JP2007161932A - 高分子発光体およびその製造方法 - Google Patents

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哲彦 山口
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Abstract

【課題】高輝度、高発光効率および長寿命を有する有機発光素子が得られる高分子発光体を提供することにある。
【解決手段】本発明の高分子発光体は、燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合して得られる高分子発光体であり、(1)少なくとも前記化合物(A)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、(2)その重合開始時から、前記化合物(B)および前記化合物(C)の少なくとも一方を、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子発光体に関する。より詳しくは、本発明は、高輝度、高発光効率および長寿命を有する有機発光素子が得られる高分子発光体に関する。
近年、有機発光素子の発光層に用いるために、高い発光効率とともに、高い輝度を有する材料の開発が活発に行われている。例えば、イリジウム錯体のような低分子化合物が知られている。
しかしながら、低分子化合物を用いて発光層を形成する場合は真空蒸着法が用いられるが、この方法で得られる発光層の膜厚は不均一になりやすい、大面積化が困難であるなどの問題があった。また、上記低分子化合物を含む発光層を用いた有機発光素子は、耐久性に劣るという問題もあった。
これに対して、スピンコートなどの塗布法により発光層が形成できるため、燐光発光性の重合性化合物から導かれる構造単位と、正孔輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位と、電子輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位とを含む高分子発光体が提案されている。
例えば、特許文献1には、燐光発光性の重合性化合物、正孔輸送性の重合性化合物および電子輸送性の重合性化合物を一度に溶媒に加え、重合を開始させて得られるランダム共重合体が開示されている。
しかしながら、上記ランダム共重合体を用いた有機発光素子は、真空蒸着法によって低分子化合物から形成された発光層を有する素子に比較して、発光効率などの性能が劣っていた。
また、特許文献2では、まず、燐光発光性の重合性化合物および正孔輸送性の重合性化合物を用いて溶媒中でプレポリマーを重合し、次いで、このプレポリマーと電子輸送性の重合性化合物とを重合して得られるブロック共重合体を得る試みがされている。
しかしながら、上記ブロック共重合体では、燐光発光性部分の近傍に、正孔輸送性部位または電子輸送性部位のいずれか一方のみが存在するため、高分子内でのキャリアバランスが悪い。したがって、上記ブロック共重合体を用いた有機発光素子は、上記ランダム共重合体を用いた場合よりも、発光効率などの性能が劣っていた。
特開2005−97589号公報 特開2005−15508号公報
本発明の目的は、高輝度、高発光効率および長寿命を有する有機発光素子が得られる高分子発光体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の方法で重合して得られる高分子発光体により、高輝度、高発光効率および長寿命を有する有機発光素子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりに要約される。
[1]燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合して得られる高分子発光体であり、
(1)少なくとも上記化合物(A)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(B)および上記化合物(C)の少なくとも一方を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする高分子発光体。
[2]燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合して得られる高分子発光体であり、
(1)少なくとも上記化合物(A)および上記化合物(B)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(C)の少なくとも一部を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする高分子発光体。
[3](1)上記化合物(C)の一部、上記化合物(A)および上記化合物(B)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(C)の残りを、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする上記[2]に記載の高分子発光体。
[4]燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合して得られる高分子発光体であり、
(1)少なくとも上記化合物(A)および上記化合物(C)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(B)の少なくとも一部を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする高分子発光体。
[5](1)上記化合物(B)の一部、上記化合物(A)および上記化合物(C)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(B)の残りを、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする上記[4]に記載の高分子発光体。
[6]上記重合がラジカル重合であることを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の高分子発光体。
[7]上記化合物(A)がイリジウム錯体であることを特徴とする上記[1]〜[6]のいずれかに記載の高分子発光体。
[8]上記化合物(A)が、下記一般式(1−1)で表されることを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれかに記載の高分子発光体。
Figure 2007161932
(式(1−1)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R1とR2とで、R2とR3とで、R3とR4とで、R4とR5とで、R5とR6とで、R6とR7とで、R7とR8とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、Lは、下記一般式(1−2)〜(1−4)からなる群より選ばれる2座配位子を表す。)
Figure 2007161932
(式(1−2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R21とR22とで、R22とR23とで、R23とR24とで、R24とR25とで、R25とR26とで、R26とR27とで、R27とR28とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R21〜R28のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
Figure 2007161932
(式(1−3)中、R31〜R33は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R31とR32とで、R32とR33とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R31〜R33のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
Figure 2007161932
(式(1−4)中、R41〜R44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R41とR42とで、R42とR43とで、R43とR44とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R41〜R44のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
[9]上記化合物(A)が、下記一般式(2−1)で表されることを特徴とする上記[1]〜[7]のいずれかに記載の高分子発光体。
Figure 2007161932
(式(2−1)中、R51〜R58は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R51とR52とで、R52とR53とで、R53とR54とで、R55とR56とで、R56とR57とで、R57とR58とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、Bは、硫黄原子または酸素原子を表し、Lは、下記一般式(2−2)〜(2−4)からなる群より選ばれる2座配位子を表す。)
Figure 2007161932
(式(2−2)中、R61〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R61とR62とで、R62とR63とで、R63とR64とで、R65とR66とで、R66とR67とで、R67とR68とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、Bは、硫黄原子または酸素原子を表し、R61〜R68のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
Figure 2007161932
(式(2−3)中、R31〜R33は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R31とR32とで、R32とR33とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R31〜R33のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
Figure 2007161932
(式(2−4)中、R41〜R44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R41とR42とで、R42とR43とで、R43とR44とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R41〜R44のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の高分子発光体を用いた有機発光素子。
[11]燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合する高分子発光体の製造方法であり、
(1)少なくとも上記化合物(A)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(B)および上記化合物(C)の少なくとも一方を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加することを特徴とする高分子発光体の製造方法。
[12]燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合する高分子発光体の製造方法であり、
(1)少なくとも上記化合物(A)および上記化合物(B)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(C)の少なくとも一部を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加することを特徴とする高分子発光体の製造方法。
[13]燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合する高分子発光体の製造方法であり、
(1)少なくとも上記化合物(A)および上記化合物(C)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、
(2)その重合開始時から、上記化合物(B)の少なくとも一部を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加することを特徴とする高分子発光体の製造方法。
本発明の高分子発光体によれば、高輝度、高発光効率および長寿命を有する有機発光素子が得られる。
以下、本発明について具体的に説明する。
1.高分子発光体
本発明の高分子発光体は、燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを重合して得られ、燐光発光性の重合性化合物(A)から導かれる構造単位と、正孔輸送性の重合性化合物(B)から導かれる構造単位と、電子輸送性の重合性化合物(C)から導かれる構造単位とを含む。
なお、本明細書において、正孔輸送性の重合性化合物(B)および電子輸送性の重合性化合物(C)を併せて「キャリア輸送性の重合性化合物」ともいう。
本発明に用いられる化合物(A)としては、重合性官能基を有する置換基を含んでおり、室温で三重項励起状態からの発光が得られる低分子化合物であれば、特に制限されない。なお、本発明において、化合物(A)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(A)としては、重合性官能基を有する置換基を含んでいるパラジウム錯体、オスミウム錯体、イリジウム錯体、プラチナ錯体、および金錯体が好ましく、イリジウム錯体およびプラチナ錯体がより好ましく、イリジウム錯体が最も好ましい。
上記イリジウム錯体としては、上記式(1−1)、(2−1)で表される錯体が好適に用いられる。
式(1−1)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表す。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が挙げられる。
上記炭素数1〜10のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。
上記炭素数6〜10のアリール基としては、たとえば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などが挙げられる。
上記炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基としては、たとえば、アミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基などが挙げ
られる。
上記炭素数1〜10のアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基などが挙げられる。
上記シリル基としては、たとえば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などが挙げられる。
これらのうちで、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、t−ブチル基、ジメチルアミノ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が好ましい。
1とR2とで、R2とR3とで、R3とR4とで、R4とR5とで、R5とR6とで、R6とR7とで、R7とR8とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
Lは、上記式(1−2)〜(1−4)からなる群より選ばれる2座配位子を表す。
式(1−2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、R1と同様の原子または置換基であ
る。
これらのうちで、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、t−ブチル基、ジメチルアミノ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が好ましい。
21とR22とで、R22とR23とで、R23とR24とで、R24とR25とで、R25とR26とで、R26とR27とで、R27とR28とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
21〜R28のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。
上記置換基としては、重合性官能基を有することのほか、特に制限されず、上述したような置換基などが挙げられる。
上記重合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性および縮合重合性の官能基のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジカル重合性の官能基は、重合体の製造が容易であるため好ましい。
上記重合性官能基としては、例えば、アリル基、アルケニル基、アクリレート基、メタクリレート基、メタクリロイルオキシエチルカルバメート基等のウレタン(メタ)アクリレート基、ビニルアミド基およびこれらの誘導体などが挙げられる。これらのうちで、アルケニル基が好ましい。
上記式(1−1)で表される錯体は、具体的には、上記官能基を、下記一般式(A1)〜(A12)で表される置換基として有することがより好ましい。これらのうちで、下記式(A1)、(A5)、(A8)、(A12)で表される置換基は、イリジウム錯体に官能基が容易に導入できるためさらに好ましい。
Figure 2007161932
式(1−3)中、R31〜R33は、それぞれ独立にR1と同様の原子または置換基(ただ
しハロゲン原子を除く。)である。
これらのうちで、メチル基、t−ブチル基、ジメチルアミノ基、メトキシ基が好ましい。
31とR32とで、R32とR33とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
31〜R33のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表し、該重合性官能基を有する置換基としては、上述したような置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
式(1−4)中、R41〜R44は、それぞれ独立にR1と同様の原子または置換基である

これらのうちで、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、t−ブチル基、ジメチルアミノ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が好ましい。
41とR42とで、R42とR43とで、R43とR44とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
41〜R44のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表し、該重合性官能基を有する置換基としては、上述したような置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
式(2−1)中、R51〜R58は、それぞれ独立にR1と同様の原子または置換基である

これらのうちで、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、t−ブチル基、ジメチルアミノ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が好ましい。
51とR52とで、R52とR53とで、R53とR54とで、R55とR56とで、R56とR57とで、R57とR58とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
Bは、硫黄原子または酸素原子を表し、好ましくは硫黄原子である。
Lは、上記式(2−2)〜(2−4)からなる群より選ばれる2座配位子を表す。
式(2−2)中、R61〜R68は、それぞれ独立にR1と同様の原子または置換基である
これらのうちで、水素原子、フッ素原子、シアノ基、メチル基、t−ブチル基、ジメチルアミノ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基が好ましい。
61とR62とで、R62とR63とで、R63とR64とで、R65とR66とで、R66とR67とで、R67とR68とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよい。
Bは、硫黄原子または酸素原子を表し、好ましくは硫黄原子である。
61〜R68のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表し、該重合性官能基を有する置換基としては、上述したような置換基が挙げられ、好ましい範囲も同じである。
上記式(2−3)については、上記式(1−3)と同様であり、上記式(2−4)については、上記式(1−4)と同様である。
上記式(1−1)または(1−2)で表されるイリジウム錯体は、例えば、以下のように製造される。まず、特定の2座配位子と、塩化イリジウムなどのイリジウム化合物(0.5当量)とを、2−エトキシエタノールなどの溶媒中で反応させる。次いで、得られた金属錯体および重合性官能基を有する2座配位子を、炭酸ナトリウムと共に、2−エトキシエタノールなどの溶媒中で加熱した後、精製して、上記式(1−1)または(1−2)で表されるイリジウム錯体を得る。なお、重合性官能基を有する2座配位子は、公知の方法によって得られる。
本発明に用いられる化合物(B)としては、重合性官能基を有する置換基を含むことのほか、特に制限されず、公知の正孔輸送性の化合物が用いられる。化合物(B)は、単独
で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性、および縮合重合性の官能基のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジカル重合性の官能基は、重合体の製造が容易であるため好ましい。
上記重合性官能基としては、上記式(1−1)で表される錯体における、重合性官能基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
化合物(B)は、具体的には、上記官能基を、上記式(A1)〜(A12)で表される置換基として有することがより好ましい。
化合物(B)としては、具体的には、下記一般式(E1)〜(E6)で表される化合物が好ましく、共重合体におけるキャリア移動度が高いため、下記式(E1)〜(E3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2007161932
本発明に用いられる化合物(C)としては、重合性官能基を有する置換基を含むことのほか、特に制限されず、公知の電子輸送性の化合物が用いられる。化合物(C)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合性官能基は、ラジカル重合性、カチオン重合性、アニオン重合性、付加重合性、および縮合重合性の官能基のいずれであってもよい。これらのうちで、ラジカル重合性の官能基は、高分子発光体の製造が容易であるため好ましい。
上記重合性官能基としては、上記式(1−1)で表される錯体における、重合性官能基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
化合物(C)は、具体的には、上記官能基を、上記式(A1)〜(A12)で表される置換基として有することがより好ましい。
化合物(C)としては、具体的には、下記一般式(E7)〜(E15)で表される化合物が好ましく、共重合体におけるキャリア移動度が高いため、下記式(E7)、(E12)〜(E14)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2007161932
なお、上記式(E1)〜(E15)において、上記式(A1)で表される置換基を、上記一般式(A2)〜(A12)で表される置換基に代えた化合物も好適に用いられるが、化合物に官能基を容易に導入できるため、上記式(A1)、(A5)で表される置換基を
有する化合物が特に好ましい。
上記式(E1)〜(E15)で表される重合性化合物は、公知の方法によって製造できる。
本発明の高分子発光体は、(1)少なくとも上記化合物(A)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、(2)その重合開始時から、上記化合物(B)および上記化合物(C)の少なくとも一方を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られる。たとえば、[1](1)化合物(A)および化合物(B)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、(2)その重合開始時から、化合物(C)を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加してもよく、[2](1)上記化合物(A)および上記化合物(C)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、(2)その重合開始時から、上記化合物(B)を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加してもよい。また、[3](1)上記化合物(C)の一部、上記化合物(A)および上記化合物(B)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、(2)その重合開始時から、上記化合物(C)の残りを、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加してもよく、[4](1)上記化合物(B)の一部、上記化合物(A)および上記化合物(C)を、上記溶媒と混合してから重合を開始し、(2)その重合開始時から、上記化合物(B)の残りを、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加してもよい。
以下、[1]〜[4]について場合を分けて説明する。
[1]では、まず、化合物(A)および化合物(B)を、上記溶媒と混合してから重合を開始する。
化合物(B)は、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部の量で用いられる。
上記重合は、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれであってもよいが、ラジカル重合が好ましく、該ラジカル重合に用いられる溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、γ−ブチロラクトン、乳酸エチル等のエステル類、シクロヘキシルベンゾフェノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒などが挙げられる。これらのうちで、ベンゼン、トルエン、N−メチルピロリドンが好ましい。上記溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒は、該溶媒に添加される重合性化合物の量の合計(すなわち、最終的に該溶媒に添加されることとなる、化合物(A)、化合物(B)および化合物(C)の量の合計を意味する。本明細書において、単に「溶媒に添加される重合性化合物の量の合計」ともいう。)100重量部に対して通常100〜10000重量部、好ましくは500〜5000重量部の量で用いられる。
上記ラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、ジメチル−2,2'−アゾビス(
2−メチルプロピオネート)、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−1−アセトキシ−1−フェニエルエタン等の重合開始剤;過酸化物と、4−メチルスルホニルオキシ−2,2',6,6'−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシド、2,2',5,5'−テトラメチルピロリデインオキシド、4−オキソ−2,2',6,6'−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシド等のN−オキシラジカルとの組み合わせからなる重合開始剤;スルフィド系の重合開始剤などが挙げられる。これらのうちで、ジメチル−2,2'−ア
ゾビス(2−メチルプロピオネート)が好ましい。上記重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記溶媒に添加される重合性化合物の量の合計100重量部に対し
て通常0.1〜3重量部の量で用いられる。
化合物(A)および化合物(B)を、上記重合開始剤とともに上記溶媒と混合してから重合を開始するが、該重合の温度は、重合条件によって異なるが、ラジカル重合の場合には、重合開始剤の10時間半減期温度が好ましい。また、経時的に温度を変えてもよい。
また、上記重合は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス下、空気下のいずれの雰囲気下で行ってもよく、好ましくは不活性ガス下で行われる。
また、上記重合の重合時間は、通常1〜100時間、好ましくは10〜60時間である。
[1]では、その重合開始時から、化合物(C)を、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加する。
連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(C)の量は、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部である。
化合物(C)は、固体状態でそのまま添加してもよいが、好ましくは溶媒に溶解した溶液状態(本明細書において、この溶液を「溶液(a)」ともいう。)で添加する。
溶液(a)の調製に用いられる溶媒としては、上記と同様なものが挙げられ、化合物(A)を添加した溶媒と異なる溶媒であってもよいが、同じ溶媒であることが好ましい。
溶液(a)の調製において、上記溶媒は、連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(C)100重量部に対して通常50〜5000重量部の量で用いられる。
上記重合時間は、上述のように通常1〜100時間、好ましくは10〜60時間であり、この重合時間に渡って、化合物(C)の全量を上記溶媒に添加する。添加の方法は、連続的でも間欠的でもよく、好ましくは連続的に行われる。連続的な添加とは、継続的に一定速度で添加することを意味し、連続的に添加する方法は特に制限されない。たとえば、毎分、化合物(C)を、連続的な添加に用いられる化合物(C)の全量に対して通常0.017〜1.7重量%、好ましくは0.028〜0.17重量%の量で添加すればよい。
[2]では、まず、化合物(A)および化合物(C)を、上記溶媒と混合してから重合を開始する。
化合物(C)は、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部の量で用いられる。
上記重合は、[1]と同様に、ラジカル重合が好ましく、該ラジカル重合において用いられる溶媒も[1]と同様であり、好ましいものも同じである。上記溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒は、該溶媒に添加される重合性化合物の量の合計100重量部に対して通常100〜10000重量部、好ましくは500〜5000重量部の量で用いられる。
上記ラジカル重合に用いられる重合開始剤は[1]と同様であり、好ましいものも同じである。上記重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記溶媒に添加される重合性化合物の量の合計100重量部に対して通常0.1〜3重量部の量で用いられる。
化合物(A)および化合物(C)を、上記重合開始剤とともに上記溶媒と混合してから重合を開始するが、重合の温度、重合の雰囲気および重合時間については[1]と同様であり、好ましい範囲も同じである。
[2]では、その重合開始時から、化合物(B)を、重合時間に渡って上記溶媒に連続
的または間欠的に添加する。
連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(B)の量は、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部である。
化合物(B)は、固体状態でそのまま添加してもよいが、好ましくは溶媒に溶解した溶液状態(溶液(a)の状態)で添加する。溶液(a)の調製に用いられる溶媒は[1]と同様であり、好ましいものも同じである。
溶液(a)の調製において、上記溶媒は、連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(B)100重量部に対して通常50〜5000重量部の量で用いられる。
上記重合時間は、上述のように通常1〜100時間、好ましくは10〜60時間であり、この重合時間に渡って、化合物(B)の全量を上記溶媒に添加する。添加の方法は[1]と同様であり、好ましい条件も同じである。
[3]では、まず、化合物(C)の一部、化合物(A)および化合物(B)を、上記溶媒と混合してから重合を開始する。
化合物(C)は、最終的に溶媒に添加される化合物(C)の全量(すなわち、化合物(A)および化合物(B)とともにあらかじめ溶媒と混合される化合物(C)と、連続的または間欠的に添加される化合物(C)との合計量を意味する。本明細書において、単に「最終的に溶媒に添加される化合物(C)の全量」ともいう。)が、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部となる量で用いられるが、あらかじめ溶媒と混合される化合物(C)の量は、最終的に溶媒に添加される化合物(C)の全量に対して好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の量である。
化合物(B)は、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部となる量で用いられる。
上記重合は、[1]と同様に、ラジカル重合が好ましく、該ラジカル重合において用いられる溶媒も[1]と同様であり、好ましいものも同じである。上記溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒は、該溶媒に添加される重合性化合物の量の合計100重量部に対して通常100〜10000重量部、好ましくは500〜5000重量部の量で用いられる。
上記ラジカル重合に用いられる重合開始剤は[1]と同様であり、好ましいものも同じである。上記重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記溶媒に添加される重合性化合物の量の合計100重量部に対して通常0.1〜3重量部の量で用いられる。
化合物(C)の一部、化合物(A)および化合物(B)を、上記重合開始剤とともに上記溶媒と混合してから重合を開始するが、重合の温度、重合の雰囲気および重合時間については[1]と同様であり、好ましい範囲も同じである。
[3]では、その重合開始時から、化合物(C)の残りを、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加する。
連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(C)の量は、最終的に溶媒に添加される化合物(C)の全量に対して好ましくは50〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%である。
化合物(C)は、[1]と同様に、固体状態でそのまま添加してもよいが、好ましくは溶媒に溶解した溶液状態(溶液(a)の状態)で添加する。溶液(a)の調製に用いられる
溶媒は[1]と同様であり、好ましいものも同じである。
溶液(a)の調製において、上記溶媒は、連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(C)100重量部に対して通常50〜5000重量部の量で用いられる。
上記重合時間は、上述のように通常1〜100時間、好ましくは10〜60時間であり、この重合時間に渡って、化合物(C)の残りを上記溶媒に添加する。添加の方法は[1]と同様である。連続的な添加では、たとえば、毎分、化合物(C)を、連続的な添加に用いられる化合物(C)の全量に対して通常0.017〜1.7重量%、好ましくは0.028〜0.17重量%の量で添加すればよい。
[4]では、まず、化合物(B)の一部、化合物(A)および化合物(C)を、上記溶媒と混合してから重合を開始する。
化合物(B)は、最終的に溶媒に添加される化合物(B)の全量(すなわち、化合物(A)および化合物(C)とともにあらかじめ溶媒と混合される化合物(B)と、連続的または間欠的に添加される化合物(B)との合計量を意味する。本明細書において、単に「最終的に溶媒に添加される化合物(B)の全量」ともいう。)が、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部となる量で用いられるが、あらかじめ溶媒と混合される化合物(B)の量は、最終的に溶媒に添加される化合物(B)の全量に対して好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の量である。
化合物(C)は、化合物(A)1重量部に対して通常1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部となる量で用いられる。
上記重合は、[1]と同様に、ラジカル重合が好ましく、該ラジカル重合において用いられる溶媒も[1]と同様であり、好ましいものも同じである。上記溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記溶媒は、該溶媒に添加される重合性化合物の量の合計100重量部に対して通常100〜10000重量部、好ましくは500〜5000重量部の量で用いられる。
上記ラジカル重合に用いられる重合開始剤は[1]と同様であり、好ましいものも同じである。上記重合開始剤は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
上記重合開始剤は、上記溶媒に添加される重合性化合物の量の合計100重量部に対して通常0.1〜3重量部の量で用いられる。
化合物(B)の一部、化合物(A)および化合物(C)を、上記重合開始剤とともに上記溶媒と混合してから重合を開始するが、重合の温度、重合の雰囲気および重合時間については、[1]と同様であり、好ましい範囲も同じである。
[4]では、その重合開始時から、化合物(B)の残りを、重合時間に渡って上記溶媒に連続的または間欠的に添加する。
連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(B)の量は、最終的に溶媒に添加される化合物(B)の全量に対して好ましくは50〜95重量%、より好ましくは70〜90重量%である。
化合物(B)は、[1]と同様に、固体状態でそのまま添加してもよいが、好ましくは溶媒に溶解した溶液状態(溶液(a)の状態)で添加する。溶液(a)の調製に用いられる溶媒は、[1]と同様であり、好ましいものも同じである。
溶液(a)の調製において、上記溶媒は、連続的または間欠的な添加に用いられる化合物(B)100重量部に対して通常50〜5000重量部の量で用いられる。
上記重合時間は、上述のように通常1〜100時間、好ましくは10〜60時間であり、この重合時間に渡って、化合物(B)の残りを上記溶媒に添加する。添加の方法は[3]と同様であり、好ましい条件も同じである。
本発明においては、上述のように、[1]〜[4]のいずれの方法を用いてもよい。いずれの態様を用いるかは、個々の化合物の酸化還元電位、キャリア輸送性、重合性に依存して適宜選択でき、化合物(A)から導かれる構造の特性を補って、化合物(A)から導かれる構造におけるキャリアバランスが最適となる方法を用いればよい。例えば、高分子発光体における化合物(A)から導かれる構造の酸化電位が、化合物(B)から導かれる構造の酸化電位よりも低く(電位値がより負であり)、化合物(A)から導かれる構造の還元電位が、化合物(C)から導かれる構造の還元電位よりも低い場合には、化合物(A)への正孔注入が電子注入よりも容易であるので、上記[2]の方法を用いればよく、場合によっては[4]の方法を用いてキャリアバランスを最適化すればよい。逆に化合物(A)から導かれる構造の酸化電位が、化合物(B)から導かれる構造の酸化電位よりも高く(電位値がより正であり)、化合物(A)から導かれる構造の還元電位が、化合物(C)から導かれる構造の還元電位よりも高い場合には、化合物(A)への電子注入が正孔注入よりも容易であるので、上記[1]の方法を用いればよく、場合によっては[3]の方法を用いてキャリアバランスを最適化すればよい。
本発明における重合反応では、全ての重合性化合物の添加が終了した後、さらに0.2〜1時間の範囲で重合反応を継続して溶液中に残存した重合性化合物を重合することが好ましい。このときの反応温度は、上記の重合性化合物を添加しながら重合するときの温度以上であれば、残存した重合性化合物が効率的に重合されるため好ましい。
上記のようにして得られる高分子発光体の重量平均分子量は、通常1,000〜2,000,000であり、好ましくは5,000〜1,000,000であることが望ましい。
重量平均分子量がこの範囲にあると、上記高分子発光体が有機溶媒に可溶であり、均一な薄膜を得られるため好ましい。ここで、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって、テトラヒドロフランを溶媒として、40℃で測定される値である。
また、上記のようにして得られる高分子発光体において、化合物(A)から導かれる構造単位数をmとし、キャリア輸送性の重合性化合物から導かれる構造単位数(化合物(B)および化合物(C)から導かれる構造単位の総数)をnとしたとき(m、nは1以上の整数を示す)、全構造単位数に対する化合物(A)から導かれる構造単位数の割合、すなわちm/(m+n)の値は、0.001〜0.5の範囲にあることが好ましく、0.001〜0.2の範囲にあることがより好ましい。m/(m+n)の値がこの範囲にあると、キャリア移動度が高く、濃度消光の影響が小さい、高い発光効率の有機発光素子が得られる。
また、化合物(B)から導かれる構造単位数をx、化合物(C)から導かれる構造単位数をyとすると(x、yは1以上の整数を示す)、上記nとの間に、n=x+yの関係が成り立つ。キャリア輸送性化合物から導かれる構造単位数に対する、化合物(B)から導かれる構造単位数の割合x/n、および化合物(C)から導かれる構造単位数の割合y/nの最適値は、各構造単位の電荷輸送能、化合物(A)から導かれる構造単位の電荷輸送性、濃度などによって決まる。この高分子発光体のみで有機発光素子の発光層を形成する場合、x/nおよびy/nの値は、それぞれ、0.05〜0.95の範囲にあることが好ましく、0.20〜0.80の範囲にあることがより好ましい。ここで、x/n+y/n=1が成り立つ。また、上記のような高分子発光体における各構造単位の割合は、ICP
元素分析および13C−NMR測定によって見積もられる。
本発明では、重合性化合物の量、重合性置換基の種類、重合時間、重合開始剤の量を適宜調整すれば、それぞれ上記範囲にあるm/(m+n)、x/nおよびy/nの値を有する高分子発光体が得られる。
また、本発明の高分子発光体は、ブロック重合体でもランダム重合体でもないと考えられ、構造は明らかではないが、有機発光素子の発光層に用いた場合に、高輝度、高発光効率および長寿命が得られる。
上記高分子発光体を用いた素子は、発光外部量子効率が通常5.0〜10.0%、好ましくは7.0〜10.0%である。また、最高輝度が、例えば緑色発光を示す場合、通常30000〜100000cd/m2、好ましくは30000〜80000cd/m2である。発光が緑色以外の場合には、これらの輝度値に、緑色に対する比視感度を乗じたものが好ましい範囲となる。また、輝度半減寿命が通常1600〜10000時間、好ましくは1800〜10000時間である。ここで、発光外部量子効率、最高輝度および輝度半減寿命は、実施例に記載するとおりに測定される値である。
2.有機発光素子
本発明に係る高分子発光体は、有機発光素子の材料として好適に用いられる。上記有機発光素子は、陽極と陰極とに挟まれた1層または2層以上の有機高分子層を含み、該有機高分子層の少なくとも1層に、上記高分子発光体が含まれる。本発明に係る高分子発光体は、簡便な塗布法で発光層を成膜でき、素子の大面積化が図れる。
本発明に係る有機発光素子の構成の一例を図1に示すが、本発明に係る有機発光素子の構成は、これに制限されない。図1では、透明基板(1)上に設けた陽極(2)および陰極(6)の間に、正孔輸送層(3)、発光層(4)および電子輸送層(5)を、この順で設けている。上記有機発光素子では、例えば、陽極(2)と陰極(6)の間に、1)正孔輸送層/発光層、2)発光層/電子輸送層のいずれかを設けてもよい。また、3)正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料を含む層、4)正孔輸送材料、発光材料を含む層、5)発光材料、電子輸送材料を含む層、6)発光材料の単独層のいずれかの層を1層のみ設けてもよい。さらに、発光層を2層以上積層してもよい。
上記のような素子において、本発明に係る高分子発光体を含む上記有機高分子層は、正孔輸送性および電子輸送性を併せ持つ発光層として利用できる。このため、他の有機材料の層を設けない場合であっても、高い発光効率および耐久性を有する有機発光素子を作製できる。また、製造工程がさらに簡略化できる。
上記の各層は、バインダとして高分子材料などを混合して、形成してもよい。上記高分子材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなどが挙げられる。
また、上記の各層に用いられる発光材料、正孔輸送材料および電子輸送材料は、それぞれ単独で各層を形成しても、機能の異なる材料を混合して、各層を形成していてもよい。本発明に係る有機発光素子における発光層においても、本発明に係る高分子発光体の他に、キャリア輸送性を補う目的で、さらに他の正孔輸送材料および/または電子輸送材料が含まれていてもよい。このような輸送材料としては、低分子化合物であっても、高分子発光体であってもよい。
上記正孔輸送層を形成する正孔輸送材料、または発光層と混合させる正孔輸送材料としては、例えば、TPD(N,N’−ジメチル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,
1’−ビフェニル−4,4’ジアミン);α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル);m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)等の低分子トリフェニルアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール;上記トリフェニルアミン誘導体に重合性官能基を導入して重合した高分子化合物;ポリパラフェニレンビニレン、ポリジアルキルフルオレン等の蛍光発光性高分子化合物などが挙げられる。上記高分子化合物としては、例えば、特開平8−157575号公報に開示されているトリフェニルアミン骨格の高分子化合物などが挙げられる。上記正孔輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる正孔輸送材料を積層して用いてもよい。正孔輸送層の厚さは、正孔輸送層の導電率などに依存するが、通常、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
上記電子輸送層を形成する電子輸送材料、または発光層と混合させる電子輸送材料としては、例えば、Alq3(アルミニウムトリスキノリノレート)等のキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、トリアリールボラン誘導体等の低分子化合物;上記の低分子化合物に重合性置換基を導入して重合した高分子化合物を挙げることができる。上記高分子化合物としては、例えば、特開平10−1665号公報に開示されているポリPBDなどが挙げられる。上記電子輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる電子輸送材料を積層して用いてもよい。電子輸送層の厚さは、電子輸送層の導電率などに依存するが、通常、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmであることが望ましい。
また、発光層の陰極側に隣接して、正孔が発光層を通過することを抑え、発光層内で正孔と電子とを効率よく再結合させる目的で、正孔・ブロック層が設けられていてもよい。上記正孔・ブロック層の形成には、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などの公知の材料が用いられる。
陽極と正孔輸送層との間、または陽極と陽極に隣接して積層される有機層との間に、正孔注入において注入障壁を緩和するために、バッファ層が設けられていてもよい。上記バッファ層を形成するためには、銅フタロシアニン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合物などの公知の材料が用いられる。
陰極と電子輸送層との間、または陰極と陰極に隣接して積層される有機層との間に、電子注入効率を向上するために、厚さ0.1〜10nmの絶縁層が設けられていてもよい。上記絶縁層を形成するためには、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミナなどの公知の材料が用いられる。
本発明に係る有機発光素子に用いる陽極材料としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、酸化錫、酸化亜鉛、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性高分子など、公知の透明導電材料が好適に用いられる。この透明導電材料によって形成された電極の表面抵抗は、1〜50Ω/□(オーム/スクエアー)であることが好ましい。陽極の厚さは50〜300nmであることが好ましい。
本発明に係る有機発光素子に用いる陰極材料としては、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属;Mg、Ca、Ba等のアルカリ土類金属;Al;MgAg合金;AlLi、AlCa等のAlとアルカリ金属との合金など、公知の陰極材料が好適に用いられる。陰極の厚さは、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは50〜500nmであることが望ましい。アルカリ金属、アルカリ土類金属などの活性の高い金属を使用する場
合には、陰極の厚さは、好ましくは0.1〜100nm、より好ましくは0.5〜50nmであることが望ましい。また、この場合には、上記陰極金属を保護する目的で、この陰極上に、大気に対して安定な金属層が積層される。上記金属層を形成する金属として、例えば、Al、Ag、Au、Pt、Cu、Ni、Crなどが挙げられる。上記金属層の厚さは、好ましくは10nm〜1μm、より好ましくは50〜500nmであることが望ましい。
本発明に係る有機発光素子の基板としては、上記発光材料の発光波長に対して透明な絶縁性基板が好適に用いられ、具体的には、ガラスのほか、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート等の透明プラスチックなどが用いられる。
上記の正孔輸送層、発光層および電子輸送層の成膜方法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、インクジェット法、スピンコート法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法などを用いることができる。低分子化合物の場合は、抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が好適に用いられ、高分子化合物の場合は、インクジェット法、スピンコート法、または印刷法が好適に用いられる。
本発明に係る高分子発光体を用いて発光層を成膜する場合は、インクジェット法、スピンコート法、ディップコート法または印刷法が好ましく用いられるため、製造工程が簡略化され、素子の大面積化も図れる。
また、上記陽極材料の成膜方法としては、例えば、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法、コーティング法などが用いられ、上記陰極材料の成膜方法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが用いられる。
3.用途
本発明に係る有機発光素子は、公知の方法で、マトリックス方式またはセグメント方式による画素として画像表示装置に好適に用いられる。また、上記有機発光素子は、画素を形成せずに、面発光光源としても好適に用いられる。
本発明に係る有機発光素子は、具体的には、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信などに好適に用いられる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、高分子発光体の分子量測定および組成解析は以下の方法で行った。
(1)分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置によって、以下の条件で行った。
カラム:Shodex KF-G+KF804L+KF802+KF801
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
温度:40℃
検出器:RI(Shodex RI-71)
(2)組成解析
13C−NMR測定は、以下の条件で行った。
装置:日本電子(JEOL)製 JNM EX270
67.5Mz
溶媒:重クロロホルム
ICP元素分析は、以下の条件で行った。
装置:島津製作所製 ICPS 8000
また、得られた素子の発光外部量子効率、最高輝度および輝度半減寿命は、以下の方法で測定した。これらの結果を表1に示す。
(3)発光外部量子効率
作製した有機発光素子を暗所に設置し、発光面に対して垂直な方向に100cm離れた場所に分光放射輝度計(CS−1000T、コニカミノルタ社製)を設置した。有機発光素子に所定の電圧を1秒間印加して発光させ、素子に通電した電流値、素子の陽極側から観察される正面輝度および発光スペクトルを0.2度視野で測定した。印加する電圧は0Vから0.1V刻みで段階的に上げ、電圧を上げた直後の電流値、輝度、発光スペクトルを測定した。これらの測定値から発光外部量子効率を計算し、その最高値を素子の発光外部量子効率とした。
(4)最高輝度
印加する電圧の上昇幅を0.5Vとしたほかは上記の発光外部量子効率の測定と同様にして作製した有機発光素子の正面輝度を測定し、測定値の最高値を素子の最高輝度とした。
(5)輝度半減寿命
上記の発光外部量子効率の測定と同様にして、作製した有機発光素子の正面輝度を測定しながら、輝度が100cd/m2となるように素子に通電した。この素子の陽極側にシ
リコンのフォトダイオードを密着させ、素子に一定の電流を流しながらフォトダイオードの光電流を測定し、この光電流の値が半分になる時間を輝度半減寿命とした。
[実施例1−1]高分子発光体(1)の合成
Figure 2007161932
200mL三口フラスコにイリジウム錯体(A)0.40gおよび上記式(E7)で表される化合物2.30gを入れ、脱水トルエン50mLを加えて完全に溶解した。この溶液にV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液(0.1M、1mL)を加え、注射針を使って溶液にアルゴンを30分間吹き込んだ。一方で、50mL二口フラスコに上記式(E2)で表される化合物2.30gおよび脱水トルエン30mLを入れて溶解し、注射針を使って溶液にアルゴンを30分間吹き込んだ。化合物(E2)を含む溶液をシリンジで吸い取り、イリジウム錯体(A)および化合物(E7)を含む溶液を撹拌しながら60℃に加熱して重合を開始すると同時に、この反応液に化合物(E2)を含む溶液を毎分0.010mLの速度で添加を開始した。化合物(E2)を含む溶液を、添加速度を変えずに添加しながら、イリジウム錯体(A)および化合物(E7)を含む溶液を60℃に加熱して、化合物(E2)を含む溶液の添加が終了するまで(50時間)重合を行った。得られた反応液を100℃で30分間撹拌した後、減圧で溶液を約10mLにまで濃縮
した。この溶液を500mLのアセトン中に滴下して、得られた沈殿を50℃で一晩真空乾燥して、高分子発光体(1)を得た。高分子発光体(1)の重量平均分子量(Mw)は38800、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.31であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(1)におけるイリジウム錯体(A):化合物(E2):化合物(E7)の含有比(モル比)は5:37:58であった。
[実施例1−2]高分子発光体(2)の合成
反応温度を70℃とした以外は実施例1−1と同様にして高分子発光体(2)を得た。高分子発光体(2)の重量平均分子量(Mw)は37100、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.25であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(2)におけるイリジウム錯体(A):化合物(E2):化合物(E7)の含有比(モル比)は5:35:60であった。
[実施例1−3]高分子発光体(3)の合成
化合物(E2)を含む溶液を毎分0.020mLの速度で添加し、反応温度を75℃とした以外は実施例1−1と同様にして高分子発光体(3)を得た。高分子発光体(3)の重量平均分子量(Mw)は34000、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.40であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(3)におけるイリジウム錯体(A):化合物(E2):化合物(E7)の含有比(モル比)は5:38:57であった。
[実施例1−4]高分子発光体(11)の合成
200mL三口フラスコにイリジウム錯体(A)0.40g、上記式(E7)で表される化合物2.30gおよび上記式(E2)で表される化合物0.50gを入れ、脱水トルエン50mLを加えて完全に溶解した。この溶液にV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液(0.1M、1mL)を加え、注射針を使って溶液にアルゴンを30分間吹き込んだ。一方で、50mL二口フラスコに上記式(E2)で表される化合物1.80gおよび脱水トルエン30mLを入れて溶解し、注射針を使って溶液にアルゴンを30分間吹き込んだ。化合物(E2)を含む溶液をシリンジで吸い取り、イリジウム錯体(A)、化合物(E7)および化合物(E2)を含む溶液を撹拌しながら60℃に加熱して重合を開始すると同時に、この反応液に化合物(E2)を含む溶液を毎分0.010mLの速度で添加を開始した。化合物(E2)を含む溶液を、添加速度を変えずに添加しながら、イリジウム錯体(A)、化合物(E7)および化合物(E2)を含む溶液を60℃に加熱して、化合物(E2)を含む溶液の添加が終了するまで(50時間)重合を行った。得られた反応液を100℃で30分間撹拌した後、減圧で溶液を約10mLにまで濃縮した。この溶液を500mLのアセトン中に滴下して、得られた沈殿を50℃で一晩真空乾燥して、高分子発光体(11)を得た。高分子発光体(11)の重量平均分子量(Mw)は39900、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.13であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(11)におけるイリジウム錯体(A):化合物(E2):化合物(E7)の含有比(モル比)は5:36:59であった。
[実施例2−1] 高分子発光体(4)の合成
Figure 2007161932
イリジウム錯体(A)をイリジウム錯体(B)に、上記式(E7)で表される化合物を上記式(E1)で表される化合物に、上記式(E2)で表される化合物を上記式(E14)に置き換えた以外は実施例1−1と同様にして高分子発光体(4)を得た。高分子発光体(4)の重量平均分子量(Mw)は40700、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.16であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(4)におけるイリジウム錯体(B):化合物(E1):化合物(E14)の含有比(モル比)は6:49:45であった。
[実施例2−2] 高分子発光体(5)の合成
反応温度を70℃とした以外は実施例2−1と同様にして高分子発光体(5)を得た。高分子発光体(5)の重量平均分子量(Mw)は37200、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.28であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(5)におけるイリジウム錯体(B):化合物(E1):化合物(E14)の含有比(モル比)は6:51:43であった。
[実施例2−3] 高分子発光体(6)の合成
化合物(E14)を含む溶液の添加速度を毎分0.020mLとし、反応温度を75℃とした以外は実施例2−1と同様にして高分子発光体(6)を得た。高分子発光体(6)の重量平均分子量(Mw)は35900、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.30であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(6)におけるイリジウム錯体(B):化合物(E1):化合物(E14)の含有比(モル比)は6:48:46であった。
[実施例2−4] 高分子発光体(12)の合成
200mL三口フラスコにイリジウム錯体(B)0.40g、上記式(E1)で表される化合物2.30gおよび上記式(E14)で表される化合物0.50gを入れ、脱水トルエン50mLを加えて完全に溶解した。この溶液にV−601(和光純薬工業(株)製)のトルエン溶液(0.1M、1mL)を加え、注射針を使って溶液にアルゴンを30分間吹き込んだ。一方で、50mL二口フラスコに上記式(E14)で表される化合物1.80gおよび脱水トルエン30mLを入れて溶解し、注射針を使って溶液にアルゴンを30分間吹き込んだ。化合物(E14)を含む溶液をシリンジで吸い取り、イリジウム錯体(B)、化合物(E1)および化合物(E14)を含む溶液を撹拌しながら60℃に加熱して重合を開始すると同時に、この反応液に化合物(E14)を含む溶液を毎分0.010mLの速度で添加を開始した。化合物(E14)を含む溶液を、添加速度を変えずに添加しながら、イリジウム錯体(B)、化合物(E1)および化合物(E14)を含む溶液を60℃に加熱して、化合物(E14)を含む溶液の添加が終了するまで(50時間)重合を行った。得られた反応液を100℃で30分間撹拌した後、減圧で溶液を約10mL
にまで濃縮した。この溶液を500mLのアセトン中に滴下して、得られた沈殿を50℃で一晩真空乾燥して、高分子発光体(12)を得た。高分子発光体(12)の重量平均分子量(Mw)は35900、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.43であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(12)におけるイリジウム錯体(B):化合物(E1):化合物(E14)の含有比(モル比)は6:50:44であった。
[比較例1−1] 高分子発光体(7)の合成
密閉容器に、イリジウム錯体(A)0.40g、上記式(E2)で表される化合物2.30gおよび上記式(E7)で表される化合物2.30gを入れ、脱水トルエン(50mL)を加えた。次いで、V−601のトルエン溶液(0.1M、1.0mL)を加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、得られた沈殿を50℃で一晩真空乾燥して、高分子発光体(7)を得た。高分子発光体(7)の重量平均分子量(Mw)は41600、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.09であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(7)におけるイリジウム錯体(A):化合物(E2):化合物(E7)の含有比(モル比)は5:37:58であった。
[比較例1−2] 高分子発光体(8)の合成
特開2005−15508号公報に記載の方法に従ってブロック共重合体である高分子発光体(8)を得た。すなわち、窒素導入管、磁気撹拌子を備えた200mL、三口フラスコに窒素雰囲気下で予め精製した100mLのアニソール、0.25mmolのCuBr、0.25mmolのN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンを加え錯体を形成させた。その後、上記式(E7)で表される化合物23.0gとイリジウム錯体(A)4.0gを溶解させた後、凍結脱気し、常温に戻した後、開始剤2−ブロモプロパン酸メチル0.5mmolを加え、90℃で7時間反応させた。反応液をテトラヒドロフランで希釈し、大量のアセトンに投入することでプレポリマーを回収した。
回収したプレポリマーを窒素導入管、磁気撹拌子を備えた300mL、3つ口フラスコに仕込み、300mLのアニソール、0.25mmolのCuBr、0.25mmolのN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンを加え錯体が形成したのを確認した。その後、上記式(E2)で表される化合物23.0gを溶解させた後、凍結脱気し、常温に戻した後、90℃で24時間反応させた。反応液をテトラヒドロフランで希釈し、大量のアセトンに投入することでブロック共重合体である高分子発光体(8)を得た。高分子発光体(8)の重量平均分子量(Mw)は42200、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.37であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(8)におけるイリジウム錯体(A):化合物(E2):化合物(E7)の含有比(モル比)は5:38:57であった。
[比較例2−1] 高分子発光体(9)の合成
密閉容器に、イリジウム錯体(B)0.40g、上記式(E1)で表される化合物2.30gおよび上記式(E14)で表される化合物2.30gを入れ、脱水トルエン(50mL)を加えた。次いで、V−601のトルエン溶液(0.1M、1.0mL)を加え、凍結脱気操作を5回繰り返した。真空のまま密閉し、60℃で60時間撹拌した。反応後、反応液をアセトン500mL中に滴下し、得られた沈殿を50℃で一晩真空乾燥して、高分子発光体(9)を得た。高分子発光体(9)の重量平均分子量(Mw)は36000、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.21であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(9)におけるイリジウム錯体(B):化合物(E1):化合物(E14)の含有比(モル比)は6:49:45であった。
[比較例2−2] 高分子発光体(10)の合成
イリジウム錯体(A)をイリジウム錯体(B)に、上記式(E7)で表される化合物を上記式(E1)で表される化合物に、上記式(E2)で表される化合物を上記式(E14)に置き換えた以外は比較例1−2と同様にしてブロック共重合体である高分子発光体(10)を得た。高分子発光体(10)の重量平均分子量(Mw)は39100、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.35であった。ICP元素分析および13C−NMR測定の結果から見積もった高分子発光体(10)におけるイリジウム錯体(B):化合物(E1):化合物(E14)の含有比(モル比)は6:48:46であった。
[実施例3−1]有機発光素子の作製および発光特性の評価
ITO付き基板(ニッポ電機(株)製)を用いた。これは、25mm角のガラス基板の一方の面に、幅4mmのITO(酸化インジウム錫)電極(陽極)が、ストライプ状に2本形成された基板であった。
まず、上記ITO付き基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(バイエル(株)製、商品名「バイトロンP」)を、回転数3500rpm、塗布時間40秒の条件で、スピンコート法により塗布した。その後、真空乾燥器で減圧下、60℃で2時間乾燥し、陽極バッファ層を形成した。得られた陽極バッファ層の膜厚は、約50nmであった。次に、高分子発光体(1)90mgをトルエン(和光純薬工業(株)製、特級)2910mgに溶解し、この溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過し、塗布溶液を調製した。次いで、上記陽極バッファ層上に、上記塗布溶液を、回転数3000rpm、塗布時間30秒の条件で、スピンコート法により塗布した。塗布後、室温(25℃)で30分間乾燥し、発光層を形成した。得られた発光層の膜厚は、約100nmであった。
次に、発光層を形成した基板を蒸着装置内に載置した。次いで、カルシウムおよびアルミニウムを重量比1:10で共蒸着し、陽極の延在方向に対して直交するように、幅3mmの陰極をストライプ状に2本形成した。得られた陰極の膜厚は、約50nmであった。
最後に、アルゴン雰囲気中で、陽極と陰極とにリード線(配線)を取り付けて、縦4mm×横3mmの有機EL素子を4個作製した。上記有機EL素子に、プログラマブル直流電圧/電流源(TR6143、(株)アドバンテスト社製)を用いて電圧を印加して発光させた。
得られた素子について発光特性の評価結果を表1に示す。
[実施例3−2〜3−4、実施例4−1〜4−4、比較例3−1〜3−2および比較例4−1〜4−2]有機発光素子の作製および発光特性の評価
高分子発光体(1)の代わりに表1に記載した高分子発光体を用いた他は、実施例3−1と同様にして、有機EL素子を作製した。得られた素子について発光特性の評価結果を表1に示す。
Figure 2007161932
図1は、本発明に係る有機発光素子の例の断面図である。
符号の説明
1: ガラス基板
2: 陽極
3: 正孔輸送層
4: 発光層
5: 電子輸送層
6: 陰極

Claims (13)

  1. 燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合して得られる高分子発光体であり、
    (1)少なくとも前記化合物(A)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(B)および前記化合物(C)の少なくとも一方を、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする高分子発光体。
  2. 燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合して得られる高分子発光体であり、
    (1)少なくとも前記化合物(A)および前記化合物(B)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(C)の少なくとも一部を、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする高分子発光体。
  3. (1)前記化合物(C)の一部、前記化合物(A)および前記化合物(B)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(C)の残りを、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする請求項2に記載の高分子発光体。
  4. 燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合して得られる高分子発光体であり、
    (1)少なくとも前記化合物(A)および前記化合物(C)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(B)の少なくとも一部を、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする高分子発光体。
  5. (1)前記化合物(B)の一部、前記化合物(A)および前記化合物(C)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(B)の残りを、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加して得られることを特徴とする請求項4に記載の高分子発光体。
  6. 前記重合がラジカル重合であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の高分子発光体。
  7. 前記化合物(A)がイリジウム錯体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子発光体。
  8. 前記化合物(A)が、下記一般式(1−1)で表されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高分子発光体。
    Figure 2007161932
    (式(1−1)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R1とR2とで、R2とR3とで、R3とR4とで、R4とR5とで、R5とR6とで、R6とR7とで、R7とR8とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、Lは、下記一般式(1−2)〜(1−4)からなる群より選ばれる2座配位子を表す。)
    Figure 2007161932
    (式(1−2)中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R21とR22とで、R22とR23とで、R23とR24とで、R24とR25とで、R25とR26とで、R26とR27とで、R27とR28とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R21〜R28のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
    Figure 2007161932
    (式(1−3)中、R31〜R33は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R31とR32とで、R32とR33とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R31〜R33のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
    Figure 2007161932
    (式(1−4)中、R41〜R44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R41とR42とで、R42とR43とで、R43とR44とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R41〜R44のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
  9. 前記化合物(A)が、下記一般式(2−1)で表されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高分子発光体。
    Figure 2007161932
    (式(2−1)中、R51〜R58は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R51とR52とで、R52とR53とで、R53とR54とで、R55とR56とで、R56とR57とで、R57とR58とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、Bは、硫黄原子または酸素原子を表し、Lは、下記一般式(2−2)〜(2−4)からなる群より選ばれる2座配位子を表す。)
    Figure 2007161932
    (式(2−2)中、R61〜R68は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R61とR62とで、R62とR63とで、R63とR64とで、R65とR66とで、R66とR67とで、R67とR68とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、Bは、硫黄原子または酸素原子を表し、R61〜R68のう
    ち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
    Figure 2007161932
    (式(2−3)中、R31〜R33は、それぞれ独立に、水素原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R31とR32とで、R32とR33とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R31〜R33のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
    Figure 2007161932
    (式(2−4)中、R41〜R44は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルキル基によって置換されていてもよいアミノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、およびシリル基からなる群より選ばれる原子または置換基を表し、R41とR42とで、R42とR43とで、R43とR44とで、互いに結合して縮合環を形成していてもよく、R41〜R44のうち少なくとも1つは、重合性官能基を有する置換基を表す。)
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子発光体を用いた有機発光素子。
  11. 燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合する高分子発光体の製造方法であり、
    (1)少なくとも前記化合物(A)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(B)および前記化合物(C)の少なくとも一方を、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加することを特徴とする高分子発光体の製造方法。
  12. 燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合する高分子発光体の製造方法であり、
    (1)少なくとも前記化合物(A)および前記化合物(B)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(C)の少なくとも一部を、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加することを特徴とする高分子発光体の製造方法。
  13. 燐光発光性の重合性化合物(A)と、正孔輸送性の重合性化合物(B)と、電子輸送性の重合性化合物(C)とを溶媒中で重合する高分子発光体の製造方法であり、
    (1)少なくとも前記化合物(A)および前記化合物(C)を、前記溶媒と混合してから重合を開始し、
    (2)その重合開始時から、前記化合物(B)の少なくとも一部を、重合時間に渡って前記溶媒に連続的または間欠的に添加することを特徴とする高分子発光体の製造方法。
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