、タングステンの量を変えることができる。タングステンは、フェライトステンレス鋼の重量の約7wt%までの量で存在できる。一実施形態においては、タングステンは、フェライトステンレス鋼の重量の約5〜約6.8wt%の量で存在できる。別の実施形態においては、タングステンは、フェライトステンレス鋼の重量の約5.5〜約6.5wt%の量で存在できる。タングステンの量の一例は、フェライトステンレス鋼の重量の約5〜約7wt%である。
フェライトステンレス鋼の中にマンガンが存在していると、酸化に際してスピネル相の形成が容易になる。マンガンの存在により、クロムを含有する酸化物及び/又は水酸化物の揮発が減少される。マンガンは、フェライトステンレス鋼の重量の約1.5wt%までの量で存在できる。一実施形態においては、マンガンは、フェライトステンレス鋼の重量の約0.5〜約1.35wt%の量で存在できる。別の実施形態においては、マンガンは、フェライトステンレス鋼の重量の約0.6〜約1.25wt%の量で存在できる。更に別の実施形態では、マンガンは、フェライトステンレス鋼の重量の約0.7〜約1.2wt%の量で存在できる。マンガンの量の一例は、フェライトステンレス鋼の重量の約0.75wt%である。
希土類元素は、クロムの粒界拡散を有効に阻止するため、酸化を調整する上で有効である。希土類元素の一例はランタンである。必要に応じて、希土類金属のランタニド系列及びアクチニド系列から選択された他の希土類金属がランタンに添加されてもよい。そのような希土類金属の例は、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ウラニウム、ネプツニウム、プルトニウムなど、もしくはそれらの希土類金属のうち少なくとも1つを含む組み合わせである。
一般に、希土類金属をフェライトステンレス鋼の総重量の約0.02wt%〜約0.1wt%の量で添加することが望ましい。一実施形態においては、フェライトステンレス鋼の総重量の約0.05wt%〜約0.08wt%の量で希土類金属を添加できる。別の実施形態においては、フェライトステンレス鋼の総重量の約0.06wt%〜約0.075wt%の量で希土類金属を添加できる。希土類金属が約0.1wt%以上の量で添加された場合、フェライトステンレス鋼を処理する費用が増加する。
前述のように、フェライトステンレス鋼は、希土類金属に加えて又は希土類金属の代わりにイットリウムを含有できる。一実施形態においては、希土類金属と共にイットリウムをフェライトステンレス鋼に添加できる。別の実施形態においては、フェライトステンレス鋼中の希土類金属に代わるものとして、イットリウムを使用できる。
一実施形態においては、フェライトステンレス鋼の総重量の希土類金属及びイットリウムを約0.0001wt%〜約0.1wt%の量で添加できる。一実施形態においては、フェライトステンレス鋼の総重量の希土類金属及びイットリウムを約0.005wt%〜約0.08wt%の量で添加できる。別の実施形態では、フェライトステンレス鋼の総重量の希土類金属及びイットリウムを約0.007wt%〜約0.06wt%の量で添加できる。更に別の実施形態においては、フェライトステンレス鋼の総重量の希土類金属及びイットリウムを約0.008wt%〜約0.05wt%の量で添加できる。
一実施形態では、フェライトステンレス鋼を製造する1つの方法において、鉄、クロム、アルミニウム、タングステン、マンガン、希土類元素及び/又はイットリウムは、真空アーク溶融され、その後、鋳造され、鍛造され、最終的なシートの形態に圧延される。別の実施形態においては、高温圧縮、熱間等静圧圧縮成形、焼結、高温真空圧密成形などを含む他の粉末冶金に基づく方法により、フェライトステンレス鋼を所望の形状に製造できる。フェライトステンレス鋼を製造する方法の一例は、真空アーク溶融の後、鋳造、鍛造及び最終的なシートの形態への圧延を行う方法である。
真空アーク溶融の後、材料はインゴットに鋳造される。その後、インゴットは鍛造され、最終的なシートの形態に圧延されてもよい。一実施形態においては、インゴットを約1,000℃の温度で熱間圧延し、次に、約2.54mm以下の厚さまで冷間圧延することができる。横断面面積の厚さを減少する工程の間、フェライトステンレス鋼に対して周期的に焼きなましを実行してもよい。
フェライトステンレス鋼は、1,500時間にわたり750℃で酸化される合金サンドイッチ構造において使用された場合、約5〜約40mΩ・cmの面積抵抗率(ASR)を示し、1,500時間にわたり850℃で酸化される合金サンドイッチ構造において使用された場合には、約20〜約120mΩ・cmのASRを示すという利点を有する。上述のASR値は、750℃の試験温度で測定される。以下に詳細に説明するように、合金サンドイッチ構造は、2枚のフェライトステンレス鋼板の間に配置されたマンガン酸ランタンストロンチウムの層を含む。
更に、フェライトステンレス鋼は、約11〜約12.75ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を示すという利点を有する。一実施形態においては、フェライトステンレス鋼は、約11.75〜約12.50ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を示す。別の実施形態においては、フェライトステンレス鋼は、約11.85〜約12.25ppm/℃の熱膨張係数(CTE)を示す。フェライトステンレス鋼は、市販のSOFCで使用されている電解質材料、すなわち、8%イットリア安定化ジルコニア(YSZ)の約20〜約800℃の温度範囲において約11ppm/℃である熱膨張係数に整合する熱膨張係数を有するという点で好都合である。
本発明の開示を、以下の限定的な意味を持たない実施例により例示する。
本実施例は、固体酸化物燃料電池環境においてフェライトステンレス鋼の上に形成される酸化層の面積抵抗率(ASR)、熱膨張係数(CTE)及び厚さを判定するために実行された。ASRを測定するために、LSM(ランタンストロンチウム材料)及びフェライトステンレス鋼から成るサンドイッチ構造を作成した。図2に示されるように、このサンドイッチ構造は、2枚のフェライトステンレス鋼板の間に配置されたLSMの層を具備する。図2に示される構体全体を、ある持続時間にわたり高温で酸化した。選択された温度は、それぞれ、750℃及び850℃であり、持続時間は1,500時間であった。
LSMをフェライトステンレス鋼板の間に挟むために、10wt%のポリビニルアルコール(PVA)を温水に溶解させ、PVA溶液を製造する。このPVA溶液を30wt%用いてLSMペーストを調製した。すなわち、70gのLSMを30gのPVA溶液と混合した。次に、1枚のフェライトステンレス鋼板の片面にLSMペーストを塗布し、別のフェライトステンレス鋼板をその上に押し付けた。次に、それらの合金サンドイッチ構造を、1,500時間にわたり、750℃及び850℃でそれぞれ酸化した。それらの酸化温度は、SOFCの動作温度に近いという理由により選択された。
ASRを測定するために、サンドイッチ構造を酸化した後、フェライトステンレス鋼板の露出面に形成される酸化物を除去するために、サンドイッチ構造の上面及び底面を研磨した。次に、図3に示されるように、サンドイッチ構造をプラチナ箔の間の測定機器の中へ挿入する。図3からわかるように、プラチナ箔は、それぞれ、2本のリード線を有し、サンドイッチ構造の外面と密接に接触している。このことは、図4に明確に示される。図4において、リード線のうち2本は上部のプラチナ箔に接続され、残る2本は下部のプラチナ箔に接続される。上部のリード線のうち1本及び下部のリード線のうち1本は、定電流を供給するために使用され、残る1対のリード線は、サンドイッチ構造において発生する電圧降下を測定するために使用される。
この構成の利点は、a)サンドイッチ構造の上面及び下面の酸化物を研磨して除去した後、プラチナ箔が合金と直接接触すること及びb)フェライトステンレス鋼とLSMとの2つの境界面で総ASRが測定されるため、測定の精度が向上することである。
定電流を供給するために、プログラム自在なKeithley定電流源(モデル2400)が使用され、試料における電圧降下を測定するために、Keithleyナノ電圧計(モデル2182)が使用された。また、電圧降下は、定電流の極性を反転することによっても測定され、2つの測定値の平均を求めた。この方法により、炉内の温度勾配のために生じると思われる熱電効果も排除される。温度は、毎分5℃の割合で上昇され、加熱中及び冷却中の双方で20℃間隔でデータが収集された。
いくつかの組成物及びそれらの組成物に関するASRの結果を、以下の表1に示す。ASR測定に加えて、25〜1,500℃の温度能力を有するNetzsch DIL 402C膨張計を使用して、CTEの測定も実行した。CTEの結果も以下の表1に示される。
更に、酸化物の厚さを判定するために、試料は酸化された。フェライトステンレス鋼片をLSMスラリで被覆し、1,500時間にわたり750℃及び850℃で酸化した。酸化物の厚さを判定するために、酸化された合金を立てた状態で装着した。垂直性を確保するために、1対の金属クリップを使用した。クリップにより支持された状態の試料を直径1インチの円筒形のプラスチック型の中に挿入した。3部の樹脂と1部の硬化剤とを混合することにより、低粘度エポキシ樹脂を調製した。円筒形の型に樹脂を半分満たし、真空デシケータの中で保持した。エポキシが泡立ち始め、型の縁に達するまで、回転ポンプを使用してデシケータを排気した。真空が中断すると、樹脂は再び沈下した。以上説明した工程を今一度繰り返した。最後に、型を完全に樹脂で満たした。樹脂を一晩室温で硬化させた。
冷却した試料を装着したまま、金属組織研磨した。電子顕微鏡検査の間に発生する電流の漏れ経路を形成するために、試料と成形プラスチックの底面との間に銀コンタクトを形成した。装着された試料をプラスチックと共に、4〜5時間にわたり、オーブン内において105℃で脱気した。脱気された装着状態の試料を、DCスパッタリングにより金で被覆した。金層の厚さは、150〜200Åであった。走査電子顕微鏡(SEM)において、3,000〜5,000倍の倍率で酸化物の厚さを測定した。酸化物の境界を十分に規定できない場合、多くの場合において、厚さ測定の補助手段としてEDSを使用した。少なくとも5つの箇所で厚さを測定した。酸化物の厚さ測定の結果も以下の表1に示す。
表1から、フェライトステンレス鋼は、約11.75〜約12.6ppm/℃であるCTEを有することがわかる。このようなCTEの値を有しているため、市販のSOFCにおいて使用するのに適する電解質材料との熱膨張係数の整合を更に改善できる。
また、本発明により開示される組成物のASRが約11〜約12mΩ・cmであることも、表1からわかる。このようなASR値を有しているため、フェライトステンレス鋼は、約800〜約850℃の温度で動作する固体酸化物燃料電池に有用である。LSM被覆された試料の酸化物層の厚さの平均値は、1,500時間にわたり750℃で酸化された場合、約1.9μmである。
従って、実施例から、フェライトステンレス鋼を配線部及び他の高温用途に有効に使用できることがわかる。フェライトステンレス鋼は、850℃までの温度で有効に使用可能である。フェライトステンレス鋼は優れた耐酸化性を示すため、LSM‐フェライトステンレス鋼境界面の安定性が向上する。更に、フェライトステンレス鋼は、耐酸化性並びにSOFCの他の構成要素との化学適合性を向上する元素を含む。
実施形態を参照しながら本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱せずに種々の変更を実施でき、また、本発明の要素を等価の要素と置き換えても差し支えないことが当業者により理解されるであろう。更に、本発明の本質的範囲から逸脱せずに、特定の状況又は材料を本発明の教示に適応させるために、数多くの変形が実施されてもよい。従って、本発明は、本発明を実施するために考えられる最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されないことが意図される。
固体酸化物燃料電池(SOFC)の一実施形態を示した概略図である。 ASR測定に使用されるサンドイッチ構造を示した概略図である。 フェライトステンレス鋼のASRを測定するための試験構成を示した図である。 フェライトステンレス鋼のASRを判定するために使用されるプラチナ箔の電気的構成を示した図である。
符号の説明
40…アノード、60…電解質、80…カソード、100…配線部、105…シール、120…エンドプレート、200…燃料電池システム

Claims (12)

  1. 鉄と;
    18〜30wt%のクロムと;
    7wt%までのタングステンと;
    1.5wt%までのマンガンと;
    1wt%までのアルミニウムと;
    0.02〜0.1wt%の希土類金属及び/又はイットリウムから成り、前記wt%が総重量に基づく組成物。
  2. サンドイッチ構造において実質的に1,500時間にわたり750℃で酸化されたとき、750℃で5〜40(mΩ・cm)の面積抵抗率を有する請求項1記載の組成物。
  3. サンドイッチ構造において実質的に1,500時間にわたり850℃で酸化されたとき、750℃で20〜120mΩ・cmの面積抵抗率を有する請求項1記載の組成物。
  4. 11.75ppm/℃以上の熱膨張係数を有する請求項1記載の組成物。
  5. クロムは、前記組成物の総重量の25wt%の量で存在する請求項1記載の組成物。
  6. 希土類金属はランタンである請求項1記載の組成物。
  7. 5〜7wt%のタングステンを含有する請求項1記載の組成物。
  8. 0.5〜1.5wt%のマンガンを含有する請求項1記載の組成物。
  9. 0.5〜1wt%のアルミニウムを含有する請求項1記載の組成物。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物から製造された物品。
  11. 鉄と;
    18〜30wt%のクロムと;
    7wt%までのタングステンと;
    1.5wt%までのマンガンと;
    1wt%までのアルミニウムと;
    0.02〜0.1wt%の希土類金属及び/又はイットリウムから成り、前記wt%が総重量に基づく組成物を溶融することと;
    前記組成物を鋳造することと;
    前記組成物を圧延することとから成る方法。
  12. 請求項11記載の方法により製造された物品。
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