JP2007157719A - 粒子光学レンズの収差関数における収差係数の決定方法 - Google Patents

粒子光学レンズの収差関数における収差係数の決定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 対物レンズのような粒子光学レンズは収差に悩まされる。すでに数十年前から知られているように、ロンキーテストが、粒子光学レンズにおけるこれらの収差の決定に使用することが可能である。そのような方法はたとえば、一又は一組のロンキーテストにおいて、局所的拡大に基づく収差関数の2次導関数の決定に依存する。2次導関数に依存することで、これらの方法の数学的な解決法は、ロンキーテスト間で、(限りなく)小さくシフトするときのみ可能となる。しかしこのことはたとえば、ロンキーテストを記録するカメラの空間量子化雑音が大きなエラーを発生させることを意味する。これらの矛盾する要求は精度、つまり既知の方法の有用性を制限する。
【解決手段】 本発明は、一組のロンキーテストを用いることによって、レンズ収差係数を定量化する方法を改善する一組のアルゴリズムについて説明する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、粒子光学レンズにおける収差関数の収差係数の決定方法に関し、
・アモルファス試料に試料微細部分を供する手順、
・粒子ビームを供する手順、
・当該ビームを試料近傍に集光するレンズを供する手順、
・複数の試料微細部分の像を示す1次透過ロンキーテストを検出する手順、
・既知の量だけビームパラメータを変化させる手順、
・ほぼ同一の試料微細部分の像を示す2次透過ロンキーテストを検出する手順、
を有する。
本発明はまた、本発明の方法を実行するために備えられた粒子光学装置及び、そのような装置上で本発明の方法を自動的に実行するソフトウエアにも関する。
そのような方法は特許文献1から既知である。
本方法は、走査型透過電子顕微鏡(STEM)のような粒子光学装置における粒子光学素子の位置合わせ中に用いられる。より詳細には本方法は、補正器の調節に用いられ、当該補正器は、そのような装置におけるレンズ収差を補正する。
粒子光学装置はたとえば半導体産業において、ウエハから取り出された試料の検査及び分析を行うのに用いられる。そのような装置の別な用途は、生物学の研究において使用することである。生物学の研究分野において、これらの装置はたとえば、薬品及び/又は、細胞試料の分析に用いられる。
STEMでは、電子源が電子ビームを生成する。その際、電子はたとえば300keVのエネルギーに加速される。一以上の集束レンズは、電子源による像を生成する。その像は、分析される試料上で集束される。電磁偏向場により、試料上でビームを走査することが可能となる。電子の一部は試料を通過し、一以上の投影レンズによって、像平面上で結像される。この像平面は蛍光スクリーン又は、CCDカメラと一致して良い。偏向若しくは後方散乱電子、又は生成X線などから得られる他の情報を検出するのに、他の検出器が使用されても良い。
粒子光学装置は大抵の場合、粒子光学レンズを使用する。そのような粒子光学レンズは、磁気又は静電単極レンズである(つまり、これらのレンズの電磁場は、レンズ光軸に対して回転対称性を示す)。そのようなレンズでは球面収差及び色収差を示すことが避けられない。最近の装置では、対物レンズの収差は補正器で補正される。そのような補正器を適切に調節するため、補正された収差を決定する必要がある。
既知の方法では、電子ビームは透過試料上で集束され、1次ロンキーテストがCCDカメラ上で実行され、そのCCDカメラに記録される。ビームは試料上を移動し、2次ロンキーテストが記録される。これら二のロンキーテストを使用することで、ロンキーテストにおける各異なる位置での局所倍率が決定され、その局所倍率から、収差関数χの2次導関数が求められる。
収差関数は、たとえば非特許文献1から当業者には既知となっている。
既知の方法は、試料に対するビーム位置の変化に起因する部位の移動を決定することによって2次導関数を決定する。正しい値は、ビーム位置の変化が無限小のときのみ得られる。しかし位置変化は観測されなくてはならないため、たとえばロンキーテストの記録中又は、あるロンキーテストの記録と、それとは異なるロンキーテストの記録の間に生じる試料のドリフト効果を除去するには大きな移動が好ましい。上記問題のみならず、たとえばCCDカメラの空間分解能が制限されている結果生じる、空間量子化雑音の問題を除去するのにも大きな移動が好ましい。これらの矛盾する要求によって精度が制限され、既知の方法の有用性もが制限されることになる。
米国特許公開第6552340号明細書 米国特許公開第6858844号明細書 欧州特許公開第1197986号明細書 M.Haider他、"Upper limits for the residual aberrations of a high-resolution aberration-corrected STEM"、Ultramicroscopy、第81巻、2000年、pp.168
本発明の目的は、既知の方法よりも精度が改善された方法の提供である。
上記目的のため、本発明に従った方法は以下のような特徴を有する。
・レンズの像平面内における位置の関数である収差関数の1次導関数は、その係数が決定されている多項関数として定義される。
・複数の試料微細部分では、試料微細部分像の位置が各ロンキーテストについて決定され、複数の位置の対を与える。
・これらの位置及び、変化するビームパラメータの型に依存したアルゴリズムを利用して一組の方程式を解くことによって、多項関数の係数が決定される。
本発明は、適切なアルゴリズムを利用することで、アモルファス試料における二のロンキーテストから、収差関数の1次導関数を決定することが可能であるという知見に基づいている。特許文献1に記載の既知の方法で使用されているように、本発明はさらに、収差関数の1次導関数を利用することにより、2次導関数を利用するよりも、試料に対するビーム位置の変化を大きくすることができるという知見に基づいている。その結果、本発明に従った方法についてのロンキーテスト間での試料部位の位置変化もまた大きくなるので、(所与の空間分解能で)既知の方法よりも相対誤差の小さな像登録、つまりより正確な収差係数の決定が実現する。
レンズ像平面(レンズの対称軸に垂直)は、レンズ対称軸を原点とするx軸及びy軸で表される(z軸はレンズ軸と一致する)。レンズ像平面(その面はレンズの軸に垂直で、ここでレンズの軸はz軸と定義される)での収差関数は以下の式で表される。
Figure 2007157719
ω=(x+iy)/f、レンズの焦点距離で分割される像平面での複素座標、ω(オーバーバー)は複素共役を表す。係数は、表1で与えられるように、様々なレンズ収差に関する。
Figure 2007157719
球面収差の係数(C1、C3及びC5)が実数であるのに対し、他の収差係数はすべて複素数である。実部及び虚部は、収差への二の独立した寄与を表す。その結果、方程式[1]及び表1において、実に27(移動を考慮しない場合には25)の独立した収差係数が存在する。
ここで、一組のロンキーテストから、どのようにして収差関数の1次導関数の係数を決定できるのかを示す。問題を1次元で考えることにする(x軸での変化の効果についてのみ示す)。しかし、その結果は2次元系(x及びy)においても同様に有効である。第1ロンキーテストは、近軸像平面と試料が備えられている面とが一致するような状況で実行されると仮定される。なお、そのような状況で本発明の方法が実行されることが必要なわけではない。
試料を照射するビームは、多数の粒子線からなると考えて良い。試料上に存在するある試料部位は、特定の粒子線によって、たとえばCCDカメラ上で結像される。各ロンキーテスト及び、各試料部位では、ビーム中において、当該試料部位をカメラ面へ結像するのに主として寄与する特定粒子線を特定することが可能である。カメラ面とレンズのアパーチャ面との間の倍率Mは、M=L/fで与えられる。ここで、fはレンズの焦点距離で、Lは所謂カメラ距離である。
粒子線から光軸までの距離は、
Figure 2007157719
で表される。ここでxaはレンズのアパーチャ面に投影された試料部位の位置を表し、xa/fはレンズ軸に対して無収差の粒子線の傾きを表し、(∂χ/∂x)xaはレンズ収差によるこの傾きの微分係数を表す。
第2ロンキーテストは変更されたビームパラメータとともに記録される。
第1例として、ビームはΔC1でわずかに焦点からずれている。ここで同一部位が他の粒子線によって結像される。軸からのこの部位の距離は以下のように表される。
Figure 2007157719
ここでxbはレンズのアパーチャ面に投影される試料部位の位置を表す。
第2ロンキーテストの記録に使用されるビームの第2例として、ビームは既知のビームシフトSだけわずかに移動する。ここで同一部位が他の粒子線によって結像される。軸からのこの部位の距離は以下のように表される。
Figure 2007157719
第2ロンキーテストの記録に使用されるビームの第3例として、ビームは既知のビーム傾きτだけわずかに傾く。ここで同一部位が他の粒子線によって結像される。軸からのこの部位の距離は以下のように表される。
Figure 2007157719
ここで、Δpは試料に対するピボット点の光軸上の位置を表し、C1は焦点ずれを表す(表1も参照のこと)。
上述の式[3]から、第1ロンキーテストでの初期位置xaと、第2ロンキーテストでの最終位置xbとの関係が以下のように表されることを簡単に導くことができる。
焦点ずれΔC1の場合、
Figure 2007157719
ビームシフトSの場合、
Figure 2007157719
ビーム傾きτの場合、
Figure 2007157719
上述のように、本発明に従うと、微分係数(∂χ/∂x)xは係数の決定された多項式で表される。式[4]の各々は、一の試料部位につき、一組の(∂χ/∂x)xを二の異なる位置xa及びxbで与える。多くの様々な像部位の像シフトを決定することによって、これらの組の多くが決定する。これらの多くの組について解くことで、収差関数の1次導関数の係数が与えられる。その係数から、収差関数それ自身を導くことができる。
ドリフト効果が場所に依存しないため、1次ロンキーテストに対して2次ロンキーテストで均一にシフトするドリフト効果を除去することが可能であることに留意すべきである。ドリフトは、組をなす決定されるべき係数での付加的係数として決定することが可能な付加的パラメータである。
解くべき方程式の数と係数の数とは厳密に対応する必要がないことにさらに留意すべきである。多数の方程式(多数の組)が用いられるとき、パラメータフィッティングを実行することが可能であり、その結果精度が改善する。
特許文献2では、所謂走査像の‘一連のスルーフォーカス(through-focus series)’を記録することによって、ビームプロファイルを決定する別な方法について説明されていることに留意すべきである。走査像の一連のスルーフォーカスとは、各異なるビームのデフォーカス値を用いた一連の像である。よって得られた像のデコンボリューションは、焦点から各異なるデフォーカス距離でのビームプロファイルを与える。これらのプロファイルの差異は、ビーム収差の決定に用いられる。
この方法の欠点は、多くの像がSTEMモード(つまり試料上をビームで走査するモード)で取得されなくてはならないことである。TEM及びSTEMの当業者にとって周知であるように、そのような像の生成は、ロンキーテストの実行よりも時間を要する。別な欠点は、試料がデコンボリューションに適した型、つまり明確に画定された部位を有する試料でなくてはならないことである。従って、特許文献2の方法で使用される試料は大抵の場合、特殊な型の試料で、収差係数を決定(及び収差を最小にするために補正器を調節した)した後、その試料は装置の外に取り出され、分析される試料が挿入されなくてはならない。これは時間を要する上に、補正器の振る舞いが交換に影響される危険性がある。そのような危険性の例としては、たとえばそのような交換によって温度変化が生じることで調節が不正確になってしまうことがある。
本発明に従った方法の実施例では、ビームパラメータの変化は、試料に対するビーム角度の変化を含む。この実施例については式4cで説明されている。
本発明に従った方法の別な実施例では、ビームパラメータの変化は、レンズの焦点距離の変化を含む。この実施例については式4aで説明されている。
ビーム位置のそのような変化を取得するため、ビームを試料に集束させるレンズの焦点距離を変化させることが必要であることに留意すべきである。電子源と別なレンズとの間でのレンズ強度を変化させることによって、ビームもまた変化する。このことは、そのようなレンズの(磁)場の大きな変化を利用でき、その結果たとえば磁気ヒステリシスの干渉を受けなくなるという利点を有するだろう。
本発明に従った方法のさらに別な実施例では、ビームパラメータの変化は、試料に対するビームのシフトを含む。この実施例については式4bで説明されている。
たとえ、あるロンキーテストの記録と別なロンキーテストの記録との間で、このような位置変化が特許文献1で既知となっている方法で明らかになるとしても、本発明に従った方法は、それとは異なる方法で係数を決定することに留意すべきである。従って本発明に従った方法は、特許文献1から既知となっている方法とは異なる。
本発明に従った方法の他の実施例では、位置変化は電磁場によって引き起こされる。たとえ位置変化を機械的に引き起こすことが可能だとしても、電磁場を変化させることでそのような変化を得るのは特に容易である。これは特に正しい。その理由は、必要な変化が非常に微細で、ほぼ原子スケールに対応する精度で既知でなくてはならないからである。
さらに別な実施例では、ビームパラメータの変化はビームエネルギーの変化を含む。
本発明に従ったさらに他の実施例では、第2ロンキーテストで記録されるすべての部位は、予想されるシフト値によって空間的に事前に調節される。試料微細部分の相対変位が決定される前に。
本発明に従った方法のまたさらに別な実施例では、補正器は決定された係数に基づいて調節される。
本発明に従った方法は、たとえばすべての収差がある既定値よりも小さくなるまで繰り返し実行されても良いことに留意すべきである。
本発明は図に基づいて明らかにされる。図中の同一参照番号は対応する構成要素を表す。
図1は、試料部位をスクリーン上に結像する、球面収差を有するレンズを概略的に図示している。光軸102を有するレンズ101は、多数の粒子線103で構成される粒子ビームをガウス型焦点104に集束する。粒子は投影スクリーン105上に投影される。ここで投影された粒子は、たとえば粒子の衝突のため、スクリーン105によって発光する光を記録することによって記録される。レンズ101の球面収差のため、軸102から外れた粒子線103は、大きく屈折し、これらの粒子線は、ガウス型焦点104とレンズ101との間にある位置で軸102と交差する。第1試料面110では、二の試料部位が表され、第2部位113が軸から外れた場所に位置している。ビームの中心線と交差する第1部位は、スクリーン105の位置112において影の像を生成し、粒子線115と交差する第2部位113は、位置114において影の像を生成する。
スクリーン105上での試料部位の倍率は、その部位によって遮断される粒子線103が軸104を通過する場所及び、試料面からスクリーン105までの距離に依存する。実際、試料からスクリーン105までの距離(所謂カメラ長)が、試料からレンズまでの距離よりもはるかに大きい、つまり粒子線が光軸と交差する様々な位置から試料までの距離よりもはるかに大きいため、試料面からスクリーンまでの距離はほぼ一定と推定されて良い(カメラ長の典型的な値は数十cmで、レンズの焦点距離は典型的には数十mmで、試料位置から焦点面までの距離は典型的には100μm未満になるように選ばれる)。従って、試料上の部位の倍率は、像部位の一部がレンズ焦点面か、あるいは焦点面に非常に近い場所に位置するときに劇的に変化する。
第1部位(の中心部)が焦点と一致するので、その部位は無限大の倍率で結像される。焦点面から離れた第2部位は全く拡大されない。
ここで試料が、レンズから距離Δfだけ離れた場所に位置する他の試料面120へ移動するとき、位置121にある第1部位は、位置122で影の像を生成する。それは、たとえ倍率が変化するとしても、スクリーン105上でこれまでに生成された位置112と一致する。位置123にある第2部位は、位置124で影の像を生成する。この位置は、スクリーン105上にこれまでに生成された位置114に対して変位している。その倍率変化は、遮断される粒子線115及び125が試料面に対する光軸を通過する場所での距離変化がほとんどないため、第1部位の倍率変化よりもはるかに小さい。
試料が、ガウス型焦点104と、最も外側の粒子線が光軸と交差する場所との間に設けられている場合、スクリーン105上で、試料の倍率が無限大となる光軸102の周りに輪が存在する。これにより、ロンキーテストでよく観察される環状パターンが生じる。その結果、輪内部に位置する第1部位の倍率は、輪の外側に位置する第2部位の倍率とは反対の符号を有する。
本発明に従った方法では、スクリーン上にそのような無限大の倍率の輪を有するのは望ましくない。そのような輪によって、各異なるロンキーテストでの部位の移動を決定するのが難しくなる。従って、本発明に従った方法を実行しながら記録されるロンキーテストは、レンズと試料面との間のガウス型焦点面、つまりわずかに過焦点となる場所で行われるのが好ましい。
試料の位置106の変化が既知であると仮定すると、球面収差及び他の収差は、部位の像の相対変位及び倍率から求めることができる。
たとえ上述の例が、試料に対して各異なるビーム位置をとることによる焦点ずらしを利用するとしても、ビームの傾き又はビームシフトがなされるときと同様の結果を得ることができるのは明らかである。
本方法の精度を改善するため、さらに別なロンキーテストを記録すること及び、一組のたとえば三のロンキーテストに基づいて収差係数を決定することが可能である。
図2は、本発明に従った方法を実行するために備えられているSTEMを概略的に図示している。
STEM200では、電子源204の形式をとる粒子源が、光軸202に沿って電子ビームを放出する。電子源204は、集束光学系206によって結像され、補正器を通過する。当該補正器は対物レンズ212の収差を補正する。対物レンズ212の前に偏向ユニット210が設けられる。この偏向ユニットによって、ビームは試料上で走査される。対物レンズ212は、ビームを試料位置214上に集束する。試料位置214には、試料が設けられている。試料を通過する電子は、投影光学系216によって、蛍光層218上で結像される。電子の衝突に応じて、この層は発光し、発光した光はファイバ光学系222を介してカメラ220で検出される。カメラ220によって検出された像は、コントローラ224へ送られる。コントローラ224は、カメラからの像を記録及び分析し、たとえば集束光学系206、偏向ユニット208、補正器210及び対物レンズ212を制御する。
本発明に従うと、コントローラ224は、第1ロンキーテストを記録し、続いてたとえば対物レンズ212の焦点距離を変化させることによって、ビームパラメータを変化させる。それによって、わずかな焦点ずれΔfが導入され、第2ロンキーテストが記録される。これら二のロンキーテストが比較され、多数の位置において、試料微細部分の対応する像の位置(つまり、第1ロンキーテスト及び第2ロンキーテストにおける同一試料微細部分の像位置)が決定される。これらの位置の対及び、式[4a]、[4b]及び[4c]のうちの一(変更するビームパラメータの種類による)を使用することによって、一組の方程式が生じる。この組の方程式を解くことによって、収差関数の1次導関数の係数が決定し、存在する収差を減少させるように、補正器208を調節することが可能となる。
図3は、二のロンキーテストを比較したときに決定されるシフトの代表例を概略的に図示している。各ベクトルは、第1ロンキーテストと第2ロンキーテストとの間にある像部位の位置の移動を表す。つまり、各ベクトルの始点は、第1ロンキーテストでのある試料部位の位置を表し、各ベクトルの終点は第2ロンキーテストでの当該試料部位の位置を表す。
スクリーン上に試料の外観を結像する、球面収差を有するレンズを概略的に図示している。 本発明に従った方法を実行するために備えられたSTEMを概略的に図示している。 ベクトル場を概略的に図示している。各ベクトルは、二のロンキーテスト間での試料外観の変位を示す。
符号の説明
101 レンズ
102 光軸
103 粒子線
104 ガウス型焦点
105 投影スクリーン
106 距離
110 第1試料面
111 第1部位
112 第1部位のスクリーン上の位置
113 第2部位
114 第2部位のスクリーン上の位置
115 交差粒子線
120 別な試料面
121 移動した第1部位の位置
122 移動した第1部位のスクリーン上の位置
123 移動した第2部位の位置
124 移動した第2部位のスクリーン上の位置
125 粒子線
200 STEM
202 光軸
204 電子源
206 集束光学系
208 補正器
210 偏向ユニット
212 対物レンズ
214 試料位置
216 投影光学系
218 蛍光層
220 カメラ
222 ファイバ光学系
224 コレクタ、コントローラ

Claims (10)

  1. 粒子光学レンズの収差関数の収差係数を決定する方法であって:
    試料微細部分を有するアモルファス試料を供する手順;
    粒子ビームを供する手順;
    前記試料近傍で前記ビームを集束させるレンズを供する手順;
    複数の試料微細部分の像を示す第1透過ロンキーテストを記録する手順;
    既知の量だけビームパラメータを変更する手順;
    ほぼ同一の前記試料微細部分の像を示す第2透過ロンキーテストを記録する手順;
    を有し、
    前記レンズの像平面での位置の関数である前記収差関数の1次導関数が、係数の決定された多項関数で定義される;
    複数の試料微細部分について、前記試料微細部分の像の位置が各ロンキーテストで決定されることで複数の位置の対を与える;
    前記の位置の対及び、変更されるビームパラメータの種類に依存するアルゴリズムを利用して、前記多項関数の係数が一組の方程式を解くことによって決定される;
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記のビームパラメータ変化が、前記試料に対するビームの角度変化を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記のビームパラメータ変化が、レンズの焦点距離の変化を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記のビームパラメータ変化が、前記試料に対する前記ビームの移動を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記変化が、静電場又は磁場の変化によって引き起こされることを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
  6. 前記のビームパラメータ変化が、前記ビームのエネルギー変化を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記試料微細部分の相対変位が決定される前に、第2ロンキーテストで記録されるすべての部位の位置が、予想された移動量で空間的に事前調節されることを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
  8. 補正器が、前記の決定された収差係数に基づいて調節されることを特徴とする、上記請求項のうちのいずれか1つに記載の方法。
  9. 上記請求項のうちのいずれか1つに記載の方法を実行するために備えられている粒子光学装置。
  10. 請求項9に記載の装置で、請求項1から8までのうちのいずれか1つに記載の方法を自動的に実行するためのソフトウエア。
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