JP2007161873A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性、耐衝撃性、透明性、防眩性、成形加工性に優れ、色調や輝度の調整が容易なレンズ用フィルター、カラー画像表示用フィルター、カラーディスプレー用カバーフィルターなどの各種光学フィルター製造用、カメラ用レンズやサングラス、白内障および緑内障患者用の防眩性メガネなどの各種レンズ製造用材料として有用なPC樹脂組成物、および、このPC樹脂組成物を成形してなるメガネレンズを提供すること。
【解決手段】 ポリカーボネート樹脂60〜95重量%と、飽和脂肪酸ネオジム塩5〜40%とからなることを特徴とする、PC樹脂組成物を要旨とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリカーボネート(以下、PCと記載することがある)樹脂組成物に関する。更に詳しくは、耐熱性、耐衝撃性、透明性、防眩性、成形加工性などに優れ、色調や輝度の調整が容易なレンズ用フィルター、カラー画像表示用フィルター、カラーディスプレー用カバーフィルターなどの光学フィルター製造用材料、カメラ用レンズやサングラス、白内障および緑内障患者用の防眩性メガネなどのレンズ製造用材料として有用な、ポリカーボネート樹脂組成物、および、このポリカーボネート樹脂組成物よりなるメガネレンズに関する。
従来から各種光学フィルター類や各種レンズの製造用材料は、光線透過率、表面硬度、耐摩耗性、耐薬品性、荷重撓み温度などに優れた無機ガラスが多く使用されているが、無機ガラスは比重が高く、耐衝撃性や成形加工性に劣るという欠点があった。このような欠点のない材料として、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などの透明な非晶性熱可塑性樹脂が提案され、各種光学フィルター、カメラやメガネなどの各種レンズ製造用材料として、使用量が拡大しつつある。
各種光学用フィルター製造用材料に対しては、画像の鮮明度を高めるために、色調や輝度の調整が可能で、防眩性が要求される。一方、サングラスなどの各種レンズ製造用材料に対しては、軽量性、耐衝撃性および防眩性が要求される。特に、白内障や緑内障患者は、赤緑境界波長領域である波長580nm付近の光線、および緑青境界波長領域である波長525nm付近の光線を非常に眩しく感じるといわれているので、波長580nmと525nm付近の光線をカットしたメガネレンズ製造用材料が求められている。
上記のような要求に対し、上記透明な非晶性熱可塑性樹脂に、ネオジム化合物を配合する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、アクリル系樹脂に対して、ネオジムを0.5〜5重量%含有し、かつ、構造式Cn 2n+1COOH(nは3〜6)で表される飽和脂肪族カルボン酸のネオジウム塩から選ばれる少なくとも1種以上を配合された透明アクリル樹脂組成物がある。しかし、実験によれば、この特許文献1に記載の樹脂組成物は、荷重撓み温度や耐衝撃性が低く、しかもこの樹脂組成物から製造された光学レンズは、透明性が不足し実用性に乏しいことが分かった。また、この特許文献1に記載のネオジム化合物をポリカーボネート樹脂に配合し、この樹脂組成物から製造された光学レンズもまた、透明性が不足し実用性に乏しいことが分かった。
また、溶融成形しても透明性の損なわれない樹脂組成物として、カルボキシル基を含有するメタクリル系樹脂に有機酸のネオジム塩を配合した樹脂組成物(特許文献2)や、酸無水物構造を含有するメタクリル系樹脂に有機酸のネオジム塩を配合した樹脂組成物(特許文献3)なども提案されているが、実験によれば、これら特許文献に記載の樹脂組成物もまた、荷重撓み温度や耐衝撃性が低く、実用性に乏しいことが分かった。また、これら特許文献に記載のアクリル系樹脂は、いずれも特殊な成分を含むことが必須であり、原料コストが嵩むという欠点がある。
さらに、特許文献4には、芳香族ポリカーボネート樹脂にネオジムなどの希土類元素陽イオンを配合した樹脂組成物を、光通信用部品製造用材料として使用する技術が開示されている。希土類元素を含む塩として、塩化ネオジム、酢酸ネオジム、硫酸ネオジムなどが例示されているが、実験によれば、この特許文献4に例示されているネオジムなどの希土類元素陽イオンを配合した樹脂組成物は、溶融熱安定性に劣り、レンズに加工した際の全光線透過率が著しく低くいことが分かった。
特開平6−88007号公報 特開平10−120860号公報 特開平10−130449号公報 特開平8−73723号公報
本発明の目的は、上記のような従来技術の諸欠点を改良し、耐熱性、耐衝撃性、透明性、防眩性、成形加工性に優れ、色調や輝度の調整が容易なレンズ用フィルター、カラー画像表示用フィルター、カラーディスプレー用カバーフィルターなどの各種光学用フィルター製造用材料、カメラ用レンズやサングラス、白内障および緑内障患者用の防眩性メガネなどの各種レンズ製造用材料として有用なポリカーボネート樹脂組成物、および、このポリカーボネート樹脂組成物よりなるメガネレンズを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では、ポリカーボネート樹脂60〜95重量%と、飽和脂肪酸ネオジム塩5〜40%とからなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を提供する。
本発明に係るポリカーボネート樹脂組成物は、以下に詳細に説明するとおりであり、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係るPC樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性、成形加工性に優れているほか、波長が580nmにおける全光線透過率と透明性に優れ、波長が580nmにおける光線透過率との差が10%以上であるので、成形品の防眩性は向上し、色調および輝度の調整が容易である。
2.本発明に係るPC樹脂組成物は、レンズ用フィルター、カラー画像表示用フィルター、カラーディスプレー用カバーフィルターなどの各種光学用フィルター製造用材料、カメラ用レンズやサングラス、白内障および緑内障患者用の防眩性メガネなどの各種レンズ製造用材料として有用である。
3.本発明に係るメガネレンズは、全光線透過率が高く、ヘイズが低く、かつ、全光線透過率と波長が580nmにおける透過率との差が大きいので、白内障や緑内障患者用の防眩性メガネやサングラスなどのレンズとして有用である。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係るPC樹脂組成物の基体となるポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物、または、これと少量のポリヒドロキシ化合物をホスゲンもしくは炭酸のジエステルと反応させることによって得られる、分岐していてもよい熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体、または共重合体である。このポリカーボネート樹脂の製造方法は特に制限がなく、従来から知られているホスゲン法(界面重合法)や、溶融法(エステル交換法)などによって製造することができる。さらに、溶融法によって製造するときは、末端基のOH基を調整したものであってもよい。
原料の芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられる。これらの中で好ましいのは、ビスフェノールAである。また、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物に、スルホン酸テトラアルキルホスホニウムを1個以上結合させた化合物を使用することもできる。
分岐したPC樹脂を得るには、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を、次のような化合物で置換して使用すればよい。置換目的で使用可能な化合物の具体例としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、または、3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチン、5,7−ジクロルイサチン、5−臭素イサチンなどが挙げられる。これら化合物の使用量は、使用する芳香族ジヒドロキシ化合物の0.01〜10モル%であり、好ましくは0.1〜2モル%である。
PC樹脂として好ましいのは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンから誘導されるPC樹脂、または、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、他の芳香族ジヒドロキシ化合物とから誘導されるPC共重合体である。
PC樹脂の分子量を調節するには、一価芳香族ヒドロキシ化合物を使用すればよく、その具体例としては、m−またはp−メチルフェノール、m−またはp−プロピルフェノール、p−t−ブチルフェノール、およびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。PC樹脂の分子量は、成形用材料として使用されるものであれば特に制限がなく、一般的にはメチレンクロライドを溶媒とし、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量が14,000〜30,000の範囲のものが好適である。この範囲でさらに好ましいのは18,000〜27,000であり、最も好ましいのは20,000〜25,000である。
本発明における飽和脂肪酸ネオジム塩は、好ましくは、炭素数12〜36の範囲の飽和脂肪酸を有するネオジウム塩である。飽和脂肪酸の炭素数が12未満のネオジム塩をPC樹脂に配合した場合、PC樹脂組成物の溶融加工時の熱安定性が低下して着色し易く、全光線透過率や耐衝撃性が著しく低下する。また、炭素数が36を越えた飽和脂肪酸ネオジム塩では、飽和脂肪酸ネオジム塩中のネオジム含有率が低くなり、PC樹脂組成物から得られる光学フィルター、光学レンズの透明性、防眩性が改良できない。PC樹脂組成物中のネオジム含有率を高くするために、炭素数が36以上の飽和脂肪酸ネオジム塩を多量配合すると、このPC樹脂組成物の荷重撓み温度や機械的強度の低下をきたし、さらに飽和脂肪酸ネオジム塩がブリードアウトするので好ましくない。
炭素数8〜36の飽和脂肪酸として、例えば、オクチル酸、ベラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタダシル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヘプタデカン酸、ノナデカン酸、リシノ−ル酸、ノナデシル酸、アラキン酸、ヘンイコサン酸、ベヘニン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸、オクタコサン酸、ノナコサン酸などを挙げることができる。これらの中でも好ましいのは、飽和脂肪酸の炭素数が12〜26のものであり、とりわけ好ましいのは炭素数16〜22のものである。
本発明に係るPC樹脂組成物は、PC樹脂60〜95重量%と、飽和脂肪酸ネオジム塩5〜40重量%とからなる。PC樹脂塑性物中に占める飽和脂肪酸ネオジム塩の割合が5重量%未満では、光学フィルターや光学レンズの防眩性や、色調および輝度の調整が困難となり、40重量%を越えると荷重撓み温度や機械的強度の低下の原因となるばかりでなく、飽和脂肪酸ネオジム塩がブリードアウトし易くなるので好ましくない。上記範囲で好ましい割合は、PC樹脂75〜95重量%と飽和脂肪酸ネオジム塩5〜25重量%である。
本発明に係るPC樹脂組成物は、このPC樹脂組成物を成形して得られた厚さが2mmの試験片について測定した、全光線透過率が80%以上であり、かつ、全光線透過率と波長が580nmにおける光線透過率との差が10%以上のものが好ましい。全光線透過率が80%未満では、透明性に劣り、光学用フィルターや光学レンズの製造用材料としては不適当である。波長が580nmにおける全光線透過率と、波長が580nmにおける光線透過率との差が10%未満であると、光学用フィルターや光学レンズとする際に、防眩性、色調および輝度などの調整が困難となり、実用価値が低下する。波長が580nmにおける全光線透過率と、波長が580nmにおける光線透過率との差が10%より大きくなるほど、防眩性は向上し、色調および輝度の調整が容易となる。なお、本発明で「全光線透過率」とは、JIS K7361−1997に準拠して測定される試験片への平行入射光束に対する全透過光束の割合を意味し、「波長が580nmにおける光線透過率」とは、波長が580nmにおける光線透過率を意味する。
本発明に係るPC樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂および各種樹脂添加剤を配合する(含有させる)ことができる。配合できる他の熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂、脂環式ポリエステル樹脂などが挙げられる。また、各種樹脂添加剤としては、フェノール系酸化防止剤、離型剤、染顔料、リン系熱安定剤、耐候性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤・アンチブロッキング剤、難燃剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。これらは、一種でも二種以上であってもよい。
本発明に係るPC樹脂組成物を製造するには、PC樹脂組成物の製造方法として従来から知られている方法を制限なく適用できる。具体的には、前記基体となるポリカーボネート樹脂、飽和脂肪酸ネオジム塩、および必要に応じて配合される樹脂添加剤を、所定量秤量し、タンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を使用してあらかじめ混合した後、得られた混合物を、バンバリーミキサー、加熱ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの溶融混練機によって、溶融混練することによって製造できる。
本発明に係るPC樹脂組成物は、従来から知られている成形技術によって、目的とする光学製品を製造することができる。適用できる成形技術としては、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、圧縮成形法、ブロー成形法などが挙げられる。さらに押出成形法によって得られたフィルム状またはシート状成形品は、さらに真空成形法、圧空成形法などの二次成形法を適用して、目的とする成形品とすることもできる。本発明に係るメガネレンズは、上記PC樹脂組成物を原料として、上記成形技術によって製造することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の記載例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例で使用した基体樹脂とネオジウム化合物と、PC樹脂組成物の各種物性評価方法は、次のとおりである。
<基体樹脂とネオジウム化合物>
(1)PC:60重量%のPCE−2000F(三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリカーボネート樹脂、商品名:ユーピロンE−2000FN)と、40重量%のPCS−3000FN(三菱エンジニアリングプラスチックス社製のポリカーボネート樹脂、商品名:ユーピロンS−3000FN)との混合物である。
(2)St−Nd:ステアリン酸ネオジム(信越化学工業社製)である。
(3)Nd:酸化ネオジム(信越化学工業社製)である。
(4)Nd(OH)水酸化ネオジム(信越化学工業社製)である。
<物性評価方法>
(a)580nmの透過率(%):射出成形機(名機製作所製、型式:M150ASJ)を使用し、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル60秒の条件下で、幅50mm、長さ90mm、厚さ2mmの平板を成形した。得られた平板につき、分光光度計(島津製作所製、型式:UV−3100PC)を使用して、JIS−K7361に準拠して測定した。
(b)全光線透過率(%)とヘイズ(Hz)(%):上記(a)測定用の平板につき、濁度計(日本電色工業製、型式:NDH−2000型)を使用して測定した。
(c)耐衝撃性:射出成形機(上に同じ)を使用し、シリンダー温度260℃、金型温度80℃、成形サイクル60秒の条件下で、厚さ2mm、直径50mmのメガネレンズを成形した。得られたメガネレンズを凸面を上側にして冶具に固定し、レンズ凸部の中央に、直径6cm、重さ1.05kgの鉄球を、1.8mの高さから落下させる落球衝撃試験方法によった。この試験の評価結果は、レンズ10枚のうち、1枚以上破壊させたものは「×」、全く破壊しないものを「○」と判定した。
[実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例6]
表1に示す配合割合(単位は重量部)で、原料各成分を秤量し、タンブラーによって20分混合した後、L/D=33、40mmφ単軸押出機によって、シリンダー設定温度260℃、スクリュー回転数56rpmの条件下で溶融・混練してペレット化した。得られたペレットを原料とし、上記射出成形機によって平板とメガネレンズを成形し、上記評価項目について評価試験を行った。評価結果を、表−1に示した。
Figure 2007161873
表−1より、次のことが明らかとなる。
1.本発明の実施例に係るPC樹脂組成物は、耐衝撃性、透明性に優れているほか、波長が580nmにおける全光線透過率と、波長が580nmにおける光線透過率との差が10%以上であるので、成形品の防眩性は向上し、色調および輝度の調整が容易である。
2.これに対して、飽和脂肪酸ネオジム塩の配合量が少ない比較例1のものは、波長が580nmにおける全光線透過率と、波長が580nmにおける光線透過率との双方が80%を越え、両者の差異が4%と小さいので防眩性に劣り、本発明の目的が達成できない。
3.また、飽和脂肪酸ネオジム塩の配合量が多い比較例2のものは、波長が580nmにおける全光線透過率と、波長が580nmにおける光線透過率との差が10%以上であるが、波長が580nmにおける全光線透過率が80%未満であるので、ヘイズが高く透明性に劣り、光学用フィルターや光学レンズの製造用材料としては不適当である。
4.さらに、酸化ネオジウム、水酸化ネオジウムを配合した比較例3〜比較例6のものは、ネオジウム化合物の分散性が劣り、ヘイズが高く透明性に劣り、成形品は耐衝撃性にも劣る。
本発明に係るPC樹脂組成物は、色調や輝度の調整が容易なレンズ用フィルター、カラー画像表示用フィルター、カラーディスプレー用カバーフィルターなどの各種光学用フィルター製造用材料、カメラ用レンズやサングラス、白内障および緑内障患者用の防眩性メガネなどの各種レンズ製造用材料として有用である。

Claims (4)

  1. ポリカーボネート樹脂60〜95重量%と、飽和脂肪酸ネオジム塩5〜40%とからなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. 飽和脂肪酸ネオジム塩における飽和脂肪酸が、炭素数8〜36のものである請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られた厚さが2mmの試験片で、全光線透過率が80%以上であり、かつ、全光線透過率と、波長が580nmにおける光線透過率との差が10%以上である、請求項1または請求項2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 請求項1〜請求項3に記載のポリカーボネート樹脂組成物を成形してなるメガネレンズ。
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