JP2007160591A - インクカートリッジおよびインクカートリッジ用基板取付部材 - Google Patents

インクカートリッジおよびインクカートリッジ用基板取付部材 Download PDF

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Abstract

【課題】記録装置の接触端子の接触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制して、記録装置
とインクカートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制すること。
【解決手段】インクカートリッジは、インクを収容するカートリッジ本体31と、当該イ
ンクカートリッジに搭載される電子素子(センサ35等)の入力信号および/または出力
信号の端子を有する基板32と、基板32を取り付けられるとともに、基板32の固定面
とは反対側の面に設けられた爪33aにてカートリッジ本体31に固定されるカバー部材
33とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、インクカートリッジおよびインクカートリッジ用基板取付部材に関するもの
である。
紙などの媒体へインクを吐出して文字、図形などを記録するプリンタなどの記録装置が
存在する。インクを使用する記録装置の場合、記録装置に対して着脱可能なインクカート
リッジに収容されているインクを使用することが多い。このようなインクカートリッジは
、収容しているインクが使用されて無くなったり残量が少なくなったりすると、インクが
充填されたインクカートリッジに交換される。
記録装置の記録動作に伴ってインクカートリッジ内のインク量は減っていくため、イン
ク使用量あるいはインク残量を確認したい要望がある。そのため、インク使用量あるいは
インク残量のデータをインクカートリッジに設置されたメモリに書き込み、必要に応じて
電気的に読み出す技術が開発されている(例えば特許文献1を参照)。このようなメモリ
は、回路基板に固定され、回路基板がカートリッジ本体に直接固定される。
このような回路基板は、基板表面に端子を有しており、記録装置へのインクカートリッ
ジの搭載時に記録装置の接触端子の接触を受けることで、メモリと記録装置との間の信号
経路が確立される。
特開2002−337358号公報(明細書段落0029、図3等)
回路基板がカートリッジ本体に直接固定される際には、熱カシメによる固定、接着材に
よる接着が考えられるが、接着材を使用すると接着部位が乾燥するまでに時間を要するた
め生産効率上、熱カシメのほうが好ましい。
しかしながら、上述のように記録装置へのインクカートリッジの搭載時に、記録装置の
接触端子がインクカートリッジの前面に接触し摺動していき、回路基板上の端子へ位置決
めされるため、金属製の接触端子によりインクカートリッジ前面の樹脂製部材が削られて
しまうことがある。そして、その削りカスが回路基板の端子に付着すると、記録装置の接
触端子とインクカートリッジの端子との接触を妨げ両者の電気的な接続を妨げる可能性が
ある。
特に、熱カシメをした箇所の先端部は不規則に突出しているため、熱カシメをした箇所
に記録装置の接触端子が接触しつつ摺動すると、削りカスが発生し易い。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、記録装置の接触端子の接触に起因
する樹脂削りカスの発生を抑制して、記録装置とインクカートリッジとの電気的な接触不
良の発生を抑制することができるインクカートリッジおよびインクカートリッジ用基板取
付部材を得ることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明では以下のようにした。
本発明に係るインクカートリッジは、インクを収容するカートリッジ本体と、当該イン
クカートリッジに搭載される電子素子の入力信号および/または出力信号の端子を有する
基板と、基板を取り付けられるとともに、基板の固定面とは反対側の面に設けられた嵌合
部にてカートリッジ本体に固定される基板取付部材とを備える。
これにより、記録装置の接触端子からの接触を受ける基板の面とは反対側の面に設けら
れた嵌合部で基板取付部材ひいては基板をカートリッジ本体に固定するため、接触端子が
熱カシメ部分等に接触せずに済み、接触端子の接触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制
して、記録装置とインクカートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制することができ
る。
また、本発明に係るインクカートリッジは、上記のインクカートリッジに加え、次のよ
うにしてもよい。つまり、その場合、基板取付部材は、一端側を熱カシメで固定され、他
端側を嵌合部にて固定される。
これにより、基板取付部材の一端側は熱カシメで簡単かつ強固に固定されるとともに、
基板取付部材の他端側に熱カシメが必要なくなり、記録装置へのインクカートリッジの装
着時に他端側より記録装置の接触端子が進行してきて基板の端子に位置決めされることで
、接触端子が熱カシメ部分等に接触せずに済み、接触端子の接触に起因する樹脂削りカス
の発生を抑制して、記録装置とインクカートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制す
ることができる。
また、本発明に係るインクカートリッジは、上記のインクカートリッジに加え、次のよ
うにしてもよい。つまり、その場合、嵌合部は、基板取付部材の一端(熱カシメ側)より
他端に近いいずれかの位置に設けられる。
これにより、基板取付部材において熱カシメの位置と嵌合部の嵌合位置との間に距離が
でき、カートリッジ本体へ基板取付部材をより強固に固定することができる。
また、本発明に係るインクカートリッジは、上記のインクカートリッジのいずれかに加
え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、基板は、基板取付部材が熱カシメでカー
トリッジ本体に固定される一端側と同じ一端側で、熱カシメにて基板取付部材に固定され
る。
これにより、基板の一端側は熱カシメで簡単かつ強固に基板取付部材に固定されるとと
もに、基板の他端側に熱カシメが必要なくなり、記録装置へのインクカートリッジの装着
時に他端側より記録装置の接触端子が進行してきて基板の端子に位置決めされることで、
接触端子が熱カシメ部分等に接触せずに済み、接触端子の接触に起因する樹脂削りカスの
発生を抑制して、記録装置とインクカートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制する
ことができる。
また、本発明に係るインクカートリッジは、上記のインクカートリッジのいずれかに加
え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、基板の端子が基板取付部材の一端(熱カ
シメ側)より他端に近いいずれかの位置に配置されるように、基板が基板取付部材に固定
される。
これにより、記録装置へのインクカートリッジの装着時に、他端側より記録装置の接触
端子が進行してきて基板の端子に位置決めされる際の、接触端子がインクカートリッジに
接触する区間が短くて済み、接触端子の接触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制して、
記録装置とインクカートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制することができる。
本発明に係るインクカートリッジ用基板取付部材は、インクカートリッジに搭載される
電子素子の入力信号および/または出力信号の端子を有する基板を取り付ける固定部と、
固定部とは反対側の面に設けられ、カートリッジ本体に嵌合する嵌合部とを備える。
これにより、記録装置の接触端子からの接触を受ける基板の面とは反対側の面に設けら
れた嵌合部でカートリッジ本体に固定されるため、接触端子が熱カシメ部分等に接触せず
に済み、接触端子の接触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制して、記録装置とインクカ
ートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制することができる。
また、本発明に係るインクカートリッジ用基板取付部材は、上記のインクカートリッジ
用基板取付部材に加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、インクカートリッジ
用基板取付部材は、一端側に熱カシメ用の孔を有し、他端側に嵌合部を有する。
これにより、一端側が熱カシメで簡単かつ強固に固定されるとともに、他端側に熱カシ
メが必要なくなり、記録装置へのインクカートリッジの装着時に他端側より記録装置の接
触端子が進行してきて基板の端子に位置決めされることで、接触端子が熱カシメ部分等に
接触せずに済み、接触端子の接触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制して、記録装置と
インクカートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制することができる。
また、本発明に係るインクカートリッジ用基板取付部材は、上記のインクカートリッジ
用基板取付部材に加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、嵌合部は、一端(熱
カシメ側)より他端に近いいずれかの位置に設けられる。
これにより、基板取付部材において熱カシメの位置と嵌合部の嵌合位置との間に距離が
でき、カートリッジ本体へ基板取付部材をより強固に固定することができる。
また、本発明に係るインクカートリッジ用基板取付部材は、上記のインクカートリッジ
用基板取付部材のいずれかに加え、次のようにしてもよい。つまり、その場合、熱カシメ
用の孔と同じ一端側で、熱カシメにて基板が当該インクカートリッジ用基板取付部材に固
定される。
これにより、基板の一端側は熱カシメで簡単かつ強固に基板取付部材に固定されるとと
もに、基板の他端側に熱カシメが必要なくなり、記録装置へのインクカートリッジの装着
時に他端側より記録装置の接触端子が進行してきて基板の端子に位置決めされることで、
接触端子が熱カシメ部分等に接触せずに済み、接触端子の接触に起因する樹脂削りカスの
発生を抑制して、記録装置とインクカートリッジとの電気的な接触不良の発生を抑制する
ことができる。
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、プリンタの一例を示す斜視図である。図1において、プリンタ1は、紙などの
媒体Pへインクを吐出して文字、図形などを記録する記録装置である。
プリンタ1において、キャリッジ11は、軸12に沿って、媒体Pの送り方向に対して
垂直方向に移動可能に配置される。このキャリッジ11は、ベルト13を介してモータ1
4により駆動される。
また、キャリッジ11は、インクカートリッジ21を着脱可能に設置され、媒体Pに面
する位置に、インクカートリッジ21から供給されるインクを吐出するヘッド(図示せず
)を有する。
図2は、本発明の実施の形態に係るインクカートリッジ21を示す斜視図である。図3
は、本発明の実施の形態に係るインクカートリッジ21を示す分解斜視図である。
インクカートリッジ21は、カートリッジ本体31、カートリッジ本体31内のインク
切れを検出するセンサ35、基板32が固定されたカバー部材33、およびサイドカバー
34を有する。
カートリッジ本体31の前面にはセンサ収容凹部31cが形成されており、このセンサ
収容凹部31c内にセンサ35が配置される。センサ収容凹部31c内において、センサ
35は、底面側の壁に置かれ、バネ36の復元力によりその壁へ押し付けられる。そして
、センサ収容凹部31cの開口端に、基板32が固定されたカバー部材33が固定され、
センサ35が覆われる。さらに側面、および底面の一部を覆うサイドカバー34がカート
リッジ本体31へ掛け止め構造(いわゆるパッチン構造)で装着される。
ここで、各部材の構造について説明する。
最初に、カートリッジ本体31について説明する。
図3に示すように、カートリッジ本体31は、略直方体の形状とされ、前面に、インク
カートリッジ21着脱操作に使用されるレバー31a、底面に、インク出口31bを形成
され、内部に図示せぬインクの収容部および逆流防止弁を有する。カートリッジ本体31
は、樹脂で一体成型され、対向する側面をフィルムで封止され、インク収容部にインクが
充填される。
また、カートリッジ本体31の前面の底面寄りの箇所にセンサ収容凹部31cが形成さ
れる。カートリッジ本体31前面において、センサ収容凹部31cの直上に軸31d,3
1eが形成され、センサ収容凹部31cの直下に軸部31fおよびカマボコ状の凸部31
gが形成される。軸31d,31e,31fおよび凸部31gは、カバー部材33の固定
に使用される。
センサ収容凹部31cは、略直方体の空間となっており、その側面内壁には、両側とも
に係合凹部31hが形成され、その上面内壁には、センサ収容凹部31cの奥行き方向に
沿って凸部31iが形成され、奥面内壁には、高さ方向を軸方向とした円筒状の凹部33
jが形成される。また、センサ収容凹部31cの底面内壁には、図示せぬインク流路が形
成される。カバー部材33の固定の際に、係合凹部31hにはカバー部材33の爪33a
の先端が嵌まり込む。また、凸部31iおよび凹部33jは、バネ36の固定に使用され
る。
次に、カバー部材33について説明する。図4は、図3における基板32およびカバー
部材33を示す斜視図である。
図3および図4に示すように、カバー部材33は、樹脂で一体成型され、略四角形平板
部の裏面から2本の爪33aを略垂直に突出させた形状とされる。2つの爪33aの先端
は、細くテーパー状とされるとともに、互いに外側に向いた鉤状とされる。爪33aは、
カバー部材33の一端(図4での上端面)より他端(図4での下端面)に近いいずれかの
位置に設けられる。カバー部材33の上端部には、表(おもて)面と裏面との間を貫通す
る孔33b,33cが形成され、下端には、サイドカバー34の顎部34aと係合する突
起33dが形成される。孔33b,33cはカートリッジ本体31へのカバー部材33の
固定に使用される。このうち、孔33cは位置決めのためだけの孔であり、2つの孔33
bは、熱カシメ用の孔である。
カバー部材33の表面には、基板32が収容される凹部33e1および基板32裏面の
突出部(図5の突出部32g)が収納される凹部33e2が形成される。また、カバー部
材33の表面には、上端寄りに凸部33fが形成され、下端寄りに凸部33gが形成され
る。凸部33f,33gは、カバー部材33への基板32の固定に使用される。このうち
、凸部33g、凸部33fは、位置決めおよび熱カシメ用の軸である。
さらに、カバー部材33の表面と裏面との間を貫通する挿通孔33h1が形成される。
2つの挿通孔33h1の裏面側の開口端には凹部33h2が形成され、組み付け時にセン
サ35の端部が配置される。
また、カバー部材33裏面の下端部には、孔33iおよび凹部33jが形成され、2本
の爪33aの間には、高さ方向を軸方向とした円筒状の凹部33kが形成される。孔33
iおよび凹部33jは、カートリッジ本体31へのカバー部材33の固定に使用される。
凹部33kは、バネ36固定時の案内に使用される。なお、この孔33iおよび凹部33
jは位置決めのみに使用され、孔33iは熱カシメ用の孔ではない。
また、カバー部材33の側面には片側に2箇所、合計4箇所の凸部33mが形成される
。このため、インクカートリッジ21がキャリッジ11に搭載される際に、この凸部33
mがキャリッジ11に接触することとなり、カバー部材33に固定された基板32上の端
子(図5の端子32c,32d)の、キャリッジ11側の端子に対する位置決めの精度が
良好になる。さらに、カートリッジ本体31より小さいカバー部材33に凸部33mが一
体的に形成されるため、ヒケによる位置決め精度の劣化を少なくすることができる。
このように、カバー部材33の表面には基板32が固定される固定部として凹部33e
1および凸部33f,33gが形成され、反対側の裏面にはカートリッジ本体31と嵌合
する2本の爪33aが形成される。これにより、基板32がカバー部材33から離れない
ように固定されるとともに、カバー部材33がカートリッジ本体31から離れないように
固定される。つまり、カバー部材33は、カートリッジ本体1に基板32を固定するため
の基板取付部材とされる。
次に、基板32について説明する。図5は、図3における基板32を示す図である。図
5(A)は、基板32の表(おもて)面を示す正面図である。図5(B)は、基板32の
裏面を示す背面図である。図5(C)は、基板32の側面図である。
基板32は、両面に配線パターンを形成された、ガラスエポキシ等の硬質な回路基板で
ある。基板32の上端には切欠32aが形成され、下端には孔32bが形成される。切欠
32aおよび孔32bは、カバー部材33への基板32の固定に使用される。なお、切欠
32aは、熱カシメ用の切欠である。
基板32の表(おもて)面には、メモリ32fへの電力供給およびデータ入出力のため
の7つのメモリ用端子32c、並びにセンサ35からの電気信号出力用の2つの端子32
dが形成される。これらの端子32c,32dは、プリント基板上のランドとして実現さ
れ、キャリッジ11へのインクカートリッジ21の搭載時に、キャリッジ11側の端子か
らの接触を受ける。なお、このメモリ32fは、プリンタ1からインク使用量または残量
のデータを読み書きされる不揮発性の半導体メモリである。
基板32の裏面には、センサ35の電極端子(図6の電極端子45)からの接触を受け
センサ35からの電気信号を入力される2つの端子32eが形成される。この端子32e
もプリント基板上のランドとして実現される。また、基板32の裏面には、メモリ32f
が配線パターンに接続されて固定された後、モールド加工により封止され、これにより、
突出部32gが形成される。
基板32裏面のメモリ32fと表面のメモリ用端子32cとは、基板32の表面および
裏面における図示せぬ配線パターンと基板32の表面と裏面との間の図示せぬスルーホー
ルにより電気的に接続される。同様に、基板32の裏面における端子32eと表面におけ
る端子32dとは、同様の配線パターンとスルーホールにより電気的に接続される。
次に、センサ35について説明する。図6は、図3におけるセンサ35を示す分解斜視
図である。図6(A)は、センサ35を上面側からみたときの分解斜視図であり、図6(
B)は、センサ35を底面側からみたときの分解斜視図である。
図6に示すように、センサ35は、センサ素子41、プレート42、樹脂製の下部筐体
43、シール44、金属製の2つの電極端子45、および樹脂製の上部筐体46を有する
センサ素子41は、センサ35内のインク流路におけるインクの有無を検出する素子で
ある。また、この実施の形態では、センサ素子41は、ピエゾ素子を使用した、力学的な
作用を応用したセンサであって、電力供給により一定期間振動を発生させ、その後に検出
される振動に応じた電気信号をインクの有無を示す電気信号として出力する。つまり、イ
ンク流路内のインクの有無に応じてセンサ素子41の出力する電気信号の波形が変化する
。センサ素子41の上面には2つの電極41aが形成され、下面には2つのインク流路口
41bが形成される。センサ素子41は、金属製のプレート42に接着固定され、センサ
素子41を固定されたプレート42は、下部筐体43の凹部43aに配置される。
これにより、センサ素子41のインク流路口41b、プレート42のインク流路孔42
aおよび下部筐体43のインク流路孔43bが連続し、センサ素子41の内部空間および
インク流路口41b、プレート42のインク流路孔42a、並びに下部筐体43のインク
流路孔43bにより、センサ35内のインク流路が形成される。
また、センサ素子41の上面には2つの電極端子45が配置される。電極端子45は、
孔45bに下部筐体43の支柱43cが挿通されることで位置決めされ、センサ素子41
の電極41aに接触する。各電極端子45は、金属製の平板の両端を屈曲させた形状を有
し、両端の屈曲部45aは、センサ35の外部へ露出する。2つの電極端子45の上には
上部筐体46が配置される。上部筐体46は、孔46aに下部筐体43の支柱43cが挿
通されることで位置決めされる。さらに、上部筐体46の孔46aに下部筐体43の支柱
43cが挿通された後、下部筐体43の支柱43cの上端部を熱により融解させて、熱カ
シメにより上部筐体46が下部筐体43へ固定される。これにより、センサ35内部にお
いて電極端子45、センサ素子41、プレート42も併せて固定される。
さらに、下部筐体43の底面凹部43dには、下部筐体43および上部筐体46に比べ
弾性を有するシール44が嵌め込まれる。また、上部筐体46の上面には、バネ36を受
ける台座46bが形成される。
次に、カートリッジ本体31への上述の部材の組み付け、および組み付け後の構造につ
いて説明する。図7は、図2に示すインクカートリッジ21のA−Aでの側面に平行な断
面図である。図8は、図2に示すインクカートリッジ21のA−A面で前面に平行な断面
図である。
まず、センサ35が、カートリッジ本体31のセンサ収容凹部31cに配置される。そ
の際、センサ35の底面(シール44)がセンサ収容凹部31cにおける下側、つまりの
インク出口31b側の内壁に接する。
次に、バネ36を、収縮させた状態でセンサ35の台座46bとカートリッジ本体31
の凸部31iとの間に配置し解放させる。これにより、バネ36の復元力によりセンサ3
5の底面がセンサ収容凹部31cの内壁に押し付けられ、センサ35のシール44が弾性
変形して、センサ35がカートリッジ本体31に密着する。この結果、センサ素子41の
振動方向(振幅方向)、つまり高さ方向において、センサ35は、カートリッジ本体31
に剛性的に固定されずにバネ36およびシール44の弾性部材によって弾性的にカートリ
ッジ本体31に固定される。
また、図8に示すようにカートリッジ本体31のインク流路とセンサ35のインク流路
(図8の破線)が連続する。そして、カートリッジ本体31内のインク収容部61(図9
参照)と逆流防止弁62(図9参照)との間のインク流路上にセンサ35が配置される。
したがって、インク収容部61内にインクがあれば、インク収容部61と逆流防止弁62
との間のインク流路内にもインクがあり、インク収容部61内のインクが無くなると、イ
ンク収容部61と逆流防止弁62との間のインク流路内のインクも無くなるため、このセ
ンサ35により、インクカートリッジ21内のインクの有無、つまりインク量が検出可能
となる。
他方、カバー部材33に基板32が固定される。その際、カバー部材33の凸部33f
が基板32の切欠32aに配置され、カバー部材33の凸部33gが基板32の孔32b
に配置された後、凸部33fの先端を融解して熱カシメによりカバー部材33に基板32
が固定される。固定後、基板32の裏面の端子32eは、カバー部材33の挿通孔33h
1に面する位置に配置される。
そして、カバー部材33がカートリッジ本体31に固定される。その際、まず、カバー
部材33の爪33aがカートリッジ本体31の係合凹部31hに掛け止めされる。また、
カートリッジ本体31の軸31dをカバー部材33の孔33bに挿通させ、軸31eを孔
33cに挿通させ、軸31fを孔33iに挿通させ、凸部31gを凹部33jに配置させ
る。このとき、センサ35の電極端子45が基板32に接触し、電極端子45の弾性力に
より、基板32ひいてカバー部材33を、カートリッジ本体31から引き離し方向へ押す
その状態で、電極端子45の弾性力に抗してカバー部材33をカートリッジ本体31に
圧接させながら、軸31dを融解して熱カシメによりカバー部材33をカートリッジ本体
31に固定させる。熱カシメは、基板32から見てレバー31a側の軸31dに対しての
み行われ、反対側、つまり基板32から見てカートリッジ本体31の底面側の軸や凸部に
は行われない。
なお、バネ36は、円筒形状の凹部31j,33kによりガイドされるため、カートリ
ッジ本体31のセンサ収容凹部31c内で、凸部31iと台座46bとの間から脱落する
ことはない。また、カートリッジ本体31の前面において、軸31d,31eの付け根と
、レバー31aの付け根との間には段差があり、カートリッジ本体31へカバー部材33
が取り付けられると、図2に示すように、カバー部材33表側の先端面と、レバー31a
の付け根があるカートリッジ本体31面とは、ほぼ同一平面に配置される。
このようにして、カートリッジ本体31へ基板32、カバー部材33、センサ35およ
びバネ36が組み付けられる。さらに、サイドカバー34がカートリッジ本体31に取り
付けられることで、サイドカバー34の顎部34aによりカバー部材33の突起33dの
移動が制限される。
ここで、キャリッジ11へインクカートリッジ21を装着する際のプリンタ1の接触端
子と基板32の端子32c,32dとの接触について説明する。図9は、キャリッジ11
へインクカートリッジ21を装着した際の断面図である。なお、図9は、インクカートリ
ッジ21の中央でかつ側面に平行な断面を示す。
図9において、キャリッジ11は、各インクカートリッジ21に対応する、軸11a、
係止孔11bおよび接触端子11cを有する。軸11aは、中空となっており、インク取
入口を先端に有し、インクカートリッジ21のインク出口31bに差し込まれる。そして
、軸11a内を通じてインクが引き抜かれ、図示せぬ吐出ヘッドへ供給される。係止孔1
1bには、キャリッジ11へのインクカートリッジ21の装着時に、インクカートリッジ
21のレバー31aの突起が嵌り込む。また、接触端子11cは、基板32の表面の端子
32c,32dに当接する金属製の端子であり、端子32c,32dと同数設けられる。
この実施の形態では、1つのインクカートリッジ21につき9本の接触端子11cが設け
られる。図9に示すように、各接触端子11cは、中間で略180度折り曲げられ、各先
端で肉厚になりかつ外側へ反っている。各接触端子11cは、折り曲げ部が固定板11d
の先端を挟むようにして取り付けられており、接触端子11cの板バネとしての弾性力で
接触端子11cの一方の先端は、インクカートリッジ21がキャリッジ11に装着される
と基板32の端子32c,32dに圧接し、他方の先端は、キャリッジ11に固定されて
いるエンコーダ基板51の図示せぬ端子に圧接する。
キャリッジ11へインクカートリッジ21が装着される場合、図9の紙面上方から下方
へ向けてインクカートリッジ21が押し込まれ、軸11aがインク出口31bに差し込ま
れるとともにレバー31aが係止孔11bに嵌る。その一方で、接触端子11cは、イン
クカートリッジ21の底面側からインクカートリッジ21へ接近し接触する。このため、
接触端子11cは、インクカートリッジ21前面におけるサイドカバー34およびカバー
部材33に接触しつつ摺動していき、装着が完了するときには、基板32の端子32c,
32dに接触している。
この実施の形態では、上述のように、また図2および図3に示すように、インクカート
リッジ21前面において、底面から基板32の端子32c,32dまでの区間に熱カシメ
が使用されておらず、キャリッジ11の接触端子11cが熱カシメ部分に接触することは
ない。カバー部材33およびサイドカバー34は樹脂製であるが、表面を滑らかに成形さ
れるため、キャリッジ11の接触端子11cの接触を受けても削りカスが発生しにくい。
以上のように、上記実施の形態によれば、インクカートリッジ21は、インクを収容す
るカートリッジ本体31と、基板32と、カバー部材33を備える。基板32は、インク
カートリッジ21に搭載される電子素子(メモリ32f,センサ35)の入力信号および
/または出力信号の端子を有する。また、カバー部材33は、基板32を取り付けられる
とともに、基板32の固定面とは反対側の面に設けられた嵌合部としての爪33aにてカ
ートリッジ本体31に固定される基板取付部材とされる。
これにより、プリンタ1の接触端子11cからの接触を受ける基板32の面とは反対側
の面に設けられた爪33aでカバー部材33ひいては基板32をカートリッジ本体31に
固定するため、接触端子11cが熱カシメ部分等に接触せずに済み、接触端子11cの接
触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制して、プリンタ1とインクカートリッジ21との
電気的な接触不良の発生を抑制することができる。
また、爪33aで、センサ35の電極端子45の弾性力に抗して仮止めした後で、孔3
3bと軸31dによる熱カシメで本止めすることで、基板32を固定されたカバー部材3
をカートリッジ本体31へ固定する際の冶具などが簡単なもので済む。
また、上記実施の形態によれば、カバー部材33は、一端側を孔33bと軸31dによ
る熱カシメで固定され、他端側を爪33aにて固定される。
これにより、カバー部材33の一端側は熱カシメで簡単かつ強固に固定されるとともに
、カバー部材33の他端側に熱カシメが必要なくなり、プリンタ1へのインクカートリッ
ジ21の装着時に他端側よりプリンタ1の接触端子11cが進行してきて基板32の端子
32c,32dに位置決めされることで、接触端子11cが熱カシメ部分等に接触せずに
済み、接触端子11cの接触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制して、プリンタ1とイ
ンクカートリッジ21との電気的な接触不良の発生を抑制することができる。
また、上記実施の形態によれば、カバー部材33の爪33aは、カバー部材33の一端
(熱カシメ側)より他端に近いいずれかの位置に設けられる。
これにより、熱カシメの位置と爪33aの嵌合位置との間にカバー部材33において距
離ができ、カートリッジ本体31へカバー部材33をより強固に固定することができる。
また、上記実施の形態によれば、基板32は、カバー部材33が熱カシメでカートリッ
ジ本体31に固定される一端側と同じ一端側で(つまり、孔33b近傍の凸部33fで)
、熱カシメにてカバー部材33に固定される。
これにより、カバー部材33とカートリッジ本体31との熱カシメを上側のみとして、
下側についてはサイドカバー34と爪33aによることで熱カシメを少なくできる。
また、上記実施の形態によれば、基板32は、端子32c,32dがカバー部材33の
一端(熱カシメ側)より他端に近いいずれかの位置に配置されるように、カバー部材33
に固定される。
これにより、プリンタ1へのインクカートリッジ21の装着時に、他端側よりプリンタ
1の接触端子11cが進行してきて基板32の端子32c,32dに位置決めされる際の
、接触端子11cがインクカートリッジ21に接触する区間が短くて済み、接触端子11
cの接触に起因する樹脂削りカスの発生を抑制して、プリンタ1とインクカートリッジ2
1との電気的な接触不良の発生を抑制することができる。
なお、上述の実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能であ
る。
例えば、上記実施の形態では、カバー部材33とカートリッジ本体31の嵌合箇所にお
いて、カバー部材33側に突起(爪33a)を設けカートリッジ本体31側に孔31hを
設けているが、カバー部材33側に孔または凹部を設けカートリッジ本体31側に突起を
設けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態ではセンサ35の電極端子45が基板32裏面の端子32eに直
接に接触することでセンサ35と基板32とが電気的に接続されるが、その代わりに、リ
ード線などの導電部材を使用して両者を接続してもよいし、基板32の表(おもて)面で
基板32とセンサ35とを電気的に接続するようにしてもよい。
また、上記実施の形態において、センサ35の代わりに、別の方式のセンサを使用して
もよいし、インクの有無を検出するのではなく残量または使用量を連続値で検出するセン
サを使用してもよい。
また、上記実施の形態において、インクカートリッジ21が搭載されるプリンタ1は、
図1のものに限定されるものではなく、例えば、インクカートリッジ21をキャリッジに
搭載せずにプリンタ筐体内の別の箇所に搭載し、チューブ等を介してインクカートリッジ
21からキャリッジのインク吐出ヘッドへインクを供給する形式のプリンタでもよい。
本発明は、例えば、プリンタのインクカートリッジに適用可能である。
プリンタの一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るインクカートリッジを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るインクカートリッジを示す分解斜視図である。 図3における基板およびカバー部材を示す斜視図である。 図3における基板を示す図である。 図3におけるセンサを示す分解斜視図である。 図2に示すインクカートリッジのA−Aでの側面に平行な断面図である。 図2に示すインクカートリッジのA−Aでの前面に平行な断面図である。 キャリッジへインクカートリッジを装着した際の断面図である。
符号の説明
21 インクカートリッジ,31 カートリッジ本体,32 基板,32c メモリ用
端子(端子),32d 端子,32f メモリ(電子素子),33 カバー部材(基板取
付部材),33a 爪(嵌合部),33e1 凹部(固定部の一部),33f 凸部(固
定部の一部),33g 凸部(固定部の一部),35 センサ(電子素子)

Claims (9)

  1. インクを収容するカートリッジ本体と、
    当該インクカートリッジに搭載される電子素子の入力信号および/または出力信号の端
    子を有する基板と、
    上記基板を取り付けられるとともに、上記基板の固定面とは反対側の面に設けられた嵌
    合部にて上記カートリッジ本体に固定される基板取付部材と、
    を備えることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記基板取付部材は、一端側を熱カシメで固定され、他端側を前記嵌合部にて固定され
    ることを特徴とする請求項1記載のインクカートリッジ。
  3. 前記嵌合部は、前記一端より前記他端に近いいずれかの位置に設けられることを特徴と
    する請求項2記載のインクカートリッジ。
  4. 前記基板は、前記基板取付部材が熱カシメで前記カートリッジ本体に固定される一端側
    と同じ一端側で、熱カシメにて前記基板取付部材に固定されることを特徴とする請求項2
    記載のインクカートリッジ。
  5. 前記基板は、前記端子が前記基板取付部材の前記一端より前記他端に近いいずれかの位
    置に配置されるように、前記基板取付部材に固定されることを特徴とする請求項4記載の
    インクカートリッジ。
  6. インクカートリッジに搭載される電子素子の入力信号および/または出力信号の端子を
    有する基板を取り付ける固定部と、
    上記固定部とは反対側の面に設けられ、カートリッジ本体に嵌合する嵌合部と、
    を備えることを特徴とするインクカートリッジ用基板取付部材。
  7. 一端側に熱カシメ用の孔を有し、
    他端側に前記嵌合部を有すること、
    を特徴とする請求項6記載のインクカートリッジ用基板取付部材。
  8. 前記嵌合部は、前記一端より前記他端に近いいずれかの位置に設けられることを特徴と
    する請求項7記載のインクカートリッジ用基板取付部材。
  9. 前記熱カシメ用の孔と同じ一端側で、熱カシメにて前記基板が固定されることを特徴と
    する請求項7記載のインクカートリッジ用基板取付部材。
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