JP2007158070A - 導電ペースト組成物及びそれを用いた厚膜チップ抵抗器 - Google Patents

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昌一 吉澤
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Abstract

【課題】電子工業で使用されている厚膜チップ抵抗器の電極形成などに用いられ、チップ基板との接着強度が高く、且つめっき面との密着性にも優れた導電ペースト組成物及びそれを用いた厚膜チップ抵抗器を提供する。
【解決手段】導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電ペースト組成物において、樹脂バインダー(B)は、エポキシ当量が1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を主成分とし、一方、有機溶剤(C)は、該エポキシ樹脂と相溶性があり、常温で液状、かつ沸点が200℃以上であることを特徴とする導電ペースト組成物;この導電ペースト組成物を用いて電極を形成してなる厚膜チップ抵抗器によって提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電ペースト組成物及びそれを用いた厚膜チップ抵抗器に関し、より詳しくは、電子工業で使用されている厚膜チップ抵抗器の電極形成などに用いられ、チップ基板との接着強度が高く、且つめっき面との密着性にも優れた導電ペースト組成物及びそれを用いた厚膜チップ抵抗器に関する。
厚膜チップ抵抗器は、基本的に、アルミナ等からなる絶縁性チップ基板の対向両側に電極となる導体膜を設け、この導体膜に接して抵抗体膜をチップ基板上に形成し、これら抵抗体膜及びチップ基板上の導体膜の一部分を被覆する保護膜をチップ基板に形成した構造を有する。そして、この厚膜チップ抵抗器を表面実装する際は、製品基板表面の銅箔面に直接半田で取付けられる。
この厚膜チップ抵抗器は、一般に次のような工程を経て製造される。まず、厚膜チップ抵抗器を構成するチップ基板の多数個を縦方向及び横方向に連ねてなるアルミナ基板を用意し、このアルミナ基板表面における各チップ基板の箇所ごとに銀−パラジウム導電ペーストを印刷、乾燥、焼成して上面電極を形成する。このアルミナ基板における各チップ基板の表面に、前記上面電極に跨るようにルテニウム系抵抗ペーストを帯状に印刷、乾燥、焼成して抵抗体を形成する。
次に、前記各チップ基板の上面に、前記抵抗体全体を覆うようにガラスペースト(プリコートガラス)を印刷、乾燥した後、約600℃で焼成してガラス保護膜を形成する。この各チップ基板の抵抗体の一部をレーザー光により破壊して抵抗値修正(トリミング)を行った後、その抵抗体上に再びガラスペースト(オーバーコートガラス)を印刷、乾燥し、約500〜600℃の温度で焼成することにより第2のガラス保護膜を形成する。
その後、前記アルミナ基板を各チップ基板に切断し、ディッピングあるいはローラなどによって側面に銀−パラジウム導電ペーストを塗布し、乾燥後、空気中にて約500〜600℃で焼成して側面電極を形成する。最後に、露出した上面電極及び側面電極に、半田付け時の電極食われ防止のために、Niめっき、Sn−Pbめっき等を施すことによって厚膜チップ抵抗器が完成する。
最近では、厚膜チップ抵抗器の低価格化に対応するために上記製造工程の簡略化が行われ、上面電極と抵抗体を1回の焼成工程で形成する同時焼成が行われるようになってきた。この同時焼成方法は、各チップ基板の表面に上面電極用の導電ペーストを印刷、乾燥した後、その上面電極を跨ぐように抵抗ペーストを印刷、乾燥し、引き続いて約850℃で焼成することにより上面電極と抵抗体を同時に形成する方法である。
従来、銀−パラジウム導電ペーストとしては、例えばエポキシ当量が500以下の低分子量のエポキシ樹脂を樹脂バインダーに用いることが検討されている(特許文献1参照)。ここに記載された導電性銀ペースト組成物は、スルーホール基板用であるが、このようなエポキシ樹脂は、室温で液状であるため、有機溶剤を配合しなくても基板に塗布できる場合がある。
しかし、有機溶剤を配合しないか、その配合量を極端に減らした銀−パラジウム導電ペーストを用いて上記の同時焼成を行うと、厚膜チップ抵抗器の上面電極と抵抗体の接合部付近に焼成時の熱収縮差によるクラックが発生したり、導電ペースト成分と抵抗ペースト成分が焼成中に反応し、上面電極と抵抗体の重なり部分に発泡を生じたりするため、抵抗値のバラツキや電流ノイズの悪化、めっき付着性の悪化が生じるという問題があった。
また、一般に導電ペーストにおいては、チップ基板と電極との間の接着強度の更なる向上が望まれているが、厚膜チップ抵抗器の場合、Niめっき工程におけるめっき液の電極内部への浸入や、めっき時に発生する水素によって、チップ基板と電極との間の接着強度が著しく低下するという問題があった。そこで、接着強度を向上させるため電極を緻密に形成することも行われているが、電極の密度を上げ過ぎると焼成中に抵抗体中のガラスが電極表面に滲み出し、めっきの付着性が著しく低下するという別の問題が生じていた。
これらの問題を解決するために、銀粉と樹脂バインダーとを組み合わせた銀−樹脂系の導電ペーストも提案されている。そして、例えば、銀粉に特定のフェノールノボラック型エポキシ樹脂と特定のフェノール樹脂硬化剤を組み合わせた銀−樹脂系の導電ペーストが知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、上記の銀−樹脂系の導電ペーストは、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の硬化収縮率が小さいために残留応力歪が小さく、クラックの発生やチップ基板と上面電極の界面剥離が少ないという利点を有するものの、導電性の改善はあまり期待できない。また、このエポキシ樹脂は、湿度雰囲気下における信頼性に乏しい、めっき面との密着強度が弱いなどの欠点を有している。尚、フェノール樹脂は、ポットライフが短い、硬化収縮率が大きいなどの欠点を有する。
このような状況にあって、厚膜チップ抵抗器の電極形成に用いた時、チップ基板との接着強度が高く、且つめっき面との密着性にも優れ、充分なシート抵抗が得られる導電ペースト組成物が望まれていた。
特開平6−139818号公報 特開平6−84974号公報
本発明は、上記した従来の問題点に鑑み、電子工業で使用されている厚膜チップ抵抗器の電極形成などに用いられ、チップ基板との接着強度が高く、且つめっき面との密着性にも優れた導電ペースト組成物及びそれを用いた厚膜チップ抵抗器を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意研究を重ね、導電ペースト組成物の主たる樹脂バインダーとして、エポキシ当量が1000以上のビスフェノールF型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル系エポキシ樹脂を用い、これを沸点が200℃以上である常温で液状の有機溶剤で希釈して、銀粉と混合することにより、銀−樹脂系の導電ペースト組成物を調製し、これを厚膜チップ抵抗器の電極形成に用いると、上面電極と抵抗体を同時焼成した時に熱収縮差によるクラックが生じず、チップ基板との接着強度が高く、且つめっき面との密着性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電ペースト組成物において、樹脂バインダー(B)は、エポキシ当量が1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を主成分とし、一方、有機溶剤(C)は、該エポキシ樹脂と相溶性があり、常温で液状、かつ沸点が200℃以上であることを特徴とする導電ペースト組成物が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、導電性フィラー(A)は、フレーク状銀粉であり、その長径における平均粒径が2〜10μmであることを特徴とする導電ペースト組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、導電性フィラー(A)の含有量が、組成物全体に対して、20〜95重量%であることを特徴とする導電ペースト組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂のエポキシ当量が、1000〜10000であることを特徴とする導電ペースト組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1又は4の発明において、前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はビスフェノールA型エポキシ樹脂のいずれかであることを特徴とする導電ペースト組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、樹脂バインダー(B)の含有量が、組成物全体に対して、10〜50重量%であることを特徴とする導電ペースト組成物が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1の発明において、有機溶剤(C)の含有量が、組成物全体に対して、5〜30重量%であることを特徴とする導電ペースト組成物が提供される。
一方、本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明に係る導電ペースト組成物を用いて電極を形成してなる厚膜チップ抵抗器が提供される。
本発明の導電ペースト組成物によれば、特定のエポキシ当量を有するグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を用いているので、厚膜チップ抵抗器の製造過程で上面電極と抵抗体の同時焼成を行っても、熱収縮差によるクラックが生じず、チップ基板との接着強度が高く、且つめっき面との密着性にも優れたものとなる。また、本発明の導電ペースト組成物は、ポットライフが長く、耐熱性にも優れている。従って、この導電ペースト組成物を用いることにより、信頼性の高い厚膜チップ抵抗器を得ることができる。
1.導電ペースト組成物
本発明の導電ペースト組成物は、導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電ペースト組成物において、樹脂バインダー(B)は、エポキシ当量が1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を主成分とし、一方、有機溶剤(C)は、該エポキシ樹脂と相溶性があり、常温で液状、かつ沸点が200℃以上であることを特徴とする。
すなわち、導電性フィラー、樹脂バインダー、有機溶剤の主要な構成成分のうち、樹脂バインダーがエポキシ当量1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を主成分とするため、ポットライフが長く、耐熱性にも優れると共に、焼成時に熱収縮差によるクラックが生じず、得られた電極のチップ基板との接着強度が高く、且つめっき面との密着性にも優れた導電ペースト組成物を得ることができる。
導電性フィラー(A)は、導電性を有する粉状の無機物質であり、例えば、金、銀、銅、ニッケルなどの金属粉や、カーボン、あるいはそれらの化合物などが挙げられ、低抵抗体であれば従来公知のものが使用できる。しかし、厚膜チップ抵抗器の各種特性、例えば抵抗値、めっき面との密着強度、組成物調製時の分散性などを考慮すると、銀粉を用いることが好ましい。銀以外の導電性フィラーを用いると、樹脂バインダー成分とのキレート形成によると思われる粘度変化が生じて不安定になったり、めっき面との十分な密着強度が得られなかったりする場合がある。その形状は、球状でもフレーク状でも構わないがフレーク状が更に好ましい。前記導電性フィラーとしてフレーク状銀粉を球状銀粉と混合して用いる場合、フレーク状銀粉の含有量が50〜90重量%であることが好ましい。
フレーク状銀粉は、平均粒径によって制限されないが、長径における平均粒径が2〜10μmであるものが好適である。長径の平均粒径が10μmを超えると、スクリーン印刷の際にスクリーンの目詰まりを生じ易くなるうえ、保存時に樹脂バインダーとの分離現象が生じ易くなるため好ましくない。また、平均粒径が2μm未満の場合には、均一な混合が困難となるうえ、組成物の粘度が著しく上昇し、塗布時に支障を来たすため好ましくない。
導電性フィラーの含有量は、導電ペースト組成物に対して20〜95重量%の範囲であり、組成物の粘度や硬化後に得られる抵抗値の関係から50〜90重量%の範囲が好ましい。導電性フィラーの含有量が20重量%未満では導電性が不足することがあり、95重量%を超えると組成物の粘度調整が困難となり好ましくない。
樹脂バインダー(B)は、エポキシ当量が1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を主成分として含有する。グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、例えばビスフェノール系ジグリシジルエーテル、ビスフェノールグリシジルエーテル、フェノールアルデヒドポリグリシジルエーテル、ポリフェノール系ポリグリシジルエーテル類などの樹脂が挙げられる。このうち、本発明においては、分子骨格にビスフェノール残基、分子の両末端にグリシジルエーテル基を有するビスフェノール系ジグリシジルエーテルが好ましい。
ビスフェノール系ジグリシジルエーテル樹脂としては、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールFジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールADジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールSジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテルなどの樹脂が挙げられる。本発明においては、これらの中でもビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルが性能面、入手容易性などの面からより好ましく、これらを単独で、あるいは混合して用いることができる。
本発明において、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、1000以上でなければならない。エポキシ当量としては1000〜10000の範囲が好ましい。エポキシ当量が1000未満では、エポキシ基当たりの分子量が小さすぎて、電極形成時に充分な接着強度を得ることが困難となり、また、エポキシ当量が10,000を超えると所望の粘度を得るために大量の溶剤を添加しなければならず、めっき面への密着強度などの特性低下が生じる場合がある。
また、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂は、エポキシ当量が1000以上であれば、一般に市販されているものを使用することができ、その製造方法も特に限定されることはない。
市販品には、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、例えば、商品名:4007P、4010P、4110、4210(ジャパンエポキシレジン(株)製)が挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、商品名:1007、1009、1010、1006FS、1007FS(ジャパンエポキシレジン(株)製)を挙げることができる。
本発明において有機溶剤(C)は、常温(具体的には25℃)で液状であり、上記したグリシジルエーテル型エポキシ樹脂の希釈用であるために、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂との相溶性が必要であることは言うまでもない。しかも、沸点が200℃以上であることを要する。沸点が200℃未満であると、めっき面との密着強度が発現しなくなるからである。尚、有機溶剤は、エポキシ樹脂の硬化反応に関与するものではなく、添加量が多くなると硬化後の電極のめっき面への密着強度が低下し易いため、樹脂組成物に対して5〜50重量%、特に10〜30重量%の範囲で添加又は含有させることが好ましい。
これらの条件を満たす有機溶剤としては、例えば、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ブチルフタリルブチルグリコレート、カルビトールアセテートなどが好ましく、また、沸点が200℃以上のグリコール類、酢酸エステル類などを挙げることができる。なお、市販されているグリシジルエーテル型エポキシ樹脂には、トルエン、キシレンなどの有機溶剤を配合して液状の樹脂溶液としたものがあるが、トルエン、キシレンなどの有機溶剤は、沸点が200℃未満であるから、上記の理由により本発明における樹脂バインダー成分として用いるのに好ましくない。
本発明の導電ペースト組成物は、上記した必須成分の他に、通常使用される添加剤、例えば、熱硬化性樹脂主剤、熱硬化性樹脂用の硬化剤、同硬化触媒(反応促進剤や反応開始剤等)、反応性希釈剤、各種変性剤、増粘剤、滑剤、レベリング剤、チキソトロピック剤、シランカップリング剤などを、本発明の目的を妨げない範囲で含むことができる。
添加可能な熱硬化性樹脂としては、例えば、前記エポキシ当量が1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂以外の各種エポキシ樹脂、ノボラック型等のフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ビス・マレイミドトリアジン樹脂、ポリアミドイミド樹脂などが挙げられ、これらの変性品や複合型も使用することができる。これらは、反応可能状態であれば、重合度や分子量に制約されることはない。ただし、これらの熱硬化性樹脂は、エポキシ当量が1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂に対して、50重量%以下でなければならず、好ましくは30重量%以下、さらには10重量%以下とすることが望ましい。
硬化剤としては、アミン類、酸無水物類、多価フェノール類、イミダゾール類、ブレンステッド酸塩類、ジシアンジアミド 類、有機酸ヒドラジッド類、ポリカルボン酸類及び有機ホスフィン類などが挙げられる。その配合量は、組成物に対して、0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%とすればよい。
また、シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどがある。
本発明の導電ペースト組成物を調製するには、上記した導電性フィラー、樹脂バインダー、及び有機溶剤を混練して、ペースト状とすればよい。各成分を混練するには、特別な装置を用いる必要はなく、例えば3本ロールミルなど公知の混練装置を使用することができる。これによって得られる本発明の導電ペースト組成物は、基板上に塗付し、乾燥した後、150〜200℃の温度で焼成することによって、電極などの導電体を形成することができる。
2.厚膜チップ抵抗器
本発明は、上記導電ペースト組成物を用いて基板に電極を形成した厚膜チップ抵抗器である。
厚膜チップ抵抗器は、アルミナ等からなる絶縁基板の対向両側に上記導電ペースト組成物を用いて導体膜が設けられ、この導体膜に接触するように抵抗体膜が基板上に形成され、これら抵抗体膜及び基板上の導体膜の一部分を被覆する保護膜が基板に施され作製される。
本発明では、前記の通り、ポットライフが長く、耐熱性にも優れている導電ペースト組成物を用いるため、信頼性の高い厚膜チップ抵抗器を得ることができる。
(実施例1−9)
下記に示す銀粉、エポキシ当量が1000以上の樹脂バインダー、及び沸点が200℃以上の有機溶剤を用い、下記表1に示す組成となるように3本ロールミルで混練して、本発明(試料1〜9)の導電ペースト組成物をそれぞれ調製した。
得られた試料1〜12の各導電ペースト組成物を、純度96重量%の1インチ角のアルミナ基板(京セラ(株)製、商品名:A473)上に、硬化後の厚さが約8μmとなるように、2mm角のパッドにスクリーン印刷し、乾燥した後、温度150℃で30分間焼成して硬化させた。
このように形成した各パッド上に、厚さ5μmのニッケルめっきを施し、直径0.65mmのスズめっき銅線を63重量%Sn−37重量%Pb半田で接合した。次に、上記スズめっき銅線をパッド端部で基板に対して直角に折り曲げ、引っ張り試験機により、基板を固定したままでスズめっき銅線を引っ張って接着強度を測定した。この接着強度が20N以上であれば、実用に供することができる。尚、上記引っ張り試験は、半田付け直後のものについて測定した。
さらに、上記のごとく形成した各パッドについて、デジタルマルチメーター(岩通電子(株)製、商品名:VOAC−7411)により、シート抵抗値を求めた。このシート抵抗値は、数値が小さいほど好ましい。これらの接着強度及びシート抵抗値の測定結果を、下記表1に示した。
(比較例1−3)
エポキシ当量が1000未満の樹脂バインダーを用いるか、有機溶剤を配合しないか、沸点が200℃未満の有機溶剤を用いた以外は上記実施例と同様にして、比較例(試料10〜12)の導電ペースト組成物をそれぞれ調製した。得られた試料の各導電ペースト組成物を、実施例と同様にして硬化させた。その後、同様にして接着強度を測定し、シート抵抗値を求めた。これらの接着強度及びシート抵抗値の測定結果を、下記表1に示した。
[銀粉]
A1:平均粒径1.8μmのフレーク状銀粉(福田金属箔工業(株)製、商品名:シルコートAgC−2011)
A2:平均粒径7.7μmのフレーク状銀粉(福田金属箔工業(株)製、商品名:シルコートAgC−2411)
A3:平均粒径12.2μmのフレーク状銀粉(福田金属箔工業(株)製、商品名:シルコートAgC−222)
[樹脂バインダー]
B1:エポキシ当量2270のビスフェノールF型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート4007P)
B2:エポキシ当量4400のビスフェノールF型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株) 製、商品名:エピコート4010)
B3:エポキシ当量160ビスフェノールF型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート806)
B11:エポキシ当量1007のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート1007)
B12:エポキシ当量5500のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株) 製、商品名:エピコート1010)
B13:エポキシ当量370ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート828)
[有機溶剤]
BCA:ブチルカルビトールアセテート(沸点245℃)
CA:カルビトールアセテート(沸点210℃)
BC:ブチルセロソルブ(沸点171℃)
[硬化剤]
ジシアンジアミド(ジャパンエポキシレジン社製、商品名:DICY7)
各組成物に1wt%添加
Figure 2007158070
(実施例10−18)
エポキシ当量が1000以上の樹脂バインダーとして、ビスフェノールF型エポキシ樹脂の代わりにビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いた以外は実施例1−9と同様にして、実施例(試料13〜21)の導電ペースト組成物をそれぞれ調製した。得られた試料の各導電ペースト組成物を、上記実施例と同様にして硬化させた。その後、同様にして接着強度を測定し、シート抵抗値を求めた。これらの接着強度及びシート抵抗値の測定結果を、下記表2に示した。
(比較例4−6)
エポキシ当量が1000未満の樹脂バインダーを用いるか、有機溶剤を配合しないか、沸点が200℃未満の有機溶剤を用いた以外は上記実施例と同様にして、比較例(試料22〜24)の導電ペースト組成物をそれぞれ調製した。得られた試料の各導電ペースト組成物を、実施例と同様にして硬化させた。その後、同様にして接着強度を測定し、シート抵抗値を求めた。これらの接着強度及びシート抵抗値の測定結果を、下記表2に示した。
Figure 2007158070
上記の結果から分かるように、本発明の実施例である試料1〜9、及び試料13〜21では、いずれも良好なシート抵抗値と共に、20N以上の高い密着強度を得ることができた。しかし、比較例である試料11、12、23、24は、有機溶剤を含まないか、有機溶剤として沸点が200℃未満のものを用いたため接着強度が著しく低下した。また、比較例の試料10、22は樹脂バインダーとしてエポキシ当量が1000以上のエポキシ樹脂を用いていないため接着強度が悪化している。

Claims (8)

  1. 導電性フィラー(A)と、樹脂バインダー(B)と、有機溶剤(C)とを含む導電ペースト組成物において、
    樹脂バインダー(B)は、エポキシ当量が1000以上のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を主成分とし、一方、有機溶剤(C)は、該エポキシ樹脂と相溶性があり、常温で液状、かつ沸点が200℃以上であることを特徴とする導電ペースト組成物。
  2. 導電性フィラー(A)は、フレーク状銀粉であり、その長径における平均粒径が2〜10μmであることを特徴とする、請求項1に記載の導電ペースト組成物。
  3. 導電性フィラー(A)の含有量が、組成物全体に対して、20〜95重量%であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の導電ペースト組成物。
  4. 前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂のエポキシ当量が、1000〜10000であることを特徴とする、請求項1に記載の導電ペースト組成物。
  5. 前記グリシジルエーテル型エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂又はビスフェノールA型エポキシ樹脂のいずれかであることを特徴とする、請求項1又は4に記載の導電ペースト組成物。
  6. 樹脂バインダー(B)の含有量が、組成物全体に対して、10〜50重量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の導電ペースト組成物。
  7. 有機溶剤(C)の含有量が、組成物全体に対して、5〜30重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の導電ペースト組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の導電ペースト組成物を用いて電極を形成してなる厚膜チップ抵抗器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103295707A (zh) * 2013-03-01 2013-09-11 广东丹邦科技有限公司 碳胶内埋电阻浆料及碳胶内埋电阻材料的制备方法
JP2017017117A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 國立成功大學National Cheng Kung University 車用硫化防止チップ抵抗器の製造方法

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