JP2007160920A - ウェハおよびウェハの加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ウェハ10をレーザダイシング技術を用いて切断分離するには、ウェハ10の裏面10aにダイシングフィルム11を貼着した後に、裏面10a側を下方に向けてウェハ10をレーザ加工装置のステージ12上に載置する。ウェハ10の裏面10aは略均一な凹凸が形成された粗面になっているため、裏面10aを越えた箇所に集光点Pが誤設定された場合には、矢印γのようにレーザ光Lは裏面10aで散乱されることから集光点Pが合わなくなり、誤設定された集光点Pにおけるレーザ光Lのエネルギーが大幅に減衰されることから、レーザ光Lによるダイシングフィルム11やステージ12の溶融・損傷が起こることはない。
【選択図】 図2
Description
例えば、ウェハ状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射し、前記加工対象物の内部に多光子吸収による改質領域(クラック領域を含む改質領域、溶融処理領域を含む改質領域、屈折率が変化した領域を含む改質領域)を形成し、この改質領域によって、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って前記加工対象物のレーザ光入射面から所定距離内側に、切断の起点となる領域を形成し、その領域を起点とした割断によって加工対象物を切断する技術が提案されている(特許文献1参照)。
言い換えれば、ウェハの板厚が薄すぎる場合やレーザ光の焦点の設定が不適切な場合には、焦点をウェハの内部に結ばせることができず、ウェハにおけるレーザ光の入射面の反対面を越えた箇所に焦点を結んでしまうことがある。
ウェハ(10)の内部へ集光点(P)を合わせて照射されたレーザ光(L)によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域(R)を切断の起点とした割断により切断分離されるウェハであって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面(10b)の反対側の面(10a)は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを技術的特徴とする。
ウェハ(10)の内部へ集光点(P)を合わせて照射されたレーザ光(L)によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域(R)を切断の起点とした割断により切断分離されるウェハであって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面(10b)の反対側の面(10a)に、前記レーザ光(L)を散乱させるための光散乱部材(11)が接着されていることを技術的特徴とする。
請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材(11)は、基材(11a)と、その基材を前記ウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)とを備え、
前記接着材(11b)における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを技術的特徴とする。
請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材(11)は、基材(11a)と、その基材を前記ウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)とを備え、
前記基材(11a)における前記接着材(11b)と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを技術的特徴とする。
請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材(11)は、
基材(11a)と、
その基材を前記ウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)と、
その接着材における前記ウェハとの接着面上に対して略均一に多数個散蒔かれて接着された粒子(13)とを備え、
前記粒子により、見かけ上、前記接着材における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを技術的特徴とする。
請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材(11)は、
基材(11a)と、
その基材を前記ウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)と、
その接着材の中に略均一に多数個埋め込まれた粒子(13)とを備え、
前記粒子の屈折率および反射率は、前記接着材の屈折率および反射率と異なり、
前記粒子により、見かけ上、前記基材における前記接着材と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを技術的特徴とする。
請求項2〜6のいずれか1項に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材は、伸張されることにより前記改質領域に引張応力を印加させて前記改質領域を切断の起点とした割断を起こさせるダイシングフィルム(11)であることを技術的特徴とする。
請求項1〜7のいずれか1項に記載のウェハにおいて、
前記粗面における表面粗さの最大高さRmaxが、前記レーザ光の波長以上になるように設定されていることを技術的特徴とする。
ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により、当該ウェハを切断分離するウェハの加工方法であって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面の反対側の面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを技術的特徴とする。
ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により、当該ウェハを切断分離するウェハの加工方法であって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面の反対側の面に、前記レーザ光を散乱させるための光散乱部材が接着されていることを技術的特徴とする。
請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、基材と、その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材とを備え、
前記接着材における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを技術的特徴とする。
請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、基材と、その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材とを備え、
前記基材における前記接着材と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを技術的特徴とする。
請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、
基材と、
その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材と、
その接着材における前記ウェハとの接着面上に対して略均一に多数個散蒔かれて接着された粒子とを備え、
前記粒子により、見かけ上、前記接着材における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを技術的特徴とする。
請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、
基材と、
その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材と、
その接着材の中に略均一に多数個埋め込まれた粒子とを備え、
前記粒子の屈折率および反射率は、前記接着材の屈折率および反射率と異なり、
前記粒子により、見かけ上、前記基材における前記接着材と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを技術的特徴とする。
請求項10〜14のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、伸張されることにより前記改質領域に引張応力を印加させて前記改質領域を切断の起点とした割断を起こさせるダイシングフィルムであることを技術的特徴とする。
請求項10〜14のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記粗面における表面粗さの最大高さRmaxが、前記レーザ光の波長以上になるように設定されていることを技術的特徴とする。
請求項1の発明では、ウェハ(10)におけるレーザ光の入射面(表面10b)の反対側の面(裏面10a)が粗面であるため、当該反対側の面を越えた箇所に集光点(P)を誤設定したとしても、レーザ光(L)は当該反対側の面で散乱されることから集光点が合わなくなり、誤設定された集光点におけるレーザ光のエネルギーは大幅に減衰されることから、前記反対側の面を越えた箇所に集光点が合うのを防止できる。
また、請求項1の発明によれば、ウェハが載置されているレーザ加工装置のステージ(12)にレーザ光の集光点が合うことがなく、当該ステージに溶融・損傷が起こるのを防止できる。
請求項2の発明では、ウェハ(10)におけるレーザ光の入射面(表面10b)の反対側の面(裏面10a)に光散乱部材(11)が接着されているため、当該反対側の面を越えた箇所に集光点(P)を誤設定したとしても、レーザ光(L)は光散乱部材(11)によって散乱されることから集光点が合わなくなり、誤設定された集光点におけるレーザ光のエネルギーは大幅に減衰されることから、前記反対側の面を越えた箇所に集光点が合うのを防止できる。
従って、請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果が得られる。
請求項3の発明において、光散乱部材(11)は、基材(11a)と、その基材をウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)とを備えている。
そして、請求項3の発明では、接着材(11b)におけるウェハ(10)との接着面(接着材の表面)が粗面であるため、レーザ光の入射面(表面10b)の反対側の面(裏面10a)を越えた箇所に集光点(P)を誤設定したとしても、レーザ光(L)は接着材の表面で散乱されることから集光点が合わなくなり、誤設定された集光点におけるレーザ光のエネルギーは大幅に減衰されることから、前記反対側の面を越えた箇所に集光点が合うのを防止できる。
従って、請求項3の発明によれば、請求項2の発明の作用・効果を確実に得られる。
請求項4の発明において、光散乱部材(11)は、基材(11a)と、その基材をウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)とを備えている。
そして、請求項4の発明では、基材(10a)における接着材(10b)と接する面(基材の表面)が粗面であるため、レーザ光の入射面(表面10b)の反対側の面(裏面10a)を越えた箇所に集光点(P)を誤設定したとしても、レーザ光(L)は基材の表面で散乱されることから集光点が合わなくなり、誤設定された集光点におけるレーザ光のエネルギーは大幅に減衰されることから、前記反対側の面を越えた箇所に集光点が合うのを防止できる。
従って、請求項4の発明によれば、請求項2の発明の作用・効果を確実に得られる。
請求項5の発明において、光散乱部材(11)は、基材(11a)と、その基材をウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)と、その接着材(11b)におけるウェハとの接着面上に対して略均一に多数個散蒔かれて接着された粒子(13)とを備えている。
従って、請求項5の発明によれば、請求項2の発明の作用・効果を確実に得られる。
また、粒子(13)の形成材料およびその形成材料の屈折率・反射率は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適なものを選択すればよい。
請求項6の発明において、光散乱部材(11)は、基材(11a)と、その基材をウェハ(10)に接着するための接着剤から成る接着材(11b)と、その接着材(11b)の中に略均一に多数個埋め込まれた粒子(13)とを備えている。
ここで、粒子(13)の屈折率および反射率は、接着材の屈折率および反射率と異なるため、基材(11a)における接着材(11b)と接する面上(基材の表面上)には、粒子が略均一に多数個散蒔かれて固定されていることになる。
従って、請求項6の発明によれば、請求項2の発明の作用・効果を確実に得られる。
尚、粒子(13)の形成材料およびその形成材料の屈折率・反射率は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適なものを選択すればよい。
請求項7の発明では、従来より設けられているダイシングフィルム(11)を光散乱部材として流用するため、専用の光散乱部材を設ける必要が無く、請求項2〜6の発明を低コストに実現できる。
請求項1〜7の発明では、請求項8の発明のように、前記粗面における表面粗さの最大高さRmaxがレーザ光の波長(λ)以上になるように設定しておくことにより(Rmax≧λ)、前記作用・効果を確実に得ることができる。
また、請求項6の発明において、前記粗面は基材(11a)における接着材(11b)と接する面(基材の表面)であり、その粗面における見かけ上の表面粗さの最大高さRmaxは、粒子(13)の粒径と略同一である。
請求項9〜16の発明はそれぞれ、請求項1〜8の発明に係るウェハの加工方法である。そのため、請求項9〜16の発明によれば、前記した請求項1〜8の発明と同様の作用・効果が得られる。
図1および図2は、第1実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
ウェハ10の裏面10aを粗面にするには、どのような処理方法を用いてもよく、例えば、ウェハ10の形成材料を侵すような酸性またはアルカリ性の溶液に裏面10aを浸漬して化学的に処理する方法や、サンドブラストなどの機械的研磨により処理する方法などがある。
尚、ダイシングフィルム11は、加熱により伸張するか又は伸張方向に力を加えることにより伸張する伸張性のプラスチック製フィルム材から成り、ウェハ10の裏面側全面に対して接着材(図示略)によって接着されている。
尚、レーザ光Lには、例えば、YAG(Yttrium Aluminium Garnet)レーザで1.064μmの赤外光領域の波長のレーザ光を用いればよい。
すなわち、ウェハ10の内部における集光点Pの箇所は、レーザ光Lの多光子吸収によって局所的に加熱され、その加熱により一旦溶融した後に再固化する。このように、ウェハ10の内部にて溶融後に再固化した領域が改質領域Rとなる。
つまり、溶融処理領域とは、相変化した領域や結晶構造が変化した領域である。言い換えれば、溶融処理領域とは、ウェハ10の内部にて、単結晶シリコンが非晶質シリコンに変化した領域、単結晶シリコンが多結晶シリコンに変化した領域、単結晶シリコンが非晶質シリコンおよび多結晶シリコンを含む構造に変化した領域のいずれかの領域である。尚、ウェハ10は、バルクシリコンウェハであるため、溶融処理領域は主に多結晶シリコンから成る。
そのため、ウェハ10の内部における集光点Pの箇所以外にはレーザ光Lがほとんど吸収されず、ウェハ10の表面10bが溶融することはない。
すなわち、レーザ光Lの走査またはウェハ10の移動により、ウェハ10の切断予定ラインKに沿いながら、ウェハ10に対して集光点Pを相対的に移動させればよい。
尚、ウェハ10の内部における集光点Pの深さは、ウェハ10の表面(レーザ光Lの入射面)10bから集光点Pまでの距離である。
すると、ウェハ10の内部に剪断応力が発生し、各改質領域Rを起点としてウェハ10の深さ方向に亀裂が発生し、その成長した亀裂がウェハ10の表裏面10b,10aに到達することにより、ウェハ10が切断分離される。
そのため、各改質領域Rを各切断予定ラインK毎に形成した後に、ダイシングフィルム11を伸張させることにより、ウェハ10を個々のチップに切断分離することができる。
言い換えれば、ウェハ10の板厚が薄すぎる場合やレーザ光Lの焦点Pの設定が不適切な場合には、焦点Pをウェハ10の内部に結ばせることができず、ウェハ10におけるレーザ光Lの入射面(表面10b)の反対面(裏面10a)を越えた箇所に焦点Pを結んでしまうことがある。
それに対して、図6に示すように、レーザ光Lがウェハ10の裏面10aで散乱された場合には、集光点Pにおけるレーザ光Lのエネルギーが減衰されるため、ウェハ10の内部には改質領域Rが形成されない。
尚、表面粗さの最大高さRmax(Ry)は、JIS規格「JIS B0601−1982」に定められた測定法に基づく値であり、断面曲線から基準長さだけを抜き取った部分の最大高さ値(平均線に平行な2直線で抜き取り部分を挟んだときの当該2直線の間隔)を断面曲線の縦倍率の方向に測定し、その最大高さ値をミクロン(μm)単位で表したものである。
ここで、ウェハ10の表面10bを入射面として表面10b側からレーザ光Lを照射した場合(図1および図2)と、ウェハ10の裏面10aを入射面として裏面10a側からレーザ光Lを照射した場合(図5および図6)とで、レーザ光Lの散乱状態に違いはない。
ちなみに、YAGレーザ以外のレーザの種類としては、例えば、ルビーヤガラスなどの固体レーザ、ガリウムヒ素やインジウムガリウムヒ素などの半導体レーザ、エキシマや炭酸ガスなどの気体レーザなどがある。
言い換えれば、第1実施形態において、ウェハ10の裏面10aにおける表面粗さの最大高さRmaxが使用するレーザ光Lの波長λ以上になるように設定しておけば、ウェハ10におけるレーザ光Lの入射面(表面10b)の反対面(裏面10a)を越えた箇所にレーザ光Lが焦点Pを結ぶのを確実に防止できる。
図8は、第2実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
[2−1]ウェハ10の裏面10aが平滑面になっている。
[2−2]ダイシングフィルム11は、フィルム基材11aおよび接着材11bから形成され、フィルム基材11aの表面全面に接着材11bが塗布されている。
接着材11bは、ウェハ10とフィルム基材11aを接着する性質を有した接着剤(例えば、アクリル系接着剤など)の薄膜から成り、その表面は略均一な凹凸が形成された粗面になっている。
[2−4]ウェハ10の裏面10aは、接着材11bの表面に形成された凹凸の内の凸部にのみ接している。言い換えれば、ウェハ10の裏面10aと、接着材11bの表面に形成された凹凸の内の凹部との間には、空隙が形成されている。
従って、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果(ダイシングフィルム11およびステージ12にレーザ光Lの集光点Pが合うことがなく、ダイシングフィルム11およびステージ12に溶融・損傷が起こるのを防止できる)が得られる。
図9は、第3実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
[3−1]フィルム基材11aの表面は略均一な凹凸が形成された粗面になっている。接着材11bの表面は平滑面になっている。
[3−2]ウェハ10の裏面10aの全面が接着材11bの表面に接着されている。
従って、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
図10は、第4実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
[4−1]フィルム基材11aおよび接着材11bの表面は平滑面になっている。
[4−2]接着材11bの平坦な表面上には、略球状の粒子13が略均一に多数個散蒔かれて接着されている。
[4−3]ウェハ10の裏面10aは、接着材11bの表面における粒子13が無い部分にのみ接している。尚、図10では、ウェハ10の裏面10aと接着材11bの表面が接している状態を図示していないが、粒子13の粒径が小さい上に接着材11bが柔軟性に富むため、ダイシングフィルム11をウェハ10の裏面10aに押し当てると、接着材11bの表面における粒子13が置かれていない部分によってダイシングフィルム11をウェハ10に貼着できる。
従って、第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
ちなみに、粒子13が散蒔かれた接着材11bの表面における見かけ上の表面粗さの最大高さRmaxは、粒子13の粒径と略同一である。
そして、粒子13の形成材料およびその形成材料の屈折率・反射率は、前記作用・効果が確実に得られるように、カット・アンド・トライで実験的に最適なものを選択すればよい。
図11は、第5実施形態においてウェハ10にレーザ光を照射して改質領域を形成する様子を説明するための説明図であり、ウェハ10の縦断面を模式的に表したものである。
[5−1]接着材11bの中には、略球状の粒子13が略均一に多数個埋め込まれている。そして、粒子13の屈折率・反射率は、接着材11bの屈折率・反射率と異なる。そのため、フィルム基材11aの表面上には、粒子13が略均一に多数個散蒔かれて固定されていることになる。
[5−2]ウェハ10の裏面10aの全面が接着材11bの表面に接着されている。
従って、第5実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
ちなみに、粒子13が散蒔かれたフィルム基材11aの表面における見かけ上の表面粗さの最大高さRmaxは、粒子13の粒径と略同一である。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
その場合、ウェハとしては、例えば、貼り合わせSOI(Semiconductor On Insulator)構造のウェハ、SIMOX(Separation by IMplanted OXygen)構造のウェハ、ガラスなどの絶縁基板上に多結晶シリコンまたは非晶質シリコンを固相成長法や溶融再結晶化法により形成したSOI構造のウェハ、サファイアなどの基板上にIII−V族化合物半導体層を結晶成長させた半導体発光素子に用いられるウェハ、陽極接合を用いてシリコン基板とガラス基板とを貼り合わせて形成したウェハなどがある。
また、本発明は、半導体基板を作成するための半導体材料から成るウェハに限らず、種々の材料(例えば、ガラスを含む材料など)から成るウェハに適用してもよい。
尚、クラック領域または屈折率が変化した領域を含む改質領域については、特許文献1に開示されているため、説明を省略する。
しかし、ダイシングフィルム11とは別個に専用の光散乱部材を用意し、まず、光散乱部材をウェハ10の裏面10aに接着し、次に、レーザ光Lを照射して改質領域Rを形成した後に光散乱部材をウェハ10から取り外し、続いて、ダイシングフィルム11をウェハ10の裏面10aに接着するようにしてもよい。
10a…ウェハ10の裏面
10b…ウェハ10の表面
11…ダイシングフィルム(光散乱部材)
11a…フィルム基材
11b…接着材
12…粒子
L…レーザ光
CV…集光レンズ
P…集光点
R…改質領域
K…切断予定ライン
Claims (16)
- ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により切断分離されるウェハであって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面の反対側の面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを特徴とするウェハ。 - ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により切断分離されるウェハであって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面の反対側の面に、前記レーザ光を散乱させるための光散乱部材が接着されていることを特徴とするウェハ。 - 請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材は、基材と、その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材とを備え、
前記接着材における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを特徴とするウェハ。 - 請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材は、基材と、その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材とを備え、
前記基材における前記接着材と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを特徴とするウェハ。 - 請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材は、
基材と、
その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材と、
その接着材における前記ウェハとの接着面上に対して略均一に多数個散蒔かれて接着された粒子とを備え、
前記粒子により、見かけ上、前記接着材における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを特徴とするウェハ。 - 請求項2に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材は、
基材と、
その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材と、
その接着材の中に略均一に多数個埋め込まれた粒子とを備え、
前記粒子の屈折率および反射率は、前記接着材の屈折率および反射率と異なり、
前記粒子により、見かけ上、前記基材における前記接着材と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを特徴とするウェハ。 - 請求項2〜6のいずれか1項に記載のウェハにおいて、
前記光散乱部材は、伸張されることにより前記改質領域に引張応力を印加させて前記改質領域を切断の起点とした割断を起こさせるダイシングフィルムであることを特徴とするウェハ。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のウェハにおいて、
前記粗面における表面粗さの最大高さRmaxが、前記レーザ光の波長以上になるように設定されていることを特徴とするウェハ。 - ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により、当該ウェハを切断分離するウェハの加工方法であって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面の反対側の面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを特徴とするウェハの加工方法。 - ウェハの内部へ集光点を合わせて照射されたレーザ光によって当該ウェハの内部に形成された多光子吸収による改質領域を切断の起点とした割断により、当該ウェハを切断分離するウェハの加工方法であって、
ウェハにおけるレーザ光の入射面の反対側の面に、前記レーザ光を散乱させるための光散乱部材が接着されていることを特徴とするウェハの加工方法。 - 請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、基材と、その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材とを備え、
前記接着材における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを特徴とするウェハの加工方法。 - 請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、基材と、その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材とを備え、
前記基材における前記接着材と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面であることを特徴とするウェハの加工方法。 - 請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、
基材と、
その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材と、
その接着材における前記ウェハとの接着面上に対して略均一に多数個散蒔かれて接着された粒子とを備え、
前記粒子により、見かけ上、前記接着材における前記ウェハとの接着面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを特徴とするウェハの加工方法。 - 請求項10に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、
基材と、
その基材を前記ウェハに接着するための接着剤から成る接着材と、
その接着材の中に略均一に多数個埋め込まれた粒子とを備え、
前記粒子の屈折率および反射率は、前記接着材の屈折率および反射率と異なり、
前記粒子により、見かけ上、前記基材における前記接着材と接する面は、略均一な凹凸が形成された粗面になっていることを特徴とするウェハの加工方法。 - 請求項10〜14のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記光散乱部材は、伸張されることにより前記改質領域に引張応力を印加させて前記改質領域を切断の起点とした割断を起こさせるダイシングフィルムであることを特徴とするウェハの加工方法。 - 請求項10〜14のいずれか1項に記載のウェハの加工方法において、
前記粗面における表面粗さの最大高さRmaxが、前記レーザ光の波長以上になるように設定されていることを特徴とするウェハの加工方法。
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