JP2007159769A - X線・エミッション複合ct装置、および、x線ct装置 - Google Patents

X線・エミッション複合ct装置、および、x線ct装置 Download PDF

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Abstract

【課題】X線CT撮影計画に被検体Mの生体機能情報を反映させられるようにする。
【解決手段】 この発明の複合CT装置は、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像が透過X線画像取得部16で取得されると共に、被検体Mにおける撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像としてのMIP画像が放射性同位元素の三次元分布データに基づいてRI分布画像取得部20で取得され、さらに、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像とMIP画像とが画像重畳表示部24によって重ね合わせられて表示モニタ7の画面に映し出される。その結果、オペレータは透過X線画像の解剖学的情報にMIP画像の生体機能情報を加味しながらX線CT撮影計画を的確に立案できる。よって、X線CT撮影計画に被検体Mの生体機能情報を反映させることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、X線CT画像とX線CT撮影計画立案用の透過X線画像が撮影できるX線・エミッション複合CT装置、および、X線CT装置に係り、特にX線CT撮影計画立案用の被検体の透過X線画像に基づいて被検体の生体機能情報が反映されたX線CT撮影計画を立案できるようにするための技術に関する。
近年、医療分野ではX線CT装置やPET装置を始め様々なCT装置が既に実用に供されているのに加え、種類の異なるCT装置を合体させた複合CT装置も出現している。例えばX線CT装置とPET装置を組み合わせたX線・ポジトロンCT装置やMRI装置とPET装置を組み合わせたMRI・ポジトロンCT装置が提案されている(特許文献1を参照)。
一方、様々なCT装置の中でもX線CT装置によって取得されるX線CT画像は、他のCT装置によって取得される画像に比べて被検体のスライス断面を鮮明に画像化して詳細な解剖学的情報をもたらすので、X線CT装置は普遍的な有用性があると言える。
特開2002−214347号公報(3頁4欄〜4頁5欄,図1)
しかしながら、従来のX線CT装置は、X線CT撮影計画に被検体の生体機能情報が反映されていないという問題がある。
X線CT撮影計画立案用の透過X線画像は解剖学的情報が主で生体機能情報は殆ど含まれていないからである。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、X線CT撮影計画に被検体の生体機能情報を反映させることができるX線・エミッション複合CT装置、および、X線CT装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1の発明に係るX線・エミッション複合CT装置は、(A)撮影対象の被検体にX線を照射するX線照射手段と、(B)被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、(C)被検体の周りでX線照射手段とX線検出手段が移動するスキャンが行なわれるのに伴ってX線CTデータを収集するX線CTデータ収集手段と、(D)X線CTデータ収集手段で収集されたX線CTデータに基づいてX線CT画像を取得するX線CT画像取得手段と、(E)X線照射手段およびX線検出手段と被検体との間で被検体が体軸方向に沿って相対的に移動するスキャンが行なわれるのに伴って透過X線データを収集する透過X線データ収集手段と、(F)透過X線データ収集手段で収集された透過X線データに基づいてX線CT撮影計画立案用の透過X線画像を取得する透過X線画像取得手段と、(G)被検体に投与された放射性同位元素(RI=ラジオアイソトープ)によって生じるγ線を検出するγ線検出手段と、(H)γ線検出手段から出力されるγ線検出信号にしたがって被検体における放射性同位元素の三次元分布データを収集するRI三次元分布データ収集手段と、(I)放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を取得するRI分布画像取得手段と、(J)RI分布画像取得手段で取得されたRI分布画像をX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示する画像重畳表示手段とを備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1の発明のX線・エミッション複合CT装置によりX線CT撮影を行なう場合、X線CT撮影に先立って、撮影対象の被検体にX線を照射するX線照射手段と被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と被検体との間で被検体が体軸方向に沿って相対的に移動するスキャンが行なわれるのに伴って、透過X線データ収集手段により透過X線データが収集されると共に、透過X線データ収集手段で収集された透過X線データに基づいてX線CT撮影計画立案用の透過X線画像が透過X線画像取得手段により取得される。
また、被検体に投与された放射性同位元素によって生じるγ線がγ線検出手段により検出されると共に、γ線検出手段から出力されるγ線検出信号にしたがって被検体における放射性同位元素の三次元分布データがRI三次元分布データ収集手段により収集された後、放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像がRI分布画像取得手段により取得される。
続いて、画像重畳表示手段によりRI分布画像取得手段で取得されたRI分布画像がX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせられた状態で表示されるので、オペレータはRI分布画像と透過X線画像を重ね合わせ画像を見ながらX線CT撮影計画を立ててゆく。
そして、X線CT撮影が開始されると、立案されたX線CT撮影計画にしたがって被検体の周りでX線照射手段とX線検出手段が移動するスキャンが行なわれるのに伴ってX線CTデータ収集手段によりX線CTデータが収集されると共に、X線CTデータ収集手段で収集されたX線CTデータに基づいてX線CT画像取得手段によりX線CT画像が取得される。
すなわち、請求項1の発明装置の場合、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像が取得されると共に、被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像が放射性同位元素の三次元分布データに基づいて取得されるのに加えて、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像とが重ね合わせられて表示されるので、オペレータは、透過X線画像の解剖学的情報にRI分布画像の生体機能情報を加味しながらX線CT撮影計画を的確に立案できる。
よって、請求項1の発明のX線・エミッション複合CT装置によれば、X線CT撮影計画に被検体の生体機能情報を反映させることができる。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のX線・エミッション複合CT装置において、RI分布画像取得手段により取得されるRI分布画像が最大値投影画像(MIP画像)であり、この最大値投影画像が画像重畳表示手段により透過X線画像に重ね合わせ表示されるものである。
[作用・効果]請求項2の発明装置の場合、MIP(Maximum intencity projection)画像は被検体の深さ方向のRI分布が関与するかたちで描画される画像であるので、MIP画像によってもたらされる生体機能情報が空間的な拡がりを持つものとなる。
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のX線・エミッション複合CT装置において、(K)X線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示されるRI分布画像の表示濃度を調節する画像表示濃度調節手段を備えているものである。
[作用・効果]請求項3の発明装置の場合、画像表示濃度調節手段による表示濃度の調節により、RI分布画像の表示濃度をX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に適した濃度にできる。
さらに、この発明は、上記の目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項4の発明に係るX線CT装置は、(a)撮影対象の被検体にX線を照射するX線照射手段と、(b)被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、(c)被検体の周りでX線照射手段とX線検出手段が移動するスキャンが行なわれるのに伴ってX線CTデータを収集するX線CTデータ収集手段と、(d)X線CTデータ収集手段で収集されたX線CTデータに基づいてX線CT画像を取得するX線CT画像取得手段と、(e)X線照射手段およびX線検出手段と被検体との間で被検体が体軸方向に沿って相対的に移動するスキャンが行なわれるのに伴って透過X線データを収集する透過X線データ収集手段と、(f)透過X線データ収集手段で収集された透過X線データに基づいてX線CT撮影計画立案用の透過X線画像を取得する透過X線画像取得手段と、(g)放射性同位元素(RI=ラジオアイソトープ)が投与された被検体における放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応する状態で取得されたRI分布画像をX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示する画像重畳表示手段とを備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項4の発明のX線CT装置によりX線CT撮影を行なう場合、やはりX線CT撮影に先立って、請求項1の発明の装置と同様にして、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像が取得される。
続いて、画像重畳表示手段により、被検体における放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応する状態で取得されたRI分布画像がX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせられた状態で表示される。
以後、請求項1の発明装置の場合と同様にして、X線CT撮影計画が立案されてから、X線CT撮影が実行される。
すなわち、請求項4の発明装置によれば、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像が取得されるのに続いて、被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像とが重ね合わせられて表示されるので、オペレータは、透過X線画像の解剖学的情報にRI分布画像の生体機能情報を加味しながらX線CT撮影計画を的確に立案できる。
よって、請求項4の発明のX線CT装置によれば、X線CT撮影計画に被検体の生体機能情報を反映させることができる。
また、請求項5の発明は、請求項4に記載のX線CT装置において、(h)放射性同位元素が投与された被検体における放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を取得するRI分布画像取得手段を備えているものである。
[作用・効果]請求項5の発明の装置の場合、RI分布画像取得手段により被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を被検体における放射性同位元素の三次元分布データに基づいて取得することができる。
また、請求項6の発明は、請求項4または5に記載のX線CT装置において、RI分布画像取得手段により取得されるRI分布画像が最大値投影画像(MIP画像)であり、この最大値投影画像が画像重畳表示手段により透過X線画像に重ね合わせ表示されるものである。
[作用・効果]請求項6の発明装置の場合、MIP画像は被検体の深さ方向のRI分布が関与するかたちで描画される画像であるので、MIP画像によってもたらされる生体機能情報が空間的な拡がりを持つものとなる。
また、請求項7の発明は、(i)請求項4から6のいずれかに記載のX線CT装置において、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示されるRI分布画像の表示濃度を調節する画像表示濃度調節手段を備えているものである。
[作用・効果]請求項7の発明装置の場合、画像表示濃度調節手段による表示濃度の調節により、RI分布画像の表示濃度をX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に適した濃度にできる。
請求項1の発明のX線・エミッション複合CT装置の場合、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像が取得されると共に、被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像が放射性同位元素の三次元分布データに基づいて取得されるのに加えて、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像とが重ね合わせられて表示されるので、オペレータは、透過X線画像の解剖学的情報にRI分布画像の生体機能情報を加味しながらX線CT撮影計画を的確に立案できる。
よって、請求項1の発明のX線・エミッション複合CT装置によれば、X線CT撮影計画に被検体の生体機能情報を反映させることができる。
請求項4の発明のX線CT装置の場合、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像が取得されるのに続いて、被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像とが重ね合わせられて表示されるので、オペレータは、透過X線画像の解剖学的情報にRI分布画像の生体機能情報を加味しながらX線CT撮影計画を的確に立案できる。
よって、請求項4の発明のX線CT装置によれば、X線CT撮影計画に被検体の生体機能情報を反映させることができる。
請求項1の発明のX線・エミッション複合CT装置(以下、適宜「複合CT装置」と略記)に係る実施例1を図面を参照しながら詳しく説明する。図1は実施例1の医用の複合CT装置の全体構成を示すブロック図である。
実施例1の複合CT装置は、図1に示すように、X線CT画像(X線コンピュータ断層画像)の撮影を行なうX線CT装置1とRI分布画像の撮影を行なうPET(ポジトロン・エミッション・トモグラフィ)装置2のふたつのCT装置が合体された構成とされている。
X線CT装置1は、撮影対象の被検体Mを載置する天板3と、被検体MにX線を照射するX線管4と、被検体Mを載置した天板3が出入りすると共に被検体Mを透過したX線を検出するX線検出器5が設置されているX線CT用ガントリG1とを備えているのに加えて、X線CT画像やX線CT撮影計画立案用の透過X線画像の撮影に必要な制御およびX線検出器5から出力されるX線検出信号の処理を行なうX線CT用制御処理部6や、X線CT画像および透過X線画像と操作メニュー画像を表示する表示モニタ7などを備えている。
PET装置2は、撮影対象の被検体Mを載置する天板3と、被検体Mを載置した天板3が出入りすると共に被検体Mに投与されたポジトロン型の放射線同位元素(RI)から発生するγ線を検出するγ線検出器8が設置されているPET用ガントリG2を備えているのに加えて、RI分布画像の撮影に必要な制御およびγ線検出器8から出力されるγ線検出信号の処理を行なうPET用制御処理部9や、RI分布画像と操作メニュー画像を表示する表示モニタ7などを備えている。したがって、実施例1の複合CT装置の場合、天板3や表示モニタ7はX線CT装置1とPET装置2とで共用する構成となっている。
X線CT用制御処理部6には、X線撮影実行中のX線管4によるX線の照射を制御するX線照射制御部10と、X線撮影実行中にX線管4およびX線検出器5あるいは天板3を移動させてスキャンを行なうX線用スキャン制御部11と、被検体Mの撮影範囲を設定するX線像撮影範囲設定部12と、X線用スキャン制御部11の制御にしたがって被検体Mの周りをX線管4とX線検出器5が回るスキャンが行なわれるのに伴ってX線CTデータを収集するX線CTデータ収集部13と、X線CTデータ収集部13で収集されたX線CTデータに基づいてX線CT画像を取得するX線CT画像取得部14を備えているのに加え、X線用スキャン制御部11の制御にしたがってX線管4およびX線検出器5と被検体Mとの間で被検体Mが体軸Z方向に沿って相対的に移動するスキャンが行なわれるのに伴って透過X線データを収集する透過X線データ収集部15と、透過X線データ収集部15で収集された透過X線データに基づいてX線CT撮影計画立案用の透過X線画像を取得する透過X線画像取得部16などを備えている。
PET用制御処理部9には、RI分布撮影実行中に天板3を移動させてスキャンを行なうPET用スキャン制御部17と、被検体Mの撮影範囲を設定するRI分布像撮影範囲設定部18と、γ線検出器8から出力されるγ線検出信号にしたがって被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データを収集するRI三次元分布データ収集部19と、放射性同位元素の三次元分布データに基づいてRI分布画像を取得するRI分布画像取得部20などを備えている。RI分布画像取得部20で取得されるRI分布画像としては、サジタル画像やコロナル画像等の断層画像に加えて、MIP画像などが挙げられる。
また、X線CTデータや透過X線データが収集されるX線像撮影範囲や、放射性同位元素の三次元分布データが収集されるRI分布像撮影範囲は被検体Mが載置されている天板3の位置と対応しているので、X線像撮影範囲設定部12およびRI分布像撮影範囲設定部18ではX線像撮影範囲やRI分布像撮影範囲は天板3の位置で設定される。X線像撮影範囲やRI分布像撮影範囲の設定は、操作部21などによって行なわれる。
X線CT画像を撮影する場合は、X線用スキャン制御部11がガントリG1と天板移動機構22を制御してX線管4とX線検出器5を被検体Mの周りで回転させると同時にX線像撮影範囲設定部12で設定されているX線像撮影範囲にわたって天板3を水平に移動させる。天板3が移動する間、X線管4からX線が照射されると共にX線検出器5から出力されるX線検出信号にしたがってX線CTデータが収集される。
通常、X線CT撮影に先立ってX線CT撮影計画立案用の透過X線画像が撮影される。X線CT撮影計画立案用の透過X線画像を撮影する場合は、X線管4とX線検出器5は移動させず固定したままでX線用スキャン制御部11が天板移動機構22を制御してX線像撮影範囲設定部12で設定されているX線像撮影範囲にわたって天板3を水平に移動させる。天板3が移動する間、X線管4からX線が照射されると共にX線検出器5から出力されるX線検出信号にしたがって透過X線データが透過X線データ収集部15により収集される。その結果、収集された透過X線データに基づいて透過X線画像取得部16で取得されるX線CT撮影計画立案用の透過X線画像は、被検体Mについて体軸方向沿いの一定範囲を撮影視野としてX線照射軸の向きを視野の向きとするX線透視像となる。
具体的なX線CT撮影計画立案用の透過X線画像としては、例えば図2に示すように、略上半身が撮影視野となり、被検体Mを真正面視する向きが視野の向きとなっている透過X線画像PAが挙げられる。X線CT撮影計画を立てる時は、透過X線画像PAが表示モニタ7の画面に映し出される。
RI分布画像を撮影する場合も、PET用スキャン制御部17が天板移動機構22を制御してRI分布像撮影範囲設定部18に設定されているRI分布像撮影範囲にわたって天板3を水平に移動させる。天板3が移動する間、γ線検出器8から出力されるγ線検出信号にしたがって被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データが収集される。RI分布画像取得部20でRI分布画像を取得する場合、RI分布画像を取得する位置(撮影範囲)とRI分布画像の種類(サジタル画像やコロナル画像およびMIP画像等)に応じて操作部21で撮影視野や視野の向きなどを指定すると、RI分布画像取得部20によって三次元分布データから必要なデータが抽出されてRI分布画像が取得され、表示モニタ7の画面に映し出される。
なお、前述した通り、X線CT装置1とPET装置2は1台の天板3を共用している。したがって、X線CT装置1とPET装置2の撮影位置は、天板3の長手方向に関しては、X線CT用ガントリG1の中心とPET用ガントリG2の中心との距離Lを媒介ファクターとして相互に対応付けられる。天板3の短手方向に関しては、X線CT装置1とPET装置2の撮影位置は同じである。その結果、X線CTデータや透過X線データが収集された位置と、放射性同位元素の三次元分布データが収集された位置とが、X線CT用ガントリG1の中心とPET用ガントリG2の中心との距離Lを媒介ファクターとして相互に対応付けられる。
さらに、実施例1の複合CT装置は、RI分布画像取得部20は、放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体Mにおける撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を取得する構成とされているのに加え、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を透過X線画像に重ね合わせて表示する画像重畳表示部24を備えていることを特徴としているので、この特徴について具体的に説明する。
すなわち、図2のX線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAに即して言えば、RI分布画像取得部20は、撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAに対応するRI分布画像として、図3に示すように、略上半身が撮影視野となり、被検体Mを真正面視する向きが視野の向きとなっている透過X線画像PAと等サイズのMIP画像PBを取得する。
上述の通り、透過X線画像PAの元になる透過X線データの収集位置と、MIP画像PBの元になる放射性同位元素の三次元分布データの収集位置が、両ガントリG1,G2の中心間の距離Lを媒介ファクターとして相互に対応付けられているうえ、透過X線データや三次元分布データに付随するデータ収集間隔等の付属情報から透過X線画像PAと合致するMIP画像PBを取得するのは容易である。
画像重畳表示部24は、図4に示すように、透過X線画像PAにMIP画像PBを重ね合わせて表示モニタ7の画面に映し出す。透過X線画像PAとMIP画像PBが表示モニタ7の画面の上でぴったりと重なるとは限らないので、必要に応じてオペレータが操作部21を使って透過X線画像PAとMIP画像PBの重なり状態を調整する。
透過X線画像PAは被検体Mの解剖学的情報をもたらす画像であり、MIP画像PBを含むRI分布画像は被検体Mの生体機能情報をもたらす画像である。特にMIP画像は、被検体Mの深さ方向のRI分布が関与するかたちで描画される画像であるので、MIP画像によってもたらされる被検体Mの生体機能情報は空間的な拡がりを持っている。しかし、透過X線画像PAに対応するRI分布画像は、MIP画像PBに限らず、X線CT撮影の目的等に応じてコロナル画像やサジタル画像が用いられることもある。
加えて、実施例1の複合CT装置の場合、X線CT用制御処理部6にはX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示されるRI分布画像の表示濃度(表示画像の明るさ)を調節する画像表示濃度調節部23が配設されている。具体的には、画像表示濃度調節部23がRI分布画像を操作部21により設定した表示濃度で表示モニタ7の画面に映し出す。したがって、例えばMIP画像PBの表示濃度が透過X線画像PAの表示濃度に適していない場合、操作部21で表示濃度の設定を変更すると、画像表示濃度調節部23による表示濃度の調節機能が働いて、MIP画像PBの表示濃度が透過X線画像PAに適した濃度となる。
次に、以上の構成を有する実施例1の複合CT装置のX線CT撮影プロセスを図面を参照しながらX線CT撮影計画を立てる段階から説明する。図6は実施例1の複合CT装置のX線CT撮影プロセスを示すフローチャートである。なお、被検体Mは天板3に載置されていて、既にRIの投与も済んでいるものとする。
〔ステップS1〕X線用スキャン制御部11の制御にしたがって天板3が被検体MごとX線CT用ガントリG1に送り込まれてX線管4およびX線検出器5は移動せずに被検体Mだけが体軸Z方向に沿って移動するスキャンが行なわれるのに伴って、透過X線データ収集部15が透過X線データを収集する。
〔ステップS2〕透過X線画像取得部16が透過X線データ収集部15で収集された透過X線データに基づいて、図2に示すように、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAを取得する。
〔ステップS3〕オペレータが操作部21を使ってRI分布撮影の開始を指令すると、PET用スキャン制御部17の制御にしたがって天板3が被検体MごとPET用ガントリG2に送り込まれるスキャンが行なわれるのに伴って、RI三次元分布データ収集部19が被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データを収集する。
〔ステップS4〕RI分布画像取得部20が、撮影視野および視野の向きが透過X線画像PAに対応するRI分布画像として、図3に示すように、略上半身が撮影視野であり、被検体Mを真正面視する向きが視野の向きである透過X線画像PAと等サイズのMIP画像PBを取得する。
〔ステップS5〕画像重畳表示部24がX線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAと対応するMIP画像PBとを、図4に示すように、重ね合わせて表示モニタ7の画面に映し出す。
〔ステップS6〕オペレータが、操作部21を使って、図5に示すように、表示モニタ7の画面上でX線CT画像を取得する被検体Mのスライス断面の位置Q1,Q2〜,Q(n−1), Qnを設定することで、X線CT撮影計画が立案される。被検体Mのスライス断面の位置Q1〜Qnの間の範囲が天板3の位置データのかたちでX線像撮影範囲設定部12にセットされる。
この時、オペレータは透過X線画像PAの解剖学的情報に併せてMIP画像PBの生体機能情報を加味することができるので、X線CT撮影計画を的確に立案できる。
なおMIP画像PBの状況から被検体Mの生体機能情報を加味する必要がないと判断されるような時は、MIP画像PBは重ねずに、透過X線画像PAだけを表示モニタ7の画面に映し出してX線CT撮影計画が立てられることもある。
〔ステップS7〕オペレータが操作部21を使ってX線CT撮影の開始を指令すると、X線用スキャン制御部11の制御にしたがって被検体Mの周りをX線管4とX線検出器5が回るスキャンが行なわれるのに伴ってX線CTデータ収集部13がX線CTデータを収集する。
〔ステップS8〕X線CT画像取得部14がX線CTデータ収集部13で収集されたX線CTデータに基づいてスライス断面の各位置Q1,Q2〜,Q(n−1), Qn毎にX線CT画像を取得すると共に、必要に応じて取得されたX線CT画像が表示モニタ7の画面に映し出され、X線CT撮影は完了となる。
以上に述べたように、実施例1の複合CT装置の場合、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAが取得されると共に、被検体Mにおける撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAと対応するMIP画像PBが放射性同位元素の三次元分布データに基づいて取得されるのに加えて、これらX線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAと対応するMIP画像PBとが重ね合わせられて表示モニタ7の画面に映し出されるので、オペレータは、透過X線画像PAの解剖学的情報にMIP画像PBの生体機能情報を加味しながらX線CT撮影計画を的確に立案できる。
よって、実施例1の複合CT装置によれば、X線CT撮影計画に被検体Mの生体機能情報を反映させることができる。
請求項4の発明のX線CT装置に係る実施例2を図面を参照しながら説明する。図7は実施例2の医用のX線CT装置の全体構成を示すブロック図である。
実施例2のX線CT装置は、図7に示すように、PET装置などの他のCT装置が合体された複合CT装置ではなくて実質的に単独CT装置である。加えて、実施例2のX線CT装置は、X線CT用制御処理部6Aに、別途に独立して存在するPET装置2Aから送り込まれる被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データを記憶するRI三次元分布データ記憶部25と、被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を取得するRI分布画像取得部26が余分に配設されている。
実施例2のX線CT装置の場合、以上の他は、実施例1におけるX線CT装置1と同様であるので、実施例1と相違する点のみを説明し、共通する点の説明は省略する。
即ち、実施例2のX線CT装置の場合、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAは実施例1と同様にして取得されるが、RI分布撮影に関しては、被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データの収集迄は別途に独立して存在するPET装置2Aによって行なわれた後、被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データがRI三次元分布データ記憶部25に送り込まれて記憶される。
そして、実施例2のX線CT装置では、RI分布画像取得部26が、RI三次元分布データ記憶部25に記憶された被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データに基づき、撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAに対応するRI分布画像として、例えば図3に示すように、略上半身が撮影視野となり、被検体Mを真正面視する向きが視野の向きとなっている透過X線画像PAと等サイズのMIP画像PBを取得する構成とされている。
これ以降は、実施例1と全く同様に、画像重畳表示部24によってX線CT撮影計画立案用の透過X線画像PAとMIP画像PBを表示モニタ7の画面に重畳表示し、X線CT撮影計画を立てた後、X線CT撮影を実行する。
なお、実施例2のX線CT装置の場合、別途に独立して存在するPET装置2Aとは撮影範囲を対応付ける媒介ファクターは無いので、透過X線画像PAの元になる透過X線データの収集位置と、MIP画像PBの元になる放射性同位元素の三次元分布データの収集位置は対応付けられていない。しかし、MIP画像PBなどのRI分布画像は透過X線画像と類似の画像であるので、実際に画像を見たり、三次元分布データの付属情報を参照したりしながら操作部21で調整して容易に透過X線画像PAとMIP画像PBを重ね合わせることができる。
この発明は、上記の実施例に限られるものではなく、以下のように変形実施することも可能である。
(1)実施例1,2の場合、PET装置によって被検体Mにおける放射性同位元素の三次元分布データが収集される構成であったが、この発明は、SPECTなどPET装置以外のECT装置で放射性同位元素の三次元分布データが収集される場合にも適用することができる。
(2)実施例1の複合CT装置の場合、X線CT装置1とPET装置2とが1台の天板3や表示モニタ7および操作部21を共用する構成であったが、PET装置1とX線CT装置2が天板3や表示モニタ7および操作部21を別々に装備している構成であってもよい。
(3)実施例1の場合、先に透過X線データを収集して透過X線画像を取得したが、これは放射性同位元素の三次元分布データを収集した後であっても良い。
(4)実施例2のX線CT装置の場合、RI三次元分布データ記憶部25およびRI分布画像取得部26を備えていたが、RI三次元分布データ記憶部25およびRI分布画像取得部26を両方とも備えずにX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に対応するRI分布画像は別途に独立しているPET装置2Aから直接RI分布画像のかたちで受信してX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と重畳表示する構成である他は、実施例2と同様の構成のX線CT装置が、変形例として挙げられる。
実施例1の複合CT装置の全体構成を示すブロック図である。 実施例1の複合CT装置で取得されるX線CT撮影計画立案用の透過X線画像を示す模式図である。 実施例1の複合CT装置で取得されるX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に対応するMIP画像を示す模式図である。 実施例1の複合CT装置における透過X線画像とMIP画像の重畳状況を示す模式図である。 実施例1の複合CT装置におけるX線CT撮影計画の立案状況を示す模式図である。 実施例1の複合CT装置でのX線CT撮影プロセスを示すフローチャートである。 実施例2のX線CT装置の全体構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 …X線CT装置
2 …PET装置
4 …X線管(X線照射手段)
5 …X線検出器(X線検出手段)
8 …γ線検出器(γ線検出手段)
13 …X線CTデータ収集部(X線CTデータ収集手段)
14 …X線CT画像取得部(X線CT画像取得手段)
15 …透過X線データ収集部(透過X線データ収集手段)
16 …透過X線画像取得部(透過X線画像取得手段)
19 …RI三次元分布データ収集部(RI三次元分布データ収集手段)
20 …RI分布画像取得部(RI分布画像取得手段)
23 …画像表示濃度調節部(画像表示濃度調節手段)
24 …画像重畳表示部(画像重畳表示手段)
26 …RI分布画像取得部(RI分布画像取得手段)
PA …X線CT撮影計画立案用の透過X線画像
PB …MIP画像(最大値投影画像)
M …被検体

Claims (7)

  1. (A)撮影対象の被検体にX線を照射するX線照射手段と、(B)被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、(C)被検体の周りでX線照射手段とX線検出手段が移動するスキャンが行なわれるのに伴ってX線CTデータを収集するX線CTデータ収集手段と、(D)X線CTデータ収集手段で収集されたX線CTデータに基づいてX線CT画像を取得するX線CT画像取得手段と、(E)X線照射手段およびX線検出手段と被検体との間で被検体が体軸方向に沿って相対的に移動するスキャンが行なわれるのに伴って透過X線データを収集する透過X線データ収集手段と、(F)透過X線データ収集手段で収集された透過X線データに基づいてX線CT撮影計画立案用の透過X線画像を取得する透過X線画像取得手段と、(G)被検体に投与された放射性同位元素(RI=ラジオアイソトープ)によって生じるγ線を検出するγ線検出手段と、(H)γ線検出手段から出力されるγ線検出信号にしたがって被検体における放射性同位元素の三次元分布データを収集するRI三次元分布データ収集手段と、(I)放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を取得するRI分布画像取得手段と、(J)RI分布画像取得手段で取得されたRI分布画像をX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示する画像重畳表示手段とを備えていることを特徴とするX線・エミッション複合CT装置。
  2. 請求項1に記載のX線・エミッション複合CT装置において、RI分布画像取得手段により取得されるRI分布画像が最大値投影画像(MIP画像)であり、この最大値投影画像が画像重畳表示手段により透過X線画像に重ね合わせ表示されるX線・エミッション複合CT装置。
  3. 請求項1または2に記載のX線・エミッション複合CT装置において、(K)X線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示されるRI分布画像の表示濃度を調節する画像表示濃度調節手段を備えているX線・エミッション複合CT装置。
  4. (a)撮影対象の被検体にX線を照射するX線照射手段と、(b)被検体を透過したX線を検出するX線検出手段と、(c)被検体の周りでX線照射手段とX線検出手段が移動するスキャンが行なわれるのに伴ってX線CTデータを収集するX線CTデータ収集手段と、(d)X線CTデータ収集手段で収集されたX線CTデータに基づいてX線CT画像を取得するX線CT画像取得手段と、(e)X線照射手段およびX線検出手段と被検体との間で被検体が体軸方向に沿って相対的に移動するスキャンが行なわれるのに伴って透過X線データを収集する透過X線データ収集手段と、(f)透過X線データ収集手段で収集された透過X線データに基づいてX線CT撮影計画立案用の透過X線画像を取得する透過X線画像取得手段と、(g)放射性同位元素(RI=ラジオアイソトープ)が投与された被検体における放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応する状態で取得されたRI分布画像をX線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示する画像重畳表示手段とを備えていることを特徴とするX線CT装置。
  5. 請求項4に記載のX線CT装置において、(h)放射性同位元素が投与された被検体における放射性同位元素の三次元分布データに基づいて被検体における撮影視野および視野の向きがX線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像を取得するRI分布画像取得手段を備えているX線CT装置。
  6. 請求項4または5に記載のX線CT装置において、RI分布画像取得手段により取得されるRI分布画像が最大値投影画像(MIP画像)であり、この最大値投影画像が画像重畳表示手段により透過X線画像に重ね合わせ表示されるX線CT装置。
  7. 請求項4から6のいずれかに記載のX線CT装置において、(i)X線CT撮影計画立案用の透過X線画像に重ね合わせて表示されるRI分布画像の表示濃度を調節する画像表示濃度調節手段を備えているX線CT装置。

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