JP2007161947A - 塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えた塗料組成物を提供する。
【解決手段】 塗料中の揮発成分として、植物から抽出した抽出油が含有され、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲であるものである。又、前記揮発成分が塗料組成物中で20〜90重量%の範囲で、前記抽出油が揮発成分中の1〜90重量%の割合で含有されているものであることが好ましい。更に、前記抽出油が、塗料組成物中に含まれる全揮発成分の中で、最も沸点が高いものであることがより好ましい。
【選択図】 なし
【解決手段】 塗料中の揮発成分として、植物から抽出した抽出油が含有され、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲であるものである。又、前記揮発成分が塗料組成物中で20〜90重量%の範囲で、前記抽出油が揮発成分中の1〜90重量%の割合で含有されているものであることが好ましい。更に、前記抽出油が、塗料組成物中に含まれる全揮発成分の中で、最も沸点が高いものであることがより好ましい。
【選択図】 なし
Description
この発明は、物品の表面の塗装に用いられる塗料組成物であり、特に建築物などの内外壁、天井などの塗装に用いられる塗料組成物に関するものである。
従来、塗料は、合成樹脂などの樹脂成分を主体とし、顔料,充填材,各種添加剤などを加えたものを主成分として、それらの成分を分散や溶解させるための溶媒により構成される。
この構成成分中の溶媒は、主に塗料組成物の成分を分散,溶解させ、その塗料組成物の流動性を確保し、塗装を行う場合には重要な構成材料の一つである。しかし、この溶媒は、その塗料組成物が塗膜となる過程において、その殆どが大気中に揮発してしまう揮発成分である。
この塗料組成物中における揮発成分には、その塗料組成物の溶媒の種類により異なったものが用いられ、溶剤系の塗料組成物では、トルエン,キシレン,酢酸ブチルなどの溶剤などが用いられ、水系の塗料組成物である水系塗料組成物では、主に水が用いられる。又、この水系塗料組成物においても、造膜助剤,防凍剤として高沸点溶剤を含有させる場合がある。この高沸点溶剤も塗膜を形成する過程で、揮発するものであり、揮発成分の一つである。
このような塗料組成物は、その中に含有されている揮発成分の揮発の過程を経て、液状である塗料組成物が、固体の塗膜を形成するものである。
これら揮発成分を多く含有する塗料では、その塗布における作業性,季節に応じた乾燥性,被塗布物に対する密着性など諸性能,及び、塗料の主成分である樹脂成分との混和性や溶解性など考慮し、複数種の揮発成分を混合し用いることが多く行われている。このように複数の揮発成分を混合し用いることで、作業性,乾燥性,密着性などを必要に応じて改善することができるものである。
また、下記特許文献1にあるようにエマルションを主体とした水性塗料において、その造膜性を向上させる目的のためにリモネンを合成樹脂エマルション100重量部に対して、0.5〜30重量部を添加する場合がある。
ところが、塗料中に複数種の揮発成分を混合して用いた場合、その塗料を用いる時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件により異なることが多く、そのため、作業性,乾燥性,密着性などの諸性能のバランスを考慮した場合には、揮発成分の混合割合を適切にすることが難しく、熟練を要するものである。
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えた塗料組成物を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の塗料組成物は、塗料中の揮発成分として、植物から抽出した抽出油が含有され、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲であるものである。
請求項2に記載の発明の塗料組成物は、請求項1に記載の発明において、前記揮発成分が塗料組成物中で20〜90重量%の範囲で、前記抽出油が揮発成分中の1〜90重量%の割合で含有されているものである。
請求項3に記載の発明の塗料組成物は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記抽出油が、塗料組成物中に含まれる全揮発成分の中で、最も沸点が高いものである。
請求項4に記載の発明の塗料組成物は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明において、前記揮発成分が2種以上の複数種であり、その複数種の揮発成分の内、少なくともの1種の揮発成分の沸点が100℃以下であるものである。
請求項5に記載の発明の塗料組成物は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明において、前記塗料がその使用前に2種以上の材料を混合する混合型であり、その2種以上の材料の1種に、前記抽出油が含有されているものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の塗料組成物によれば、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えた塗料組成物を得ることができる。
請求項1に記載の発明の塗料組成物によれば、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えた塗料組成物を得ることができる。
請求項2に記載の発明の塗料組成物によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、作業性,乾燥性,密着性のバランスがより安定になり、塗料組成物においての防腐性,塗料組成物が塗膜になった場合での塗膜への防虫性をより効果的で、持続的にすることができる。
請求項3に記載の発明の塗料組成物によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、塗料組成物を被塗布物に塗布した後の塗膜形成過程を早めることが可能で、塗膜への防虫性をより効果的で、持続的にすることができる。
請求項4に記載の発明の塗料組成物によれば、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加え、塗料組成物を被塗布物に塗布した後の塗膜形成過程をより早めることが可能となる。
請求項5に記載の発明の塗料組成物によれば、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加え、抽出油特有な匂いと塗料の臭いが混合され混合前の塗料と混合後の塗料組成物の区別が容易となる。
この発明に記載された塗料組成物は、塗料中の揮発成分として、植物から抽出した抽出油が含有され、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲であるものであり、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えた塗料組成物を得ることができるものである。
まず、この発明に記載された塗料組成物は、主に被塗布物に塗布し、その保護及び美化の用をなす流体物であり、その種類には、用途に応じた形態を有するものであり、下塗り用、中塗り用及び上塗り用など複数の塗料組成物を用いるものや1種の塗料組成物により仕上げられるものなどがある。
また、塗料組成物の成分においては、合成樹脂などのバインダー成分、分散剤などの界面活性剤、造膜助剤,防凍剤などの高沸点溶剤、溶剤や水などの溶媒などの揮発成分により主に構成され、必要により炭酸カルシウムなどの充填材や顔料などを加えることがある。更に、トルエン,キシレンなどの溶剤を溶媒とした溶剤型や水を溶媒とした水系型の塗料がある。
合成樹脂などのバインダー成分には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂を共重合したものを水若しくは有機溶媒に溶解させたもの、又はエマルションとして水に分散させたものが挙げられる。
この発明の場合においては、塗料中組成物の揮発成分の一つである溶媒が溶剤,水であっても何ら問題はないが、溶媒が溶剤の溶剤型塗料組成物である場合のほうが、その効果を十分に発揮する。この揮発成分が複数種により構成されていることが多く、その中で後述される抽出油が含有されていれば良い。
溶剤型塗料組成物の場合では、使用される溶剤の種類が多いため、作業性,乾燥性,密着性のバランスを取ることが困難な場合がある。そのため、抽出油を用いることで、作業性,乾燥性,密着性のバランスを取ることが容易となる。
この植物から抽出した抽出油には、主として顕花植物の花、果実、樹皮又は葉などから得られる抽出油で、多くの種類のものがある。この代表的なものとして、みかんやレモンなどの柑橘系の果物の抽出油、ラベンダー,バラなどの花の抽出油、ヒノキなど木の抽出油などあらゆる種類に植物から抽出されるものなど数多く挙げることができる。
これら数多くある抽出油の中で、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲であることが必要である。植物からの抽出油の性状がこの範囲にあることにより、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えた塗料組成物を得ることができる。
この抽出油の沸点は、抽出油の臨界点以下の圧力と液体の飽和蒸気圧が等しくなる温度のことであり、カウリブタノール価は、溶剤の溶解力を表す指標の一つである。
このカウリブタノール価の測定は、カウリ樹脂100gを500gのブチルアルコールで溶解した標準液を作り、そのカウリ樹脂ブタノール溶液250mlを三角フラスコに入れて,標準活字用紙の上に置き,試料を加え,濁りが生じて活字が読めなくなった時の試料のml数で表現するものである。このカウリブタノール価は、数値が大きいほど強い溶解力を有していることになり、パラフィンで25〜40,シクロパラフィンで50前後,芳香族で100前後である。
この沸点,カウリブタノール価のそれぞれの値が、150〜250℃の範囲であり、50〜90の範囲であることが必要であり、このような植物からの抽出油を用いた塗料組成物を使用することで、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れものとなる。
また、植物固有の特徴である防腐性,防虫性を塗料組成物に付加することができ、塗料組成物から得られる塗膜においても防虫性を得ることができる。この防腐性,防虫性については、ヒノキから抽出されたヒノキチオールなどが知られている。このヒノキチオールは、一般細菌、カビ及び酵母などに優れた抗菌性を示すことから防腐剤,防虫剤として用いられることがある。
この抽出油の炭素数が10〜13の範囲であることが好ましく、この範囲内であることにより、比較的安全で取扱いが容易なものとなり、乾燥性の良い塗料組成物を得ることができる。炭素数が10より少ない場合では、引火点が高くなり、塗料組成物の製造工程,保管時での安全対策を十分に行う必要が生じる場合があり、又、塗装作業中での安全管理においても同様の場合がある。逆に、炭素数が13より大きい場合では、塗料組成物の乾燥性を低下することがある。
上記記載のような抽出油として、みかんやレモンなどの柑橘系果物から抽出された抽出油が好ましく用いられる。この柑橘系果物から抽出された抽出油は、リモネンと呼ばれ、皮膚に対しての刺激性が少なく、生分解性に優れたものである。このようなリモネンを用いることにより、塗料組成物の製造及び塗装作業においての作業者により安全性が高く、塗布後に大気に揮発した揮発分の分解が比較的速いものとなる。
また、前記揮発成分が塗料組成物中で20〜90重量%の範囲で、前記抽出油が揮発成分中の1〜90重量%の割合で含有されていることが好ましいものである。この範囲内で抽出油が塗料組成物中に含有されていることにより、作業性,乾燥性,密着性のバランスがより安定になり、塗料組成物においての防腐性,塗料組成物が塗膜になった場合における塗膜の防虫性をより効果的で、持続的なものにすることができる。
塗料組成物中の揮発成分がこの範囲より少ない場合では、塗料組成物の固形分が多くなり、塗装作業に影響する場合がある。逆に少ない場合では、固形分が少なく、塗料組成物の塗布後の乾燥過程に影響があり、形成された塗膜に割れなどを生じる場合がある。又、この揮発成分中の抽出油が前記範囲より少ない場合では、乾燥性は比較的良いものであるが、密着性が劣る場合がある。又、塗料組成物においての防腐性,塗料組成物が塗膜になった場合での塗膜への防虫性能が少なくなる。逆に、多い場合では、塗膜の形成過程においての乾燥が遅くなることがある。
また、揮発成分が塗料組成物中で20〜90重量%の範囲で、抽出油が揮発成分中の3〜30重量%の割合で含有されていることがより好ましいものである。この範囲内であれば、作業性,乾燥性,密着性のバランスにより優れたものとなる。
また、前記抽出油が、塗料組成物中に含まれる全揮発成分の中で、最も沸点が高いものであることが好ましいものである。これにより、塗料組成物を被塗布物に塗布した後の塗膜形成過程を早めることが可能で、又、塗膜への防虫性をより効果的で、持続的にすることができる。
さらに、前記揮発成分が2種以上の複数種であり、その複数種の揮発成分の内、少なくともの1種の揮発成分の沸点が100℃以下であることが好ましい。塗布された塗料組成物の乾燥性が向上することになる。これにより塗料組成物塗布後の作業工程などを有利に進めることが可能となる。
また、この塗料組成物に含有される抽出油では、その抽出油特有の臭いがある場合が多く、その臭いが不必要な場合や好ましくない場合などには、塗料組成物に消臭剤を添加することも十分に可能である。この消臭剤は、トリポリリン酸ニ水素アルミニウム、トリポリリン酸アルミニウム、アルミナケイ酸塩、活性炭、ゼオライトなどの無機系消臭剤、ピノバンクシン、アロマデンドリン、エンゲリチンなどのフラバノール類からなるフラバノール系消臭剤、ケンフェロール、トリホリン、アストラガリンなどのフラボノール類からなるフラボノール系消臭剤、アビエチン酸、グリオキサール等の有機系消臭剤などがある。消臭剤は、消臭したい対象とするものにより選択することができ、対象とするものが複数ある場合などには、1種又は2種以上用いてもなんら問題はない。
上記記載のような塗料組成物であるが、より好ましい形態として、その塗料組成物がその使用前に2種以上の材料を混合する混合型であり、その2種以上の材料の1種に、前記抽出油が含有されているものである。このような形態の塗料組成物としては、主材と硬化剤を混合するウレタン系,アクリルシリコン系の塗料組成物などが挙げられる。又、使用前に主材に対して希釈剤を混合する形態の塗料組成物も混合型の塗料組成物に含まれる。
このような形態にすることにより、抽出油特有な匂いを利用し、混合された塗料組成物と混合される前の塗料組成物を簡単に区別することができる。このような形態の一例として、使用前に硬化剤を加える塗料組成物では、その硬化剤に抽出油を含有させることで、それを使用前に塗料組成物の主材と混合させることで、主材と硬化剤とを混合された塗料組成物に抽出油特有な匂いが付き、主材と硬化剤を混ぜたものであることが、匂いにより確認することができる。
このようにすることにより、確実に混合された塗料組成物であることを確認することができる。又、この場合、抽出油を含有させるものとしては、主材,硬化剤,希釈剤のいずれか一つでよいが、好ましいものとしては、硬化剤,希釈剤のいずれかであり、硬化剤の場合がより好ましいものである。
これは、塗料組成物の主材に対して、硬化剤,希釈剤を混合したことが分かるためであり、希釈剤を混合した場合であると、塗料組成物の粘度に変化があることで、混合前か後という事が判別することも可能である。
これは、塗料組成物の主材に対して、硬化剤,希釈剤を混合したことが分かるためであり、希釈剤を混合した場合であると、塗料組成物の粘度に変化があることで、混合前か後という事が判別することも可能である。
しかし、硬化剤の場合は、一般的に主材の量に対して、少ない量であるため、塗料性状に及ぼす変化が少ないことから、混合前,後の区別が付かないことがあり、硬化剤を添加しないことや過剰な量を添加した場合などで、塗料組成物の造膜過程や塗膜に不具合が生ずることもある。
このように塗料組成物の硬化剤に抽出油を混合することで、その塗料組成物への硬化剤の添加を匂いにより確認することができる。
このように塗料組成物の硬化剤に抽出油を混合することで、その塗料組成物への硬化剤の添加を匂いにより確認することができる。
以上のように、この実施形態によれば次のような効果が発揮される。
塗料中の揮発成分として、植物から抽出した抽出油が含有され、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲のものであることより、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えたものである。
塗料中の揮発成分として、植物から抽出した抽出油が含有され、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲のものであることより、塗装作業時の気温,湿度などの作業環境や被塗布物の表面状態など各種条件が異なった場合であっても、作業性,乾燥性,密着性のバランスが取れ、更には、天然物からの抽出油特有の防腐性,防虫性を備えたものである。
前記揮発成分が塗料組成物中で20〜90重量%の範囲で、前記抽出油が揮発成分中の1〜90重量%の割合で含有されているものであることにより、作業性,乾燥性,密着性のバランスがより安定になり、塗料組成物においての防腐性,塗料組成物が塗膜になった場合での塗膜への防虫性をより効果的で、持続的にすることができる。
前記抽出油が、塗料組成物中に含まれる全揮発成分の中で、最も沸点が高いものであることにより、塗料組成物を被塗布物に塗布した後の塗膜形成過程を早めることが可能で、塗膜への防虫性をより効果的で、持続的にすることができる。
前記揮発成分が2種以上の複数種であり、その複数種の揮発成分の内、少なくともの1種の揮発成分の沸点が100℃以下であることにより、塗料組成物を被塗布物に塗布した後の塗膜形成過程をより早めることが可能となる。
前記塗料がその使用前に2種以上の材料を混合する混合型であり、その2種以上の材料の1種に、前記抽出油が含有されているものであることにより、抽出油特有な匂いと塗料の臭いが混合され混合前の塗料と混合後の塗料組成物の区別が容易となる。
前記塗料組成物が溶剤型塗料組成物であることにより、作業性,乾燥性,密着性のバランスを取ることが容易で、その効果を十分に発揮するものである。
前記抽出油の炭素数が10〜13の範囲であることにより、比較的安全で取扱いが容易なものとなり、乾燥性の良い塗料組成物を得ることができる。
前記抽出油が柑橘系果物から抽出された抽出油のリモネンであることにより、膚に対しての刺激性が少なく、生分解性に優れたものである。このようなリモネンを用いることにより、塗料組成物の製造及び塗装作業における作業者に対する安全性が高く、塗布後に大気に揮発した揮発分の分解が比較的速いものとなる。
塗料組成物に消臭剤を添加することにより、抽出油特有の臭いが不必要な場合や好ましくない場合に有効である。
使用前に主材に対して希釈剤を混合する形態の塗料組成物も混合型の塗料組成物であることにより、主材と硬化剤とを混合された塗料組成物に抽出油特有な匂いが付き、主材と硬化剤を混ぜたものであることが、匂いにより確認することができ、確実に混合された塗料組成物であることを確認することができる。
Claims (5)
- 塗料中の揮発成分として、植物から抽出した抽出油が含有され、その抽出油の沸点が150〜250℃の範囲であり、カウリブタノール価が50〜90の範囲であることを特徴とする塗料組成物。
- 前記揮発成分が塗料組成物中で20〜90重量%の範囲で、前記抽出油が揮発成分中の1〜90重量%の割合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の塗料組成物。
- 前記抽出油が、塗料組成物中に含まれる全揮発成分の中で、最も沸点が高いものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗料組成物。
- 前記揮発成分が2種以上の複数種であり、その複数種の揮発成分の内、少なくともの1種の揮発成分の沸点が100℃以下であるものことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の塗料組成物。
- 前記塗料がその使用前に2種以上の材料を混合する混合型であり、その2種以上の材料の1種に、前記抽出油が含有されているものであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の塗料組成物。
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Legal Events
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