JP2007158455A - 圧電発振器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明の目的は、フリップチップ実装される半導体部品を有する圧電発振器において、瞬間的な発熱による熱変動が生じた場合に半導体部品から発する熱温度と圧電振動子の感応する熱温度とを瞬時に整合可能な圧電発振器構造を提供することにある。
【解決手段】
同一密閉容器3の同一キャビティ8中に圧電振動子2と半導体部品5を収納してなる圧電発振器1において、半導体部品5の実装端子9と圧電振動子2の引き出し電極10とが導電性接合材4によりオーバーハングした状態で搭載され、半導体部品5の他の実装端子9がキャビティ8底面に接続されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、携帯用通信機器等の電子機器に用いられる圧電発振器及びその製造方法に関するものである。
従来より携帯用の通信機器等の電子機器に温度補償型の圧電発振器が用いられている。
かかる従来の温度補償型の圧電発振器としては、例えば図3に示す如く、基板2の上下面にキャビティ40、50を有する容器31の上面のキャビティ40内に、圧電振動子42を実装して気密封止し、且つ前記キャビティ50内に、圧電振動子42の温度補償を行なうため半導体部品57を収容してなる温度補償型の圧電発振器であって、キャビティ50の内表面に、半導体部品57を保護するための樹脂58を充填した圧電発振器が開示してある。図3はその断面図である。
上述の構造により、容器31の表面に圧電振動子42を実装し、底面側に半導体部品57を実装しているため、表面面積の小さい小型の圧電発振器ができる。また、圧電振動子42と半導体部品57とを全く異なる領域に収容することができるため、圧電振動子42の発振動作を長期にわたり安定化させることができる。また、圧電振動子42の発振特性の不良を製造工程中に簡単に検出できるため、半導体部品57の無駄な消費、無駄な製造工程の未実施により、安価な圧電発振器となる。また、容器31の表面に圧電振動子42を実装した後に、半導体部品57を実装しているので、圧電振動子42の周波数安定化のために行なう熱処理が、半導体部品57に印加されず、半導体部品57の動作信頼性や接続信頼性を高めることができる。(例えば、特許文献1、2参照)
特開2000−138533号公報
特開1999−333858号公報 なお、出願人は前記した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を、本件出願時までに発見するに至らなかった。
しかしながら、上述したような従来の圧電発振器では、基板32を挟んで一方の主面上に圧電振動子42が実装され、他方の主面上に半導体部品37をフリップチップ実装し、且つ半導体部品57が実装されているキャビティ50内には樹脂58が充填されている構造のために、樹脂58を介して半導体部品57が発する熱が基板2に伝わり、キャビティ50内の圧電振動子42まで伝熱してしまう可能性がある。このことにより、温度補償回路内の感温素子が感知する温度と、実際の圧電振動子42の感知する温度との間に双方の感知温度が同一となるための時間差が生じ、このことから温度補償回路による温度補償精度が低下してしまうおそれがある。
特に半導体部品57の稼働に伴う瞬間的な発熱による熱変動が生じた場合に上記差異が大きくなる傾向があり、更に、圧電発振器自体の小型化が進むにつれ、半導体部品57の大きさが圧電発振器全体の大きさに対して占める割合が高くなり、且つ半導体部品57を搭載するキャビティ50のサイズも半導体部品57のサイズと同等のサイズ(つまり、半導体部品57表面とキャビティ50内面との間にほとんど隙間がない)となる形態であるために、より半導体部品57からの熱の影響を受けやすくなってしまう。
本発明は上記課題を鑑み発明されたものであり、従ってその目的は、フリップチップ実装される半導体部品を有する圧電発振器において、瞬間的な発熱による熱変動が生じた場合に半導体部品から発する熱温度と圧電振動子の感応する熱温度とを瞬時に整合可能な圧電発振器構造を提供することにある。
本発明の圧電発振器は、同一密閉容器の同一キャビティ中に圧電振動子と半導体部品を収納してなる圧電発振器において、前記半導体部品の実装端子と前記圧電振動子の引き出し電極とが導電性接合材によりオーバーハングした状態で搭載され、前記半導体部品の他の実装端子が前記キャビティ底面に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の圧電発振器の製造方法は、同一密閉容器の同一キャビティ中に圧電振動子と半導体部品を収納してなる圧電発振器の製造方法であって、前記半導体部品の実装端子に前記圧電振動子の引き出し電極を搭載する工程と、前記半導体部品と前記圧電振動子とが一体になった状態で前記キャビティ中に実装する工程と、前記キャビティ内に前記半導体部品と前記圧電振動子とが一体になった状態の前記圧電振動子の励振電極の周波数調整を行う工程とを含むことを特徴とする。
本発明の圧電発振器によれば、同一密閉容器の同一キャビティ中に圧電振動子と半導体部品を収納してなる圧電発振器で、半導体部品の実装端子と前記圧電振動子の引き出し電極とが導電性接合材によりオーバーハングした状態で搭載され、半導体部品の他の実装端子がキャビティ底面に接続されていることから、半導体部品と圧電振動子を直接導電性接合材により接続していることから、半導体部品から発する熱温度と圧電振動子の感応する熱温度に差異が生ずることがなく、温度補償回路による温度補償精度が低下することのない高精度の圧電発振器を得ることが可能となる。
また、本発明の圧電発振器の製造方法によれば、半導体部品の実装端子と圧電振動子の引き出し電極とが導電性接合材によりオーバーハングした状態で搭載されていることから、半導体部品と圧電振動子を基板の実装後でも、圧電振動子の周波数調整が可能となるので、周波数精度の向上、製造歩留まりの向上が可能となる。
以下に本発明の温度補償型の圧電発振器について図面に基づいて詳説する。図1は本発明の圧電発振器1の断面図であり、図2は本発明の圧電発振器の金属製蓋体7を搭載する前の上面図である。 圧電発振器1は圧電振動子2、セラミック等からなる凹型の容器3、導電性接合材4、半導体部品5、シームリング6、及び金属製蓋体7によって構成されている。
圧電振動子2の構成は図1、図2に示すように、短冊状の圧電片20の両主面に励振電極21を形成し、励振電極21が半導体部品5と厚み方向に重ならないように配置されている。
容器3は複数の絶縁層を積層してなる多層基板からなり、内部にはキャビティ8が形成されている。また容器3の側壁の一方には、階段状に段差が形成されており、その段差の平坦部に、半導体部品5が搭載され、段差部分に圧電振動子2が配置されるように、導電性接合材4により、半導体部品5と圧電振動子2が接続されている。即ち、圧電振動子2と半導体部品5はキャビティ8内において、異なる高さで厚み方向にオーバーハングした状態で搭載されている。このように圧電振動子2と半導体部品5がそれぞれ厚み方向に形成されていることで、半導体部品5と圧電振動子2を導電性接合材4により直接接続できるので、半導体部品5と圧電振動子2間に容量成分の発生がなく、容量成分による周波数変動の要因を最小とすることができる。また、圧電振動子2と半導体部品5は異なる高さで厚み方向にオーバーハングした状態で搭載されており、励振電極21が半導体部品5と重なることがないように配置することで半導体部品5と圧電振動子2を容器3に実装後も圧電振動子2の周波数調整を行うことが可能となる。
そして、容器3に収容された圧電振動子2、半導体部品5及び容器3の外表面に形成された端子電極11は容器3の絶縁層間に形成された内部配線12によってそれぞれ接続されている。
また、容器3は圧電振動子2、半導体部品5を収納し、それぞれ固着・接続したのち、圧電振動子2を所望の周波数となるように周波数調整後、シームリング6および金属製蓋体7によって、例えばシーム溶接等の方法により気密封止される。
そして、その半導体部品5により構成された発振回路に所定の駆動電圧を印加することにより、圧電振動子2は、圧電片20の厚みに依存した固有の共振周波数を有するので、この半導体部品5により構成された発振回路を介して発振信号として端子電極11に出力される。
次に上述した圧電発振器1の製造方法について、本発明の実施形態である図1、図2を用いて説明する。
まず、集合基板状態から切断された上面にキャビティ8が形成された容器3を準備する。キャビティ8には、その上面側に一対の接続パッドと接合用の導体層が被着・形成されている。また、キャビティ8と相反する面の四隅部には、端子電極11が先の図1に図示するように被着して形成されている。
まず、集合基板状態から切断された上面にキャビティ8が形成された容器3を準備する。キャビティ8には、その上面側に一対の接続パッドと接合用の導体層が被着・形成されている。また、キャビティ8と相反する面の四隅部には、端子電極11が先の図1に図示するように被着して形成されている。
このような容器3は、例えば、アルミナセラミックス等から成るセラミック材料粉末に適当な有機溶剤等を添加し更に混合して得たセラミックグリーンシートの表面等に、接続パッドや端子電極11等となる導体ペーストを所定のパターンに印刷して塗布するとともに、これを複数枚積層してプレス成形した後、高温で焼成することによって製作される。
そして、キャビティ8を有する容器3の内側に圧電振動子2と半導体部品5を導電性接合材4で電気的・機械的に接続した状態で搭載する。圧電振動子2はその励振電極21が半導体部品5と重ならないように容器3上に搭載される。
また、圧電振動子2の圧電片20の両面に形成された一方の励振電極21にAg等を蒸着(スパッタ)もしくは励振電極21をエッチングすることで圧電振動子2の周波数調整を行う。
さらに、容器3のキャビティ8に対応する金属製蓋体4を、圧電振動子2が封止されるように容器3上に載置・接合する。金属製蓋体4の材料としては、例えば、42アロイやコバール,リン青銅等の金属から成る厚みが60μm〜200μmの金属板が用いられる。
この工程では、金属製蓋体4を内側に対応するキャビティ8領域に圧電振動子2と半導体部品5が配されるようにして容器3上に載置させ、しかる後に両者を従来から周知の金すず封止等により接合することによって金属製蓋体4が容器3の上面に取着し固定される。なお、上述した一連の接合工程は、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましく、これによって圧電振動子2が収納される空間には不活性ガスが充満されるため、圧電振動子2が酸素や大気中の水分等によって腐食して劣化するおそれを有効に防止することができる。
そして、半導体部品5は、その回路形成面に周囲の温度状態を検知する感温素子や圧電振動子2の温度特性を補償する温度補償データを有し、温度補償データに基づいて圧電振動子2の振動特性を温度変化に応じて補正する温度補償回路を有する半導体部品5へ、圧電発振器1の仕様を所望の数値となるように、温度補償制御端子(不図示)よりビットデータを入力し温度補償データの書き込みを行う。
ここで、本発明の特徴部分は図1、図2に図示するように、半導体部品5の実装端子9と圧電振動子2の引き出し電極10とが導電性接合材4によりオーバーハングした状態で搭載され、半導体部品5の他の実装端子9がキャビティ8底面に接続され、半導体部品5と圧電振動子2を直接導電性接合材4により接続されていることから、半導体部品5から発する熱温度と圧電振動子2の感応する熱温度に差異が生ずることがなく、温度補償回路による温度補償精度が低下することのない高精度の圧電発振器を得ることが可能となる。また、半導体部品5の実装端子9と圧電振動子2の引き出し電極10とが導電性接合材4によりオーバーハングした状態で搭載されていることから、半導体部品5と圧電振動子2を容器3に実装後でも、圧電振動子2の周波数調整が可能となるので、圧電発振器の周波数精度の向上、製造歩留まりの向上が可能となる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば上述の実施形態においては、キャビティ8内に圧電振動子2と半導体部品5を1個ずつ搭載しているがそれぞれ複数個の圧電振動子2、半導体部品5を搭載した複合型の圧電発振器構造でも構わない。この場合も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでも無い。また、明細書に記載の導電性接合材4については、バンプ、導電性接着剤など通常用いる接合材を想定したものである。
1・・・圧電発振器
2・・・圧電振動子
3・・・容器
4・・・導電性接合材
5・・・半導体部品
6・・・シールリング
7・・・金属製蓋体
8・・・キャビティ
9・・・実装端子
10・・・引き出し電極
11・・・端子電極
12・・・内部配線
20・・・圧電片
21・・・励振電極
2・・・圧電振動子
3・・・容器
4・・・導電性接合材
5・・・半導体部品
6・・・シールリング
7・・・金属製蓋体
8・・・キャビティ
9・・・実装端子
10・・・引き出し電極
11・・・端子電極
12・・・内部配線
20・・・圧電片
21・・・励振電極
Claims (3)
- 同一密閉容器の同一キャビティ中に圧電振動子と半導体部品を収納してなる圧電発振器において、前記半導体部品の実装端子と前記圧電振動子の引き出し電極とが導電性接合材によりオーバーハングした状態で搭載され、前記半導体部品の他の実装端子が前記キャビティ底面に接続されていることを特徴とする圧電発振器。
- 請求項1記載のキャビティ内は、前記半導体部品を実装する高さより低い高さに前記圧電振動子が収納されていることを特徴とする圧電発振器。
- 同一密閉容器の同一キャビティ中に圧電振動子と半導体部品を収納してなる圧電発振器の製造方法であって、前記半導体部品の実装端子に前記圧電振動子の引き出し電極を搭載する工程と、前記半導体部品と前記圧電振動子とが一体になった状態で前記キャビティ中に実装する工程と、前記キャビティ内に前記半導体部品と前記圧電振動子とが一体になった状態の前記圧電振動子の励振電極の周波数調整を行う工程とを含むことを特徴とする圧電発振器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005347083A JP2007158455A (ja) | 2005-11-30 | 2005-11-30 | 圧電発振器及びその製造方法 |
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JP2005347083A Pending JP2007158455A (ja) | 2005-11-30 | 2005-11-30 | 圧電発振器及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2003516A2 (en) | 2007-06-15 | 2008-12-17 | Konica Minolta Business Technologies, INC. | Image-forming apparatus with intermediate transfer member |
US9590584B2 (en) | 2013-03-27 | 2017-03-07 | Seiko Epson Corporation | Resonation device, electronic device, and moving object |
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2005
- 2005-11-30 JP JP2005347083A patent/JP2007158455A/ja active Pending
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