JP2007161238A - 複合チューブフレーム構造を有する自転車 - Google Patents

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Abstract

【課題】改良された自転車フレームシステムを提供すること。
【解決手段】自転車フレームは、複数のチューブ部材を備え、前記チューブ部材の少なくとも1つが対向面を有する少なくとも2つのチューブで形成され、前記チューブは複合材料で形成され、前記対向面は少なくともそれらの長さの大半に沿って互いに接合され、それによって内部補強壁を形成する。
【選択図】図5

Description

この発明は、自転車用の複合構造に関し、より詳しくは、その構造は全体的に管状で伝統的なシングルチューブが複合連続チューブ、好ましくは対面で融合された1対のチューブで置換され、チューブ間に開口または「ポート」だけでなく内部補強力を与え、特定の性能的利点を与える構造に関する。
この発明は、トップチューブ、ダウンチューブ、シートステー、チェーンステーだけでなく、フロントホイールサポート(フォーク)、ハンドルバーおよびシートポストを含む自転車フレームの改良された構造に関する。特に、デザインの基本は、元来のシングルチューブデザインと同一または近似した外形ジオメトリーを維持しつつ、シングルチューブ部分を二重チューブデザインに置換することである。加えて、チューブは種々の位置で分割されてチューブ間に開口またはポートを形成し、開口またはポートは追加的な強度、剛性および空力的利点を与える対向アーチとして機能する。
高性能自転車の重量は性能を決定づける重要な特徴である。より軽量でより素早い自転車は、高速度の維持と登り坂の登坂を容易にするだけでなく、操縦を容易にする。それゆえ、最軽量素材とデザインはこれらの性能を達成する目標であった。現代の自転車デザインにおいて最もポピュラーな高性能素材はエポキシ樹脂強化カーボンファイバー(CFE)である。というのは、エポキシ樹脂強化カーボンファイバーは、現実的に入手可能な素材のなかで重量比強度が最も高いからである。結果として、CFEは非常に軽量で優れた剛性を有する自転車フレームを作製できるだけでなく、美観的にも満足できる形状を提供する。
しかしながら、カーボンファイバーを基材とする材料を自転車構造に用いるには固有の問題が存在する。カーボンファイバー複合材からなる自転車フレームは、薄いチューブ壁の座屈を引き起こす過剰な圧縮力による突発的な破損を受け易い。自転車フレームにおける複合管状部分は多くの応力を受ける。多くの方向における曲げ荷重もある。ねじり荷重もある。衝撃荷重や振動荷重もある。これらの荷重の組み合せは複雑な応力状態となる。
軽量さと強度に加えて、自転車フレームの剛性加減は非常に優先される。これは常に高い剛性を発揮するフレームが好ましいのではなく、異なる部分が硬く、他の部分はより弾性があり、たわみを許容するように調整されたものが好ましいからである。例えば、自転車のフレームが硬すぎると、しばしば乗り手に「デッド」フィールを与えることがある。他方、非常に柔軟なフレームは「スプリンギー」フィールを与える。重量、剛性、弾性、ねじり剛性および振動減衰特性など、好ましいフレームの一因となる多くの要素がある。現在、従来の複合自転車フレームにおけるこれらの特性を変更する方法は管状部品の断面寸法を変更するか、異なる素材を選択するか、或いは、ファイバーの角度に限定されている。
例えば、仮に他の方向よりも一方向により高い曲げ剛性が要求されるとすると、管状部分の断面はそのような剛性を与えるようにデザインされる。例えば、楕円形の断面は他の方向よりも一方向により高い剛性をもたらす。これは、例えば、自転車フレームのダウンチューブまたはフロントフォークに非常に望ましい効果をもたらすことができる。しかしながら、楕円形断面の主要な利点は、この方向の曲げまたはねじり荷重に起因した断面の広い部分に沿った薄い壁部の座屈に対する弱さとなり、この広く薄い壁領域の皺や座屈ともなり得る。
自転車に望まれる別の特徴は空力である。進行方向に対して減少された正面面積を有する空力的な自転車フレームは複合材料で可能となるが、妥協点もある。カーボンファイバー複合材は、空力的抵抗を減少させるためのフレーム形状の項目において、より多くの選択肢をデザイナーに提供する。例えば、フレームチューブまたはハンドルバーは小さな正面面積を有するようにより薄く作製でき、これによって空力的抵抗を小さくすることができる。しかしながら、これは全て価格にはねかえる。なぜならば、より薄い梁は断面積が減少されるので剛性に劣り弱いからである。それゆえ、改良された空力的性能を達成するためには、剛性と強度の減少を自発的に受け入れなければならない。
自転車に望まれる別の特徴は快適性である。快適性は2つのカテゴリー、すなわち大きな撓みと小さな撓みに分けられる。大きな撓みは荒い地形のオフロードで乗るときに発生する。今日、自転車おいてスプリングおよびショックアブソーバーのような様々な機械的装置を用いた多数の能動的サスペンションシステムがあるが、これらは重い。小さなたわみは、路面状態から伝わる振動、或いはペダリング、登坂またはライダーが引き起こした他の荷重によるバイクの撓みに起因する。荒れた道での乗車は、「ロードバズ」として知られる望ましくない振動を乗り手に伝え不快感を引き起こさせる。多くの経験を積んだ乗り手は自転車の好ましい感覚を、例えば、フレーム、フォーク、ハンドルバーおよびシートポストなどの自転車構成部品の剛性および弾性、並びに、それらの振動減衰能力の組み合せであると説明する。
現代の自転車の革新は過去20年以上にわたって主に軽量化に絞られてきた。このため、自転車フレームと構成部品にカーボンファイバー複合材を採用する多くのデザインが存在してきた。伝統的なダブルトライアングル形状のフレームを利用したオリジナルデザインの幾つかは、フォレットによる米国特許第4,657,795号に示されるような、金属チューブを複合材チューブに置換するものであった。しかし、ラグとしても知られる金属ジョイントは変更されないまま残され、それゆえ複合材の利点は制限されていた。
自転車フレームのデザインは、カルフィーによる米国特許第5,116,071号のようなシングル複合材チューブを軽量の複合材ラグで一体化することによって改良された。このデザインでは、ラグがチューブに継ぎ目無しでよりしっかりと取り付けられ、フレームの剛性と強度が改良される。
複合材自転車フレームデザインに代わる他のデザインは、ネルソン他に対して与えられた米国特許第5,624,519号および第6,270,104号に示されるように、予め硬化させた複合材チューブとラグを接続するものである。これらの特許は、シングル複合材チューブとラグを別々に製造した後、接合作業で一緒に繋ぐことを説明している。
他の代替的な自転車フレームデザインは、トリムブルによる米国特許第4,850,607号に示されるようなモノコックデザインとして知られている。これは、フレーム全体が1つの部品単位として成形され、チューブとラグの余分な重なりを排除することにより重量の減少を図っている。これは魅力的な空力的形状を提供することにもなる。しかしながら、大きなシングルチューブを用いるこのデザインでは、薄い壁領域がいまだに大きく、それゆえ座屈の受け易さも大きい。
自転車の他の構成部品も自転車フレームと同じ特徴と利点、すなわち軽量性、剛性、強度、空力特性、および快適性を有することが望ましい。フロントフォークは自転車構造の大きな要素である。なぜならば、フロントフォークは自転車を操舵しフロントホイールに接続されるからである。それゆえ剛性と強度は重要である。フロントフォークは進行方向に対する露出正面面積が大きいので、かなりの空気抵抗をもたらす。
初期の従来技術は、軽量かつ高強度を主要な目標とするシングルチューブに構成された複合材からなる自転車フォークを説明している。フォレットに対して与えられた米国特許第4,828,285号には、1つの部品単位として成形された発泡内部コアを備えた複合材フォークが記載されている。発泡コアを用いるこの圧縮成形技術は、部品を強化しつつ超軽量を達成する。
クラインに対して与えられた米国特許第5,692,764号および第5,944,932号には、改良された重量比剛性だけでなく改良された強度も有する複合材からなる自転車フォークが記載されている。この製法はコア材料が不要なので、重量においてより軽いフォークを効率的に生産する。しかしながら、空力または快適性の改善については言及されていない。
米国特許第6,655,707号にはフィラメントを巻く方法によって生産された複合材フォークが記載されている。この技術は生産工程を自動化し、連続したファイバーを用いて生産品質の改善を図っている。上述した他の複合材フォークの特許において各フォークレッグはシングルチューブで記載されている。
シンヤード他に対して与えられた米国特許第6,669,218号には、エラストマー減衰材料が配置される溝を規定する各フォークレッグの中間部分を有する複合材フロントフォークが記載されている。さらにまた、これはエラストマーダンパーが配置された補強切り欠き領域を有するシングルチューブフォークデザインである。このデザインの主目的は快適性を高める振動減衰を与えることである。
コブの米国特許出願第10/366,760号には、各フォークレッグ部分が所定間隔で互いに略平行に配置された2つのレッグからなる自転車フォークが記載されている。各フォークレッグは翼形状の断面を有し、分離したレッグは様々な位置でコネクターを用いて互いに固定されている。2本のレッグが用いられるが、それらはともに一体化されるのではない。コブの主目的は、ホイールから離れた空気の流れをガイドすることである。
乗り手の重量を支持し、乗車状況によって課せられる負荷の組み合せに耐えるために自転車のフォークが非常に強いことは重要である。自転車のフォークが突発的に破損すれば乗り手に深刻な負傷を負わせる結果となり得る。上述の多くのデザインはより大きな強度を要求するが、管状複合材部品の成形工程は手間がかかり、もし壁厚の薄い部分があれば座屈破損が発生しかねず、常に確固たる基礎に基づいた本来の状態ではない恐れもある。
ハンドルバーは進行方向に露出した自転車構造の他の部分であり、それゆえ空気力学的な考えでデザインされるべきである。フォークと同様に、ハンドルバーは弱点なく多くの負荷に耐えなければならない。クラインに対して与えられた米国特許第5,557,982号には、改良された重量剛性と重量比強度を有する複合材からなる軽量な自転車ハンドルバーが記載されている。しかしながら、空力特性または快適性については言及されておらず、そのハンドルバーはシングル複合材チューブを用いて作製されている。
他の例は、ホワイトニングとフリックの米国特許出願第10/261,531号であり、シングルチューブから作製された一体の複合材ハンドルバーが記載されている。
上述の複合材ハンドルバーデザインの両方は、シングル複合材チューブでデザインされているので、薄い壁部の座屈破損を受け易い。
シートポストは、乗り手の重量に耐えるだけでなく、フレームへの締め付けによる周囲の応力にも耐えなければならないので、自転車フレームシステムの他の重要な部分である。フィリス他に対して与えられた米国特許第6,213,488号には、内部に複合材チューブを備える金属チューブからなる軽量高強度自転車シートポストが記載されている。しかしながら、このケースでは2本の同軸のチューブによってより厚く、より強い壁デザインを与えている。
シンヤード他に対して与えられた米国特許第6,848,701号には、振動を減衰するエラストマー素材が挿入された溝を有する複合材シートポストが記載されている。類似する米国特許第6,669,218号は、快適性の技術を主とし、シングルチューブデザインを用いて作製されている。改良された自転車フレームデザインのために継続する必要が存在する。この点に関し、本発明は実質的にこの必要を満たす。
米国特許第4,657,795号公報 米国特許第5,116,071号公報 米国特許第5,624,519号公報 米国特許第6,270,104号公報 米国特許第4,850,607号公報 米国特許第4,828,285号公報 米国特許第5,692,764号公報 米国特許第5,944,932号公報 米国特許第6,655,707号公報 米国特許第6,669,218号公報 米国特許出願第10/366,760号公報 米国特許第5,557,982号公報 米国特許出願第10/261,531号公報 米国特許第6,213,488号公報 米国特許第6,848,701号公報
本発明は、ちょうどよい剛性、より大きな弾性、より大きな衝撃強度、より大きな疲労耐性、より大きな空力的効果、より少ない振動、より大きな快適性および現在の従来技術に対して改良された美しさを提供するようにデザインされる。
本発明による自転車フレームシステムは、実質的に従来のコンセプトと従来技術のデザインから出発し、そのようにすることによって、ちょうどよい剛性、改良された弾性、改良された強度、改良された空力だけでなく改良された外観を提供しつつ軽量であることを主な目的として開発された構造を提供する。利点とこれら構成要素の調整能力との組み合せは、これまでの自転車フレームデザインではなし得なかった。
現在の従来技術において知られたデザインと構成からなる既知の自転車フレームのタイプに共通する上述の固有の問題を考慮し、本発明は改良された自転車フレームシステムを提供する。
この発明は、複数のチューブ部材を備え、前記チューブ部材の少なくとも1つが対向面を有する少なくとも2つのチューブで形成され、前記チューブは複合材料で形成され、前記対向面は少なくともそれらの長さの大半に沿って互いに接合され、それによって内部補強壁を形成することを特徴とする自転車フレームを提供する。
また、この発明は、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、リアステー、チェーンステー、フロントフォーク、シートポストおよびハンドルバーを備え、少なくとも1つの部分が対向面を有する少なくとも2つのチューブからなり、前記対向面は少なくともそれらの長さの大半に沿って互いに接合され、それによって内部補強壁を形成することを特徴とする自転車フレームを提供するものでもある。
この発明によれば、自転車フレームを形成する従来的なシングル中空チューブが、内部補強壁で接合された複合チューブに置換され、内部補強壁は、荷重の下で断面の変形に耐え、圧縮力の下で壁の座屈に耐えるので、改良された剛性、強度、弾性を有する自転車フレームを提供することができる。
本発明の詳細な説明がよりよく理解されるように、また、技術に対するこの貢献がよりよく評価されるように、ここに本発明のより重要な特徴を敢えて広く概説する。もちろん、本発明の追加的な特徴は以下に説明され、添付の特許請求の範囲の従属事項を形成する。
これに関し、少なくとも1つの発明の実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用において、以下の説明に記載される詳細構造、構成部品の配置または図面の例示に限定されるものではないことが理解されるべきである。本発明は他の実施形態を可能とし、種々の方法で実施および実行できる。また、この明細書で用いられるスポーツ用語と技術用語は説明のためであって、限定としてみなされるべきではないことも理解されるべきである。
したがって、当業者はこの開示に基づく概念を評価し、本発明の幾つかの目的を実行するための他の構造、方法およびシステムのデザインのための基礎として容易に利用できる。それゆえ、本発明の精神と範囲から出発していない限り、特許請求の範囲は同等の構造を含むものとしてみなされることが重要である。
本発明は、容易かつ効率的に作製できる、新しい改良された自転車フレームシステムを提供する。
本発明は、耐久性があり、信頼できる構造の新しい改良された自転車フレームシステムを提供する。
本発明は、素材と労力の両方に関して低コストで作製しやすい、新しい改良された自転車フレームシステムを提供する。
本発明は、フレームの様々な位置に対して特定の剛性と弾性の組み合せを与えることのできる自転車フレームシステムをさらに提供する。
本発明は、優れた強度と疲労耐性を有する改良された自転車フレームシステムを提供する。
本発明は、改良された空力特性を有する改良された自転車フレームシステムを提供する。
本発明は、フレームの振動減衰特性を改良できる改良された自転車フレームシステムを提供する。
本発明は、独特の外観と改良された美しさを有する改良された自転車フレームシステムを提供する。
最後に、本発明は、複合チューブデザインで作製される新しい改良された自転車フレームシステムを提供する。ここでチューブはそれらの長さに沿ったほとんどで共に融合され、選択された位置で互いに分離され、二重対向アーチとして機能する開口を形成し、剛性、弾性、強度および空力を調整する改良された手段を提供する。発明のよりよい理解のために、発明の好ましい実施形態を例示した添付図面と説明が参照される。
図1は本発明の実施形態により構成された自転車の側面図である。
図2は代替的な自転車フレームの正面図である。
図3は他の実施形態に係る自転車の側面図である。
図4は本発明の実施形態により構成されたシートポストの正面図である。
図5は図1のトップチューブの等角投影一部破断図である。
図6はダウンチューブの等角投影一部破断図である。
図7はダウンチューブの代替的な実施形態の等角投影一部破断図である。
図8は図1の8−8線で切断したトップチューブの断面図である。
図9は図1の9−9線で切断したトップチューブの断面図である。
図10は図3の10−10線で切断したダウンチューブの断面図である。
図11は図3の11−11線で切断したダウンチューブの断面図である。
図12は図3の12−12線で切断したダウンチューブの断面図である。
図13は4本チューブフレーム構造における複数のポートの配向例を示す説明図である。
図14は図13の14−14線で切断した断面図である。
図15はポートの様々な形状を示す説明図である。
図16は図1の16−16矢印方向に切断したトップチューブの一部の鉛直断面図である。
図17〜18は、2つの異なる材料からなるフレーム部材を形成する工程を例示する斜視図である。
種々の図面を通じて、同じ部品には同じ参照符号を付して説明する。
図1は自転車の例示であり、全体が参照符号10で参照される。自転車10はフレーム12を備え、フレーム12はトップチューブ14、ダウンチューブ16、シートチューブ18、リヤステー20およびチェーンステー22から構成される。
自転車フレームは、フロントフォーク24、ハンドルバー26およびシートポスト28をさらに備える。
図1は1つの好ましい実施形態を示し、各管状部品は、進行方向に対して90°に向けられた開口または「ポート」30を含んでいる。例外はハンドルバー26で、図1では見えないが、進行方向に沿うように方向づけられたポートを有している。しかしながら、ロードバイクに用いられる湾曲したバーのような他のハンドルバーデザインではこの方法で方向づけられたポートも利点となるであろう。
以下に説明されるように、管状部品の各々は、共通の壁(2本以上のチューブの場合は複数の壁)を形成するように共に成形された2本、若しくはそれ以上のチューブで形成されている。しかしながら、選択された位置で、チューブの対向面は成形の間、離間して維持され、開口を形成する。開口の両端でチューブは共に接合される。このようにして形成された開口は、ここで「ポート」と呼ばれる。
図1は主に受動的サスペンションの目的で方向づけられたポート30を示し、ポートの軸はほぼ水平で進行方向に対して90°である。この方法で方向づけられたポートは、管状部材の各々からより柔軟性を得る手段を提供する。したがって、フロントフォーク24は主に受動的サスペンションの目的で方向づけられたポート30を有し、ポートの軸はほぼ水平で進行方向に対して90°である。ポート30のサイズと間隔はフォークのレッグの寸法により変更できる。
図2は代替的な実施形態を示し、ポート32が主に空力的目的のために方向づけられ、ポートの軸はほぼ水平で進行方向に対して平行である。ハンドルバー26、フロントフォーク24およびダウンチューブ16は大きな正面面積を有する自転車構造の構成部品であり、それゆえこの方法で方向づけられたポートにより空気抵抗が最大限に減少する。一般的に空力的目的のためにフォークレッグ24の幅は小さくされる。ポートを有する二重チューブ構造では、空力を維持したままフォークの幅をより大きくでき、さらには剛性と強度の要求を満たすこともできる。
図4において、シートポスト28を備えるシートポストアセンブリのポートは空力的目的のために方向づけられている。ポートが開けられた二重チューブデザインは、シートポストがポートにより幾分か柔軟になるので、幾らかの受動的サスペンションの作用も提供できる。加えて、内部壁は、ポストを自転車フレームへ固定する締め付けストレスに耐えることを助ける。これは4本のチューブを用いることにより4つの内部壁(以下で説明する図10〜12参照)が形成され、それによって周囲のストレスに対する耐性が高まる複合チューブ構造のような場合に特に優れた適用となる。
図2において、ハンドルバー26のポート32は空力的目的のために方向づけられている。これは自転車に用いられる多くのタイプのハンドルバーの一例に過ぎない。この例は実用タイプのハンドルバーであるが、多くの異なるデザインおよび形状の全てにおいても、ポートが開けられた二重チューブまたは他の多重チューブフレーム部材から同様の利点を得ることができる。
図3は水平かつ進行方向に対して直角に方向づけられたポート30と、進行方向に対して平行に方向づけられたポート32の両方を有する自転車の側面図である。
図5は、2本の内部チューブ36と内部壁38を示す隔離された1つのポートを示すトップチューブ14の等角投影図である。ポート40と円筒壁42も示されている。この例では、チューブの軸に対してポートの軸が90°となっている。
図6は、隔離された1つのポートを示すダウンチューブ16の等角投影図である。この例では、ポート44の軸がダウンチューブに対して鋭角で、進行方向に対して平行となっている。これは長く延ばされた内部壁46をうみだすことになる。
図7は図3のダウンチューブ40の等角投影一部破断図である。この例では、4本のチューブが構造を形成するために用いられている。図10〜12に関連して以下に説明されるように、ポートは2本のチューブを他の2本のチューブから分離することにより形成されていてもよい。図7の実施形態は自転車の軸に対して直角に方向づけられたポート30と自転車の軸に沿うように方向づけられたポート32を有している。
図8を参照すると、図1のトップチューブ14の8−8線に沿ったこの断面図は、管状部分の中立軸近傍の内部壁の好ましい位置を示している。内部チューブ36の両方はほぼ同じサイズで、成形されたときにD形状を形成する。内部チューブ36は特定の位置で互いに離れ、図9に示されるようなポート30を形成する。応力の集中を減少させ、かつ、成形工程を容易にするために、ポート内へ導くアール(すなわち丸くされた縁39)を有するようにするとよい。
図10は図3のダウンチューブ40の断面図である。この例では、4本のチューブ(42,43,44,45)が管状部分をつくるために用いられ、X状の内部壁46をつくっている。
図11は図3の進行方向に対して平行に向けられたポート32の領域におけるダウンチューブ40の断面図である。この例では、内部チューブ42および45が、内部チューブ43および44とともに残っている。
図12は図3の進行方向に対して直角に向けられたポート30の領域におけるダウンチューブ40の断面図である。この例では、内部チューブ42および43が、内部チューブ44および45とともに残っている。
図13は4本チューブ構造の等角投影破断図であり全チューブのポートが同じ位置に配置されている。この例では、内部チューブ47,48,49および50が同じ位置ですべて離れ、それらの間で4つのポート51を形成している。
図14は図13の14−14線で切断したチューブ構造52の断面図である。ここで、全ての内部チューブが分離しているのでオープンポート52が四方へ開くことになる。
複合チューブデザインでは、使用される内部チューブの本数に基づいて任意の数のポートを設けることができ、これらのポートを形成するために任意の本数のチューブが分離される。
図15はポートに用い得る種々の形状の例を例示している。
特定位置の構造に要求される性能に応じて、より装飾的なポート形状も用いられる。
本発明の好ましい実施形態では、複数の連続した複合材チューブが用いられる。それらは自転車フレーム、フォーク、ハンドルバー及び/又はシートポストの様々な位置における二重対向アーチの形成工程で、開口を形成するために分離される。デザインの基本的なコンセプトおよび構成は、同じ利点をもたらすので、これらの構成部品の各々に適用できるが、各構成部品には特殊性もあり、これについてはより詳細に別に説明される。
説明を簡潔にするために、上述の全構成部品(フレーム、フォーク、ハンドルバー、シートポスト)は、それらが名前で特定的に言及されない限り、「管状部品」と呼ばれる。
シングル中空管状部品は、複合材自転車フレームをデザインおよび作製するうえで従来的な方法である。これは元来、フレーム要素がシングル中空金属チューブを用いて生産され、これらのチューブをシングル中空複合材チューブに置換することは自然であったからである。
慣性特性を最大にするために材料がチューブの中心軸からずらされるので、シングル中空チューブは曲げおよびねじり特性を最大にすることも、効率性の観点から感じさせる。これは従来の自転車構造であった。シングル中空チューブが十分な壁厚を有するとき、例えば、重量が重要でないとき、デザインは十分な剛性と強度を十分に提供することができる。しかしながら、先に述べたように、壁厚がチューブの直径に対して薄くなると、管状部分は自転車フレームに常に存在する圧縮力の下で壁の座屈を受け易くなる。
本発明によれば、自転車フレームを形成する従来的なシングル中空チューブが、内部壁で接合された複合チューブに置換される。内部壁は、荷重の下で断面の変形に耐え、圧縮力の下で壁の座屈に耐える。
図16に示されるように、チューブ、例えば、トップチューブ14を形成するチューブ14a,14bは、それらの長さのほとんどに沿って共に融合し、共通の壁50を形成する。選択された位置、例えばポート30が形成されるべきところで、チューブ14a,14bの対向面15a,15bは、変形および座屈損傷に耐える幾何学的な補強として機能する二重対向アーチ形状の開口30を形成するために、成形中に分離される。
本発明は、フレーム部材自体のサイズおよび形状に加えて、種々のフレーム部材における開口のサイズ、数、方向および間隔を変更することにより剛性および弾性の項目におけるカスタムチューンを許容する。
複合材料を成形する工程は、構造における複合チューブの使用を容易にする。複合チューブを生産する最も一般的な方法は、「プリプレグ」として知られるシート状の生材料で始まり、それはエポキシなどの熱硬化性樹脂が含浸された強化ファイバーである。「Bステージ」における樹脂は液状で、それは熱および圧力を加えることによって即座に硬化する。ファイバーは編み地状の生地、または単一方向でカーボン、アラミド、グラスなどの種々の高性能強化ファイバーからなっていてもよい。プリプレグ材料は一般的に連続したロールまたは短いシート長のセグメントを作製するために巻かれたドラムであってもよい。プリプレグは正確なファイバー方向を得るために様々な角度で切断されこれらのストリップは一般的には重ねられ、チューブに丸く巻かれることを許容する「レイアップ」に配置される。ポリマーブラッダーがプリプレグチューブの中心に挿入されて内部圧力を発生させ、熱により層が固められる。プリプレグチューブおよびポリマーブラッダーからなるプレモールドアセンブリーが金型キャビティー内に配置され、エアーフィッティングがブラッダーに装着される。金型は加熱された圧盤プレスで圧縮されて閉じられ、圧縮空気がブラッダー内に供給される。金型の温度が上がるにつれて、エポキシ樹脂の粘度が下がってブラッダーが拡張し、余分な樹脂が外側へ押し出されて固められる。
複数のプリプレグチューブで管状部分を作製することは、空気圧を各チューブに合わせるためのより多くの労力を要求する。例えば、2つのプリプレグチューブを用いて同じ管状部分を成形するとき、各チューブはシングルチューブのほぼ半分のサイズにされるべきであり、各チューブは内部ブラッダー、エアーフィッティングおよび空気圧をおのずと有するべきである。金型をパックする工程は、2つのチューブが金型内にパックされ、2つのエアーフィッティングが取り付けられる点を除いて非常に似ている。チューブ間に内部壁が形成され適切に方向づけられるように、各チューブの部分に注意が払われるべきである。各チューブのサイズおよび位置を保つために、各チューブの空気圧は同時に加えられるべきである。エポキシ樹脂が流動しチューブが拡張した時点で、チューブは内部壁を形成するために互いに押圧され、よりよく固められる。得られた部分はこの内部補強壁により極めて強いものとなる。
成形された管状部分の内部壁は、管状部分の構造的特性を顕著に改善する。曲げストレス又はねじりストレスを受けている間、管状部分の形状はよりよく維持され、断面の変形を排除する。壁をどの程度まで薄くして軽量な複合材自転車フレームとするかを決定するために、フレームを手で圧搾して変形させることが一般的である。内部壁を備えると、チューブが曲げ応力及びねじり応力を受けたときに最小限の変形が発生し、剛性の強い構造が得られるので、管状部分の完全性が維持される。
異方性の利点を得るために壁の向きを任意に配置することができる。もりより柔軟性が望まれる場合は、壁を曲げ方向の中立軸に沿って配置することができる。もしより剛性が必要とされる場合は、壁を中立軸に対して90°のI梁状に配置することにより曲げ剛性を大きく改善することができる。
複数のチューブを用いて管状部分を成形することは、より多くのデザイン上の選択肢を許容する。チューブ間に大きな楕円状の開口を成形するために、チューブに沿った選択された軸方向の位置でチューブを分離することは、チューブを所望の特性に変化させることを許容する。
管状部分に開口を形成することは、特別な成形工程を用いて行われる。上述のとおり、プリプレグチューブは金型キャビティー内にパックされ、まるで複合チューブ部分を作製するかのように配置される。その後、ピンがチューブ間に挿入され、加圧されるあいだ開口を形成する。ピンは金型の一部に容易に取り外しできるように固定される。エアーフィッティングが各プリプレグチューブに取り付けられ、金型は加熱された圧盤プレスに配置され閉じられる。チューブ内に加圧空気が供給されると、チューブが拡張してピンの周囲に開口が形成され、エポキシ樹脂が架橋して硬化する。その後、金型が開かれてピンが取り除かれ、部品が金型から取り除かれる。
開口またはポートの成形では、選択された位置が二重対向アーチ構造となる。この構造に貢献するものはポートの二重アーチ効果であり、それは2つの対向アーチをつくる楕円形状で、ポートによって3次元壁構造が提供されることにより、チューブの断面形状を保ちつつ管状部分が撓むことを許容する。例えば、ポートが設けられた二重チューブ構造は、連続して構造の大部分を形成する外部壁の組み合せを有し、ポートが設けられた壁は外部壁に対してある角度で方向づけられ、支柱のような補強効果を管状構造に与える。ポートの円筒壁はチューブの断面がつぶれるのを防止し、構造上の強度を著しく改善する。
ポートが設けられた二重チューブ構造の剛性と弾性は、通常のシングル中空チューブよりも大きくまたは小さくなるように調整される。これはチューブ間で内部壁を配向する選択肢だけでなく、ポートのサイズ、形状、角度および位置の選択肢があるからである。もし望まれるのであれば、ポートはより堅いか、またはより変形および回復を許容するように弾性的にでき、さらには所望の性能特性が生み出されるように、異なる材料や異なるファイバー角度の積み重ねを用いてデザインすることもできる。
2本以上のチューブを用いることによって、構造をさらに改良することもできる。例えば、3本のチューブを用いて開口に120°のずれが発生することを許容させ、これらの方向に沿ったちょうどよい特定の剛性を与えることもできる。4本のチューブを用いることにより、開口を管状部分の長さに沿って交互に90°ずらして配置できるようにし、独特な特性と美的レベルを両立させることもできる。他の選択肢は、同じ位置に複数のポートを配置することにより、オープントラスデザインを得ることである。
他の選択肢はシングル複合材チューブを複合チューブデザインと組み合せることである。この例では、シングル複合材チューブを管状部分の一部分とすることができ、100%カーボン複合材構造に代わって低コストで作製するために複数のプリプレグチューブと共に成形されてもよい。特に、局部的な領域に取り付けられる追加的な短い長さのチューブ又は基本的なシングルチューブを用い、それらの間にポートをつくりだしてもよい。この方法では、短いチューブは、それと基本的なチューブとの間にポートをつくるのに十分な長さであることのみが必要とされる。
他の選択肢は複合材部分を金属部分と組み合せることである。この例では金属チューブを管状部分の一部とすることができ、100%カーボン複合材構造に代わって低コストで作製するために、複数のプリプレグチューブと融合または共に成形されてもよい。これにより、製品の性能と美的要求とを満たしうる安価な構造を作製できる。
図17〜18を参照すると、この構成を作製するために、それぞれ膨らますことができるブラッダー64を有する1対のプリプレグチューブ60a,60bの前端62が金属チューブ66の一端65に挿入される。ユニットは、少なくともプリプレグチューブ60a,60bと金属チューブ66との接合部において金属チューブ66と同じ形状を有する金型内に配置される。ピンまたは金型部材(図示せず)がプリプレグチューブ60a,60bの間に配置され、それでポート30が形成される。その後、ブラッダー64が膨らませられながら、金型は閉じられて加熱され、プリプレグチューブは金型の形状を呈し、ポート30が形成されるように金型部材が対向壁71a,71bを離間させつづける。図示されるように、チューブ60a,60bは合わせ目72に共通壁を形成する。プリプレグチューブが硬化した後、フレーム部材74が金型から取り外され、金型部材またはピンが除去され、ポート30が残される。この実施形態では、フレーム部材74のグラファイト部分60a,60bと、金属チューブ部分66との継ぎ目70が面一とされる。
さらに他の選択肢は、100%金属材料を用いて二重対向アーチ構造を構成することである。この構造を作製するのに好ましい方法は、D状の断面を有する金属チューブで始まる。その後、チューブはその長さ部分に沿って半アーチ状の曲がりが形成される。同様の作業が他の金属チューブにも行われる。その後、2つのチューブ半体は、2つの半アーチが互いに対向するようにD状断面の平らな側面で固定されることにより接続される。チューブはともに溶接または接合され、内部補強壁と二重対向アーチ形状の開口を有する構造になる。
金属から複合チューブ構造を作製する代替的な方法は、アルミニウム、チタニウム、鉄、またはマグネシウムなどの金属チューブを用い、チューブを局部的に変形させて窪み又は凹孔をチューブの対向面の表面につくるところから始まる。これらの窪みの中心は除去されてチューブを貫通する円形の開口として残されてもよい。その後、管状部分はこれらの円形開口を介して配置され、基材チューブの窪み領域の縁へ溶接により固定され3次元構造をつくる。結果は、シングル中空チューブである基材チューブと、基材チューブの内部を横切るように取り付けられた他のシングル中空チューブを備える構造となる。
ポートによって提供される空力的な利点は、管状部分のサイズに対するポートのサイズによって決定される。ダウンチューブ、フォークまたはハンドルバーなどの空力的な力を受ける梁またはチューブの正面面積を比較すると、正面面積を最大25%まで減らすことができる。これは、特に剛性および強度が妥協されておらず、むしろ改善されていることを考慮すると、自転車構造において大きな成果であるといえる。
ポートが設けられた二重チューブ構造は乗り手に快適性も提供できる。先に述べたように、もし望まれるのであれば、管状部分の剛性を最適化してより大きな柔軟性を提供することもできる。例えば、自転車フレームにおいて、トップチューブが進行方向に対して90°に方向づけられたポートを有していれば、チューブをより柔軟にでき、乗り手の快適性を高めることができる。ダウンチューブ、シートチューブ、チェーンステー、またはシートステーについても同様である。フロントフォークは、今日利用可能な全てのサスペンション技術によっても証明されるように、乗り手の快適性を決定づける重要な構成部品である。進行方向に対して90°に方向づけられたポートを有するフロントフォークはより大きな柔軟性を有し、それゆえに乗り手により大きな快適性を提供する。ハンドルバーについても同様である。
シートポストやシートチューブなどのような垂直な管状部品は、水平方向に方向づけられたポートを利用することにより衝撃や振動を吸収するための垂直方向の改善された容積を提供でき、乗り手により大きな快適性を提供することができる。
本発明の他の利点は振動の減衰である。振動は対向二重アーチ構造でより効果的に減衰される。これは移動とアーチの容積がエネルギーを吸収し、振動を減衰させるからである。管状部品がたわむとき、ポートの形状は変更でき、チューブ部分とポートの両側との間の相対的な移動を許容する。この移動がエネルギーを吸収し、振動を減衰させる。
最終的に、本発明により作製された自転車構造は非常に素晴らしい外観を呈する。ポートは非常に目立ち、管状部分を非常に軽量にするとともに自転車市場において重要な空力的な外観にする。技術的な外観を強調するためにポートは異なる色に塗装されていてもよい。
二重対向アーチ構造を考慮するとき、選択肢の組み合せは限定されない。ポートは形状、サイズ、位置、向き、および数において変更できる。ポートは剛性、弾性、強度、空力、快適性および美しさを強めるためにも用いられる。例えば、低応力領域において、ポートのサイズは空力および外観を最適にするために変更されてもよい。もしより大きな撓み又は弾性が望まれるのであれば、開口の形状は、より柔軟性を許容する非常に長くかつ狭いものであってもよい。ポートは製品を強くアピールするために、デザイナー形状を用いてもよい。
もしより多くの振動減衰が望まれるのであれば、ポートは特定の角度に向けられて形づくられ、アラミドまたは液晶ポリマーなどのようなファイバーを用いて構成されてもよい。ポートが変形することによりフレームが撓むので、形状の回復は、振動減衰を増加させるこれらの粘弾性材料で制御できる。振動減衰を増加させる他の方法は、エラストマー材料をポート内に挿入することである。
本発明による自転車フレーム構造は多くの方法で作製できる。1つの選択肢は、管状部品を分けて作製し、後で管状部品をラグに接合することである。これは外ラグを用いて管状部品をラグに挿入するか、或いは、管状部品の内部へ挿入された継ぎ目の無い一体化された部分をつくりだす内ラグを用いて行うことができる。他の選択肢は、1つの工程でフレームの全体構造を成形しモノコックタイプデザインを作成することである。
フロントフォークは二重対向アーチフレームで説明されたのと同様の方法で作製できる。ポートのサイズはフォークレッグのサイズによって変更できる。加えて、望まれる性能に応じてポートの向きおよびポート間の間隔を変更することもできる。
ハンドルバーもフレームと同様の方法で作製できる。ポートのサイズはハンドルバーのサイズによって変更できる。加えて、ポートの向きも望まれる性能に応じて変更できる。いくつかのケースでは、ポートの縦横比を増やして長い楕円をつくりだし最大の空力的利点を得ることが好ましいかもしれない。
最後に、シートポストはフレームと同様の方法で作製できる。ポートのサイズ、間隔および向きは、ポストのサイズに応じて変更できる。
上述の説明に関し、サイズ、材料、形状、形態、機能、並びに、操作方法、組み立て方法および使用方法を含め、本発明による部品の最適な寸法関係は、当業者にとって直ちに明白に考えられることが理解されるべきであり、図面に例示されたもの、および明細書で説明されたものと等しい関係にあるものは本発明に包含されることが意図されるべきである。
それゆえ、上述のものは、本発明の原理の例示に過ぎないと考えられるべきである。さらに、多くの改良および変更は当業者にとって容易になし得るので、本発明は図示および説明された構成および作用に限定されるものではなく、全ての適切な改良および同等物は本発明の範囲内に戻される。
本発明の実施形態により構成された自転車の側面図である。 代替的な自転車フレームの正面図である。 他の実施形態に係る自転車の側面図である。 本発明の実施形態により構成されたシートポストの正面図である。 図1のトップチューブの等角投影一部破断図である。 ダウンチューブの等角投影一部破断図である。 ダウンチューブの代替的な実施形態の等角投影一部破断図である。 図1の8−8線で切断したトップチューブの断面図である。 図1の9−9線で切断したトップチューブの断面図である。 図3の10−10線で切断したダウンチューブの断面図である。 図3の11−11線で切断したダウンチューブの断面図である。 図3の12−12線で切断したダウンチューブの断面図である。 4本チューブフレーム構造における複数のポートの配向例を示す説明図である。 図13の14−14線で切断した断面図である。 ポートの様々な形状を示す説明図である。 図1の16−16矢印方向に切断したトップチューブの一部の鉛直断面図である。 2つの異なる材料からなるフレーム部材を形成する工程を例示する斜視図である。 2つの異なる材料からなるフレーム部材を形成する工程を例示する斜視図である。
符号の説明
10・・・自転車
12・・・フレーム
14・・・トップチューブ
16,40・・・ダウンチューブ
18・・・シートチューブ
20・・・リアステー
22・・・チェーンステー
24・・・フロントフォーク
26・・・ハンドルバー
28・・・シートポスト
30,32・・・ポート
36・・・内部チューブ
38・・・内部壁

Claims (25)

  1. 複数のチューブ部材を備え、前記チューブ部材の少なくとも1つが対向面を有する少なくとも2つのチューブで形成され、前記チューブは複合材料で形成され、前記対向面は少なくともそれらの長さの大半に沿って互いに接合され、それによって内部補強壁を形成することを特徴とする自転車フレーム。
  2. 前記チューブ部材の少なくとも1つが二重チューブ構造で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自転車フレーム。
  3. 前記対向面が選択された位置で互いに分離されポートを形成することを特徴とする請求項1に記載の自転車フレーム。
  4. 前記対向面が選択された位置で互いに分離され二重対向アーチ構造を有するポートを形成することを特徴とする請求項2に記載の自転車フレーム。
  5. トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、リアステー、チェーンステー、フロントフォーク、シートポストおよびハンドルバーを備え、少なくとも1つの部分が対向面を有する少なくとも2つのチューブからなり、前記対向面は少なくともそれらの長さの大半に沿って互いに接合され、それによって内部補強壁を形成することを特徴とする自転車フレーム。
  6. 前記部分は前記対向面によって形成された少なくとも1つのポートを有することを特徴とする請求項5に記載の自転車フレーム。
  7. 前記部分は、前記フロントフォークのレッグを含むことを特徴とする請求項5に記載の自転車フレーム。
  8. 前記フロントフォークのレッグが、前記チューブの対向面によって形成された少なくとも1つのポートを有することを特徴とする請求項7に記載の自転車フレーム。
  9. 前記部分が前記ハンドルバーを含むことを特徴とする請求項5に記載の自転車フレーム。
  10. 前記ハンドルバーが、前記チューブの対向面によって形成された少なくとも1つのポートを有することを特徴とする請求項9に記載の自転車フレーム。
  11. 前記部分が前記シートポストを含むことを特徴とする請求項5に記載の自転車フレーム。
  12. 前記シートポストが、前記チューブの対向面によって形成された少なくとも1つのポートを有することを特徴とする請求項11に記載の自転車フレーム。
  13. 前記部分が前記リアステーを含むことを特徴とする請求項5に記載の自転車フレーム。
  14. 前記リアステーが、前記チューブの対向面によって形成され少なくとも1つの開口を有する少なくとも1つのポートを有することを特徴とする請求項13に記載の自転車フレーム。
  15. 前記部分が前記チェーンステーを含むことを特徴とする請求項5に記載の自転車フレーム。
  16. 前記チェーンステーが、前記チューブの対向面によって形成された少なくとも1つのポートを有することを特徴とする請求項15に記載の自転車フレーム。
  17. 前記チューブ部材の少なくとも1つが、その長さの一部分に金属チューブを備えることを特徴とする請求項1に記載の自転車フレーム。
  18. 前記対向面が選択された位置で互いに分離されてポートを形成し、前記ポートは、チューブ部材の中心軸に対して少なくとも1つの選択された角度に方向づけられることを特徴とする請求項1に記載の自転車フレーム。
  19. 前記ポートはサイズが変更されることを特徴とする請求項18に記載の自転車フレーム。
  20. ポートはそれを通る軸を有し、前記ポートの軸は少なくとも2つの間隔で互いに間隔を空けられてなる請求項3に記載の自転車フレーム。
  21. 前記チューブ部材の少なくとも1つがシングルチューブ構造を有し、前記シングルチューブ構造の局部領域に1つ又はより多くのチューブが追加されてなる請求項1に記載の自転車フレーム。
  22. 金属製で、かつ、対向面を有するチューブがそれらの長さの少なくとも大半に沿って接合される複合チューブ構造を用いて作製されていることを特徴とする自転車フレームの構成部品。
  23. 前記対向面が選択された位置で互いに分離されポートを形成することを特徴とする請求項22に記載の自転車フレームの構成部品。
  24. 前記ポートがそれを通る軸を有し、少なくとも2つの前記ポートが異なる水平軸方向を有することを特徴とする請求項3に記載の自転車フレーム。
  25. 前記チューブ部材の少なくとも1つが複合チューブ部材に接続されたシングル金属チューブからなり、前記複合チューブ部材がポートを有することを特徴とする請求項1に記載の自転車フレーム。
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