JP2007159967A - 超弾性合金製ステント - Google Patents
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Abstract
【課題】長手方向において充分容易に湾曲することができると共に、ステントを半径方向に収縮せんとする力に対して充分な耐性を有する超弾性合金製ステントを提供する。
【解決手段】長手方向に湾曲することを許容する第二の部分を構成するストラットの横断面積X2を、半径方向に拡張及び収縮自在な第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/10乃至1/2にする。
【選択図】図4
【解決手段】長手方向に湾曲することを許容する第二の部分を構成するストラットの横断面積X2を、半径方向に拡張及び収縮自在な第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/10乃至1/2にする。
【選択図】図4
Description
本発明は、胆道及び尿道の如き人体の管状器官の狭窄症状等の治療器具として使用される超弾性合金製ステントに関する。
当業者には周知の如く、人体の管状器官の狭窄症状等の治療器具として、ステントと称されている器具が使用されている。ステントの典型例としては、下記特許文献1に開示されているステントを挙げることができる。このステントは、全体として円筒形状であり且つ全体が一体に形成されており、長手方向に配列された複数個の第一の部分と隣接する第一の部分間の各々に配設された第二の部分を含んでいる。第一の部分は全体としてジグザグ形態で延在するストラット(即ち細長く延在する線状乃至帯状構造材)から構成されており、半径方向に拡張及び収縮自在である。第二の部分は周方向に間隔をおいて配列され長手方向においてS字形状に延在する複数個のストラットから構成されており、その両端は両側に位置する第一の部分のストラットに接続されている。第二の部分はステントが長手方向において湾曲することを許容する。
特許第3654627号公報
ステントは塑性拡張型ステントと弾性拡張型ステントとに大別することができる。塑性拡張型のステントは、必要に応じて半径方向に収縮した状態で管状器官の所要部位まで搬送され、所要部位においてステント内に位置しているバルーンカテーテルを膨出させることによって塑性変形されて半径方向に拡張される。かような塑性拡張型ステントは、一般に、ステンレス鋼又はコバルトクロム(CoCr)合金の如き通常の(即ち超弾性ではない)金属から形成されている。一方、弾性拡張型ステントは、半径方向に弾性的に収縮されシース(鞘)内に収容されて管状器官の所要部位まで搬送され、所要部位にてシースを分離すると弾性的に復元して半径方向に拡張する。かような弾性拡張型ステントは、一般に、ニッケルチタン(NiTi)合金の如き超弾性合金から形成されている。弾性拡張型ステントは、単にシースを分離するのみで弾性的に復元して半径方向に拡張する故に、治療処置が容易である等の利点を有する。
上記特許文献1に開示されているステントは、通常の金属から塑性拡張型ステントとして形成した場合には、特に問題を発生することなく、長手方向において充分容易に湾曲することができ、従って人体の湾曲した管状器官を通して所要部位に搬送することができ、そしてまた所要部位において半径方向に一旦拡張すると、管状器官から加えられる半径方向内向きの力、即ちステントを半径方向に収縮せんとする力に対して充分に耐えることができる。しかしながら、超弾性合金から弾性拡張型ステントとして形成した場合には、本発明者等の研究によれば、長手方向において湾曲されると、第二の部分を構成しているストラットが変形されることに加えて第一の部分を構成しているストラットも相当変形されてしまう傾向があることが判明した。これは、超弾性合金は歪みが小さい領域では通常の金属よりも弾性変形抵抗が小さいが、ステントを長手方向に湾曲させるために歪みが大きくなると通常の金属よりも弾性変形抵抗が大きくなることに起因すると思われる。従来の超弾性合金製ステントに見られる上記事実は、ステントを長手方向に湾曲することを許容するには、第二の部分が充分容易に変形し得るようになすことに加えて第一の部分もステントの長手方向における湾曲に応じて容易に変形し得るようになすことが必要であることを意味する。そして、ステントの長手方向における湾曲に応じて第一の部分も容易に変形し得るようになすと、弾性的に拡張された後において管状器官から加えられる半径方向内向きの力、即ちステントを半径方向に収縮せんとする力に対する耐性が低下してしまう。従って、長手方向において充分容易に湾曲されると共に半径方向内向きの力に充分に耐えることができるステントを実現することが困難であった。また、ステントの長手方向における湾曲に応じて第一の部分を構成しているストラットが変形すると、第一の部分の形状が歪なものになってしまって、ステントを搬送する際に管状器官の内壁を損傷してしまう虞もある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、第一の部分を構成しているストラットの変形を実質上生成させることなく或いは充分に抑制して、長手方向において充分容易に湾曲することができる、従ってステントの長手方向における湾曲は実質上第二の部分を構成するストラットの変形で実現され、第一の部分を構成するストラットはステントを半径方向に収縮せんとする力に対して充分な耐性を有する、新規且つ改良された超弾性合金製ステントを提供することである。
本発明者等は、鋭意研究を続けた結果、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2を第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/10乃至1/2にすることによって上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
更に、第一の部分の少なくとも一部にはステントの長手方向中心軸線と実質上平行に延びる中心軸線方向ストラット部を配設し、第二の部分を構成するストラットの少なくとも片端は中心軸線方向ストラット部の片端に接続することによっても上記主たる技術的課題を達成することができることを見出した。
即ち、本発明の一局面によれば、上記主たる技術的課題を達成するステントとして、 長手方向に配列された複数個の第一の部分と隣接する第一の部分間の各々に配設された第二の部分とを含み、該第一の部分の各々はストラットから構成され半径方向に拡張及び収縮自在であり、該第二の部分の各々もストラットから構成され全体が長手方向において湾曲するのを許容する、全体として円筒形状であり且つ全体が一体に形成された超弾性合金製ステントにおいて、
該第二の部分を構成する該ストラットの横断面積X2は該第一の部分を構成する該ストラットの横断面積X1の1/10乃至1/2である、ことを特徴とするステントが提供される。
該第二の部分を構成する該ストラットの横断面積X2は該第一の部分を構成する該ストラットの横断面積X1の1/10乃至1/2である、ことを特徴とするステントが提供される。
該第二の部分を構成する該ストラットの横断面積X2は該第一の部分を構成する該ストラットの横断面積X1の1/8乃至1/4、特に1/6乃至1/4、であるのが好適である。好ましくは、該第一の部分の少なくとも一部はステントの長手方向中心軸線と実質上平行に延びる中心軸線方向ストラット部を含み、該第二の部分を構成するストラットの少なくとも片端は該中心軸線方向ストラット部の片端に接続されている。超弾性合金はニッケルチタン(NiTi)合金であるのが好都合である。
本発明の他の局面によれば、上記主たる技術的課題を達成することができるステントとして、長手方向に配列された複数個の第一の部分と隣接する第一の部分間の各々に配設された第二の部分とを含み、該第一の部分の各々はストラットから構成され半径方向に拡張及び収縮自在であり、該第二の部分の各々もストラットから構成され全体が長手方向において湾曲するのを許容する、全体として円筒形状であり且つ全体が一体に形成された超弾性合金製ステントにおいて、
該第一の部分の少なくとも一部はステントの長手方向中心軸線と実質上平行に延びる中心軸線方向ストラット部を含み、該第二の部分を構成するストラットの少なくとも片端は該中心軸線方向ストラット部の片端に接続されている、ことを特徴とするステントが提供される。
該第一の部分の少なくとも一部はステントの長手方向中心軸線と実質上平行に延びる中心軸線方向ストラット部を含み、該第二の部分を構成するストラットの少なくとも片端は該中心軸線方向ストラット部の片端に接続されている、ことを特徴とするステントが提供される。
本発明のステントによれば、後述する数値解析による評価からも明確に理解されるとおり、第一の部分を構成しているストラットの変形を実質上生成させることなく或いは充分に抑制して、長手方向において充分容易に湾曲することができる、従ってステントの長手方向における湾曲は実質上第二の部分を構成するストラットの変形で実現され、ステントを半径方向に収縮せんとする力に対しては第一の部分を構成するストラットが充分な耐性を有することが可能である。
以下、添付図面を参照して、本発明に従って構成されたステントの好適実施形態について、更に詳述する。
図1は本発明に従って構成された超弾性合金製ステントの好適実施形態を示している。全体を番号2で示すステントは、全体として円筒形状であり且つ全体が一体に形成されている。かようなステント2は、超弾性合金製の円筒体にレーザ光線を適用して所要部位以外を除去し、更に必要に応じて電解研磨或いは化学研磨を施すことによって好都合に製作することができる。好適な超弾性合金としてはニッケルチタン(NiTi)合金を挙げることができる。超弾性合金製ステント2の表面には必要に応じて生体適合性を有する適宜の合成樹脂コーティングを施すことができ、そしてまた所要薬剤を施すこともできる。
図1及び図1に示すステント2の一部を周方向に展開して示す図2から明確に理解されるとおり、ステント2は長手方向、即ち図1及び図2において左右方向、に配列された複数個の第一の部分4と隣接する第一の部分4間の各々に配設された複数個の第二の部分6を含んでいる。
第一の部分4はジグザグ形態で周方向、即ち図1及び図2において上下方向、に延在するストラット8から構成されている。更に詳述すると、第一の部分4を構成するストラット8は複数個の第一の傾斜ストラット部8aと複数個の第二の傾斜ストラット部8bとを含んでおり、第一の傾斜ストラット部8aと第二の傾斜ストラット部8bとは周方向に交互に配列されている。第一のストラット部8aは、図2において左端から右端まで、ステント2の長手方向軸線に対して傾斜角αをなして上方に傾斜して実質上直線状に延びている。第二のストラット部8bは図3において右端から左端まで、ステント2の長手方向軸線に対して傾斜角βをなして上方に傾斜して実質上直線状に延びている。上記傾斜角αと上記傾斜角βとは一般的には実質上同一であるのが好都合であるが相互に異なっていてもよく、5乃至20度程度であるのが好適である。第一の傾斜ストラット部8aの右端と第二の傾斜ストラット部8bの右端とは半円弧状接続部8cを介して接続され、第二の傾斜ストラット部8bの左端は次の(即ち上方に位置する)第一の傾斜ストラット部8aの左端に半円弧状接続部8dを介して接続されている。所望ならば、第一のストラット部8a及び/又は第二のストラット部8bを直線状に延在させることに代えて、上記特許文献1に開示されている如く、適宜の屈折部を有する適宜の形態にすることもできる。また、半円弧状接続部8c及び8dに代えて他の適宜の形状の接続部を介して第一の傾斜ストラット部8aと第二の傾斜ストラット部8bとを接続することもできる。
第二の部分6は周方向、即ち図1及び図2において上下方向、に間隔をおいて配置された複数個のストラット10から構成されている。ストラット10の各々は長手方向にS字を鏡に映した鏡像S字形状に延びている。ストラット10の各々は隣接する第一の部分4における長手方向に対向して位置する弧状接続部8cと弧状接続部8dとの間の各々に配置されており、ストラット10の一端即ち左端は弧状接続部8cに接続され他端即ち右端は弧状接続部8dに接続されている。長手方向に鏡像S字形状に延びるスットラット10に代えて、ステント2が長手方向に湾曲するのを許容することができる限り、長手方向に通常のS字形状に延びるストラット或いは他の任意の形状のストラットから第二の部分6を構成することもできる。
而して、本発明に従って構成されたステント2においては、第二の部分6を構成するストラット10の横断面積X2は、第一の部分4を構成するストラット8の横断面積X1
よりも小さく、その1/10乃至1/2、好ましくは1/8乃至1/4、特に好ましくは1/6乃至1/4、であることが重要である。後述する数値解析による評価からも明らかなとおり、横断面積X1が横断面積X2の1/2よりも大きくなると、ステント2の長手方向における柔軟性、即ち長手方向における湾曲容易性、が過小になり、ステント2を長手方向に湾曲すると第二の部分6を構成しているストラット10が変形することに加えて第一の部分4を構成しているストラット10も変形されてしまう。第二の部分6を構成するストラット10の横断面積X2が第一の部分X1の1/10よりも小さくなると、第二の部分6を構成するストラット10の強度が過小になる。図示のステント2は実質上均一な厚さを有する円筒体の所要部位を除去することによって形成されており、従って第一の部分4を構成するストラット8の厚さと第二の部分6を構成するストラット10の厚さは実質上同一であり、上記横断面積X1と横断面積X2との比はストラット8の幅とストラット10の幅との比に対応している。
よりも小さく、その1/10乃至1/2、好ましくは1/8乃至1/4、特に好ましくは1/6乃至1/4、であることが重要である。後述する数値解析による評価からも明らかなとおり、横断面積X1が横断面積X2の1/2よりも大きくなると、ステント2の長手方向における柔軟性、即ち長手方向における湾曲容易性、が過小になり、ステント2を長手方向に湾曲すると第二の部分6を構成しているストラット10が変形することに加えて第一の部分4を構成しているストラット10も変形されてしまう。第二の部分6を構成するストラット10の横断面積X2が第一の部分X1の1/10よりも小さくなると、第二の部分6を構成するストラット10の強度が過小になる。図示のステント2は実質上均一な厚さを有する円筒体の所要部位を除去することによって形成されており、従って第一の部分4を構成するストラット8の厚さと第二の部分6を構成するストラット10の厚さは実質上同一であり、上記横断面積X1と横断面積X2との比はストラット8の幅とストラット10の幅との比に対応している。
ステント2を人体の管状器官の治療すべき部位に搬送する際には、ステント2を半径方向に弾性的に収縮してシース(図示していない)内に収容する。ステント2を半径方向に収縮すると、図3に示す如く、第一の部分4を構成しているストラット8の第一の傾斜ストラット部8aの傾斜角度α及び第二の傾斜ストラット部8bの傾斜角度βが減少し、これに応じて第一の部分4の外径が減少する。また、第一の部分4を構成しているストラット8の第一の傾斜ストラット部8aの傾斜角度α及び第二の傾斜ストラット部8bの傾斜角度βが減少することに起因して第一の部分4の長手方向長さが幾分増大し、従ってステント2の長手方向長さが幾分増大する。第二の部分6を構成しているストラット10は実質上変形されない。半径方向に弾性的に収縮したステント2を人体の管状器官を通して搬送する際には管状器官の湾曲に応じてステント2が長手方向において湾曲することが必要であるが、かかる湾曲は、図4に示す如く、第二の部分6を構成しているストラット10が変形することによって実現される。本発明に従って構成されたステント2においては、第二の部分6を構成しているストラット10の横断面積X2が第一の部分4を構成しているストラット8の横断面積X1よりも充分に小さい故に、第二の部分6を構成しているストラット10の変形によってステント2の長手方向における湾曲が許容され、第一の部分4を構成しているストラット8が変形されることは実質上回避乃至充分に抑制される。ステント2が人体の管状器官の治療すべき部位に搬送されると、ステント2からシースが離脱される。かくすると、ステント2は弾性的に復元し、その第一の部分4が半径方向に拡張し、例えば管状器官の治療すべき部位の狭窄が治癒される。
図5は本発明に従って構成されたステントの変形例を示している。図5に示すステント102においては、複数個の第一の部分104のうちの1つ置きに位置するものにおいては、ストラット108はステント102の中心軸線方向に延びる複数個の中心軸線方向ストラット部108eを含んでいる。そして、第二の部分106を構成するストラット110は中心軸線方向ストラット部108eに対応して配置されており、ストラット110の片端は中心軸線方向ストラット部108eの片端に接続されている。従って、中心軸線方向ストラット部108eの片端にはストラット110の片端が接続され、中心軸線方向ストラット108eの他端には他のストラット110の片端が接続されている。
図5に示すステント102においては、ステント102の中心軸線方向に作用する外力は第一の部分104においては中心軸線方向に延びる中心軸線方向ストラット部108eによって受けられ、中心軸線方向ストラット108eにその延在方向に作用する。従って、第一の部分104を構成するストラット108に対してはそれが最も変形し難い方向に作用することになる。それ故に、ステント102が長手方向に湾曲する際に第一の部分104を構成するストラット108が変形することが効果的に抑制される。
本発明に従って構成されたステントの好適実施形態について添付図面を参照して詳細に説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であることは多言するまでもない。例えば、図示の実施形態においては、第一の部分を構成するストラットは第一の傾斜ストラット部と第二の傾斜ストラットを含む形態であるが、かかる形態のストラットに代えて種々の形態のストラット、例えば複数個の円形、楕円形或いは多角形を周方向に複数個配列した形態のストラットから第一の部分を構成することもできる。
数値解析による評価
実施例1
図1乃至図4に示すとおりの形態のステントを仮想設計し、「Annals of Biomedical Engineering, Vol.33(6), 733-742, 2005」に所載の森浩二、斉藤俊「Effects of Stent Structure on Stent Flexibility Measurements」に詳述されている数値解析評価法に従って柔軟性と変形様式を評価した。仮想設計ステントは長さ70.0mm、肉厚0.18mmのニッケルチタン(NiTi)合金(Ni含量50.0重量%)製円筒体を加工して製作したものであり、第一の部分は16個存在し第二の部分は15個存在し、第一の部分を構成するストラットにおける第一の傾斜ストラット部及び第二の傾斜ストラット部は夫々12個存在した。第一の部分を構成するストラットの幅は0.28mmで、第二の部分を構成するストラットの幅は0.07mmであり、従って第二の部分を構成するストラットの横断面積X2は第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/4であった。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。また、長手方向における湾曲時の変形様式は図7(a)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットの変形は実質上皆無であった。
実施例1
図1乃至図4に示すとおりの形態のステントを仮想設計し、「Annals of Biomedical Engineering, Vol.33(6), 733-742, 2005」に所載の森浩二、斉藤俊「Effects of Stent Structure on Stent Flexibility Measurements」に詳述されている数値解析評価法に従って柔軟性と変形様式を評価した。仮想設計ステントは長さ70.0mm、肉厚0.18mmのニッケルチタン(NiTi)合金(Ni含量50.0重量%)製円筒体を加工して製作したものであり、第一の部分は16個存在し第二の部分は15個存在し、第一の部分を構成するストラットにおける第一の傾斜ストラット部及び第二の傾斜ストラット部は夫々12個存在した。第一の部分を構成するストラットの幅は0.28mmで、第二の部分を構成するストラットの幅は0.07mmであり、従って第二の部分を構成するストラットの横断面積X2は第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/4であった。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。また、長手方向における湾曲時の変形様式は図7(a)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットの変形は実質上皆無であった。
実施例2
第二の部分を構成するストラットの幅が0.14mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/2であったことを除いて実施例1と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図7(b)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットは実質上変形していない。
第二の部分を構成するストラットの幅が0.14mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/2であったことを除いて実施例1と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図7(b)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットは実質上変形していない。
比較例1
第二の部分を構成するストラットの幅が0.021mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の3/4であったことを除いて実施例1と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図7(c)に示すとおりであり、第一の部分を構成するストラットにかなりの変形が見られた。
第二の部分を構成するストラットの幅が0.021mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の3/4であったことを除いて実施例1と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図7(c)に示すとおりであり、第一の部分を構成するストラットにかなりの変形が見られた。
比較例2
第二の部分を構成するストラットの幅が0.28mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1と同一であったことを除いて実験例1と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図7(d)に示すとおりであり、第一の部分を構成するストラットに大きな変形が見られた。
第二の部分を構成するストラットの幅が0.28mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1と同一であったことを除いて実験例1と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図6に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図7(d)に示すとおりであり、第一の部分を構成するストラットに大きな変形が見られた。
実施例3
形態が図5に示すとおりである点を除いて実施例1と同様のステント(第一の部分を構成するストラットの幅は0.28mmで、第二の部分を構成するストラットの幅は0.07mmであり、従って第二の部分を構成するストラットの横断面積X2は第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/4であった)を仮想設計し、実施例1と同様にして柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。また、長手方向における湾曲時の変形様式は図9(a)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットの変形は実質上皆無であった。
形態が図5に示すとおりである点を除いて実施例1と同様のステント(第一の部分を構成するストラットの幅は0.28mmで、第二の部分を構成するストラットの幅は0.07mmであり、従って第二の部分を構成するストラットの横断面積X2は第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/4であった)を仮想設計し、実施例1と同様にして柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。また、長手方向における湾曲時の変形様式は図9(a)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットの変形は実質上皆無であった。
実施例4
第二の部分を構成するストラットの幅が0.14mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/2であったことを除いて実施例3と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図9(b)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットは実質上変形していない。
第二の部分を構成するストラットの幅が0.14mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の1/2であったことを除いて実施例3と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図9(b)に示すとおりであり、ステントの長手方向における湾曲は第二の部分を構成するストラットの変形によって生成され、第一の部分を構成するストラットは実質上変形していない。
実施例5
第二の部分を構成するストラットの幅が0.021mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の3/4であったことを除いて実施例3と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図9 (c)に示すとおりであり、第一の部分における中心軸線方向ストラット部に若干の変形が見られるが第一の部分におけるその他の部分の変形は実質上皆無であった。
第二の部分を構成するストラットの幅が0.021mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1の3/4であったことを除いて実施例3と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図9 (c)に示すとおりであり、第一の部分における中心軸線方向ストラット部に若干の変形が見られるが第一の部分におけるその他の部分の変形は実質上皆無であった。
実施例6
第二の部分を構成するストラットの幅が0.28mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1と同一であったことを除いて実験例3と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図9(d)に示すとおりであり、第一の部分における中心軸線方向ストラット部に幾分かの変形が見られるが第一の部分におけるその他の部分は実質上変形していない。
第二の部分を構成するストラットの幅が0.28mmであり、第二の部分を構成するストラットの横断面積X2が第一の部分を構成するストラットの横断面積X1と同一であったことを除いて実験例3と同様にして、柔軟性と変形様式を評価した。長手方向柔軟性を示す指標は図8に示すとおりであった。長手方向における湾曲時の変形様式は図9(d)に示すとおりであり、第一の部分における中心軸線方向ストラット部に幾分かの変形が見られるが第一の部分におけるその他の部分は実質上変形していない。
2:ステント
4:第一の部分
6:第二の部分
8:第一の部分を構成しているストラット
10:第二の部分を構成しているストラット
102:ステント
104:第一の部分
106:第二の部分
108:第一の部分を構成しているストラット
108e:中心軸線方向ストラット部
110:第二の部分を構成しているストラット
4:第一の部分
6:第二の部分
8:第一の部分を構成しているストラット
10:第二の部分を構成しているストラット
102:ステント
104:第一の部分
106:第二の部分
108:第一の部分を構成しているストラット
108e:中心軸線方向ストラット部
110:第二の部分を構成しているストラット
Claims (6)
- 長手方向に配列された複数個の第一の部分と隣接する第一の部分間の各々に配設された第二の部分とを含み、該第一の部分の各々はストラットから構成され半径方向に拡張及び収縮自在であり、該第二の部分もストラットから構成され全体が長手方向において湾曲するのを許容する、全体として円筒形状であり且つ全体が一体に形成された超弾性合金製ステントにおいて、
該第二の部分を構成する該ストラットの横断面積X2は該第一の部分を構成する該ストラットの横断面積X1の1/10乃至1/2である、ことを特徴とするステント。 - 該第二の部分を構成する該ストラットの横断面積X2は該第一の部分を構成する該ストラットの横断面積X1の1/8乃至1/4である、請求項1記載のステント。
- 該第二の部分を構成する該ストラットの横断面積X2は該第一の部分を構成する該ストラットの横断面積X1の1/6乃至1/4である、請求項2記載のステント。
- 該第一の部分の少なくとも一部はステントの長手方向中心軸線と実質上平行に延びる中心軸線方向ストラット部を含み、該第二の部分を構成するストラットの少なくとも片端は該中心軸線方向ストラット部の片端に接続されている、請求項1から3までのいずれかに記載のステント。
- 超弾性合金はニッケルチタン(NiTi)合金である、請求項1から4までのいずれかに記載のステント。
- 長手方向に配列された複数個の第一の部分と隣接する第一の部分間の各々に配設された第二の部分とを含み、該第一の部分の各々はストラットから構成され半径方向に拡張及び収縮自在であり、該第二の部分の各々もストラットから構成され全体が長手方向において湾曲するのを許容する、全体として円筒形状であり且つ全体が一体に形成された超弾性合金製ステントにおいて、
該第一の部分の少なくとも一部はステントの長手方向中心軸線と実質上平行に延びる中心軸線方向ストラット部を含み、該第二の部分を構成するストラットの少なくとも片端は該中心軸線方向ストラット部の片端に接続されている、ことを特徴とするステント。
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JP2005192932A (ja) * | 2004-01-09 | 2005-07-21 | Goodman Co Ltd | 補綴 |
-
2005
- 2005-12-16 JP JP2005363200A patent/JP2007159967A/ja active Pending
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