JP2007161566A - 溶融ガラスの輸送方法及び輸送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶融ガラス中に泡が発生しても、その泡を製品中に混入させない溶融ガラスの清澄方法及び比較的安価な溶融ガラスの輸送装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る溶融ガラスの輸送方法及び輸送装置は、溶融ガラスGを成形用ポット6に送る白金製又は白金合金製のパイプ状流路5中に、パイプ状流路5の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材9を設け、溶融ガラスGを層流状態で送ることにより、パイプ状流路5の底面で発生する泡Buをパイプ状流路5中の成形用溶融ガラスの流れを回避して天面側、液面側または側面側へ導くものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明に係る溶融ガラスの輸送方法及び輸送装置は、溶融ガラスGを成形用ポット6に送る白金製又は白金合金製のパイプ状流路5中に、パイプ状流路5の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材9を設け、溶融ガラスGを層流状態で送ることにより、パイプ状流路5の底面で発生する泡Buをパイプ状流路5中の成形用溶融ガラスの流れを回避して天面側、液面側または側面側へ導くものである。
【選択図】図1
Description
本発明はガラス製品生産時の泡欠陥を減少させる溶融ガラスの輸送方法及び輸送装置に関する。
一般に、溶融ガラス中にある泡はガラス製品の欠陥となるので、泡の多い溶融ガラスでは生産効率が低下する。ガラス原料を溶融する段階で脱泡が充分に行われた場合でも、溶融ガラスを成形部に輸送する段階で泡を発生させることがある。例えば、フィーダーと呼ばれるガラス溶融窯の輸送部が耐火煉瓦で構成される場合に、耐火煉瓦と溶融ガラスとが反応して泡等の欠陥を発生させることがある。そこで、泡等の欠陥の無い高品質のガラス製品を生産する時には、しばしば白金製又は白金合金製のフィーダーが採用される。これら白金や白金合金は貴金属材料なのでフィーダーは非常に高価となるが、溶融ガラスとの反応性が低く高品質なガラス製品の生産に適するからである。
ガラス製造に用いられる耐火材料の中で白金合金は相対的に優れた材料ではあるが、それでも完全なものではなく、例えば特許文献1にあるように、温度差電池に起因した泡が白金合金の表面から発生することがある。また、特許文献2や非特許文献1に記載されているように、溶融ガラス中のOH基の濃度に起因した泡がでたりすることもある。
また、熱力学でよく扱われるギブスの自由エネルギーGは次の関係式のように示される。
化学反応で重要なのは自由エネルギー差ΔGであるが、数1で表される式の形から容易に解るように温度差が大きいほど、ΔGが大きくなることがわかる。一方、電気化学における自由エネルギー差ΔGは次の関係式のように示される。
このように、自由エネルギー差ΔGは電池現象の起電力として表すことができるとの記載がある。従って、溶融ガラスに接した白金装置の温度差が大きければ起電力も大きくなり、ある電位差を越えると酸化還元反応が起こる。具体的には溶融ガラス中では酸素泡の発生が起こるが、その際の温度勾配が大きい時には反応量が大きくなり発生する泡の量も増えるので特に問題となる。同様に反応物質の濃度差が大きい時も、ΔGは大きくなり、電位差が大きくなる。白金装置でしばしば問題となるのは水素Hの濃度差である。白金合金はある程度緻密な材料であるので、殆どのガスは透過しないものであるが、水素原子のような小さな原子は透過してしまう。そのため、白金合金の片面のみが溶融ガラスに接していて白金合金の表裏両界面で水素の活動度(濃度)に差があると、溶融ガラスに接した白金合金の界面で溶融ガラス中の水分が分解し、水素は白金合金中を移動するが、酸素ガスなどは白金合金を透過できないので、残った酸素は酸素泡となることがあり問題となる。こうした、白金合金容器内での溶融ガラス中の水分の濃度に関係する泡の発生については、非特許文献1に詳しく述べられている。なお、白金合金の両面が同じ溶融ガラスに接していると当然のことながら濃度差が無いので、濃度差電池現象に起因した酸素泡が白金合金界面で発生することはない。
このように、白金製等のフィーダーにしても、泡欠陥のフィーダーでの発生を完全に解決できないので白金表面にコーテングを施したり、特許文献3に記載があるように、白金製装置の外側を溶融ガラスで被覆して泡の発生を抑える工夫が提案されている。このように白金合金界面での温度差も濃度差も共に起電力を生じるが、両方が合成された起電力がある電位差を越えた時に酸化還元反応で泡が発生すると考えられる。別の言い方をすると合成起電力がある電位差以下なら酸化還元反応は起こらず酸素泡は発生しないので、濃度差が小さい時や温度差が小さい時は溶融ガラスに接した白金合金界面で泡は発生しないと考えられる。
特公昭43−21644号公報
米国特開2004/0177649号公報
特開2003−095663号公報
ガラス中に溶存した水とブッシング中のリボイル泡発生の研究(Sklar a kermik 誌(1970年 144−148頁)、テクニカルガラス研究所 Zdenek Strnad、Josef Dusil 著)
上記した泡の発生を抑える工夫は効率良くガラス製品を生産するうえで有効である。しかしながら、パイプを二重管構造にすることで、構造的に複雑なものとなるだけでなく、高価な白金合金材料を多く必要とするためコスト的な問題がある。また、使用する白金合金部材の厚さにもよるが、仮に同じ厚みの材料を用いて二重管構造にしたとすると必要となる白金合金材料はざっと2倍になり大問題である。さらに、通常こうした白金フィーダーの加熱方法としては、白金パイプに直接電流を流し、発生するジュール熱を利用する直接通電加熱法が採用されることが多い。白金合金の抵抗値はさほど大きくないので、多くの場合数千Aという大電流を流して加熱する方法が採用されるがパイプフィーダーを二重構造にすると、通電断面積が増えるので更に大きな電流が必要になり、膨大な規模の加熱設備が必要となる。
本発明は、上記の問題点に鑑み、溶融ガラス中に泡が発生しても、その泡を製品中に混入させない溶融ガラスの輸送方法及び比較的安価な溶融ガラスの輸送装置を提供することを課題とする。
本発明者は、例え泡が発生しても、その泡を製品中に混入させなければ生産効率は悪化しないので、そうした工夫でも生産効率を向上させることが可能となることを想到した。
即ち、本発明に係る溶融ガラスの輸送方法は、溶融ガラスを成形部に送る白金製又は白金合金製のパイプ状流路中に、パイプ状流路の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材を設け、溶融ガラスを層流状態で送ることにより、パイプ状流路の底面で発生する泡を、成形用溶融ガラスの流れを回避してパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側へ導くことを特徴とするものであり、パイプ状流路の終端部の付近に邪魔板を設け、パイプ状流路中の天面側または液面側に導かれた泡を捕集し除去するものである。
本発明では、溶融ガラスを成形部に送る流路として、白金フィーダーは構造的な安定性から通常パイプ状形状が選択される。このパイプ状のガラス流路の中を溶融ガラスが流れる場合、パイプの中心部では流速が大きいが、パイプ周囲の白金合金の界面では流速は小さくなっている。白金合金製のパイプ状フィーダーでの泡の発生位置は白金合金製のパイプ内面の溶融ガラスとの界面であり、その部分の溶融ガラスの流速が小さいことから泡は比較的長い時間その場所に留まり、フィーダー部の比較的粘性の高い溶融ガラス中でもストークスの法則によりやがて泡は浮上する。この泡の動きをコントロールすることができれば、ガラス製品に害を及ぼさない位置に泡を導くことができ、生産効率を向上させることが可能となる。
具体的には、溶融ガラスを成形部に送る白金製又は白金合金製のパイプ状流路中で、パイプ状流路の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材としては、層流状態で溶融ガラスを送った際に、パイプ状流路の底面で発生する泡が、成形用溶融ガラスが流れる流速の大きいパイプの中心部に浮上することがないように、パイプ状流路中の天面側または側面側へ導く平板状、断面がU字形の板状、断面がくの字形の板状等であればよい。また、パイプ状流路の終端部の付近に設けられてパイプ状流路中の天面側または液面側に導かれた泡を捕集し除去する邪魔板としては、白金製又は白金合金製の平板状、断面がU字形の板状、断面がくの字形の板状等であればよく、パイプ状流路の下流側で終端部の付近の適当な場所でパイプ状流路の上部の流れだけを局部的に止める邪魔板を設け、そこに泡を捕集することができ、溶融ガラスの自由表面で泡が上昇してくるようになっていれば、ガラス製品となる溶融ガラスへの泡混入を低減することができる。
また、少なくともパイプ内壁面の近くに溶融ガラスの乱れが生じない層流状態で溶融ガラス送ることにより、パイプ状流路中の天面側、液面側または側面側に導かれた泡は、ガラス製品となる溶融ガラスの流速が大きいパイプの中心部に到ることはなくなる。前述したように、温度差及び濃度差の合成起電力がある電位差を越えるまで泡は発生しないので、パイプフィーダーの温度が均一なゾーンではほとんど泡は発生しない。そのゾーンではパイプ状流路の底面に白金または白金合金製の被覆部材を設置する必要はない。パイプフィーダーの温度プロファイルが決まっている場合には、温度勾配の大きいゾーンの高温部のみに前記被覆部材を設置するだけで良いので、被覆部材設置による白金材料の増加は僅かなものであるのに大きな効果を期待できる。
また、本発明の溶融ガラスの輸送方法は、パイプ状流路路中に、底部にドレンノズルを備えた攪拌ポットが設けられており、該攪拌ポットの底面に付設された白金製又は白金合金製の被覆部材により、ドレンノズル取り付け部近傍で発生する泡をパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側に導くものであると、ドレンノズル取り付け部近傍で発生する泡を容易にパイプ状流路中の天面側に導くことができる。
本発明に係る溶融ガラスの輸送装置は、ガラス原料が溶融される溶解部から供給される溶融ガラスの温度調整をしながら溶融ガラスを輸送するパイプ状流路であって、前記白金製又は白金合金製のパイプ状流路中で温度勾配の大きなゾーンに、パイプ状流路の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材を設けて溶融ガラス流路の底面で発生する泡を、成形用溶融ガラスの流れを回避してパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側へ導く泡誘導手段を有することを特徴とするものであり、パイプ状流路の終端部の付近にパイプ状流路中の天面側または液面側に導かれた泡を捕集し除去する邪魔板を設けてなることが好ましい。また、必要に応じて、溶解部から供給される溶融ガラスを攪拌して均質化する攪拌手段を具備する攪拌部を備えるものがさらに好ましい。
例えば、図1に示すガラス製造装置の攪拌部の概略説明図のように、攪拌ポット2の底面にはドレンノズル4が設置されることが多い。生産するガラスの種類を変更する時など攪拌ポット2内の溶融ガラスGを流し出して空にする必要がある時に使用されるが、通常生産時はドレンノズル4内は冷却されて固化したガラスが充満しているので、詮がされた状態である。しかし、攪拌ポット2内の溶融ガラスGは高温であるためこのドレンノズル4には温度勾配の大きなゾーンができ、泡が発生しやすい。こうした場合には攪拌ポット2の底面に白金製又は白金合金製の被覆部材を設けて泡が上昇して成形部に供給される溶融ガラスGに混入するのを防止しなければならないが、パイプ状流路と形状が異なるので別の工夫が必要である。
また、本発明の溶融ガラスの輸送装置は、パイプ状流路が、底部にドレンノズルを備えた攪拌ポットを設け、該攪拌ポットの底面に白金製又は白金合金製の被覆部材を付設してなるものであると、ドレンノズル取り付け部近傍で発生する泡を容易にパイプ状流路中の天面側または液面側に導くことができる。
本発明の溶融ガラスの輸送方法は、溶融ガラスを成形部に送る白金製又は白金合金製のパイプ状流路中に、パイプ状流路の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材と邪魔板とを設け、溶融ガラスを層流状態で送ることにより、パイプ状流路の底面で発生する泡を、成形用溶融ガラスの流れを回避してパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側へ導くので、ガラス製品に害を及ぼさない位置に泡を導くことができ、生産効率を向上させることが可能となる。
また、本発明の溶融ガラスの輸送装置は、白金製又は白金合金製のパイプ状流路中に、パイプ状流路の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材と邪魔板とを設けて溶融ガラス流路の底面で発生する泡を、成形用溶融ガラスの流れを回避してパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側へ導く泡誘導手段を有するので、上記の輸送方法を確実かつ効率的に実施することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1はガラス製品の製造装置の概略説明図、図2(A)は従来のパイプフィーダーの断面図、図2(B)は本発明のパイプフィーダーの断面図、図3は図1の邪魔板を設けた部位D付近の拡大図、図4はパイプフィーダーの泡が導かれた成形用ポットの停滞域から溶融ガラスを外部に排出する排出パイプを付加した応用例の説明図、図5は底部に被覆部材及び泡の誘導部材を設けた攪拌ポットの説明図である。図中、1は溶解槽、2は撹拌槽としての攪拌ポット、3は攪拌機としてのスターラー、4はドレンノズル、5はパイプ状流路としてのパイプフィーダー、6は成形部としての成形用ポット、7は流量調整手段、8は供給パイプ、9、13は被覆部材、10は邪魔板、11は溶融ガラスGの自由表面(液面)、12は排出パイプ、14は被覆部材13に設けた孔、15は泡の誘導部材、Gは溶融ガラス、Buは泡をそれぞれ示している。
図1のガラス製品を製造する設備の略図に示すように、溶解槽1と呼ばれる部分でガラス原料を溶融して溶融ガラスGとし、攪拌ポット2内でスターラー3により撹拌することで溶融ガラスGの均質性を上げ、その後温度調整をしながらパイプフィーダー5を通じて溶融ガラスGを成形用ポット6に流入させ、流量調整手段7で流量調整された溶融ガラスGが供給パイプ8を介して図示しない成形機へと導かれる。
通常フィーダーでの温度調整は溶融ガラスGの温度を下げることが多く、先に述べた温度差電池による泡Buの発生は高温側で起こることを考慮し、その部分のパイプフィーダー5内の下側に底面を覆う白金合金製の被覆部材9を設けた。なお、要求される溶融ガラスGの品質によっては攪拌ポット2を複数個設けることもあり、流量調整部も成形の仕方によって変わるので、この図の形状に限定されるものではない。
図2(A)の従来のパイプフィーダー5’の断面図に示すように、白金合金と溶融ガラスGとの界面での泡Buの発生確率が基本的には同じである。しかし、図2(A)のP1部位で発生した泡Buは浮上すると成形用の溶融ガラスG中に混入していくが、図2(A)のP2部位で発生した泡Buは浮上しても界面に沿って最終的にはP3部位に到達する。そのため、泡Buはパイプフィーダー5の上部に多く、下部は相対的に少なくなる傾向がある。こうした傾向はパイプフィーダー5の下流になるほど顕著になる。そのため、パイプフィーダー5の下流側の適当な場所でパイプからの上部の流れだけを局部的に止める邪魔板を設ければ、そこに泡Buをトラップすることができ、製品への泡混入を低減できる。
また、両面が溶融ガラスに覆われた白金界面では泡発生しないので、パイプ状流路を二重ジャケット構造にすることで泡不良を抑制することができる。外側のパイプと溶融ガラスとの界面では泡を発生することがあるが、内側のパイプと溶融ガラスとの界面では泡発生しないので、内側のパイプ内を流れた溶融ガラスのみ成形部へ流せば製品には泡は混入しないからである。
しかし、泡Buの動きを考えれば、図2(B)に示すように、パイプフィーダー5の上半分は被覆構造にする必要はなく、P1部位で発生する泡Buをパイプの中央部から遠ざけるように下半分のみを被覆部材9でカバーして白金合金製パイプフィーダー5の側壁面のP2部位に向けて誘導する構造にしておくことで、P1部位で発生する泡Buは全て最終的にP3部位に到達するので、ガラス製品となる成形用溶融ガラスGへの泡Buの混入を充分に防止することができる。即ち、特許文献3のような二重ジャケット構造は不要となる。重力下で略水平方向の二重パイプの内筒を保持することはあまり容易なことではなく、また高温度で使用されるため白金合金の強度も低下するため多くの保持部材が必要で構造的にもかなり複雑になってしまう。ところが、温度勾配の大きい限られたゾーンの下部のみを被覆する部材は比較的製作が容易で、構造的にもコストの点でも優位である。
図3に図1の部位D付近の拡大図を示す。パイプフィーダー5の上部に集められた泡Buはパイプフィーダー5の終端部が接続された成形用ポット6内に設けられた邪魔板10により捕集される。この泡トラップ空間は実質的に溶融ガラスGが流動しない停滞域なので、捕集された泡Buはやがて溶融ガラスGの自由表面11から除去されてしまう。この邪魔板10の設置による泡欠陥の減少率の数値的な評価は困難であるが、邪魔板10で仕切られた溶融ガラスGの自由表面11では泡Buが上昇してくるのが目視確認できるので泡Buの除去に有効であると判断することができる。
図4に他の実施例を示す。ガラスの種類によっては停滞域の溶融ガラスGが揮発等により変質して異質ガラスとなり、別のガラス欠陥の原因となることがある。そこで、溶融ガラスGの停滞を防止するために、この領域の溶融ガラスGを成形用ポット6以外の場所に導く小さな排出パイプ12を付加した応用例である。
また、図5はパイプ状流路の一部としての攪拌ポット2内の底部に、被覆部材13及び泡Buを誘導する誘導部材としての螺旋状等の誘導パイプ15を設けた例である。攪拌ポット2内の溶融ガラスGを排出させる必要がでた場合のために、図3の攪拌ポット2の底面にしばしばドレンノズル4が設置される。通常生産時はこのドレンノズル4から溶融ガラスGを排出しないのでドレンノズル4の下方は溶融ガラスGが固化するように冷却される。一般に、攪拌ポット2内は高温であるので、ドレンノズル4には大きな温度差が生じ、温度差電池に起因した泡Buが発生することがある。この泡Buの発生位置はドレンノズル4の付け根付近であると予想されるので、そこで発生した泡Buを攪拌ポット2の底面に設けた被覆部材13で遮断し、被覆部材13の一部にあけた孔14部分でのみ上昇するようにする。この孔14の上に攪拌ポット2の内壁に沿って螺旋状等の泡Bu抜き用の誘導パイプ15や、攪拌ポット2の外側に誘導パイプ(図示省略)を付設して上方の液面側に導くことで、成形用溶融ガラスGの流れを回避して、この泡Buをガラス製品に無害となる位置に誘導するものである。
図6に、図5の変形態様の実施例を示す。図6はパイプ状流路の一部としての攪拌ポット2内の底部に、被覆部材23及び泡Buを誘導する誘導部材25を設けた例である。図6中(A)は被覆部材9に導く誘導部材25を設けた装置の説明図、(B)はパイプフィーダー5の上面に導く誘導部材27を設けた装置の説明図である。
図6の装置においても同様に、発生した泡Buを攪拌ポット2の底面に設けた被覆部材23で遮断し、被覆部材23の一部にあけた孔24部分でのみ上昇するようにする。この孔24の上に、図6(A)に示すように、誘導部材25を設けて泡Buを攪拌ポット2の孔26から被覆部材9に導く。または、図6(B)に示すように、孔24の上に導く誘導部材27を設けて泡Buをパイプフィーダー5の上面に導く。このように実施例4では、成形用溶融ガラスGの流れを回避して泡Buをガラス製品に無害となる位置に誘導することができる。
本発明は、溶融ガラス以外にも流動化したプラスチック等にも適用可能である。
1 溶解槽
2 攪拌ポット
3 スターラー
4 ドレンノズル
5 パイプフィーダー(パイプ状流路)
6 成形用ポット(成形部)
7 流量調整装置
8 供給パイプ
9、13、23 被覆部材
10 邪魔板
11 ガラス自由表面(液面)
12 排出パイプ
14、24 被覆部材の孔
15、25、27 泡の誘導部材(誘導パイプ)
26 攪拌ポットの孔
Bu 泡
D 溶融ガラスの停滞域(部位)
G 溶融ガラス
P1 パイプフィーダー内の底面側部位
P2 パイプフィーダー内の側面側部位
P3 パイプフィーダー内の天面側部位
2 攪拌ポット
3 スターラー
4 ドレンノズル
5 パイプフィーダー(パイプ状流路)
6 成形用ポット(成形部)
7 流量調整装置
8 供給パイプ
9、13、23 被覆部材
10 邪魔板
11 ガラス自由表面(液面)
12 排出パイプ
14、24 被覆部材の孔
15、25、27 泡の誘導部材(誘導パイプ)
26 攪拌ポットの孔
Bu 泡
D 溶融ガラスの停滞域(部位)
G 溶融ガラス
P1 パイプフィーダー内の底面側部位
P2 パイプフィーダー内の側面側部位
P3 パイプフィーダー内の天面側部位
Claims (6)
- ガラス原料を溶融して溶融ガラスを得、該溶融ガラスの温度調整をしながらパイプ状流路で溶融ガラスを成形部に輸送し、該溶融ガラスを成形部でガラス成形体に成形するガラス製品の製造工程における溶融ガラスの輸送方法であって、
前記溶融ガラスを成形部に送る白金製又は白金合金製のパイプ状流路中に、パイプ状流路の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材を設け、溶融ガラスを層流状態で送ることにより、パイプ状流路の底面で発生する泡を、成形用溶融ガラスの流れを回避してパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側へ導くことを特徴とする溶融ガラスの輸送方法。 - パイプ状流路の終端部の付近に邪魔板を設け、パイプ状流路中の天面側または液面側に導かれた泡を捕集し除去することを特徴とする請求項1に記載の溶融ガラスの輸送方法。
- パイプ状流路中に、底部にドレンノズルを備えた攪拌ポットが設けられており、該攪拌ポットの底面に付設された白金製又は白金合金製の被覆部材により、ドレンノズルの取り付け部近傍で発生する泡をパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側に導くことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融ガラスの輸送方法。
- ガラス原料が溶融される溶解部と、溶融ガラスの温度調整をしながら溶融ガラスを輸送するパイプ状流路と、該パイプ状流路に接続され供給される溶融ガラスを成形する成形部とを有するガラス製品製造設備に備えられる溶融ガラスの輸送装置であって、
前記白金製又は白金合金製のパイプ状流路中に、パイプ状流路の底面を覆う白金製又は白金合金製の被覆部材を設けて溶融ガラス流路の底面で発生する泡を、成形用溶融ガラスの流れを回避してパイプ状流路中の天面側、液面側または側面側へ導く泡誘導手段を有することを特徴とする溶融ガラスの輸送装置。 - パイプ状流路の終端部の付近にパイプ状流路中の天面側または液面側に導かれた泡を捕集し除去する邪魔板を設けてなることを特徴とする請求項4に記載の溶融ガラスの輸送装置。
- パイプ状流路中に、底部にドレンノズルを備えた攪拌ポットを設け、該攪拌ポットの底面に白金製又は白金合金製の被覆部材を付設してなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の溶融ガラスの輸送装置。
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2006
- 2006-09-14 JP JP2006249451A patent/JP2007161566A/ja active Pending
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