JP2007161841A - 絞り加工缶外面用塗料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 多価アルコール成分に対して10〜70モル%の2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを含有する多価アルコール(a1)及び多塩基酸成分に対して60〜99モル%の芳香族ジカルボン酸を含有する多塩基酸(a2)を反応してなるポリエステル樹脂(A)、平均重合度2以下のメラミン樹脂(b1)と平均重合度2を越えるメラミン樹脂(b2)とを含有する架橋剤(B)及び硬化触媒(C)を含有する絞り加工缶外面用塗料。
【選択図】 なし
Description
これに対し、缶入り飲料などの需要増加に伴って、キャップにより再密封可能なアルミニウム合金製の絞り加工缶の需要が急速に高まってきている。
例えば、絞り加工缶の製造は、金属板をカップ成形し、絞り加工により缶胴成形、潤滑剤除去し、トリミングを行い、美観上および内容物表示と缶の腐食を外部環境から防止するために、下地インキの印刷と絞り加工缶外面用塗料の塗装が行なわれる。
次に、加熱乾燥を施し、潤滑剤を再塗布し、トップドーム成形を行うことによって、塗膜を形成し、次に、ネジ・カール成形、ネック・フランジ成形を経て、底蓋巻軸の工程へ送られる。
美観上および内容物表示を目的として、絞り加工缶の肩部に、インキの印刷を施し、かつその上に缶外面用塗料の塗装を行った場合に、インキ面において「ニジミ」が発生したり(以下、「ウェットインク適性」と称する場合がある)、またライン上を搬送するため缶外面用塗料の塗膜面に「引っ掻き傷」を生じたり、ネック加工部に「クラック」を生じていた。
従来、ポリオール成分の1種として、2−エチル−2−n−ブチル−1,3−ジヒドロキシプロパンをポリオール成分中5〜15モル%含有するポリエステル樹脂の塩基性化合物による中和物と、アルキルエーテル化メラミン樹脂とアルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂及びアルキルエーテル化メラミン−ベンゾグアナミン共縮合樹脂から選ばれるアミノプラスト樹脂とを含有する缶外面用塗料が開示されている(特許文献1)。
しかし特許文献1のポリエステル樹脂を単に用いただけでは、ライン製造時に缶外面用塗料の塗膜面に生じる「引っ掻き傷」やネック加工部の「クラック」の発生抑止には不十分であった。
他に、ポリオール成分及びメチルエーテル化アミノ樹脂及びメチルエーテルとブチルエーテルとの混合エーテル化アミノ樹脂から選ばれる少なくとも1種のアミノ樹脂を使用した塗料組成物が開示されている(特許文献2)。しかし、特許文献2に例示されているアミノ樹脂を単に選んで配合しただけでは、ライン製造時に缶外面用塗料の塗膜面に生じる「引っ掻き傷」や、加熱乾燥後のネック加工部の「クラック」の発生抑止には不十分であった。
ポリエステル樹脂(A)は、多価アルコール成分に対して10〜70モル%の2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを含有する多価アルコール(a1)及び多塩基酸成分に対して60〜99モル%の芳香族ジカルボン酸を含有してなる多塩基酸(a2)を反応してなるポリエステル樹脂である。
ポリエステル樹脂(A)の特徴として、多価アルコール成分に対して10〜70モル%、好ましくは30〜50モル%の2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを含有する多価アルコール(a1)を用いることが、被膜の「ウェットインク適性」向上のために好ましい。
多価アルコール(a1)に含まれるその他の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルなどの2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのエステルジオール類;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルジオール類;プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド、カージュラE10(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)などのモノエポキシ化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニットなどの3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールA及び水添ビスフェノールFなど脂環族多価アルコールなどが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくはこれらの酸無水物又はテレフタル酸ジメチル等の反応性誘導体等があげられる。
その他の多塩基酸としては、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸及びその無水物;アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその無水物;これらのジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステルなどの低級アルキルエステル;トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメット酸、トリメシン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、テトラクロロヘキセントリカルボン酸及びその無水物などの3価以上の多塩基酸などが挙げられる。
(注1)数平均分子量:JIS K 0124(2002)に準じて行ない、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた。
本発明の絞り加工缶外面用塗料には、平均重合度(注2)2以下のメラミン樹脂(b1)と平均重合度2を越えるメラミン樹脂(b2)とを含有する架橋剤(B)を使用する。さらに、メラミン樹脂に加え、ベンゾグアナミン樹脂を併用することもできる
(注2)平均重合度:ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)によって、分離カラムにTSKGEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL(東ソー株式会社製)、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用い、得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた。
上記架橋剤(B)としては、例えば、メチロール化メラミンのメチロール基の一部又は全部を炭素数1〜8の1価アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキサノール等で、エーテル化した部分エーテル化又はフルエーテル化メラミン樹脂があげられる。
これらは、メチロール基がすべてエーテル化されているか、又は部分的にエーテル化され、メチロール基やイミノ基が残存しているものも使用できる。メチルエーテル化メラミン、エチルエーテル化メラミン、ブチルエーテル化メラミン等のアルキルエーテル化メラミンを挙げることができ、1種のみ、又は必要に応じて2種以上を併用してもよい。なかでもメチロール基の少なくとも一部をアルキルエーテル化したメチルエーテル化メラミン樹脂が好適である。
2種類のメラミン樹脂を使用するのは、加工性、密着性、耐沸水性に優れた塗膜が得られるからである。
このようなメラミン樹脂の市販品としては、例えば、サイメル202(平均重合度2.1)、サイメル232(平均重合度1.5)、サイメル235(平均重合度1.4)、サイメル238(平均重合度1.6)、サイメル254(平均重合度2.3)、サイメル266(平均重合度1.4)、サイメル267(平均重合度1.5)、サイメル272(平均重合度1.6)、サイメル285(平均重合度1.5)、サイメル301(平均重合度1.5)、サイメル303(平均重合度1.7)、サイメル325(平均重合度2.3)、サイメル327(平均重合度1.8)、サイメル350(平均重合度1.6)、サイメル370(平均重合度2.6)、サイメル701(平均重合度1.8)、サイメル703(平均重合度1.9)、サイメル1141(平均重合度3.1)[以上、日本サイテックインダストリーズ社製]、ユーバン20SE60(三井化学社製、商品名、平均重合度3を越える)等が市販されている。
ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)の配合割合は、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)の合計100質量部に対して、ポリエステル樹脂(A)が60〜95質量部、好ましくは65〜90質量部、架橋剤(B)が5〜40質量部、好ましくは10〜35質量部の範囲内が、硬化性や加工性の点から適している。
上記硬化触媒(C)は、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタリンジスルホン酸等の芳香族スルホン酸又はそのエステル;例えば、リン酸、ピロリン酸等、リン酸モノ又はジエステル等のリン酸類又はそのエステル;例えば、リン酸モノオクチル、リン酸モノプロピル、リン酸モノラウリル等のリン酸モノエステル;例えば、リン酸ジオクチル、リン酸ジプロピル、リン酸ジラウリル等のリン酸ジエステル;例えば、アルキル硫酸エステル塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸等のエステル塩及びスルホン酸化合物のNa塩又はK塩又はアミン塩;モノアルキルスルホコハク酸のNa塩又はK塩又はアミン塩、ジアルキルスルホコハク酸のNa塩又はK塩又はアミン塩;等が挙げられ、これらは単独若しくは2種以上の混合物として用いられる。
硬化触媒(C)の添加量としては、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計100質量部に対して、通常0.1〜5質量部、好ましくは0.2〜3質量部程度が、硬化性と加工性の為にも適している。
本発明の絞り加工缶外面用塗料には、ポリエステル樹脂(A)、架橋剤(B)及び硬化触媒(C)以外に、潤滑性付与剤、有機溶剤、顔料、レベリング剤、消泡剤などの塗料用添加剤なども適宜添加することもできる。
上記脂肪酸エステルワックスの原料となるポリオール化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3−又は1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ジ又はそれ以上のポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどを挙げることができる。これらのうち、1分子中に3個以上の水酸基を有するポリオール化合物が好ましく、中でもポリグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好適である。
上記脂肪酸エステルワックスのもう一方の原料となる脂肪酸としては、飽和又は不飽和の脂肪酸を挙げることができ、炭素原子数6〜32の脂肪酸であることが好ましい。好適な脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸などの飽和脂肪酸;カプロレイン酸、ウンデシレン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、セトレイン酸、エルカ酸、リカン酸、リシノール酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸を挙げることができる。脂肪酸エステルワックスとしては、上記ポリオール化合物の水酸基の数の少なくとも1/3が脂肪酸でエステル化されたものが好ましい。
シリコン系ワックスとしては、例えば、BYK−300、BYK−302、BYK−310、BYK−320、BYK−330、BYK−337、BYK−375[以上、BYKChemie(ビックケミー)社製]、シルウェットL−77、同L−720、同L−7602[以上、日本コニカー(株)製]、ペインタッド29、同32、同M[以上、ダウコーニング社製]、信越シリコーンKF−96[信越化学社製]等が挙げられる。
また、フッ素系ワックスとしては、例えば、シャムロックワックスSST−1MG、同SST−3、同フルオロスリップ231[以上、シャムロックケミカルズ社製]、POLYFLUO(ポリフルオ)120、同150、同400[マイクロパウダーズ社]等が挙げられる。
ポリオレフィンワックスとしては、例えば、シャムロックワックスS−394、同S−395[以上、シャムロックケミカルズ社製]、ヘキストワックスPE−520、同PE−521[以上、ヘキスト社製]、三井ハイワックス[三井石油化学工業社製]等が挙げられ、さらに、動物系ワックスとしては、例えば、ラノリン、蜜ろう等が挙げられ、植物系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、水ろう等が挙げられる。
潤滑性付与剤は、1種で又は2種以上組み合わせて用いることができ、その添加量は、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)の固形分合計量100質量部に基いて、0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜2質量部の範囲内が適している。なお絞り加工缶外面用塗料の固形分としては、30〜70質量%、好ましくは40〜60質量%が、塗装作業性の面からもよい。
なお本発明の絞り加工缶外面用塗料を用いた塗膜形成方法は、絞り加工した被塗物、例えば、ブリキ、アルミニウム及びティンフリースチールなどの金属素材、又は該金属素材を絞り加工した被塗物にポリエステル樹脂を被覆したものなどに、下地インキが印刷されてなる下地層と、該下地層上に、本発明の絞り加工缶外面用塗料が塗装されてなる上地層とを形成する方法である。
塗装する手段としては、例えば、ロールコーティング、スプレー塗装、刷毛塗り、吹き付け塗り、浸漬電着等のそれ自体既知の方法を用いることができる。
また、塗布膜厚は、焼付け後の硬化膜厚で通常1〜15μm、好ましくは5〜15μm程度が適しており、塗装後の加熱乾燥は150〜280℃、好ましくは180〜220℃の雰囲気温度で、60〜300秒間、好ましくは90〜180秒間程度行われる。
製造例1 ポリエステル樹脂溶液No.1の製造
温度計、窒素導入管、還流脱水装置および撹拌装置を備えたフラスコに、テレフタル酸ジメチル143.8部(多塩基酸成分の40モル%)、エチレングリコール53.8部(ポリオール成分の39モル%)、ネオペンチルグリコール23.1部(ポリオール成分の10モル%)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール178.4部(ポリオール成分の50モル%)、トリメチロールプロパン2.0部(ポリオール成分の1モル%)およびチタンテトラブトキシド0.1部を仕込み、原料が溶融して撹拌できるようになったら撹拌を開始して170℃から210℃まで3時間かけて徐々に昇温させた。
この時生成するメタノールは系外へ留去した。次に、イソフタル酸123.1部(多塩基酸成分の40モル%)、ヘキサヒドロ無水フタル酸28.5部(多塩基酸成分の10モル%)、セバチン酸26.7部(多塩基酸成分の10モル%)を仕込み170℃から210℃まで3時間かけて徐々に昇温させ240℃で3時間保温を続けた。この時生成する水は系外へ留去した。
次に、250℃に昇温し、5mmHgの減圧下1時間30分重縮合反応を行った。180℃に冷却しソルベッソ#150を283部、エチレングリコールモノブチルエーテル50部を加え均一に溶解し、樹脂固形分60.0質量%、酸価0.6mgKOH/g、水酸基価21mgKOH/g、ガラス転移点20℃、数平均分子量11,000のポリエステル樹脂溶液No.1を得た。
表1の配合内容とする以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.2〜No.4を得た。
温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた2リットルの4つ口フラスコに、メラミン126部及び80%パラホルムアルデヒド300部、及びメタノール320部を入れ、還流下で60分間反応させた。次に、反応機を冷却して35℃に保ちながら50%硫酸10mlを加え、メチルエーテル化反応を60分間行った。
昇温して温度が80℃に達した後、減圧濃縮を行い、メタノールを完全に留去した。次に、反応機を冷却してメタノール320部を加え、再びメチルエーテル化反応を行った後、20%の水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液のpHを9.5〜10.5に調整し、常圧濃縮及び減圧濃縮を行って、平均重合度1.5、樹脂固形分98.5%のメチルエーテル化メラミン樹脂であるメラミン樹脂No.1を得た。
温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた2リットルの4つ口フラスコに、メラミン126部及び80%パラホルムアルデヒド300部及びメタノール320部を入れ、還流下で60分間反応させた。反応終了後に35℃でメチルエーテル化反応を60分間行った。
次いで、昇温して80℃に達したら減圧下で濃縮して完全にメタノールを留去した。次に、60℃まで冷却した後、メタノール320部を加えて35℃に保ち、50%硫酸26mlを加え、メチルエーテル化反応を30分間行った。次いで常圧濃縮を行い、メタノールを留去した。
次いで、60℃まで冷却し、ブタノール277.5部を加え、45℃に保ちながら50%硫酸4.5mlを加え、2時間エーテル交換反応を行った。反応終了後、に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHを9.5〜10.5に調整し、加温しながら減圧濃縮を行ってブタノール臭がしなくなった後、希釈用のイソプロパノールを加え、平均重合度1.6、樹脂固形分85.5%の混合アルキルエーテル化メラミン樹脂であるメラミン樹脂No.2を得た。
温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた2リットルの4つ口フラスコに、メラミン126部及び80%パラホルムアルデヒド169部及びメタノール320部を入れ、還流下で60分間反応させた。
反応終了後に35℃に保ちながら50%硫酸26mlを加え、メチルエーテル化反応を60分間行った。次いで、常圧濃縮してメタノールを留去した。昇温して80℃に達した後、減圧濃縮を行い、メタノールを完全に留去した。次に、60℃まで冷却した後、メタノール320部を加えて35℃に保ち、50%硫酸26mlを加えてメチルエーテル化反応を30分間行った。
次に常圧濃縮を行い、メタノールを留去した。次いで、60℃まで冷却し、ブタノール277.5部を加え、45℃に保ちながら50%硫酸4.5mlを加え、2時間エーテル交換反応を行った。反応終了後、に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHを9.5〜10.5に調整し、前述同様の常圧濃縮及び常圧濃縮を行った。希釈用のイソプロパノールを加え、平均重合度2.3、樹脂固形分79.7%のメチルエーテル化メラミン樹脂であるメラミン樹脂No.3を得た。
温度計、攪拌機及び還流冷却器を備えた2リットルの4つ口フラスコに、メラミン126部及び80%パラホルムアルデヒド169部及びメタノール180部を入れ、還流下で60分間反応させた。反応終了後に35℃に保して、減圧下でメタノール及び水を留去した。
次に、ブタノール740部を加え、温度を45℃に保ちながら50%硫酸26mlを加えてブチルエーテル化反応を60分間行った。次に、反応液を加温しながら減圧濃縮を行い、110℃に達したら減圧濃縮をやめて冷却する。80℃まで冷却した後、ブタノール740部を加えて40℃まで冷却し、次いで50%硫酸26mlを加えて、45℃でブチルエーテル反応を30分間行った。反応終了後、に20%水酸化ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHを9.5〜10.5に調整し、加温しながら減圧濃縮を行ってブタノール臭がしなくなった後、希釈用のブタノールを加え、平均重合度2.8、樹脂固形分70.9%のブチルエーテル化メラミン樹脂であるメラミン樹脂No.4を得た。
製造例1で得た固形分80%のポリエステル樹脂溶液No.1を75部(固形分)に、メラミン樹脂No.1を20部(固形分)、メラミン樹脂No.3を5部(固形分)を加え30℃で均一に混合後、エチレングリコールモノブチルエーテルを加えて固形分を調整し、固形分50質量%の缶外面用塗料塗料No.1を作成した。
表2の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、缶外面用塗料No.2〜No.11を得た。
(注4)ユーバン20SE60:三井化学(株)製、ブチルエーテル化メラミン樹脂 、平均重合度3以上
(注5)BYK−302:BYK Chemie(ビックケミー)社製、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン
(注6)BYK−310:BYK Chemie(ビックケミー)社製、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン
(注7)BYK−375:BYK Chemie(ビックケミー)社製、ポリエーテル変性ジメチルシロキサン
製造例1で得た固形分80%のポリエステル樹脂溶液No.1を75部(固形分)に、メラミン樹脂No.1を25部(固形分)を加え30℃で均一に混合後、エチレングリコールモノブチルエーテルで固形分を調整し、固形分50質量%の缶外面用塗料No.12を作成した。
表3の配合内容とする以外は、比較例1と同様にして、缶外面用塗料No.13〜No.23を得た。
ポリエステル樹脂(PET)を被覆(厚さ0.1mm)したアルミ板(厚さ0.3mm)に、乾性油アルキッド樹脂を主成分とするインキを2μm塗装し、この上にウェットオンウェット方式で、上記実施例および比較例で得た各缶外面用塗料を乾燥塗膜厚が5μmになるように塗装し、素材到達最高温度が200℃となる条件で120秒間、加熱を行った。
下記の試験条件に従って試験に供した実施例の試験結果を表4に、比較例の試験結果を表5に示す。
○は、インクが滲んだり、ボケたりしない
△は、インクのにじみやボケがややみられる
×は、インクのにじみやボケが著しい
(注9)引っ掻き傷性:塗装ラインにおける予備加熱を想定して、試験板(1)において、JIS K−5400 8.4.2(1990)に規定する鉛筆硬度試験を行って、擦り傷性の評価とした。
(注10)加工性:試験板(2)において、JIS K−5400 8.3.2(1990)デュポン式耐衝撃性試験に準じて、落錘重量300g 、撃芯の尖端直径1/2インチ、落錘落下高を変動させて試験を行い、衝撃部およびその周辺における塗膜の割れを目視観察した。
◎は、塗膜のワレが発生する落錘落下高が30cmを越える
○は、塗膜のワレが発生する落錘落下高が20cm以上、かつ30cm未満
△は、塗膜のワレが発生する落錘落下高が10cm以上、かつ20cm未満
×は、塗膜のワレが発生する落錘落下高が10cm未満
(注11)密着性:試験板(2)において、JIS K−5400 8.5.2(1990)に規定の碁盤目テープ法に準じて、塗板に1mm×1mmのマス目を100個作成し、その塗面に粘着セロハンテープを貼着して急激に剥した。その後の塗面に残った碁盤目塗膜の数を評価した。
○は、残存した塗膜のマス目/マス目全体=100個/100個
△は、残存した塗膜のマス目/マス目全体=95〜99個/100個
×は、残存した塗膜のマス目/マス目全体=90〜94個/100個
(注12)耐沸水性:試験板を30分間煮沸にて処理した後、塗膜の白化程度を目視評価した。
○は、良好
△は、やや白化
×は、全面白化
Claims (7)
- 多価アルコール成分に対して10〜70モル%の2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールを含有する多価アルコール(a1)及び多塩基酸成分に対して60〜99モル%の芳香族ジカルボン酸を含有する多塩基酸(a2)を反応してなるポリエステル樹脂(A)、平均重合度2以下のメラミン樹脂(b1)と平均重合度2を越えるメラミン樹脂(b2)とを含有する架橋剤(B)及び硬化触媒(C)を含有する絞り加工缶外面用塗料。
- 平均重合度2以下のメラミン樹脂(b1)が、メチルエーテル化メラミン樹脂である、請求項1に記載された絞り加工缶外面用塗料。
- 平均重合度2を越えるメラミン樹脂(b2)が、ブチルエーテル化メラミン樹脂である、請求項1に記載の絞り加工缶外面用塗料。
- ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)との固形分合計に対して、潤滑性付与剤を0.1〜5質量部含有する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された絞り加工缶外面用塗料。
- 多価アルコール(a1)及び多塩基酸(a2)を使用してなるポリエステル樹脂(A)が数平均分子量1,000〜15,000の樹脂である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された絞り加工缶外面用塗料。
- 硬化触媒(C)の添加量が、ポリエステル樹脂(A)と架橋剤(B)の合計100質量部に対し、0.1〜5質量部である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された絞り加工缶外面用塗料。
- 被塗物に、下地インキが印刷されてなる下地層と、該下地層上に、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された絞り加工缶外面用塗料が塗装されてなる上地層とを形成することを特徴とする絞り加工缶の塗膜形成方法。
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